JP7491290B2 - 高圧タンクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧タンクの製造方法に関する。
燃料電池自動車等に搭載される高圧タンクとして、円筒状のパイプ部と該パイプ部の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部とを有するライナーと、ライナーの外周面を覆う繊維強化樹脂からなる補強層とを備えるものが知られている。このような構造を有する高圧タンクは、先にライナーを形成し、形成したライナーを巻き芯としてフィラメントワインディング法(FW法)で、樹脂が含浸された繊維束を該ライナーの外周面に巻回して補強層を形成することにより製造されている(例えば下記特許文献1参照)。
特開2012-149739号公報
最近では、上述の製造方法に代わる方法として、型を使ってライナーのパイプ部を覆うパイプ補強層及びドーム部を覆うドーム補強層をそれぞれ作製し、作製したパイプ補強層とドーム補強層とを組み付ける方法が検討されている。しかし、この製造方法において、ドーム補強層を効率良く作製する方法が未だ確立されておらず、高圧タンクの生産性の向上を図り難い問題がある。
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、ドーム補強層を効率良く作製でき、高圧タンクの生産性を向上できる高圧タンクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る高圧タンクの製造方法は、円筒状のパイプ部と前記パイプ部の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部とを有するライナーと、前記パイプ部の外周面を覆うパイプ補強層と前記ドーム部の外周面を覆うドーム補強層とを有する補強部とを備える高圧タンクの製造方法であって、複数の繊維強化樹脂板材を互いに交差するように積層することにより円板状のドーム補強層中間体を形成し、形成した前記ドーム補強層中間体をドーム状にプレス成形することにより前記ドーム補強層を作製するドーム補強層作製工程を含むことを特徴とする高圧タンクの製造方法。
本発明に係る高圧タンクの製造方法によれば、ドーム補強層は、複数の繊維強化樹脂板材を互いに交差するように積層することにより円板状のドーム補強層中間体を形成し、形成した前記ドーム補強層中間体をドーム状にプレス成形することにより作製される。従って、ドーム補強層を効率良く作製でき、高圧タンクの生産性を向上することができる。また、複数の繊維強化樹脂板材を互いに交差するように積層するため、繊維強化樹脂板材を平行に積層する場合と比べて、作製されるドーム補強層の強度を高めることができる。
本発明に係る高圧タンクの製造方法において、前記ドーム補強層作製工程において、円柱状のガイド凹部と前記ガイド凹部の中央位置に立設されたシャフトとを有する治具を用いて、前記シャフトを中心として回転するように前記複数の繊維強化樹脂板材を前記ガイド凹部に積層することにより前記ドーム補強層中間体を形成することが好ましい。このようにすれば、ドーム補強層中間体を効率良く作製できるとともに、作製されるドーム補強層の強度を確保することができる。
本発明に係る高圧タンクの製造方法において、前記ドーム補強層作製工程において、円柱状のガイド凹部を有する治具を用いて、前記ガイド凹部の中心を中心として回転するように前記複数の繊維強化樹脂板材を前記ガイド凹部に積層することにより前記ドーム補強層中間体を形成することが好ましい。このようにすれば、ドーム補強層中間体を効率良く作製できるとともに、作製されるドーム補強層の強度を確保することができる。
本発明によれば、ドーム補強層を効率良く作製でき、高圧タンクの生産性を向上することができる。
高圧タンクの構造を示す概略断面図である。 実施形態に係る高圧タンクの製造方法を示す工程図である。 第1ドーム補強層の作製を説明する模式図である。 第1ドーム補強層に口金を取り付けることを示す断面図である。 第1ドーム分割体の形成を説明する断面図である。 第2ドーム分割体の形成を説明する断面図である。 パイプ補強層の作製を説明する断面図である。 パイプ分割体の形成を説明する断面図である。 第1ドーム分割体、パイプ分割体及び第2ドーム分割体の組み付けを説明する断面図である。 高ヘリカル層の形成を説明する断面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る高圧の製造方法の実施形態について説明するが、その前に図1を基に高圧タンクの構造を説明する。
[高圧タンクについて]
図1は高圧タンクの構造を示す概略断面図である。高圧タンク1は、例えば燃料電池車両に搭載されており、その内部には高圧の水素ガスが充填される。なお、高圧タンク1に充填されるガスとしては、高圧の水素ガスに限定されず、CNG(圧縮天然ガス)等の各圧縮ガス、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)等の各種液化ガス、その他のガスであっても良い。
図1に示すように、高圧タンク1は、両端がドーム状に丸みを帯びた略円筒形状の高圧ガス貯蔵容器であって、ガスバリア性を有するライナー2と、ライナー2の外周面を覆うとともに複数の補強層を有する補強部3と、高圧タンク1の一端部に取り付けられた口金4と、を備えている。
ライナー2は、高圧水素を貯留する貯留空間5を有する中空の容器であって、水素ガスに対するガスバリア性を有する樹脂材料によって形成されている。このライナー2は、円筒状のパイプ部21と該パイプ部21の軸方向(すなわち、高圧タンク1の軸L方向)の両側に設けられた一対のドーム部(第1ドーム部22、第2ドーム部23)とで構成されている。パイプ部21は、高圧タンク1の軸L方向に沿って所定の長さで延在している。第1ドーム部22及び第2ドーム部23は、パイプ部21の両側に連続して形成されており、パイプ部21から遠ざかるに従ってそれぞれ縮径している。
第1ドーム部22の端部221は、口金4と連結されている。第1ドーム部22の端部221とは反対側の端部222は、高圧タンク1の外側に反るように形成されている。そして、第2ドーム部23の端部231も、高圧タンク1の外側に反るように形成されている。
ライナー2を形成する樹脂材料は、充填されるガスを貯留空間5内に保持する性能、すなわち、ガスバリア性が良好なものであることが好ましい。このような樹脂材料としては、後述する熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられる。
口金4は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属材料を所定形状に加工したものである。この口金4は、略円筒状の口金本体部41と、ライナー2と補強部3との間に嵌入された鍔部42とを有する。口金4には、貯留空間5に対して水素ガスを充填及び排出するためのバルブ(図示せず)が取り付けられる。
補強部3は、ライナー2を補強して高圧タンク1の剛性や耐圧性等の機械的強度を向上させる機能を有し、強化繊維(連続繊維)に樹脂が含浸された繊維強化樹脂等により形成された補強層を複数有する。具体的には、この補強部3は、パイプ部21の外周面を覆うパイプ補強層31と、第1ドーム部22の外周面を覆う第1ドーム補強層32と、第2ドーム部23の外周面を覆う第2ドーム補強層33と、パイプ補強層31の全体、第1ドーム補強層32の一部及び第2ドーム補強層33の一部を覆う高ヘリカル層34と、高ヘリカル層34の全体、第1ドーム補強層32の一部及び第2ドーム補強層33の一部を覆う外ヘリカル層35と、を有する。
パイプ補強層31は、パイプ部21に対応する補強層であり、パイプ部21の形状に倣って円筒状を呈している。パイプ補強層31は強化繊維に樹脂が含浸された繊維強化樹脂によって形成されている。パイプ補強層31の強化繊維は、高圧タンク1の軸L方向に対して略直交する角度で周状に配向されており、言い換えれば、パイプ補強層31の強化繊維は、高圧タンク1の周方向に配向されている。
第1ドーム補強層32は、第1ドーム部22に対応する補強層であり、第1ドーム部22の形状に倣ってドーム状を呈している。第1ドーム補強層32は、強化繊維に樹脂が含浸された繊維強化樹脂によって形成されている。第1ドーム補強層32の強化繊維は、高圧タンク1の周方向に配向されておらず、高圧タンク1の周方向と交差する様々な方向に延在している。
第2ドーム補強層33は、第2ドーム部23に対応する補強層であり、第2ドーム部23の形状に倣ってドーム状を呈している。第2ドーム補強層33は、強化繊維に樹脂が含浸された繊維強化樹脂によって形成されている。第2ドーム補強層33の強化繊維は、高圧タンク1の周方向に配向されておらず、高圧タンク1の周方向と交差する様々な方向に延在している。
なお、パイプ補強層31の強化繊維と、第1ドーム補強層32又は第2ドーム補強層33の強化繊維とは連続していない(繋がっていない)。これは、後述するように、パイプ補強層31と第1ドーム補強層32と第2ドーム補強層33とが別々に作製されたものであるからである。
本実施形態では、パイプ部21と該パイプ部21の外周面を覆うパイプ補強層31とはパイプ分割体11を構成し、第1ドーム部22と該第1ドーム部22の外周面を覆う第1ドーム補強層32とは第1ドーム分割体12を構成し、第2ドーム部23と該第2ドーム部23の外周面を覆う第2ドーム補強層33とは第2ドーム分割体13を構成する。
高圧タンク1の軸L方向において、パイプ分割体11、第1ドーム分割体12及び第2ドーム分割体13は、パイプ分割体11の一端部が第1ドーム分割体12と組み付けられ、パイプ分割体11の他端部が第2ドーム分割体13と組み付けられることにより、組付体10を形成する。そして、パイプ分割体11と第1ドーム分割体12とは、第1ドーム部22がパイプ部21よりも高圧タンク1の外側に配置されるように、組み付けられている。同様に、パイプ分割体11と第2ドーム分割体13とは、第2ドーム部23がパイプ部21よりも高圧タンク1の外側に配置されるように、組み付けられている。
高圧タンク1の軸L方向におけるパイプ部21の両端部は、それぞれ高圧タンク1の外側に折り返された折り返し端部211である。具体的には、折り返し端部211は、その外側に配置されたパイプ補強層31の端部を囲むように高圧タンク1の外側に折り返され、該パイプ補強層31の厚さの半分程度まで延びるように形成されている。そして、パイプ分割体11と第1ドーム分割体12又は第2ドーム分割体13との組付部位において、パイプ部21の折り返し端部211は、第1ドーム部22又は第2ドーム部23と当接されている。
具体的には、パイプ分割体11と第1ドーム分割体12との組付部位において、パイプ部21の折り返し端部211は、第1ドーム部22の端部222と当接している。パイプ分割体11と第2ドーム分割体13との組付部位において、パイプ部21の折り返し端部211は、第2ドーム部23の端部231と当接している。なお、ここでの「組付部位」とは、パイプ分割体11と第1ドーム分割体12又は第2ドーム分割体13との重なる部分を意味する。
また、第1ドーム部22及び第2ドーム部23の厚さは、ともにパイプ部21の厚さよりも大きいことが好ましい。このようにすれば、パイプ部21と第1ドーム部22又は第2ドーム部23との当接位置の凹凸を吸収できるので、パイプ部21、第1ドーム部22及び第2ドーム部23で形成されたライナー2のシール性を確実に確保できる効果を奏する。
高ヘリカル層34は、組付体10の外側に強化繊維に樹脂が含浸されてなる繊維束を高角度ヘリカル巻きすることにより形成された補強層である。ヘリカル巻きは、高圧タンク1の軸L方向に対して0°より大きく90°未満の巻き角度で繊維束を巻回する態様である。このヘリカル巻きは、巻き角度の大きさによって低角度ヘリカル巻きと高角度ヘリカル巻きに分けられている。低角度ヘリカル巻きは、すなわち巻き角度が小さい(例えば0°より大きく30°以下)場合のヘリカル巻きであり、高角度ヘリカル巻きは、すなわち巻き角度が大きい(例えば30°より大きく90°未満)場合のヘリカル巻きである。
高ヘリカル層34が強化繊維に樹脂が含浸されてなる繊維束を高角度ヘリカル巻きすることにより形成されるため、高ヘリカル層34の強化繊維は高圧タンク1の軸L方向に対して傾斜するように配向されている。図1に示すように、高ヘリカル層34は、パイプ補強層31の全体のみならず、その一端部がパイプ分割体11と第1ドーム分割体12との組付部位を越えて第1ドーム分割体12の一部まで延び、他端部がパイプ分割体11と第2ドーム分割体13との組付部位を越えて第2ドーム分割体13の一部まで延びるように、形成されている。
外ヘリカル層35は、高圧タンク1の最も外側に配置された補強層であって、組付体10及び高ヘリカル層34の外側に強化繊維に樹脂が含浸されてなる繊維束を低角度ヘリカル巻きすることにより形成されている。そして、外ヘリカル層35の強化繊維も高圧タンク1の軸L方向に対して傾斜するように配向されている。
[高圧タンクの製造方法について]
以下、高圧タンク1の製造方法について説明する。図2は実施形態に係る高圧タンクの製造方法を示す工程図である。高圧タンク1の製造方法は、第1ドーム補強層作製工程S1と、第1ドーム分割体形成工程S2と、第2ドーム補強層作製工程S3と、第2ドーム分割体形成工程S4と、パイプ補強層作製工程S5と、パイプ分割体形成工程S6と、組付工程S7と、シール性検査工程S8と、高ヘリカル層形成工程S9と、外ヘリカル層形成工程S10とを含む。
なお、第1ドーム補強層作製工程S1と、第2ドーム補強層作製工程S3と、パイプ補強層作製工程S5とは、互いに独立するので、並行して行われても良く、いずれか一方が先に行われても良い。また、第1ドーム分割体形成工程S2と、第2ドーム分割体形成工程S4と、パイプ分割体形成工程S6とは、互いに独立するので、並行して行われても良く、いずれか一方が先に行われても良い。ここでは、第1ドーム補強層作製工程S1~パイプ分割体形成工程S6の順で説明する。
[第1ドーム補強層作製工程S1]
第1ドーム補強層作製工程S1では、複数の繊維強化樹脂板材を互いに交差するように積層することにより円板状のドーム補強層中間体を形成し、形成したドーム補強層中間体をドーム状にプレス成形することにより第1ドーム補強層32を作製する。具体的には、まず図3(a)に示すように円柱状のガイド凹部101と、該ガイド凹部101の中央位置に立設された円柱状のシャフト102とを有する治具100を用意する。シャフト102は、口金4の外径と同じ直径を有する。
次に、図3(b)及び(c)に示すように、シャフト102を中心として回転するように強化繊維に樹脂が含浸された繊維強化樹脂板材F1をガイド凹部101に積層することで、円板状のドーム補強層中間体30を形成する。このようにすれば、ドーム補強層中間体30を効率良く作製できるとともに、作製される第1ドーム補強層32の強度を確保することができる。
なお、繊維強化樹脂板材F1は、薄いシート状に加工されている。また、繊維強化樹脂板材F1を積層する際に、形成されるドーム補強層中間体30の中央部と縁部とでの厚さの違いについては、例えば積層する層数を調整することにより実現される。
続いて、形成されたドーム補強層中間体30を治具100から取り外して、図示しない金型を入れて第1ドーム部22と同じ形状になるように該ドーム補強層中間体30をプレス成形する。これによって、図3(d)に示すように、口金4を挿入できる開口部を有する第1ドーム補強層32が作製される。
繊維強化樹脂板材F1に含浸される樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、及びエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。この場合には、熱硬化性樹脂が未硬化の状態で、治具100のガイド凹部101に繊維強化樹脂板材F1を積層する。特に、機械的強度等の観点からエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂は、未硬化状態では流動性があり、熱硬化後は強靭な架橋構造を形成する。
また、このように熱硬化性樹脂を用いる場合、プレス成形すると同時にドーム補強層中間体30を加熱することにより未硬化の熱硬化性樹脂を熱硬化させても良く、あるいはドーム補強層中間体30をプレス成形した後に、熱硬化装置を入れて熱硬化させても良い。
なお、繊維強化樹脂板材F1に含浸される樹脂として、熱可塑性樹脂を用いても良い。熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリエチレンテレフタラート等を用いることができる。この場合には、熱可塑性樹脂を加熱して軟化させた状態で、治具100のガイド凹部101に繊維強化樹脂板材F1を積層し、且つ形成したドーム補強層中間体30をプレス成形する。そして、プレス成形後に、作製された第1ドーム補強層32を冷却して軟化した状態の熱可塑性樹脂を固化させる。
繊維強化樹脂板材F1を構成する繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、及び炭素繊維等を用いることができ、特に、軽量性や機械的強度等の観点から炭素繊維を用いることが好ましい。
本実施形態では、繊維強化樹脂板材F1に炭素繊維強化樹脂(CFRP)板材を用いたが、例えば一方向に揃えられた複数の繊維束が拘束糸で編み込まれた所謂UD(Uni-Direction)シート等を用いても良い。
[第1ドーム分割体形成工程S2]
第1ドーム分割体形成工程S2では、第1ドーム補強層作製工程S1で作製された第1ドーム補強層32の内面に第1ドーム部22を形成することにより、第1ドーム分割体を形成する。具体的には、まず図4に示すように、第1ドーム補強層32の開口部に予めされた口金4を取り付ける。次に、図5に示すように、第1ドーム補強層32の内面に液状または軟化した樹脂材料を塗布したり、或いは樹脂材料からなるシートを貼り付けたりすることで第1ドーム部22を形成する。このとき、第1ドーム部22の端部222は、外側に反るように形成される。
ここでの樹脂材料は、上述したようにガスバリア性に優れたものが好ましく、例えば熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ナイロン系樹脂(例えば6-ナイロン樹脂または6,6-ナイロン樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ABS系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、及び、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタラート)等を挙げることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂に代表される変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、及び熱硬化性ポリイミド樹脂等を挙げることができる。
この他にも、第1ドーム補強層32の内面にエポキシ樹脂などの2液混合型の熱硬化性樹脂を塗布し、これを乾燥させることで、第1ドーム部22を形成しても良い。この他にも、ε-カプロラクタムなどの熱可塑性樹脂モノマーと触媒とを含む樹脂を第1ドーム補強層32の内面に塗布し、熱可塑性樹脂モノマーの重合反応が開始する温度以上で加熱することで、ナイロン6などの熱可塑性樹脂からなる第1ドーム部22を形成しても良い。
そして、第1ドーム部22の樹脂材料が、熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂は未硬化であっても良く、熱硬化性樹脂が完全に硬化していない状態になるように、加熱により樹脂を予備硬化しても良く、完全に硬化した状態となるように、加熱により本硬化しても良い。なお、第1ドーム部22の樹脂材料が熱可塑性樹脂である場合には、冷却により熱可塑性樹脂を固化させる。
このような樹脂材料を熱硬化または固化させると、第1ドーム部22と該第1ドーム部22の外周面を覆う第1ドーム補強層32とを有する第1ドーム分割体12が形成される。
[第2ドーム補強層作製工程S3]
第2ドーム補強層作製工程S3では、複数の繊維強化樹脂板材を互いに交差するように積層することにより円板状のドーム補強層中間体を形成し、形成した前記ドーム補強層中間体をドーム状にプレス成形することにより第2ドーム補強層33を作製する。第1ドーム補強層32の作製方法は、上述の第1ドーム補強層32と同様であるのでその説明を省略するが、第2ドーム補強層33には口金4を挿入するための開口部が設けられていないため、シャフト102とを有しない治具100が用いられる。この場合には、治具100のガイド凹部101の中心を中心として回転するように繊維強化樹脂板材F1をガイド凹部101に積層することで、第2ドーム補強層中間体を作製する。このようにすれば、第2ドーム補強層中間体を効率良く作製できるとともに、作製される第2ドーム補強層33の強度を確保することができる。
[第2ドーム分割体形成工程S4]
第2ドーム分割体形成工程S4では、第2ドーム補強層作製工程S3で作製された第2ドーム補強層33の内面に第2ドーム部23を形成することにより第2ドーム分割体13を形成する(図6参照)。その形成方法は、上述の第1ドーム分割体12と同様である。なお、第2ドーム補強層33の内面に第2ドーム部23を形成する際に、その端部231が外側に反るように該第2ドーム部23を形成する。
[パイプ補強層作製工程S5]
一方、パイプ補強層作製工程S5では、図7に示すように、例えば円柱状のマンドレル200の外面に、繊維シートF2を巻回することによって、パイプ補強層31を作製する。マンドレル200の外径は、パイプ補強層31の内径に相当する外径である。マンドレル200の材質は、特に限定されるものではないが、繊維シートF2を貼り付ける際に変形しない強度を確保するためには、金属であることが好ましい。
パイプ補強層31を作製する際には、回転機構(図示せず)によりマンドレル200を周方向に回転させながら、巻出された繊維シートF2を、マンドレル200に複数回巻き付ける(言い換えれば、巻回する)。繊維シートF2は、一方向に引き揃えられた強化繊維に樹脂が含浸されたシートであり、強化繊維がマンドレル200の周方向に配向されるように、繊維シートF2をマンドレル200に巻回する。これにより、周方向に強化繊維が配向されたパイプ補強層31が作製される。
繊維シートF2としては、例えば、一方向に揃えられた複数の繊維束が拘束糸で編み込まれた所謂UD(Uni-Direction)シートを用いたが、単一方向に揃えられた複数の繊維束とこの複数の繊維束に交差する、例えば直交する複数の繊維束とが編み込まれた繊維シート等を用いても良い。
なお、繊維シートF2の強化繊維は、繊維強化樹脂板材F1で例示した材料と同様の材料を挙げることができ、強化繊維に含浸される樹脂としては、繊維強化樹脂板材F1で例示した材料と同様の樹脂を挙げることができる。
繊維シートF2の樹脂が熱硬化性樹脂からなる場合には、マンドレル200に巻回した状態の繊維シートF2を熱硬化させる。一方、繊維シートF2の樹脂が熱可塑性樹脂からなる場合には、冷却することにより、マンドレル200に巻回した状態の繊維シートF2を固化させる。
樹脂の熱硬化または固化後、パイプ補強層31をマンドレル200から取り外す。樹脂の熱硬化または固化により、パイプ補強層31の保形性が高まる。このため、マンドレル200からパイプ補強層31を容易に脱型可能となり、マンドレル200からパイプ補強層31を取り外す際のパイプ補強層31の変形を抑制することができる。
なお、ここでは、マンドレル200の外面に繊維シートF2を巻回してパイプ補強層31を作製する例について説明したが、マンドレル200の外面にFW法により樹脂が含浸された繊維束をフープ巻きすることによって、パイプ補強層31を作製しても良い。あるいは、その他の方法としては、回転するマンドレル200の内面に繊維シートを貼り付ける、所謂CW(Centrifugal Winding)法によりパイプ補強層31を形成しても良い。
[パイプ分割体形成工程S6]
パイプ分割体形成工程S6では、パイプ補強層作製工程S5で作製されたパイプ補強層31の内面にパイプ部21を形成することによりパイプ分割体11を形成する(図8参照)。パイプ分割体11の形成方法は、上述の第1ドーム分割体12と同様である。そして、パイプ部21を形成する際に、その両端部がそれぞれ外側に折り返された折り返し端部211になるように行われる。
なお、第1ドーム補強層32の内面に第1ドーム部22、第2ドーム補強層33の内面に第2ドーム部23、パイプ補強層31の内面にパイプ部21をそれぞれ形成する際に、第1ドーム部22及び第2ドーム部23の厚さがともにパイプ部21の厚さよりも大きくなるように行われることが好ましい。このようにすれば、後の組付工程S7で組付体10を形成する際に、パイプ部21と第1ドーム部22又は第2ドーム部23との当接位置の凹凸を吸収できるので、パイプ部21、第1ドーム部22及び第2ドーム部23により形成されたライナー2のシール性を確実に確保できる。
[組付工程S7]
組付工程S7では、第1ドーム分割体形成工程S2で形成された第1ドーム分割体12と、第2ドーム分割体形成工程S4で形成された第2ドーム分割体13と、パイプ分割体形成工程S6で形成されたパイプ分割体11とを組み付けて組付体10を形成する。具体的には、図9に示すように、例えばパイプ分割体11の一端部を第1ドーム分割体12に、パイプ分割体11の他端部を第2ドーム分割体13にそれぞれ組み付ける。その際に、第1ドーム部22がパイプ部21よりも高圧タンク1の外側に配置されるように第1ドーム分割体12とパイプ分割体11とを組み付け、第2ドーム部23がパイプ部21よりも高圧タンク1の外側に配置されるように第2ドーム分割体13とパイプ分割体11とを組み付ける。
より具体的には、まず、第1ドーム部22がパイプ部21と当接せずにパイプ補強層31と当接するように、パイプ分割体11を所定の押圧力で第1ドーム分割体12内に圧入する。同様に、第2ドーム部23がパイプ部21と当接せずにパイプ補強層31と当接するように、パイプ分割体11を所定の押圧力で第2ドーム分割体13内に圧入する。このようにすれば、第1ドーム部22又は第2ドーム部23が直接パイプ部21と当接するようにこれらの分割体の圧入を行う場合と比べて、圧入時のライナー同士のこすり合いがないので、形成されるシール部を傷つけるのを防止できる。その結果、ライナー2のシール性を確保することできる。
そして、押圧力が解除されると、復元力によってパイプ分割体11が拡がる。これによって、内側に配置されたパイプ分割体11から第1ドーム分割体12又は第2ドーム分割体13を外側に拡げる力が働く。このため、第1ドーム部22及びパイプ部21がともに変形し、第1ドーム部22の端部222はパイプ部21の折り返し端部211と当接することになる(図1参照)。そして、第1ドーム部22の端部222とパイプ部21の折り返し端部211との当接位置には、ライナー2のシール部が形成される。同様に、第2ドーム部23及びパイプ部21も変形し、第2ドーム部23の端部231はパイプ部21の折り返し端部211と当接することになる(図1参照)。第2ドーム部23の端部231とパイプ部21の折り返し端部211との当接位置には、ライナー2のシール部が形成される。
これによって、組付体10が形成される。
なお、パイプ分割体11と第1ドーム分割体12又は第2ドーム分割体13とを組み付ける際に、パイプ部21、第1ドーム部22及び第2ドーム部23が変形しやすくなるようにこれらのライナーを加温してからそれぞれの組付作業を行っても良い。このようにすれば、パイプ部21と第1ドーム部22との当接位置の凹凸、パイプ部21と第2ドーム部23との当接位置の凹凸をそれぞれ容易に吸収することができるので、パイプ部21と第1ドーム部22又は第2ドーム部23との当接状態をより確保しやすくなる。また、パイプ部21と、第1ドーム部22及び第2ドーム部23とのうち、パイプ部21のみ、或いは第1ドーム部22及び第2ドーム部23のみを加温しても良い。一方、第1ドーム部22及び第2ドーム部23がパイプ部21よりも厚く形成された場合、第1ドーム部22及び第2ドーム部23を加温するのが好ましい。
[シール性検査工程S8]
シール性検査工程S8では、組付工程S7で形成された組付体10の内部に負圧をかけて該組付体10のシール性を検査する。このようにすれば、仮に組付体10の内部に空気が侵入した場合(すなわち、シール性に問題がある場合)、組付体10を分解することにより問題となる分割体を取り換えることができる。従って、例えば組付体10の外側に高ヘリカル層34と外ヘリカル層35とを形成して樹脂硬化又は固化した後にシール性検査を行う場合と比べて、問題となる分割体を容易に交換することができる。
[高ヘリカル層形成工程S9]
高ヘリカル層形成工程S9では、シール性検査に問題のない組付体10に対し、少なくともパイプ分割体11の外周面に樹脂が含浸された繊維束を高角度ヘリカル巻きで層状に巻回することで高ヘリカル層34を形成する(図10参照)。巻回する繊維束の層数は、高ヘリカル層34の強度が確保されるのであれば、特に限定されるものではないが、例えば2~10層程度である。
なお、高ヘリカル層34の形成に用いられる繊維束の強化繊維は、上記繊維強化樹脂板材F1で例示した材料と同様の材料を挙げることができ、強化繊維に含浸される樹脂材料としては、繊維強化樹脂板材F1で例示した材料と同様の樹脂を挙げることができる。
高ヘリカル層34を形成する際に、図10に示すように、パイプ補強層31の全体のみならず、高ヘリカル層34の一端部がパイプ分割体11と第1ドーム分割体12との組付部位を越えて第1ドーム分割体12の一部まで延び、高ヘリカル層34の他端部がパイプ分割体11と第2ドーム分割体13との組付部位を越えて第2ドーム分割体13の一部まで延びるように、高ヘリカル層34を形成する。このようにすれば、パイプ分割体11の復元力に起因する第1ドーム分割体12の外側への拡がり、又は第2ドーム分割体13の外側への拡がりを抑制できるので、パイプ分割体11と第1ドーム分割体12又は第2ドーム分割体13との組付部位の歪みを低減し、パイプ部21と第1ドーム部22又は第2ドーム部23との当接状態を維持することができる。
[外ヘリカル層形成工程S10]
外ヘリカル層形成工程S10では、高ヘリカル層形成工程S9で形成された高ヘリカル層34の外側に外ヘリカル層35を形成する。具体的には、高ヘリカル層34の外周面と、高ヘリカル層34に覆われていない第1ドーム分割体12及び第2ドーム分割体13との外周面に、樹脂が含浸された繊維束を低角度ヘリカル巻きで層状に巻回する。巻回する繊維束の層数は、外ヘリカル層35の強度が確保されるのであれば、特に限定されるものではないが、例えば2~10層程度である。
なお、外ヘリカル層35に用いられる繊維束の強化繊維は、上記繊維強化樹脂板材F1で例示した材料と同様の材料を挙げることができ、強化繊維に含浸される樹脂材料としては、繊維強化樹脂板材F1で例示した材料と同様の樹脂を挙げることができる。
繊維束を巻き終えた後、繊維束に含浸された樹脂が熱硬化性樹脂の場合、加熱により外ヘリカル層35中の熱硬化性樹脂を硬化させる。一方、繊維束に含浸された樹脂が熱可塑性樹脂の場合、冷却により外ヘリカル層35中の熱可塑性樹脂を固化させる。
これによって、高圧タンク1の製造が完成する。
本実施形態に係る高圧タンク1の製造方法によれば、第1ドーム補強層32及び第2ドーム補強層33は、複数の繊維強化樹脂板材F1を互いに交差するように積層することにより円板状のドーム補強層中間体を形成し、形成したドーム補強層中間体をドーム状にプレス成形することにより作製される。従って、第1ドーム補強層32及び第2ドーム補強層33を効率良く作製でき、高圧タンク1の生産性を向上することができる。また、複数の繊維強化樹脂板材F1を互いに交差するように積層するため、繊維強化樹脂板材F1を平行に(すなわち、交差しないように)積層する場合と比べて、作製される第1ドーム補強層32及び第2ドーム補強層33の強度を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1:高圧タンク、2:ライナー、3:補強部、4:口金、5:貯留空間、10:組付体、11:パイプ分割体、12:第1ドーム分割体、13:第2ドーム分割体、21:パイプ部、22:第1ドーム部、23:第2ドーム部、30:ドーム補強層中間体、31:パイプ補強層、32:第1ドーム補強層、33:第2ドーム補強層、34:高ヘリカル層、35:外ヘリカル層、41:口金本体部、42:鍔部、100:治具、101:ガイド凹部、102:シャフト、211:折り返し端部、221,222,231:端部

Claims (3)

  1. 円筒状のパイプ部と前記パイプ部の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部とを有するライナーと、前記パイプ部の外周面を覆うパイプ補強層と前記ドーム部の外周面を覆うドーム補強層とを有する補強部とを備える高圧タンクの製造方法であって、
    複数の繊維強化樹脂板材を互いに交差するように積層することにより円板状のドーム補強層中間体を形成し、形成した前記ドーム補強層中間体をドーム状にプレス成形することにより前記ドーム補強層を作製するドーム補強層作製工程を含むことを特徴とする高圧タンクの製造方法。
  2. 前記ドーム補強層作製工程において、円柱状のガイド凹部と前記ガイド凹部の中央位置に立設されたシャフトとを有する治具を用いて、前記シャフトを中心として回転するように前記複数の繊維強化樹脂板材を前記ガイド凹部に積層することにより前記ドーム補強層中間体を形成する請求項1に記載の高圧タンクの製造方法。
  3. 前記ドーム補強層作製工程において、円柱状のガイド凹部を有する治具を用いて、前記ガイド凹部の中心を中心として回転するように前記複数の繊維強化樹脂板材を前記ガイド凹部に積層することにより前記ドーム補強層中間体を形成する請求項1に記載の高圧タンクの製造方法。
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