JP6465659B2 - トンネルの切羽前方の地質探査方法及び工業用内視鏡装置 - Google Patents

トンネルの切羽前方の地質探査方法及び工業用内視鏡装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6465659B2
JP6465659B2 JP2015005493A JP2015005493A JP6465659B2 JP 6465659 B2 JP6465659 B2 JP 6465659B2 JP 2015005493 A JP2015005493 A JP 2015005493A JP 2015005493 A JP2015005493 A JP 2015005493A JP 6465659 B2 JP6465659 B2 JP 6465659B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drilling
endoscope insertion
rod
insertion portion
endoscope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015005493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016130811A (ja
Inventor
由委 小林
由委 小林
関根 一郎
一郎 関根
亮 法橋
亮 法橋
和彦 内見
和彦 内見
平田 康夫
康夫 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Toda Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Toda Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp, Toda Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2015005493A priority Critical patent/JP6465659B2/ja
Publication of JP2016130811A publication Critical patent/JP2016130811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6465659B2 publication Critical patent/JP6465659B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Earth Drilling (AREA)
  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)

Description

本発明は、トンネル掘削時の切羽崩壊などを回避し安全で経済的な掘削に資するため、トンネルの切羽前方の地質を探査する地質探査方法及び工業用内視鏡装置に関する。
従来より、山岳トンネルなどの切羽前方の地質を把握することは、切羽崩壊などを回避し、安全で経済的な掘削を行う上で大変重要な技術であるとともに、現場からのニーズが非常に高い課題であった。
トンネルの切羽前方の地質を探査する手法としては、ボーリング孔内に、先端に小型カメラを搭載したプローブを挿入し、地質を観察する方法(例えば下記特許文献1)、削孔する際の削孔速度や削孔エネルギーなどの削孔データに基づいて地質の良否を推定する削孔検層システムによる方法(例えば下記特許文献2)、人工震源によって地中へ弾性波を発生させ、地質の境界面からの反射波を受振し、その受振データに基づいて判定する弾性波探査法などがある。
下記特許文献1においては、トンネルの切羽前方に削孔機を用いて形成した削孔に敷設した透明な管部材に、ボアホールカメラを挿入し、管部材を介して地山の状況を撮影する地質の探査方法が開示されている。
また、下記特許文献2においては、トンネル掘削工事において、切羽前方の地山の地質を予測する方法として、削岩機の穿孔用ロッドの推力、穿孔するビット先端からの穿孔水の水圧、回転トルク、打撃圧と削孔深度・速度から、削岩機の単位時間当たりに穿孔される岩盤の体積で除算した値を尺度として地山の地質を判別する方式が開示されている。
特開2012−12879号公報 特開平10−252051号公報
しかしながら、前述のボーリング孔内に小型カメラを挿入して地質を観察する方法では、直接的に地山の状況が把握できるという利点を有するものの、孔壁の自立性が悪く、岩盤が不良で肌荒れが顕著な場合などにはプローブが挿入不能となるため、探査可能な地山の性状が限定されていた。
一方、上記特許文献1記載の方法では、削孔に透明な管部材を敷設し、この削孔に敷設した管部材にボアホールカメラを挿入し、前記管部材を介して地山の状況を撮影することによって、坑壁が自立しないような軟弱な地山にも適用することを可能にしている。ところが、削孔に前記管部材を敷設する際、管部材の表面が傷付くとともに、透明な管部材の外面に泥土が付着するため、管部材が邪魔になって地山の正確な状況を把握しにくい問題があった。
また、上記特許文献1記載の方法では、削孔機として、透明な管部材を含む外管部材と、この外管部材に挿入して使用される削孔部材とからなるものを用いているため、前記ボアホールカメラを透明な管部材に挿入するには、前記外管部材から削孔部材を引き抜く手間がかかるとともに、外管部材を敷設するための時間とコストが余計にかかっていた。
一方、前記削孔検層システムは、削孔時の削孔エネルギーなどに基づいて地質を予測するものであるので、間接的な情報しか得られず、地山の亀裂や破砕の状況などを正確に把握できないという問題があった。さらに、前記弾性波探査法についても同様に、地山の間接的な情報しか得られないため、地山の状況を正確に把握できない問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、孔壁が崩壊しやすい地山でも探査可能にするとともに、地山の状況が直接的に把握でき、簡単な作業で探査できるようにしたトンネルの切羽前方の地質探査方法及び工業用内視鏡装置を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、ガイドセル上にドリフタを前後進自在に設け、先端に削孔用ビットを備えたロッドによって削孔を行うための削孔機を搭載したドリルジャンボによって切羽前方の地山を1本又は複数本のロッドを継ぎ足しながら削孔する過程で、地質探査箇所に到達したならば、一時的に削孔を中断し、所定距離だけドリフタと共にロッドを後退させて前記削孔用ビットの前方に内視鏡挿入部の先端を削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出させるための空間を形成したならば、その後前記ロッドからドリフタを切り離した状態とし、前記ロッドの基端側から削孔水送給路を通して工業用内視鏡装置の内視鏡挿入部を送り込み、先端を前記削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出させ、前記内視鏡挿入部の先端と地山との間に何も介在しない状態で削孔内の地山の状況を直接撮影することによって前記削孔用ビットより前方の地山の状況を探査するに当たって、
削孔が崩壊性孔壁の場合は、前記内視鏡挿入部の先端を前記削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出させた状態で、前記ロッド及び削孔用ビットを牽引器具により引き抜くとともに、前記内視鏡挿入部を同調させながら引き抜くことにより、削孔内の地山の状況を軸方向に連続的に探査し、削孔が自立性孔壁の場合は、ロッド及び削孔用ビットを牽引器具により引き抜いた後、内視鏡挿入部を独立的に手動によって前後に移動させて孔壁を観察することを特徴とするトンネルの切羽前方の地質探査方法が提供される。
上記請求項1記載の発明は、ドリルジャンボによって切羽前方の地山を削孔する過程で、地質探査箇所に到達したならば、一時的に削孔を中断し、前記ロッドをケーシング代わりとして削孔内に工業用内視鏡装置の内視鏡挿入部を挿入して地質探査を行う方法である。具体的には、一時的に削孔を中断し、所定距離だけドリフタと共にロッドを後退させ、前記ロッドからドリフタを切り離した状態とし、前記ロッドの基端側から削孔水送給路を通して内視鏡挿入部を送り込み、先端を前記削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出させ、前記内視鏡挿入部の先端と地山との間に何も介在しない状態で削孔内の地山の状況を直接撮影することによって前記削孔用ビットより前方の地山の状況を探査するに当たって、
削孔が崩壊性孔壁の場合は、前記内視鏡挿入部の先端を前記削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出させた状態で、前記ロッド及び削孔用ビットを牽引器具により引き抜くとともに、前記内視鏡挿入部を同調させながら引き抜くことにより、削孔内の地山の状況を軸方向に連続的に探査し、削孔が自立性孔壁の場合は、ロッド及び削孔用ビットを牽引器具により引き抜いた後、内視鏡挿入部を独立的に手動によって前後に移動させて孔壁を観察する
このため、本地質探査方法では、孔壁が崩壊しやすい地山でも、ロッドをケーシング代わりとして削孔内に内視鏡挿入部が挿入でき、内視鏡挿入部による探査が可能となる。また、内視鏡挿入部による探査は、内視鏡挿入部の先端を削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出して行っているため、直接地山の状況が詳細に探査できるようになる。さらに、地質探査の作業としては、一時的に削孔を中断した状態で、ロッドの基端側から削孔水送給路を通して内視鏡挿入部を送り込むだけなので、簡単な作業で地質探査できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記工業用内視鏡装置としてファイバースコープを用いている請求項1記載のトンネルの切羽前方の地質探査方法が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記工業用内視鏡装置としてファイバースコープを用いることにより、前記ロッド及び削孔用ビットの内部が直線の場合だけでなく、途中で曲がった曲部を有する場合でも、ファイバースコープが柔軟に向きを変えて前記曲部を通過でき、内視鏡挿入部の先端が削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出する位置まで挿入できるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記ドリルジャンボによる削孔時に、削孔データから地質を予測する削孔検層システムを適用し、該削孔検層システムにより地質が変化する境界付近に達したと予測されたとき、前記内視鏡挿入部によって地山の状況を探査する請求項1、2いずれかに記載のトンネルの切羽前方の地質探査方法が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記ドリルジャンボによる削孔時に、削孔速度や削孔エネルギーなどの削孔データに基づいて地質を予測する削孔検層システムを適用し、この削孔検層システムの結果から地質が変化する境界付近に達したと予測されたとき、前記内視鏡挿入部によって地山の状況を探査する。このように、地質探査に当たって、削孔検層システムを併用することによって、この削孔検層システムに基づいて地質の状況を間接的に把握しつつ、内視鏡挿入部による地質探査によって地質の詳細な状況が直接的に観察できるようになる。
請求項に係る本発明として、請求項1〜3いずれかに記載のトンネルの切羽前方の地質探査方法に用いる工業用内視鏡装置であって、
前記工業用内視鏡装置は、前記ロッドの削孔水送給路及び前記削孔用ビットの削孔水吐出孔に挿通可能な内視鏡挿入部を含み、
前記内視鏡挿入部は、カメラが搭載された先端部と、前記先端部から後方に延びる電線とを備えるとともに、該内視鏡挿入部を前記ロッドの基端側から送り込む際の押込力を伝達しやすくするための補強手段が備えられていることを特徴とする工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項記載の発明では、工業用内視鏡装置の内視鏡挿入部を前記ロッドや削孔用ビットの内部に送り込みやすくするため、内視鏡挿入部をロッドの基端側から送り込む際の押込力を伝達しやすくするための補強手段を備えるようにしている。
請求項に係る本発明として、前記内視鏡挿入部は、前記補強手段として、前記電線にファイバロッドを並設するとともに、これら電線及びファイバロッドを一体的にブレードチューブで被覆した構造を備えている請求項記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記補強手段として、前記電線にファイバロッドを並設するとともに、これら電線及びファイバロッドを一体的にブレードチューブで被覆することにより、直線的で曲げ剛性の高いファイバロッドによって内視鏡挿入部を押し込む際の押込力を伝達しやすくしている。
請求項に係る本発明として、前記内視鏡挿入部は、前記補強手段として、前記電線を曲げ変形可能かつ押込力が伝達可能な金属製の可撓管で被覆した構造を備えている請求項記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記補強手段として、前記電線を、曲げ変形可能かつ押込力が伝達可能な金属製の可撓管(例えばフレキシブルチューブ)で被覆することによって、この可撓管によって電線が補強され、内視鏡挿入部を押し込む際の押込力を伝達しやすくしている。
請求項に係る本発明として、前記補強手段は前記電線の前端から所定の間隔をあけた後方に施され、前記補強手段を施さない前方の前記電線を樹脂製のチューブで被覆するとともに、これの外側を金属製のコイルチューブで外嵌することにより、補強手段を施さない前方の前記電線に曲げに対する弾撥性を付与している請求項いずれかに記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記補強手段を電線の前端から所定の間隔をあけた後方に施し、この補強手段を施さない前端部分の電線を、樹脂製のチューブで被覆するとともに、これの外側を金属製のコイルチューブで外嵌している。これによって、この前端部分の電線に、曲げに対する弾撥性が付与され、削孔用ビットの削孔水吐出孔の途中に屈曲部を有する場合でも弾撥性が付与された区間が自在に変形して、この屈曲部を通過できるようになる。
請求項に係る本発明として、前記内視鏡挿入部は、前記先端部が、細径部と前記細径部の後方に接続する大径部とからなり、前記細径部の先端に前記カメラが搭載されるとともに、前記大径部の前端面であって前記細径部の周囲に前方を照射する照明手段が備えられている請求項いずれかに記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記内視鏡挿入部の先端構造として、前記先端部が、細径部と、この細径部の後方に接続する大径部とからなり、前記細径部の先端にカメラが搭載されるとともに、前記大径部の前端面であって細径部の周囲に前方を照射する照明手段が備えられるようにしている。これによって、先端部の先端が細く形成されるため、ロッドや削孔用ビットの内部に小石などが入り込んだ場合でも、小石を押し退けて挿入しやすくなる。
請求項に係る本発明として、前記内視鏡挿入部は、前方を照射する照明部が前記先端部より後方側に位置している請求項いずれかに記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項記載の発明では、前方を照射する照明手段は、カメラが搭載された先端部より後方側に位置してもよいことを規定している。これによって、先端部が小型化できるため、より一層、内視鏡挿入部をロッド内に押し込みやすくすることができる。
請求項10に係る本発明として、前記ロッドの基端に、前記内視鏡挿入部を送り込むのを補助するための送り込み補助装置が設けられ、
前記送り込み補助装置は、前端に前記ロッドに対する接続部を備え、前端面と後端面とを貫通する中空筒状の本体部と、パイプ状を成し前記本体部の内部に挿入設置されるとともに、後端面の開口から前記内視鏡挿入部が挿入され、該内視鏡挿入部との間のシール及び前記本体部との間のシールを図るためのシール用補助具と、前記本体部に前記ロッド内に流体を流し込むための流体送給手段が接続される継手とを備えており、
前記シール用補助具の後端面の開口から前記内視鏡挿入部を送り込みながら、前記ロッド内に流体を流し込むことによって、前記内視鏡挿入部に挿入方向に向けた推進力を与えるようにしてある請求項いずれかに記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項10記載の発明では、内視鏡挿入部をロッド内に送り込むのを補助するため、内視鏡挿入部を送り込みながらロッド内に流体を流し込むことによって、内視鏡挿入部に挿入方向に向けた推進力を与える送り込み補助装置をロッドの基端に設けている。
請求項11に係る本発明として、前記内視鏡挿入部は、長手方向と直交する方向を撮影する側視機能又は長手方向に対して斜め前方若しくは斜め後方を撮影する斜視機能を備えている請求項10いずれかに記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項11記載の発明では、前記内視鏡挿入部として、長手方向と直交する方向を撮影する側視機能又は長手方向に対して斜め前方若しくは斜め後方を撮影する斜視機能を備えたものを用いることにより、削孔内を広範囲に観察できるようにしている。
請求項12に係る本発明として、前記内視鏡挿入部は、先端に視差のある2つのレンズによって画像を得るステレオ撮影機能を備えている請求項10いずれかに記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項12記載の発明では、前記内視鏡挿入部として、先端に視差のある2つのレンズによって画像を得るステレオ撮影機能を備えることにより、撮影した画像から地山の割れ目の開口幅や長さ、礫の大きさ等が簡単に把握できるようになる。
請求項13に係る本発明として、前記内視鏡挿入部は、先端に処置具を備えることによりサンプル採取機能を備えている請求項10いずれかに記載の工業用内視鏡装置が提供される。
上記請求項13記載の発明では、前記内視鏡挿入部として、先端に備えた処置具によってサンプルを採取するサンプル採取機能を備えることにより、採取したサンプルを分析して岩種等を確認する際の有力な判断材料とすることができる。
以上詳説のとおり本発明によれば、孔壁が崩壊しやすい地山でも探査可能になるとともに、地山の状況が直接的に把握でき、簡単な作業で探査できるようになる。
ドリルジャンボ2による切羽Sの削孔形成要領を示すトンネルの断面図である。 本地質探査方法を示す切羽S近傍の断面図である。 (A)は削孔用ビット4の拡大断面図、(B)は削孔用ビット4前端からの視図である。 本地質探査方法の変形例を示す切羽S近傍の断面図である。 他の形態例に係る内視鏡挿入部6の斜視図である。 他の形態例に係る内視鏡挿入部6の分解斜視図である。 ディスプレイ7及びコントローラ8を示す斜視図である。 他の形態例に係る内視鏡挿入部6の斜視図である。 他の形態例に係る内視鏡挿入部6の斜視図である。 送り込み補助装置21の分解斜視図である。 送り込み補助装置21の断面図である。 処置具30を備えた内視鏡挿入部6の分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1に示されるように、例えば発破工法による山岳トンネルの掘削の場合には、切羽Sの近傍に、ドリルジャンボ2、吹付け機、ホイールローダなどのトンネル施工用重機が配置され、例えば、上半及び下半一括の併行作業により掘削を行うミニベンチ工法により、上半及び下半のそれぞれにおいてロックボルト削孔及び装薬孔・装薬を行った後、上半及び下半を一気に切り崩し、その後ズリ出し→当り取り→一次吹付け→支保建込み→二次吹付け→ロックボルト打設の手順にて、掘削が所定区間長毎(1サイクル毎)に進められる。
本発明に係るトンネルの切羽前方の地質探査方法では、トンネル掘削の複数サイクル毎に、切羽前方の地質探査を行うことにより、トンネル掘削時の切羽崩壊などを回避し、安全で経済的な掘削を行うことができるようにしている。
本地質探査方法は、図1に示されるように、ガイドセル2b上にドリフタ2aを前後進自在に設け、先端に削孔用ビット4を備えたロッド3によって削孔を行うための削孔機を搭載したドリルジャンボ2によって切羽S前方の地山を1本又は複数本のロッドを継ぎ足しながら削孔する過程で、図2に示されるように、地質探査箇所に到達したならば、一時的に削孔を中断し、所定距離だけドリフタ2aと共にロッド3を後退させ、ロッド3からドリフタ2aを切り離した状態とし、ロッド3の基端側から削孔水送給路3a(図3参照。)を通して工業用内視鏡装置1の内視鏡挿入部6を送り込み、該内視鏡挿入部6の先端を削孔用ビット4の削孔水吐出孔5(図3参照。)から外部(削孔内)に突出させ、内視鏡挿入部6によって削孔用ビット4より前方の地山の状況を探査する。
本地質探査方法に用いる工業用内視鏡装置1は、図2に示されるように、前記ロッド3の削孔水送給路3a及び前記削孔用ビット4の削孔水吐出孔5に挿通可能な内視鏡挿入部6と、前記内視鏡挿入部6を操作するコントローラ8と、前記内視鏡挿入部6の先端に取り付けられたカメラによって撮影した画像を表示するディスプレイ7とから主に構成される。
前記ドリルジャンボ2としては、特に限定されるものではないが、図1に示されるように、トンネル掘削現場に配備される公知のドリルジャンボを使用するのが望ましい。前記ドリルジャンボ2は、ガイドセル2b上に前後進自在にドリフタ2aが設けられるとともに、ロッド3の先端に削孔用ビット4が備えられ、ロッド3の後端が前記ドリフタ2aに接続され、所定長さのロッドを複数継ぎ足しながら削孔を行う削孔機を搭載している。前記ドリフタ2aは、前記ロッド3に回転力を与えるとともに、ガイドセル2b上を前後進することにより前記ロッド3に前方への推進力を与えている。前記ドリフタ2aによる回転力及び推進力が前記ロッド3を介してビット4に伝達され、前記削孔用ビット4によって岩盤や地盤が掘削される。
前記ロッド3は、削孔深さに応じて、中間カップリングを介して所定長さのロッドを複数継ぎ足しながら延伸される。前記ロッド3には、長手方向に連通する削孔水送給路3aが設けられ、この削孔水送給路3aがロッド3の長手方向の両端でそれぞれ開口している。
前記削孔用ビット4は、前記ドリフタ2aによる回転力と、ドリフタ2aがガイドセル2b上を前進する軸方向の推進力とが伝達され、岩盤や地盤を掘削する。前記削孔用ビット4には、ロッド3の削孔水送給路3aに連通する削孔水吐出孔5が設けられ、この削孔水吐出孔5が削孔用ビット4の先端で開口している。
前記削孔水送給路3a及び削孔水吐出孔5は、前記ロッド3の基端からビット4の先端にかけて軸方向に連通し、前記ロッド3の基端及びビット4の先端でそれぞれ開口する連通孔である。前記削孔水送給路3a及び削孔水吐出孔5は、前記内視鏡挿入部6が挿通可能とされている。また、内視鏡挿入部6を挿入する孔としては、このような削孔水を送給するためのものとは別に、内視鏡挿入部6を挿入するための貫通孔(図示せず)を別途設けるようにしてもよい。
前記削孔用ビット4に形成される削孔水吐出孔5は、削孔用ビット4の種類によって、直線的に形成されるものもあれば、ビット先端部で複数に枝分かれするものもある。例えば、クロスビットの場合には、削孔水吐出孔5が軸芯部に直線的に1本設けられ、ビット先端の中央部に1つの開口が設けられるのが一般的であるが、ボタンビットの場合には、先端部で2本〜4本程度の複数に枝分かれし、ビット先端に複数の開口が設けられるものが多く存在する。このため、削孔水吐出孔5としては、全長に亘って直線のものばかりではなく、削孔用ビット4の先端部で屈曲する構造を有する場合がある。
前記ロッド3に設けられた削孔水送給路3a及び削孔用ビット4に設けられた削孔水吐出孔5はそれぞれ、断面円形状に形成され、内視鏡挿入部6の外径を直径6mmとすると、これが挿入できるサイズで直径6mmよりも太く、大きくとも直径15mm程度とするのがよい。
前記内視鏡挿入部6としては、柔軟性を有するファイバースコープ、硬質な金属チューブを用いたボアスコープ(硬性鏡)のいずれでもよいが、例えば、前述の通り、前記削孔用ビット4として削孔水吐出孔5がビット4の先端部において枝分かれするボタンビットを用いた場合、前記内視鏡挿入部6としてファイバースコープを用いることにより、該ファイバースコープが前記削孔水吐出孔5の枝分かれ部で自在に向きを変えて、ファイバースコープの先端が削孔用ビット4の削孔水吐出孔5から外部に突出できる位置まで挿入できるようになるため好ましい。また、後段で詳説するように、ロッド3の内部に押し込みやすくした内視鏡挿入部6を用いることも可能である。
前記内視鏡挿入部6は、図2に示されるように、先端側に超小型のカメラ(CCDセンサやCMOSセンサ)が搭載されるとともに、基端側に前記カメラによって撮影した画像をフルカラーにて映し出すディスプレイ7(LCDなど)が接続されたビデオスコープを用いるのが好ましい。また、前記内視鏡挿入部6の基端側には、内視鏡を操作するコントローラ8が備えられている。これら他端側のディスプレイ7及びコントローラ8は、それぞれが単体で備えられるようにしたものでもよいし、これらが一体的に組み込まれた一体型の装置(図7参照。)を用いてもよい。
前記ロッド3を継ぎ足しながら削孔する過程で、地質探査箇所に到達したならば、一時的に削孔を中断し、所定距離だけドリフタ2aと共にロッド3を後退させることにより、即ちロッド3及び削孔用ビット4を手元側に若干引き戻すことにより、削孔用ビット4の前方に、内視鏡挿入部6の先端を削孔用ビット4の削孔水吐出孔5から外部に突出させるための空間を形成する。その後、ロッド3からドリフタ2aを切り離した状態とし、ロッド3の基端側から削孔水送給路3aを通して内視鏡挿入部6を送り込む。
前記内視鏡挿入部6は、地山の状況を探査するとき、前記カメラが取り付けられた先端を前記ロッド3の基端側から削孔水送給路3aを通して送り込むとともに、その端部を前記削孔用ビット4の削孔水吐出孔5から外部(削孔内)に突出させることにより、ビット4より前方の地山の状況を直接撮影可能な状態で配置される。直接撮影可能な状態とは、内視鏡挿入部6の先端と孔壁(地山)との間に何ら部材が介在しないことである。
このように、本地質探査方法では、前記内視鏡挿入部6を削孔内に挿入する際、ロッド3をケーシング代わりとして挿入できるため、孔壁の自立性が悪く、岩盤が不良で肌荒れが顕著な場合などでも内視鏡挿入部6を削孔内に挿入でき、内視鏡挿入部6による探査が可能となる。
また、本地質探査方法では、前記内視鏡挿入部6による観察時に、内視鏡挿入部6の先端を削孔用ビット4の削孔水吐出孔5から外部に突出させた状態、つまり内視鏡挿入部6の先端と地山との間に何も介在しない状態で削孔内の地山の状況を直接撮影できるため、地質の変化や地山の割れ目など地山の状況が直接的かつ詳細に把握できるようになる。
さらに、地質探査作業は、前記ドリルジャンボ2によって削孔する過程で、地質探査箇所に到達したならば、一時的に削孔を中断し、所定距離だけドリフタ2aと共にロッド3を後退させ、ロッド3からドリフタ2aを切り離した状態とし、ロッド3の基端側から内視鏡挿入部6を挿入するという簡単な作業で済むため、ドリルを引き抜くなどの面倒な作業が不要となり、作業性が良く、経済的かつ効率的である。
ところで、前記ドリルジャンボ2による削孔時に、削孔速度(のみ下がり)や削孔エネルギーなどの削孔データに基づいて地質を予測する削孔検層システムを適用し、この削孔検層システムにより地質が変化する可能性のある位置について、内視鏡挿入部6によって精密に地山の状況を探査するという方法を採用してもよい。前記削孔検層システム(DRISS)は、ドリルジャンボ2の削孔データを計測し、得られたデータから削孔区間の地山性状を評価するものである。計測する削孔データとしては、削孔油圧(フィード圧、回転圧、打撃圧、ダンピング圧)及び削孔油量(フィード距離、削孔速度)などが挙げられる。これらを地山評価に利用する目的で種々のデータに変換し、くり粉の性状や湧水量などの目視データとともに地山状況の想定を行う。前記削孔検層システムは、削孔時の削孔エネルギーなどの間接的な情報から地質を予測するものであるので、この削孔検層システムだけでは、地山の亀裂や破砕の状況など地山の正確な状況を把握できないという問題があった。しかし、前記削孔検層システムと本発明に係る内視鏡挿入部6を用いた地質探査方法と併用することによって、破砕帯など地質が変化する部分を、効率良く直接的に詳細に観察できるようになる。
また、前記削孔検層システムを併用した地質探査では、前記削孔検層システムにより地質が変化する可能性がある破砕帯等に到達したと判断されたならば、観察したい区間長だけドリフタ2aと共にロッド3を後退させ、削孔用ビット4の前方に観察したい破砕帯等の孔壁を削孔内に露出させた後、前記内視鏡挿入部6を送り込み、削孔用ビット4より前方の前記破砕帯等の地山の状況を探査するようにしてもよい。
前記内視鏡挿入部6によって地山の状況を観察するに当たっては、前記内視鏡挿入部6の先端を削孔用ビット4から突出させた状態で、内視鏡挿入部6によって削孔用ビット4の前方の観察を続けたまま、手動又は電動のウインチやレバーブロック(登録商標)などの索引器具により前記ロッド3及びビット4を無回転で引き抜くことにより、削孔内の地山の状況を軸方向に連続して探査できるようにしてもよい。これにより、広範囲の孔壁を連続して観察することが可能となり、地質の変化がより明確に観察できるようになる。ここで、削孔が崩壊性孔壁の場合、ロッド3及び削孔用ビット4を前記索引器具により引き抜くとともに、これに前記内視鏡挿入部6を同調させながら引き抜くことにより、削孔内の地山の状況を軸方向に連続的に探査するのが好ましい。一方、削孔が自立性孔壁の場合、図4に示されるように、ロッド3及び削孔用ビット4を前記索引器具により引き抜いた後、内視鏡挿入部6を独立的に前後に移動させて孔壁を観察するのが好ましい。このとき、内視鏡挿入部6は作業員の手で任意に移動するようにする。
前記内視鏡挿入部6は、長手方向(内視鏡挿入部6の軸方向)を直視する直視機能を備えたものが一般的であるが、長手方向と直交する方向を撮影する側視機能又は長手方向に対して斜め前方若しくは斜め後方を撮影する斜視機能を備えたものを用いてもよい。前記内視鏡挿入部6としてファイバースコープを用いた場合には、先端をフレキシブルに曲げることができるので、孔壁が比較的観察しやすくなるが、孔壁を垂直方向から正面視できない場合などには、前記側視機能又は斜視機能を備えたものを用いるのが好ましい。
また、前記内視鏡挿入部6は、先端に視差のある2つのレンズによって画像を得るステレオ撮影機能を備えるようにしてもよい。これによって、得られた画像から、三角測量法により、地山の割れ目の開口幅や長さ、礫の大きさなどが測定できる。また、前記ステレオ撮影機能を備えることにより、2点間距離計測や表面形状計測、面積計測なども可能となる。
さらに、前記内視鏡挿入部6は、先端に処置具を備えることにより、削孔内のサンプルを採取する機能を具備するようにしてもよい。採取したサンプルを分析することによって、岩種等を確認する際の有力な判断材料とすることができる。先端の処置具としては、削孔内の石や砂を摘むことができる挟持機能を備えたものを用いるのが好ましい。
次に、前記内視鏡挿入部6の変形例として、前記ロッド3の基端側から内視鏡挿入部6を送り込む際の押込力を伝達しやすくするための補強手段を施したものについて説明する。
ここで、前記内視鏡挿入部6は、図5及び図6に示されるように、カメラ9が搭載された先端部11と、前記先端部11から後方に延びるとともに、前記カメラ9を操作する電気信号やカメラ9の電源などが電送される電線12とを備えている。また、前記内視鏡挿入部6の先端側には、前方を照射するLEDなどの照明手段10、10…が周方向に沿って複数設けられ、前記電線12を通じてこれら照明手段10の電源が電送されている。
はじめに、前述の補強手段を施した第1の変形例について説明する。第1変形例に係る内視鏡挿入部6では、前記補強手段として、前記電線12にステンレスなどの金属材からなる直線的で前記電線12より曲げ剛性が高いファイバロッド13を並設するとともに、これら電線12及びファイバロッド13を一体的にブレードチューブ14で被覆した構造を備えている。前記ブレードチューブ14は、ステンレスなどの線材又は帯板をチューブ状の樹脂材の外周に編み組んだものであり、内装された部材の変形を防止するとともに、外部から保護する役割を有するものである。前記編み組んだ素材形状としては、丸線ブレード、平線ブレード、綾線ブレードのいずれを使用してもよい。
第1の変形例に係る内視鏡挿入部6では、直線的で比較的曲げ剛性が高いファイバロッド13によって電線12が補強されるため、内視鏡挿入部6をロッド3の基端側から送り込む際の電線12の撓みが抑えられ、手元側から押し込む押込力が内視鏡挿入部6の全長に亘って伝達しやすくなる。
なお、前記ファイバロッド13及び電線12は互いに接合することにより、前記ファイバロッド13による電線12の補強効果が増し、内視鏡挿入部6をロッド3の基端側から送り込む際の押込力が伝達されやすくなるため好ましい。
図5及び図6に示されるように、前記ファイバロッド13による補強は、前記電線12の前端から所定の間隔をあけた後方に施すのが好ましい。前記ファイバロッド13により補強された後方より前方の前記電線12は、樹脂製のチューブ15で被覆するとともに、その外側を金属製のコイルチューブ16で外嵌した構造とすることにより、この間の電線12に曲げに対する弾撥性を付与するのが好ましい。これにより、先端部11が前記ファイバロッド13により補強した区間から真っ直ぐに延びた状態が保持されるとともに、先端部11に曲げ方向の外力が作用したときには、この弾撥性が付与された区間が自在に弾性変形して、先端部11が屈曲した状態となる。なお、前記ファイバロッド13により補強した区間と前記弾撥性を付与した区間との境界部分には、補強した区間の側に前記ブレードチューブ14の端部に外嵌する凹部が形成されるとともに、弾撥性を付与した区間の側に前記チューブ15及びコイルチューブ16の端部が外嵌する凸部が形成された口金17が設けられている。
前記ファイバロッド13によって補強された区間より前方の電線12に曲げに対する弾撥性を付与することにより、前記削孔用ビット4の先端部で削孔水吐出孔5が複数に枝分かれする場合でも、前記弾撥性を有する部分が自在に変形して内視鏡挿入部6の先端が削孔用ビット4から突出できるようになる。
前記弾撥性を付与した区間に被覆される樹脂製のチューブ15は、軸方向に直線的な直線チューブを用いてもよいし、軸方向に湾曲した曲げチューブを用いてもよい。前記曲げチューブを用いることにより、曲がった通路を通過するときに曲げチューブに沿って先端部が曲がりやすく、内視鏡挿入部6を押し込みやすくなる。
なお、前記電線12の基端側の端部には、図7に示されるように、コントローラ8に設けられた端子に接続可能な端子が取り付けられ、前記内視鏡挿入部6のカメラ9によって撮影された画像が、前記電線12を通じてコントローラ8に取り込まれるとともに、前記コントローラ8と接続ケーブル18を介して一体的に備えられたディスプレイ7に映し出されるようになっている。
次いで、第2の変形例に係る内視鏡挿入部6について説明すると、図8に示されるように、前記補強手段として、電線12の外周に、曲げ変形可能かつ押込力が伝達可能な金属製の可撓管19を被覆した構造を備えている。前記可撓管19とは、フレキシブルチューブ(周方向に複数の山部と谷部が形成された金属製のコルゲート管の外周を樹脂等の被覆体で被覆したもの)やコイルチューブ(金属製の線材を隣接する線材同士が接するように密にコイル状に巻回したもの)と呼ばれる可撓性を有するステンレスなどの金属などからなる管であり、曲げにはフレキシブルに変形できるが、軸方向の圧縮に対しては剛性を有する管のことである。前記電線12の外周を前記可撓管19で被覆することにより、手元側からの押込力が前記可撓管19を通じて効率良く伝達され、内視鏡挿入部6を押し込みやすくなる。また、通路が途中で曲がっている場合においては、前記可撓管19がフレキシブルに変形して屈曲部を通過できるようになる。
なお、本第2変形例に係る内視鏡挿入部6においても、上記第1変形例に係る内視鏡挿入部6と同様に、前記可撓管19を電線12の前端から後方に所定の間隔をあけて設け、前記可撓管19による補強区間より前方の電線12を樹脂製のチューブ15で被覆するとともに、その外側を金属製のコイルチューブ16で外嵌するようにしてもよい。
さらに、第3の変形例に係る内視鏡挿入部6としては、図9に示されるように、内視鏡挿入部6の先端構造として、前記先端部11が、細径部11aと前記細径部11aの後方に接続する大径部11bとからなり、前記細径部11aの先端に前記カメラ9が搭載されるとともに、前記大径部11bの前端面であって前記細径部11aの周囲に前方を照射する照明手段10が備えられるようにすることができる。これにより、先端部11の先端が細くなるので、内視鏡挿入部6の通路に小石や砂などの異物が入り込んでも、この異物を押し退けながら前進できるようになり、内視鏡挿入部6を押し込みやすくなる。
また、前記照明手段10が取り付けられた大径部11bの端面は、軸方向に対して直交する垂直面としてもよいし、軸芯側が前方に向けて傾斜する傾斜面としてもよい。前記傾斜面とした方が通路内に存在する異物を押し退ける効果が高まるため、より好ましい。
また、本第3形態例に係る内視鏡挿入部6では、図8に示されるように、前方を照射する照明手段10を、前記カメラ9が搭載された先端部11より後方側に位置することが可能である。すなわち、照明手段10は、必ずしもカメラ9が搭載された先端部11に設ける必要はなく、先端部11より後方に設けてもよい。これにより、先端部11をより小型化でき、内視鏡挿入部6を押し込みやすくなる。また、この場合、電線12より細径に形成された先端部11の長さを、削孔用ビット4の削孔水吐出孔5の長さより若干長めに設定することによって、先端部11の削孔水吐出孔5への通過性がよくなるとともに、後方から削孔水吐出孔5を通して先端側に照明することができるようになる。
第4の変形例に係る内視鏡挿入部6では、図10及び図11に示されるように、内視鏡挿入部6を送り込む際、ロッド3の基端に、前記内視鏡挿入部6を送り込むのを補助するための送り込み補助装置21を設けるようにしている。前記送り込み補助装置21は、前端にロッド3に対する接続部を備え、前端面と後端面とを貫通する中空筒状の本体部22と、パイプ状を成し前記本体部22の内部に挿入設置されるとともに、後端面の開口から内視鏡挿入部6が挿入され、該内視鏡挿入部6との間のシール及び前記本体部22との間のシールを図るためのシール用補助具26と、前記本体部22に前記ロッド3内に水や空気などの流体を流し込むためのポンプや送風機などの流体送給手段(図示せず)が接続される継手27とを備えている。前記本体部22とシール用補助具26との間のシールは、前記本体部22とシール用補助具26との間に軟質な樹脂製のシール材23を介装し、このシール材23の前端を本体部22内に形成された段差部に係止した状態で、ワッシャ24を介して、前記本体部22の後端側から前記本体部22に螺合設置される締付け部材25を螺入することにより、該締付け部材25がシール材23を圧縮しシール材23の内周がシール用補助具26の外周に密着することにより成されている。また、前記シール用補助具26と内視鏡挿入部6とのシールは、前記シール用補助具26の前端に先細の先端密着部26aを形成し、この先端密着部26aを内視鏡挿入部6の外周に密着させることにより成されている。かかる送り込み補助装置21は、連結部材28を介してロッド3の基端に螺合固定される。
前記送り込み補助装置21では、図11に示されるように、前記シール用補助具26の後端面の開口から内視鏡挿入部6を送り込みながら前記ロッド3内に流体を流し込むことによって、内視鏡挿入部6に挿入方向に向けた推進力を与えるようにしている。例えば、前記ロッド3内に水を流し込んだ場合には、内視鏡挿入部6とロッド3の内面との間の摩擦が低減するとともに、内視鏡挿入部6の先端部11に後方からの水圧が作用することにより内視鏡挿入部6の送り込みが補助できる。
ところで、上述のサンプル採取機能を備えた内視鏡挿入部6の詳細な構造について、図12に基づいて説明すると、前記内視鏡挿入部6は、先端に処置具30が取り付けられた処置用ケーブル31が電線12に並設されるとともに、これら電線12及び処置用ケーブル31が一体的に管材32によって被覆され、かつ前記管材32の先端に、口金33を介して、前記内視鏡挿入部6の電線12を挿通するための開孔35と前記処置用ケーブル31を挿通するための開孔36とがそれぞれ並行して形成された取付部材34が結合された構造とするのが好ましい。前記管材32としては、前述の曲げ変形可能かつ押込力が伝達可能な金属製の可撓管19を用いるのが好ましい。
前記取付部材34に設けられた内視鏡挿入部6の電線12を挿通するための開孔35は、取付部材34の外周から前記開孔35にかけて貫通する、前記電線12が挿通可能な幅で形成されたスリット35aを軸方向の全長に亘って設けることにより、このスリット35aから前記電線12を開孔35内に挿入できるようにするのが好ましい。前記処置具30は、予め、取付部材34の開孔36に挿通した状態で配置してもよいし、前記開孔36から前記管材32内を通って手元側まで延びるチューブを設けておき、必要に応じて、このチューブ内に処置具30及び処置用ケーブル31を挿入することにより、後付けで配設してもよい。
1…工業用内視鏡装置、2…ドリルジャンボ、2a…ドリフタ、3…ロッド、3a…削孔水送給路、4…削孔用ビット、5…削孔水吐出孔、6…内視鏡挿入部、7…ディスプレイ、8…コントローラ、9…カメラ、10…照明手段、11…先端部、12…電線、13…ファイバロッド、S…切羽

Claims (13)

  1. ガイドセル上にドリフタを前後進自在に設け、先端に削孔用ビットを備えたロッドによって削孔を行うための削孔機を搭載したドリルジャンボによって切羽前方の地山を1本又は複数本のロッドを継ぎ足しながら削孔する過程で、地質探査箇所に到達したならば、一時的に削孔を中断し、所定距離だけドリフタと共にロッドを後退させて前記削孔用ビットの前方に内視鏡挿入部の先端を削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出させるための空間を形成したならば、その後前記ロッドからドリフタを切り離した状態とし、前記ロッドの基端側から削孔水送給路を通して工業用内視鏡装置の内視鏡挿入部を送り込み、先端を前記削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出させ、前記内視鏡挿入部の先端と地山との間に何も介在しない状態で削孔内の地山の状況を直接撮影することによって前記削孔用ビットより前方の地山の状況を探査するに当たって、
    削孔が崩壊性孔壁の場合は、前記内視鏡挿入部の先端を前記削孔用ビットの削孔水吐出孔から外部に突出させた状態で、前記ロッド及び削孔用ビットを牽引器具により引き抜くとともに、前記内視鏡挿入部を同調させながら引き抜くことにより、削孔内の地山の状況を軸方向に連続的に探査し、削孔が自立性孔壁の場合は、ロッド及び削孔用ビットを牽引器具により引き抜いた後、内視鏡挿入部を独立的に手動によって前後に移動させて孔壁を観察することを特徴とするトンネルの切羽前方の地質探査方法。
  2. 前記工業用内視鏡装置としてファイバースコープを用いている請求項1記載のトンネルの切羽前方の地質探査方法。
  3. 前記ドリルジャンボによる削孔時に、削孔データから地質を予測する削孔検層システムを適用し、該削孔検層システムにより地質が変化する境界付近に達したと予測されたとき、前記内視鏡挿入部によって地山の状況を探査する請求項1、2いずれかに記載のトンネルの切羽前方の地質探査方法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のトンネルの切羽前方の地質探査方法に用いる工業用内視鏡装置であって、
    前記工業用内視鏡装置は、前記ロッドの削孔水送給路及び前記削孔用ビットの削孔水吐出孔に挿通可能な内視鏡挿入部を含み、
    前記内視鏡挿入部は、カメラが搭載された先端部と、前記先端部から後方に延びる電線とを備えるとともに、該内視鏡挿入部を前記ロッドの基端側から送り込む際の押込力を伝達しやすくするための補強手段が備えられていることを特徴とする工業用内視鏡装置。
  5. 前記内視鏡挿入部は、前記補強手段として、前記電線にファイバロッドを並設するとともに、これら電線及びファイバロッドを一体的にブレードチューブで被覆した構造を備えている請求項記載の工業用内視鏡装置。
  6. 前記内視鏡挿入部は、前記補強手段として、前記電線を曲げ変形可能かつ押込力が伝達可能な金属製の可撓管で被覆した構造を備えている請求項記載の工業用内視鏡装置。
  7. 前記補強手段は前記電線の前端から所定の間隔をあけた後方に施され、前記補強手段を施さない前方の前記電線を樹脂製のチューブで被覆するとともに、これの外側を金属製のコイルチューブで外嵌することにより、補強手段を施さない前方の前記電線に曲げに対する弾撥性を付与している請求項いずれかに記載の工業用内視鏡装置。
  8. 前記内視鏡挿入部は、前記先端部が、細径部と前記細径部の後方に接続する大径部とからなり、前記細径部の先端に前記カメラが搭載されるとともに、前記大径部の前端面であって前記細径部の周囲に前方を照射する照明手段が備えられている請求項いずれかに記載の工業用内視鏡装置。
  9. 前記内視鏡挿入部は、前方を照射する照明部が前記先端部より後方側に位置している請求項いずれかに記載の工業用内視鏡装置。
  10. 前記ロッドの基端に、前記内視鏡挿入部を送り込むのを補助するための送り込み補助装置が設けられ、
    前記送り込み補助装置は、前端に前記ロッドに対する接続部を備え、前端面と後端面とを貫通する中空筒状の本体部と、パイプ状を成し前記本体部の内部に挿入設置されるとともに、後端面の開口から前記内視鏡挿入部が挿入され、該内視鏡挿入部との間のシール及び前記本体部との間のシールを図るためのシール用補助具と、前記本体部に前記ロッド内に流体を流し込むための流体送給手段が接続される継手とを備えており、
    前記シール用補助具の後端面の開口から前記内視鏡挿入部を送り込みながら、前記ロッド内に流体を流し込むことによって、前記内視鏡挿入部に挿入方向に向けた推進力を与えるようにしてある請求項いずれかに記載の工業用内視鏡装置。
  11. 前記内視鏡挿入部は、長手方向と直交する方向を撮影する側視機能又は長手方向に対して斜め前方若しくは斜め後方を撮影する斜視機能を備えている請求項4〜10いずれかに記載の工業用内視鏡装置。
  12. 前記内視鏡挿入部は、先端に視差のある2つのレンズによって画像を得るステレオ撮影機能を備えている請求項10いずれかに記載の工業用内視鏡装置。
  13. 前記内視鏡挿入部は、先端に処置具を備えることによりサンプル採取機能を備えている請求項10いずれかに記載の工業用内視鏡装置。
JP2015005493A 2015-01-15 2015-01-15 トンネルの切羽前方の地質探査方法及び工業用内視鏡装置 Active JP6465659B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015005493A JP6465659B2 (ja) 2015-01-15 2015-01-15 トンネルの切羽前方の地質探査方法及び工業用内視鏡装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015005493A JP6465659B2 (ja) 2015-01-15 2015-01-15 トンネルの切羽前方の地質探査方法及び工業用内視鏡装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016130811A JP2016130811A (ja) 2016-07-21
JP6465659B2 true JP6465659B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=56415503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015005493A Active JP6465659B2 (ja) 2015-01-15 2015-01-15 トンネルの切羽前方の地質探査方法及び工業用内視鏡装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6465659B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109083629B (zh) * 2018-10-18 2024-02-13 西安科技大学 一种煤矿岩体相似材料钻孔窥视检测系统及方法
CN109366753A (zh) * 2018-11-30 2019-02-22 宣城市安工大工业技术研究院有限公司 一种多功能智能钻孔机器人
CN109441428A (zh) * 2018-12-24 2019-03-08 中国三峡建设管理有限公司 基于多臂钻平台的智能钻孔检测设备及其检测方法
CN110410056B (zh) * 2019-08-08 2023-05-12 河北中瑞智能机械设备制造有限公司 一种凿岩台车的自动控制系统及其控制方法
JP7286482B2 (ja) * 2019-09-02 2023-06-05 ビィディエムサービス有限会社 地質調査装置及び方法
CN113598869B (zh) * 2021-08-10 2024-03-19 苏州博习医疗科技有限公司 一种可视骨钻
CN113803052B (zh) * 2021-10-27 2022-03-01 昆明理工大学 一种地应力测量钻孔孔内环境检测装置及其检测方法
CN114923089A (zh) * 2022-04-29 2022-08-19 山东大学 一种用于凿岩台车的钻孔摄像装置、方法及凿岩台车
CN116335638B (zh) * 2023-04-21 2024-05-31 河南平宝煤业有限公司 一种自动化控速探杆自主清洗对中式钻孔成像装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5865409A (ja) * 1981-10-15 1983-04-19 Kurita Water Ind Ltd 管内検査装置
JPS59197234A (ja) * 1983-04-25 1984-11-08 オリンパス光学工業株式会社 内視鏡
JPS61266984A (ja) * 1985-05-22 1986-11-26 Tokyo Gas Co Ltd 埋設物探査、または削孔方法および装置
JPH01221717A (ja) * 1987-12-04 1989-09-05 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡装置
JPH04115717U (ja) * 1991-03-25 1992-10-14 東京電子工業株式会社 カメラ用ケーブル
JP2700378B2 (ja) * 1994-01-13 1998-01-21 東京瓦斯株式会社 スクリューオーガー推進工法における引抜き用ウインチ装置
JP3308478B2 (ja) * 1997-12-15 2002-07-29 鹿島建設株式会社 トンネル切羽前方探査方法
JP2001095749A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Olympus Optical Co Ltd 観察装置
JP2002048983A (ja) * 2000-08-01 2002-02-15 Kimio Fujii 遠隔点検装置
JP2004029235A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Osaka Gas Co Ltd 内視鏡
JP4922601B2 (ja) * 2005-11-18 2012-04-25 オリンパス株式会社 内視鏡用照明光量増大ユニット及び内視鏡システム
JP5208693B2 (ja) * 2008-11-18 2013-06-12 オリンパス株式会社 内視鏡装置
JP5510958B2 (ja) * 2010-02-19 2014-06-04 西日本高速道路株式会社 岩石コア採取装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016130811A (ja) 2016-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6465659B2 (ja) トンネルの切羽前方の地質探査方法及び工業用内視鏡装置
CN103827747B (zh) 在地下钻凿操作中使用的检查系统以及检查方法
JP6385806B2 (ja) 自由面形成工法
KR101294241B1 (ko) Tbm에 장착된 전방 지질 예측을 위한 선진 수평 시추장치
JP2016108800A (ja) 孔内撮影装置
WO2005095733A1 (ja) アンカーボルト施工方法、アンカーボルト埋設穴掘削方法、及び掘削装置
CN111350458A (zh) 岩钻机器、岩钻机以及测量方法
US20160290536A1 (en) Hydraulic tubing system
JP5510958B2 (ja) 岩石コア採取装置
JP4081499B2 (ja) 探査機器坑井内挿入装置及び探査機器坑井内挿入方法
JP2008156995A (ja) 既設構造物直下の非開削土壌改良工法
JP2017016012A (ja) トンネル切羽の岩盤性状調査装置および調査用ケーシング
JP6231888B2 (ja) 自在ボーリングマシンを用いた地中内放射線量測定方法
KR102183346B1 (ko) 천공 데이터 분석 시스템 및 그의 분석 방법
US20210396087A1 (en) Powered Articulated Magnetic Fishing Tool
AU2012214869B2 (en) Method and arrangement to establish during down-the-hole drilling communication between the cavity of the drill string and the surrounding material
JP6884628B2 (ja) 切羽前方の地質探査装置
IT201600108740A1 (it) Testa di trivellazione con sensore di rilevazione e metodo di esecuzione della trivellazione
JP6754302B2 (ja) 地山探査方法
JP2006124936A (ja) 岩盤類の調査方法及び装置
JP4397296B2 (ja) 片押し推進工法による管敷設工法
JP2006124936A5 (ja)
JP2011080244A (ja) 水抜き工法及び水抜き管
JP2023018514A (ja) 制御装置及び調査方法
JP3935717B2 (ja) 地質調査器具を地中に設置するための設置装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6465659

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350