JP6754302B2 - 地山探査方法 - Google Patents
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Description
しかし、切羽又はトンネル側壁から探査用のボーリングを施工したときに、未固結地山や断層部ではボーリング施工後に孔壁が崩れてしまい、ボーリング孔をレーダ探査に用いることができなくなる場合があった。
本願発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、未固結地山や断層部などにおいても電磁波による地中探査を安定して行うことができる、地山探査方法を提供することを目的とする。
前記地山探査方法の好ましい態様において、前記第1工程は、樹脂製の継手を介して前記管を継ぎ足しながら削孔する。
さらに別の好ましい態様では、前記探査装置は、電磁波を放射させる送信アンテナと前記送信アンテナから放射された電磁波を受信する受信アンテナとを一体的に備える。
図1は、本発明に係る地山探査方法に用いる削孔装置100の一態様を示す。
図1において、削孔ビット10は、インナービット11とリングビット12とからなり、インナービット11を削孔時の回転方向に回動したときにインナービット11とリングビット12とが係合する一方、インナービット11を削孔時とは逆方向に回動したときにインナービット11とリングビット12との係合状態が解除され、この状態でインナービット11を図1の右方向に移動させると、インナービット11をリングビット12から引き抜くことができるよう構成されている。
上記構成の削孔装置100において削孔を行わせるに当たっては、挿入管20の先端にリングビット12を装着するとともに、インナービット11の基端側に中空管状の削孔ロッド30の先端部を連結しておき、削孔ロッド30を挿入管20内に挿入して、リングビット12とインナービット11とを係合させる。
つまり、削孔装置100は、樹脂製の挿入管20の先端に削孔ビット10(インナービット11及びリングビット12)を設け、また、先端にインナービット11が装着され、後端に回転打撃装置50が連結される削孔ロッド30を挿入管20の内部に収容して構成される。
係る削孔時には、削孔の進行に伴って、削孔ロッド30及び挿入管20はそれぞれ必要に応じてカプラ(継手)30a、20a等で継ぎ足される。
そして、本願発明に係る地山探査方法では、例えば図2に示すように、山岳でのトンネル500の現場において切羽510から前記削孔装置100を用いて先進ボーリングを行わせることで、切羽前方の地山550に挿入管20を略水平に打設し、削孔ロッド30及びインナービット11が引き抜かれ挿入管20で保孔される探査用孔(ボーリング孔)320に、地中に電磁波を入射させて探査を行うボアホールレーダなどの探査装置200を挿入し、探査装置200を用いて切羽進行方向における水みちの有無(切羽での水みちの出現位置)などを探査する。
山岳トンネルの現場において切羽進行方向における水みちの有無などを探査する場合は、図3(A)に示すように、図1に示した削孔装置100を用いてトンネル500の切羽510から切羽進行方向に向けて略水平に探査用孔320を削孔し、同時に挿入管20を探査用孔320内に引き込んで地山550内に挿入管20を打設する(第1工程)。
なお、探査用孔320の長さは、数十mとすることができる。また、探査用孔320は、図2に点線で示すように、トンネル500の側壁520から切羽進行方向に向けて斜めに削孔させることができる。
挿入管20の内部が空くと、図3(C)に示すように、探査用孔320に残留される挿入管20内に探査装置200を挿入し、探査装置200によって探査用孔320周囲の地山550を探査する(第2工程)。
探査装置200は、送信アンテナ220によって探査用孔320周囲の地中に電磁波を入射させ、地山550からの反射波を受信アンテナ210で受信するシングルホール計測タイプのボアホールレーダであり、探査用孔320周囲の地中、つまり、切羽進行方向における水みち(亀裂や割れ目)などの有無を探査する。
更に、挿入管20は、探査用孔320を保孔して孔壁が崩れることを防止するので、孔壁が崩れ易い未固結地山や断層部についても探査用孔320を穿設して探査装置200による探査を行わせることができる。
カプラ(継手)20aが電磁波の吸収損失量が大きい(シールド性が高い)鋼製部材である場合は、挿入管20の継手部分で探査に影響が出る場合があるが、アンテナ部230が継手の間に位置するときに十分な探査を行える。
また、カプラ(継手)20aが、挿入管20と同様に、電磁波の吸収損失量(反射損失量)が小さい(シールド性が低い)樹脂材料で形成される場合は、挿入管20の継手部分でも探査に影響が出ることが抑制され、アンテナ部230を挿入管20内で移動させつつ連続して探査が行える。
例えば、挿入管20で保孔される探査用孔320(ボーリング孔)を複数穿設し、複数の探査用孔320それぞれで探査装置200による地中探査を行わせることができる。
また、探査に利用する探査用孔(ボーリング孔)が複数であるクロスホール計測タイプの探査装置200を用いることができる。クロスホール計測タイプとは、探査装置200を、送信アンテナを備えてなる送信機器と受信アンテナを備えてなる受信機器とで構成し、送信機器と受信機器とを異なる探査用孔に挿入させる探査モードである。
なお、1つの探査用孔内に複数の受信機器200Bを挿入することができ、また、送信機器200Aが挿入される探査用孔を囲むように形成した複数の探査用孔それぞれに受信機器200Bを挿入させることもできる。
また、挿入管20内を自走するロボットを用いて探査装置200(送受信アンテナ)を挿入管20内で移動させることができる。
また、削孔装置100は、挿入管20内に挿入される削孔ロッド30の先端に削孔ビット10を装着して構成されるが、例えば、ワイヤーライン工法において、先端に削孔ビット(リングビット)を備え当該削孔ビットに駆動力を伝達する管(アウターチューブ)を樹脂などの電磁波の吸収損失量が小さい材料で形成し、その内部に探査装置200を挿入して地山の探査を行わせることができる。つまり、削孔装置は、管の内部に収容される削孔ロッドの先端に削孔ビットを装着し、削孔ロッドによって削孔ビットを駆動する構成に限定されず、削孔ビットに駆動力を伝達する管の内部に探査装置を挿入し、周囲の地山を探査させることができる。
また、本願発明に係る地中探査方法は、山岳トンネルの現場における切羽進行方向の探査に限定されるものではなく、また、地山内に管を打設する工程における削孔ビットの進行方向(ボーリング孔の削孔方向)は略水平方向に限定されず、例えば、略垂直方向に削孔ビットを進行させて地中内に垂直方向に沿って樹脂製の管を打設し、打設された管内に探査装置(ボアホールレーダ)を挿入して地中を探査させることができる。
Claims (5)
- 樹脂製の管の先端に設けた削孔ビットの進行に伴って前記管を地山内に打設する第1工程であって、
インナービット及びリングビットからなる前記削孔ビットと、前記管の内部に収容され先端に前記インナービットが装着された削孔ロッドとを含む削孔装置を用いて削孔し、
削孔後に、前記インナービット及び前記削孔ロッドを削孔の開口側に引き抜き、前記リングビットと前記管を削孔内に残留させ、地山内に前記管を打設する、
前記第1工程と、
地山内に打設した前記管の内部に、地中に電磁波を入射させて探査を行う探査装置を挿入し、前記探査装置によって前記管の周囲の地山を探査する第2工程と、
を含む、地山探査方法。 - 前記第1工程は、樹脂製の継手を介して前記管を継ぎ足しながら削孔する、
請求項1記載の地山探査方法。 - 前記管は、ガラス繊維強化樹脂製である、
請求項1記載の地山探査方法。 - 前記探査装置は、電磁波を放射させる送信アンテナと前記送信アンテナから放射された電磁波を受信する受信アンテナとを一体的に備える、
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の地山探査方法。 - 前記探査装置は、電磁波を放射させる送信アンテナを備えた送信側探査機器と前記送信アンテナから放射された電磁波を受信する受信アンテナを備えた受信側探査機器とからなり、
前記第1工程は、地山内に前記管を打設した複数の探査用孔を穿設し、
前記第2工程は、前記送信側探査機器と前記受信側探査機器とをそれぞれ異なる前記探査用孔に挿入する、
請求項1から請求項3いずれか1つに記載の地山探査方法。
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