JP2006124936A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、岩盤類の調査方法及び装置に関する。
岩盤の性状を予め把握しておくことは、工事を進める上できわめて重要なことである。たとえば、通常の新設トンネル工事においては、一般的に、岩盤の状況(風化や緩み、湧水など)は、地山状況を項目ごとに作業員が目視観察し、切羽面のスケッチ画や写真とともに、複数に分かれた項目毎に、4ないしは5段階評価を記述する切羽日報を作成し、これにより把握している。しかし、切羽日報による地山性状の評価方法では、切羽面の目視観察に基づく方法なので、作業員の経験や知識などによって、評価がバラツキ易くなり、評価の信頼性に欠けるという問題がある。しかも、本質的に岩盤中の割れ目を把握することはできない。
他方、岩盤の電気的特性(比抵抗)を測定することにより地山性状を評価する方法が提案されている(特許文献1)。
しかし、この方法は、トンネル工事を前提にしたものであり、本発明が主眼とする法面などでの地上からの工事には適しない。しかも、調査が簡易ではない。
また、掘削によりコアを採取して、そのコアに基づき判断する手法もあるが、深さ方向に多数回のコア採取を行わなければならず、多大な手間を要する。
トレーサ物質を送る孔とこれを検知する孔を削孔し、トレーサ物質の移行の有無により判断する手法もある(特許文献2)。
しかし、この方法は、多数位置において対となる調査孔の削孔を行い、順次調査を行わなければならず、施工の手間は多大となる。
特開2003−194758号公報
特開平5−247920号公報
しかし、この方法は、トンネル工事を前提にしたものであり、本発明が主眼とする法面などでの地上からの工事には適しない。しかも、調査が簡易ではない。
また、掘削によりコアを採取して、そのコアに基づき判断する手法もあるが、深さ方向に多数回のコア採取を行わなければならず、多大な手間を要する。
トレーサ物質を送る孔とこれを検知する孔を削孔し、トレーサ物質の移行の有無により判断する手法もある(特許文献2)。
しかし、この方法は、多数位置において対となる調査孔の削孔を行い、順次調査を行わなければならず、施工の手間は多大となる。
したがって、本発明の主たる課題は、簡易にかつ迅速に岩盤類の調査、特に割れ目を含む調査を行うことができ、しかも、調査として信頼性の高い調査方法及び装置を提供することにある。
他の課題は、割れ目調査に利用して掘削孔を利用して他の調査項目の調査ができる形態を提供することである。
上記課題を解決した本発明は、次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
ダウンザホールハンマー削孔機に対し削孔速度検知手段を設け、前記削孔機により岩盤を削孔するとともに、この削孔過程で前記削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において前記岩盤類の割れ目があると判定することを特徴とする岩盤類の調査方法。
<請求項1項記載の発明>
ダウンザホールハンマー削孔機に対し削孔速度検知手段を設け、前記削孔機により岩盤を削孔するとともに、この削孔過程で前記削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において前記岩盤類の割れ目があると判定することを特徴とする岩盤類の調査方法。
(作用効果)
本発明は、削孔過程で削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において岩盤類の割れ目があると判定するものであり、後に詳述するように、割れ目の判定精度が高くかつ信頼性の高いものとなる。また、単に、一つの孔を掘削する過程で割れ目判定を行うものであるから、簡易にかつ迅速に岩盤類の調査を行うことができ、リアルタイムで判定できる。とりわけ、深さ方向に連続的または間欠的に多数点での調査が可能である利点がある。
本発明は、削孔過程で削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において岩盤類の割れ目があると判定するものであり、後に詳述するように、割れ目の判定精度が高くかつ信頼性の高いものとなる。また、単に、一つの孔を掘削する過程で割れ目判定を行うものであるから、簡易にかつ迅速に岩盤類の調査を行うことができ、リアルタイムで判定できる。とりわけ、深さ方向に連続的または間欠的に多数点での調査が可能である利点がある。
<請求項2項記載の発明>
割れ目の深さ部位は削孔長に基づき判断する岩盤類の調査方法。
割れ目の深さ部位は削孔長に基づき判断する岩盤類の調査方法。
(作用効果)
削孔長に基づき割れ目の深さ部位を簡易に判断できる。
削孔長に基づき割れ目の深さ部位を簡易に判断できる。
<請求項3項記載の発明>
削孔後において、掘削孔中に撮像手段を挿入し、この撮像手段により削孔の内周面を撮像し、割れ目の開口度及び走行方向傾斜のうち少なくとも一方を判断する請求項1または2記載の岩盤類の調査方法。
削孔後において、掘削孔中に撮像手段を挿入し、この撮像手段により削孔の内周面を撮像し、割れ目の開口度及び走行方向傾斜のうち少なくとも一方を判断する請求項1または2記載の岩盤類の調査方法。
(作用効果)
掘削孔を利用してその掘削孔中に撮像手段を挿入し、この撮像手段により削孔の内周面を撮像すれば、割れ目の開口度及び走行方向傾斜を判断できる。
掘削孔を利用してその掘削孔中に撮像手段を挿入し、この撮像手段により削孔の内周面を撮像すれば、割れ目の開口度及び走行方向傾斜を判断できる。
<請求項4項記載の発明>
削孔後において、掘削孔中に透水性試験手段を挿入し、この透水性試験手段を使用して岩盤類の透水性試験を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の岩盤類の調査方法。
削孔後において、掘削孔中に透水性試験手段を挿入し、この透水性試験手段を使用して岩盤類の透水性試験を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の岩盤類の調査方法。
(作用効果)
掘削孔を利用してその掘削孔中に透水性試験手段を挿入し、この透水性試験手段を使用して岩盤類の透水性試験を行うことができる。たとえば、割れ目のある部位において透水性試験を行えば、どの程度の割れ目であるのか、透水量として定量的に割れ目の程度は判断できる。
掘削孔を利用してその掘削孔中に透水性試験手段を挿入し、この透水性試験手段を使用して岩盤類の透水性試験を行うことができる。たとえば、割れ目のある部位において透水性試験を行えば、どの程度の割れ目であるのか、透水量として定量的に割れ目の程度は判断できる。
<請求項5項記載の発明>
ダウンザホールハンマー削孔機に対して設けた削孔速度検知手段と、前記削孔機による岩盤の削孔過程で前記削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において前記岩盤類の割れ目があると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする岩盤類の調査装置。
ダウンザホールハンマー削孔機に対して設けた削孔速度検知手段と、前記削孔機による岩盤の削孔過程で前記削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において前記岩盤類の割れ目があると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする岩盤類の調査装置。
以上の作用効果の欄でも説明したように、要すれば、簡易にかつ迅速に岩盤類の調査、特に割れ目を含む調査を行うことができ、しかも、調査として信頼性の高い調査となるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳述する。
図1はシステム概略図であり、図2は削孔機の側面図である。
図1および図2に示されるように、ダウンザホールハンマー削孔機1に対して各種のセンサー類が取付けられる。具体的に述べると、ガイドセル10上に搭載された、ケーシング12と連結するドリフタ11に対して回転速度を検出するための電磁センサー21を取付け、ガイドセル10の頂部シーブ13に対して削孔ロッド12の前進削孔速度を測定するための回転量検出センサー23を取付けるとともに、削孔機1本体にセンサーボックス24を設備して、送水圧を削孔送水供給管の水圧から、回転トルクを回転駆動装置の作動油圧から、ビット推力をドリフタ等推進装置の作動油圧から、さらに保持力をフィード機構の作動油圧から夫々間接的に計測するようにしている。加えて、たとえば5mm削孔するのに要する時間が測定される。したがって、本例での削孔速度は削孔5mm毎の瞬間速度であり、上記項目の削孔パラメータが削孔に際して測定される。これらパラメータはすべてデータ処理装置14に入力されここでデジタル化され、装入されたメモリーカード17に対して5mm毎に記録されるとともに、任意に選定された複数のパラメータ群をリアルタイムでチャート紙に出力できるようになっている。なお、15、16はデータ処理装置用のインターフェイス類である。前記メモリーカード17はカードリーダー18にセットされ、各種のパラメータはコンピューター19によってデータ解析処理される。解析結果はプリンター20に対して出力することができる。
図1はシステム概略図であり、図2は削孔機の側面図である。
図1および図2に示されるように、ダウンザホールハンマー削孔機1に対して各種のセンサー類が取付けられる。具体的に述べると、ガイドセル10上に搭載された、ケーシング12と連結するドリフタ11に対して回転速度を検出するための電磁センサー21を取付け、ガイドセル10の頂部シーブ13に対して削孔ロッド12の前進削孔速度を測定するための回転量検出センサー23を取付けるとともに、削孔機1本体にセンサーボックス24を設備して、送水圧を削孔送水供給管の水圧から、回転トルクを回転駆動装置の作動油圧から、ビット推力をドリフタ等推進装置の作動油圧から、さらに保持力をフィード機構の作動油圧から夫々間接的に計測するようにしている。加えて、たとえば5mm削孔するのに要する時間が測定される。したがって、本例での削孔速度は削孔5mm毎の瞬間速度であり、上記項目の削孔パラメータが削孔に際して測定される。これらパラメータはすべてデータ処理装置14に入力されここでデジタル化され、装入されたメモリーカード17に対して5mm毎に記録されるとともに、任意に選定された複数のパラメータ群をリアルタイムでチャート紙に出力できるようになっている。なお、15、16はデータ処理装置用のインターフェイス類である。前記メモリーカード17はカードリーダー18にセットされ、各種のパラメータはコンピューター19によってデータ解析処理される。解析結果はプリンター20に対して出力することができる。
さて、削孔パラメータのうち本発明に係る解析結果出力例の一例を図3に示す。トルク(Mpa)、掘進効率(単位深度を削孔するのに要する時間:min/m)、削孔速度(m/h)と、削孔後において、掘削孔中に撮像手段を挿入し、この撮像手段により、掘削孔の内周面を撮像した画像(ボアテレビBTV孔面画像)を深度ごとに示した。
ここに、BTV孔面画像の縦方向に連続的な濃い線画像が現れているが、これはBTVの信号ケーブル線が表れたもので、割れ目とは関係がない。
BTV孔面画像において、いくつかの割れ目が表れている。この深度部位で、削孔速度(m/h)が速くなっている。掘進効率(min/m)も良化している。これに対し、トルクの変化は顕著でないし、割れ目に対して変化しない部位もある。
してみると、削孔過程で削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において岩盤類の割れ目があると判定することができる。そして、BTV孔面画像との対比からも、割れ目の判定精度が高くかつ信頼性の高いものとなることが判る。本発明は、一つの孔を掘削する過程で、深さ方向に連続的または間欠的に多数点での調査データを取り込み、割れ目判定を行うものであるから、簡易にかつ迅速に岩盤類の調査を行うことができる。
ところで、本発明において、「削孔速度自体」で割れ目の判定を行うほか、削孔速度を要因とする他のパラメータの変化に基づき割れ目の判定を行うことも含まれることに注目されたい。
この点について補足説明する。まず、図3に併示した掘進効率(min/m)でもよいことは明らかである。
この点について補足説明する。まず、図3に併示した掘進効率(min/m)でもよいことは明らかである。
そして、推進力および時間系の要素によって構成されたパラメータとして「LT」と「速度/推進力」を使用できる。岩盤削孔時の岩盤に及ぼされる力として打撃力や回転力等も考えられるが、同一条件下で削孔を行っている場合、打撃数や回転数の変化があまり発生しないため、これらの値の変化は強度の変化を示す要素としてあまり有効ではない。これに対して推進力は地盤強度に対して有効な変化を示す。したがって、パラメータとしては、打撃や回転は常時同一条件にて行われていると仮定し、「LT」と「速度/推進力」を使用できるのである。
削孔機の推進力(LOAD)が単位体積に対してどれだけの時間(TIME)力を及ぼしていたかを示すパラメータである。
LT(N・sec/cm3) = 推進力(N) ×(単位深度削孔に要した)時間(sec/cm) / 削孔面積(cm2)
「速度/推進力」(推進力を1トン当たりに換算した場合の削孔速度を示す)((m/h)/t) = 削孔速度(m/h) / 推進力(t)
削孔機の推進力(LOAD)が単位体積に対してどれだけの時間(TIME)力を及ぼしていたかを示すパラメータである。
LT(N・sec/cm3) = 推進力(N) ×(単位深度削孔に要した)時間(sec/cm) / 削孔面積(cm2)
「速度/推進力」(推進力を1トン当たりに換算した場合の削孔速度を示す)((m/h)/t) = 削孔速度(m/h) / 推進力(t)
本発明の削孔機は、ダウンザホールハンマー削孔機である。その打撃駆動力としてはエアのほか望ましくはウォータハンマーである。ダウンザホールハンマーは、図2に示すように、先端に削孔ビット12Aを有し、これにケーシング12E内に装備したピストン12Bにより間欠的に打撃力を与えるものである。図示例はウォータハンマーで、ポンプ(図示せず)からの送水圧(たとえば15Mpa)により、ストレーナー12Dを通してピストン駆動用バルブ12Cによりピストン12Bを駆動させて、削孔ビット12Aに間欠的に打撃力を与えるようにしてある。これに対し、ダウンザホールハンマー削孔機でなく、単なる回転削孔機では、割れ目に相当する部位での変化は表れないことを知見している。
割れ目の深さ部位は削孔長に基づき判断する、上記例では、回転量検出センサー23からの信号に基づき判断することができる。原始的には、ロッドの継ぎ足し本数やドリフタ11の位置に基づき判断することも可能ではある。
撮像手段は、CCDカメラなどであり、他の公知のものを使用できる。第3図のBTV孔面画像に注視することにより判るように、撮像手段により削孔の内周面を撮像すれば、割れ目の開口度及び走行方向傾斜を判断できるのである。
削孔後において、掘削孔中に透水性試験手段を挿入し、この透水性試験手段を使用して岩盤類の透水性試験を行うことができる。
透水性試験手段としては、本出願人が提案した特許3388144号によるものを好適に使用できる。すなわち、内部に長手方向に沿う通水路が形成され、外周面に試験孔壁との隙間のシールおよびシール解除を自在に行うシール手段が設けられ、このシール手段よりも先端側の部分に前記通水路から外面に通じる通水部が設けられ、この通水路内には水圧を測定する圧力センサーが設けられ、前記圧力センサーは、測定された水圧を水位に換算して、前記シール手段下端と試験孔の側壁及び底によって囲まれる試験区間の透水係数を求めるために用いられるものである透水試験用部材を使用できる。また、内部に長手方向に沿う通水路が形成され、外周面に試験孔壁との隙間のシールおよびシール解除を自在に行うシール手段が少なくとも2つ長手方向に離間して設けられ、これら少なくとも2つのシール手段の間の側壁に前記通水路から外面に通じる通水部が設けられている透水試験用部材でもよい。さらに、2重管構造であり、外管の外周面に膨縮自在のパッカーが設けられ、前記外管における前記パッカーよりも先端側の部分に内外に通じる通水部が設けられ、内管は前記パッカーに通じるように配管されていることを透水試験用部材も提案される。
この種の透水試験用部材は、掘削孔に挿入するものであるから、削孔用のビットなどを先端に装備させる必要はなく、したがって、2重管構造であり、外管の外周面には膨縮自在のパッカーが少なくとも2つ長手方向に離間して設けられ、前記外管における前記少なくとも2つのパッカーの間の管壁に内外に通じる通水部が設けられ、内管は前記少なくとも2つのパッカーの各々に通じるように配管されている構造が適している。そして、前記通水部に、圧力センサーや送水量の流量計を設け、地上側からの送水時の圧力変化や送水量の変化度合いに基づき、割れ目の程度は判断できる。
以上のように掘削孔ごとの割れ目データはこれを集計して岩盤全体の割れ目の状況を判断できる。また、判断した割れ目に対しては、必要により、その部位に注入材などを注入して止水や補強を行うことができる。
1…削孔機、10…ガイドセル、11…ドリフタ、13…頂部シーブ、14…データ処理装置、19…コンピューター、20…プリンター、21…電磁センサー、23…回転量検出センサー、24…センサーボックス。
Claims (5)
- ダウンザホールハンマー削孔機に対し削孔速度検知手段を設け、前記削孔機により岩盤を削孔するとともに、この削孔過程で前記削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において前記岩盤類の割れ目があると判定することを特徴とする岩盤類の調査方法。
- 割れ目の深さ部位は削孔長に基づき判断する岩盤類の調査方法。
- 削孔後において、掘削孔中に撮像手段を挿入し、この撮像手段により削孔の内周面を撮像し、割れ目の開口度及び走行方向傾斜のうち少なくとも一方を判断する請求項1または2記載の岩盤類の調査方法。
- 削孔後において、掘削孔中に透水性試験手段を挿入し、この透水性試験手段を使用して岩盤類の透水性試験を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の岩盤類の調査方法。
- ダウンザホールハンマー削孔機に対して設けた削孔速度検知手段と、前記削孔機による岩盤の削孔過程で前記削孔速度検知手段により検知された削孔速度が速くなる側に変化する深さ部位において前記岩盤類の割れ目があると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする岩盤類の調査装置。
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JP2004311001A JP2006124936A (ja) | 2004-10-26 | 2004-10-26 | 岩盤類の調査方法及び装置 |
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