JP6464920B2 - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
このようなインクジェット記録インクジェット記録方式では、着色剤として水溶性染料を使用した水系インクが主に用いられているが、前記染料インクは、耐候性及び耐水性に劣るという欠点がある。このため、水溶性染料に代えて水不溶性の顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。しかし、前記顔料インクは、前記染料インクに比べて発色性やインクの保存安定性が未だ劣っている。
しかし、高速印字化に伴って、印字後のカールが解消されないまま記録媒体を搬送する必要があるため、紙詰まりの問題を引き起こすおそれがある。カールについては、インク中の有機溶剤の含有量を増やす手段が有効であるがインクがより疎水性に近づくため、インクの保存安定性、吐出安定性を確保することが困難になる。
また、高速で連続印字したときにノズルからのインク吐出特性が不安定になる問題が見られ、吐出回復性が低いという問題がある。
即ち、本発明は、高い画像濃度が得られ、保存安定性、吐出回復性に優れたインク、特に好ましくはインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
(1)「少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、およびホスホン酸基を有する重合体を含むインクジェット記録用インクであって、前記重合体は、ジホスホン酸基を有する共重合体であり、該ジホスホン酸基の少なくとも一部がアルカリ金属塩または有機アンモニウム塩であり、かつ前記重合体は一般式(1)で表される構造単位(1)と一般式(2)で表される構造単位(2)と、一般式(3a)または一般式(3b)で表される構造単位(3)とを含むものであることを特徴とするインク。
本発明は、前記(1)の「インク」に係るものであるが、以下の(2)〜(11)に記載の「インク」、(12)の「インクカートリッジ」、(13)の「インクジェット記録装置」、(14)の「インク記録物」に係るものでもあるので、これらについても併せて詳細に説明する。
(3)「前記重合体は、さらに次の一般式(5)で表される構造単位(5)を含むものであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のインク。
(5)「前記重合体における構造単位(1)の含有率が20質量%〜60質量%であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか1に記載のインク。」
(6)「前記重合体における構造単位(1)の含有率が30質量%〜50質量%であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか1に記載のインク。」
(7)「前記重合体の水溶液粘度(濃度10質量%、25℃)が1.5〜4.0mPa・sであることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれか1に記載のインク。」
(8)「少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、およびホスホン酸基を有する重合体を含むインクジェット記録用インクであって、前記重合体は、ジホスホン酸基を有する共重合体であり、該ジホスホン酸基の少なくとも一部がアルカリ金属塩または有機アンモニウム塩であり、かつ前記重合体は一般式(11)で表されるモノマー(1)と一般式(12)で表されるモノマー(2)と、一般式(13a)または一般式(13b)で表されるモノマー(3)とを少なくとも含む重合性材料のラジカル重合により合成されたものであることを特徴とするインク。
(10)「前記重合体は、さらに次の一般式(15)で表されるモノマー(5)を含む重合性材料のラジカル重合により合成されたものであることを特徴とする前記(8)または(9)に記載のインク。
(12)「前記(1)乃至(11)のいずれか1に記載のインクを容器に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。」
(13)「前記(1)乃至(11)のいずれか1に記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。」
(14)「記録メディア上に、前記(1)乃至(11)のいずれか1に記載のインクにより記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。」
−ホスホン酸基を含む共重合体−
本発明におけるホスホン酸基を含む共重合体(以下、ポリマー又は共重合体ポリマーとも表記する)は、前記一般式(1)で表される構造単位(1)と、前記一般式(2)で表される構造単位(2)と、前記一般式(3a)または前記一般式(3b)で表される構造単位(3)を少なくとも有する共重合体である。
また、前記一般式(1)で表される構造単位(1)、一般式(2)で表される構造単位(2)と、前記一般式(4)で表される構造単位(4)を少なくとも有する共重合体でもある。
以下、本明細書中では、前記構造単位(1)と前記構造単位(2)と前記構造単位(3)を有する共重合体を「共重合体(A)」と略記し、共重合体(A)を含むインクを「インク(A)」と略記、また、前記構造単位(1)と前記構造単位(2)と前記構造単位(4)を有する共重合体を「共重合体(B)」と略記し、共重合体(B)を含むインクを「インクB」と略記することがある。
前記M+の有機アンモニウムイオンにおける有機アミンとしては、例えば、モノ、ジ或いはトリメチルアミン、モノ、ジ或いはトリエチルアミン等のアルキルアミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール(AEPD)等のアルコールアミン類;コリン、モルホリン、N−メチルモノホルリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミン、などが挙げられる。
テトラアルキルアンモニウムイオンとしては炭素数1〜22のアルキル基を4個有するアンモニウムイオンであり、例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラアミルアンモニウムイオン、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムイオン、メチルトリオクチルアンモニウムイオン、トリメチルステアリルアンモニウムイオン等が挙げられる。特に、炭素数1〜5のアルキル基からなるテトラアルキルアンモニウムイオンを用いる場合は、低粘度で且つ保存安定性に優れるインク提供が可能となるため特に好ましい。
炭素数1〜5のアルキル基からなるテトラアルキルアンモニウムイオンとしては、例えば、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、メチルトリブチルアンモニウムイオン、メチルトリアミルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、エチルトリメチルアンモニウムイオン等を挙げることができる。
L1を介して末端に存在するZ1基はアリール基であり、特に限定しないが、溶解性を考慮してナフチル基より炭素数の少ないアリール基が好ましい。特にフェニル基が溶解性とインク保存性の両立の点で好ましい。このアリール基は水性インク(以下、インクということもある)中の色材である顔料とのπ−πスタッキングにより、優れた顔料吸着力を有するため、インクの保存安定性を向上させることができる。
炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を挙げることができる。
一般式(3a)で表される構造単位と、一般式(3b)で表される構造単位は、併用してもよい。
また、一般式(4)で表される構造単位(4)の質量比率は、1質量%〜40質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がさらに好ましい。前記質量比率が、好ましい範囲であると、水溶性溶剤をビヒクルに含有するインク処方においても分散安定性と保存安定性が良好となる点で有利である。
また同様に、前記構造単位(1)と構造単位(2)、及び構造単位(4)を含む共重合体(B)も、特に制限はなく、各種分野に幅広く用いることができる。
そして、インクにおける顔料分散剤、顔料濃度向上剤、顔料用結着樹脂、粘度調整剤などとして好適に用いることができる。
また同様に、インク(B)では、共重合体(B)中に前記一般式(1)(2)及び(4)で表される構造単位(1)(2)及び(4)に加えて、さらに一般式(5)で表される構造単位(5)を含ませることで更に画像濃度向上とインク保存性と吐出回復性を高めることができる。
一般式(5)中のZ2は炭素数12〜22のアルキル基であり、具体的にはドデシル基、オクタデシル基等の長鎖アルキル基を表す。これら長鎖アルキル基はインクの粘度向上効果を有しており、使用されるインク粘度に応じて含有量を調節する。
本発明で用いられるポリマー、共重合体(A)は、少なくとも一般式(11)で表されるモノマー(1)と、一般式(12)で表されるモノマー(2)と、一般式(13a)または(13b)で表されるモノマー(3)とを含む重合性原料をラジカル重合させた後、必要に応じて得られたポリマーをさらにアルカリ金属塩基または有機アミンまたはテトラアルキルアンモニウム塩基で中和調整することで合成することができる。
また、一般式(15)で表されるモノマー(5)を更に加える場合は、同様にモノマー(1)〜(4)を含む重合性原料をラジカル重合させた後、同様に中和調整することで合成することができる。
一般式(13b)で表されるモノマー(3)の具体例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジ(n−プロピル)アクリルアミド、N,N−ジ(iso−プロピル)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)アクリルアミド、N,N−ジ(iso−ブチル)アクリルアミド、N,N−ジ(sec−ブチル)アクリルアミド、N,N−ジ(tert−ブチル)アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−(n−プロピル)アクリルアミド、N−メチル−N−(n−ブチル)アクリルアミド、N−エチル−N−(n−プロピル)アクリルアミド、N−エチル−N−(n−ブチル)アクリルアミド、及びそれらのメタクリルアミド体等が挙げられる。
さらに、これらのメタクリルがアクリルの場合や、テトラエチルアンモニウムが他のテトラアルキルアンモニウムイオンの場合や混合している場合を挙げることができる。
前者の場合、アミノメチレンジホスホン酸を予め中和処理した後に、酸クロリドとエステル化反応させて合成するのが好ましく、反応後、逆中和処理して塩の数を調整することが出来る。後者の場合は、ジホスホン酸体を得た後に中和して塩の数を調整する。
前記共重合体(B)の場合は、モノマー(1)、モノマー(2)及びモノマー(4)を用い、同様にして、公知の重合法により重合される。
また、これら各モノマー(1)(2)(3)、または、(1)(2)(4)に加えて、更に一般式(15)で表されるモノマー(5)を含む重合性原料から合成されるポリマー、共重合体(A)共重合体(B)、も同様の方法で重合される。
これらの重合法に限定されないが、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましく、有機溶剤と水の混合溶媒中で重合させる溶液重合法が更に好ましい。
前記溶液重合法でラジカル重合を行う際の操作としては、特に制限はないが、モノマー、開始剤、連鎖移動剤、溶媒は、重合反応容器に一括で仕込んでも良いし、滴下漏斗を用いて連続的に供給しても良い。また、必要に応じて、重合反応中に開始剤を追加しても良い。
また、初めから混合溶剤を使用する以外にも、モノマー(1)の水溶液とモノマー(2)の有機溶剤液を重合時に混合していっても良い。
モノマー(1)とモノマー(2)の溶解性を近づけることは、共重合性を上げるために有効であり、本発明では、モノマー(1)をテトラアルキルアンモニウム塩とすることでモノマー(2)との溶解性の差を少なくすることで共重合体の合成が有利になる。
溶解性だけに注目すれば、テトラアルキルアンモニウムのアルキル基が長いほうが疎水性が強くなり、モノマー(2)との共重合性に優れることと予測されるが、他特性とのバランスで選択される。
共重合体(A)、又は共重合体(B)の製造において、モノマー(3)即ち(3a)若しくは(3b)、又はモノマー(4)、更にはモノマー(5)は、初めから混合溶剤に溶解させても良いし、モノマー(2)と同時に有機溶剤に溶解させても良い。
前記重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマーの総質量に対して、1質量%〜20質量%が好ましい。
重合温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜150℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。重合時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間〜48時間が好ましい。
前記中和処理は、各塩基にてポリマーのホスホン酸基の一部又は全てを中和することで行うことができる。
前記一般式(11)のモノマー(1)の製造工程で中和がすべて済んでいる場合は、この中和工程を省略することができるが、通常は、モノマー製造工程で1〜2等量中和しておき、ポリマー化してから残りの酸基を中和する。
また、共重合体(B)製造の場合、一般式(12)のモノマー(2)及び一般式(14)のモノマー(4)を溶解させた有機溶媒溶液、及び重合開始剤及び分子量調整剤等を溶解させた溶液を不活性ガス下、回分又は連続して投入攪拌し、60℃〜150℃の温度で反応させた後、各塩基で中和処理することで合成することができる。
本発明におけるビスホスホン酸化合物は、チモールフタレインの変色時(pH=8〜9)には4つの酸基のうち、3つが中和されることがわかっている。したがって、チモールフタレインを指示薬として酸価を求め、それに応じて塩基を投入して中和した場合は、3個の酸基が中和された構造を調整することができる。
そこで本発明では、ポリマーを一定濃度の溶液としたときの粘度を分子量の代用特性とした。粘度の測定方法は、次のように行うことができる。粘度計(RE500L、東機産業株式会社製)を使用し、サンプルの粘度に合わせて50回転もしくは100回転に調整して測定する。
本発明のホスホン酸基を含む共重合体の水溶液粘度(10質量%、25℃)は、1.5mPa・s〜4.0mPa・sであることが好ましく、1.7mPa・s〜3.0mPa・sであることがさらに好ましい。
ポリマーの水溶液粘度が1.5mPa・s以上であれば、カルシウム反応性が低下することによる画像濃度低下が起こりにくく、4.0mPa・s以下であれば分散性安定性の低下に起因する、顔料分散体およびインクの保存性悪化が起こりにくくなる。
1.7mPa・s〜3.0mPa・sの範囲であれば、画像濃度低下やインク保存性悪化がさらに起こりにくくなる。また、インクの保存性悪化は吐出回復性の低下につながる恐れがある。
前記重合温度に関しては、高温にて短時間で重合すると低分子量のポリマーが得られやすく、低温度にて長時間かけて重合すれば高分子量のポリマーが得られやすい傾向にある。
前記重合開始剤の含有量については、多い方が低分子量のポリマーが得られやすく、少ない方が高分子量のポリマーが得られやすい傾向にある。
前記反応時のモノマー濃度については、高濃度の方が高分子量のポリマーが得られやすく、低濃度の方が低分子量のポリマーが得られやすい傾向にある。
また、上記のように、連鎖移動剤の使用量を調節することにより、本発明における前記共重合体の分子量を制御することができる。知られているように、連鎖移動剤は、成長したポリマー鎖からラジカルを受け取りポリマーの伸長を止めるが、ラジカルを受け取った連鎖移動剤はモノマーを攻撃して再び重合を開始させることができるので、分子量分布の調節、平均分子量の調節にも寄与する。
本発明のインク(A)は、水、水溶性有機溶剤、顔料及び前記一般式(1)、前記一般式(2)及び前記一般式(3a)または(3b)で表される構造単位(1)、(2)及び(3)を有するジホスホン酸基の塩を含む共重合体(A)を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。また、更には、水、水溶性有機溶剤、顔料及び前記一般式(1)、前記一般式(2)及び前記一般式(3)で表される構造単位(1)、(2)並びに(3)、及び、構造単位(5)を有するジホスホン酸基の塩を含む共重合体(A)を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
インク(B)は、水、水溶性有機溶剤、顔料及び前記一般式(1)、前記一般式(2)及び前記一般式(4)で表される構造単位(1)、(2)及び(4)を有するジホスホン酸基の塩を含む共重合体(B)を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。また、更には、水、水溶性有機溶剤、顔料及び前記一般式(1)、前記一般式(2)及び前記一般式(4)で表される構造単位(1)、(2)並びに(4)、及び、構造単位(5)を有するジホスホン酸基の塩を含む共重合体(B)を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明のインク(A)(B)は、インクジェット記録用として、また、筆記用やスプレー塗布用など他の用途のものとして、使用することができる。
本発明のインク(A)は、前記一般式(1)で表される構造単位(1)、前記一般式(2)で表される構造単位(2)及び前記一般式(3a)または(3b)で表される構造単位(3)を含むポリマーを含有することを特徴とする。
また、従来使用されている1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸に由来する構造単位では、耐加水分解性に問題があるためか、保存安定性及び吐出回復性が十分でない。それに対し、本願のジホスホン酸構造は耐加水分解性に強く、保存安定性及び吐出安定性で有利になっている。
また、ジホスホン酸構造を有することで普通紙に対する画像濃度向上効果も有しており、狙いのインク提供が可能になる。
すなわち一般式(1)で表される構造単位(1)と一般式(2)で表される構造単位(2)と一般式(3a)または一般式(3b)で表される構造単位(3)を含む共重合樹脂を用いることで、画像濃度を向上させ、インク保存性を向上させ、且つ、インクヘッドノズル先端に顔料や共重合樹脂が析出することに起因する吐出不良を抑制し、ヘッドクリーニングなどの吐出性回復動作を低減することができる。
更に一般式(5)で表される構造単位(5)を導入することにより、画像濃度を更に向上させ、インクの保存安定性及び吐出回復性もさらに向上できる。
本発明のインク(B)は、前記一般式(1)で表される構造単位(1)、一般式(2)で表される構造単位(2)及び一般式(4)で表される構造単位(4)を含むポリマー(B)を含有することを特徴とする。このポリマー(B)における構造単位(1)、構造単位(2)の性質、機能、役割は、上記構造単位(1)、(2)及び(3)を含むポリマー(A)を含有するインク(A)の場合における構造単位(1)、(2)と同様である。また前記構造単位(5)についても同様である。
また、理由は定かではないが、前記構造単位(1)に前記構造単位(2)と前記構造単位(4)を含むことにより、ポリマー内でのホスホン酸基の会合を防ぐ働きがあり、水系インク中での保存安定性を更に向上させる効果がある。
したがって、前記構造単位(1)、(2)及び(4)を含むポリマーをインクジェット記録用インクに用いた場合に、良好なインクの分散安定性及び保存安定性を示す。それだけでなく、紙にインクを印字した場合には、Caイオンの含有量が少ない普通紙であっても紙からインクへ溶出するCaイオンにより、前記共重合体が疎水化し、更に前記構造単位(2)及び(4)は顔料に対する吸着性が高いため、顔料を巻き込んで凝集することで、紙面上に顔料が留まり、より高い画像濃度を実現することが可能となる。
前記含有量が、0.05質量%以上から画像濃度の向上効果が認められ、10質量%以下であると、インクをヘッドから吐出する際に適した粘度範囲とすることが可能となる。
前記構造単位(1)(2)及び(3)を含むポリマー(A)、構造単位(1)(2)及び(4)を含むポリマー(B)、または更に前記構造単位(5)を含むこれらポリマー(A)または(B)の含有量は、顔料分散剤として使用する場合には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。そして、前記顔料100質量部に対して、1質量部〜100質量部が好ましく、5質量部〜80質量部がより好ましく、10質量部〜50質量部が更に好ましい。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高い画像濃度が得られ、分散安定性と保存安定性が良好となる点で有利である。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記水の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用或いはカラー用の無機顔料や有機顔料などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が15nm〜40nm、BET法による比表面積が50m2/g〜300m2/g、DBP吸油量が40mL/100g〜150mL/100g、揮発分が0.5%〜10%、pHが2〜9を有するものが好ましい。
前記カーボンブラックとしては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学株式会社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)、などが挙げられる。
また、本発明で使用する顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
ここで、前記顔料の50%平均粒径は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したD50%の値を示す。
前記顔料の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、及び更に必要に応じてその他の成分を混合した後、分散機で分散し、粒径を調整して得られる。
得られた顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記顔料分散体を作製する際の顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜50質量%が好ましく、0.1質量%〜30質量%がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記顔料分散体における顔料分散剤としては、前記一般式(1)で表される構造単位を含むポリマーが好ましい。その他の使用可能な分散剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物、高分子型の分散剤、などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物が特に好ましい。
前記水溶性有機溶剤は、インクの乾燥を防止する湿潤剤としての効果、及び浸透剤としての効果の少なくともいずれかの効果を有する。
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプロピリデングリセロール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコール、グリセリンが水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れた効果が得られる。
また、湿潤性が比較的少なく、浸透性を有する水溶性有機溶剤としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]、などが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、前記インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%〜60質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、インクの吐出安定性が向上することがあり、60質量%以下であると、乾燥性が良好となることがある。前記含有量が、前記より好ましい数値範囲内であるインクは、乾燥性及び吐出信頼性が非常に良好になるという利点がある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、などが挙げられる。これらの中でも、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。
前記パーフルオロアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、1〜3のものがより好ましく、例えば、−CnF2n−1(ただし、nは1〜10の整数を表す)などが挙げられる。前記パーフルオロアルキル基としては、例えば、−CF3、−CF2CF3、−C3F7、−C4F9、などが挙げられる。これらの中でも、−CF3、−CF2CF3が特に好ましい。
m、n、及びpは、それぞれ整数を表し、nは1〜4、mは6〜25、pは1〜4が好ましい。
R2 +はカチオン基を表し、例えば、第4級アンモニウム基;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;トリエチルアミン、トリエタノールアミン、などが挙げられる。これらの中でも、第4級アンモニウム基が特に好ましい。R1 −はアニオン基を表し、例えば、COO−、SO3 −、SO4 −、PO4 ―、などが挙げられる。qは、1〜6が好ましい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、デュポン社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製);PF−151N(ソリューションズインコーポレーテッド社製);ユニダインDSN−403N(ダイキン工業製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色性の向上の点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(いずれも、デュポン社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業製)が特に好ましい。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば該pH調整剤として、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、などが挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、などが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物、などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂、などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴム、などが挙げられる。
これらの中でも、ポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。
インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm以上が好ましい。
また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。
そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30℃以下が好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分で、1質量%〜15質量%が好ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録用インクの製造方法は、例えば、水、水溶性有機溶剤、顔料、前記一般式(1)、前記一般式(2)及び前記一般式(3a)または(3b)で表される構造単位を含むポリマーまたは更に前記一般式(4)で表される構造単位を含むポリマー、及び必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、攪拌混合して製造することができる。
前記インクは、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクの25℃での粘度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3mPa・s〜20mPa・sが好ましい。前記インク粘度が、3mPa・s以上であると、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、前記インク粘度を、20mPa・s以下とすることで、インクの吐出性を確保できることがある。
前記粘度は、例えば、粘度計(RE500L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクの表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃で、40mN/m以下が好ましい。
本発明のブラックインク及びカラーインクの粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃における粘度が、5.0mPa・s〜12.0mPa・sが好ましい。前記粘度は、例えば、東機産業社製の粘度計RE500Lを用いて測定できる。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明の前記インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とするものである。すなわち、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッドと、維持回復装置とを少なくとも備えてなり、更に必要に応じて刺激発生手段、制御手段等のその他の手段を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするものである。すなわち、本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
前記インクジェット記録装置は、本発明の各インクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、前記記録ヘッドのノズルからインクを吐出させて画像を記録する。前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記飛翔させる前記記録用インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3〜40plとするのが好ましい。また、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。
前記維持回復装置は、記録ヘッドを覆蓋し、吸引力発生手段と連通する少なくとも1つの吸引覆蓋手段(吸引キャップ)、及び前記記録ヘッドを覆蓋し、吸引力発生手段と連通していない少なくとも1つの非吸引覆蓋手段(保湿キャップ)を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。このように、吸引キャップと保湿キャップとを備えることにより、全てのキャップが吸引キャップである構成よりも信頼性確保のための維持動作に消費されるインク量が少なくなり、維持動作にかかる時間、インクの無駄を防ぐことができる。前記維持回復装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特開2005−170035号公報などに記載されたものを用いることができる。
前記2ヘッドタイプでは、第1ヘッド及び第2ヘッドのいずれか一方が吸引力発生手段と連通する吸引覆蓋手段(吸引キャップ)で覆蓋され、他方が、吸引力発生手段と連通していない非吸引覆蓋手段(保湿キャップ)で覆蓋される。図1の例では、第1ヘッドが吸引キャップで覆蓋され、第2ヘッドが保湿キャップで覆蓋されている。
なお、図1の2ヘッドタイプにおいて、フルカラー記録を行う場合には、合計4つのノズル列に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びブラック(Bk)の各色のインクをそれぞれ充填する必要がある。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着した用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に装着され画像が記録(形成)された用紙(記録媒体)をストックするための排紙トレイ3とを備え、更に、装置本体1の前面4の一端部側には、前面4から前方側に突き出し、上面5よりも低くなったカートリッジ装填部6を有し、このカートリッジ装填部6の上面に操作キーや表示器などの操作部7を配置している。カートリッジ装填部6には、液体補充手段としての液体保管用タンクであるメインタンク(以下、「インクカートリッジ」という)10が交換可能に装着され、また、開閉可能な前カバー8を有している。
インクカートリッジは、例えば、インク注入口からインク袋内に充填され、排気した後、該インク注入口は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口に装置本体の針を刺して装置に供給される。インク袋は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋は、通常、プラスチックス製のカートリッジケース内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
フレーム21を構成する左右の側板21A,21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図3においてキャリッジ走査方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、インクの液滴(インク滴)を吐出するための液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなる複数の記録ヘッド34を複数のノズルを主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
ここで、記録ヘッド34は、例えば、イエロー(Y)の液滴を吐出する記録ヘッド34y、マゼンタ(M)の液滴を吐出する記録ヘッド34m、シアン(C)の液滴を吐出する記録ヘッド34c、ブラック(Bk)の液滴を吐出する記録ヘッド34kとで構成している。なお、「記録ヘッド34」というときは色を区別しないものとする。なお、ヘッド構成は、これらの例に限るものではなく、1つ又は複数の色の液滴を吐出する1つ又は複数のノズル列を有する記録ヘッドを1つ又は複数用いて構成することもできる。
記録ヘッド34を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
ここで、インクカートリッジ10は、図5にも示すように、カートリッジ装填部6に収納される。このカートリッジ装填部6にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット23が設けられている。また、インクカートリッジ装填部6からサブタンク35に至るまでのインク供給チューブ37は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに本体側ホルダ25にて固定保持されている。更に、キャリッジ33上でも固定リブ26にて固定されている。
なお、図4、図5中、符号22はフレキシブルケーブルを、符号36はインク供給チューブ(サブタンク接続部)を示す。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側で搬送するための搬送部として、用紙42を静電吸着して搬送するための搬送ベルト51と、給紙部からガイド45を介して送られる用紙42を搬送ベルト51との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ52と、略鉛直上方に送られる用紙42を略90°方向転換させて搬送ベルト51上に倣わせるための搬送ガイド53と、押さえ部材54で搬送ベルト51側に付勢された先端加圧コロ55と、を備えている。また、搬送ベルト51表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。
ここで、搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ57とテンションローラ58との間に掛け渡されて、図5のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各々2.5Nをかけている。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材61を配置している。このガイド部材61は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ57とテンションローラ58)の接線よりも記録ヘッド34側に突出している。これにより、搬送ベルト51は印写領域ではガイド部材61の上面にて押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性を維持される。
また、装置本体1の背面部には両面給紙ユニット81が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット81は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ52と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット81の上面には手差し給紙部82を設けている。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ52との間に挟まれて搬送される。更に用紙42は、先端を搬送ガイド53で案内されて先端加圧コロ55で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このサブシステム91のフレーム(維持装置フレーム)111には、キャップ保持機構である2つのキャップホルダ112A、112Bと、清浄化手段としての弾性体を含むワイピング部材であるワイパーブレード93と、キャリッジロック115とがそれぞれ昇降可能(上下動可能)に保持されている。また、ワイパーブレード93とキャップホルダ112Aとの間には空吐出受け94が配置され、ワイパーブレード93のクリーニングを行うために、フレーム111の外側からワイパーブレード93を空吐出受け94の清掃部材であるワイパークリーナ95側に押し付けるための清掃部材であるクリーナコロ96を含むクリーナ手段であるワイパークリーナ118が揺動可能に保持されている。
キャップホルダ112A、112B(区別しないときは「キャップホルダ112」という)には、それぞれ、2つの記録ヘッド34のノズル面をそれぞれキャッピングする2つのキャップ92aと92b、キャップ92cと92dを保持している。
また、これらのキャップホルダ112A、112Bの下方にはフレーム111に回転自在に支持したカム軸121を配置し、このカム軸121には、キャップホルダ112A、112Bを昇降させるためのキャップカム122A、122Bと、ワイパーブレード93を昇降させるためのワイパーカム124、キャリッジロック115をキャリッジロックアーム117を介して昇降させるためのキャリッジロックカム125と、空吐出受け94内で空吐出される液滴がかかる空吐出着弾部材である回転体としてのコロ126と、ワイパークリーナ118を揺動させるためのクリーナカム128をそれぞれ設けている。
キャリッジロック115は圧縮バネによって上方(ロック方向)に付勢されて、キャリッジロックカム125で駆動されるキャリッジロックアーム117を介して昇降させられる。
そして、チュービングポンプ120及びカム軸121を回転駆動するために、モータ131の回転をモータ軸131aに設けたモータギヤ132に、チュービングポンプ120のポンプ軸120aに設けたポンプギヤ133を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ133と一体の中間ギヤ134に中間ギヤ135を介して一方向クラッチ137付きの中間ギヤ136を噛み合わせ、この中間ギヤ136と同軸の中間ギヤ138に中間ギヤ139を介してカム軸121に固定したカムギヤ140を噛み合わせている。なお、クラッチ137付きの中間ギヤ136、138の回転軸である中間軸141はフレーム111にて回転可能に保持している。
また、カム軸121にはホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ用カム142を設け、このサブシステム91に設けたホームポジションセンサにてキャップ92が最下端に来たときにホームポジションレバーを作動させ、センサが開状態になってモータ131(ポンプ120以外)のホームポジションを検知する。なお、電源オン時には、キャップ92(キャップホルダ112)の位置に関係なく上下(昇降)し、移動開始までは位置検出を行わず、キャップ92のホーム位置(上昇途中)を検知した後に、定められた量を移動して最下端へ移動する。その後、キャリッジが左右に移動して位置検知後キャップ位置に戻り、記録ヘッド34がキャッピングされる。
符号142はホームポジションセンサ用カムを示す。
キャップ保持機構であるキャップホルダ112Aは、キャップ92a、キャップ92b(これらを併せて「キャップ92A」と称することがある)を昇降可能に保持するホルダ151と、ホルダ151の底面とキャップ92Aの底部との間に介装されてキャップ92Aを上方に付勢するスプリング152と、ホルダ151を前後方向(記録ヘッド34のノズルの並び方向)に移動可能に保持するスライダ153とを有している。
キャップ92Aは両端部に設けたガイドピン150aをホルダ151の図示を省略しているガイド溝に上下動可能に、底面に設けたガイド軸150bをホルダ151に上下動可能に挿通して、ホルダ151に対して上下動可能に装着している。キャップ92Aとキャップホルダ151との間に介装したスプリング152、152はキャップ92a、92bを上方向(キャッピング時にノズル面側に押圧する方向)に付勢している。
スライダ153は、前後端に設けたガイドピン154、155をフレーム111に形成したガイド溝156に摺動可能に嵌め合わせることで、スライダ153及びホルダ151及びキャップ92A全体が上下動できる構成としている。
そして、スライダ153の下面に設けたカムピン157をキャップカム122Aの図示しないカム溝に嵌め合わせて、モータ131の回転が伝達されるカム軸121の回転に同動するキャップカム122Aの回転によってスライダ153、ホルダ151及びキャップ92Aが上下動するようにしている。
更に、吸引用キャップ92aにはスライダ153及びホルダ151を挿通して、キャップ92aの短手方向に対してキャップ中央位置の下方からチューブ119を這い回して接続している。
なお、キャップ92c,92d(これらを併せて「キャップ92B」と称することがある)を保持するキャップホルダ112B及びこれを上下動させる構成も上記と同様であるので説明を省略する。ただし、キャップ92c、92dにはチューブ119は接続されない。このように、1つの駆動源であるモータ131を駆動することによって1つの軸であるカム軸121が回転し、このカム軸121の回転によってカム軸121に固定したカム122A,122Bが回転して、キャップ92A及びキャップ92Bが上下動する構成としている。
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、記録メディア上に本発明のインク記録用インクにより記録された画像を有してなる。
本発明に用いる記録メディアとは、本発明のインクが着弾し、画像が形成されうるものであれば特に制限はない。例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙などが挙げられる。上記に例示した用紙には、炭酸カルシウム、タルク、カオリンまたは硫酸アルミニウム(硫酸バンド)などが配合されており、本発明のインクジェット記録インクが同用紙に着弾した際に、多価金属イオン、具体的には、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどの2価または3価の金属イオンが溶出するものである。
前記のように、本発明はどんな紙でも使用できるが、特に普通紙が好ましい。ここで、「普通紙」とは、電子写真式複写機、簡易オフセット印刷機、プリンタ、或いは旧来のジアゾ複写機等々のハードコピー形成技術を用いたオフィスユース、ホームユース或いはパーソナルユース用画像形成装置内での通紙性、搬送性ある画像支持のための紙媒体全般を指す。普通紙は、Plain Paperの訳かとも思われるが、今日、Plain Paperの主流は、上質紙である。それ故、上質紙をPlain Paperと云うことも多く、これを用いた典型的な画像形成技術としての電子写真方式の画像媒体はPPC(Plain Paper Copy)の略称で親しまれている。
普通紙に含まれる填料やサイズ剤定着剤等の多くは難水溶性の金属塩である。また、水溶性の金属塩が含まれていても含有量が少ない。よって、水溶性の多価金属塩等を紙面上に加工した紙と比べると普通紙は多価金属イオンの溶出が少なく、従来技術では画像濃度向上効果が得られなかった。
本発明においては、上記加工した紙はもちろん、普通紙の様に多価金属イオンの溶出が少ない紙でも高画像濃度を実現することができる。普通紙の市販品としては、例えば、上質紙マイペーパー(株式会社リコー製)、Xerox4024(株式会社富士ゼロックス製)などが挙げられる。
上記紙から溶出してくるCaイオン量は、次の方法により算出したものである。
即ち、紙を2.5cm(±0.5cm)×3.5cm(±0.5cm)四方の紙片に裁断純水を0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック社製)でろ過して紙粉等の異物を除去した後、浸漬液に含まれるCaイオンをICP発光分光分析装置によって定量する。ここで得られたCaイオン濃度[ppm]に、高純水の重量である200gを掛け、更に浸漬させた紙の重量である16gで除して、紙から溶出してくるCaイオン量[g/g]を算出する。
例えば、MyPaper(株式会社リコー製)のCaイオン量は4.3×10−4[g/g]であり、Xerox4024(株式会社富士ゼロックス製)のCaイオン量は1.7×10−4[g/g]である。
初めに、共重合体(A)例、及び、これらを用いた顔料分散体例(A)について具体的に説明する。
[原料合成;アミノメチレンジホスホン酸の合成]
68.4部の亜リン酸、25部のホルムアミド、クロロベンゼン200部を反応容器に入れ、窒素置換しながら100℃で1時間撹拌した。その後、30℃まで冷却し、三塩化リン152.8部をゆっくり滴下投入した。その後、更に60℃で3時間撹拌した。冷却後、溶液を除き、残った高粘性残渣に水冷しながら水200部を加えて溶解させ、4時間加熱還流した。その後冷却すると目的物の結晶が析出した。これをろ取、乾燥し、目的物50.3部を得た。ESIによる質量分析ではm/z(+)191.75を示し、分子量計算値191.02+1と誤差範囲で一致した。
反応容器にアミノメチレンジホスホン酸47.8部を入れ、水酸化ナトリウム42.3部を含む水溶液500部を加えて撹拌溶解した。その後、0〜5℃に冷却し、メタクリル酸クロリド(東京化成社製)37.5部をゆっくり滴下した。滴下終了後さらに30分撹拌し、その後、濃塩酸37.8部を冷却しながら滴下した。反応液を塩化メチレンで4回抽出洗浄し、不溶物をろ過に除去した。残った水溶液を濃縮後、2500部のエタノール中に滴下し、結晶を析出させた。ろ取し、エタノールで洗浄後乾燥させて目的物のナトリウム塩69.3部を得た。
この物質1.51部をイオン交換水151部に溶解させ、チモールフタレイン(関東化学社製)を指示薬として0.1N KOHメタノール溶液で中和滴定し、酸価を求めたところ186mgKOH/gであった。この結果は、4つの酸性基が2個のナトリウム塩になっているとして計算した185mgKOH/gと同等であった。
反応容器にアミノメチレンジホスホン酸19.2部を入れ、次いでテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(東京化成社製、35%水溶液)179.8部をイオン交換水83.1部で溶解させた水溶液を投入し、撹拌しながら完全に溶解させた。次にフラスコを5℃に冷却しながらメタクリル酸クロリド(東京化成社製)13.5部をゆっくり滴下した。滴下終了後さらに30分撹拌し、その後、濃塩酸14.55部を冷却しながら滴下した。反応液を塩化メチレンで3回抽出洗浄し、残った水溶液を750部のアセトン中に滴下し、デカンテーションにより目的物を分離した。エバポレーターにより水を除去し、49.5部の目的物を得た。
この物質1.1部をイオン交換水110部に溶解させ、チモールフタレイン(関東化学社製)を指示薬として0.1N KOHメタノール溶液で中和滴定し、酸価を求めたところ108であった。この結果は、4つの酸性基が2個のテトラエチルアンモニウム塩になっているとして計算した108mgKOH/gと同等であった。
モノマー1−2の合成で、メタクリル酸クロリド13.5部を使用する代わりに、アクリル酸クロリド(東京化成社製)11.6部を使用し、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(東京化成社製、35%水溶液)179.8部とイオン交換水83.1部の代わりに、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(東京化成社製、40%水溶液)277.2部とイオン交換水33.7部を使用するほかは同様にして、目的物65部を得た。
[合成例1;ホスホン酸基の塩を含む共重合体ポリマー1の合成]
ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に、40部のベンジルアクリレートおよび20部のダイアセトンアクリルアミド(東京化成工業社製/以降DAAMと略記)を入れ、889部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた。そこへ、40部のモノマー1−2を166部のイオン交換水に溶解させた水溶液を加え、アルゴン雰囲気下にて、75℃に加熱した。そこへ、4.4部の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、東京化成社製)を50部のDMFに溶解させたDMF溶液を滴下漏斗で滴下した。75℃で6時間撹拌を続け、その後冷却し重合を停止した。
反応液中の不溶物を除去し、反応液をテトラヒドロフランとヘキサンの混合液(体積比40:100)で三回洗浄した。次いで、エバポレーターにより溶媒を除去したのち、60℃で真空乾燥し98部の樹脂を得た。
この樹脂1部をイオン交換水100部に溶解させ、チモールフタレインを指示薬として0.1NKOHメタノール溶液で滴定して酸価を求めたところ、42mgKOH/gであった。モノマー1−2の酸価から仕込み比通りに共重合されたとして計算される値43mgKOH/gと同等であった。
この酸価値をもとにテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて中和しながら10質量%の樹脂水溶液を作製した。この溶液の粘度を25℃で測定したところ2.4mPa・sであった。こうして得られた10質量%の樹脂水溶液を顔料分散体作製に使用した。
チモールフタレインの変色時にはホスホン酸の4個のOH基の内、3個が中和されることがわかっていることから、中和して得られた樹脂は、4個のOH基のうち、3個がテトラエチルアンモニウムイオンで中和されたものである。
表1に示されるように、一般式(11)のモノマー(1)の質量%、一般式(12)のモノマー(2)の質量%、一般式(13a)または(13b)のモノマー(3)の質量%及び一般式(15)のモノマー(5)の質量%をそれぞれ変え、表2に表される反応条件で合成した他は、合成例1と同様にして、ポリマー2〜29を合成した。
その際、モノマー(5)を併用する場合は、モノマー(2)とモノマー(3)と一緒のDMF溶液として添加した。また、分子量調節のために連鎖移動調整剤を加える場合は、東京化成社製のα―チオグリセロールを使用し、モノマー(2)とモノマー(3)のDMF溶液に一緒に溶解させて加えた。
得られたポリマー2〜29はそれぞれ、表1に示されるような塩組成(一般式(1)のM+)に中和し、そのまま顔料分散体作製に使用した。ポリマー2〜29それぞれの10質量%水溶液粘度を表1に示す。
BzA:ベンジルアクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート(東京化成社製)
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド(東京化成社製)
DAMAM:ダイアセトンメタクリルアミド
DMAM:N,N−ジメチルアクリルアミド(東京化成社製)
DMMAM:N,N−ジメチルメタクリルアミド
DEAM:N,N−ジエチルアクリルアミド
LaurylA:ドデシルアクリレート(東京化成社製)
StA:オクタデカニルアクリレート
StMA:オクタデカニルメタクリレート(東京化成社製)
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(東京化成社製)
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド(東京化成社製)
40部のベンジルアクリレートおよび20部のダイアセトンアクリルアミドを300部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)で溶解させた溶液Aと40部のモノマー1−1を250部のイオン交換水に溶解させた溶液Bと4.9部の2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを300部のDMFに溶解させた溶液Cを予め調製した。ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器をアルゴン雰囲気下で75℃に保ち、溶液A、溶液B、溶液Cの各溶液の1/12部を15分毎に加え、撹拌した。溶液添加を全て終了した後、さらに75℃で6時間反応させ、その後冷却し重合を停止した。
反応液中の不溶物を除去し、反応液をテトラヒドロフランとヘキサンの混合液(体積比50:50)で三回洗浄した。次いで、エバポレーターにより溶媒を除去したのち、60℃で真空乾燥し89部の樹脂を得た。
得られた樹脂は合成例1と同様に酸価測定し、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の代わりに水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和処理し、樹脂溶液とした。
表1及び表2のように組成と重合条件を変え、合成例30と同様にしてポリマー31を合成した。その際、モノマー(5)は、モノマー(2)とモノマー(3)と一緒のDMF溶液として添加した。
公知である特表2009−513802号公報記載の実施例5に従い、比較合成例1のポリマー32を合成した。
公知である特表2009−513802号公報記載の実施例1に従い、比較合成例2のポリマー33を合成した。
<比較合成例用モノマー1の合成>
フラスコにアレンドロン酸(東京化成工業社製)25部を入れ、次いでテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(東京化成工業社製、35%水溶液)179.8部とイオン交換水83.1部からなる水溶液を投入し、撹拌しながら完全に溶解させた。次にフラスコを5℃に冷却しながらメタクリル酸クロリド(東京化成工業社製)13.32部をゆっくり滴下した。滴下終了後さらに30分撹拌し、その後、濃塩酸14.53部を冷却しながら滴下した。反応液を塩化メチレンで3回抽出洗浄し、残った水溶液を800部のメタノール中に滴下し、目的物を析出させた。ろ過により55部の目的物モノマーであるテトラエチルアンモニウム 1−ヒドロキシ−4−メタクリルアミドブタン−1,1−ジイルビス(ヒドロゲンホスホネート)を得た。
ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に、アルゴン雰囲気下にて、450部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を入れ、75℃に加熱した。そこへ、75部の比較合成用モノマー1の水溶液558部とベンジルアクリレート75部のDMF溶液525部と2,2’−アゾビスイソブチロニトリル14部を溶解したDMF溶液464部をそれぞれ12回に分けて30分毎に加えた。
すべて加えた後にさらに4時間撹拌を続け、その後冷却し重合を停止した。
析出物をろ別し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して共重合体(ポリマー34)140部を得た。得られた樹脂は、ポリマー1の合成例と同様に酸価測定し、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて中和処理し、10質量%樹脂溶液として用いた。
ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に、アルゴン雰囲気下にて、182部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、関東化学社製)を入れ、75℃に加熱した。そこへ、30部の比較合成用モノマー1を193部の水に溶解させた水溶液223部とベンジルアクリレート(東京化成工業社製)24部とN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド(東京化成工業社製/以降DMAPAAと略記)6部を182部のDMFに溶解させたDMF溶液212部と2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(東京化成工業社製/以降AIBNと略記)5.4部を182部のDMFに溶解させたDMF溶液187.4部をそれぞれ12回に分けて30分毎に加えた。すべて加えた後にさらに75℃で4時間撹拌を続け、その後冷却し重合を停止した。その後、比較合成例3と同様に精製及び中和処理し、10質量%樹脂溶液にして用いた。
<比較合成例用モノマー2の合成>
フラスコにアレンドロン酸(東京化成工業社製)25部を入れ、次いで水酸化ナトリウム17.1部をイオン交換水200部で溶解させた水溶液を投入し、撹拌しながら完全に溶解させた。次にフラスコを5℃に冷却しながらメタクリル酸クロリド(東京化成工業社製)13.32部をゆっくり滴下した。滴下終了後さらに30分撹拌し、その後、濃塩酸14.53部を冷却しながら滴下した。反応液を塩化メチレンで3回抽出洗浄し、残った水溶液を800部のメタノール中に滴下し、目的物を析出させた。ろ過により35部の目的物モノマーであるソジウム 1−ヒドロキシ−4−メタクリルアミドブタン−1,1−ジイルビス(ヒドロゲンホスホネート)を得た。
ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に、アルゴン雰囲気下にて、193部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を入れ、75℃に加熱した。そこへ、30部の比較合成例用モノマー2を193部の水に溶解させた水溶液223部とベンジルアクリレート(東京化成工業社製)24部とトリメチル−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロリド(東京化成工業社製、TMMEAC)6部を182部のDMFに溶解させたDMF溶液212部と2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(東京化成工業社製)5.4部を182部のDMFに溶解させたDMF溶液187.4部をそれぞれ12回に分けて30分毎に加えた。すべて加えた後にさらに75℃で4時間撹拌を続け、その後冷却し重合を停止した。
その後、水酸化ナトリウムを用いて中和する以外は比較合成例3と同様に精製及び中和処理し、10質量%樹脂溶液にして用いた。
比較合成例5においてベンジルアクリレートの代わりにステアリルアクリレートをTMMEACの代わりにDMAPAAを用いる他は同様に重合及び精製及び中和処理し、10質量%樹脂溶液にして用いた。
公知である特開2014−114409号公報記載の実施例7に従い、比較合成例7のポリマー38を合成した。
[顔料分散体1の調製]
下記混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、顔料分散体1を得た。
・カーボンブラック(NIPEX 160、デグサ社製)・・・20.0質量部
・ポリマー1の10質量%水溶液・・・・・・・・・・・・・・50.0質量部
・純水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30.0質量部
顔料分散体調製例1と同様にして、表3に示す処方により顔料分散体2〜顔料分散体34を調製した。
なお、表3中、カーボンブラック以外の顔料は下記の製品を使用した。
・ピグメントブルー15:3 クロモファインブルーA−220JC、大日精化社製
・ピグメントレッド122 トナーマゼンタEO02、クラリアント社製
・ピグメントイエロー74 ファーストイエロー531、大日精化社製
ポリマー1の代わりに比較合成例で得られたポリマー32〜38を用いる他は同様にして顔料分散体35〜41を調製した。
次に、共重合体(B)例、及び、これらを用いた顔料分散体(B)例について具体的に説明する。
前記共重合体(A)の場合と同様に、モノマー(1)の合成原料であるアミノメチレンジホスホン酸を合成し、また、モノマー(1)の具体例として、同様に、「モノマー1−1:メタクリルアミドメチレンジホスホン酸二ナトリウム塩」、「モノマー1−2:メタクリルアミドメチレンジホスホン酸二テトラエチルアンモニウム塩」及び「モノマー1−3:アクリルアミドメチレンジホスホン酸二テトラ−n−ブチルアンモニウム塩」を合成した。
[合成例51;ホスホン酸基の塩を含む共重合体ポリマー51の合成]
ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に、50部のベンジルアクリレートおよび10部のN,N−ジメチルアミノメチレンアクリルアミド(東京化成工業社製/以降DMAMAAと略記)を入れ、950部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた。そこへ、40部のモノマー1−2を160部のイオン交換水に溶解させた水溶液を加え、アルゴン雰囲気下にて、75℃に加熱した。そこへ、4.6部の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、東京化成社製)を50部のDMFに溶解させたDMF溶液を滴下漏斗で滴下した。75℃で6時間撹拌を続け、その後冷却し重合を停止した。
反応液中の不溶物を除去し、反応液をテトラヒドロフランとヘキサンの混合液(体積比40:100)で三回洗浄した。次いで、エバポレーターにより溶媒を除去したのち、60℃で真空乾燥し97部の樹脂を得た。
この樹脂1部をイオン交換水100部に溶解させ、チモールフタレインを指示薬として0.1NKOHメタノール溶液で滴定して酸価を求めたところ、43mgKOH/gであった。モノマー1−2の酸価から仕込み比通りに共重合されたとして計算される値43mgKOH/gと同等であった。
この酸価値をもとにテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて中和しながら10質量%の樹脂水溶液を作製した。この溶液の粘度を25℃で測定したところ2.2mPa・sであった。こうして得られた10質量%の樹脂水溶液を顔料分散体作製に使用した。
チモールフタレインの変色時にはホスホン酸の4個のOH基の内、3個が中和されることがわかっていることから、中和して得られた樹脂は、4個のOH基のうち、3個がテトラエチルアンモニウムイオンで中和されたものである。
表4に示されるように、一般式(11)のモノマー(1)の質量%、一般式(12)のモノマー(2)の質量%、一般式(14)のモノマー(4)の質量%及び一般式(15)のモノマー(5)の質量%をそれぞれ変え、表5に表される反応条件で合成した他は、合成例51と同様にして、ポリマー52〜79を合成した。その際、モノマー(5)を併用する場合は、モノマー(2)とモノマー(4)と一緒のDMF溶液として添加した。また、分子量調節のために連鎖移動調整剤を加える場合は、東京化成社製のα―チオグリセロールを使用し、モノマー(2)とモノマー(3)のDMF溶液に一緒に溶解させて加えた。
得られたポリマー52〜79はそれぞれ、表4に示されるような塩組成(一般式(1)のM+)に中和し、そのまま顔料分散体作製に使用した。ポリマー52〜79それぞれの10質量%水溶液粘度を表4に示す。
BzA:ベンジルアクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート(東京化成社製)
DMAMAA:N−(ジメチルアミノメチル)アクリルアミド
DEAEAA:N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド
DMAPAA:N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド(東京化成社製)
DMAPMAA:N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド
MEAPAA:N−[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド
DPAPAA:N−[3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル]アクリルアミド
DMAEAA:N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド
LaurylA:ドデシルアクリレート(東京化成社製)
StA:オクタデカニルアクリレート
StMA:オクタデカニルメタクリレート(東京化成社製)
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(東京化成社製)
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド(東京化成社製)
表4中、TetraEtAはテトラエチルアンモニウムイオンをTetraBuAはテトラブチルアンモニウムイオンを表す。3TetraEtA、1H等はM+がTetraEtAイオンが3個、プロトンが1個を表す。
40部のベンジルアクリレートおよび20部のN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミドを300部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)で溶解させた溶液Aと40部のモノマー1−1を250部のイオン交換水に溶解させた溶液Bと5.1部の2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを300部のDMFに溶解させた溶液Cを予め調製した。ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器をアルゴン雰囲気下で75℃に保ち、溶液A、溶液B、溶液Cの各溶液の1/12部を15分毎に加え、撹拌した。溶液添加を全て終了した後、さらに75℃で6時間反応させ、その後冷却し重合を停止した。
反応液中の不溶物を除去し、反応液をテトラヒドロフランとヘキサンの混合液(体積比50:50)で三回洗浄した。次いで、エバポレーターにより溶媒を除去したのち、60℃で真空乾燥し90部の樹脂を得た。
得られた樹脂は合成例51と同様に酸価測定し、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の代わりに水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和処理し、樹脂溶液とした。
表4及び表5のように組成と重合条件を変え、合成例80と同様にしてポリマー81を合成した。その際、モノマー(5)は、モノマー(2)とモノマー(4)と一緒のDMF溶液として添加した。
前記比較合成例1によるポリマー32と同様にして、該ポリマー32に相当する比較合成例11のポリマー82を合成した。
前記比較合成例2によるポリマー33と同様にして、該ポリマー33に相当する比較合成例12のポリマー83を合成した。
前記比較合成例3によるポリマー34と同様にして、該ポリマー34に相当する比較合成例13のポリマー84を合成した。
前記比較合成例4によるポリマー35と同様にして、該ポリマー35に相当する比較合成例14のポリマー85を合成した。
前記比較合成例5によるポリマー36と同様にして、該ポリマー36に相当する比較合成例15のポリマー86を合成した。
前記比較合成例6によるポリマー37と同様にして、該ポリマー37に相当する比較合成例16のポリマー87を合成した。
前記比較合成例7によるポリマー38と同様にして、該ポリマー38に相当する比較合成例17のポリマー88を合成した。
[顔料分散体51の調製]
下記混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、顔料分散体51を得た。
・カーボンブラック(NIPEX 160、デグサ社製)・・20.0質量部
・ポリマー51の10質量%水溶液・・・・・・・・・・・・50.0質量部
・純水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30.0質量部
顔料分散体調製例1と同様にして、表6に示す処方により顔料分散体52〜顔料分散体84を調製した。
なお、表6中、カーボンブラック以外の顔料は下記の製品を使用した。
・ピグメントブルー15:3 クロモファインブルーA−220JC、大日精化社製
・ピグメントレッド122 トナーマゼンタEO02、クラリアント社製
・ピグメントイエロー74 ファーストイエロー531、大日精化社製
ポリマー51の代わりに比較合成例11〜17でそれぞれ得られたポリマー82〜88を用いる他は同様にして顔料分散体85〜91を調製した。
[実施例1]
下記材料を混合し、1.5時間攪拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、インクを得た。
・顔料分散体1(顔料固形分20質量%)・・・・・・・・・・・40.0質量部
・1,3−ブタンジオール(水溶性有機溶剤)・・・・・・・・・20.0質量部
・グリセリン(水溶性有機溶剤)・・・・・・・・・・・・・・・10.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(水溶性有機溶剤)・・・1.0質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・・・・1.0質量部
(水溶性有機溶剤)
・フッ素系界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0質量部
(固形分100%、ダイキン工業製、ユニダインDSN−403N)
・蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.0質量部
実施例1と同様の調製方法を用いて、表7に示す処方により実施例2〜38のインクを調製した。
実施例1と同様の調製方法を用いて、表7に示す処方により比較例1のインクを調製した。すなわち、この例においては、比較合成例1によるポリマー32を用いた顔料分散体35が使用された。
顔料分散体35の代わりに顔料分散体36〜41を使用する他は比較例1と同様にしてインクを調製した。
次に、以下に示す評価方法にて、実施例1〜38、比較例1〜7の各インクジェット用インクを評価した。結果を下記表8に示す。
23℃、50%RH環境下で、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GX5000)に作製したインクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作製した64point文字JIS X 0208(1997),2223の一般記号の記載のあるチャートを、普通紙1(XEROX4200、XEROX社製)、及び普通紙2(MyPaper、株式会社リコー製)に打ち出し、印字面のJIS X 0208(1997),2223の一般記号部をX−Rite938(エックスライト社製)にて測色し、下記評価基準により判定した。
なお、印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」に改変したモードを使用した。
(ブラック)
A:1.25以上。
B:1.20以上1.25未満。
C:1.10以上1.20未満。
D:1.10未満。
E:顔料がゲル化してインク中に分散できず、印字できない。
A:0.80以上。
B:0.75以上0.80未満。
C:0.70以上0.75未満。
D:0.70未満。
E:顔料がゲル化してインク中に分散できず、印字できない。
A:0.95以上。
B:0.85以上0.95未満。
C:0.75以上0.85未満。
D:0.75未満。
E:顔料がゲル化してインク中に分散できず、印字できない。
A:1.05以上。
B:0.95以上1.05未満。
C:0.85以上0.95未満。
D:0.85未満。
E:顔料がゲル化してインク中に分散できず、印字できない。
(C以上が、実用可能である。)
各顔料分散体をポリエチレン容器に入れ、密封し、70℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記基準により評価した。
粘度の変化率(%)=(保存後の顔料分散体の粘度/保存前の顔料分散体の粘度)×100
前記粘度の測定には、粘度計(RE500L、東機産業株式会社製)を使用し、サンプルの粘度に合わせて50回転もしくは100回転に調整して測定し、下記の基準をもとに評価した。
[評価基準]
A:粘度の変化率が±5%以内。
B:粘度の変化率が±5%を超え±8%以内。
C:粘度の変化率が±8%を超え±10%以内。
D:粘度の変化率が±10%を超え±30%以内。
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)。
(C以上が、実用可能である。)
各インクをインクカートリッジに充填して60℃で1週間保存、および70℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記基準により評価した。
粘度の変化率(%)=(保存後のインクの粘度/保存前のインクの粘度)×100
前記粘度の測定には、粘度計(RE500L、東機産業株式会社製)を使用し、サンプルの粘度に合わせて50回転もしくは100回転に調整して測定し、下記の基準をもとに評価した。
A:粘度の変化率が±5%以内。
B:粘度の変化率が±5%を超え±8%以内。
C:粘度の変化率が±8%を超え±10%以内。
D:粘度の変化率が±10%を超え±30%以内。
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)。
(C以上が、実用可能である。)
インクジェットプリンターに実施例1〜30及び比較例1〜2の各インクを充填して、HL環境(32±0.5℃、15±5%RH)で3時間放置した後、ノズルチェックパターンを印字し、ドット抜けや飛行曲がりといった吐出不良がないことを確認した。そして、さらにそのままの状態でさらに、6日間放置した。放置終了後、坪量が69.6g/m2、サイズ度が23.2秒、透気度が21.0秒の上質紙マイペーパー(リコー社製)にベタ印字部付きノズルチェックパターンを1枚印字し、ドット抜けや飛行曲がりの有無を確認した。ノズルチェックパターンにインクのドット抜けや飛行曲がりが見られた際には、正常印刷への復帰動作としてプリンターノズルのクリーニングを行い、その合計回数を評価した。得られた合計回数から各インクの吐出回復性を下記評価基準により評価した。
A:クリーニング0回。
B:クリーニング1回。
C:クリーニング2回。
D:クリーニング3回以上5回未満。
E:クリーニング5回以上。
(C以上が、実用可能である。)
実施例の中でも、一般式(1)のM+がテトラアルキルアンモニウム塩である場合、一般式(1)の含有率が20〜60質量%の場合、更には一般式(1)の含有率が30〜50質量%の場合、粘度が規定値内の場合にはBランク以上が多くなり、全体としての品質が向上する。
また、構成単位(5)を更に含有する場合は、画像濃度が一段と高く、保存安定性や吐出回復性も優れている。
[実施例51]
下記材料を混合し、1.5時間攪拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、インクを得た。
・顔料分散体51(顔料固形分20質量%)・・・・・・・・・・40.0質量部
・1,3−ブタンジオール(水溶性有機溶剤)・・・・・・・・・20.0質量部
・グリセリン(水溶性有機溶剤)・・・・・・・・・・・・・・・10.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(水溶性有機溶剤)・・・1.0質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・・・・1.0質量部
(水溶性有機溶剤)
・フッ素系界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0質量部
(固形分40質量%、DuPont社製、ゾニール FS−300)
・蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26.0質量部
実施例51と同様の調製方法を用いて、表9に示す処方により実施例52〜88のインクを調製した。
ユニダインDSN−403Nは、ダイキン工業製の固形分100%品を使用した。
実施例51と同様の調製方法を用いて、表9に示す処方により比較例11のインクを調製した。すなわち、この例においては、比較合成例11によるポリマー82を用いた顔料分散体85が使用された。
顔料分散体85の代わりに顔料分散体86〜91を使用する他は比較例11と同様にしてインクを調製した。
次に、前記インク(A)における前記評価方法、前記評価基準と同じ評価方法、評価基準にて、実施例51〜88、比較例11〜17の各インク(B)を評価した。結果を下記表10に示す。
したがって、表10中の「保存性インク1」、「保存性インク2」は、前記インク(A)の評価結果を示す前記表8中の「保存性インク1」、「保存性インク2」と同じ意味を有する。
実施例の中でも、一般式(1)のM+がテトラアルキルアンモニウム塩である場合、一般式(1)の含有率が20〜60質量%の場合、更には一般式(1)の含有率が30〜50質量%の場合、粘度が規定値内の場合にはBランク以上が多くなり、全体としての品質が向上する。
また、構成単位(5)を更に含有する場合は、画像濃度が一段と高く、保存安定性や吐出回復性も優れている。
一方で、本発明の構成をとらないものは、インクの保存性、および吐出回復性に劣る(比較例11〜17)。画像濃度には著しい品質低下が見られないものであっても、インクの長期保存および吐出回復性は実施可能なレベルではない。
以上の結果は、本発明の構成をもつインク(B)が一般的な普通紙においても高い画像濃度が得られ、インクの保存安定性、吐出回復性が優れるものであることを示す。
2 給紙トレイ
3 排紙トレイ
4 前面
5 上面
6 カートリッジ装填部
7 操作部
8 前カバー
10 インクカートリッジ
21 フレーム
21A 側板
21B 側板
21C 後板
22 フレキシブルケーブル
23 供給ポンプユニット
25 本体側ホルダ
26 固定リブ
31 ガイドロッド
32 ステー
33 キャリッジ
34 記録ヘッド
35 サブタンク
36 インク供給チューブ
37 インク供給チューブ
41 用紙積載部(底板)
42 用紙
43 半月コロ(給紙コロ)
44 分離パッド
45 ガイド
51 搬送ベルト
52 カウンタローラ
53 搬送ガイド
54 押さえ部材
55 先端加圧コロ
56 帯電ローラ
57 搬送ローラ
58 テンションローラ
61 ガイド部材
71 分離爪
72 排紙ローラ
73 排紙コロ
81 両面給紙ユニット
82 手差し給紙部
91 サブシステム
92 キャップ
92a キャップ
92b キャップ
92c キャップ
92d キャップ
93 ワイパーブレード
94 空吐出受け
95 ワイパークリーナ
96 クリーナコロ
98 空吐出受け
99 開口
111 維持装置フレーム
112A キャップホルダ
112B キャップホルダ
115 キャリッジロック
117 キャリッジロックアーム
118 ワイパークリーナ
119 可撓性チューブ
120 チュービングポンプ(吸引ポンプ)
120a ポンプ軸
121 カム軸
122A キャップカム
122B キャップカム
124 ワイパーカム
125 キャリッジロックカム
126 コロ
128 クリーナカム
131 モータ
131a モータ軸
132 モータギヤ
133 ポンプギヤ
134 中間ギヤ
135 中間ギヤ
136 中間ギヤ
137 クラッチ
138 中間ギヤ
139 中間ギヤ
140 カムギヤ
141 中間軸
142 ホームポジションセンサ用カム
150a ガイドピン
150b ガイド軸
151 ホルダ
152 スプリング
153 スライダ
154 ガイドピン
155 ガイドピン
156 ガイド溝
157 カムピン
Claims (14)
- 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、およびホスホン酸基を有する重合体を含むインクジェット記録用インクであって、前記重合体は、ジホスホン酸基を有する共重合体であり、該ジホスホン酸基の少なくとも一部がアルカリ金属塩または有機アンモニウム塩であり、かつ前記重合体は一般式(1)で表される構造単位(1)と一般式(2)で表される構造単位(2)と、一般式(3a)または一般式(3b)で表される構造単位(3)を含むものであることを特徴とするインク。
- 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、およびホスホン酸基を有する重合体を含むインクジェット記録用インクであって、前記重合体は、ジホスホン酸基を有する共重合体であり、該ジホスホン酸基の少なくとも一部がアルカリ金属塩または有機アンモニウム塩であり、かつ前記重合体は一般式(1)で表される構造単位(1)と一般式(2)で表される構造単位(2)と、一般式(4)で表される構造単位(4)とを含むものであることを特徴とするインク。
- 前記重合体は、ジホスホン酸基を有する共重合体であり、該ジホスホン酸基の少なくとも一部がテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載のインク。
- 前記重合体における構造単位(1)の含有率が20質量%〜60質量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載のインク。
- 前記重合体における構造単位(1)の含有率が30質量%〜50質量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1に記載のインク。
- 前記重合体の水溶液粘度(濃度10質量%、25℃)が1.5〜4.0mPa・sであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1に記載のインク。
- 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、およびホスホン酸基を有する重合体を含むインクジェット記録用インクであって、前記重合体は、ジホスホン酸基を有する共重合体であり、該ジホスホン酸基の少なくとも一部がアルカリ金属塩または有機アンモニウム塩であり、かつ前記重合体は一般式(11)で表されるモノマー(1)と一般式(12)で表されるモノマー(2)と、一般式(13a)または一般式(13b)で表されるモノマー(3)とを少なくとも含む重合性材料のラジカル重合により合成されたものであることを特徴とするインク。
- 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、およびホスホン酸基を有する重合体を含むインクジェット記録用インクであって、前記重合体は、ジホスホン酸基を有する共重合体であり、該ジホスホン酸基の少なくとも一部がアルカリ金属塩または有機アンモニウム塩であり、かつ前記重合体は一般式(11)で表されるモノマー(1)と一般式(12)で表されるモノマー(2)と、一般式(14)で表されるモノマー(4)とを少なくとも含む重合性材料のラジカル重合により合成されたものであることを特徴とするインク。
- 前記一般式(11)で表されるモノマー(1)において、該ジホスホン酸基の少なくとも一部がテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1に記載のインク。
- 請求項1乃至請求項11のいずれか1に記載のインクを容器に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1乃至請求項11のいずれか1に記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 記録メディア上に、請求項1乃至請求項11のいずれか1に記載のインクにより記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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