JP6463155B2 - 回転電機 - Google Patents

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本発明は小形の電動機や発電機等として用いられる回転電機に関する。
出力1kW以下程度の小形から中形の電動機や発電機である回転電機は、市場より軽薄短小化が強く要求されている。また最近は地球温暖化対策として、電動機においては省エネルギー化や高効率化が要求されている。さらに発電機についてはエネルギー源である原子力に代わって自然エネルギーを用いた小規模家庭用発電機の要求も増加してきている。そして電動機においても発電機においても安価であることも強く要求されている。
このように製造コストを抑制して安価であることを実現するためには、回転電機自体の構造及び巻き線が簡素化されることが要求される。また回転電機は固定子と回転子の間のエアギャップを軸方向に配置したラジアルギャップ式回転電機とエアギャップを径方向に配置したアキシャルギャップ式回転電機とに大別されるが、ラジアルギャップ式はエアギャプが小さく出来ることに加え、固定子と回転子のエアギャップ対向面積を軸方向で増加させることが容易なため、汎用機として広く使用されている。
このような従来の回転電機において高トルク化を実現するために種々の手段が知られているが、関係する高トルク化を図るために巻き線及びエアギャップの対向面積の増加で行う手段として下記の文献に記載された手段がある。しかし、このようなラジアルエアギャップ式回転電機であっても更なる高トルク化、高効率化が上述の如く求められている。
特開2011−217454号公報 特開2013−1150543号公報
平成16年電気学会産業応用大会「超集中巻き2相HB型ステッピングモータ」 坂本正文
従来の一般的なラジアルギャップ式の回転電機で回転子に永久磁石を用いるブラシレスDCモータ(以下BLDCモータ)や同期発電機、あるいは回転子に永久磁石を用いないで磁性体の歯を有したスイッチドレラクタンスモータ(以下SRモータ)の場合の技術は、固定子鉄心を珪素鋼鈑で積層して構成することが知られている。また、製造コストの抑制と高効率化を重視する場合は巻き線に集中巻き方式を採用する。その理由は分布巻き方式では分布巻き係数の存在により、その分トルクが減少することに加え、トルク発生に寄与しないコイルエンド部が大きくなることにより銅損が増大し、効率が低下するためである。更に分布巻きでは巻き線や配線が集中巻きに比べて複雑となるという問題がある。
また、ラジアルギャップ式の回転電機の高効率化を追求したものとして固定子と回転子のエアギャップ部の対向面積を立体エアギャップとして増大する構造を採用した技術が上記の特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載された回転電機は回転軸方向にエアギャップが直線的展開するように固定子と回転子のエアギャップ対向部を平面的に対向させず、固定子と回転子のエアギャップ対向部の周方向に設けられた凹凸がかみ合うようにして、回転電機を構成している。このようなエアギャップ構造を立体ギャップと呼ぶことにする。このような立体エアギャップの採用により実質的なエアギャップの対向面積が増大するので、回転電機の高効率化、高トルク化を図ることが可能となる。
しかし、この立体ギャップを採用した回転電機はエアギャップが直線的でないので、固定子と回転子を別々に完成させて固定子に回転子を軸方向に挿入して組み立てることはできないものである。そのため固定子鉄心の鉄損の減少をも考慮して珪素鋼鈑による積層分割鉄心としている。しかしこの立体ギャップ方式では非特許文献1でも述べているように、立体ギャップ部のスラスト方向部を構成する珪素鋼鈑が磁気吸引力で変形してはがれや反りが発生する。この防止策として溶接を施してこれを防止するのであるが、立体ギャップ部に直接溶接をすると、鉄の溶塊部に渦流損が発生する。また立体ギャップ部に鉄の溶塊部が存在すると固定子と回転子の接触の危険性も推定されて好ましくない。そこで非特許文献1に記載されているように凹凸部を有する別のステータ38を設けて2重ステータとして、このステータ38の反エアギャップ側のW部で珪素鋼鈑を溶接している。このように非特許文献1に記載された分割鉄心固定子の立体ギャップ構造では、回転電機の組み立てに時間を要し加工費が増大して回転電機の製造コストが増加してしまう。このように非特許文献1に記載された分割鉄心固定子の立体ギャップ構造では回転電機の組み立てに時間を要し加工費が増大して回転電機の製造コストが増加してしまうという課題があった。
また、アキシャルギャップ式の立体エアギャップ回転電機の従来技術としては本発明者らの発明であるが、上記の特許文献2がある。組み立ては特許文献1に記載された回転電機の欠点を完全に解消して、固定子と回転子を別々に完成させて軸方向に寄せて組み立てができる画期的発明である。また巻き線は従来のアキシャルギャップ式回転電機の集中巻き方式を採用しているので分布巻きよりは製造コストを抑制できるため安価である。しかし更なる高トルク化を目指すにはまだ改良の余地を残すという課題もあった。
そこで、本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、巻き線や配線を簡素化することで更なる高トルク化を図ると共に製造コストの抑制を図ることができる回転電機を提供することを目的とする。
本発明に係る回転電機は、固定子と、前記固定子に対して軸方向にエアギャップを介して回転自在に配置された回転子とを備えたアキシャルギャップ式の回転電機において、前記固定子は、巻き線軸が回転軸と平行に形成された単相コイルが回転軸心と同心的に設けられたコイルと、前記コイルの前記エアギャップ側に配置されると共に、前記回転軸に沿って突出する歯部を備えると共に、前記回転軸を中心に放射状に配置されたクローポール部を備え、前記クローポール部は、前記コイルを収納するヨークの外周ヨークと磁気結合される外周クローポール部と、前記外周クローポール部と隣り合って配置されると共に前記ヨークの内心ヨークと磁気結合される内心クローポール部とを構成し、前記内心クローポール部と前記外周クローポール部とは、前記エアギャップの反対側で磁気結合されており、前記クローポール部に形成された前記歯部は、同心円弧的で回転軸方向に突出する複数の歯を構成し、前記回転子は、軸方向に沿った凹部が形成された磁性体の磁極部が周方向に偶数個配置されると共に、永久磁石によって交互に異極性に磁化されて分布配置され、前記凹部によって前記複数の歯に対応するように同心円弧状歯溝部を構成し、前記同心円弧状歯が同心円弧状歯溝部に入り、所謂立体エアギャップでかみ合うように回転自在に対向しており、前記固定子に設けられた前記クローポール部は軸方向断面において、外周側に向かって反エアギャップ側の肉厚が薄くなることを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機において、前記コイルは単相コイル巻き線用ボビンを備え、前記単相コイル巻き線用ボビンは、前記回転子側の外周面に前記クローポール部を取り付ける羽根部を設けると好適である。
また、本発明に係る回転電機において、少なくとも前記クローポール部と前記巻き線用ボビンとを樹脂モールド成形後、前記巻き線を施すと好適である。
また、本発明に係る回転電機において、前記回転電機の固定子を同心的に2個、互いに背中合わせに配置して前記固定子の前記エアギャップの反対側を結合し、前記エアギャップ側には各々前記回転子を対向配置すると好適である。
また、本発明に係る回転電機において、前記回転電機を3個、その軸を共通または結合して配置すると共に、前記固定子または前記回転子の位相をお互いに電気角で120度ずらして設けると好適である。
また、本発明に係る回転電機において、前記固定子又は前記回転子に永久磁石を用いないこととすることができる。
また、本発明に係る回転電機において、前記クローポール部及び前記磁極部の少なくともいずれか一方は、圧粉鉄心又は焼結鉄心であると好適である。
本発明に係る回転電機は、巻き線の巻き線軸が回転軸と平行に形成された単相の環状コイルであるため、ボビン巻きが可能となり、巻き線や電工作業が飛躍的に短縮されて製造コストの抑制を図ることができる。またボビンにクローポール部のガイドとなる羽根を設ければクローポール部の位置決め精度の向上や組み立ての容易化が実現する。
また、本発明に係る回転電機は、巻き線が環状コイルであるため、超集中巻き効果に加えて巻き線占績率の向上による銅量増加で、高トルク化に有利な構成となる。発電機として用いた場合も高出力化に有利となる。更に本発明のクローポール肉厚を半径外周方向に肉薄とすれば、クローポール部自身の磁気飽和回避対策となり、ボビンも口広となりコイルが巻き易すい構造となる。
また、本発明に係る回転電機は、1個の環状コイルによる単相発電機とすれば、立体エアギャップによる鎖交磁束の増加効果も加わり、安価で高出力な発電機を構成することが可能となり、自転車等のハブダイナモ化にも適したものとなる。
また、本発明に係る回転電機は、少なくとも前記クローポール部と前記巻き線用ボビンとを樹脂モールド成形後、前記巻き線を施しているので、組み立てが容易となる。また、クローポール部を圧粉鉄心で構成した場合は合成樹脂でクローポール部の外周を包むため、圧粉の割れや欠け等のトラブルもなくなり、機械的強度も強化される。
また、本発明に係る回転電機は、固定子歯と回転子歯間のエアギャップ対向部がアキシャル立体ギャップ対向のため、組み立てが容易で且つ対向面積が増大しエアギャップ部パーミアンスの大きな高効率の回転電機を安価で実現することが可能となる。
また、本発明に係る回転電機は、単相の環状コイル式回転電機をモジュールとして、回転軸方向に位相を考慮して、2個連結すれば2相式、3個連結すれば3相式の環状コイル式クローポール型立体エアギャップの回転電機を実現することができる。
また、本発明に係る回転電機は、クローポール部及び磁極部の少なくともいずれか一方に圧粉鉄心や焼結鉄心を採用すれば鉄心の製作が容易となり、且つ渦電流損が零に近く、特に高速時の鉄損が少なく安価で高効率な回転電機を構成することができる。
また、本発明に係る回転電機は、2相式、3相式回転電機で永久磁石を用いない構成にすれば、レラクタンストルクによるステッピングモータやSRモータの高トルク化が可能となる。
また、本発明に係る回転電機は、クローポール部及び磁極部の少なくともいずれか一方に圧粉鉄心を採用すれば、鉄心が珪素鋼鈑の積層方式で構成されないので、従来の様な積層式の溶接が不要であり、軸方向の磁気吸引力による珪素鋼鈑のはがれや反りが発生しない。従って安価で信頼性の高い回転電機が得られる。
本発明の実施形態を示す回転電機の軸を含んだ断面図。 図1のA方向矢視図。 本実施形態に係る回転電機に用いられる固定子ヨークの立体図。 本実施形態に係る回転電機に用いられるボビンの立体図。 本実施形態に係る回転電機の固定子用クローポールの立体図。 本実施形態に係る回転電機の回転子用磁極の立体図。 本実施形態に係る回転電機を2相式回転電機として構成した変形例の軸を含んだ断面図。 本実施形態に係る回転電機を3相式回転電機として構成した変形例の軸を含んだ断面図。 従来技術の軸を含んだ断面図。 図9のB−B断面図。
以下図面を参照して本実施形態に係る回転電機について説明する。
図1は本実施形態に係る回転電機の構成の一例を示したものであり、回転軸心を含んだ断面図である。図2は図1の固定子を回転軸心方向から見た図であり、図1のA矢視図である。図3は固定子ヨーク2を示す外観図である。図4は巻き線用ボビン3を示す外観図であり、図5はクローポール1の外観図である。
クローポール1は、所謂固定子クローポールであるが以下単にクローポールと記す。図5に示すように、クローポール1は、同心円状に円弧状の歯が複数設けてあり、その肉厚は、外周方向に向かって漸次肉薄となるように形成されている。このクローポール1は、図2に示すように、16個のクローポール1が均等に円周方向に分布配置されてクローポール部を構成している。そしてクローポール部は、内心クローポール部1aと該内心クローポール部1aと1個おきに隣接する8個の外周クローポール部1bとによって構成されている。
図1〜図5を参照して本実施形態に係る回転電機の固定子の構成を説明する。図3に示すように、固定子ヨーク2は、有底筒状に形成されており、底部から突出する外周ヨーク22によって外周壁を構成し、外周ヨーク22の上端には所定の間隔で形成された凹部の溝21が形成されている。本実施形態に係る回転電機は、凹部の溝21は、それぞれ8個設けてある。
さらに、固定子ヨーク2の底部の中心部には、外周ヨーク22と平行に突出する内心ヨーク23が形成されており、図1及び2に示すように該内心ヨーク23の一端には固定子ブッッシュ5が密着して組み付けられる。固定子ブッシュ5にはその外周部に凸部51と凹部52が交互に8個ずつ設けてある。
内心クローポール部1aは、固定子ヨーク2の凹部の溝で接触しないでエアギャップとなると共に、凸部51と接触密着しており、外周クローポール部1bは、固定子ヨーク2と外周ヨーク22で接触密着すると共に、固定子ブッシュ5と接触しないで凹部52においてエアギャップとなるように配置されている。なお、内心クローポール部1aと外周クローポール部1bとは、固定子ヨーク2を介してエアギャップの反対側で磁気結合されている。
更に内心クローポール部1aと外周クローポール部1bを位置決め案内して固定も容易にするために、図4に示すように、巻き線用ボビン3の片側鍔部31には羽根部34が回転軸方向に立設すると共に、放射状に複数形成されている。図2に示すように、この羽根34の間に内心クローポール部1a及び外周クローポール部1bを収納固定し、図1に示すように鍔部31は回転子側に組み立てられて固定子を構成している。なお、逆側の鍔部32は非エアギャップ側である非回転子側に配置されることになる。
鍔部31及び32は回転軸方向に延びるコイル芯部33によって連結されており、コイル芯部33には巻き線4が巻かれる。巻き線4は、集中巻きで巻回されており、この集中巻きによって高トルク化に有利であると共に、巻き線がシンプルとなることでスロットへの直接巻き込も可能となり、巻き線が安価となる。そしてこの集中巻きのメリットを最大限に発揮できるコイル方式が1相分を1つの環状コイルで構成する環状コイル方式である。本実施形態に係る回転電機はこの環状コイルを採用し、巻き線の安価と高トルクを図っている。なお、巻き線4にはリード線12が接続されており、固定子ヨーク2の凹部の溝21から取り出すこともできる。そして固定子ブッシュ5には軸受け6が、また固定子ヨーク2の中心部には軸受け7が、それぞれ設けられて、回転軸8を回転自在に保持している。
図4のボビン3は樹脂モールドで完成させて、その後に巻き線を施し、次に内心クローポール部1a及び外周クローポール部1bを羽根部34で仕切られた部分に格納する想定で前述の説明をした。これに対して、内心クローポール部1a及び外周クローポール部1bを所定の位置に放射状に配置して、また必要により、固定子ブッシュ5も含めて、図4のボビン3を同時に成形したクローポールとボビンの複合体を作り、その後に巻き線をすれば、組み立てが容易で精度も向上する。またクローポールを圧粉鉄心で構成する場合、圧粉鉄心の機械強度の増強効果も得られるものである。この場合、回転子と対向する固定子の形状は図2と同様の形状となる。
図6は回転子の磁極部9の外観図であり、クローポール1等と同様に多数の歯が同心円弧状に設けてある。但しその肉厚はクローポール1等の様に外周方向に肉薄にならずに、均一である点が異なる。図1及び図9により回転子の構成を説明する。回転子の軸方向から見た図は省略するが、回転子の磁極部9は均等に16個が円周方向に配置されて、内心クローポール部1a及び外周クローポール部1bとエアギャップを介して歯と溝が立体エアギャップ状にかみ合い回転自在に対向する。16個の回転子の磁極部9は交互に異極性になるように、永久磁石10が16個設けられて、回転子の磁極部9の歯部と反対側で密着磁化している。永久磁石10には回転子ヨーク11が密着して、その中心部は軸8と固着されて、回転子を構成する。尚、永久磁石は16個の回転子の磁極部9の周方向にできる隙間部に放射状に配置した所謂スポーク磁石方式を採用しても構わない。この場合の永久磁石は周方向にお互いに異極性に磁化することになる。
図7は図1の構成の単相回転電機を2個用いて2相式環状コイル式クローポール型立体エアギャップの回転電機を構成したものである。この場合は単相回転電機の固定子を2個、お互いに背中合わせに固着させている。そしてそれらの両側にエアギャップを介して、単相回転電機の回転子を1相側と2相側で固定子と回転子の磁極部9が電気角で90°となるように配置すればよい。但し単相交流発電機として用いる場合は2個同位相としても構わない。この場合、コギングトルクは増加するが出力は2倍得られる。
図7の各符号は図1と回転軸以外は同じとしてある。図7の回転軸13は図1に示した回転電機に比べて2相分にまたがるように適宜長くすることになる。更に図示は省略するが、図7で示した永久磁石10を使用しない可変磁気抵抗型のVR型ステッピングモータやSRモータとしての回転電機を構成することも可能である。この場合、永久磁石10を用いない分、製造コストを抑制することができ、安価となる。また、トルクは永久磁石を用いた場合の仮に40%程度減少してしまうが、立体エアギャップによる高効率化の効果でこの程度のトルクダウンは挽回できるし、更にエアギャップを小さめにして、回転数を高めに設定すれば、電動機としての出力はそれほど低下せずに、コストパフォーマンスで考えれば、十分に成り立つ構成である。
図8は単相回転電機をモジュールとして3個同一方向に配列して3相式環状コイル式クローポール型立体エアギャップ回転電機を構成したものである。この場合は従来の3相機に比べて、巻き線がシンプルでありながら高トルク化が期待できる。その構成は3個の固定子をハウジング14で連結固定して、3個の固定子と回転子の磁極部9の位相はお互いに電気角で120度相違する様に配置すればよい。但し単相交流発電機とする場合は3個同位相でもよいがこの場合もコギングトルクは増加するが、出力は3倍得られる。図8の各符号は図1と回転軸以外は同じとしてある。図8の回転軸15は図1に示した回転電機に比べて3相分にまたがるように適宜長くすることになる。図8に示した回転電機の場合でも永久磁石10を使用しない可変磁気抵抗型のVR型ステッピングモータやSRモータを構成することも可能である。このように構成した場合、永久磁石10を用いない分安価となるので、トルクが永久磁石を用いた場合の仮に40%程度減少しても、立体エアギャップ効果でこの程度のトルクダウンは挽回できるし、更にエアギャップを小さめにして、回転数を高めに設定すれば、モータとしての出力はそれほど低下せずに、コストパフォーマンスで考えれば、十分に成り立つ構成である。
BLDCモータは永久磁石を使用しているので界磁磁束用の電気入力が不要となるため、効率の高い回転電機となる。しかし近年永久磁石の内の高磁気エネルギーを有した希土類磁石のネオジム磁石等の価格が高騰しているため、BLDCモータでは磁石使用量を少なくして高効率にする必要がある。その解決策としての本発明は環状コイルと立体アキシャルギャップの相乗効果により、極めて有効なものといえる。
なお、クローポール1や磁極部9は、圧粉鉄心又は焼結鉄心によって形成されている。圧粉鉄心とは、軟磁性鉄粉に少量の樹脂を潤滑剤あるいはバインダー目的でミキシングし鉄粉間の電気的絶縁を増大させて渦電流の減少を図り、圧縮成形後焼結させたものである。圧粉鉄心を回転電機に使用する場合、珪素鋼鈑積層式が2次元の単純形状であるのに対して、3次元の複雑形状が可能で、更に鉄損の一部の渦電流損が少ない特長がある。アキシャルギャップ式回転電機は、珪素鋼鈑積層で磁極部等を構成すると、その磁気回路がアキシャル方向となることから適していない。即ち珪素鋼板の積層方向には磁束が通過困難であるためである。これに反して、圧粉鉄心や焼結鉄心は複雑な形状が製作でき、磁束の方向性はない。このため本実施形態に係る回転電機に用いられるクローポール1や磁極部9を構成するためには適した鉄心の製作方法といえる。
図9は従来技術の軸を含んだ断面図、図10は図9の断面B方向矢視図であり、前述した特許文献2の技術である。図1と同じ部品は同じ番号を付してあるので説明は省略する。固定子20は、6個の磁極が軸方向に突き出ており、各々に巻き線121が巻かれている。磁極には同心円弧状の歯が設けられて、回転子の磁極部9に設けられた歯溝とかみ合ってアキシャル立体エアギャップ式の回転電機を構成している。しかし更なる高トルクを安価で狙うには巻き線銅量が本実施形態に係る回転電機に比べて少なく、またその電工作業も複雑であり、更なる高トルクを安価で狙うには問題を有したものであった。
本発明による回転電機は電動機または発電機に活用でき、安価で堅牢で軽薄短小、高トルク化、高効率化に適した、きわめて実用的なものである。従って工業的に大きな貢献が期待される。
1 クローポール,
2 固定子ヨーク,
3 ボビン,
4、121 巻き線,
5 固定子ブッシュ,
6、7 軸受け,
8 回転軸,
9 磁極部,
10 永久磁石,
11 回転子ヨーク,
12 リード線,
20 固定子。

Claims (7)

  1. 固定子と、前記固定子に対して軸方向にエアギャップを介して回転自在に配置された回転子とを備えたアキシャルギャップ式の回転電機において、
    前記固定子は、巻き線軸が回転軸と平行に形成された単相コイルが回転軸心と同心的に設けられたコイルと、前記コイルの前記エアギャップ側に配置されると共に、前記回転軸に沿って突出する歯部を備えると共に、前記回転軸を中心に放射状に配置されたクローポール部を備え、
    前記クローポール部は、前記コイルを収納するヨークの外周ヨークと磁気結合される外周クローポール部と、前記外周クローポール部と隣り合って配置されると共に前記ヨークの内心ヨークと磁気結合される内心クローポール部とを構成し、
    前記内心クローポール部と前記外周クローポール部とは、前記エアギャップの反対側で磁気結合されており、
    前記クローポール部に形成された前記歯部は、同心円弧的で回転軸方向に突出する複数の歯を構成し、
    前記回転子は、軸方向に沿った凹部が形成された磁性体の磁極部が周方向に偶数個配置されると共に、永久磁石によって交互に異極性に磁化されて分布配置され、前記凹部によって前記複数の歯に対応するように同心円弧状歯溝部を構成し、
    前記同心円弧状歯が同心円弧状歯溝部に入り、所謂立体エアギャップでかみ合うように回転自在に対向しており、
    前記固定子に設けられた前記クローポール部は軸方向断面において、外周側に向かって反エアギャップ側の肉厚が薄くなることを特徴とするクローポール立体エアギャップ式の回転電機。
  2. 請求項に記載の回転電機において、
    前記コイルは単相コイル巻き線用ボビンを備え、
    前記単相コイル巻き線用ボビンは、前記回転子側の外周面に前記クローポール部を取り付ける羽根部を設けたことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電機において
    少なくとも前記クローポール部と前記巻き線用ボビンとを樹脂モールド成形後、前記巻き線を施すことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機において、
    前記回転電機の固定子を同心的に2個、互いに背中合わせに配置して前記固定子の前記エアギャップの反対側を結合し、前記エアギャップ側には各々前記回転子を対向配置したことを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機において、
    前記回転電機を3個、その軸を共通または結合して配置すると共に、前記固定子または前記回転子の位相をお互いに電気角で120度ずらして設けることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項又はに記載の回転電機において、
    前記固定子又は前記回転子に永久磁石を用いないことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の回転電機において、
    前記クローポール部及び前記磁極部の少なくともいずれか一方は、圧粉鉄心又は焼結鉄心であることを特徴とする回転電機。
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