JP6462520B2 - 水中電動ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、水中電動ポンプに関するものである。
従来、ポンプ室の圧力水がモータ内へ侵入することのないように、ポンプ室とモータとの間にメカニカルシールが設けられたオイル室を備えた小型の水中電動ポンプが知られている。しかし、この水中電動ポンプでは、メカニカルシールの摺動部の摩耗や面荒れにより、摺動部からオイル室に入った圧力水やオイル等がモータ内へ流入することがあるという不都合がある。
そこで、圧力水やオイル等がモータ内へ流入するのを防止するため、オイル室内に浸水検出センサを設置して、オイル室内への浸水を検知することにより、モータへの通電を遮断する水中ポンプ(水中電動ポンプ)が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、ポンプ室の圧力水やオイル室内のオイルをモータ内へ浸入させないようにオイル室とモータとの間に浸水溜り室をさらに設けることによって、浸水溜り室内での浸水検知器による浸水の検知に基づいてモータへの通電を遮断するまでの時間を長く確保する構成を有する水中ポンプ(水中電動ポンプ)も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2002−310091号公報 特開2007−332825号公報
しかしながら、上記特許文献1の水中ポンプ(水中電動ポンプ)では、ポンプ室の圧力水がオイル室内に浸水したことを、浸水検知センサにより検知した場合に、圧力水やオイル等がモータ内へ流入するのを最小限に抑えるために、水中ポンプを強制的に停止させて水中から引き上げて、ポンプケーシングやオイルケーシング等を取外して、メンテナンス作業を行なった上で復旧させる必要がある。この場合、運転を継続するためには、予備の水中ポンプを保有して、予備の水中ポンプにより緊急対応をしなければならない。このため、維持管理に多くの労力が必要になるという問題点がある。
また、上記特許文献2の水中ポンプ(水中電動ポンプ)では、オイル室とモータとの間に浸水溜まり室を設けているため、モータへの通電を遮断するまでの時間を長く確保することができるものの、その分、構造が複雑化してしまうと同時に、ポンプの全高が高くなり大型化する。また、浸水検知器により浸水溜まり室への浸水を検知した場合には、上記特許文献1の水中ポンプと同様に、水中ポンプを強制的に停止させて水中から引き上げて、メンテナンス作業を行なった上で復旧させる必要がある。この場合、運転を継続するためには、予備の水中ポンプにより緊急対応をしなければならない。このため、維持管理に多くの労力が必要になるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、維持管理を容易に行うことが可能な水中電動ポンプを提供することである。
この発明の一の局面による水中電動ポンプは、固定子および回転子と、固定子および回転子を配置するモータ室とを含むモータと、モータにより駆動される羽根車が配置されたポンプ室と、摺動部を有するメカニカルシールが設けられ、モータとポンプ室との間に配置されたオイル室と、メカニカルシールの摺動部と連通し、モータとオイル室との間に配置されたオイル貯留部と、オイル貯留部とオイル室とを連通する流体返送路と、流体返送路に設けられ、温度に応じて開閉される弁部材とを備える。
この発明の一の局面による水中電動ポンプでは、上記のように、オイル貯留部とオイル室とを連通する流体返送路と、流体返送路に配置され、温度に応じて開閉される弁部材とを設ける。これにより、水中電動ポンプ(モータ)の運転時などにおいて温度が比較的高くなる場合に、流体返送路中の弁部材を開けることができる。すなわち、温度に応じて弁部材を開閉させることにより、水中電動ポンプ(モータ)の運転などにより流体昇りが発生しやすくなるタイミングにおいて、弁部材を開けることができる。このため、オイル貯留部に流入した流体を流体返送路を介してオイル室へ効果的に戻すことができる。その結果、オイル室からオイル貯留部に流入した流体がそのまま溜まるのを抑制することができるので、ポンプケーシングやオイルケーシング等を取外して、メンテナンス作業を行う必要がない。また、水中電動ポンプ(モータ)の運転停止時などにおいて温度が比較的低くなる場合に、弁部材を閉じることができるので、水中電動ポンプ(モータ)の停止時に流体が流体返送路を通りオイル室からオイル貯留部に流体が逆流するのを抑制することができる。また、オイル貯留部を設けることにより、流体昇りが発生した場合でもモータの軸受けに流体が流れ込んでモータの軸受けのグリスを流してしまうことを抑制することができる。また、運転を継続するために、予備の水中ポンプを保有する必要もない。その結果、維持管理に多くの労力および費用を必要とせず、水中電動ポンプの維持管理を容易に行うことができる。
上記一の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、弁部材は、所定の温度以上であるときに開状態となるように構成されている。このように構成すれば、水中電動ポンプ(モータ)の運転などに起因して温度が所定の温度以上に上昇した場合に弁部材を開くことができる。その結果、所定の温度以上となる水中電動ポンプ(モータ)の運転時に流体返送路を介して流体を返送することができるとともに、所定の温度未満となる水中電動ポンプ(モータ)の運転停止時に流体返送路を介して流体がオイル貯留部に逆流するのを抑制することができる。
上記一の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、弁部材は、流体返送路内の流体の温度または流体返送路内の雰囲気温度に応じて開閉されるように構成されている。このように構成すれば、流体返送路内の流体の温度または流体返送路内の雰囲気温度が上昇したことをトリガーとして弁部材を容易に開くことができる。
上記一の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、弁部材は、オイル室内の流体の温度またはオイル室内の雰囲気温度に応じて開閉されるように構成されている。このように構成すれば、オイル室内の流体の温度またはオイル室内の雰囲気温度が上昇したことをトリガーとして、弁部材を容易に開くことができる。また、オイル室内とオイル貯留部内とで圧力差が生じている場合には、弁部材を開くことにより、オイル室内とオイル貯留部内との圧力差を低減することができる。これにより、圧力差に起因するオイル室からオイル貯留部への流体昇りを抑制することができる。
上記一の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、弁部材は、形状記憶合金により形成される形状記憶部を含み、形状記憶部が変形されることに伴い開閉されるように構成されている。このように構成すれば、形状記憶合金の温度変化に起因する変形により、温度に応じて弁部材を容易に開閉させることができる。
上記一の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、弁部材は、温度に応じて膨張収縮する膨張部を含み、膨張部の膨張および収縮に伴い開閉されるように構成されている。このように構成すれば、温度に応じて膨張収縮する膨張部により、弁部材を温度に応じて容易に開閉させることができる。
本発明によれば、上記のように、維持管理を容易に行うことが可能な水中電動ポンプを提供することができる。
本発明の第1実施形態による水中電動ポンプを示した概略図である。 本発明の第1実施形態による水中電動ポンプの閉状態のサーモバルブを示した概略図である。 本発明の第1実施形態による水中電動ポンプの開状態のサーモバルブを示した概略図である。 本発明の第2実施形態による水中電動ポンプの閉状態のサーモバルブを示した概略図である。 本発明の第2実施形態による水中電動ポンプの開状態のサーモバルブを示した概略図である。 本発明の第3実施形態による水中電動ポンプのサーモバルブを示した概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(水中電動ポンプの構成)
図1を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態による水中電動ポンプ100は、図1に示すように、モータ1と、回転軸2と、羽根車3と、ポンプ室4と、オイル室5と、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6と、環状体7と、オイル貯留部8と、流体返送路9とを備えている。また、水中電動ポンプ100は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
モータ1は、固定子11と、回転子12とを含んでいる。モータ1は、外部からの水が浸入しないように、密閉されている。また、モータ1は、羽根車3(回転軸2)を回転駆動させるように構成されている。
固定子11は、コイルを有する。また、固定子11は、モータ1の外周部に配置されている。また、ケーブル13より固定子11のコイルに電力が供給されることにより、磁界を発生させるように構成されている。回転子12は、固定子11と対向するようにモータ1の内側に配置されている。また、回転子12は、回転軸2に取り付けられている。また、回転子12は、固定子11からの磁界により回転するように構成されている。
回転軸2は、モータ1の駆動により回転するように構成されている。また、回転軸2は、モータ1の駆動を羽根車3に伝達するように構成されている。また、回転軸2は、ベアリング21および22により回転可能に支持されている。ベアリング21は、モータ1の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)に設けられている。ベアリング22は、モータ1の負荷側(ポンプ室4側)に設けられている。また、回転軸2は、モータ1からオイル室5を貫通してポンプ室4まで延びるように配置されている。また、回転軸2のポンプ室4側端部には、羽根車3が取り付けられている。
羽根車3は、ポンプ室4内に配置されている。また、羽根車3は、回転駆動することにより、水に速度エネルギーを与える。そして、ポンプ室4内にて水の速度エネルギーが圧力エネルギーに変換されることによって、水に圧力が作用されて送られるように構成されている。つまり、羽根車3の回転駆動により、ポンプ室4の吸水口41から水が吸い上げられて、吐出口42から吸い上げられた水が吐出される。
オイル室5は、モータ1およびポンプ室4の間に配置されている。オイル室5には、オイルが充填されている。オイル室5のモータ1側は、壁51が配置されている。また、オイル室5の回転軸2の周りには、オイルリフター52が設けられている。また、オイル室5内には、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6が設けられており、オイル室5に充填されたオイルによって摺動部6aおよび6bが潤滑されるとともに、摺動部6aおよび6bが焼きつかないよう冷却されるように構成されている。具体的には、メカニカルシール6の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)の摺動部6aは、オイル室5のモータ1側に設けられている。つまり、メカニカルシール6の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)の摺動部6aは、オイル室5のオイルを含む流体がモータ1側に入らないように設けられている。また、メカニカルシール6の負荷側(ポンプ室4側)の摺動部6bは、オイル室5のポンプ室4側に設けられている。つまり、メカニカルシール6の負荷側(ポンプ室4側)の摺動部6bは、ポンプ室4の圧力水がオイル室5に入らないように設けられている。
オイルリフター52は、回転軸2の周りに筒状に設けられている。オイルリフター52は、回転軸2の回転に伴い移動するオイルを上方向に持ち上げるように構成されている。つまり、オイルリフター52は、摺動部6aにオイルを供給するように構成されている。オイルリフター52の下部には、貫通孔521が設けられている。貫通孔521からオイルリフター52の内周側にオイルが導かれるように構成されている。
メカニカルシール6は、固定部材61と、回転部材62と、バネ63とを含んでいる。固定部材61は、オイル室5のハウジングに固定されている。また、固定部材61は、回転軸2を囲むように円環状に形成されている。回転部材62は、回転軸2に取り付けられている。つまり、回転部材62は、回転軸2とともに回転するように構成されている。また、回転部材62は、回転軸2を囲むように円環状に形成されている。また、回転部材62は、バネ63により、固定部材61側に付勢されている。固定部材61および回転部材62は、回転軸2の軸方向に対向するように配置されている。また、固定部材61および回転部材62は、それぞれ、摺動面611および621を有している。つまり、摺動部6aおよび6bでは、固定部材61の摺動面611と、回転部材62の摺動面621とが、互いに摺動するように構成されている。また、摺動面611および621の間には、オイル室5内のオイルがわずかに入るように構成されている。これにより、摺動面611および621が潤滑されるとともに、摺動面611および621が焼きつかないようにオイルにより冷却され、摺動部6aおよび6b(オイル室5)がシールされるように構成されている。
環状体7は、オイル室5の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)の壁51からモータ1側に突出するように設けられている。また、環状体7は、回転軸2と所定の間隔を隔てて回転軸2を取り囲むように円環状に設けられている。
オイル貯留部8のモータ1側端に、オイル貯留部8を封止するシール71が設けられている。具体的には、環状体7のモータ1側端に、シール71が設けられている。シール71は、たとえば、オイルシールやシールリップまたは回転軸2と摺動するリップ部に傾斜リブや溝などの負荷側に推力発生する機構を有したシールが用いられる。また、シール71は、環状体7と回転軸2との間に配置されている。
オイル貯留部8は、環状体7に囲まれている。また、オイル貯留部8は、回転軸2を取り囲むようにモータ1側に向かって延びるように形成されている。また、オイル貯留部8は、モータ1とオイル室5との間に配置されている。また、オイル貯留部8のモータ1側端は、上記の通り、シール71により封止されている。つまり、モータ1は、シール71により封止されている。
ここで、第1実施形態では、流体返送路9は、オイル貯留部8とオイル室5とを連通するように設けられている。具体的には、流体返送路9は、オイル室5の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)の壁51に設けられた孔部51aと、環状体7に設けられた孔部7aとを連通するように形成されている。つまり、流体返送路9は、オイル貯留部8のオイルを含む流体をオイル室5に返送するように構成されている。また、流体返送路9は、パイプや、チューブなどの管部材により構成されることが望ましいが、一体造形や溝状に造形した開口部を蓋で封止するように構成してもよい。つまり、流体返送路9は、オイル貯留部8とオイル室5とが連通されるよう構成されていればよい。また、流体返送路9は、L字形状を有している。
また、第1実施形態では、図2および図3に示すように、流体返送路9中には、サーモバルブ91が設けられている。サーモバルブ91は、温度に応じて後述する蓋部91fを移動させることにより開閉されるように構成されている。なお、サーモバルブ91は、特許請求の範囲の「弁部材」の一例である。
サーモバルブ91は、孔状の小径部91aと、小径部91aにオイル室5側から接続される孔状の大径部91bとを含んでいる。大径部91bは、小径部91aよりも大きな径を有している。したがって、サーモバルブ91内には、小径部91aと大径部91bとの接続箇所によって段差部分が形成されている。
また、サーモバルブ91は、第1スプリング91cと、第2スプリング91dと、棒状の軸部91eと、蓋部91fとを含んでいる。蓋部91fは、図2に示すように、大径部91b内から段差部分に押し付けられて小径部91a(流体返送路9)を封止する(閉じる)ように構成されている。なお、第1スプリング91cは、蓋部91fが流体返送路9を閉じている閉状態において小径部91a内に配置されている。また、第2スプリング91dと蓋部91fとは、常に、大径部91b内に配置されている。また、軸部91eは、大径部91b内から小径部91a内まで延びている。また、第1スプリング91cは、特許請求の範囲の「形状記憶部」の一例である。
第1スプリング91cは、軸部91eのオイル貯留部8(図1参照)側である一方端部側(上方の端部側)に配置されている。また、第1スプリング91cは、形状記憶合金により形成されている。第2スプリング91dは、軸部91eのオイル室5側である他方端部側(下方の端部側)に配置されている。また、第1スプリング91cおよび第2スプリング91dは、共に、軸部91eに挿通されている。
蓋部91fは、環状形状を有し、軸部91eに挿通されている。また、蓋部91fは、一方面および他方面が、それぞれ、第1スプリング91cおよび第2スプリング91dに当接した状態で、第1スプリング91cおよび第2スプリング91dの間に配置されている。また、蓋部91fは、モータ1(図1参照)の運転停止時などの所定の温度よりも低い場合において、小径部91aを封止している閉状態に維持されている。また、蓋部91fは、軸部91eに沿って移動可能に構成されている。また、蓋部91fは、軸部91eとの間にシール(図示せず)を有し、軸部91eとの間を流体が通過することがないように構成されている。
ここで、第1実施形態では、サーモバルブ91は、流体返送路9内の流体の温度に応じて、第1スプリング91cが変形されることに伴い開閉されるように構成されている。具体的には、第1スプリング91cは、オイル貯留部8(図1参照)側に侵入した流体の感温部分としての機能を有している。第1スプリング91cは、オイル貯留部8から流体返送路9内にモータ1の運転に伴い温度上昇した流体が侵入して、第1スプリング91cが所定の温度以上になることにより、温度に応じて記憶された形状に復帰するために伸張するように構成されている。この際、第1スプリング91cの蓋部91fへの付勢力(復元力)が、第2スプリング91dの蓋部91fへの付勢力よりも大きくなることにより、蓋部91fは、オイル室5側(下方側)に移動され、小径部91aの封止を解除する。すなわち、サーモバルブ91(蓋部91f)は、図3に示す開状態になる。
(サーモバルブの開閉動作)
次に、図2および図3を参照して、サーモバルブ91の開閉について説明する。
まず、モータ1(図1参照)が停止しており、サーモバルブ91が図2に示す閉状態にあるとする。そして、モータ1が運転されることにより、摺動部6aおよび6bでの摩擦、および、モータ1の温度上昇により、オイル室5内の流体の温度が上昇される。そして、この温度上昇した流体がオイル貯留部8(図1参照)内に侵入し、流体返送路9内に流入する。その結果、第1スプリング91cは、流体に接触し、温度上昇される。第1スプリング91cは、形状記憶合金であるため、温度に応じて記憶された形状に復帰するために、第2スプリング91dが蓋部91fを第1スプリング91c側に押す力(付勢力)に抗して伸張される。その結果、第1スプリング91cと第2スプリング91dとの間に配置された閉状態にある蓋部91fが、小径部91aから離間され、図3に示す開状態となる。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、オイル貯留部8とオイル室5とを連通する流体返送路9と、流体返送路9に配置され、温度に応じて開閉されるサーモバルブ91とを設ける。これにより、水中電動ポンプ100(モータ1)の運転時などにおいて温度が比較的高くなる場合に、流体返送路9中のサーモバルブ91を開けることができる。すなわち、温度に応じてサーモバルブ91を開閉させることにより、水中電動ポンプ100(モータ1)の運転などにより流体昇りが発生しやすくなるタイミングにおいて、サーモバルブ91を開けることができる。このため、オイル貯留部8に流入した流体を流体返送路9を介してオイル室5へ効果的に戻すことができる。その結果、オイル室5からオイル貯留部8に流入した流体がそのまま溜まるのを抑制することができるので、ポンプケーシングやオイルケーシング等を取外して、メンテナンス作業を行う必要がない。また、水中電動ポンプ100(モータ1)の運転停止時などにおいて温度が比較的低くなる場合に、サーモバルブ91を閉じることができるので、水中電動ポンプ100(モータ1)の停止時に流体が流体返送路9を通りオイル室5からオイル貯留部8に流体が逆流するのを抑制することができる。また、オイル貯留部8を設けることにより、流体昇りが発生した場合でもモータ1の軸受けに流体が流れ込んでモータ1の軸受けのグリスを流してしまうことを抑制することができる。また、運転を継続するために、予備の水中ポンプを保有する必要もない。その結果、維持管理に多くの労力および費用を必要とせず、水中電動ポンプ100の維持管理を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、サーモバルブ91を、所定の温度以上であるときに開状態となるように構成する。これにより、水中電動ポンプ100(モータ1)の運転などに起因して温度が所定の温度以上に上昇した場合にサーモバルブ91を開くことができる。その結果、所定の温度以上となる水中電動ポンプ100(モータ1)の運転時に流体返送路9を介して流体を返送することができるとともに、所定の温度未満となる水中電動ポンプ100(モータ1)の運転停止時に流体返送路9を介して流体がオイル貯留部8に逆流するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、サーモバルブ91を、流体返送路9内の流体の温度に応じて開閉されるように構成する。これにより、流体返送路9内の流体の温度または流体返送路9内の雰囲気温度が上昇したことをトリガーとしてサーモバルブ91を容易に開くことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、サーモバルブ91を、形状記憶合金により形成される第1スプリング91cを含み、第1スプリング91cが変形されることに伴い開閉されるように構成する。これにより、第1スプリング91cの温度変化に起因する変形により、温度に応じてサーモバルブ91を容易に開閉させることができる。
[第2実施形態]
次に、図1、図4および図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、サーモバルブ91を形状記憶合金から形成された第1スプリング91cの変形に伴い開閉させた上記第1実施形態とは異なり、サーモバルブ92を温度に応じて膨張収縮する膨張部92aの膨張および収縮に伴い開閉させる構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。なお、サーモバルブ92は、特許請求の範囲の「弁部材」の一例である。
図1に示すように、第2実施形態による水中電動ポンプ200は、モータ1と、回転軸2と、羽根車3と、ポンプ室4と、オイル室5と、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6と、環状体7と、オイル貯留部8と、サーモバルブ92が設けられた流体返送路9とを備えている。また、水中電動ポンプ200は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
ここで、第2実施形態では、サーモバルブ92は、温度に応じて膨張収縮する膨張部92aを含んでいる。また、サーモバルブ92は、膨張部92aの膨張および収縮に伴い開閉されるように構成されている。なお、膨張部92aは、ワックスおよびゴム材料から形成されている。
また、サーモバルブ92は、スピンドル92bを有する固定部92cと、固定部92cに当接する当接部92dを有し、スピンドル92bに沿って移動可能な可動部92eとを含んでいる。可動部92e内には、膨張部92aが充填されている。なお、サーモバルブ92は、可動部92eの当接部92dが固定部92cに当接している状態が閉状態である。
そして、流体返送路9内に温度上昇された流体が流入することにより、膨張部92aは、可動部92eを介して熱を受け取り、膨張される。これに伴い、可動部92eは、スピンドル92bに沿って所定方向に移動される。その結果、可動部92eの当接部92dが固定部92cから離間され、サーモバルブ92は、開状態になるように構成されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル貯留部8とオイル室5とを連通する流体返送路9と、流体返送路9に配置され、温度に応じて開閉されるサーモバルブ92とを設ける。これにより、水中電動ポンプ200の維持管理を容易に行うことができる。
また、第2実施形態では、上記のように、サーモバルブ92を、温度に応じて膨張収縮する膨張部92aを含み、膨張部92aの膨張および収縮に伴い開閉されるように構成する。これにより、温度に応じて膨張収縮する膨張部92aにより、温度に応じてサーモバルブ92を容易に開閉させることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図1および図6を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、サーモバルブ91の蓋部91fの上流側(オイル貯留部8側)に第1スプリング91cを配置した上記第1実施形態とは異なり、サーモバルブ93の蓋部93fの下流側(オイル室5側)に第1スプリング93cを配置する構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。なお、サーモバルブ93は、特許請求の範囲の「弁部材」の一例である。また、第1スプリング93cは、特許請求の範囲の「形状記憶部」の一例である。
図1に示すように、第3実施形態による水中電動ポンプ300は、モータ1と、回転軸2と、羽根車3と、ポンプ室4と、オイル室5と、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6と、環状体7と、オイル貯留部8と、サーモバルブ93が設けられた流体返送路9とを備えている。また、水中電動ポンプ300は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
ここで、第3実施形態では、サーモバルブ93は、オイル室5内の流体の温度に応じて開閉されるように構成されている。また、図6に示すように、第3実施形態のサーモバルブ93は、第1実施形態のサーモバルブ91とは、逆向きに配置されている。すなわち、感温部分である後述する第1スプリング93cが後述する蓋部93fのオイル室5側に配置されている。
具体的には、サーモバルブ93は、オイル室5に接続される孔状の小径部93aと、小径部93aにオイル貯留部8(図1参照)側から接続される孔状の大径部93bとを含んでいる。また、サーモバルブ93は、第1スプリング93cと、第2スプリング93dと、棒状の軸部93eと、蓋部93fとを含んでいる。
第1スプリング93cは、形状記憶合金から形成されている。また、第1スプリング93cは、オイル室5内の流体の熱が伝わるように、一部(下方端部近傍)が流体(オイル)に浸かるように配置されている。また、第1スプリング93cは、モータ1(図1参照)の運転に伴いオイル室5内の流体が温度上昇して、第1スプリング93cが所定の温度以上になることにより、元の形状に復帰するために伸張するように構成されている。その結果、サーモバルブ93(蓋部93f)は、図6に2点鎖線で示す開状態になる。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル貯留部8とオイル室5とを連通する流体返送路9と、流体返送路9に配置され、温度に応じて開閉されるサーモバルブ93とを設ける。これにより、水中電動ポンプ300の維持管理を容易に行うことができる。
また、第3実施形態では、上記のように、サーモバルブ93を、オイル室5内の流体の温度に応じて開閉されるように構成する。これにより、オイル室5内の流体の温度が上昇したことをトリガーとして、サーモバルブ93を容易に開くことができる。また、オイル室5内とオイル貯留部8内とで圧力差が生じている場合には、サーモバルブ93を開くことにより、オイル室5内とオイル貯留部8内との圧力差を低減することができる。これにより、圧力差に起因するオイル室5からオイル貯留部8への流体昇りを抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、オイル室にオイルを持ち上げるためのオイルリフターを設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、オイル室にオイルリフターを設けていなくてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、流体返送路内またはオイル室内の流体の温度に応じてサーモバルブを開閉させた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、流体返送路内またはオイル室内の流体の雰囲気温度に応じてサーモバルブを開閉させてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、流体返送路がL字形状を有するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、流体返送路がL字形状以外の形状を有するように構成してもよい。たとえば、流体返送路が直線形状を有するように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、回転軸が垂直方向に延びるように配置された縦型の水中電動ポンプに本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限らない。回転軸が水平方向に延びるように配置された横型の水中電動ポンプに本発明を適用してもよい。
また、上記第1実施形態では、オイル貯留部のモータ側にシールを設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、オイル貯留部のモータ側にシールを設けなくてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、流体返送路が、パイプや、チューブなどの管部材により構成されている例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、流体返送路は、ハウジングなどに溝を形成して、蓋をすることにより設けてもよい。また、ハウジングに流路を掘って流体返送路を形成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、形状記憶合金よりなる第1スプリング、または、ワックスおよびゴム材料よりなる膨張部に熱を直接的に伝えて変形させることにより、サーモバルブを開閉させた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、温度検知センサと電磁弁とを設け、温度検知センサの検知結果に基づいて、電磁弁(サーモバルブ)を開閉させてもよい。
1 モータ
2 回転軸
3 羽根車
4 ポンプ室
5 オイル室
6 メカニカルシール
6a、6b 摺動部
8 オイル貯留部
9 流体返送路
91、92、93 サーモバルブ(弁部材)
91c、93c 第1スプリング(形状記憶部)
92a 膨張部
100、200、300 水中電動ポンプ

Claims (6)

  1. 固定子および回転子と、前記固定子および前記回転子を配置するモータ室とを含むモータと、
    前記モータにより駆動される羽根車が配置されたポンプ室と、
    摺動部を有するメカニカルシールが設けられ、前記モータと前記ポンプ室との間に配置されたオイル室と、
    前記メカニカルシールの前記摺動部と連通し、前記モータと前記オイル室との間に配置されたオイル貯留部と、
    前記オイル貯留部と前記オイル室とを連通する流体返送路と、
    前記流体返送路に設けられ、温度に応じて開閉される弁部材とを備える、水中電動ポンプ。
  2. 前記弁部材は、所定の温度以上であるときに開状態となるように構成されている、請求項1に水中電動ポンプ。
  3. 前記弁部材は、前記流体返送路内の流体の温度、または、前記流体返送路内の雰囲気温度に応じて開閉されるように構成されている、請求項1または2に記載の水中電動ポンプ。
  4. 前記弁部材は、前記オイル室内の流体の温度、または、前記オイル室内の雰囲気温度に応じて開閉されるように構成されている、請求項1または2に記載の水中電動ポンプ。
  5. 前記弁部材は、形状記憶合金により形成される形状記憶部を含み、前記形状記憶部が変形されることに伴い開閉されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中電動ポンプ。
  6. 前記弁部材は、温度に応じて膨張収縮する膨張部を含み、前記膨張部の膨張および収縮に伴い開閉されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中電動ポンプ。
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