JP6460965B2 - 圧力センサの製造方法、および圧力センサ - Google Patents

圧力センサの製造方法、および圧力センサ Download PDF

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Description

本発明は、圧力センサに関するものである。
従来、圧力センサとして、筒状の筐体を備え、圧力を受けて変形するダイアフラムを上記筐体の一方の端部に接合し、ダイアフラムが受けた圧力が伝達される圧電素子を筐体内に配置するセンサが知られている。このような圧力センサにおいて、ダイアフラム側を先端側、筐体の軸線(中心軸)方向の反対側を後端側とした場合に、従来、圧電素子への予荷重の付与を、筐体内側面に設けられたねじ山に螺合するねじによって圧電素子の後端側から行うものがあった(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平6−207875号公報 実開平6−43538号公報 実開平6−43539号公報
しかしながら、上記のように、ねじによって圧電素子に予荷重を付与する場合には、ねじ山の工作精度のばらつき等により、精度よく圧電素子に予荷重を付与できない場合があった。そこで、圧電素子に対して付与される予荷重の精度を向上させる技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、一端側に蓋状に支持板が形成された筒状の筐体と、前記筐体の他端側に設けられるダイアフラムと、前記ダイアフラムが受けた圧力に対応する電気信号を出力する圧電素子と、前記圧力を前記圧電素子に伝達する棒状の伝達部と、を備える圧力センサの製造方法が提供される。この圧力センサの製造方法は、前記筐体の内部に前記圧電素子を収容する収容工程と、前記伝達部によって前記圧電素子を前記支持板に押しつけて、前記圧電素子に前記筐体の軸線方向の所定の予荷重を付与した状態で、前記伝達部を前記ダイアフラムを介して前記筐体に固定する伝達部固定工程と、を備える。
この形態の圧力センサの製造方法によれば、筐体の他端側から一端側に向かう方向に伝達部を押し、伝達部によって圧電素子を筐体の一端側に形成された支持板に押しつけて、圧電素子に予荷重を付与し、圧電素子に所望の予荷重が付与された状態で、伝達部が筐体に固定されるため、精度よく、圧電素子に予荷重を付与することができる。
(2)上記形態の圧力センサの製造方法であって、前記ダイアフラムは孔部を備え、前記伝達部固定工程において、前記ダイアフラムを前記筐体に固定した後に、前記ダイアフラムの前記孔部に挿通されている前記伝達部により前記圧電素子に前記所定の予荷重を付与した状態で、前記伝達部を前記ダイアフラムに固定してもよい。ダイアフラムが孔部を備えるため、このようにしても、ダイアフラムが変形してない状態で圧電素子に予荷重を付与することができ、精度よく、圧電素子に予荷重を付与することができる。
(3)上記形態の圧力センサの製造方法であって、前記伝達部固定工程において、前記ダイアフラムに固定された前記伝達部により前記圧電素子に前記所定の予荷重を付与した状態で、前記ダイアフラムを前記筐体に固定してもよい。このようにすると、ダイアフラムが孔部を備える構成、ダイアフラムが孔部備えない構成の両方において、ダイアフラムが変形してない状態で圧電素子に予荷重を付与することができ、精度よく、圧電素子に予荷重を付与することができる。
(4)上記形態の圧力センサの製造方法であって、前記圧力センサにおいて、前記ダイアフラムは、前記孔部の外周に、自身の軸線方向に平行に前記筐体の外側に突出した環状の第1の突出部を備え、前記伝達部固定工程において、レーザ溶接により前記伝達部を前記ダイアフラムの前記第1の突出部に固定し、前記レーザ溶接におけるレーザの第1入射角θ1を、前記軸線と直交する直交線に対して、−60°≦θ1≦60°としてもよい。このようにすると、圧力センサの感度ばらつきを、抑制することができる。
(5)上記形態の圧力センサの製造方法であって、前記レーザの第1入射角θ1は0度でもよい。このようにすると、さらに、圧力センサの感度ばらつきを抑制することができる。
(6)上記形態の圧力センサの製造方法であって、前記圧力センサにおいて、前記ダイアフラムは、自身の外周に、自身の軸線方向に平行に前記筐体の内側に突出した環状の第2の突出部を備え、前記伝達部固定工程において、レーザ溶接により前記ダイアフラムの前記第2の突出部を前記筐体の側面に固定し、前記レーザ溶接におけるレーザの第2入射角θ2を、前記軸線と直交する直交線に対して、−60°≦θ2≦60°としてもよい。このようにすると、圧力センサの感度ばらつきを、抑制することができる。
(7)上記形態の圧力センサの製造方法であって、前記レーザの第2入射角θ2は0度としてもよい。このようにすると、さらに、圧力センサの感度ばらつきを抑制することができる。
(8)上記形態の圧力センサの製造方法であって、前記伝達部固定工程の後に、さらに、前記ダイアフラムより前記筐体の外側に突出している前記伝達部の少なくとも一部を切削する切削工程と、を備えてもよい。このようにすると、伝達部の長さを適切に調節することができる。
(9)本発明の他の形態によれば、圧力センサが提供される。この圧力センサは、一端側に蓋状に支持板が形成された筒状の筐体と、前記筐体の他端に蓋状に固定されたダイアフラムと、前記筐体の内部に収容された圧電素子であって、前記ダイアフラムが受けた圧力に対応する電気信号を出力する圧電素子と、前記ダイアフラムに固定されると共に、前記圧電素子に接して配置され、前記ダイアフラムが受けた前記圧力を前記圧電素子に伝達する棒状の伝達部と、を備え、前記伝達部から前記圧電素子に対して所定の予荷重が付与された状態で、前記伝達部が前記ダイアフラムに固定されている。この形態の圧力センサによれば、圧電素子に精度よく予荷重が付与されているため、圧力の検出精度が向上される。
(10)上記形態の圧力センサであって、前記ダイアフラムは、孔部を備え、前記伝達部は、前記ダイアフラムの前記孔部に挿通されていてもよい。
(11)上記形態の圧力センサであって、前記ダイアフラムは、前記孔部の外周に、自身の軸線方向に平行に前記筐体の外側に突出した環状の第1の突出部を備え、前記伝達部は、前記ダイアフラムの前記第1の突出部に、前記ダイアフラムを構成する金属と前記伝達部を構成する金属とを含む第1の接合部を介して固定され、前記ダイアフラムの前記軸線を通る切断面において、前記第1の接合部と前記ダイアフラムとの仮想的な境界線であり、前記筐体側の第1の仮想第1境界線と、前記第1の仮想第1境界線に対して前記筐体と反対側にある第2の仮想第1境界線と、からの距離が同じである点の集合である仮想第1平均線と、前記軸線に直交する仮想直交線との第1の交差角度θc1は、−60°≦θc1≦60°でもよい。このようにすると、さらに、圧力の検出精度が向上される。
(12)上記形態の圧力センサであって、前記第1の交差角度θc1は0度でもよい。このようにすると、さらに、圧力の検出精度が向上される。
(13)上記形態の圧力センサであって、前記ダイアフラムは、自身の外周に、自身の軸線方向に平行に前記筐体側に突出した環状の第2の突出部を備え、前記ダイアフラムは、前記第2の突出部において、前記ダイアフラムを構成する金属と前記筐体を構成する金属とを含む第2の接合部を介して、前記筐体の側面に固定されてもよい。このようにしても、圧力の検出精度は向上される。
(14)上記形態の圧力センサであって、前記ダイアフラムの前記軸線を通る切断面において、前記第2の接合部と前記ダイアフラムとの仮想的な境界線であり、前記筐体側の第1の仮想第2境界線と、前記第1の仮想第2境界線に対して前記筐体と反対側にある第2の仮想第2境界線と、からの距離が同じである点の集合である仮想第2平均線と、前記軸線に直交する仮想直交線との第2の交差角度θc2は、−60°≦θc2≦60°でもよい。このようにすると、さらに、圧力の検出精度が向上される。
(15)上記形態の圧力センサであって、前記第2の交差角度θc2は0度でもよい。このようにすると、さらに、圧力の検出精度が向上される。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、圧力センサにおける圧電素子への予荷重付与方法、あるいは、圧力センサの伝達部の溶接方法などの形態で実現することが可能である。
第1実施形態の圧力センサの概略構成を示す説明図である。 圧力センサの先端部の構造を拡大して示す断面図である。 素子部を構成する各部材の外観を表わす斜視図である。 ケーブルの構成を示す説明図である。 第1実施形態の圧力センサの製造方法を示す工程図である。 組み付け前の筐体と素子部とダイアフラムと伝達部とを表わす説明図である。 レーザの照射方向を推定する方法を示す説明図である。 レーザ入射角θ1=0°の例を示す説明図である。 レーザ入射角θ1=−60°の例を示す説明図である。 レーザ入射角と圧力センサの感度ばらつきとの関係を示す説明図である。 第1実施形態における筐体の他の例を概略的に示す断面図である。 第2実施形態の圧力センサの先端部を拡大して概略的に示す断面図である。 第2実施形態の圧力センサの製造方法を示す工程図である。 第2実施形態におけるダイアフラムの他の例を概略的に示す断面図である。 第3実施形態の圧力センサの先端部を拡大して概略的に示す断面図である。 第3実施形態の圧力センサの製造方法を示す工程図である。 変形例のダイアフラムを概略的に示す断面図である。
A.第1実施形態:
A−1.圧力センサの全体構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての圧力センサ10の概略構成を示す説明図である。本実施形態の圧力センサ10は、シリンダヘッドに取り付けられて、内燃機関の燃焼室内の圧力を検出するために用いられる。圧力センサ10は、主な構成要素として、筒状の金具20と、筐体30と、ダイアフラム40と、素子部50と、ケーブル60と、伝達部80と、を備える。なお、本明細書では、圧力センサ10において、ダイアフラム40側を「先端側」と呼び、圧力センサ10の軸線(中心軸)OL方向の反対側を「後端側」と呼ぶ。
図1では、圧力センサ10の先端側の一部について軸線OLから紙面右側に外観構成を、紙面左側に断面構成を図示している。本実施形態では、圧力センサ10の軸線OLは、金具20、筐体30、ダイアフラム40、伝達部80、および素子部50の各部材における軸線でもある。
金具20は、軸線OLに垂直な断面(以下、横断面とも呼ぶ)が円環状であって軸線OL方向に延びる筒形状を有している。金具20には、軸線OLを中心とする貫通孔である軸孔21が形成されている。また、金具20の後端側外周面には、ねじ部22および工具係合部24が設けられている。ねじ部22は、圧力センサ10を内燃機関のシリンダヘッドに固定するためのねじ山を備えている。工具係合部24は、圧力センサ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)に係り合う外周形状(例えば、横断面が六角形)を有する。本実施形態では、金具20はステンレス鋼により形成されているが、低炭素鋼など他種の鋼を用いてもよい。
図2は、圧力センサ10の先端部、具体的には図1に領域Xとして示す部位を拡大して示す断面図である。筐体30は、金具20の先端側に接合されている。筐体30は、後端側の一端に、蓋状に支持板32が形成されると共に、軸線OLを中心とする筐体軸孔31が形成された、略有底円筒状を成す。支持板32には、軸線OLを中心とする、筐体軸孔31の径(筐体30の内径)より小さい径の貫通孔36が形成されている。筐体30の外周には、先端側から後端側に向かって拡径する拡径部34が形成されている。圧力センサを内燃機関に取り付ける際には、上記拡径部34において、圧力センサ10が内燃機関のシリンダヘッドに気密に接する。本実施形態では、筐体30は金具20と同様に、ステンレス鋼により形成されているが、低炭素鋼など他種の鋼を用いてもよい。本実施形態における筐体30の「後端側」が、請求項における筐体の「一端側」に相当する。
ダイアフラム40は、孔部41を備える略円環形の薄膜状のダイアフラム本体42と、孔部41の周縁に、軸線OLに平行に先端側(筐体30の外側)に突出して円環状に形成された第1の突出部44と、を備える。ダイアフラム本体42の外径は、筐体30の先端面37の外径と略一致(若干小さい)している。ダイアフラム40は、ダイアフラム本体42が筐体30の先端面37に接触して、軸孔31を塞ぐように配置され、レーザ溶接により筐体30に接合されている。ダイアフラム40は、圧力センサ10の最先端で内燃機関の燃焼室内に露出して受圧面を構成し、燃焼室内の圧力に応じて変形する。ダイアフラム40のダイアフラム本体42を薄くするほど、ダイアフラム本体42が変形し易くなるため、圧力センサ10の感度を高めることができる。
伝達部80は、ダイアフラム40の孔部41の径と略同一の径の略円柱状(棒状)の伝達部本体82と、伝達部本体82より小径の略円柱状の突起部84と、を備える。伝達部80は、ダイアフラム40の孔部41に挿通され、後に詳述するように、ダイアフラム40を介して筐体30に固定される。この固定された状態において、伝達部80の突起部84は、第2パッキン54の孔部5hに嵌合しており、伝達部80から圧電素子51に対して所定の予荷重が付与された状態になっている。すなわち、伝達部80は、ダイアフラム40に固定されると共に、第1パッキン52を介して圧電素子51と接している。伝達部80は、ダイアフラム40の変形と共に変位して、ダイアフラム40が受けた圧力による荷重を後端側の素子部50に伝達する。伝達部80を太くするほど、ダイアフラム40が受けた圧力を後端側に伝達し易くなるため、圧力センサ10の感度を高めることができる。本実施形態では、ダイアフラム40および伝達部80をステンレス鋼により形成しているが、異なる金属により形成してもよい。
素子部50は、圧電素子51、電極板53、および絶縁板55が各1個ずつと、第1パッキン52および第2パッキン54が各2個ずつとによって構成されている。図2に示すように、素子部50では、先端側から後端側に向かって、第2パッキン54、第1パッキン52、圧電素子51、第1パッキン52、電極板53、第2パッキン54、および絶縁板55の順に積層されている。素子部50は、ダイアフラム40が受圧した圧力に対応する電荷を出力する。素子部50を構成する各部材については、後に詳述する。
ケーブル60は、金具20の軸孔21内に配置され、電極板53の端子部56に接続されている。ケーブル60は、圧電素子51の電荷に基づいて内燃機関の燃焼圧を検出するための集積回路(不図示)に対して、圧電素子51の電荷を伝える。なお、図2では、ケーブル60については、断面ではなく外観の様子が示されている。ケーブル60については、後に詳述する。
図3は、素子部50を構成する各部材の外観を表わす斜視図である。図3(A)に示すように、圧電素子51および第1パッキン52は、円盤状の板状部材である。圧電素子51は、伝達部80から伝達された荷重を電荷に変換して、ダイアフラム40の変形量に応じた信号(電圧信号)を出力する。圧電素子51は、本実施形態では水晶により形成されているが、他種の材料から成る素子を用いてもよい。第1パッキン52は、圧電素子51で生じた電荷を伝達する。
図3(B)に示すように、第2パッキン54および絶縁板55は、円環状の板状部材である。絶縁板55は、電極板53と支持板32との間を絶縁する。本実施形態では絶縁板55はアルミナにより形成しているが、他種の絶縁性材料により形成してもよい。2個の第2パッキン54は、圧電素子51に掛かる荷重を均等にするために、圧電素子51の後端側と先端側とに配置されている(図2)。第1パッキン52および第2パッキン54は、本実施形態ではステンレス鋼により形成されているが、他種の金属により形成されてもよい。
図3(C)に示すように、電極板53は略円盤状の板状部材である円盤部57と、円盤部57の略円形の面から垂直方向に延びる端子部56と、を備える。電極板53は、円盤部57と端子部56とを合わせた形状をステンレス鋼の平板から打ち抜いた後に、端子部56となる部分を折り曲げることにより作製することができる。電極板53は、本実施形態ではステンレス鋼により形成されているが、他種の金属により形成されてもよい。
図2に示すように、筐体30の筐体軸孔31内において、電極板53は、円盤部57が第1パッキン52と面接触すると共に、端子部56が後端側に延びるように配置される。このとき、端子部56は、電極板53よりも後端側に配置された第2パッキン54と接触しないように、第2パッキン54および絶縁板55の中央部の穴を貫通する。また、端子部56は、支持板32の軸孔36の内壁面から離間した状態で、軸孔36内を貫通する。さらに、筐体30の軸孔31内において、素子部50を構成する各部材は、筐体30の内壁面から離間するように配置される。これにより、圧電素子51の後端側の面の電荷は、短絡することなく電極板53の端子部56によって後端側へと伝えられる。
図4は、ケーブル60の構成を示す説明図である。本実施形態では、ケーブル60として、多層構造を有するいわゆるシールド線を用いてノイズを低減している。図4(A)では、ケーブル60の中心軸Axから紙面右側に外観構成を図示し、中心軸Axから紙面左側に断面構成を図示している。また、図4(B)では、図4(A)におけるB−B断面の様子を示している。ケーブル60は、中央部に複数の導線を備える内部導体65が配置されると共に、内部導体65の径方向外側を絶縁体64が囲み、絶縁体64の外周面に導電コーティング63が設けられ、さらに径方向外側には網シールドである外部導体62が設けられ、外表面はジャケット61によって被覆されている。
図4(A)に示すように、ケーブル60の先端部では、ジャケット61に覆われた部分から先端側に向かって、ジャケット61に覆われない外部導体62が露出している。また、外部導体62が露出する部分から先端側に向かって、外部導体62に覆われない絶縁体64が露出している。さらに、絶縁体64が露出する部分から先端側に向かって、絶縁体64に覆われない内部導体65が露出している。
図2に示すように、ケーブル60の先端部で露出する内部導体65は、細径導線74および平板導線75を介して端子部56に接続されている。具体的には、内部導体65の先端には、平板導線75が溶接されており、平板導線75の先端には、コイル状に巻回された細径導線74の後端が溶接されており、細径導線74の先端は、端子部56の後端部に溶接されている。ここで平板導線75は、内部導体65よりも狭く、細径導線74よりも広い幅を有している。そして、平板導線75は、内部導体65よりも小さく、細径導線74よりも大きい体積を有している。これにより、圧電素子51の電荷を、端子部56を介して内部導体65に伝達可能になっている。
なお、端子部56の先端から、端子部56と細径導線74とを接続する溶接部よりも後端側の位置まで、端子部56の全体、および、細径導線74の先端部を含む範囲が、熱収縮チューブによって覆われていてもよい。このようにすると、端子部56と支持板32との間の電気的な絶縁の信頼性が高められる。この場合、圧力センサ10を製造する際には、上記した端子部56を有する電極板53と細径導線74との溶接による一体化と、熱収縮チューブによる被覆とを、全体の組み立てに先立って行なえばよい。
また、ケーブル60では、外部導体62の先端からさらに先端側に延びるように、外部導体62から連続して形成された撚り線から成る接地導線76が設けられている。接地導線76の先端部は、金具20の内周面に溶接されている。これにより、外部導体62は、接地導線76、金具20、筐体30、および内燃機関のシリンダヘッドを通じて接地される。
A−2.圧力センサの製造方法:
図5は、第1実施形態の圧力センサ10の製造方法を示す工程図である。図6は、組み付け前の筐体30と、素子部50と、ダイアフラム40と、伝達部80と、を表わす説明図である。
図5に示すように、まず、素子部50の準備工程S12では、電極板53の端子部56を折り曲げ、ケーブル60を溶接し(ステップS122)、素子部50の各構成部材(圧電素子51、電極板53、および絶縁板55が各1個ずつと、第1パッキン52および第2パッキン54が各2個ずつ)を積層し、熱収縮チューブで固定する(ステップS124)。次に、筐体30(図6)内に、ステップS124で固定された素子部50(図6)を挿入し(ステップS14)、伝達部固定工程S16を実施する。
伝達部固定工程S16では、ダイアフラム40(図6)の外周と筐体30とを溶接して、ダイアフラム40を筐体30に固定する(ステップS162)。その後、伝達部80(図6)をダイアフラム40の孔部41に挿入し(ステップS164)、筐体30の先端側から所定の荷重で伝達部80を押圧し、圧電素子51を支持板32に押しつけて、圧電素子51に所定の予荷重を付与する(ステップS166)。ここで、圧電素子51に付与される予荷重は、圧電素子51が発生する電荷に基づいて調整される。圧電素子51に所定の予荷重が付与された状態で、ダイアフラム40の第1の突出部44と伝達部80とを溶接する(ステップS168)。この伝達部固定工程S16によって、伝達部80がダイアフラム40を介して筐体30に固定され、圧電素子51に所定の予荷重が付与された状態が保持される。
その後、金具20と筐体30とを溶接し(ステップS18)、ケーブル60の接地導線76を金具20に溶接する(ステップS20)。そして、金具20の内部に溶融ゴムを充填してゴム層(不図示)を形成する(ステップS22)。金具20の内部にゴム層を形成することにより、圧力センサ10内の防水性が向上されるとともに、防振性が向上される。なお、溶融ゴムに代えて溶融樹脂を金具20の内部に充填してもよい。最後に、伝達部80の先端を所定の長さ(図2)になるように切削する(ステップS24)と、圧力センサ10が完成する。圧力センサ10の完成品において、圧電素子51には予荷重が付与されているため、圧電素子51の厚さは、組み付け前の厚さより薄い。
本実施形態では、伝達部80として、その長さが完成品における長さより長いものを用意し、上述の切削工程(ステップS24)において、ダイアフラム40から突出する伝達部80の長さが、所定の長さになるように切削している。圧力センサ10の先端側から伝達部80によって圧電素子51に予荷重を付与する場合、素子部50を構成する各部材の寸法ばらつき等により、ダイアフラム40から突出する伝達部80の長さが異なる場合がある。本実施形態の圧力センサ10の製造方法では、切削工程(ステップS24)を備えることにより、ダイアフラム40から突出する伝達部80の長さのばらつきを抑制することができる。なお、他の実施形態では、上述のステップS22およびステップS24の少なくともいずれか一方を省略してもよい。
本実施形態の圧力センサ10の製造方法によれば、筐体30の先端側から伝達部80によって圧電素子51に予加重を付与して、伝達部80をダイアフラム40を介して筐体30に固定することにより、付与された予荷重を保持している。そのため、筐体30の後端側からねじによって圧電素子51に予荷重を付与する場合に比較して、精度よく予荷重を付与することができる。また、筐体30の後端側には、剛性のある支持板32が形成されているため、伝達部80によって圧電素子51を支持板32に押しつけて圧電素子51に予荷重を付与する際に、支持板32が伝達部80からの荷重によって変形せず、精度よく圧電素子に予荷重を付与することができる。
上述の金具20と筐体30、筐体30とダイアフラム40、およびダイアフラム40と伝達部80とは、レーザ溶接によって接合されている。レーザ溶接に用いるレーザ光としては、YAGレーザあるいは炭酸ガスレーザを用いることができ、筐体30に対して所望の角度でレーザ照射ができればよい。
A−3.ダイアフラムと伝達部とのレーザ溶接:
本実施形態では、ダイアフラム40と伝達部80との溶接は、第1の突出部44の全周に亘ってレーザを照射することにより行なっており、レーザによってダイアフラム40と伝達部80とが溶け合って形成された接合部は円環状に形成されている。同様に、ダイアフラム40と筐体30との溶接は、ダイアフラム本体42の全周に亘ってレーザを照射することにより行なっており、接合部は円環状に形成されている。その結果、筐体30内の気密性が確保されている。レーザ溶接を行なう際の発振方式は、断続的にレーザ光を照射するパルスレーザと、連続的にレーザ光を照射するCWレーザとのいずれであってもよく、接合部が円環状に連続して形成されて、筐体30内の気密性が確保されていればよい。以下、ダイアフラム40と伝達部80との接合部を例に挙げて、レーザの照射方向について説明する。
図7は、レーザの照射方向を推定する方法を示す説明図である。図7では、圧力センサ10の軸線OLを通る断面の内、接合部90付近を拡大して示している。以下の説明において、図7に示す接合部90とダイアフラム40との境界のうち、後端側の境界を直線に近似した仮想的な境界線を境界線L1,先端側の境界を直線に近似した仮想的な境界線を境界線L2とし、境界線L1からの距離と境界線L2からの距離とが同じである点の集合である仮想直線を平均線Laとし、軸線OLに直交する仮想直交線を直交線Lvとする。図7において、上述の平均線Laと直交線Lvとがなす角度θc1が、レーザの照射方向(入射角θ1)と略一致すると考えられる。そのため、接合部90の平均線Laと直交線Lvとがなす角度θc1がレーザの入射角θ1と推定できる。本実施形態において、レーザの入射角θ1は、−60°≦θ1≦60°が好ましい。この数値の根拠については、後述する。なお、本明細書では、図7において、直交線Lvを基準に時計回りをプラスの角度、反時計回りをマイナスの角度で表している。図7には、レーザ入射角θ1=60°の例を図示している。レーザ入射角θ1がプラスの場合には、接合部90の断面形状は、後端側に凸の形状となる。本実施形態における「境界線L1」が請求項における「第1の仮想第1境界線」に相当し、「境界線L2」が請求項における「第2の仮想第1境界線」に相当し、「平均線La」が請求項における「仮想第1平均線」に相当し、「直交線Lv」が請求項における「仮想直交線」に相当し、「角度θc1」が請求項における「第1の交差角度θc1」に相当する。
図8は、レーザ入射角θ1=0°の例を示す説明図、図9は、レーザ入射角θ1=−60°の例を示す説明図である。図8に示すように、レーザ入射角θ1=0°の場合は、平均線Laが、直交線Lvと一致し、平均線Laと直交線Lvとがなす角度θc1が0°となる。このとき、レーザ照射方向は、軸線OLに垂直な方向である。図9に示すように、レーザ入射角θ1がマイナスの場合には、接合部90の断面形状は、先端側に凸の形状となる。
ダイアフラム40と伝達部80とのレーザ溶接時のレーザ入射角θ1と圧力センサ10の感度ばらつきとの関係を調べるために、以下の試験を行った。
<サンプル>
レーザ入射角θ1を、0°,10°,20°,30°,40°,50°,60°,70°,80°とした、9種類(サンプル1〜9)の圧力センサ10を、各種類(各サンプル)ごとに10本ずつ用意した。
<試験方法>
常温(25℃)において、加圧チャンバ−内にサンプルを取付け、2MPaの加圧と除圧(0MPa)を10回繰り返し、加圧時の出力電圧に基づいて、感度ばらつきを調べた。感度ばらつきは、下記式(1)によって算出した。
感度ばらつき(%)=(出力電圧最大値−出力電圧最小値)/出力電圧平均値×100 … (式1)
上記(式1)において、出力電圧最大値,出力電圧最小値,および出力電圧平均値は、10回の加圧時の出力電圧の平均値を用いている。
図10は、レーザ溶接におけるレーザ入射角と圧力センサ10の感度ばらつきとの関係を示す説明図である。本実施形態の圧力センサ10を使用する場合、通常、感度ばらつきを20%以内に収めることを目標としている。このようにすると、圧電素子51の電荷に基づいて内燃機関の燃焼圧を検出するための集積回路(不図示)における補正と合わせて、検出誤差を±5%以内に抑えることができるからである。図10に示すように、感度ばらつきを、20%以内に収めるには、レーザ入射角θ1を0°≦θ1≦60°の範囲に設定すればよいことがわかる。なお、同様に、レーザ入射角θ1を−60°〜0°の範囲で、10°刻みで変更したサンプルを用意し、上記と同様の試験を行った結果、レーザ入射角θ1=0°の軸を基準に図10の左右を反転したような結果となった。以上から、レーザ入射角θ1を、−60°≦θ1≦60°とすれば、圧力センサ10の感度ばらつきを20%以内に収めることができるため、好ましいと言える。さらに、レーザ入射角θ1=0°とすると、感度ばらつきを10%以内に収めることができるため、より好ましいと言える。
なお、本実施形態では、ダイアフラム40と筐体30とを溶接する際のレーザ入射角は、約0°(レーザ照射方向が、ダイアフラム40のダイアフラム本体42の先端側の面と直交する。換言すると、レーザ照射方向が軸線OLと平行である。)である(図7)。
・他の例1:
図11は、第1実施形態における筐体の他の例を概略的に示す断面図である。図11では、圧力センサ10Aの先端側の一部を拡大して図示している。この例の筐体30Aは、先端に、ダイアフラム40のダイアフラム本体42の外径と略同一の径の凹部38を備える。この例では、ダイアフラム本体42を、筐体30Aの凹部38に嵌合させてダイアフラム40を筐体30Aに接合している。このようにしても、上記の圧力センサの製造方法により圧力センサ10Aを製造することができ、圧電素子51に精度よく予荷重を付与することができる。
B.第2実施形態:
図12は、本発明の第2実施形態としての圧力センサ10Bの先端部を拡大して概略的に示す断面図である。図13は、第2実施形態の圧力センサ10Bの製造方法を示す工程図である。第2実施形態の圧力センサ10Bは、第1実施形態の圧力センサ10と、製造方法が異なると共に、筐体の先端側の形状およびダイアフラムの形状が異なる。第1実施形態と同一の工程,および構成には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図12に示すように、筐体30Bは、先端側に薄肉状に形成された薄肉部39を備える。ダイアフラム40Bは、ダイアフラム本体42の外周に、軸線OL方向に平行に筐体30Bの内側に突出した環状の第2の突出部45を備える。換言すると、第2の突出部45は、ダイアフラム本体42から後端側に向かって突出して形成されている。第2実施形態では、ダイアフラム40のダイアフラム本体42の外径が、筐体30Bの内径と略一致し、ダイアフラム40の第2の突出部45が、筐体30Bの内側面に接触する。後述するように、ダイアフラム40の第2の突出部45が筐体30Bの内側面にレーザ溶接によって接合されることにより、ダイアフラム40が筐体30Bに固定される。
本実施形態において、ダイアフラム40Bの第2の突出部45と、筐体30Bとをレーザ溶接する際のレーザ入射角θ2は、−60°≦θ2≦60°とするのが好ましい。このようにすると、第1実施形態における接合部90の場合と同様に、圧力センサ10Bの感度ばらつきを抑制することができる。なお、レーザ入射角θ2は、第1実施形態において説明したのと同様の方法により推定することができる。以下の説明において、図12に示す接合部92Bとダイアフラム40Bとの境界のうち、後端側の境界を直線に近似した仮想的な境界線を境界線L1,先端側の境界を直線に近似した仮想的な境界線を境界線L2とし、境界線L1からの距離と境界線L2からの距離とが同じである点の集合である仮想直線を平均線Laとし、軸線OLに直交する仮想直交線を直交線Lvとする。図12において、上述の平均線Laと、直交線Lvとがなす角度θc2を、レーザ入射角θ2と推定できる。図12では、レーザ入射角θ2=0°の例を示している。本実施形態における「境界線L1」が請求項における「第1の仮想第2境界線」に相当し、「境界線L2」が請求項における「第2の仮想第2境界線」に相当し、「平均線La」が請求項における「仮想第2平均線」に相当し、「直交線Lv」が請求項における「仮想直交線」に相当し、「角度θc2」が請求項における「第2の交差角度θc2」に相当する。
図13に示すように、第2実施形態の圧力センサ10Bの製造方法では、伝達部固定工程(図13のステップS16A)における各工程(ステップS162〜168)の順序が第1実施形態と異なるものの、その他の工程は、上述の第1実施形態と同様である。伝達部固定工程S16Aでは、まず、伝達部80をダイアフラム40Bの孔部41に挿入し(ステップS164)、ダイアフラム40Bの第1の突出部44と伝達部80とを溶接して、伝達部80をダイアフラム40Bに固定する(ステップS168)。伝達部80がダイアフラム40Bに固定され、一体となった状態で、筐体30Bの先端側から所定の荷重で伝達部80を押圧し、圧電素子51を支持板32に押しつけて、圧電素子51に所定の予荷重を付与する(ステップS166)。なお、第1実施形態と同様に、圧電素子51に付与される予加重は、圧電素子51が発生する電荷に基づいて調整される。圧電素子51に所定の予荷重が付与された状態で、ダイアフラム40Bの第2の突出部45と筐体30とを溶接して、ダイアフラム40Bを筐体30Bに固定する(ステップS162)。
第1実施形態では、まず、ダイアフラム40と筐体30とが固定され、その後に伝達部80によって圧電素子51に予荷重が付与されて伝達部80とダイアフラム40とが固定されたが、第2実施形態では、まず、ダイアフラム40と伝達部80とが固定され、その後に伝達部80によって圧電素子51に予荷重が付与されてダイアフラム40と筐体30Bが固定される。すなわち、第1実施形態と第2実施形態とでは、伝達部80によって圧電素子51に予荷重が付与された状態で、伝達部80をダイアフラム40を介して筐体30に固定する際(伝達部固定工程)の各工程の順序が異なる。第2実施形態の圧力センサ10Bの製造方法によっても、第1実施形態と同様に、精度よく圧電素子51に予荷重を付与することができる。
例えば、第1実施形態の筐体30およびダイアフラム40(図2)の形状の場合には、伝達部80とダイアフラム40とが固定された状態で、伝達部80によって圧電素子51に予荷重を付与するために、伝達部80を圧力センサ10の後端側に向かって移動させると、ダイアフラム本体42が、筐体30の先端に当接するため、ダイアフラム本体42が変形しない状態で、圧電素子51に対して所定の予荷重を付与できない可能性がある。これに対し、本実施形態の圧力センサ10Bでは、ダイアフラム40Bのダイアフラム本体42の外径が筐体30Bの内径と略一致するため、ダイアフラム40を、筐体30B内(筐体軸孔31)に嵌挿可能である。そのため、伝達部80とダイアフラム40Bとが固定された状態で、伝達部80によって圧電素子51に予荷重を付与する場合に、ダイアフラム40Bが筐体30B内を軸線OL方向に変位することができ、所定の予荷重を圧電素子51に付与することができる。
また、筐体30Bは、先端側に薄肉状の薄肉部39を備え、ダイアフラム40Bの第2の突出部45と薄肉部39とをレーザ溶接により接合することにより、筐体30Bとダイアフラム40とを固定している。そのため、薄肉部39を備えない場合(例えば、第1実施形態の筐体30,30A)と比較して、レーザ溶接により容易に筐体30Bとダイアフラム40Bとを接合することができる。
図13に示した例では、伝達部固定工程(ステップS16A)において、伝達部80をダイアフラム40Bに挿通し(ステップS164)、伝達部80をダイアフラム40Bに固定している(ステップS168)が、ステップS164およびステップS168は、伝達部固定工程より前に実施してもよい。例えば、準備工程(ステップS12)より前に実施してもよい。また、予め伝達部80がダイアフラム40Bに挿通されて固定されたものを用意して、ダイアフラム40Bに固定された伝達部80を用いて、ステップS166を実施してもよい。
・他の例2:
図14は、第2実施形態におけるダイアフラムの他の例を概略的に示す断面図である。この例のダイアフラム40Cは、ダイアフラム本体42Cの外径が筐体30Bの内径より大きく、第2の突出部45Cの内径が筐体30Bの薄肉部39の外径と略一致する。そのため、ダイアフラム40Cは、筐体30Bの先端側に軸孔31を塞ぐように配置される。このようにしても、図12の例と同様に、伝達部80とダイアフラム40Cとが固定された状態で、伝達部80によって圧電素子51に予荷重を付与する場合に、ダイアフラム40Cが筐体30B内を軸線OL方向に変位することができ、所定の予荷重を圧電素子51に付与することができる。
C.第3実施形態:
図15は、本発明の第3実施形態としての圧力センサ10Dの先端部を拡大して概略的に示す断面図である。図16は、第3実施形態の圧力センサ10Dの製造方法を示す工程図である。第3実施形態の圧力センサ10Dは、ダイアフラム40Dが孔部を備えない点が、第1,2実施形態の圧力センサと異なる。すなわち、第1,2実施形態のダイアフラム40,40B,および40Cは、そのダイアフラム本体42,42Cは、略円環状であるのに対し、第3実施形態のダイアフラム40Dのダイアフラム本体42Dは、孔部を備えない略円盤状である。第3実施形態の圧力センサ10Dにおいて、ダイアフラム40Dが孔部を備えないため、圧力センサ10Dの製造方法は、第1,2実施形態の製造方法と異なる。第3実施形態の圧力センサ10Dの構成および製造方法において、第2実施形態と同一の構成,および工程には、第2実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
図15に示すように、ダイアフラム40Dは、ダイアフラム本体42Dと、第2の突出部45とを備える。ダイアフラム本体42Dは、外径が筐体30Bの内径と略一致する、孔部を備えない略円盤形の薄膜状を成す。ダイアフラム本体42Dは孔部を備えないため、伝達部80は、一端の端面がダイアフラム本体42の後端側(紙面上側)の面に接した状態で、レーザ溶接により接合されている。すなわち、伝達部80は、ダイアフラム40Dを構成する金属と伝達部80を構成する金属とを含む接合部90Dを介してダイアフラム40Dに固定されている。接合部90Dは、第1,2実施形態と同様に円環状に形成されている。また、ダイアフラム本体42Dの外径筐体30Bの内径と略一致する。
図16に示すように、第3実施形態の圧力センサ10Dの製造方法では、伝達部固定工程(図16のステップS16D)において、第2実施形態におけるステップS164およびステップS168に換えて、ステップS165が実施される。また、第2実施形態におけるステップS24を備えない。その他の工程は、第2実施形態と同様である。伝達部固定工程S16Dでは、まず、ダイアフラム40Dと伝達部80とが接合されたダイアフラム伝達部接合体48(図15)を用意する(ステップS165)。ステップS165では、伝達部80をダイアフラム40Dにレーザ溶接により接合して、ダイアフラム伝達部接合体48を作製してもよいし、予め、伝達部80とダイアフラム40Dとが接合されたダイアフラム伝達部接合体48を用意してもよい。筐体30Bの先端側から所定の荷重でダイアフラム伝達部接合体48を押圧し、伝達部80によって圧電素子51を支持板32に押しつけて、圧電素子51に所定の予荷重を付与する(ステップS166)。なお、第2実施形態と同様に、圧電素子51に付与される予加重は、圧電素子51が発生する電荷に基づいて調整される。圧電素子51に所定の予荷重が付与された状態で、ダイアフラム40Dの第2の突出部45と筐体30とを溶接して、ダイアフラム40Bを筐体30Bに固定する(ステップS162)。上述の通り、ダイアフラム40Dは、孔部を備えないため、ダイアフラム伝達部接合体48において、伝達部80はダイアフラム40Dより先端側に突出しない。そのため、第2実施形態におけるステップS24(伝達部80の先端を切削する工程)は不要である。
本実施形態の圧力センサ10Dにおいて、ダイアフラム40Dのダイアフラム本体42Dの外径が筐体30Bの内径と略一致するため、ダイアフラム40Dを、筐体30B内(筐体軸孔31)に嵌挿可能である。そのため、ダイアフラム伝達部接合体48によって圧電素子51に予荷重を付与する場合に、ダイアフラム40Dが筐体30B内を軸線OL方向に変位することができ、ダイアフラム40Dが変形しない状態で所定の予荷重を圧電素子51に付与し、予荷重を付与した状態でダイアフラム40Dを筐体30Bに固定することができる。その結果、第2実施形態と同様に、精度よく圧電素子51に予荷重を付与することができる。すなわち、孔部を備えないダイアフラム40Dを用いて、圧力センサ10Dの先端側から精度よく圧電素子51に予荷重を付与することができる。
また、伝達部80の先端を切削する工程(第2実施形態におけるステップS24)が不要になるため、製造工程が容易になる。
第3実施形態において、図14に示したダイアフラム40Cと同様に、ダイアフラム本体42Dの外径が筐体30Bの内径より大きく、第2の突出部45Cの内径が筐体30Bの薄肉部39の外径と略一致するようにダイアフラム40Dを形成してもよい。
D.変形例:
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、次のような変形も可能である。
(1)変形例1:
上記各実施形態では、筐体30とダイアフラム40との固定、ダイアフラム40と伝達部80との固定を、レーザ溶接により行ったが、アーク溶接や電子ビーム溶接など、他の溶接方法を採用しても良い。所望の角度で接合部90,92を形成することができればよい。
(2)変形例2:
上記各実施形態では、圧力センサ10は、その先端部に拡径部34が形成されて、拡径部34において内燃機関のシリンダヘッドに気密に接することとしたが、異なる構成としてもよい。圧力センサの先端部には拡径部を設けず、各実施形態の拡径部34よりも後端側、例えば金具20において、上記シリンダヘッドと気密に接するための部位を設けてもよい。
(3)変形例3:
上記各実施形態では、圧力センサ10は、内燃機関の燃焼圧を検出するために用いられていたが、異なる構成としてもよく、例えば、内燃機関以外の機器における空圧計等に適用することが可能である。
(4)変形例4:
上記第1実施形態では、接合部90を形成する際のレーザ入射角θ1を、−60°≦θ1≦60°とし、第2実施形態では、接合部92を形成する際のレーザ入射角θ2を、−60°≦θ2≦60°とする例を示したが、レーザ入射角θ1,θ2はこれに限定されない。但し、−60°≦θ≦60°とすると、感度ばらつきを抑えることができるため、好ましい。
(5)変形例5:
筐体30およびダイアフラム40の形状は、上記各実施形態に限定されない。例えば、上記各実施形態では、ダイアフラム40が第1の突出部44を備える例を示したが、第1の突出部44を備えなくてもよい。
図17は、変形例のダイアフラム40Eを概略的に示す断面図である。変形例のダイアフラム40Eは、第1実施形態のダイアフラム40におけるダイアフラム本体42のみを備える。このようにダイアフラムが第1の突出部44を備えない場合には、ダイアフラム本体42と伝達部80とを接合すればよい。
また、上記第2実施形態において示した筐体30Bやダイアフラム40B,40Cを用いて、第1実施形態の圧力センサの製造方法によって圧力センサを製造してもよい。
5h…孔部
10,10A,10B,10D…圧力センサ
20…第1金具
21…軸孔
22…ねじ部
24…工具係合部
30,30A,30B…筐体
31…筐体軸孔
32…支持板
34…拡径部
36…軸孔
37…先端面
38…凹部
39…薄肉部
40,40B,40E…ダイアフラム
41…孔部
42,42C,42D…ダイアフラム本体
44…第1の突出部
45,45C…第2の突出部
48…ダイアフラム伝達部接合体
50…素子部
51…圧電素子
52…第1パッキン
53…電極板
54…第2パッキン
55…絶縁板
56…端子部
57…円盤部
60…ケーブル
61…ジャケット
62…外部導体
63…導電コーティング
64…絶縁体
65…内部導体
72…熱収縮チューブ
74…細径導線
75…平板導線
76…接地導線
80…伝達部
82…伝達部本体
84…突起部
90,90D,90E,92,92A,92B,92C…接合部

Claims (6)

  1. 一端側に蓋状に支持板が形成された筒状の筐体と、
    前記筐体の他端側に設けられるダイアフラムと、
    前記ダイアフラムが受けた圧力に対応する電気信号を出力する圧電素子と、
    前記圧力を前記圧電素子に伝達する棒状の伝達部と、
    を備える圧力センサの製造方法であって、
    前記筐体の内部に前記圧電素子を収容する収容工程と、
    前記伝達部によって前記圧電素子を前記支持板に押しつけて、前記圧電素子に前記筐体の軸線方向の所定の予荷重を付与した状態で、前記伝達部を前記ダイアフラムを介して前記筐体に固定する伝達部固定工程と、をえ、
    前記ダイアフラムは孔部を備え、
    前記伝達部固定工程において、
    前記ダイアフラムを前記筐体に固定した後に、前記ダイアフラムの前記孔部に挿通されている前記伝達部により前記圧電素子に前記所定の予荷重を付与した状態で、前記伝達部を前記ダイアフラムに固定する、
    圧力センサの製造方法。
  2. 請求項に記載の圧力センサの製造方法であって、
    前記圧力センサにおいて、
    前記ダイアフラムは、前記孔部の外周に、自身の軸線方向に平行に前記筐体の外側に突出した環状の第1の突出部を備え、
    前記伝達部固定工程において、
    レーザ溶接により前記伝達部を前記ダイアフラムの前記第1の突出部に固定し、前記レーザ溶接におけるレーザの第1入射角θ1を、前記軸線と直交する直交線に対して、−60°≦θ1≦60°とする、圧力センサの製造方法。
  3. 請求項に記載の圧力センサの製造方法であって、
    前記レーザの第1入射角θ1は0度である、圧力センサの製造方法。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の圧力センサの製造方法であって、
    前記圧力センサにおいて、
    前記ダイアフラムは、自身の外周に、自身の軸線方向に平行に前記筐体の内側に突出した環状の第2の突出部を備え、
    前記伝達部固定工程において、
    レーザ溶接により前記ダイアフラムの前記第2の突出部を前記筐体の側面に固定し、前記レーザ溶接におけるレーザの第2入射角θ2を、前記軸線と直交する直交線に対して、−60°≦θ2≦60°とする、圧力センサの製造方法。
  5. 請求項に記載の圧力センサの製造方法であって、
    前記レーザの第2入射角θ2は0度である、圧力センサの製造方法。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の圧力センサの製造方法であって、
    前記伝達部固定工程の後に、さらに、
    前記ダイアフラムより前記筐体の外側に突出している前記伝達部の少なくとも一部を切削する切削工程と、
    を備える、圧力センサの製造方法。
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