JP7016310B2 - 圧力検出装置 - Google Patents

圧力検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7016310B2
JP7016310B2 JP2018185836A JP2018185836A JP7016310B2 JP 7016310 B2 JP7016310 B2 JP 7016310B2 JP 2018185836 A JP2018185836 A JP 2018185836A JP 2018185836 A JP2018185836 A JP 2018185836A JP 7016310 B2 JP7016310 B2 JP 7016310B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
end side
rear end
housing
tip
insulating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018185836A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020056611A (ja
Inventor
慎吾 佐藤
貴之 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Citizen Fine Device Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Citizen Fine Device Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd, Citizen Fine Device Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP2018185836A priority Critical patent/JP7016310B2/ja
Publication of JP2020056611A publication Critical patent/JP2020056611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7016310B2 publication Critical patent/JP7016310B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Description

本発明は、検出素子を用いて圧力を検出する圧力検出装置に関するものである。
内燃機関等の燃焼室内の圧力を検出する圧力検出装置として、圧電素子等の検出素子を使用したものが提案されている。
例えば特許文献1には、筒状の内側ハウジングと、内側ハウジングの内部に収容され外部から受けた圧力に応じた信号を出力する圧電素子と、内側ハウジングを内部に収容する外側ハウジングとを備え、内側ハウジングと外側ハウジングとを電気的に絶縁した圧力検出装置が記載されている。この圧力検出装置は、内部ハウジングを圧電素子の電気経路として利用し、内部ハウジングと外部ハウジングとを電気的に絶縁することで、外部からのノイズの侵入を防ぐことを目的とした圧力検出装置である。
特開2017-173122号公報
特許文献1に記載される従来の圧力検出装置において、内側ハウジングと外側ハウジングと間の絶縁は、内側ハウジングと外側ハウジングの固定部に絶縁皮膜(絶縁部材)を配し、固定部以外の箇所においては両者の間にエアギャップ(空隙)を設けることで実現している。しかし、内燃機関等に取り付けられる圧力検出装置は大きさに制約があり、内側ハウジングと外側ハウジングとの間に大きな空隙を形成することが困難である。そのため、圧力検出装置内部への導電性異物の混入や、内側ハウジングと外側ハウジングの少なくとも一方にバリ等があると、異物やバリを導電経路として内側ハウジングと外側ハウジングとの間で短絡が発生し、圧力検出装置の出力にノイズが重畳してしまうことがある。
本発明は、以上の問題点に鑑みたもので、外部からのノイズの重畳を抑制した圧力検出装置を提供する。
圧力の変化を検出する圧力検出部と、導電性を有し且つ前記圧力検出部を内部に収容する第1筐体と、外部からの圧力を受ける受圧部を備えるとともに、導電性を有し且つ前記第1筐体を内部に収容する第2筐体と、を備え、前記第1筐体と前記第2筐体とは、前記第1筐体と前記第2筐体との間に配置された絶縁部材を介して固定されるとともに、前記第1筐体と前記第2筐体とを離間する空隙により電気的に絶縁されており、前記空隙をもって向かい合う前記第1筐体の外表面と前記第2筐体の内表面の少なくとも一方に絶縁皮膜が形成されている圧力検出装置とする。
前記絶縁皮膜は複数の皮膜が積層された積層絶縁膜である圧力検出装置であってもよい。
前記絶縁皮膜は前記第1筐体より弾性限界が大きい圧力検出装置であってもよい。
前記第1筐体は開口部を備え、当該開口部を通して前記受圧部と前記圧力検出部とが当接しており、前記開口部の内壁には前記絶縁皮膜が形成されていない圧力検出装置であってもよい。
本発明によれば、外部からのノイズの重畳を抑制した圧力検出装置を提供することができる。
実施の形態に係る圧力検出システム1の概略構成図である。 実施の形態に係る圧力検出装置の断面図である。 実施の形態に係る圧力検出装置の先端側の拡大断面図である。 加圧部材に絶縁皮膜を形成する方法を説明するための図である。 絶縁皮膜に異物が混入した模式図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[圧力検出システムの構成]
図1は、実施の形態に係る圧力検出システム1の概略構成図である。この圧力検出システム1は、内燃機関10における燃焼室C内の圧力(燃焼圧)を検出する圧力検出装置20と、圧力検出装置20に対する給電を行うとともに圧力検出装置20が検出した圧力に基づいて内燃機関10の動作を制御する制御装置80と、圧力検出装置20と制御装置80とを電気的に接続する接続ケーブル90とを備えている。
ここで、圧力の検出対象となる内燃機関10は、内部にシリンダが形成されたシリンダブロック11と、シリンダ内を往復運動するピストン12と、シリンダブロック11に締結されてピストン12等とともに燃焼室Cを構成するシリンダヘッド13とを有している。また、シリンダヘッド13には、燃焼室Cと外部とを連通する取付孔13aが設けられている。そして、この取付孔13aに、圧力検出装置20を挿入し固定することで、内燃機関10に対して圧力検出装置20を取り付けている。ここで、内燃機関10を構成するシリンダブロック11、ピストン12およびシリンダヘッド13は、鋳鉄やアルミニウム等、導電性を有する金属材料で構成されている。
[圧力検出装置の構成]
図2は、圧力検出装置20の断面図である。図3は、圧力検出装置20の先端側の拡大断面図である。
本実施の形態の圧力検出装置20は、外部に露出する筐体部30と、圧力を検出するための各種機構を含み、ほぼ全体が筐体部30に収容されるとともに一部(後述する接続部材54)が外部に露出するように設けられる検出機構部40と、筐体部30の外周面に取り付けられるシール部70とを有している。そして、この圧力検出装置20は、図1に示す内燃機関10に対し、図2における左側(筐体部30が露出する部位)が燃焼室C(図1において下側)を向くとともに、図2における右側(検出機構部40が露出する部位)が外部(図1において上方)を向くように取り付けられる。また、この状態において、シール部70は、シリンダヘッド13に設けられた取付孔13aの内部に位置する。なお、以下の説明では、図2において、図中左に向かう側を圧力検出装置20の「先端側」と称し、図中右に向かう側を圧力検出装置20の「後端側」と称する。また、以下の説明では、図2に一点鎖線で示す圧力検出装置20の中心線方向を、単に中心線方向と称する。
[筐体部の構成]
筐体部30は、先端側筐体31と、先端側筐体31の先端側に取り付けられたダイアフラム32と、先端側筐体31の後端側に取り付けられた後端側筐体33とを備えている。
(先端側筐体)
先端側筐体31は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。この先端側筐体31は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。
この先端側筐体31は、相対的に先端側に位置する第1先端側筐体311と、相対的に後端側に位置する第2先端側筐体312とを有している。ここで、先端側筐体31では、第1先端側筐体311の後端側の外周面と、第2先端側筐体312の先端側の内周面とを、レーザ溶接することで、両者を一体化させる構成となっている。そして、第1先端側筐体311の先端側には、レーザ溶接によってダイアフラム32が取り付けられるとともに、第2先端側筐体312の後端側には、はめ合いによって後端側筐体33が取り付けられる。
ここで、第1先端側筐体311の外周面には、シール部70を構成する第1シール部材71(詳細は後述する)を装着するための凹部311aが設けられている。さらに、凹部311aは、凹部311aの中心線方向の中央部の直径が大きく、この中央部を頂点とし凹部311aの先端側および後端側に向かって直径が小さくなる凸部311cが設けられている。また、第1先端側筐体311の内部には、先端側において第1の直径に設定された部位と、後端側において第1の直径よりも大きい第2の直径に設定された部位とが存在しており、これら2つの部位の境界には、両者を接続する内側段差部311bが設けられている。
一方、第2先端側筐体312の外周面には、第1シール部材71とともにシール部70を構成する第2シール部材72(詳細は後述する)を装着するための凹部312aが設けられている。また、第2先端側筐体312の外周面のうち、上記凹部312aよりも後端側には、外側に突出するリング状のリブ部312bが設けられている。このリブ部312bは、圧力検出装置20を内燃機関10(より具体的にはシリンダヘッド13)に固定するために用いられる。
(ダイアフラム)
ダイアフラム32は、全体として円板状を呈する部材である。このダイアフラム32は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。特に、この例では、ダイアフラム32および上記先端側筐体31を、同じ材料で構成している。
このダイアフラム32は、先端側における中央部に凹部32bが形成されるとともに、外部(燃焼室C側)に露出することで圧力を受ける圧力受面(表面)32aと、圧力受面32aの裏側となる裏面を環状に切り欠くことによって設けられた凹部32cと、凹部32cの存在により、結果として圧力受面32aの中央部(凹部32bの形成部位)から後端側に突出する凸部32dとを有している。このダイアフラム32は、第1先端側筐体311における先端側の開口部を塞ぐように設けられている。そして、ダイアフラム32と第1先端側筐体311との境界部には、外周面の一周にわたってレーザ溶接が施されている。
(後端側筐体)
後端側筐体33は、中空構造を有し且つ全体として筒状を呈する部材である。この後端側筐体33は、導電性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。ただし、内燃機関10に圧力検出装置20を装着した状態において、後端側筐体33は、内燃機関10の外部に位置することから、上述した先端側筐体31よりも耐熱性および耐酸性が低い材料を用いることができる。
この後端側筐体33は、相対的に先端側に位置する第1後端側筐体331と、相対的に後端側に位置する第2後端側筐体332とを有する。ここで、後端側筐体33では、第1後端側筐体331の後端側の内周面に、第2後端側筐体332の先端側の外周面をはめ込むことで、両者を一体化させる構成となっている。そして、第1後端側筐体331の先端側には、はめ合いによって先端側筐体31(より具体的には第2先端側筐体312)が取り付けられるとともに、第2後端側筐体332の後端側には、はめ込みによって接続部材54(詳細は後述する)が取り付けられる。
[検出機構部の構成]
検出機構部40は、圧電素子41と、先端電極部材42と、第1後端電極部材43と、第2後端電極部材44とを備えている。また、検出機構部40は、絶縁リング45と、第1コイルバネ46と、伝導部材47と、保持部材48とを備えている。さらに、検出機構部40は、加圧部材49と、支持部材50と、第2コイルバネ51と、収容部材52とを備えている。さらにまた、検出機構部40は、回路基板53と、接続部材54と、接地板55と、Oリング56とを備えている。また、検出機構部40は、突き当てパイプ57を備えている。そして、検出機構部40は、絶縁パイプ60と、第1絶縁部材61と、第2絶縁部材62と、第3絶縁部材63とを備えている
(圧電素子)
圧力検出素子の一例としての圧電素子41は、全体として円柱状を呈する部材である。この圧電素子41は、圧電縦効果の圧電作用を示す圧電体を備えている。圧電縦効果とは、圧電体の電荷発生軸と同一方向の応力印加軸に外力を加えると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生することをいう。この圧電素子41は、先端側筐体31の内側であって、ダイアフラム32の後端側に配置されている。この圧電素子41は、中心線方向が応力印加軸の方向となるように、先端側筐体31内に収容されている。ここで、圧電素子41は、先端側筐体31の内部に設けられた加圧部材49の内側であって、この加圧部材49の内部に設けられた絶縁パイプ60の内側に配置されている。また、圧電素子41の外径は、この圧電素子41を内部に収容する絶縁パイプ60の内径よりもわずかに小さい。そして、圧電素子41の先端側の面は、先端電極部材42の後端側の面と接触している。一方、圧電素子41の後端側の面は、第1後端電極部材43の先端側の面と接触している。また、圧電素子41の外周面は、絶縁パイプ60の内周面と対峙している。このように、加圧部材49の内周面と圧電素子41の外周面との間に、絶縁パイプ60を設けることにより、加圧部材49および圧電素子41は、直接には接触しない。
次に、圧電素子41に圧電横効果を利用した場合を例示する。圧電横効果とは、圧電体の電荷発生軸に対して直交する位置にある応力印加軸に外力を加えると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生することをいう。薄板状に薄く形成した圧電体を複数枚積層して構成しても良く、このように積層することで、圧電体に発生する電荷を効率的に集めてセンサの感度を上げることができる。圧電素子41で使用可能な圧電体としては、圧電縦効果および圧電横効果を有するランガサイト系結晶(ランガサイト、ランガテイト、ランガナイト、LTGA)や水晶、ガリウムリン酸塩などを使用することを例示することができる。なお、本実施の形態の圧電素子41では、圧電体としてLTGA単結晶を用いている。
(先端電極部材)
先端電極部材42は、全体として円柱状を呈する部材である。この先端電極部材42は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。また、先端電極部材42の先端側の面における中央部には、アルミナやジルコニア等を含む、絶縁性を呈するセラミックス材料をコートしてなる絶縁皮膜42aが形成されている。ここで、絶縁伝達部の一例としての絶縁皮膜42aは、例えば円形状を呈するようになっており、その直径は、ダイアフラム32の裏面に設けられた凸部32dの直径よりも大きく、加圧部材49の先端側に設けられた開口部の直径よりも小さい。
この先端電極部材42は、先端側筐体31の内部に設けられた加圧部材49の内側に配置されている。そして、先端電極部材42は、ダイアフラム32の後端側であって、圧電素子41の先端側に配置されている。ただし、先端電極部材42は、上述した圧電素子41とは異なり、絶縁パイプ60内に収容されていない。また、先端電極部材42の外径は、この先端電極部材42を内部に収容する加圧部材49の内径よりもわずかに小さい。そして、先端電極部材42の先端側の面のうち、絶縁皮膜42aが設けられている中央部の領域は、ダイアフラム32の裏面に設けられた凸部32dの後端側の面と接触している。また、先端電極部材42の先端側の面のうち、絶縁皮膜42aが設けられていない周縁部の領域は、加圧部材49の先端側に設けられた開口部の裏側の面に接触している。一方、先端電極部材42の後端側の面は、圧電素子41の先端側の面に接触している。また、先端電極部材42の外周面は、加圧部材49の内周面と対峙している。
(第1後端電極部材)
第1後端電極部材43は、全体として円板状を呈する部材である。この第1後端電極部材43は、導電性を有するとともに耐熱性が高く、圧電素子41との熱膨張差が小さいステンレス等の金属材料によって構成されている。
この第1後端電極部材43は、先端側筐体31の内部に設けられた加圧部材49の内側に配置されている。そして、第1後端電極部材43は、圧電素子41の後端側であって、第2後端電極部材44の先端側に配置されている。ここで、第1後端電極部材43は、加圧部材49の内部に設けられた絶縁パイプ60の内側に配置されている。また、第1後端電極部材43の外径は、圧電素子41の外径とほぼ同じであって、絶縁パイプ60の内径よりもわずかに小さい。そして、第1後端電極部材43の先端側の面は、圧電素子41の後端側の面と接触している。一方、第1後端電極部材43の後端側の面は、第2後端電極部材44の先端側の面と接触している。また、第1後端電極部材43の外周面は、絶縁パイプ60の内周面と対峙している。このように、加圧部材49の内周面と第1後端電極部材43の外周面との間に、絶縁パイプ60を設けることにより、加圧部材49および第1後端電極部材43は、直接には接触しない。
(第2後端電極部材)
第2後端電極部材44は、全体として独楽状を呈し、その断面がT字状を呈する部材である。この第2後端電極部材44は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。この第2後端電極部材44は、円板状を呈し且つ先端側に位置する本体部44aと、円柱状を呈し且つ本体部44aの後端側の面における中央部から後端側に向かって突出する第1凸部44bと、円柱状を呈し且つ第1凸部44bの後端からさらに後端側に向かって突出する第2凸部44cとを備えている。ここで、第1凸部44bの直径は本体部44aの直径よりも小さく、第2凸部44cの直径は第1凸部44bの直径よりも小さい。
この第2後端電極部材44は、先端側筐体31の内部に設けられた加圧部材49の内側に配置されている。ここで、第2後端電極部材44における本体部44aの先端側は、加圧部材49の内部に設けられた絶縁パイプ60の内側に配置されている。これに対し、第2後端電極部材44のこれよりも後端側となる部位は、この絶縁パイプ60の外側に配置されている。また、第2後端電極部材44における本体部44aの外径は、圧電素子41の外径とほぼ同じであって、絶縁パイプ60の内径よりもわずかに小さい。そして、第2後端電極部材44における本体部44aの先端側の面は、第1後端電極部材43の後端側の面と接触している。一方、本体部44aの後端側の面は、絶縁リング45の先端側の面と接触している。また、第2後端電極部材44における第1凸部44bの外周面は、その先端側が絶縁リング45の内周面と接触しており、その後端側がエアギャップを介して支持部材50の内周面と対峙している。さらに、第2後端電極部材44における第2凸部44cの外周面は、エアギャップを介して支持部材50の内周面と対峙しており、また、外周面に装着された第1コイルバネ46を介して伝導部材47に接触している。このように、加圧部材49の内周面と第2後端電極部材44の外周面との間に、絶縁パイプ60、エアギャップおよび絶縁リング45を設けることで、加圧部材49と第2後端電極部材44とは、直接には接触しない。また、支持部材50の内周面と第2後端電極部材44の外周面との間に、エアギャップを設けることで、支持部材50と第2後端電極部材44とは、直接には接触しない。
(絶縁リング)
絶縁リング45は、全体として環状を呈する部材である。この絶縁リング45は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。
この絶縁リング45は、先端側筐体31の内部に設けられた加圧部材49の内側に配置されている。そして、絶縁リング45は、第2後端電極部材44における本体部44aの後端側であって、支持部材50の先端側に位置している。ここで、絶縁リング45に設けられた貫通孔の内部には、第2後端電極部材44における第1凸部44bが配置されている。また、絶縁リング45の外径は、加圧部材49の内径よりもわずかに小さい。さらに、絶縁リング45の貫通孔の内径は、第2後端電極部材44における第1凸部44bの外径よりもわずかに大きい。そして、絶縁リング45の先端側の面は、第2後端電極部材44における本体部44aの後端側の面と接触している。一方、絶縁リング45の後端側の面は、支持部材50の先端側の面と接触している。また、絶縁リング45の外周面は、加圧部材49の内周面と対峙している。さらに、絶縁リング45の内周面は、第2後端電極部材44における第1凸部44bの外周面と対峙している。
(第1コイルバネ)
第1コイルバネ46は、全体として螺旋状を呈する部材であって、中心線方向に伸縮する。この第1コイルバネ46は、導電性を有するとともに先端側筐体31よりも導電性が高い真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。
この第1コイルバネ46は、先端側筐体31の内部に設けられており、加圧部材49の内側であって支持部材50の内側に配置されている。そして、第1コイルバネ46は、第2後端電極部材44の後端側であって、伝導部材47の先端側に配置されている。すなわち、第1コイルバネ46は、第2後端電極部材44と伝導部材47とに跨って配置されている。ここで、第1コイルバネ46の先端側は、第2後端電極部材44の第2凸部44cに巻き回されており、第1コイルバネ46の後端側は、伝導部材47の先端側に設けられた先端側凹部47a内に挿入されている。そして、第1コイルバネ46の内径は、第2後端電極部材44における第2凸部44cの外径よりも大きく且つ第1凸部44bの内径よりも小さい。一方、第1コイルバネ46の外径は、伝導部材47における先端側凹部47aの内径よりも小さい。その結果、第1コイルバネ46の先端は、第2後端電極部材44における第1凸部44bと第2凸部44cとの境界部(段差部)に突き当たっており、第1コイルバネ46の先端側は、第2後端電極部材44における第2凸部44cの外周面と接触している。これに対し、第1コイルバネ46の後端は、伝導部材47における先端側凹部47aの底部に突き当たっており、第1コイルバネ46の後端側は、伝導部材47における先端側凹部47aの内周面と接触している。また、第1コイルバネ46の外周は、エアギャップを介して支持部材50の内周面と対峙している。このように、支持部材50の内周面と第1コイルバネ46との間に、エアギャップを設けることで、支持部材50と第1コイルバネ46とは、直接には接触しない。
(伝導部材)
伝導部材47は、全体として棒状を呈する部材である。この伝導部材47は、導電性を有する真ちゅう等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。この伝導部材47には、その先端に、上述した先端側凹部47aが設けられており、その後端に、中心線方向の中央部よりも直径が小さく且つ後端側に向かって突出する後端側凸部47bが設けられている。
この伝導部材47は、先端側筐体31の内部に設けられており、先端部および後端部(後端側凸部47b)を除くほぼすべての部位が、保持部材48の内部に配置されている。また、伝導部材47の先端側は加圧部材49の内側に、伝導部材47の後端側は収容部材52の内側に、先端側と後端側との間に位置する中間部は第2コイルバネ51の内側に、それぞれ位置している。そして、伝導部材47は、第1コイルバネ46の後端側であって、回路基板53の先端側に配置されている。この伝導部材47は、保持部材48に中心線方向に沿って設けられた貫通孔を貫通するように配置されている。そして、伝導部材47の先端部(保持部材48に覆われていない部位)の外径は、保持部材48の内径よりも大きく、支持部材50の内径よりも小さい。さらに、伝導部材47の後端部(後端側凸部47b)の外径は、保持部材48に設けられた保持部の内幅とほぼ同じである。さらにまた、伝導部材47の中心線方向中央部の外径は、保持部材48の内径とほぼ同じである。そして、伝導部材47の先端側凹部47aには、第1コイルバネ46の後端側が挿入されることで、第1コイルバネ46と接触している。一方、伝導部材47の後端側凸部47bは、保持部材48に設けられた保持部にはめ込まれている。また、伝導部材47の先端部の外周面は、エアギャップを介して支持部材50の内周面と対峙している。さらに、伝導部材47の中心線方向中央部の外周面は、保持部材48およびエアギャップを介して第2コイルバネ51と対峙している。さらにまた、伝導部材47の後端部の外周面は、エアギャップおよび保持部材48を介して収容部材52の外周面と対峙している。このように、支持部材50の内周面と伝導部材47の外周面との間に、エアギャップおよび保持部材48を設けることにより、支持部材50および伝導部材47は、直接には接触しない。また、第2コイルバネ51の内周面と伝導部材47の外周面との間に、エアギャップおよび保持部材48を設けることにより、第2コイルバネ51および伝導部材47は、直接には接触しない。さらに、収容部材52の内周面と伝導部材47の外周面との間に、エアギャップを設けることにより、収容部材52および伝導部材47は、直接には接触しない。
(保持部材)
保持部材48は、先端側に位置し筒状を呈する部位と、後端側に位置し板状を呈する部位とを、一体化してなる部材である。この保持部材48は、絶縁性を有するPPT(Polypropylene Terephthalate:ポリプロピレンテレフタレート)等の合成樹脂材料によって構成された基材と、導電性を有する銅等の金属材料で構成された配線および端子等とを含んでいる。この保持部材48の先端側に位置する筒状の部位には、伝導部材47が収容され、この保持部材48の後端側に位置する板状の部位には、回路基板53が装着される。このように、保持部材48は、伝導部材47および回路基板53を保持する機能を有している。
保持部材48のうち、支持部材50、第2コイルバネ51および収容部材52と対向する部位(外周面)は、合成樹脂材料で構成されており、この部位に金属材料を露出させないようになっている。また、保持部材48のうち、伝導部材47の先端部と後端部との間に位置する中間部と対向する部位(内周面)も、合成樹脂材料で構成されており、この部位に金属材料を露出させないようになっている。また、保持部材48における筒状部の後端側には、金属材料で構成され、伝導部材47の後端側凸部47bをはめ込んで保持する保持部が設けられている。この保持部には、回路基板53の信号入力端子(図示せず)と電気的に接続するための配線が取り付けられている。
この保持部材48は、先端側筐体31の内部と後端側筐体33の内部とに跨って設けられている。また、保持部材48の先端側は加圧部材49の内側に、伝導部材47の後端側は収容部材52の内側に、先端側と後端側との間に位置する中間部は第2コイルバネ51の内側に、それぞれ位置している。そして、保持部材48は、絶縁リング45の後端側であって、接続部材54の先端側に配置されている。
保持部材48の先端側に位置する筒状の部位の外径は、支持部材50の内径よりも小さく、この被覆部材の後端側に位置する板状の部位の外径は、この部位における収容部材52の内径よりも小さい。また、保持部材48の筒状の部位の先端側の外周面は、エアギャップを介して支持部材50の内周面および第2コイルバネ51の内周面に対峙している。さらに、保持部材48の筒状の部位の後端側の外周面および板状部の部位の外周面は、収容部材52の内周面に接触しあるいはエアギャップを介して収容部材52の内周面に対峙している。
(加圧部材)
加圧部材49は、全体として筒状を呈する部材である。この加圧部材49は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。
本実施の形態の加圧部材49は、最も先端側に位置するとともに先端には開口部が設けられる先端筒状部491と、先端筒状部491の後端側に配置される中間筒状部492と、中間筒状部492の後端側であって最も後端側に位置する後端筒状部493とを備えている。この加圧部材49では、先端筒状部491および後端筒状部493よりも中間筒状部492の外径が大きくなっており、先端筒状部491よりも後端筒状部493の外径が大きくなっている。そして、加圧部材49は、先端筒状部491と中間筒状部492との境界部において両者を接続する先端段差部49bと、中間筒状部492と後端筒状部493との境界部において両者を接続する後端段差部49cとをさらに備えている。なお、加圧部材49の内径は、先端に設けられた開口部を除き、同じ大きさである。このため、この加圧部材49においては、中間筒状部492の肉厚が後端筒状部493の肉厚よりも大きく、且つ、後端筒状部493の肉厚が先端筒状部491の肉厚よりも大きくなっている。したがって、加圧部材49では、中間筒状部492が最も撓みにくくなっている一方、先端筒状部491が最も撓みやすく(バネとして機能しやすく)なっている。
また、加圧部材49のうち、先端筒状部491、先端段差部49b、中間筒状部492、後端段差部49cおよび後端筒状部493の各外周面には、絶縁性材料をコートしてなる絶縁皮膜49aが連続して形成されている。
絶縁皮膜49aは、4層の皮膜が積層した積層絶縁膜で構成されている。絶縁皮膜49aを構成する各層は、同一の材料、膜厚で構成されており、本実施の形態では、PTFEの20μmの皮膜を4層積層することで絶縁皮膜49aを形成している。なお、加圧部材49の先端側に設けられた開口部の内壁面には、絶縁皮膜49aは形成されていない。本実施の形態では、加圧部材49の先端側に設けられた開口部を通して、ダイアフラム32の凸部32dが先端電極部材42の絶縁皮膜42aと当接しているが、加圧部材49の先端側に設けられた開口部の内壁面に絶縁皮膜49aを形成した場合は開口部の角部等で絶縁皮膜49aのバリが発生しやすく、このバリがダイアフラム32の凸部32dと先端電極部材42の絶縁皮膜42aとの間に挟まり、ダイアフラム32の傾き等の不具合につながる。加圧部材49の先端側に設けられた開口部の内壁面に絶縁皮膜49aが形成されていないことで、この不具合の発生を防止することができる。
また、絶縁皮膜49aは、PTFE(Polytetrafluoroethylene:ポリテトラフルオロエチレン)等によって構成された合成樹脂材料からなる。絶縁皮膜49aとしては、絶縁性、耐熱性、放熱性が高い材料がよく、さらに、加圧部材49が撓む(バネとして機能する)ことを考慮し、加圧部材49より弾性限界の大きい材料で構成するとよい。絶縁皮膜49aを加圧部材49より弾性限界が高い材料で構成することで、加圧部材49の撓みにより発生する応力負荷によって絶縁皮膜49aが破断分離等することを防止できる。
ここで、絶縁皮膜49aの形成方法について説明する。図4は、加圧部材49に絶縁皮膜49aを形成する方法を説明するための図である。本実施の形態においては、絶縁皮膜49aはスプレーコート法により形成される。まず、絶縁皮膜49a形成前の加圧部材49をジグ101に設置する。ジグ101は円柱状の部材であり、外径が大きい第1円柱部101a、第1円中部101aより外径の小さい第2円柱部101b、第1円柱部101aと第2円柱部101bとを接続する段差部101cを備えている。第1円柱部101aの外径は、加圧部材49の内径よりわずかに小さく、第2円柱部101bの外径は、加圧部材49の先端側に設けられた開口部よりわずかに小さい。絶縁皮膜49a形成前の加圧部材49は、その先端側の開口部の内壁面がジグ101の第2円柱部101bの外周面と対峙し、その内周面が第1円柱部101aの外周面と対峙するようジグ101に挿入され、不図示のクランプによりジグ101と加圧部材49とが固定される。この状態で、絶縁皮膜49aの材料を含む塗料をノズル102より、塗料を加圧部材49に塗布する。塗料の塗布時には、ジグ101は不図示の回転機構により、ジグ101の中心軸を回転基準として回転させながら行う。本実施の形態における絶縁皮膜49aは、4層の皮膜が積層した積層皮膜であり、1層の塗布が終わったら塗料を焼成させ、焼成後、次の層を1層目と同様の方法により形成する。絶縁皮膜49aの最表面層である第4層目の形成まで終了したら、加圧部材49をジグ101から取り外す。この方法によると、加圧部材49の先端側に設けられた開口部の内壁面には、ジグ101の第2円柱部101bが挿入されているため、絶縁皮膜49aが形成されない。
この加圧部材49は、先端側筐体31の内部に、先端筒状部491が先端側となるように設けられている。加圧部材49の内部には、圧電素子41、先端電極部材42、第1後端電極部材43、第2後端電極部材44、絶縁リング45、支持部材50の先端側、絶縁パイプ60、第1コイルバネ46、伝導部材47の先端側および保持部材48の先端側が収容されている。そして、加圧部材49は、ダイアフラム32の後端側であって、収容部材52の先端側に配置されている。また、加圧部材49の外径は、先端筒状部491と中間筒状部492と後端筒状部493とで異なるが、すべての位置において先端側筐体31の内径よりも小さい。さらに、加圧部材49の内径は、先端電極部材42、絶縁パイプ60(圧電素子41、第1後端電極部材43、第2後端電極部材44、絶縁リング45)と対峙する部位では、これらの外径よりもわずかに大きく、支持部材50と対峙する部位では、支持部材50の外径とほぼ同じである。
ここで、加圧部材49の後端側に設けられた後端筒状部493の外周面と第1先端側筐体311の後端側の内周面との間には、突き当てパイプ57が配置されている。
そして、加圧部材49における先端筒状部491の先端側の面(開口部の表側の面)は、エアギャップを介してダイアフラム32の凹部32cと対峙している。一方、後端筒状部493の後端側は、エアギャップを介して第1絶縁部材61と対峙している。また、先端筒状部491の外周面は、エアギャップを介して第1先端側筐体311の内周面と対峙している。さらに、先端段差部49b、中間筒状部492および後端段差部49cの外周面は、絶縁皮膜49aに接触するとともに、絶縁皮膜49aを介して第1先端側筐体311の内周面と対峙している。さらにまた、後端筒状部493の外周面は、エアギャップを介して突き当てパイプ57の内周面と対峙している。このように、加圧部材49の外周面と第1先端側筐体311の内周面および突き当てパイプ57の内周面との間に、エアギャップおよび絶縁皮膜49aを設けることにより、加圧部材49と、第1先端側筐体311および突き当てパイプ57とは、直接には接触しない。
(支持部材)
支持部材50は、全体として筒状を呈する部材である。この支持部材50は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。
この支持部材50は、先端側筐体31の内部に設けられており、その先端側は加圧部材49の内側に、その後端側は加圧部材49の外側に、それぞれ位置している。また、支持部材50は、その内部に、第2後端電極部材44の後端側(第1凸部44bおよび第2凸部44c)、第1コイルバネ46、伝導部材47の先端側および保持部材48の先端側を収容している。そして、支持部材50は、絶縁リング45の後端側であって、収容部材52の先端側に配置されている。また、支持部材50の外径は、第1加圧部材37の内径とほぼ同じである。さらに、支持部材50の内径は、中心線方向の位置によって異なるが、第2後端電極部材44と対峙する部位においては第2後端電極部材44の外径よりも大きく、第1コイルバネ46と対峙する部位においては第1コイルバネ46の外径よりも大きく、伝導部材47と対峙する部位においては伝導部材47の外径よりも大きく、保持部材48と対峙する部位においては保持部材48の外径よりも大きい。そして、支持部材50の先端側の面(開口部の表側の面)は、絶縁リング45の後端側の面と接触している。一方、支持部材50の後端側の面は、エアギャップを介して収容部材52と対峙している。また、支持部材50の外周面の先端側は、加圧部材49の内周面と接触しており、支持部材50の外周面の後端側は、第2コイルバネ51の先端側と接触している。ここで、加圧部材49における後端側の内周面と、この部位と対峙する支持部材50の外周面とを、一周にわたってレーザ溶接することで得た第2溶接部59によって、加圧部材49と支持部材50とを接合し固定している。これに対し、支持部材50の内周面は、エアギャップを介して第2後端電極部材44、第1コイルバネ46、伝導部材47および保持部材48と対峙している。このように、支持部材50の内周面と、第2後端電極部材44、第1コイルバネ46、伝導部材47および保持部材48との間に、エアギャップを設けることにより、支持部材50と、第2後端電極部材44、第1コイルバネ46、伝導部材47および保持部材48とは、直接には接触しない。
(第2コイルバネ)
第2コイルバネ51は、全体として螺旋状を呈する部材であって、中心線方向に伸縮する。この第2コイルバネ51は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。このように、本実施の形態では、第1コイルバネ46と第2コイルバネ51とで、材質を異ならせている。
この第2コイルバネ51は、先端側筐体31の内部に設けられており、その先端側は支持部材50における後端側且つ外側に、その後端側は収容部材52における先端側且つ外側に、それぞれ位置している。すなわち、第2コイルバネ51は、支持部材50と収容部材52とに跨って配置されている。また、第2コイルバネ51の外径は、先端側筐体31(より具体的には第2先端側筐体312)の内径よりも小さい。さらに、第2コイルバネ51の内径は、支持部材50の後端側の外径および収容部材52の先端側の外径よりもわずかに小さい。そして、第2コイルバネ51の外周は、エアギャップを介して先端側筐体31の内周面と対峙している。このように、第2コイルバネ51の外周と先端側筐体31の内周面との間に、エアギャップを設けることで、第2コイルバネ51と先端側筐体31とは、直接には接触しない。
(収容部材)
収容部材52は、全体として筒状を呈する部材である。この収容部材52は、導電性を有するとともに先端側筐体31よりも導電性が高い真ちゅうやステンレス等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。
本実施の形態の収容部材52は、最も先端側に位置するとともに先端には開口部が設けられる第1筒状部521と、第1筒状部521の後端側に配置される第2筒状部522と、第2筒状部522の後端側に配置される第3筒状部523と、第3筒状部523の後端側に配置される第4筒状部524とを備えている。この収容部材52では、第1筒状部521、第2筒状部522、第3筒状部523および第4筒状部524の順で、外径が大きくなっている。すなわち、この収容部材52では、先端側から後端側に向かって、階段状(4段)に直径が大きくなっている。そして、収容部材52は、第1筒状部521と第2筒状部522との境界部において両者を接続する第1段差部52aと、第2筒状部522と第3筒状部523との境界部において両者を接続する第2段差部52bと、第3筒状部523と第4筒状部524との境界部において両者を接続する第3段差部52cとをさらに備えている。なお、この収容部材52は、上述した加圧部材49とは異なり、その肉厚が、中心線方向の位置によらず一定の大きさに設定されている。このため、加圧部材49では、第1筒状部521、第2筒状部522、第3筒状部523および第4筒状部524の順で、内径が大きくなっている。
この収容部材52は、先端側筐体31の内部と後端側筐体33の内部とに跨って、第1筒状部521が先端側となるように設けられている。収容部材52の内部には、伝導部材47の後端側、保持部材48の後端側、回路基板53および接地板55が収容されている。そして、収容部材52は、支持部材50の後端側であって、接続部材54の先端側に配置されている。また、収容部材52の外径は、第1筒状部521と第2筒状部522と第3筒状部523と第4筒状部524とで異なるが、すべての位置において先端側筐体31および後端側筐体33の内径よりも小さい。さらに、収容部材52の内径も、第1筒状部521と第2筒状部522と第3筒状部523と第4筒状部524とで異なるが、内部に収容される各部材の外径よりも大きい。
ここで、収容部材52における第2筒状部522の後端側および第2段差部52bと、第2先端側筐体312の内周面との間には、第1絶縁部材61が配置されている。また、収容部材52における第3筒状部523の後端側および第3段差部52cと、第2先端側筐体312の内周面との間には、第2絶縁部材62が配置されている。さらに、収容部材52における第4筒状部524と第1後端側筐体331との間には、第3絶縁部材63が配置されている。
そして、収容部材52における第1筒状部521の先端側の面(開口部の表側の面)は、エアギャップを介して支持部材50の後端側の面と対峙している。また、第1筒状部521は、第2コイルバネ51と接触している。一方、第4筒状部524の後端側は、保持部材48と対峙している。また、第1筒状部521および第1段差部52aの外周面は、エアギャップを介して第2先端側筐体312の内周面と対峙している。さらに、第2筒状部522の外周面は、エアギャップおよび第1絶縁部材61を介して第2先端側筐体312の内周面と対峙している。さらにまた、第2段差部52bは、第1絶縁部材61を介して第2先端側筐体312の内周面と対峙している。また、第3筒状部523の外周面は、エアギャップおよび第2絶縁部材62を介して第2先端側筐体312の内周面と対峙している。さらに、第3段差部52cの外周面は、第2絶縁部材62を介して第2先端側筐体312の内周面と対峙している。そして、第4筒状部524の外周面は、エアギャップを介して第2先端側筐体312の内周面と対峙し、且つ、エアギャップおよび第3絶縁部材63を介して第1後端側筐体331の内周面と対峙している。このように、収容部材52の外周面と、第2先端側筐体312および第1後端側筐体331との間に、エアギャップ、第1絶縁部材61、第2絶縁部材62および第3絶縁部材63を設けることで、収容部材52と、第2先端側筐体312および第1後端側筐体331とは、直接には接触しない。
(回路基板)
回路基板53は、全体として矩形板状を呈する部材である。この回路基板53は、受けた圧力に応じて圧電素子41が出力する微弱な電荷による電気信号に、電気回路を用いた各種処理を施すものであって、所謂プリント配線板によって構成されている。この回路基板53は、先端側筐体31の内部と後端側筐体33の内部とに跨って設けられている。また、回路基板53は、伝導部材47の後端側であって、接続部材54の先端側に配置されている。さらに、この回路基板53は、保持部材48に搭載されるとともにその全体が収容部材52の内側に配置されている。
この回路基板53には、圧電素子41から入力される入力信号(電荷信号)を積分して電圧信号に変換する積分回路と、積分回路から入力される電圧信号を増幅して出力信号とする増幅回路と、これら積分回路および増幅回路を構成するオペアンプ等の素子の電源となる電源回路とが搭載されている(すべて図示せず)。
(接続部材)
接続部材54は、全体として柱状を呈する部材である。この接続部材54は、絶縁性を有するPPT等の合成樹脂材料によって構成された基材と、導電性を有する銅等の金属材料で構成された配線および端子等とを含んでいる。ただし、接続部材54のうち、第2後端側筐体332と接触あるいは対峙する部位(外周面)は、合成樹脂材料で構成されており、この部位に金属材料を露出させないようになっている。また、接続部材54の後端側には、凹んだ形状を有するとともに後端側に向かって開口する開口部が設けられている。そして、この接続部材54の先端側には、先端側に向かって突出するとともに回路基板53と電気的に接続される基板側コネクタ54aが設けられている。一方、この接続部材54の後端側であって、上記開口部の内側には、後端側に向かって突出するとともに、図1に示す接続ケーブル90の接続対象となるケーブル側コネクタ54bが設けられている。また、接続部材54における先端側の外周面には、一周にわたって凹部が設けられており、この凹部には、Oリング56が取り付けられている。
この接続部材54は、その先端側が第2後端側筐体332の内側に、その後端側が第2後端側筐体332の外側に、それぞれ位置している。そして、接続部材54の外周面に取り付けられたOリング56は、第2後端側筐体332の内側において、第2後端側筐体332の内周面と接触している。
接続部材54の先端側に位置する筒状の部位の外径は、第2後端側筐体332の内径よりも小さい。これに対し、接続部材54の後端側に位置する筒状の部位の外径は、第2後端側筐体332の外径とほぼ同じである。また、接続部材54の先端側は、エアギャップあるいはOリング56を介して第2後端側筐体332の内周面と対峙している。
(接地板)
接地板55は、全体として帯状を呈する部材である。この接地板55は、導電性を有するリン青銅等の金属材料によって構成されており、その表面には金めっきが施されている。
この接地板55は、先端側筐体31の内部と後端側筐体33の内部とに跨って設けられており、その先端は収容部材52の内部であって回路基板53の上方に位置し、その後端は収容部材52の後端よりも後端側に突出している。そして、接地板55の先端側は、回路基板53の接地端子(図示せず)と電気的に接続され、接地板55の後端側は、収容部材52における第4筒状部524の内周面と電気的に接続されている。
(Oリング)
Oリング56は、全体として環状を呈する部材である。このOリング56は、絶縁性を有するとともに耐熱性、耐透湿性および耐酸性が高いPTFE等の合成樹脂材料によって構成されている。
このOリング56は、接続部材54の外周面に取り付けられており、第2後端側筐体332に接続部材54を取り付けた際に、接続部材54の外周面と第2後端側筐体332の内周面とに挟まれるようになっている。
(突き当てパイプ)
固定部材の一例としての突き当てパイプ57は、全体として筒状を呈する部材である。この突き当てパイプ57は、導電性を有するとともに耐熱性が高いステンレス等の金属材料によって構成されている。
この突き当てパイプ57は、先端側筐体31において第1先端側筐体311と第2先端側筐体312とが重なる領域の内部であって、第1先端側筐体311の内側に配置されている。そして、突き当てパイプ57は、加圧部材49における中間筒状部492の後端側であって、第1絶縁部材61の先端側に位置している。また、突き当てパイプ57の外径は、この突き当てパイプ57を収容する第1先端側筐体311における後端側の内径とほぼ同じである。一方、突き当てパイプ57の内径は、加圧部材49における後端筒状部493の外径よりも大きい。そして、突き当てパイプ57の先端側の面は、加圧部材49における後端段差部49c(絶縁皮膜49aの形成面)と接触している。一方、突き当てパイプ57の後端側の面は、エアギャップを介して第1絶縁部材61の先端側の面と対峙している。また、突き当てパイプ57の外周面は、第1先端側筐体311における後端側の内周面と接触している。ここで、第1先端側筐体311における後端側の内周面と、この部位と対峙する突き当てパイプ57の外周面とを、一周にわたってレーザ溶接することで得た第1溶接部58によって、1先端側筐体311と突き当てパイプ57とを接合し固定している。これに対し、突き当てパイプ57の内周面は、エアギャップを介して加圧部材49における後端筒状部493の外周面と対峙している。このように、加圧部材49における後端段差部49bおよび後端筒状部493と、突き当てパイプ57との間に、絶縁皮膜49aおよびエアギャップを設けることにより、突き当てパイプ57と加圧部材49とは、直接には接触しない。
(第1溶接部)
第1溶接部58は、第1先端側筐体311における後端側の内周面と、突き当てパイプ57の外周面とを、一周にわたってレーザ溶接することで形成される部位である。
(第2溶接部)
第2溶接部59は、加圧部材49における後端側の内周面と、支持部材50の外周面とを、一周にわたってレーザ溶接することで形成される部位である。
(絶縁パイプ)
絶縁パイプ60は、全体として円筒状を呈する部材である。この絶縁パイプ60は、絶縁性を有するLCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマ)等の合成樹脂材料によって構成されている。この絶縁パイプ60は、先端側筐体31の内部に設けられた加圧部材49の内側に配置されている。この絶縁パイプ60の内部には、圧電素子41、第1後端電極部材43および第2後端電極部材44における本体部44aの先端側が収容されている。そして、絶縁パイプ60は、先端電極部材42の後端側であって絶縁リング45の先端側に位置している。また、絶縁パイプ60の外径は、加圧部材49の内径よりもわずかに小さい。さらに、絶縁パイプ60の内径は、圧電素子41、第1後端電極部材43、第2後端電極部材44における本体部44aのそれぞれの外径よりもわずかに大きい。そして、絶縁パイプ60の先端側は、先端電極部材42の後端側の面に対峙している。一方、絶縁パイプ60の後端側は、絶縁リング45の先端側の面に対峙している。また、絶縁パイプ60の外周面は、加圧部材49の内周面と対峙している。さらに、絶縁パイプ60の内周面は、圧電素子41、第1後端電極部材43および第2後端電極部材44における本体部44aの外周面と対峙している。このように、加圧部材49と、圧電素子41、第1後端電極部材43および第2後端電極部材44における本体部44aとの間に、絶縁パイプ60および絶縁パイプ60によるエアギャップを設けることにより、加圧部材49と、第1後端電極部材43および第2後端電極部材44とは、直接には接触しない。
(第1絶縁部材)
第1絶縁部材61は、先端側が筒状を呈し、後端側が環状を呈する部材である。この第1絶縁部材61は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。
この第1絶縁部材61は、先端側筐体31の内部に配置されている。そして、第1絶縁部材61は、収容部材52における第2筒状部522および第2段差部52bの外側に配置されている。また、第1絶縁部材61の外径は、対応する部位の第2先端側筐体312の内径よりもわずかに小さく、第1絶縁部材61の内径は対応する部位の収容部材52の外径よりもわずかに大きい。そして、第1絶縁部材61の外周面は、第2先端側筐体312と接触しており、第1絶縁部材61の内周面は、収容部材52と接触している。
(第2絶縁部材)
第2絶縁部材62は、全体として環状を呈する部材である。この第2絶縁部材62は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。
この第2絶縁部材62は、先端側筐体31の内部であって第1絶縁部材61よりも後端側となる位置に配置されている。そして、第2絶縁部材62は、収容部材52における第3筒状部523および第3段差部52cの外側に配置されている。また、第2絶縁部材62の外径は、対応する部位の第2先端側筐体312の内径よりもわずかに小さく、第2絶縁部材62の内径は対応する部位の収容部材52の外径よりもわずかに大きい。そして、第2絶縁部材62の外周面は、第2先端側筐体312と接触しており、第2絶縁部材62の内周面は、収容部材52と接触している。
このように、先端側筐体31(第2先端側筐体312)と収容部材52との間に、エアギャップ、第1絶縁部材61および第2絶縁部材62を設けることで、先端側筐体31と収容部材52とは、直接には接触しない。
(第3絶縁部材)
第3絶縁部材63は、全体として筒状を呈する部材である。この第3絶縁部材63は、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料によって構成されている。
この第3絶縁部材63は、後端側筐体33の内部であって第2絶縁部材62よりも後端側となる位置に配置されている。そして、第3絶縁部材63は、収容部材52における第4筒状部524の外側に位置している。また、第3絶縁部材63の外径は、第1後端側筐体331の内径とほぼ同じであり、第3絶縁部材63の内径は、収容部材52における第4筒状部524の外径よりも大きい。そして、第3絶縁部材63の外周面は、第1後端側筐体331の内周面と接触しており、第3絶縁部材63の内周面は、先端側の一部が収容部材52と接触し、その他はエアギャップを介して収容部材52と対峙する。
[シール部の構成]
シール部70は、相対的に先端側に位置する第1シール部材71と、相対的に後端側に位置する第2シール部材72とを有する。なお、内燃機関10に圧力検出装置20を取り付けた状態において、第1シール部材71および第2シール部材72は、シリンダヘッド13に設けられた取付孔13a(図1参照)の内周面に突き当たる。
(第1シール部材)
第1シール部材71は、中空構造を有し全体として筒状を呈する部材である。この第1シール部材71は、絶縁性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いPTFE等の合成樹脂材料によって構成されている。
この第1シール部材71は、第1先端側筐体311の外周面に設けられた凹部311aにはめ込まれている。そして、その内径は、凹部311aの凸部311cにおける直径が最も大きい中央部の外径よりもわずかに小さくなっており、その外径は、取付孔13aの内径よりもわずかに大きくなっている。第1シール部材71が凹部311aにはめ込まれ、圧力検出装置20が取付孔13aに取り付けられた状態においては、凹部311aの凸部311cにおける直径が最大となる中央部にて、第1先端側筐体311が第1シール部材71から受ける圧力は最も高くなる。
(第2シール部材)
第2シール部材72は、全体として環状を呈する部材であり、ここではOリングを用いている。この第2シール部材72も、絶縁性を有するとともに耐熱性および耐酸性が高いPTFE等の合成樹脂材料によって構成されている。
この第2シール部材72は、第2先端側筐体312の外周面に設けられた凹部312aにはめ込まれている。そして、その内径は、凹部312aの外径よりもわずかに小さくなっており、その外径は、取付孔13aの内径よりもわずかに大きくなっている。
[圧力検出装置における電気的な接続構造]
ここで、圧力検出装置20における電気的な接続構造について説明を行う。
(正の経路)
圧力検出装置20において、圧電素子41の後端側の端面(正極)は、金属製の第1後端電極部材43と、金属製の第2後端電極部材44と、金属製の第1コイルバネ46とを介して、金属製の伝導部材47と電気的に接続されている。そして、金属製の伝導部材47は、保持部材48に設けられた金属製の保持部、配線および端子を介して、回路基板53に設けられた入力端子(図示せず)と電気的に接続される。以下では、圧電素子41の後端側の面から、第1後端電極部材43、第2後端電極部材44、第1コイルバネ46、伝導部材47および保持部材48を介して、回路基板53に至る電気的な経路を、『正の経路』と称する。
(負の経路)
一方、圧力検出装置20において、圧電素子41の先端側の端面(負極)は、金属製の先端電極部材42と、金属製の加圧部材49と、金属製の支持部材50(第2溶接部59)と、金属製の第2コイルバネ51と、金属製の収容部材52と、金属製の接地板55とを介して、回路基板53に設けられた接地端子(図示せず)と電気的に接続されている。以下では、圧電素子41の先端側の面から、先端電極部材42、加圧部材49、支持部材50、第2コイルバネ51、収容部材52および接地板55を介して、回路基板53に至る電気的な経路を『負の経路』と称する。
(筐体経路)
他方、圧力検出装置20において、金属製のダイアフラム32は、金属製の先端側筐体31(第1先端側筐体311および第2先端側筐体312)を介して、金属製の後端側筐体33(第1後端側筐体331および第2後端側筐体332)と電気的に接続されている。また、この圧力検出装置20では、金属製の第1先端側筐体311が、金属製の突き当てパイプ57(第1溶接部58)と電気的に接続されている。以下では、ダイアフラム32から先端側筐体31を介して後端側筐体33および突き当てパイプ57に至る電気的な経路を『筐体経路』と称する。
(正の経路と負の経路との関係)
ここで、本実施の形態の圧力検出装置20では、正の経路の外側に負の経路が存在している。換言すれば、負の経路の内部に正の経路が収容されている。そして、正の経路と負の経路とは、絶縁パイプ60、絶縁リング45、保持部材48および両経路の間に形成されるエアギャップによって、電気的に絶縁されている。ここで、本実施の形態では、負の経路が第1電気経路の一例となっており、正の経路が第2電気経路の一例となっている。
(負の経路と筐体経路との関係)
また、この圧力検出装置20では、負の経路の外側に筐体経路が存在している。換言すれば、筐体経路の内部に負の経路が収容されている。そして、負の経路と筐体経路とは、先端電極部材42に設けられた絶縁皮膜42a、加圧部材49に設けられた絶縁皮膜49a、第1絶縁部材61、第2絶縁部材62、第3絶縁部材63および両経路の間に形成されるエアギャップによって、電気的に絶縁されている。
(筐体経路と正の経路との関係)
そして、この圧力検出装置20では、結果として、正の経路の外側に筐体経路が存在している。換言すれば、筐体経路の内部に正の経路が収容されている。そして、上述したように、正の経路と負の経路とが電気的に絶縁され、且つ、負の経路と筐体経路とが電気的に絶縁されていることにより、筐体経路と正の経路とが、電気的に絶縁されていることになる。
(その他)
ここで、筐体経路を構成する筐体部30は、圧力検出装置20において外部に露出する部位であり、特に、ダイアフラム32は、燃焼に伴って酸性度が高くなる燃焼室Cに対峙する部位となっている。これに対し、正の経路および負の経路を構成する各部材は、圧力検出装置20において筐体部30内に収容される部位である。このため、正の経路および負の経路を構成する各部材は、筐体経路(筐体部30)を構成する各部材よりも導電性が高い材料とすることが好ましく、また、筐体経路(筐体部30)を構成する各部材は、正の経路および負の経路を構成する各部材よりも耐酸性が高い材料とすることが好ましい。
[圧力検出装置による圧力検出動作]
では、圧力検出装置20による圧力検出動作について説明を行う。
内燃機関10が動作しているとき、ダイアフラム32の圧力受面32aに、燃焼室C内で発生した圧力(燃焼圧)が付与される。ダイアフラム32では、圧力受面32aが受けた圧力が裏側の凸部32dに伝達され、さらに凸部32dから絶縁皮膜42aを介して先端電極部材42へと伝達される。そして、先端電極部材42に伝達された圧力は、先端電極部材42と第1後端電極部材43とに挟まれた圧電素子41に作用し、圧電素子41では、受けた圧力に応じた電荷が生じる。圧電素子41に生じた電荷は、正の経路を介して、回路基板53の入力信号端子(図示せず)電荷信号として供給される。回路基板53に供給された電荷信号は、回路基板53に実装された回路にて各種処理が施されることで出力信号とされる。そして、回路基板53から出力された出力信号は、接続部材54を介して、外部(ここでは接続ケーブル90および制御装置80)に送信される。
[本実施の形態の効果]
本実施の形態の圧力検出装置20では、先端側第1筐体311とエアギャップを介して対峙した加圧部材49の外表面に絶縁皮膜49aを形成したことで、圧力検出装置20内部に異物やバリがあったとしても、先端側第1筐体311と加圧部材49との間の絶縁を確実に確保することが可能である。本実施の形態では、加圧部材49の外表面に絶縁皮膜49aを形成したが、第1先端側筐体311の内表面に絶縁皮膜を形成しても同様の効果を得ることができ、加圧部材49の外表面、第1先端側筐体311の内表面の両方に絶縁皮膜を設けてもよい。
また、本実施の形態においては、絶縁皮膜49aを複数の皮膜が積層された積層絶縁膜としている。本実施の形態に係る圧力検出装置20においては、絶縁皮膜49aを一層の皮膜からなる単一皮膜としても効果があるが、積層皮膜とすることでより確実に、加圧部材49と第1先端側筐体311との間の絶縁を確保することができる。図5は、絶縁皮膜49aに異物が混入した模式図であり、(a)は、絶縁皮膜49aが単一皮膜の場合を示し、(b)が積層皮膜の場合を示す。絶縁皮膜49aが単一皮膜からなる場合(図5(a))は、例えば絶縁皮膜49aの形成工程において異物103が混入すると、導電性である加圧部材49の外表面に異物103が接触した状態で絶縁皮膜49aが形成され、異物103の大きさによっては絶縁皮膜49aの外部にまで異物103が露出してしまう虞がある。そのため、加圧部材49に絶縁皮膜49aを設けたとしても、異物103による短絡の発生の可能性が残る。これに対し、絶縁皮膜49aが積層皮膜からなる場合は、仮に絶縁皮膜49aの第1層目(加圧部材49の表面側の層)に異物103が混入したとしても、第1層目形成後にエアブロー等を行うことで異物103を除去することが可能であり、第2層目以降の絶縁皮膜(1層目より上部に形成される絶縁皮膜)の形成時に異物103が混入した場合は、異物103は第1層目の表面と接触する可能性はあるが、導電性である加圧部材49の外表面には直接接触しないため、加圧部材49と第1先端側筐体311との間での短絡を防止することができる。なお、加圧部材49への絶縁皮膜49aの形成は、コーティング条件や吹き付け機器・焼成条件の確立は勿論の事、密着性を向上させるための洗浄や下地処理工程等も重要となるため、本実施の形態では、株式会社沢平において絶縁皮膜49aの形成を実施し、最適な皮膜状態を形成することができた。
[その他]
本実施の形態では、加圧部材49と第1先端側筐体311とを絶縁皮膜49aを介して固定することで、負の経路を構成する加圧部材49と、筐体経路を構成する第1先端側筐体311および突き当てパイプ57とを電気的に絶縁するようにしていたが、これに限られない。例えば、加圧部材49と第1先端側筐体311および突き当てパイプ57との間に、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料からなる絶縁リングを配置してもかまわない。
また、本実施の形態では、先端電極部材42の先端側に絶縁皮膜42aを設けることにより、負の経路を構成する先端電極部材42と筐体経路を構成するダイアフラム32とを電気的に絶縁するようにしていたが、これに限られない。例えば、先端電極部材42とダイアフラム32との間に、絶縁性を有するとともに耐熱性が高いアルミナ等のセラミックス材料からなる絶縁プレートを配置するようにしてもかまわない。
また、本実施の形態では、絶縁皮膜49aをPTFE等の合成樹脂により構成したが、これに限られない。例えば、アルミナやジルコニア等を含むセラミックス材料からなる絶縁皮膜49aとしてもかまわない。さらに、本実施の形態では、絶縁皮膜49aを同一材料からなる積層皮膜としたが、単層皮膜としてもかまわない。さらにまた、絶縁皮膜49aを異なる材料からなる皮膜層を複数備えた積層皮膜としてもかまわない。
また、本実施の形態では、圧力検出部の一例として、先端側電極部材42、圧電素子41、第1後端電極部材43および第2後端側電極部材44を備えた構成としたが、これに限らない。例えば、先端側電極部材42がなく、第1後端側電極部材43を備えない構成としてもかまわない。
1 圧力検出システム
10 内燃機関
11 シリンダブロック
12 ピストン
13 シリンダヘッド
13a 取付孔
20 圧力検出装置
30 筐体部
31 先端側筐体
311 第1先端側筐体
311a 凹部
311b 内側段差部
312 第2先端側筐体
312a 凹部
312b リブ部
32 ダイアフラム
32a 圧力受面(表面)
32b 凹部
32c 凹部
32d 凸部
33 後端側筐体
331 第1後端側筐体
332 第2後端側筐体
40 検出機構部
41 圧電素子
42 先端電極部材
42a 絶縁皮膜
43 第1後端電極部材
44 第2後端電極部材
44a 本体部
44b 第1凸部
44c 第2凸部
45 絶縁リング
46 第1コイルバネ
47 伝導部材
47a 先端側凹部
47b 後端側凸部
48 保持部材
49 加圧部材
49a 絶縁皮膜
491 先端筒状部
492 中間筒状部
493 後端筒状部
49b 先端段差部
49c 後端段差部
50 支持部材
51 第2コイルバネ
52 収容部材
521 第1筒状部
522 第2筒状部
523 第3筒状部
524 第4筒状部
52a 第1段差部
52b 第2段差部
52c 第3段差部
53 回路基板
54 接続部材
54a 基板側コネクタ
54b ケーブル側コネクタ
55 接地板
56 Oリング
57 突き当てパイプ
58 第1溶接部
59 第2溶接部
60 絶縁パイプ
61 第1絶縁部材
62 第2絶縁部材
63 第3絶縁部材
70 シール部材
71 第1シール部材
72 第2シール部材
80 制御装置
90 接続ケーブル
101 ジグ
101a 第1円柱部
101b 第2円柱部
101c 段差部
102 ノズル
103 異物

Claims (4)

  1. 圧力の変化を検出する圧力検出部と、
    導電性を有し且つ前記圧力検出部を内部に収容する第1筐体と、
    外部からの圧力を受ける受圧部を備えるとともに、導電性を有し且つ前記第1筐体を内部に収容する第2筐体と、を備え、
    前記第1筐体と前記第2筐体とは、前記第1筐体と前記第2筐体との間に配置された絶縁部材を介して固定されるとともに、前記第1筐体と前記第2筐体とを離間する空隙により電気的に絶縁されており、
    前記空隙をもって向かい合う前記第1筐体の外表面と前記第2筐体の内表面の少なくとも一方のうち互いに対峙する表面の後端縁から先端縁までの領域に絶縁皮膜が連続して形成されていることを特徴とする圧力検出装置。
  2. 前記絶縁皮膜は前記第1筐体の前記後端縁から前記先端縁を経由して前記第1筐体の先端側の端面まで連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力検出装置。
  3. 前記第1筐体は前記先端側の端面に開口部を備え、当該開口部を通して前記受圧部と前記圧力検出部とが当接しており、前記開口部の内表面には前記絶縁皮膜が形成されていないことを特徴とする請求項に記載の圧力検出装置。
  4. 前記第1筐体はバネとして機能し、前記絶縁皮膜は前記第1筐体の外表面に形成され、前記絶縁皮膜は前記第1筐体より弾性限界が大きいことを特徴とする請求項1に記載の圧力検出装置。
JP2018185836A 2018-09-28 2018-09-28 圧力検出装置 Active JP7016310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018185836A JP7016310B2 (ja) 2018-09-28 2018-09-28 圧力検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018185836A JP7016310B2 (ja) 2018-09-28 2018-09-28 圧力検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020056611A JP2020056611A (ja) 2020-04-09
JP7016310B2 true JP7016310B2 (ja) 2022-02-04

Family

ID=70107007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018185836A Active JP7016310B2 (ja) 2018-09-28 2018-09-28 圧力検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7016310B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105387966A (zh) 2015-10-13 2016-03-09 北京理工大学 一种双敏感元件壁面压力传感器
JP2017173122A (ja) 2016-03-23 2017-09-28 シチズンファインデバイス株式会社 圧力検出装置
JP2018054347A (ja) 2016-09-27 2018-04-05 シチズンファインデバイス株式会社 圧力検出装置、圧力検出装置付き内燃機関、圧力検出装置の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH031407A (ja) * 1989-05-30 1991-01-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 絶縁電線

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105387966A (zh) 2015-10-13 2016-03-09 北京理工大学 一种双敏感元件壁面压力传感器
JP2017173122A (ja) 2016-03-23 2017-09-28 シチズンファインデバイス株式会社 圧力検出装置
JP2018054347A (ja) 2016-09-27 2018-04-05 シチズンファインデバイス株式会社 圧力検出装置、圧力検出装置付き内燃機関、圧力検出装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020056611A (ja) 2020-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6624989B2 (ja) 圧力検出装置
US7940603B2 (en) Ultrasonic transducer cell
JP6318605B2 (ja) 溶接部を有する継手構造の組付構造
WO2013129483A1 (ja) 燃焼圧検出装置、燃焼圧検出装置付き内燃機関
JP2014173995A (ja) 圧力センサおよびその製造方法
JP7016310B2 (ja) 圧力検出装置
JP6499601B2 (ja) 検出装置および検出システム
WO2017146043A1 (ja) 圧力検出装置および圧力検出システム
WO2019187303A1 (ja) 圧力センサ
JP6606483B2 (ja) 圧力検出装置、圧力検出装置付き内燃機関、圧力検出装置の製造方法
JP6845756B2 (ja) 圧力検出装置
JP2020008306A (ja) 圧力検出ユニット及びこれを用いた圧力センサ
JP7166897B2 (ja) 圧力検出装置
JP2021162376A (ja) 圧力検出装置
JP2009063256A (ja) 燃焼圧力センサ付きグロープラグ
US20220018727A1 (en) Pressure sensor
JP2020056610A (ja) 圧力検出装置
JP2022141475A (ja) 圧力検出装置
JP7008006B2 (ja) 圧力検出装置
KR20180123864A (ko) 초음파 센서용 센서셀
JP2018017632A (ja) 圧力検出装置
JP2023049395A (ja) 圧力検出装置
JP6764770B2 (ja) 圧力検出装置および圧力検出装置付き内燃機関
US20210333165A1 (en) Pressure sensor
JP7077210B2 (ja) 圧力検出装置、回路内蔵部材、圧力検出装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181001

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220125