JP6207552B2 - 圧力センサ - Google Patents
圧力センサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6207552B2 JP6207552B2 JP2015140342A JP2015140342A JP6207552B2 JP 6207552 B2 JP6207552 B2 JP 6207552B2 JP 2015140342 A JP2015140342 A JP 2015140342A JP 2015140342 A JP2015140342 A JP 2015140342A JP 6207552 B2 JP6207552 B2 JP 6207552B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- axis
- side wall
- pressure sensor
- angle
- diaphragm
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Measuring Fluid Pressure (AREA)
Description
本開示は、内燃機関の燃焼室内の圧力を測定する圧力センサに関する。
圧力センサとして、エンジンヘッドに装着される主体金具と、ダイアフラムと受圧ロッドとを有する受圧部材と、受圧ロッドにねじ込まれる押えねじと、押えねじの頭部と主体金具との間に挟まれた圧電センサと、を有するものが、提案されている。ダイアフラムが燃焼圧を受けると、ダイアフラムが後方に押され、受圧ロッドが収縮変形し、押えねじの締め付け力が低下する。圧電センサは、締め付け力の変化を電気出力の変化に変換する。ここで、高温の燃焼ガスによるダイアフラムの熱変形量を少なくするために、ダイアフラムの前面に、熱遮蔽板が配設されている。
ところで、燃焼室内では、燃料の燃焼によってカーボンが生じ得る。このようなカーボンが、熱遮蔽板のような受熱のための部材と、ダイアフラムと、の間に流入することによって、不具合が生じる場合があった。例えば、ダイアフラムにカーボンが付着して、ダイアフラムの特性が変化する場合があった。
本開示は、受熱のための部材とダイアフラムとの間にカーボンが流入することを抑制できる技術を開示する。
本開示は、例えば、以下の適用例を開示する。
[適用例1]
筒状の筐体と、前記筐体の先端側に接合され前記筐体の軸線に交差する方向に拡がり受圧した圧力に応じて撓むダイアフラムと、前記筐体内に配置され前記圧力によって変化する電気的特性を有するセンサ部と、を備える圧力センサであって、
前記ダイアフラムの先端側に配置され前記ダイアフラムに直接的または間接的に接続された、熱を受ける受熱部を備え、
前記受熱部は、
前記軸線に交差する方向に拡がる板部と、
前記板部の縁から前記先端側に突出する側壁部と、
を備え、
前記側壁部は、前記板部の縁の全周に亘って形成されており、
前記側壁部には、前記板部の縁に沿って並ぶ複数の貫通孔が形成されており、
前記複数の貫通孔の前記軸線に平行な方向の長さの最大値は、0.3mm以上であり、
前記軸線に垂直、かつ、前記複数の貫通孔を通らない前記側壁部の断面において、前記側壁部の外周長を、外周長C1とし、
前記軸線に垂直、かつ、前記複数の貫通孔を通る前記側壁部の断面において、前記側壁部の外周面に対応する部分の長さの合計を、壁長C2とする場合に、
(C2/C1)≦0.6、を満たす、
圧力センサ。
筒状の筐体と、前記筐体の先端側に接合され前記筐体の軸線に交差する方向に拡がり受圧した圧力に応じて撓むダイアフラムと、前記筐体内に配置され前記圧力によって変化する電気的特性を有するセンサ部と、を備える圧力センサであって、
前記ダイアフラムの先端側に配置され前記ダイアフラムに直接的または間接的に接続された、熱を受ける受熱部を備え、
前記受熱部は、
前記軸線に交差する方向に拡がる板部と、
前記板部の縁から前記先端側に突出する側壁部と、
を備え、
前記側壁部は、前記板部の縁の全周に亘って形成されており、
前記側壁部には、前記板部の縁に沿って並ぶ複数の貫通孔が形成されており、
前記複数の貫通孔の前記軸線に平行な方向の長さの最大値は、0.3mm以上であり、
前記軸線に垂直、かつ、前記複数の貫通孔を通らない前記側壁部の断面において、前記側壁部の外周長を、外周長C1とし、
前記軸線に垂直、かつ、前記複数の貫通孔を通る前記側壁部の断面において、前記側壁部の外周面に対応する部分の長さの合計を、壁長C2とする場合に、
(C2/C1)≦0.6、を満たす、
圧力センサ。
この構成によれば、受熱部の板部が燃焼室内を流れるガスを受ける場合に、ガスが、側壁部の複数の貫通孔を通じて側壁部の内周側から外周側へ流れる。このようにガスが側壁部の貫通孔から外周側に向かって流れるので、燃焼室内で生じたカーボンが側壁部の外周側を流れて受熱部とダイアフラムとの間に流入することを、抑制できる。
[適用例2]
適用例1に記載の圧力センサであって、
前記側壁部の内周面と、前記板部の前記先端側の面と、の接続部分は、丸められている、
圧力センサ。
適用例1に記載の圧力センサであって、
前記側壁部の内周面と、前記板部の前記先端側の面と、の接続部分は、丸められている、
圧力センサ。
この構成によれば、板部の先端側の面から側壁部の貫通孔へガスが流れ易くなるので、貫通孔から外周側へ流れるガスの流速の低下を抑制できる。従って、カーボンが側壁部の外周側を流れて受熱部とダイアフラムとの間に流入することを、抑制できる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の圧力センサであって、
前記軸線を中心とする中心角が90度である任意の方向の角度範囲内において、
前記外周長C1のうち前記角度範囲内に含まれる部分の長さを、部分外周長C1aとし、
前記壁長C2のうち前記角度範囲内に含まれる部分の長さを、部分壁長C2aとする場合に、
(C2a/C1a)≦0.6、を満たす、
圧力センサ。
適用例1または2に記載の圧力センサであって、
前記軸線を中心とする中心角が90度である任意の方向の角度範囲内において、
前記外周長C1のうち前記角度範囲内に含まれる部分の長さを、部分外周長C1aとし、
前記壁長C2のうち前記角度範囲内に含まれる部分の長さを、部分壁長C2aとする場合に、
(C2a/C1a)≦0.6、を満たす、
圧力センサ。
この構成によれば、軸線から見た複数の貫通孔の分布が特定の方向に偏ることが抑制されるので、貫通孔から外周側に向かうガスの流れが側壁部の全周のうちの一部に偏ることが抑制される。従って、カーボンが側壁部の外周側を流れて受熱部とダイアフラムとの間に流入することを、適切に抑制できる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれか1項に記載の圧力センサであって、
前記軸線を含む前記側壁部の平断面において、内周側から外周側に向かう方向のうち、前記軸線に垂直な方向の角度をゼロ度とし、前記先端側に傾斜する方向の角度を正の角度とし、後端側に傾斜する方向の角度を負の角度とする場合に、前記貫通孔の前記後端側の内面の角度は、−40度以上20度以下である、
圧力センサ。
適用例1から3のいずれか1項に記載の圧力センサであって、
前記軸線を含む前記側壁部の平断面において、内周側から外周側に向かう方向のうち、前記軸線に垂直な方向の角度をゼロ度とし、前記先端側に傾斜する方向の角度を正の角度とし、後端側に傾斜する方向の角度を負の角度とする場合に、前記貫通孔の前記後端側の内面の角度は、−40度以上20度以下である、
圧力センサ。
この構成によれば、貫通孔から外周側に向かうガスの流れによって受熱部とダイアフラムとの間にカーボンが流入することを、抑制できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、圧力センサ、その圧力センサを搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態としての圧力センサ10を示す説明図である。本実施形態の圧力センサ10は、内燃機関に取り付けられて、内燃機関の燃焼室内の圧力を検出するために用いられる。図1に示すように、圧力センサ10は、主な構成要素として、筒状の第1金具20および第2金具30と、受圧部40と、受熱部90と、素子部50と、ケーブル60と、を備えている。中心軸CLは、圧力センサ10の中心軸である。以下、中心軸CLを軸線CLとも呼び、軸線CLに平行な方向を、「軸線方向」とも呼ぶ。軸線CLを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、軸線CLを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。また、軸線CLに沿って第1金具20から第2金具30へ向かう方向を、「先端方向Df」と呼び、先端方向Dfの反対方向を、「後端方向Dr」と呼ぶ。先端方向Df側を「先端側」と呼び、後端方向Dr側を「後端側」とも呼ぶ。
図1は、第1実施形態としての圧力センサ10を示す説明図である。本実施形態の圧力センサ10は、内燃機関に取り付けられて、内燃機関の燃焼室内の圧力を検出するために用いられる。図1に示すように、圧力センサ10は、主な構成要素として、筒状の第1金具20および第2金具30と、受圧部40と、受熱部90と、素子部50と、ケーブル60と、を備えている。中心軸CLは、圧力センサ10の中心軸である。以下、中心軸CLを軸線CLとも呼び、軸線CLに平行な方向を、「軸線方向」とも呼ぶ。軸線CLを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、軸線CLを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。また、軸線CLに沿って第1金具20から第2金具30へ向かう方向を、「先端方向Df」と呼び、先端方向Dfの反対方向を、「後端方向Dr」と呼ぶ。先端方向Df側を「先端側」と呼び、後端方向Dr側を「後端側」とも呼ぶ。
図1には、圧力センサ10の先端側の部分の軸線CLよりも左側の断面構成が示されている。この断面は、軸線CLを含む平断面(平面で切断された断面)である。また、図1には、圧力センサ10の他の部分の外観構成が示されている。本実施形態では、圧力センサ10の中心軸CLは、第1金具20と第2金具30と受圧部40と受熱部90と素子部50とのそれぞれの中心軸でもある。
第1金具20および第2金具30は、中心軸CLに垂直な断面(以下、横断面とも呼ぶ)が円環状であって軸線方向に延びる筒形状を有している。本実施形態では、第1金具20と第2金具30とは、ステンレス鋼で形成されている。ただし、他の材料(例えば、低炭素鋼などの鋼、種々の金属材料)を採用してもよい。
第1金具20には、中心軸CLを中心とする貫通孔である軸孔21が形成されている。また、第1金具20の後端側外周面には、ねじ部22および工具係合部24が設けられている。ねじ部22は、圧力センサ10を内燃機関のシリンダヘッド500の取り付け孔510に固定するためのねじ山を備えている。工具係合部24は、圧力センサ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)に係り合う外周形状(例えば、横断面が六角形)を有する。
図2は、圧力センサ10の先端部、具体的には図1に領域Xとして示す部位を拡大して示す断面図である。この断面は、軸線CLを含む平断面である。第2金具30は、第1金具20の先端側に配置されており、第1金具20の先端との間で溶融部26を介して接合されている。溶融部26は、第1金具20と第2金具30との溶接(例えば、レーザ溶接)の際に、溶融した部分である。第2金具30の先端部には、先端側から後端側に向かって拡径する拡径部34が形成されている。圧力センサ10が内燃機関に取り付けられる場合、拡径部34は、内燃機関のシリンダヘッド500の取り付け孔510のシール面520に密着する。また、第2金具30には、中心軸CLを中心とする貫通孔である軸孔31が形成されている。軸孔31は、大内径部35と、大内径部35の後端側に接続され大内径部35の内径よりも小さい内径を有する小内径部36と、で構成されている。大内径部35と小内径部36との間には、段部39が設けられている。段部39は、先端方向Df側を向いた面を形成している。軸孔31内には、先端側から後端側に向かって順に、受圧部40と素子部50とが配置されている。
受圧部40は、ダイアフラム42とロッド44とを備えている。ダイアフラム42は、軸線CLを中心とする略円形の膜である。ダイアフラム42の外周側の縁42oは、全周に亘って、第2金具30の先端部に溶接されている(例えば、レーザ溶接)。ダイアフラム42の後端側の面の中央部には、ロッド44が接続されている。ロッド44は、軸線CLを中心とする円柱状の部分であり、ダイアフラム42から後端方向Dr側に向かって延びている。ロッド44の後端部49には、素子部50が接続されている。ダイアフラム42とロッド44とは、ステンレス鋼を用いて、一体的に形成されている(例えば、鍛造や削り出し)。ただし、ダイアフラム42とロッド44とを別々に形成した後に、溶接などによりダイアフラム42とロッド44とを一体化してもよい。また、他の材料(例えば、低炭素鋼などの鋼、種々の金属材料)を採用してもよい。
ダイアフラム42の先端側の面には、受熱部90が接合されている(例えば、レーザ溶接)。図3は、受熱部90の説明図である。図3(A)は、受熱部90の斜視図を示し、図3(B)は、受熱部90の軸線CLを含む平断面を示している。受熱部90は、軸線CLを中心とする円盤状の板部93と、板部93の外周側の縁93oから先端方向Df側へ突出する円筒状の側壁部92と、板部93の中央部から後端方向Dr側へ突出する円柱状の脚部98と、を備えている。以下、側壁部92と板部93との全体を、「主部91」とも呼ぶ。脚部98の外径は、主部91の外径よりも小さい。
側壁部92は、板部93の縁93oの全周に亘って形成されている。側壁部92には、板部93の縁93oに沿って並ぶ(すなわち、周方向に沿って並ぶ)複数の貫通孔97が形成されている。本実施形態では、貫通孔97は、軸線CLに垂直な2つの内面と、軸線CLに平行な2つの内面と、によって囲まれる略矩形状の孔である。
図3(B)中のサイズH1は、貫通孔97の軸線方向のサイズであり、複数の貫通孔97の軸線CLに平行な方向の長さ(すなわち、大きさ)の最大値である。1つの貫通孔97の軸線方向のサイズは、軸線CLに平行な直線が1つの貫通孔97の内面上の2点を通る場合に、それらの2点を結ぶ線分の長さの最大値である。サイズH1は、複数の貫通孔97のそれぞれの軸線方向のサイズのうちの最大値である。図3(B)の実施形態では、貫通孔97は、径方向に沿って延びている。従って、サイズH1は、貫通孔97の軸線CLに平行な方向の長さと同じである。
図3(C)、図3(D)は、側壁部92の軸線CLに垂直な断面を示している。図3(C)は、複数の貫通孔97を通らない第1断面CS1を示し、図3(D)は、複数の貫通孔97を通る第2断面CS2を示している。
図3(C)に示す外周長C1は、第1断面CS1における側壁部92の外周の長さである。本実施形態では、側壁部92の形状が軸線CLに沿って延びる略円筒であるので、外周長C1は、受熱部90の外径D2から算出される円の周長と同じである。
図3(D)に示す壁長C2は、第2断面CS2において、側壁部92の外周面に対応する部分の長さの合計である。図3(D)では、壁長C2は、太線で示された部分の長さの合計である。壁長C2は、外周長C1から、貫通孔97の周方向の長さを引いた残りである。なお、第1実施形態では、複数の貫通孔97は、周方向に沿って均等に分布するように、配置されている。
側壁部92と板部93と脚部98とは、ステンレス鋼を用いて、一体的に形成されている(例えば、鍛造や削り出し)。側壁部92と板部93と脚部98とのうちの2つの部分、または、3つの部分を別々に形成した後に、溶接などによりそれらの部分を一体化してもよい。また、他の材料(例えば、低炭素鋼などの鋼、種々の金属材料)を採用してもよい。
図2に示すように、受熱部90は、溶融部99を介して、ダイアフラム42(ひいては、受圧部40)に、接合されている。溶融部99は、受熱部90とダイアフラム42(ひいては、受圧部40)との溶接時に溶融した部分である(例えば、レーザ溶接)。溶融部99は、受熱部90の中央部に形成されている。
また、図示するように、受熱部90は、シリンダヘッド500の取り付け孔510内に配置される。具体的には、受熱部90は、取り付け孔510の先端方向Df側の部分530の内に位置している(「先端部530」とも呼ぶ)。側壁部92の外周面922は、取り付け孔510の先端部530の内周面に対向している。
ダイアフラム42は、第2金具30の先端において、軸孔31を塞いでいる。ダイアフラム42は、内燃機関の燃焼室内に露出し、ダイアフラム42の先端方向Df側の面42fは、受圧面を形成する。本実施形態では、受圧面42fは、ダイアフラム42と受熱部90との間の隙間を通じて、燃焼室内の圧力を受け得る。また、ダイアフラム42は、受熱部90を通じて、燃焼室内の圧力に応じた荷重を受け得る。そして、ダイアフラム42は、燃焼室内の圧力に応じて変形する。ロッド44は、ダイアフラム42の変形に応じて軸線CLに沿って変位することによって、ダイアフラム42が受けた圧力に応じた荷重を、後端側の素子部50に伝達する。ダイアフラム42を薄くするほど、ダイアフラム42が変形し易くなるので、圧力センサ10の感度を高めることができる。
素子部50は、2個の電極52と、2個の電極52に挟まれた圧電素子51と、先端側の電極52の先端側に配置された押さえ板54と、後端側の電極52から後端方向Drに向かって順番に並ぶリード部53、押さえ板54、絶縁板55と、を備えている。図2に示すように、押さえ板54、電極52、圧電素子51、電極52、リード部53、押さえ板54、絶縁板55は、先端側から後端側に向かってこの順番に、積層されている。絶縁板55の後端側の面は、第2金具30の段部39に支持されている。ロッド44の後端部49は、先端側の押さえ板54の先端側の面に接触している。後述するように、押さえ板54は、軸線CLを中心とする貫通孔54hを有している。ロッド44の後端部49は、この貫通孔54hに挿入される突出部を有している。この突出部の後端面は、先端側の電極52の先端側の面に、接触している。圧電素子51は、先端側の電極52と押さえ板54とを介して、ロッド44に接続されている。ロッド44と、先端側の押さえ板54と電極52との全体は、ダイアフラム42と圧電素子51とを接続する接続部100を形成している。
図4は、素子部50の分解斜視図である。図示するように、圧電素子51と電極52とは軸線CLを中心とする円盤状の板状部材である。押さえ板54と絶縁板55とは、軸線CLを中心とする円環状の板状部材である。圧電素子51は、本実施形態では水晶を用いて形成されているが、他の材料で形成された圧電素子を採用してもよい。圧電素子51上では、受圧部40(図2)からロッド44を通じて伝達された荷重に応じて、電荷が生じる。圧電素子51は、荷重に応じた電荷(例えば、電気信号)を、2個の電極52を通じて、出力する。出力された電気信号に基づいて、ダイアフラム42の変形量、すなわち、燃焼室内の圧力を特定可能である。このように、圧電素子51は、受圧部40が受けた圧力によって変化する電気的特性を有している。電極52と押さえ板54とは、本実施形態ではステンレス鋼を用いて形成されているが、他の金属を用いて形成されてもよい。絶縁板55は、リード部53と第2金具30(図2)との間を絶縁するための部材である。本実施形態では、絶縁板55はアルミナで形成されているが、他種の絶縁性材料で形成されてもよい。
リード部53は、略円盤状の板状部材である円盤部57と、円盤部57の中央部から後端方向Drに向かって延びる端子部56と、を備えている。端子部56は、押さえ板54の貫通孔54hと絶縁板55の貫通孔55hを通り抜けて、後端方向Dr側に突出している(図2)。リード部53は、本実施形態ではステンレス鋼を用いて形成されているが、他の金属を用いて形成されてもよい。リード部53は、円盤部57と端子部56とを合わせた形状をステンレス鋼の平板から打ち抜いた後に、端子部56となる部分を折り曲げることにより作製することができる。
第2金具30(図2)の軸孔31内において、リード部53は、円盤部57が電極52と面接触すると共に、端子部56が後端側に延びるように配置される。端子部56は、押さえ板54の中央部の貫通孔54hと絶縁板55の中央部の貫通孔55hとを貫通している。端子部56の後端側の部分は、第2金具30の小内径部36の内壁面から離間した状態で、小内径部36内に配置されている。
素子部50を構成する各部材(絶縁板55を除く)は、第2金具30の軸孔31内において、第2金具30の内壁面から離間するように配置される。圧電素子51の後端側の電極52は、リード部53(本実施形態では、更に、押さえ板54)に電気的に接続されており、第1金具20と第2金具30とからは電気的に離れている。圧電素子51の先端側の電極52は、先端側の押さえ板54とロッド44と受圧部40とを通じて、第2金具30に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、圧電素子51に掛かる荷重の分布を均等にするために、圧電素子51の後端側だけでなく先端側にも押さえ板54が配置されている。
第1金具20の軸孔21内には、ケーブル60が配置されている。ケーブル60は、圧電素子51の電荷に基づいて内燃機関の燃焼圧を検出するための図示しない電気回路に対して、圧電素子51の電荷を伝えるための部材である。本実施形態では、ケーブル60として、多層構造を有するいわゆるシールド線を用いて、ノイズを低減している。ケーブル60は、中心から外周側に向かって配置された、内部導体65と、絶縁体64と、導電コーティング63と、外部導体62と、ジャケット61と、を備えている。内部導体65は、複数の導線で構成されている。内部導体65の径方向の外側は、絶縁体64で囲まれている。絶縁体64の外周面には、導電コーティング63が設けられている。導電コーティング63の径方向外側には、網シールドである外部導体62が設けられている。外部導体62の外周面は、ジャケット61によって被覆されている。このように同軸上に配置された複数の部材を備えるケーブルは、同軸ケーブルとも呼ばれる。
図2に示すように、ケーブル60の先端部では、ジャケット61に覆われた部分から先端側に向かって、ジャケット61に覆われない外部導体62が露出している。また、外部導体62が露出する部分から先端側に向かって、外部導体62に覆われない絶縁体64が露出している。さらに、絶縁体64が露出する部分から先端側に向かって、絶縁体64に覆われない内部導体65が露出している。
ケーブル60の先端部で露出する内部導体65は、平板導線75と細径導線74とを介して、素子部50の端子部56に接続されている。具体的には、内部導体65の先端には、平板導線75が溶接されており、平板導線75の先端には、コイル状に巻回された細径導線74の後端が溶接されており、細径導線74の先端は、端子部56の後端部に溶接されている。平板導線75と細径導線74とは、圧電素子51の電荷を、端子部56から内部導体65に伝達できる。なお、内部導体65と端子部56とを接続するための構成としては、平板導線75と細径導線74とを用いる構成に代えて、他の任意の構成を採用可能である。
端子部56の先端から、端子部56と細径導線74とを接続する溶接部よりも後端側の位置まで、端子部56の全体、および、細径導線74の先端部を含む範囲が、熱収縮チューブ72によって覆われている。これにより、端子部56と第2金具30(特に、小内径部36)との間の電気的な絶縁の信頼性が高められている。圧力センサ10を製造する際には、端子部56を有するリード部53と細径導線74との溶接による一体化と、熱収縮チューブ72による被覆とを、全体の組み立てに先立って行なえばよい。
外部導体62の先端部には、外部導体62の先端からさらに先端側に延びる接地導線76が接続されている。接地導線76は、外部導体62から連続して形成された撚り線で構成されている。接地導線76の先端部は、第2金具30の後端部に溶接されている。これにより、外部導体62は、接地導線76、第2金具30、および内燃機関のシリンダヘッドを通じて接地される。
圧力センサ10を製造する際には、第2金具30の先端側から軸孔31(具体的には、大内径部35)内に、素子部50が挿入される。素子部50のリード部53の端子部56は、予め、細径導線74及び熱収縮チューブ72と一体化されている。そして、第2金具30の小内径部36の先端側から細径導線74が挿入され、小内径部36の後端側から細径導線74が引き出される。さらに、受圧部40が、素子部50の先端側に配置される。そして、ダイアフラム42の縁42oと第2金具30とが溶接されて、溶融部45が形成される。ロッド44の長さは、素子部50に適切な予荷重が印加されるように、予め決定される。その後、ダイアフラム42に、受熱部90が溶接されて、溶融部99が形成される。
そして、第2金具30(具体的には、小内径部36)の後端側から引き出された細径導線74の後端、および、内部導体65の先端を、平板導線75と溶接する。また、接地導線76の先端部と第2金具30の後端部とを溶接する。さらに、ケーブル60を第1金具20の軸孔21内に通して、第1金具20の先端と第2金具30の後端とを溶接し、溶融部26を形成する。その後、第1金具20の軸孔21内に溶融ゴムを注入して軸孔21内をゴム層で満たし(図示せず)、圧力センサ10を完成する。ゴム層を形成することにより、圧力センサ10内の防水性を向上させ、かつ、防振性も高めている。なお、溶融ゴムに代えて溶融樹脂を軸孔21内に注入してもよい。
B.ダイアフラム42の熱膨張について:
ダイアフラム42(図2)の受圧面42fは、受熱部90の側壁部92とシリンダヘッド500と間の隙間951と、受熱部90の板部93とダイアフラム42との間の隙間952と、を通じて、燃焼室内の圧力Pcを受け得る。また、ダイアフラム42は、受熱部90を通じて、圧力Pcに応じた荷重を受け得る。ダイアフラム42は、燃焼室内の圧力Pcに応じて撓む(変形する)。図2の実施形態では、ダイアフラム42は、軸線CLに平行な方向に撓む。ロッド44は、ダイアフラム42の撓み(変形)に応じて、軸線CLにおおよそ平行に変位する。これにより、ロッド44は、圧力Pcに応じた荷重を、素子部50に伝達する。
ダイアフラム42(図2)の受圧面42fは、受熱部90の側壁部92とシリンダヘッド500と間の隙間951と、受熱部90の板部93とダイアフラム42との間の隙間952と、を通じて、燃焼室内の圧力Pcを受け得る。また、ダイアフラム42は、受熱部90を通じて、圧力Pcに応じた荷重を受け得る。ダイアフラム42は、燃焼室内の圧力Pcに応じて撓む(変形する)。図2の実施形態では、ダイアフラム42は、軸線CLに平行な方向に撓む。ロッド44は、ダイアフラム42の撓み(変形)に応じて、軸線CLにおおよそ平行に変位する。これにより、ロッド44は、圧力Pcに応じた荷重を、素子部50に伝達する。
また、受熱部90は、ダイアフラム42よりも先端側、すなわち、燃焼室側に、配置されている。受熱部90は、ダイアフラム42の代わりに、燃焼室からの熱を受けることができる。例えば、燃料の燃焼で生じた熱が、燃焼室内のガスを通じて、受熱部90の先端側の面に伝導し得る。また、高温の燃焼ガスが、受熱部90の先端側の面に接触し得る。このように、受熱部90(特に、先端側の面)の温度が、高くなり得る。ダイアフラム42は、受熱部90の後端側に配置されているので、受熱部90と比べて、燃焼室からの熱を受け難い。従って、ダイアフラム42の熱膨張が抑制される。
図5は、参考例の圧力センサ10xの動作の説明図である。図中には、圧力センサ10xの先端側の一部分の軸線CLを含む平断面が示されている。図2の実施形態の圧力センサ10との差異は、受熱部90が省略されている点だけである。圧力センサ10xの他の部分の構成は、実施形態の圧力センサ10の対応する部分の構成と、同じである。
ダイアフラム42の受圧面42fは、図2の実施形態の受圧面42fと同様に、燃焼室内の圧力Pcを受ける。また、図5の参考例では、図2の実施形態とは異なり、受熱部90が省略されているので、ダイアフラム42の先端方向Df側の部分(例えば、受圧面42f)は、燃焼室からの熱を受ける。これにより、ダイアフラム42のうち、先端方向Df側の部分が、局所的に、熱膨張し得る。参考例では、ダイアフラム42の外周側の縁42oは、第2金具30に接合されている。従って、ダイアフラム42は、熱膨張によって、内周側に向かって伸びようとする。この場合、ダイアフラム42の熱膨張は、ロッド44に、軸線CLに平行な力を印加し得る。例えば、図5の参考例では、ダイアフラム42の受圧面42fの熱膨張は、ロッド44に、先端方向Dfの力Fを印加している。これにより、素子部50に印加される荷重が小さくなる。このように、参考例の圧力センサ10xでは、素子部50に印加される荷重が、燃焼ガスの温度に依存して大きく変動し得るので、素子部50からの信号の誤差が大きくなる。
図2に示す実施形態では、受熱部90によって、ダイアフラム42の熱膨張が抑制されている。従って、図5の参考例と比べて、第1実施形態では、素子部50からの信号の誤差を小さくできる。
C.側壁部92の貫通孔97について:
C1.シミュレーションについて:
受熱部90の側壁部92の貫通孔97とガスの流れとの関係を検討するために、シミュレーションを行った。図6、図7は、シミュレーションに用いられたモデルの概略図である。図6は、実施形態の圧力センサ10のモデルを示し、図7は、参考例の圧力センサ10zのモデルを示している。図中には、軸線CLを含む平断面の一部が示されている。図6の平断面は、貫通孔97を通る平断面を示している。図中の小さい矢印は、ガスの流れる方向を示している。図示されたガスの流れは、有限要素法によるシミュレーションの結果を示している。なお、図中では、受熱部90とダイアフラム42との間の隙間952でのガスの流れる方向の図示が省略されている。
C1.シミュレーションについて:
受熱部90の側壁部92の貫通孔97とガスの流れとの関係を検討するために、シミュレーションを行った。図6、図7は、シミュレーションに用いられたモデルの概略図である。図6は、実施形態の圧力センサ10のモデルを示し、図7は、参考例の圧力センサ10zのモデルを示している。図中には、軸線CLを含む平断面の一部が示されている。図6の平断面は、貫通孔97を通る平断面を示している。図中の小さい矢印は、ガスの流れる方向を示している。図示されたガスの流れは、有限要素法によるシミュレーションの結果を示している。なお、図中では、受熱部90とダイアフラム42との間の隙間952でのガスの流れる方向の図示が省略されている。
図6には、シリンダヘッド500の取り付け孔510の先端部530と、圧力センサ10の第2金具30とダイアフラム42と受熱部90と、のそれぞれの一部分の軸線CLを含む平断面が示されている。ダイアフラム42と第2金具30とは、中身の詰まった1つの部材に単純化されている。シミュレーションでは、図示された各寸法は、以下の値に設定された。
側壁部92の内径D1=7.85mm
側壁部92の外径D2=8.45mm
取り付け孔510の先端部530の内径D3=9mm
シリンダヘッド500の外径D4=20mm
第1クリアランスCL1=0.275mm
第2クリアランスCL2=0.5mm
第1クリアランスCL1は、受熱部90の側壁部92と先端部530との間の隙間951の径方向の距離である。第2クリアランスCL2は、受熱部90の板部93とダイアフラム42との間の隙間952の軸線CLに平行な方向の距離である。
側壁部92の内径D1=7.85mm
側壁部92の外径D2=8.45mm
取り付け孔510の先端部530の内径D3=9mm
シリンダヘッド500の外径D4=20mm
第1クリアランスCL1=0.275mm
第2クリアランスCL2=0.5mm
第1クリアランスCL1は、受熱部90の側壁部92と先端部530との間の隙間951の径方向の距離である。第2クリアランスCL2は、受熱部90の板部93とダイアフラム42との間の隙間952の軸線CLに平行な方向の距離である。
図7に示す参考例の圧力センサ10zでは、図6の受熱部90が、参考例の受熱部90zに置換されている。参考例のモデルの他の部分の構成は、図6の実施形態のモデルの対応する部分の構成と、同じである。受熱部90zは、軸線CLを中心とする円盤状の板部であり、側壁部92を備えない点で受熱部90と相違する。受熱部90zの外径D2は、図6の受熱部90の外径D2と同じである。受熱部90zの軸線CLに平行な方向の厚さは、図6の主部91の厚さと同じである。
図6、図7の各モデルにおいて、上記のパラメータD2、D3、D4、CL1、CL2は、共通であった。シリンダヘッド500の先端側が燃焼室600であることとした。各部材500、90、90z、42、30の間の隙間と、燃焼室600内と、には、標準的な空気が満たされていることとした。各部材500、90、90z、42、30の外面を通り抜けるガスの移動が無いこととした。そして、燃焼室600から後端方向Drに向かって最大16MPaの圧力を印加した。この圧力の印加による空気の流れの経時変化をシミュレートした。
図6に示すように、実施形態のモデルでは、ガスは、燃焼室600から後端方向Drに向かって流れている。そして、受熱部90の近傍で、ガス流の方向は、径方向の外側に変化している。特に、実施形態のモデルでは、ガスは、側壁部92の内周側で、板部93の先端方向Df側の面931に沿って、径方向の外側に向かって流れている。そして、ガスは、貫通孔97から、側壁部92とシリンダヘッド500との間の隙間951に、流出している。
図6の下部には、隙間951の近傍の拡大図が示されている。図中の位置CPは、カーボン粒子の通過位置の例を示している(以下、カーボン粒子を、単に「粒子」とも呼ぶ)。位置SPは、カーボン粒子の開始位置を示している。シミュレーションでは、4つの開始位置SPにカーボン粒子が配置された。開始位置SPに配置された粒子は、ガス流によって、別の位置に移動した。シミュレーションでは、開始位置SPへの粒子の配置が、複数回、繰り返され、そして、各粒子の位置の経時変化が計算された。シミュレーションでは、カーボン粒子の粒径が、1×10−9mに設定され、カーボン粒子の密度が、2kg/m3に設定された。
具体的には、4つの開始位置SPは、受熱部90の側壁部92の先端方向Df側の端部の近傍に、配置された。4つの開始位置SPは、径方向に沿って0.1mm間隔で並んでいる。内周側の2つの開始位置SPは、側壁部92の先端方向Df側に位置し、外周側の2つの開始位置SPは、隙間951の先端方向Df側に位置している。これら4つの開始位置SPは、シリンダヘッド500の取り付け孔510の先端部530内に、位置している。シミュレーションでは、このような4つの開始位置SPに、圧力の印加開始からの0.1msの時間内に均等に分散して、100個の粒子が配置された(本シミュレーションでは、0.001ms毎に、1個の粒子が配置された)。100個の粒子は、4つの開始位置SPに均等に分散して配置された。
図中の最奥位置CPmは、粒子が通過した複数の位置のうち、最も後端方向Dr側の位置である。流入距離dxは、受熱部90の板部93の後端方向Dr側の面932を基準とした最奥位置CPmの軸線CLに平行な方向の位置までの軸線CLに平行な距離であり、カーボン粒子の流入距離を示している。「dx=0」は、カーボン粒子の最奥位置CPmが面932と同じ位置にあることを示している。「dx>0」は、カーボン粒子の最奥位置CPmが面932よりも後端方向Dr側の位置にあることを示し、「dx<0」は、カーボン粒子の最奥位置CPmが面932よりも先端方向Df側の位置にあることを示している。
図6に示すように、実施形態のモデルでは、貫通孔97から隙間951にガスが流出している。貫通孔97から隙間951へ流出するガスは、カーボン粒子が隙間951を通り抜けることを抑制するエアカーテンとして、機能する。このように、貫通孔97を流れるガスによって、カーボン粒子が隙間951を通って隙間952へ流入することが抑制されている。
図7に示すように、参考例のモデルでは、ガスは、燃焼室600から後端方向Drに向かって流れている。そして、受熱部90zの近傍で、ガス流の方向は、径方向の外側に変化している。図6の実施形態のモデルとは異なり、ガスは、受熱部90zの外周面とシリンダヘッド500との間の隙間951を、後端方向Dr側に向かって流れている。
図7の下部には、隙間951の近傍の拡大図が示されている。参考例のシミュレーションでも、図6の実施形態のシミュレーションと同じ条件下で、4つの開始位置SPにカーボン粒子が配置された。図6のモデルとは異なり、参考例のモデルでは、カーボン粒子は、開始位置SPから、隙間951を通って、受熱部90zとダイアフラム42との間の隙間952に到達している。最奥位置CPmは、受熱部90zの後端方向Dr側の面932zよりも、後端方向Dr側に位置している(dx>0)。なお、受熱部90zの面932zの形状と位置とは、図6の板部93の後端方向Dr側の面932の形状と位置と、それぞれ同じである。流入距離dxは、面932zを基準とするカーボン粒子の流入距離を示している。
一般的に、カーボン粒子が隙間952に到達すると、素子部50からの信号の誤差が大きくなり得る。具体的には、隙間952に到達したカーボン粒子は、ダイアフラム42に付着し得る。カーボン粒子がダイアフラム42に付着すると、ダイアフラム42の物理的な特性が変化し得る。例えば、ダイアフラム42の厚さが増大した場合と同様に、燃焼室内の圧力に対するダイアフラム42の変形量が、小さくなり得る。この結果、素子部50からの信号の誤差が大きくなり得る。
素子部50からの信号の誤差を抑制するためには、カーボン粒子が隙間952に到達しないことが好ましい。例えば、図6、図7の流入距離dxがゼロ以下であることが好ましい。図8は、図6の実施形態の圧力センサ10と、図7の参考例の圧力センサ10zとの、それぞれの流入距離dxのシミュレーション結果を示すグラフである。図示するように、実施形態の圧力センサ10の流入距離dxは、ゼロよりも小さかった。一方、参考例の圧力センサ10zの流入距離dxは、ゼロよりも大きかった。このように、受熱部90が、板部93と、板部93の縁から先端方向Df側に突出する側壁部92と、を備え、そして、側壁部92に、板部93の縁に沿って並ぶ複数の貫通孔97が形成されることによって、カーボンが受熱部90の後端方向Dr側(受熱部90とダイアフラム42との間の隙間952)に流入することを抑制できた。
C2.サイズH1と比率C2/C1について:
図9は、外周長C1に対する壁長C2の比率と、貫通孔97のサイズH1と、の組み合わせが異なる複数のモデルの流入距離dxを示すグラフである。横軸は、比率(C2/C1)を示し、縦軸は、流入距離dxを示している。1つのデータ点は、1種類のモデルのシミュレーション結果を示している。サイズH1は、0.2mmと0.3mmと0.5mmとのいずれかであった。比率C2/C1は、0.4、0.5、0.6、0.7のいずれかであった。比率C2/C1の調整は、壁長C2(すなわち、貫通孔97の周方向の長さ)を調整することにより、行われた。パラメータD1、D2、D3、D4、CL1、CL2(図6)のそれぞれの値は、図6で説明したモデルの値と、それぞれ同じであった。なお、図8の圧力センサ10のモデルでは、サイズH1は、0.3mmであり、比率C2/C1は、0.6であった。
図9は、外周長C1に対する壁長C2の比率と、貫通孔97のサイズH1と、の組み合わせが異なる複数のモデルの流入距離dxを示すグラフである。横軸は、比率(C2/C1)を示し、縦軸は、流入距離dxを示している。1つのデータ点は、1種類のモデルのシミュレーション結果を示している。サイズH1は、0.2mmと0.3mmと0.5mmとのいずれかであった。比率C2/C1は、0.4、0.5、0.6、0.7のいずれかであった。比率C2/C1の調整は、壁長C2(すなわち、貫通孔97の周方向の長さ)を調整することにより、行われた。パラメータD1、D2、D3、D4、CL1、CL2(図6)のそれぞれの値は、図6で説明したモデルの値と、それぞれ同じであった。なお、図8の圧力センサ10のモデルでは、サイズH1は、0.3mmであり、比率C2/C1は、0.6であった。
図9に示すように、サイズH1が同じ場合には、比率C2/C1が小さいほど、流入距離dxが小さかった。この理由は、以下のように推定される。比率C2/C1が小さいほど、貫通孔97の周方向の長さが長い。上記の通り、側壁部92の外周側の隙間951のうち、貫通孔97の近傍では、貫通孔97から流出するガスによって、カーボンの流入が抑制される。従って、比率C2/C1が小さいほど、カーボン粒子は、隙間951を通り抜けて隙間952へ到達することが難しい。
また、比率C2/C1が同じ場合には、サイズH1が大きいほど、流入距離dxが小さかった。この理由は、以下のように推定される。サイズH1が大きいほど、貫通孔97が大きいので、貫通孔97から隙間951へ流れるガスの単位時間当たりの量が増大する。このガス量の増大により、カーボンの流入が抑制される。従って、サイズH1が大きいほど、カーボン粒子は、隙間951を通り抜けて隙間952へ到達することが難しい。
なお、図9のグラフに示すように、ゼロ以下の流入距離dxを実現したサイズH1と比率C2/C1との組み合わせは、以下の通りであった。
H1=0.2mm:C2/C1=0.4、0.5
H1=0.3mm:C2/C1=0.4、0.5、0.6
H1=0.5mm:C2/C1=0.5、0.6、0.7
H1=0.2mm:C2/C1=0.4、0.5
H1=0.3mm:C2/C1=0.4、0.5、0.6
H1=0.5mm:C2/C1=0.5、0.6、0.7
サイズH1と比率C2/C1との好ましい範囲を、上記の8種類のモデルの値を用いて定めても良い。例えば、サイズH1が0.3mm以上であり、かつ、比率C2/C1が0.6以下である範囲を採用してもよい。また、サイズH1が0.2mm以上であり、かつ、比率C2/C1が0.5以下である範囲を採用してもよい。また、サイズH1が0.5mm以上であり、かつ、比率C2/C1が0.7以下である範囲を採用してもよい。
いずれの場合も、サイズH1が大きいほど、貫通孔97から隙間951へ流れるガス量を増大できるので、サイズH1が大きいほど、カーボン粒子が隙間951を通って隙間952に流入することが抑制される。従って、サイズH1の上限としては、受熱部90の側壁部92の軸線CLに平行な方向の長さよりも小さい任意の値を採用可能と推定される。
また、比率C2/C1が小さいほど、隙間951のうちのカーボン粒子が通り抜けやすい部分(すなわち、貫通孔97の無い部分)が小さくなるので、比率C2/C1が小さいほど、カーボン粒子が隙間951を通って隙間952に流入することが抑制される。従って、比率C2/C1の下限としては、ゼロよりも大きな種々の値を採用可能である。一般的には、比率C2/C1が小さいほど、側壁部92の強度が低下するので、比率C2/C1の下限としては、側壁部92の実用的な強度を実現できるような値を採用することが好ましい。
なお、サイズH1と比率C2/C1との好ましい範囲は、上記のモデルの構成に限らず、他の種々の構成にも適用可能と推定される。例えば、受熱部90の内径D1と外径D2、取り付け孔510の先端部530の内径D3、第1クリアランスCL1などのパラメータの値が、上記のモデルの値と異なってもよい。この場合も、サイズH1と比率C2/C1とが上記の好ましい範囲内にある場合には、好ましい範囲外にある場合と比べて、流入距離dxを小さくできると推定される。
C3.側壁部92と板部93との接続部分について:
図10は、受熱部の第2実施形態の説明図である。図中には、受熱部90bの軸線CLを含む平断面の一部が示されている。図3に示す第1実施形態の受熱部90との差異は、側壁部92の内周側の面921と、板部93の先端方向Df側の面931と、の接続部分940bが丸められている点だけである(図3の実施形態では、側壁部92の内周側の面921と、板部93の先端方向Df側の面931と、の接続部分940が、直角な隅を形成している)。受熱部90bの他の部分の構成は、図3の受熱部90の対応する部分の構成と、同じである。
図10は、受熱部の第2実施形態の説明図である。図中には、受熱部90bの軸線CLを含む平断面の一部が示されている。図3に示す第1実施形態の受熱部90との差異は、側壁部92の内周側の面921と、板部93の先端方向Df側の面931と、の接続部分940bが丸められている点だけである(図3の実施形態では、側壁部92の内周側の面921と、板部93の先端方向Df側の面931と、の接続部分940が、直角な隅を形成している)。受熱部90bの他の部分の構成は、図3の受熱部90の対応する部分の構成と、同じである。
図中の半径Rは、軸線CLを含む平断面において、面921、931の接続部分940b(すなわち、内周側の隅940b)を形成する円弧の半径である。丸められた隅940bは、板部93の先端方向Df側の面931に沿って径方向の外側に向かって流れるガスGSを、滑らかに、貫通孔97に導くことができる。このように、丸められた隅940bは、貫通孔97から外周側へ流出するガスの流速の低下を抑制できる。
図9のグラフのデータ点Dbは、図10の受熱部90bを用いたモデルのシミュレーション結果を示している。このモデルは、H1=0.3mm、かつ、C2/C1=0.7の第1実施形態のモデルの接続部分940(図6)を、丸められた接続部分940b(図10)に置換して得られる。この第1実施形態のモデルのデータ点Daと比べると、流入距離dxが小さくなっている。このように、丸められた接続部分940bは、直角な接続部分940と比べて、カーボン粒子の流入を抑制できた。この理由は、貫通孔97から外周側へ流出するガスの流速の低下を抑制できるからだと推定される。
なお、丸められた接続部分940bは、パラメータD1、D2、D3、D4、CL1、CL2、C1、C2(図3、図6)の値などの受熱部の各部の構成に拘わらずに、板部93の先端方向Df側の面931に沿って径方向の外側に向かって流れるガスを、滑らかに、貫通孔97に導くことができる。従って、丸められた接続部分940bを用いることによって、受熱部の各部の構成に拘わらずに、カーボン粒子の流入を抑制できると推定される。いずれの場合も、半径Rが大きいほど、カーボン粒子の流入を抑制する効果が高いと推定される。例えば、丸められた接続部分の半径Rは、0.2mm以上であることが好ましい。半径Rの上限としては、種々の値を採用可能である。例えば、側壁部92(図10)の貫通孔97の後端方向Dr側の端97eと、板部93の先端方向Df側の面931と、の間の軸線CLに平行な方向の距離dd以下の値を採用してもよい。
C4.貫通孔97の方向について:
図11は、受熱部の別の実施形態の説明図である。図11(A)、図11(B)は、受熱部90c、90dの軸線CLを含み、貫通孔97c、97dを通る平断面の一部を示している。図中の角度Ahは、軸線CLに垂直な方向に対する、内周側から外周側へ向かう方向の角度を示している。「Ah=0」は、軸線CLに垂直な方向を示している。「Ah<0」は、後端方向Drに斜めに向かう方向を示している(図11(A))。「Ah>0」は、先端方向Dfに斜めに向かう方向を示している(図11(B))。
図11は、受熱部の別の実施形態の説明図である。図11(A)、図11(B)は、受熱部90c、90dの軸線CLを含み、貫通孔97c、97dを通る平断面の一部を示している。図中の角度Ahは、軸線CLに垂直な方向に対する、内周側から外周側へ向かう方向の角度を示している。「Ah=0」は、軸線CLに垂直な方向を示している。「Ah<0」は、後端方向Drに斜めに向かう方向を示している(図11(A))。「Ah>0」は、先端方向Dfに斜めに向かう方向を示している(図11(B))。
図11(A)の第3実施形態では、受熱部90cの側壁部92cに貫通孔97cが設けられている。この貫通孔97cの延びる方向の角度Ahは、ゼロよりも小さい。具体的には、貫通孔97cの後端方向Dr側の内面97c1の延びる方向の角度Ahが、ゼロよりも小さい。図示を省略するが、貫通孔97cの先端方向Df側の内面97c2の延びる方向の角度Ahは、後端方向Dr側の内面97c1の角度Ahと同じである。受熱部90cの他の部分の構成は、図3に示す受熱部90の対応する部分の構成と同じである。
図11(B)の第4実施形態では、受熱部90dの側壁部92dに貫通孔97dが設けられている。この貫通孔97dの延びる方向の角度Ahは、ゼロよりも大きい。具体的には、貫通孔97dの後端方向Dr側の内面97d1の延びる方向の角度Ahが、ゼロよりも大きい。図示を省略するが、貫通孔97dの先端方向Df側の内面97d2の延びる方向の角度Ahも、後端方向Dr側の内面97d1の角度Ahと同じである。受熱部90dの他の部分の構成は、図3に示す受熱部90の対応する部分の構成と同じである。
図12は、図11(A)の実施形態のモデルと、図11(B)の実施形態のモデルとを用いたシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は、貫通孔97c、97dの後端方向Dr側の内面97c1、97d1の角度Ahを示し、縦軸は、流入距離dxを示している。角度Ahとしては、−50、−40、−20、0、+20(度)の5個の値が、評価された。なお、5種類のモデルにおいて、貫通孔97c、97dのサイズH1(複数の貫通孔97c、97dの軸線CLに平行な方向の長さ(すなわち、大きさ)の最大値)は、0.5mmであり、比率C2/C1は、0.6であった。他の部分の構成(例えば、パラメータD1、D2、D3、D4、CL1、CL2)は、図6で説明したモデルの対応する部分の構成と同じであった。
図12に示すように、角度Ahが小さい場合よりも、角度Ahが大きい場合の方が、流入距離dxが小さかった。この理由は、以下のように推定される。貫通孔97c、97dから外周側へ流出するガスは、角度Ahの方向に向かって流れ易い。従って、角度Ahが大きい場合には、角度Ahが小さい場合と比べて、ガスは、側壁部92c、92dの外周側において、先端方向Df側に向かって流れ易い。例えば、ガスは、貫通孔97c、97dから隙間951(図6)内を先端方向Df側に向かって流れ易い。従って、角度Ahが大きい場合には、角度Ahが小さい場合と比べて、カーボン粒子が側壁部92c、92dの外周側(例えば、隙間951(図6))を後端方向Dr側に向かって移動することを、抑制できる。この結果、カーボン粒子が、板部93とダイアフラム42との間の隙間952に流入することを抑制できる。
また、図示するように、角度Ahがゼロよりも小さい場合であっても、ゼロよりも小さい流入距離dxを実現できた。この理由は、以下のように推定される。隙間951よりも後端方向Dr側の空間(隙間952を含む)は、燃焼室600と比べて小さい。貫通孔97cから隙間951を通って後端方向Dr側へ移動できるガスの量は、貫通孔97cから隙間951へ流出したガスの量の一部のみである。従って、角度Ahがゼロよりも小さい場合であっても、貫通孔97cから流出したガスの一部が、隙間951内を先端方向Df側に向かって流れ得る。この結果、カーボン粒子が隙間951内を後端方向Dr側に向かって移動することが、抑制される。
ゼロ以下の流入距離dxを実現した角度Ahは、−40、−20、0、+20(度)であった。角度Ahの好ましい範囲(下限以上、上限以下の範囲)を、上記の4個の値を用いて定めてもよい。具体的には、上記の4個の値のうちの任意の値を、角度Ahの好ましい範囲の下限として採用してもよい。例えば、角度Ahは、−40度以上であることが好ましく、−20度以上であることが特に好ましく、ゼロ度以上であることが最も好ましい。また、これらの値のうちの下限以上の任意の値を、上限として採用してもよい。例えば、角度Ahは、+20度以下であることが好ましい。
なお、角度Ahが大きいほど、側壁部92c、92dの外周側において、ガスは、先端方向Df側に流れ易い。従って、角度Ahは、上記の4個の値のうちの最大値である+20度よりも大きくてもよい。ただし、角度Ahが過度に大きい場合には、受熱部の製造が困難になる。従って、角度Ahの上限は、受熱部を容易に製造できるように決定されることが好ましく、例えば、角度Ahは、45度以下であることが好ましい。
なお、角度Ahの好ましい範囲は、上記のモデルの構成に限らず、他の種々の構成にも適用可能と推定される。例えば、上記のパラメータD1、D2、D3、D4、CL1、CL2、C1、C2、H1などの構成が、上記のモデルの値と異なってもよい。この場合も、角度Ahが上記の好ましい範囲内にある場合には、好ましい範囲外にある場合と比べて、流入距離dxを小さくできると推定される。
C5.貫通孔の周方向の分布について:
図13は、側壁部92の軸線CLに垂直な断面の一部を示している。図中には、軸線CLを中心とする中心角が90度である角度範囲AR内に含まれる部分CS3が示されている(「部分断面CS3」とも呼ぶ)。部分断面CS3は、貫通孔97を通る断面である。図中の部分外周長C1aは、図3(A)、図3(C)で説明した外周長C1のうち、角度範囲AR(すなわち、部分断面CS)に含まれる部分の長さである。図13の実施形態では、側壁部92の形状は、略円筒状である。従って、部分外周長C1aは、外周長C1の4分の1である。部分壁長C2aは、図3(A)、図3(D)で説明した壁長C2のうち、角度範囲AR(すなわち、部分断面CS)に含まれる部分の長さである。
図13は、側壁部92の軸線CLに垂直な断面の一部を示している。図中には、軸線CLを中心とする中心角が90度である角度範囲AR内に含まれる部分CS3が示されている(「部分断面CS3」とも呼ぶ)。部分断面CS3は、貫通孔97を通る断面である。図中の部分外周長C1aは、図3(A)、図3(C)で説明した外周長C1のうち、角度範囲AR(すなわち、部分断面CS)に含まれる部分の長さである。図13の実施形態では、側壁部92の形状は、略円筒状である。従って、部分外周長C1aは、外周長C1の4分の1である。部分壁長C2aは、図3(A)、図3(D)で説明した壁長C2のうち、角度範囲AR(すなわち、部分断面CS)に含まれる部分の長さである。
軸線CLを囲む環状の隙間951(図6)の全周に亘って、カーボン粒子の流入を抑制するためには、複数の貫通孔97が、周方向に沿っておおよそ均等に分布することが好ましい。例えば、軸線CLを中心とする中心角が90度である任意の方向の角度範囲AR内において、比率C2a/C1aが、予め決められた上限以下であることが好ましい。この構成によれば、軸線CLから見て一部の方向において比率C2a/C1aが過度に大きくなることが抑制される。すなわち、貫通孔97から外周側に向かうガスの流れが側壁部92の全周のうちの一部の範囲に偏ることが抑制される。従って、環状の隙間951内に、カーボン粒子が後端方向Dr側に向かって移動し易い部分が形成されることを、抑制できる。この結果、カーボン粒子が側壁部92の外周側を流れて受熱部90とダイアフラム42との間の隙間952に流入することを、抑制できる。上述したシミュレーションの各モデルでは、複数の貫通孔は、周方向に沿って均等に分布していた。従って、任意の方向の角度範囲AR内において、比率C2a/C1aは、比率C2/C1とおおよそ同じであった。
図9のシミュレーション結果を考慮すると、比率C2a/C1aは、0.7以下であることが好ましく、0.6以下であることが特に好ましく、0.5以下であることが最も好ましい。なお、比率C2a/C1aの下限としては、ゼロよりも大きな種々の値を採用可能である。ここで、側壁部92の実用的な強度を実現できるような値を採用することが好ましい。
比率C2a/C1aの好ましい範囲は、図3の実施形態に限らず、他の種々の構成にも適用可能である(例えば、図10、図11(A)、図11(B)の実施形態)。いずれの場合も、軸線CLを中心とする中心角が90度である任意の方向の角度範囲AR内において、比率C2a/C1aが上記の好ましい範囲内であれば、好ましい範囲外にある場合と比べて、流入距離dxを小さくできると推定される。
D.変形例:
(1)受熱部の構成としては、上記の各実施形態の構成に変えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、図11(A)、図11(B)の実施形態において、貫通孔97c、97dの先端側の内面97c2、97d2の角度Ahが、後端側の内面97c1、97d1の角度Ahと異なっていてもよい。後端側の内面97c1、97d1の角度Ahが、上記の好ましい範囲内であり、先端側の内面97c2、97d2の角度Ahが、上記の好ましい範囲外であってもよい。いずれの場合も、板部93の先端側の面931に沿って側壁部92c、92dに向かって流れるガスGSは、先ずは、先端側の内面97c2、97d2ではなく、後端側の内面97c1、97d1に到達する。故に、貫通孔97c、97dから外周側に流れるガスは、後端側の内面97c1、97d1の延びる方向(すなわち、後端側の内面97c1、97d1の角度Ahの方向)に向かって流れ易い。従って、後端側の内面97c1、97d1の角度Ahが上記の好ましい範囲内であれば、カーボン粒子が側壁部92c、92dの外周側(例えば、隙間951(図6))を後端方向Dr側に向かって移動することを、抑制できる。ただし、後端側の内面97c1、97d1の角度Ahが上記の好ましい範囲外であってもよい。
(1)受熱部の構成としては、上記の各実施形態の構成に変えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、図11(A)、図11(B)の実施形態において、貫通孔97c、97dの先端側の内面97c2、97d2の角度Ahが、後端側の内面97c1、97d1の角度Ahと異なっていてもよい。後端側の内面97c1、97d1の角度Ahが、上記の好ましい範囲内であり、先端側の内面97c2、97d2の角度Ahが、上記の好ましい範囲外であってもよい。いずれの場合も、板部93の先端側の面931に沿って側壁部92c、92dに向かって流れるガスGSは、先ずは、先端側の内面97c2、97d2ではなく、後端側の内面97c1、97d1に到達する。故に、貫通孔97c、97dから外周側に流れるガスは、後端側の内面97c1、97d1の延びる方向(すなわち、後端側の内面97c1、97d1の角度Ahの方向)に向かって流れ易い。従って、後端側の内面97c1、97d1の角度Ahが上記の好ましい範囲内であれば、カーボン粒子が側壁部92c、92dの外周側(例えば、隙間951(図6))を後端方向Dr側に向かって移動することを、抑制できる。ただし、後端側の内面97c1、97d1の角度Ahが上記の好ましい範囲外であってもよい。
(2)側壁部の貫通孔の断面形状(貫通孔の延びる方向に垂直な断面形状)としては、矩形状に代えて、他の任意の形状を採用可能である。例えば、円形状を採用してもよい。いずれの場合も、貫通孔の後端側の内面の角度Ahを特定する場合には、軸線CLを含む平断面のうち、後端側の内面と先端側の内面との間の軸線CLに平行な方向の距離が最も大きくなる平断面における貫通孔の後端側の内面を採用すればよい。
また、複数の貫通孔の間で、形状が異なっていてもよい。また、複数の貫通孔の間で、周方向の長さが異なっていてもよい。また、複数の貫通孔の間で、軸線方向のサイズが異なっていてもよい。いずれの場合も、複数の貫通孔の軸線CLに平行な方向の長さの最大値、すなわち、複数の貫通孔のそれぞれの軸線方向のサイズのうちの最も大きなサイズが、上記のサイズH1の好ましい範囲内にあることが好ましい。この構成によれば、ガスが側壁部の貫通孔から外周側に向かって容易に流れるので、カーボン粒子が側壁部の外周側を流れて受熱部とダイアフラムとの間に流入することを、抑制できる。
(3)図3(D)で説明した壁長C2が第2断面CS2の軸線CLに平行な方向の位置に応じて変化する場合、最小値を壁長C2として採用すればよい。また、図13で説明した部分壁長C2aが部分断面CS3の軸線CLに平行な方向の位置に応じて変化する場合、最小値を部分壁長C2aとして採用すればよい。
(4)図10で説明した丸められた接続部分940bは、図3の実施形態の構成に代えて、他の種々の構成に適用可能である。例えば、図11(A)、図11(B)の実施形態に、丸められた接続部分940bを適用してもよい。
(5)図13で説明した比率C2a/C1aの好ましい範囲は、図3の実施形態の構成に代えて、他の種々の構成に適用可能である。例えば、図10、図11(A)、図11(B)の実施形態に、比率C2a/C1aの好ましい範囲を適用してもよい。ただし、一部の方向の角度範囲AR内において、比率C2a/C1aが、上記の上限を超えていても良い。
(6)図2に示すように、上記各実施形態では、受熱部(例えば、受熱部90、90b、90c、90d)は、圧力センサがシリンダヘッド500の取り付け孔510に取り付けられた場合に、取り付け孔510(具体的には、先端部530)内に配置される。ただし、受熱部の少なくとも一部が、取り付け孔510の外(具体的には、取り付け孔の燃焼室側の開口510oよりも燃焼室側)に配置されてもよい。この場合も、受熱部の側壁部の貫通孔から外周側に流れるガスによって、カーボン粒子が受熱部とダイアフラムとの間に流入することを抑制できる。なお、カーボン粒子の流入を抑制するためには、受熱部の側壁部の少なくとも一部(特に後端方向Dr側の部分)が、取り付け孔510の内に配置されることが好ましい。この構成によれば、カーボン粒子が、側壁部と取り付け孔510との間の隙間(例えば、図2の隙間951)を流れることを、貫通孔から流出するガスによって抑制できる。
(7)受熱部とダイアフラムとを接続するための構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、図2の脚部98が省略されて、板部93が直接的にダイアフラム42に接続されてもよい。また、受熱部が、他の部材を介して、ダイアフラム42に接続されてもよい。
(8)ダイアフラム42と圧電素子51とを接続する接続部の構成としては、図2の接続部100の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、先端側の押さえ板54が省略され、ロッド44が、素子部50の要素のうちの先端側の電極52のみに接触していてもよい。また、先端側の押さえ板54と電極52が省略されて、ロッド44に直接的に圧電素子51が接続されてもよい。この場合、ロッド44が、電極として機能する。
(9)素子部50の構成としては、図2、図4の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、先端側の押さえ板54と後端側の押さえ板54との少なくとも一方が省略されてもよい。また、端子部56が、電極52に直接的に接続されていてもよい。また、電極52と圧電素子51とは、軸線CL上に配置された円盤状の板状部材ではなく、軸線CLを囲む円環状の板状部材であってもよく、特定の周方向の軸線CLから離れた位置に配置された部材であってもよい。一般的には、素子部50は、圧電素子を含み、圧電素子からの信号を圧力センサの外部に出力できるように構成されていることが好ましい。また、ダイアフラムが受けた圧力によって変化する電気的特性を有する装置としては、圧電素子に代えて、ダイアフラムと接続部とを通じて受ける荷重に応じて変化する電気的特性(例えば、電圧、抵抗値など)を有する種々の装置を採用可能である。例えば、ひずみゲージを採用してもよい。
(10)圧電素子51を収容する筐体の構成としては、図2で説明した第2金具30の構成に代えて、筒状の種々の構成を採用可能である。例えば、大内径部35と小内径部36とが、互いに分離した別の部材であってもよい。この場合、例えば、大内径部35の内周面に雌ねじを形成し、小内径部36の外周面に雄ねじを形成し、小内径部36を大内径部35の後端側から大内径部35内にねじ込んでもよい。この場合、小内径部36をねじ込む場合の小内径部36の回転数を調整することによって、予荷重を調整できる。いずれの場合も、ダイアフラムは、筐体の先端側に、溶接で接続されてよい。
(11)素子部50からの信号を圧力センサの外部に導くための構成としては、ケーブル60を用いる構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、圧力センサ10の後端側に端子金具が配置され、端子金具と素子部50の端子部56とが中軸によって接続されてもよい。この場合、端子金具と第1金具20とを通じて、素子部50からの信号を取得可能である。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
10、10x、10z...圧力センサ、20...第1金具、21...軸孔、22...ねじ部、24...工具係合部、26...溶融部、30...第2金具、31...軸孔、34...拡径部、35...大内径部、36...小内径部、39...段部、40...受圧部、41...固定部、42...ダイアフラム、42f...受圧面、42o...縁、44...ロッド、45、46...溶融部、49...後端部、50...素子部、51...圧電素子、52...電極、53...リード部、54...押さえ板、54h...貫通孔、55...絶縁板、55h...貫通孔、56...端子部、57...円盤部、60...ケーブル、61...ジャケット、62...外部導体、63...導電コーティング、64...絶縁体、65...内部導体、72...熱収縮チューブ、74...細径導線、75...平板導線、76...接地導線、90、90b、90c、90d、90z...受熱部、91...主部、92、92c、92d...側壁部、93...板部、93o...縁、96...筒部、97、97c、97d、97e...端、97c1、97c2...内面、98...脚部、99...溶融部、100...接続部、500...シリンダヘッド、510...取り付け孔、510o...開口、520...シール面、530...先端部、600...燃焼室、921...面、922...外周面、931、932、932z...面、940、940b...接続部分(隅)、951、952...隙間、97d1、97d2...内面、X...領域、CL...軸線(中心軸)、CP...通過位置、SP...開始位置、AR...角度範囲、Pc...圧力、Df...先端方向、Dr...後端方向、Ah...角度、dx...流入距離、CPm...最奥位置
Claims (4)
- 筒状の筐体と、前記筐体の先端側に接合され前記筐体の軸線に交差する方向に拡がり受圧した圧力に応じて撓むダイアフラムと、前記筐体内に配置され前記圧力によって変化する電気的特性を有するセンサ部と、を備える圧力センサであって、
前記ダイアフラムの先端側に配置され前記ダイアフラムに直接的または間接的に接続された、熱を受ける受熱部を備え、
前記受熱部は、
前記軸線に交差する方向に拡がる板部と、
前記板部の縁から前記先端側に突出する側壁部と、
を備え、
前記側壁部は、前記板部の縁の全周に亘って形成されており、
前記側壁部には、前記板部の縁に沿って並ぶ複数の貫通孔が形成されており、
前記複数の貫通孔の前記軸線に平行な方向の長さの最大値は、0.3mm以上であり、
前記軸線に垂直、かつ、前記複数の貫通孔を通らない前記側壁部の断面において、前記側壁部の外周長を、外周長C1とし、
前記軸線に垂直、かつ、前記複数の貫通孔を通る前記側壁部の断面において、前記側壁部の外周面に対応する部分の長さの合計を、壁長C2とする場合に、
(C2/C1)≦0.6、を満たす、
圧力センサ。 - 請求項1に記載の圧力センサであって、
前記側壁部の内周面と、前記板部の前記先端側の面と、の接続部分は、丸められている、
圧力センサ。 - 請求項1または2に記載の圧力センサであって、
前記軸線を中心とする中心角が90度である任意の方向の角度範囲内において、
前記外周長C1のうち前記角度範囲内に含まれる部分の長さを、部分外周長C1aとし、
前記壁長C2のうち前記角度範囲内に含まれる部分の長さを、部分壁長C2aとする場合に、
(C2a/C1a)≦0.6、を満たす、
圧力センサ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の圧力センサであって、
前記軸線を含む前記側壁部の平断面において、内周側から外周側に向かう方向のうち、前記軸線に垂直な方向の角度をゼロ度とし、前記先端側に傾斜する方向の角度を正の角度とし、後端側に傾斜する方向の角度を負の角度とする場合に、前記貫通孔の前記後端側の内面の角度は、−40度以上20度以下である、
圧力センサ。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015140342A JP6207552B2 (ja) | 2015-07-14 | 2015-07-14 | 圧力センサ |
US15/743,744 US10578506B2 (en) | 2015-07-14 | 2016-07-08 | Pressure sensor that measures the pressure within a combustion chamber of an internal combustion engine |
CN201680041411.2A CN108027295B (zh) | 2015-07-14 | 2016-07-08 | 压力传感器 |
EP16824396.2A EP3324168A4 (en) | 2015-07-14 | 2016-07-08 | PRESSURE SENSOR |
PCT/JP2016/070237 WO2017010416A1 (ja) | 2015-07-14 | 2016-07-08 | 圧力センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015140342A JP6207552B2 (ja) | 2015-07-14 | 2015-07-14 | 圧力センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017020960A JP2017020960A (ja) | 2017-01-26 |
JP6207552B2 true JP6207552B2 (ja) | 2017-10-04 |
Family
ID=57888081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015140342A Expired - Fee Related JP6207552B2 (ja) | 2015-07-14 | 2015-07-14 | 圧力センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6207552B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019113380A (ja) * | 2017-12-22 | 2019-07-11 | 株式会社ミクニ | 圧力センサ |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0719981A (ja) * | 1993-06-01 | 1995-01-20 | Nippondenso Co Ltd | 高温用圧力センサ |
DE10312491B3 (de) * | 2003-03-20 | 2005-02-03 | Robert Bosch Gmbh | Drucksensor mit Hitzeschild zum Einsatz in Verbrennungskraftmaschinen |
JP5034394B2 (ja) * | 2006-09-13 | 2012-09-26 | 株式会社デンソー | 圧力センサ |
JP2009186209A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Toyota Motor Corp | 圧力センサ |
-
2015
- 2015-07-14 JP JP2015140342A patent/JP6207552B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017020960A (ja) | 2017-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6114332B2 (ja) | 圧力センサ | |
JP6253616B2 (ja) | 圧力センサ | |
JP5975793B2 (ja) | 燃焼圧センサ | |
US9891138B2 (en) | Pressure sensor | |
WO2017010416A1 (ja) | 圧力センサ | |
JP2009294203A (ja) | 温度センサ | |
JP6397371B2 (ja) | センサ及びセンサ取付構造体 | |
JP6207552B2 (ja) | 圧力センサ | |
JP6419034B2 (ja) | 圧力センサ | |
US10048153B2 (en) | Pressure sensor including variable member having rear end connected to housing at a predetermined axial position | |
JP6195643B1 (ja) | 圧力センサ | |
JP6143926B1 (ja) | 圧力センサ | |
JP5934691B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP6449726B2 (ja) | 圧力センサ | |
JP2013015397A (ja) | 温度センサの製造方法及び温度センサ | |
JP7008006B2 (ja) | 圧力検出装置 | |
JP6460965B2 (ja) | 圧力センサの製造方法、および圧力センサ | |
JP6716501B2 (ja) | 筒内圧センサ | |
US20160341617A1 (en) | Method of manufacturing pressure sensor and pressure sensor | |
JP2023049395A (ja) | 圧力検出装置 | |
JP2018169255A (ja) | 圧力検出装置、圧力検出装置の製造方法 | |
JP2018096948A (ja) | 圧力センサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170823 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170905 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6207552 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |