JP6181962B2 - 燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法 - Google Patents
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Description
これにより、連結部材に残る残留応力によってヒータ部が軸線方向に変位するのを抑えることができ、燃焼圧を適切に検知可能な燃焼圧センサ付きグロープラグを製造することができる。
しかも、圧力センサがハウジングで覆われた状態でアニール工程を行うことにより、圧力センサが直接高温に晒されず、圧力センサをより適切に保護することができる。
なお、固着工程で用いる固着の手法としては、例えば、溶接、ろう付け、加締め、圧入等が挙げられる。
しかるに、この燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法では、アニール工程を、実装されている圧力センサの耐熱温度以下の温度で行っているので、圧力センサの故障を防ぎつつ、適切に加熱を行って、連結部材に生じた残留応力を低減することができる。
なお、円筒部151の内側には、ヒータ部130のシースチューブ131と内筒190の先端部190sとにそれぞれ溶接され、ヒータ部130をハウジング100に弾性的に連結する連結部材であるメンブレン170が収容されている。すなわち、先端キャップ150は、ヒータ部130、中軸120及び圧力センサ200を、主体金具110及び内筒190内に収容し、さらに、メンブレン170を内筒190の先端部190s及びヒータ部130のシースチューブ131に溶接により連結した後に、内筒190の先端部190sに外嵌され、フランジ部191に溶接されている。
また、先端キャップ150の先端側GSには、先端150sに向かって縮径する形状のテーパ部152が形成されている。グロープラグ1を内燃機関に取り付けた際には、テーパ部152が、内燃機関のプラグ取り付け孔の所定のシート面に密接し、燃焼室内からの気密が確保される。
以上のように、主体金具110、内筒190のフランジ部191及び先端部190s並びに先端キャップ150は一体とされて、グロープラグ1のハウジング100をなしている。
シースチューブ131は、ニッケル合金やステンレス鋼等によって形成され、軸線方向HJに自身のチューブ先端部131sからチューブ後端部131kまで延び、チューブ先端部131sが半球状に閉塞した筒状チューブである。
また、シースチューブ131内の先端部分には、チューブ先端部131sに接合された発熱コイル132と、この発熱コイル132の後端に直列接続された制御コイル133とが配置され、これらの周囲に酸化マグネシウム粉末等の絶縁粉末が充填されている。さらに、シースチューブ131内には、次述する中軸120の軸線方向HJ先端側GSの略半分が挿入され、その先端の中軸先端部120sは、制御コイル133の後端に導通している。
これにより、メンブレン170を介して、ヒータ部130のシースチューブ131とハウジング100(内筒190の先端部190s)とが導通される。加えて、ヒータ部130と内筒190の先端部190sが、メンブレン170で弾性的に連結されることで、ヒータ部130は、ハウジング100に保持され、かつ、このメンブレン170の弾性によって、軸線方向HJの変位が許容されている。そして、次述するように、ヒータ部130の軸線方向HJの変位は、ヒータ部130と一体とされた伝達スリーブ220によってセンサ本体210に伝達される。
このセンサ本体210のダイアフラム体214は、略円筒状をなす内周部211及び外周部212とこれらの間に架け渡され薄肉とされた環状のダイアフラム部213とからなり、内周部211の内側には、中軸120が環状の隙間を介して挿通されている。また、外周部212は内筒190の後端部190kに結合され、内周部211は伝達スリーブ220の後端部220kに結合されている。
端子アセンブリ250内には、その形態を詳述しないが、圧力検知素子215より出力される信号を外部回路に出力するための図示しない出力端子部及び配線が設けられている。また、端子アセンブリ250の内側には、前述したように、ヒータ部130及び中軸120に導通する外部接続端子(図示しない)が配置されている。
以下、本実施形態に係るグロープラグ1の製造方法について説明する。
グロープラグ1は、この溶接工程(固着工程)でメンブレン170を溶接(固着)するにあたり、一体とされたヒータ部130及び中軸120の外側に、内筒190の内筒本体192、伝達スリーブ220及びセンサ本体210からなる圧力センサ200を被せ、さらにこれらを主体金具110の軸孔110h内に収容した状態とされている。なお、主体金具110の金具先端部110sと内筒190のフランジ部191とはレーザ溶接され、また、伝達スリーブ220のスリーブ先端部220sは、ヒータ部130のシースチューブ131の外周面にレーザ溶接されている(図2参照)。従って、本実施形態では、メンブレン170を溶接する時点では、圧力センサ200は既にグロープラグ1内に実装されている。
これにより、メンブレン170(連結部材)を介して、ヒータ部130とハウジング100(内筒190の先端部190s)とが連結され、ヒータ部130が、ハウジング100に弾性的に、かつ、軸線方向HJに変位可能に保持される。
以上により、図1に示すグロープラグ1が完成する。
これにより、メンブレン170に残る残留応力によってヒータ部130が軸線方向HJに変位するのを抑えることができ、燃焼圧を適切に検知可能なグロープラグ1を製造することができる。
例えば、実施形態では、グロープラグ1は、ヒータ部130として、シースヒータを備えたいわゆるメタルグロープラグを例示した。しかし、グロープラグとしては、これに限られず、ヒータ部として、セラミックヒータを備えたいわゆるセラミックグロープラグを用いても良い。
また、実施形態では、圧力検知素子215としてピエゾ抵抗型素子を用いたが、圧力検知素子としては、圧電素子等を用いることもできる。
ろう付けとしては、例えば、ハウジング100とメンブレン170との間の固着箇所、メンブレン170とヒータ部130との間の固着箇所を、それぞれ銀ろう・銅ろう等の硬ろうで、ろう付けする手法が挙げられる。
また、加締めとしては、例えば、ヒータ部130の径方向外側に外嵌するようにメンブレン170を配置した上で、加締め工具を用いて、メンブレン170の先端部170sを加締めて縮径させ、ヒータ部130に加締め固定する手法が挙げられる。
また、圧入としては、例えば、ヒータ部130の径方向外側にメンブレン170が締まりばめに外嵌するように、メンブレン170にヒータ部130を圧入する手法が挙げられる。
また、ハウジング100とメンブレン170との間の固着と、メンブレン170とヒータ部130との間の固着とで、それぞれ別々の手法を用いて固着を行うことも出来る。
例えば、ハウジング100とメンブレン170との間の固着には溶接を用いる一方、メンブレン170とヒータ部130との間の固着には加締めや圧入を用いることが出来る。
このように、圧力センサ200が主体金具110で覆われた状態でアニール工程を行うことにより、圧力センサ200が直接高温に晒されず、圧力センサ200をより適切に保護することができる。
HJ 軸線方向
GS 先端側
GK 後端側
1 燃焼圧センサ付きグロープラグ(グロープラグ)
100 ハウジング
110 主体金具(ハウジング)
120 中軸
130 ヒータ部
150 先端キャップ(ハウジング)
150s (先端キャップ(ハウジング)の)先端
170 メンブレン(連結部材)
190 内筒
190s (内筒の)先端部(ハウジング)
191 フランジ部(ハウジング)
192 内筒本体(圧力センサ)
200 圧力センサ
210 センサ本体(圧力センサ)
215 圧力検知素子
220 伝達スリーブ(圧力センサ)
w3,w4 溶接部
Claims (2)
- 軸線方向に延びる筒状のハウジングと、
自身の先端部を上記ハウジングの先端から突出させて、上記軸線方向に変位可能に上記ハウジング内に配置され、通電により発熱する棒状のヒータ部と、
上記ヒータ部を上記ハウジングに弾性的に連結する連結部材と、
上記ハウジングに対する上記ヒータ部の上記軸線方向の変位から燃焼圧を検知する圧力センサとを備える
燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法であって、
上記連結部材を、上記ヒータ部と上記ハウジングとにそれぞれ固着する固着工程と、
上記固着工程の後に、上記圧力センサが上記ハウジングで覆われた状態で、上記連結部材に生じた残留応力を加熱により低減させるアニール工程と、を備える
燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法。 - 請求項1に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法であって、
前記アニール工程は、実装されている前記圧力センサの耐熱温度以下の温度で行う
燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法。
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