JP6212296B2 - 燃焼圧センサ付きグロープラグ - Google Patents
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Description
これにより、燃焼室内の燃焼ガスが、補助連結部材によって遮られて、主としてヒータ部とハウジングとを弾性的に連結する主連結部材に直接接触しない上、燃焼ガスからの熱を補助連結部材が受けても、この熱が主連結部材へと伝わりにくい。このため、燃焼ガスからの受熱による主連結部材の熱膨張が抑制されるので、この熱膨張に起因する圧力センサの出力ドリフトを低減させた燃焼圧センサ付きグロープラグが得られる。
なお、補助連結部材と主連結部材との間の減圧状態を、真空に近くするほど、燃焼ガスからの熱が主連結部材へ伝わりにくく、より好ましい。
バネ定数が主連結部材よりも小さい補助連結部材としては、厚みを主連結部材よりも薄くした補助連結部材や、ベローズ状などの低いバネ定数を有する屈曲部を一部に設けた補助連結部材が挙げられる。
しかるに、この燃焼圧センサ付きグロープラグでは、補助連結部材が、主連結部材よりも熱膨張率の小さい材料からなるので、補助連結部材が熱膨張することによる圧力センサの出力ドリフトへの影響を抑制することができる。
例えば、上記関係を満たす主連結部材及び補助連結部材の材料の組み合わせとしては、熱膨張係数が11.3×10-6/℃(400℃)のSUS630(ステンレス鋼)を主連結部材に、9.6×10-6/℃(600℃)のINCOLOY(商標名)909(ニッケル合金(ニッケル−鉄−コバルト合金))を補助連結部材に用いる場合が挙げられる。なお、熱膨張率(熱膨張係数)の小さい低膨張合金としては、上記のINCOLOY909の他、これに類似のINCOLOY903、INCOLOY907等のニッケル合金(ニッケル−鉄−コバルト合金)が挙げられる。したがって、これらを補助連結部材に用いると良い。また、主連結部材には、上記のSUS630の他、SUS410等のステンレス鋼を用いることができる。
例えば、前述のINCOLOY909等も耐熱性が高く、また、この他に、INCONEL(商標名)601、INCONEL718等のニッケル合金(ニッケル−クロム合金)は、特に耐熱性に優れた耐熱合金である。したがって、これらを補助連結部材に用いると良く、主連結部材には、前述のSUS630、SUS410等のステンレス鋼を用いると良い。
なお、円筒部151の内側には、内筒190の先端部190sとヒータ部130のシースチューブ131とを連結する主メンブレン170及び補助メンブレン175が収容されている。すなわち、先端キャップ150は、ヒータ部130、中軸120及び圧力センサ200を、主体金具110及び内筒190内に収容し、さらに、主メンブレン170及び補助メンブレン175を内筒190の先端部190s及びヒータ部130のシースチューブ131に溶接により連結した後に、内筒190の先端部190sに外嵌され、フランジ部191に溶接されている。
また、先端キャップ150のうち、軸線方向HJ先端側GSには、先端150sに向かって縮径する形状のテーパ部152が形成されている。グロープラグ1を内燃機関に取り付けた際には、テーパ部152が、内燃機関のプラグ取り付け孔の所定のシート面に密接し、燃焼室内からの気密が確保される。
以上のように、主体金具110、内筒190のフランジ部191及び先端部190s並びに先端キャップ150は一体とされて、グロープラグ1のハウジング100をなしている。
シースチューブ131は、ニッケル合金やステンレス鋼等によって形成され、軸線方向HJに自身のチューブ先端部131sからチューブ後端部131kまで延び、チューブ先端部131sが半球状に閉塞した筒状チューブである。
また、シースチューブ131内の先端部分には、チューブ先端部131sに接合された発熱コイル132と、この発熱コイル132の後端に直列接続された制御コイル133とが配置され、これらの周囲に酸化マグネシウム粉末等の絶縁粉末が充填されている。さらに、シースチューブ131内には、次述する中軸120の軸線方向HJ先端側GSの略半分が挿入され、その先端の中軸先端部120sは、制御コイル133の後端に導通している。
さらに、これら主メンブレン170及び補助メンブレン175を介して(主として、バネ定数の大きい主メンブレン170を介して)、ヒータ部130とハウジング100(内筒190の先端部190s)が弾性的に連結され、ヒータ部130は軸線方向HJの変位が許容されている。そして、次述するように、ヒータ部130の軸線方向HJの変位は、ヒータ部130と一体とされた伝達スリーブ220によってセンサ本体210に伝達される。
センサ本体210のダイアフラム体214は、略円筒状をなす内周部211及び外周部212とこれらの間に架け渡され薄肉とされた環状のダイアフラム部213とからなり、内周部211の内側には、中軸120が環状の隙間を介して挿通されている。また、外周部212は内筒190の後端部190kに結合され、内周部211は伝達スリーブ220の後端部220kに結合されている。
端子アセンブリ250内には、その形態を詳述しないが、圧力検知素子215より出力される信号を外部回路に出力するための図示しない出力端子部及び配線が設けられている。また、端子アセンブリ250の内側には、前述したように、ヒータ部130及び中軸120に導通する外部接続端子(図示しない)が配置されている。
なお、本実施形態1のグロープラグ1において、主メンブレン170が本発明における主連結部材に相当し、補助メンブレン175が補助連結部材に相当する。
これにより、補助メンブレン175が熱膨張することによる圧力センサ200の出力ドリフトへの影響を抑制することができる。
例えば、実施形態では、グロープラグ1は、ヒータ部130として、シースヒータを備えたいわゆるメタルグロープラグを例示した。しかし、グロープラグとしては、これに限られず、ヒータ部として、セラミックヒータを備えたいわゆるセラミックグロープラグを用いても良い。この場合、セラミックヒータ及びセラミックヒータの外周面に固定された筒状の金属製外筒の組立体をヒータ部130とすることができる。そして、主メンブレン170(主連結部材)及び補助メンブレン175(補助連結部材)は外筒に結合される。
また、実施形態では、圧力検知素子215としてピエゾ抵抗型素子を用いたが、圧力検知素子としては、圧電素子等を用いることもできる。
HJ 軸線方向
GS 先端側
GK 後端側
1 燃焼圧センサ付きグロープラグ(グロープラグ)
100 ハウジング
110 主体金具(ハウジング)
120 中軸
130 ヒータ部
150 先端キャップ(ハウジング)
150s (先端キャップ(ハウジング)の)先端
170 主メンブレン(主連結部材)
170s (主メンブレンの)先端部
170k (主メンブレンの)後端部
175 補助メンブレン(補助連結部材)
175s (補助メンブレンの)先端部
175k (補助メンブレンの)後端部
190 内筒
190s (内筒の)先端部(ハウジング)
191 フランジ部(ハウジング)
192 内筒本体(圧力センサ)
200 圧力センサ
210 センサ本体(圧力センサ)
215 圧力検知素子
220 伝達スリーブ(圧力センサ)
Claims (3)
- 軸線方向に延びる筒状のハウジングと、
自身の先端部を上記ハウジングの先端から突出させて、上記軸線方向に変位可能に上記ハウジング内に配置され、通電により発熱する棒状のヒータ部と、
弾性を有する筒状をなし、上記ハウジング内に配置されて、その一端及び他端がそれぞれ上記ヒータ部及び上記ハウジングに結合し、上記ヒータ部を上記軸線方向に変位可能に弾性的に上記ハウジングに連結する主連結部材と、
バネ定数が上記主連結部材よりも小さい弾性を有する筒状をなし、上記主連結部材の上記軸線方向先端側に配置されて、その一端及び他端がそれぞれ上記ヒータ部及び上記ハウジングに気密に結合した補助連結部材と、
上記ハウジングに対する上記ヒータ部の上記軸線方向の変位から燃焼圧を検知をする圧力センサと、を備える
燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
上記補助連結部材と上記主連結部材との間は減圧されてなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記補助連結部材は、前記主連結部材よりも熱膨張率の小さい材料からなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1または請求項2に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記補助連結部材は、前記主連結部材よりも耐熱性が高い材料からなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。
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