JP6154651B2 - 燃焼圧センサ付きグロープラグ及びその製造方法 - Google Patents
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このような力がヒータ部に加わっていると、圧力センサの出力にヒータ部の変位する方向によるヒステリシスを生じる。また、この付勢力がオフセットとして、検知される燃焼圧の誤差となって現れる。
また、上述の付勢力は、グロープラグ毎のばらつきが大きく、燃焼圧センサ付きグロープラグ間でのセンサ感度のばらつきも大きくなる。
これにより、圧力センサの出力にヒータ部の変位する方向によるヒステリシスを生じたり、検知される燃焼圧に誤差を生じるなど、溶接または圧入により連結部材をヒータ部及びハウジングに結合したことに起因して、連結部材に生じる軸線方向後端側に向けて付勢する力の影響を軽減することができる。
なお、これら図1等において、グロープラグ1の軸線AXに沿う軸線方向HJのうち、ヒータ部130が配置された側(図中下側)を先端側GSとし、これと反対側(図中上側)を後端側GKとして説明する。
なお、円筒部151の内側には、内筒190の先端部190sとヒータ部130のシースチューブ131とを連結する連結部材であるメンブレン170が収容されている。すなわち、先端キャップ150は、ヒータ部130、中軸120及び圧力センサ200を、主体金具110及び内筒190内に収容し、さらに、メンブレン170を内筒190の先端部190s及びヒータ部130のシースチューブ131に溶接により連結した後に、内筒190の先端部190sに外嵌され、フランジ部191に溶接されている。
また、先端キャップ150の先端側GSには、先端150sに向かって縮径する形状のテーパ部152が形成されている。グロープラグ1を内燃機関に取り付けた際には、テーパ部152が、内燃機関のプラグ取り付け孔の所定のシート面に密接し、燃焼室内からの気密が確保される。
以上のように、主体金具110、内筒190のフランジ部191及び先端部190s並びに先端キャップ150は一体とされて、グロープラグ1のハウジング100をなしている。
シースチューブ131は、ニッケル合金やステンレス鋼等によって形成され、軸線方向HJに自身のチューブ先端部131sからチューブ後端部131kまで延び、チューブ先端部131sが半球状に閉塞した筒状チューブである。
また、シースチューブ131内の先端部分には、チューブ先端部131sに接合された発熱コイル132と、この発熱コイル132の後端に直列接続された制御コイル133とが配置され、これらの周囲に酸化マグネシウム粉末等の絶縁粉末が充填されている。さらに、シースチューブ131内には、次述する中軸120の軸線方向HJ先端側GSの略半分が挿入され、その先端の中軸先端部120sは、制御コイル133の後端に導通している。
これにより、メンブレン170を介して、ヒータ部130のシースチューブ131とハウジング100(内筒190の先端部190s)とが導通される。加えて、ヒータ部130と内筒190の先端部190sが、メンブレン170で弾性的に連結されることで、ヒータ部130は、ハウジング100に保持され、かつ、このメンブレン170の弾性によって、軸線方向HJの変位が許容されている。そして、次述するように、ヒータ部130の軸線方向HJの変位は、ヒータ部130と一体とされた伝達スリーブ220によってセンサ本体210に伝達される。
このセンサ本体210のダイアフラム体214は、略円筒状をなす内周部211及び外周部212とこれらの間に架け渡され薄肉とされた環状のダイアフラム部213とからなり、内周部211の内側には、中軸120が環状の隙間を介して挿通されている。また、外周部212は内筒190の後端部190kに結合され、内周部211は伝達スリーブ220の後端部220kに結合されている。
そして、この端子カバー260の内側には、外部からヒータ部130への給電を受け入れる金属製の外部接続端子160及びこれを取り囲んで配置された端子アセンブリ250が配置されており、これらは、その一部を、端子カバー260の後端部260kから軸線方向HJ後端側GKに突出させた状態で収容されている。なお、外部接続端子160には、上記給電のための接続に用いる接続孔160hが形成されている。
なお、端子カバー260の後端部260kは縮径され、これにより、段部261が形成されている。端子アセンブリ250も同様に、後端部250kが縮径した形態とされ、端子カバー260の段部261に、端子アセンブリ250の外周に形成された肩部251が係合している。
また、外部接続端子160の軸線方向HJ先端側GSには、径方向外側に向けて拡径した拡径部161が形成され、この拡径部161は、端子アセンブリ250の内側に形成された段部252に係合している。
特に本実施形態では、この端子ばね180を圧縮して塑性変形させてあり、付勢力を塑性変形の変位の大きさに拘らず、ほぼ一定としている。
これにより、圧力センサ200の出力にヒータ部130の変位する方向によるヒステリシスを生じたり、検知される燃焼圧に誤差を生じるなどの、メンブレン170に生じる軸線方向HJ後端側GKに向けて付勢する力の影響を軽減することができる。
図4は、一体とされたヒータ部130及び中軸120の外側に、内筒190の内筒本体192、伝達スリーブ220及びセンサ本体210からなる圧力センサ200を被せ、さらにこれらを主体金具110の軸孔110h内に収容した状態のグロープラグ1の半完成品1Aを示す。この半完成品1Aでは、ヒータ部130のヒータ先端部130sが、内筒190の先端部190sから軸線方向HJ先端側GSに突出する一方、中軸120の中軸後端部120kが主体金具110の金具後端部110kから軸線方向HJ後端側GKに突出している。また、伝達スリーブ220のスリーブ先端部220sが、内筒190の先端部190sから軸線方向HJ先端側に突出している。
この半完成品1Aについて、まず、主体金具110の金具先端部110sと内筒190のフランジ部191とをレーザ溶接する。次いで、伝達スリーブ220のスリーブ先端部220sを、ヒータ部130のシースチューブ131の外周面にレーザ溶接する。
そして、この半完成品1Bについて、まず、溶接部w3において、メンブレン170の後端部170kを内筒190の先端部190sにレーザ溶接する。次いで、溶接部w4において、メンブレン170の先端部170sをヒータ部130のシースチューブ131の外周面にレーザ溶接する。
以上により、メンブレン170を介して、ヒータ部130とハウジング100(内筒190の先端部190s)とが連結され、ヒータ部130が、ハウジング100に弾性的に、かつ、軸線方向HJに変位可能に保持される(連結工程)。
そして、この半完成品1Cについて、内筒190のフランジ部191と先端キャップ150の円筒部151とを溶接する。なお、これにより、ハウジング100をなす主体金具110、内筒190のフランジ部191及び先端部190s並びに先端キャップ150がすべて一体に結合される。
以上により、グロープラグ1が完成する。
例えば、実施形態では、グロープラグ1は、ヒータ部130として、シースヒータを備えたいわゆるメタルグロープラグを例示した。しかし、グロープラグとしては、これに限られず、ヒータ部として、セラミックヒータを備えたいわゆるセラミックグロープラグを用いても良い。
また、実施形態では、主体金具110、内筒190のフランジ部191及び先端部190s並びに先端キャップ150でハウジング100を構成し、このハウジング100のうち、内筒190の先端部190sとヒータ部130のシースチューブ131の外周面とを連結部材であるメンブレン170で溶接により連結した。しかし、ハウジングの構成はこれに限られず、例えば、連結部材を主体金具に溶接するなど、連結部材とハウジングとの間の連結箇所は、ハウジングの構成に合わせて、適宜変更できる。
さらに、実施形態では、圧力検知素子215としてピエゾ抵抗型素子を用いたが、圧力検知素子としては、圧電素子等を用いることもできる。
また、上述の実施形態では、連結部材であるメンブレン170をヒータ部130のシースチューブ131の外周面、及び、ハウジング100のうち内筒190の先端部190sに溶接したグロープラグ1を示した。しかし、メンブレン170のヒータ部130及びハウジング100への結合の手法は、これに限られず、圧入によって、メンブレン170をヒータ部130及びハウジング100に結合することもできる。
本変形形態のグロープラグは、具体的には、図4に示したグロープラグ1の半完成品1Aを準備した後、半完成品1Aにおけるシースチューブ131に、その先端側GSからメンブレン170の先端部170sを締まりばめに外嵌(メンブレン170の先端部170sにシースチューブ131を圧入)する(図5参照)。さらに、ハウジング100をなす内筒190の先端部190sに、メンブレン170の後端部170kを締まりばめに外嵌(メンブレン170の後端部170kに内筒190の先端部190sを圧入)する。
その後、実施形態1と同様の工程(図6〜図8参照)を経て、グロープラグの完成品を得ることができる。
しかるに、この変形形態においても、実施形態のグロープラグ1と同様に、中軸120の中軸後端部120kと外部接続端子160との間に配置され、これらを電気的に接続する端子ばね180を備えており、この端子ばね180は、ヒータ部130及び中軸120を軸線方向HJ先端側GSに向けて付勢している。このため、この付勢によって、実施形態と同様に、メンブレン170がヒータ部130を軸線方向HJ後端側GKに向けて付勢する力の少なくとも一部が相殺され、メンブレン170に生じる軸線方向HJ後端側GKに向けて付勢する力の影響を軽減することができる。
なお、メンブレン170の先端部170sとシースチューブ131、及び、メンブレン170の後端部170kと内筒190の先端部190sとの結合にあたり、一方を溶接、他方を圧入(外嵌)により行っても良い。
HJ 軸線方向
GS 先端側
GK 後端側
1 燃焼圧センサ付きグロープラグ(グロープラグ)
100 ハウジング
110 主体金具(ハウジング)
120 中軸(導通部材)
130 ヒータ部
150 先端キャップ(ハウジング)
150s (先端キャップ(ハウジング)の)先端
160 外部接続端子(端子部材)
170 メンブレン(連結部材)
180 端子ばね(弾性接続部材)
190 内筒
190s (内筒の)先端部(ハウジング)
191 フランジ部(ハウジング)
192 内筒本体(圧力センサ)
200 圧力センサ
210 センサ本体(圧力センサ)
215 圧力検知素子(検知素子)
220 伝達スリーブ(圧力センサ)
w3,w4 溶接部
1A,1B,1C,1D 半完成品
Claims (4)
- 軸線方向に延びる筒状のハウジングと、
自身の先端部を上記ハウジングの先端から突出させて、上記軸線方向に変位可能に上記ハウジング内に配置され、通電により発熱する棒状のヒータ部と、
上記ハウジング内に挿通され、自身の先端部で上記ヒータ部に電気的に接続し、上記ヒータ部と一体に結合されて上記軸線方向に変位可能とされ、上記軸線方向後端側に向けて延びる導通部材と、
上記導通部材の後端部よりも上記軸線方向後端側に配置された金属製の端子部材と、
上記導通部材の上記後端部と上記端子部材との間に配置され、これらを電気的に接続すると共に、上記導通部材の上記後端部と一体に接続され、かつ、上記端子部材に溶接され、上記軸線方向に弾性変形可能な金属製の弾性接続部材と、
溶接または圧入により上記ヒータ部及び上記ハウジングと結合して、上記ヒータ部を上記軸線方向に変位可能に、上記ハウジングと弾性的に連結する連結部材と、
燃焼圧を検知する圧力センサであって、
上記連結部材よりも上記軸線方向後端側に配置され、上記燃焼圧の変化に伴う上記ハウジングに対する上記ヒータ部の上記軸線方向の変位を検知する検知素子を有する
圧力センサと、を備え、
上記弾性接続部材は、
自身で発生する上記軸線方向先端側に向けて付勢する力で、上記ヒータ部及び上記導通部材を上記軸線方向先端側に向けて付勢してなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記弾性接続部材は、塑性変形により、前記軸線方向先端側に向けて付勢する力を生じてなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 軸線方向に延びる筒状のハウジングと、
自身の先端部を上記ハウジングの先端から突出させて、上記軸線方向に変位可能に上記ハウジング内に配置され、通電により発熱する棒状のヒータ部と、
上記ハウジング内に挿通され、自身の先端部で上記ヒータ部に電気的に接続し、上記ヒータ部と一体に結合されて上記軸線方向に変位可能とされ、上記軸線方向後端側に向けて延びる導通部材と、
上記導通部材の後端部よりも上記軸線方向後端側に配置された金属製の端子部材と、
上記導通部材の上記後端部と上記端子部材との間に配置され、これらを電気的に接続すると共に、上記軸線方向に弾性変形可能な金属製の弾性接続部材と、
溶接または圧入により上記ヒータ部及び上記ハウジングと結合して、上記ヒータ部を上記軸線方向に変位可能に、上記ハウジングと弾性的に連結する連結部材と、
燃焼圧を検知する圧力センサであって、
上記連結部材よりも上記軸線方向後端側に配置され、上記燃焼圧の変化に伴う上記ハウジングに対する上記ヒータ部の上記軸線方向の変位を検知する検知素子を有する
圧力センサと、を備え、
上記弾性接続部材は、
上記ヒータ部及び上記導通部材を上記軸線方向先端側に向けて付勢してなる
燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法であって、
上記連結部材を、上記導通部材と一体に結合した上記ヒータ部及び上記ハウジングにそれぞれ溶接または圧入により結合する連結工程と、
上記弾性接続部材を介して、上記導通部材の上記後端部に上記端子部材を接続する端子接続工程と、
上記端子部材を上記軸線方向先端側に移動させ、上記弾性接続部材が上記導通部材を上記軸線方向先端側に向けて付勢する形態に上記弾性接続部材を変形させた状態で、上記端
子部材を上記ハウジングに固定する端子固定工程と、を備える
燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法。 - 請求項3に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法であって、
前記端子固定工程は、前記弾性接続部材を塑性変形させて、前記軸線方向先端側に向けて付勢させる変形工程を含む
燃焼圧センサ付きグロープラグの製造方法。
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