JP6100594B2 - 燃焼圧センサ付きグロープラグ - Google Patents
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Description
これに対し、燃焼圧センサ付きグロープラグでは、圧力センサのダイアフラムが中軸の径方向外側に配置されているため、通電によって中軸の径方向外側に発生する磁界の影響を受けて、強磁性体の金属材からなるダイアフラムが変形する。この結果、ダイアフラムの歪みを検知素子で検知する圧力センサ部のセンサ出力が影響され、燃焼圧の検知に誤差を生じることがあった。
なお、このようなシート材の防磁材としては、例えば、パーマロイなどをシート状に形成したもの、さらにその片面に感圧接着剤を設けたものなどが挙げられる。
なお、絶縁材としては、例えば、高い絶縁性能と耐熱性を有するPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やポリイミドをシート状にしたもの(PTFEシートやポリイミドシート)のほか、これらの片面に粘着材を塗布したもの(PTFEテープやポリイミドテープ)などを用いることができる。
なお、このような絶縁材と防磁材とを重ねたシート材としては、例えば、パーマロイなどをシート状に形成した防磁材の片面または両面にシート状の絶縁材を貼り合わせたり、シート状の絶縁材の片面にパーマロイなどの軟磁性金属材を蒸着して防磁材を形成するなどして、絶縁材と防磁材とを層状に重ねた一体のシート状に形成したものが挙げられる。
なお、円筒部151の内側には、内筒190の先端部190sとヒータ部130のシースチューブ131とを連結する連結部材であるメンブレン170が収容されている。すなわち、先端キャップ150は、ヒータ部130、中軸120及び圧力センサ部200を、主体金具110及び内筒190内に収容し、さらに、メンブレン170を内筒190の先端部190s及びヒータ部130のシースチューブ131に溶接により連結した後に、内筒190の先端部190sに外嵌され、フランジ部191に溶接されている。
また、先端キャップ150の先端側GSには、先端150sに向かって縮径する形状のテーパ部152が形成されている。グロープラグ1を内燃機関に取り付けた際には、テーパ部152が、内燃機関のプラグ取り付け孔の所定のシート面に密接し、燃焼室内からの気密が確保される。
以上のように、主体金具110、内筒190のフランジ部191及び先端部190s並びに先端キャップ150は一体とされて、グロープラグ1のハウジング100をなしている。
シースチューブ131は、ニッケル合金やステンレス鋼等によって形成され、軸線方向HJに自身のチューブ先端部131sからチューブ後端部131kまで延び、チューブ先端部131sが半球状に閉塞した筒状チューブである。
また、シースチューブ131内の先端部分には、チューブ先端部131sに接合された発熱コイル132と、この発熱コイル132の後端に直列接続された制御コイル133とが配置され、これらの周囲に酸化マグネシウム粉末等の絶縁粉末が充填されている。さらに、シースチューブ131内には、次述する中軸120の軸線方向HJ先端側GSの略半分が挿入され、その先端の中軸先端部120sは、制御コイル133の後端に導通している。
これにより、メンブレン170を介して、ヒータ部130のシースチューブ131とハウジング100(内筒190の先端部190s)とが導通される。加えて、ヒータ部130と内筒190の先端部190sが、メンブレン170で弾性的に連結されることで、ヒータ部130は、ハウジング100に保持され、かつ、このメンブレン170の弾性によって、軸線方向HJの変位が許容されている。そして、次述するように、ヒータ部130の軸線方向HJの変位は、ヒータ部130と一体とされた伝達スリーブ220によってセンサ本体210に伝達される。
このセンサ本体210のダイアフラム体214は、略円筒状をなす内周部211及び外周部212とこれらの間に架け渡され薄肉とされた環状のダイアフラム部213とからなり、内周部211の内側には、中軸120のが環状の隙間を介して挿通されている。また、外周部212は内筒190の後端部190kに結合され、内周部211は伝達スリーブ220の後端部220kに結合されている。
端子アセンブリ250内には、その形態を詳述しないが、圧力検知素子215より出力される信号を外部回路に出力するための図示しない出力端子部及び配線が設けられている。また、端子アセンブリ250の内側には、前述したように、ヒータ部130及び中軸120に導通する外部接続端子(図示しない)が配置されている。
これに対し、グロープラグ1では、圧力センサ部200のうちダイアフラム体214及び圧力検知素子215からなるセンサ本体210が中軸120の径方向外側に配置されているため、通電によって中軸120の径方向外側に発生する磁界の影響を受けて、強磁性体の金属材からなるダイアフラム体214のダイアフラム部213が変形する。その結果、このままでは、ダイアフラム部213の歪みを検知した圧力センサ部200のセンサ出力が影響され、燃焼圧の検知に誤差を生じることがある。
この絶縁防磁部材290は、図3に示すように、高透磁率の軟磁性金属材であるパーマロイをシート状に形成した防磁材292の両面に、ポリイミドからなるシート状の絶縁材291を貼り合わせて、絶縁材291と防磁材292とを層状に重ねた一体のシート状に形成したものである。なお、絶縁材291に用いたポリイミドは、高い絶縁性能と耐熱性を有している。そして、この一体となった絶縁防磁部材290が、図4の横断面図に示すように、中軸120のうち、軸線方向HJ先端側GSのセンサ本体210(ダイアフラム体214のダイアフラム部213及び圧力検知素子215)の内側に位置する部位に巻き付けられている。
これにより、絶縁防磁部材290のうち、絶縁材291は、圧力センサ部200のうちダイアフラム体214及び圧力検知素子215からなるセンサ本体210と中軸120との間に介在して、これらの間を絶縁している。また、防磁材292は、中軸120への通電により生じる磁界を遮蔽して、この磁界がダイアフラム体214のダイアフラム部213に届いてダイアフラム体214のダイアフラム部213を変形させるのを防止している。
したがって、通電によって中軸120のまわりに磁界が発生しても、防磁材292の存在により、強磁性体の金属材からなるダイアフラム体214のダイアフラム部213が磁界の影響を受けて変形しにくい。また、その一方、防磁材292を介して圧力センサ部200と中軸120とが短絡しないように、これらの間を絶縁材291で絶縁している。これにより、磁界によるダイアフラム体214のダイアフラム部213の変形で圧力センサ部200のセンサ出力が影響を受けて、燃焼圧の検知に誤差が生じるのが抑制される。
このため、ダイアフラム体214のダイアフラム部213が磁界の影響で変形して燃焼圧の検知に誤差が生じるのをより適切に抑制することができる。
例えば、実施形態では、グロープラグ1は、ヒータ部130として、シースヒータを備えたいわゆるメタルグロープラグを例示した。しかし、グロープラグとしては、これに限られず、ヒータ部として、セラミックヒータを備えたいわゆるセラミックグロープラグを用いても良い。
また、実施形態では、圧力検知素子215としてピエゾ抵抗型素子を用いたが、圧力検知素子としては、圧電素子等を用いることもできる。
また、防磁材及び絶縁材は、シート状のものを中軸120に巻き付けたものに限られず、例えば、パーマロイなどをスプレー塗布や蒸着などにより中軸120の径方向外側に積層して防磁材を形成しても良い。
HJ 軸線方向
GS 先端側
GK 後端側
1 燃焼圧センサ付きグロープラグ(グロープラグ)
100 ハウジング
110 主体金具(ハウジング)
120 中軸
130 ヒータ部
150 先端キャップ(ハウジング)
150s (先端キャップ(ハウジング)の)先端
190 内筒
190s (内筒の)先端部(ハウジング)
191 フランジ部(ハウジング)
192 内筒本体(圧力センサ部)
200 圧力センサ部
210 センサ本体(圧力センサ部)
215 圧力検知素子(検知素子)
220 伝達スリーブ(圧力センサ部)
290 絶縁防磁部材
291 絶縁材
292 防磁材
Claims (6)
- 軸線方向に延びる筒状のハウジングと、
自身の先端部を上記ハウジングの先端から突出させて、上記軸線方向に変位可能に上記ハウジング内に配置され、通電により発熱する棒状のヒータ部と、
上記ハウジング内に挿通され、自身の先端部で上記ヒータ部に電気的に接続し、上記軸線方向後端側に向けて延びる棒状の中軸と、
燃焼圧を検知する圧力センサ部であって、
上記ハウジング内で、上記中軸の径方向外側に配置され、上記燃焼圧の変化に伴う上記ヒータ部の上記軸線方向の変位が伝達されて歪む強磁性体の金属材からなるダイアフラム及び、上記ダイアフラムに接合され、このダイアフラムの歪みの度合いを検知する検知素子を有する
圧力センサ部と、
上記圧力センサ部の上記ダイアフラムと上記中軸との間に介在し、上記中軸に通電することにより生じる磁界を遮蔽して、この磁界により上記ダイアフラムが変形するのを防止する防磁材と、を備える
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記防磁材は、比透磁率が3000以上の軟磁性金属材からなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項2に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記防磁材の前記軟磁性金属材は、純鉄、パーマロイまたはスーパーマロイである
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記防磁材は、シート材であり、前記中軸の径方向外側に巻き付けてなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記圧力センサ部の前記ダイアフラムと前記中軸との間に介在して、これらの間を絶縁する絶縁材をさらに備える
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項5に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記絶縁材と前記防磁材とは、両者を層状に重ねた一体のシート材であり、前記中軸の径方向外側に巻き付けてなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。
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