以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す画像形成装置100における人感センサー150の検知範囲Rを示す斜視図である。なお、図1及び図2並びに後述する図3から図6において、符号Xは左右方向を示し、符号Yは奥行き方向を示し、符号Zは上下方向を示している。
図1及び図2に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体110と原稿読取装置120とを備えている。
原稿読取装置120は、画像形成装置本体110の上部に設けられており、原稿載置台121、原稿読取部122及び原稿自動送り装置123を備えている。原稿読取装置120は、原稿載置台121に載置された原稿の画像を原稿読取部122にて読み取るか又は原稿自動送り装置123にて自動的に送られる原稿の画像を原稿読取部122にて読み取り、読み取った原稿の画像データを画像形成装置本体110に送信する。原稿読取装置120は、原稿自動送り装置123にて搬送されて原稿読取部122にて読み取れた原稿を原稿排出トレイ123aに排出する。
画像形成装置本体110は、シート収容部111、シート搬送部112、画像形成部113、シート排出部114及び操作部115を有している。画像形成装置本体110は、記録用紙等の記録シートをシート収容部111に収容し、シート収容部111に収容された記録シートをシート搬送部112にて搬送し、シート搬送部112にて搬送された記録シートに原稿読取装置120又は外部から送信されてきた画像データに基づいてカラー画像又はモノクロ画像を画像形成部113にて形成し、画像形成部113にて画像を形成した記録シートをシート排出部114におけるシート排出トレイ114aに排出するようになっている。操作部115は、表示装置164を含む操作部材165を備えている。
本実施の形態において、画像形成装置100は、人を検知する人感センサー150をさらに備えている。
人感センサー150は、画像形成装置本体110の前面(操作側の面)の操作部115の下方における正面から視て左右方向Xの一端部(この例では右端部)に設けられている。
人感センサー150は、予め定めた所定の限られた検知範囲R(図2参照)内に人が居るのか或いは居ないのかを検知するセンサーである。人感センサー150は、所定の検知範囲Rの指向性を有している。検知範囲Rは、左右方向X、奥行き方向Y、上下方向Z及びこれらのうち少なくとも2つを組み合わせた方向の所定の限られた検知範囲を例示でき、この例では、左右方向X及び上下方向Zにおいて上方に向かって円錐状の範囲とされている(図2参照)。
人感センサー150は、この例では、超音波を用いた超音波型の人感センサーとされている。超音波型の人感センサー150は、超音波送波部151及び超音波受波部152を有し、超音波送波部151により所定の検知範囲Rに超音波を検知対象物に向け発信し、該検知対象物からの反射波を超音波受波部152で受信して得られた検知結果により、対象物の有無を検出するものである。人感センサー150は、この例では、超音波を用いた超音波型の人感センサーであるが、赤外線を用いた赤外線型の人感センサー、可視光を用いた光学型の人感センサー、或いは、超音波、赤外線及び可視光のうち少なくとも2つを組み合わせた人感センサーであってもよい。
また、画像形成装置100は、人感センサー150による人の検知を阻害し得る阻害位置と阻害位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けられた阻害部材160(この例では複数の阻害部材160〜160)をさらに備えている。
なお、図1及び図2において、説明していない第1検知部210から第3検知部230については、第5実施形態において後述する。
図3は、阻害部材160の例としてトレイ部材である載置トレイ161及び給紙トレイ162を示す斜視図である。図3(a)は、載置トレイ161を示しており、図3(b)は、給紙トレイ162を示している。図4は、阻害部材160の例としてキーボード163を含む操作部材165を示す斜視図である。図5は、阻害部材160の例としてカバー部材である正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167を示す斜視図である。図5(a)は、正面開閉カバー166を示しており、図5(b)は、側面開閉カバー167を示している。
また、図6は、阻害部材160の例として載置トレイ161、給紙トレイ162及び操作部材165におけるキーボード163を側面から視た模式図である。図6(a)は、載置トレイ161、給紙トレイ162及びキーボード163が退避位置に位置している状態を示しており、図6(b)は、載置トレイ161、給紙トレイ162及びキーボード163が阻害位置に位置している状態を示している。
阻害部材160は、画像形成装置本体110に対してスライド可能及び/又は揺動可能に設けられた部材とれている。
具体的には、阻害部材160は、画像形成装置本体110に対して奥行き方向Yにスライド可能な載置トレイ161(図3(a)及び図6参照)、画像形成装置本体110に対して奥行き方向Yにスライド可能な給紙トレイ162(図3(b)及び図6参照)、操作部材165に対して奥行き方向Yにスライド可能なキーボード163(図4及び図6参照)、画像形成装置本体110に対して左右方向Xに沿った軸線回りに揺動可能な正面開閉カバー166(図5(a)参照)、画像形成装置本体110に対して左右方向Xにスライド可能な側面開閉カバー167(図5(b)参照)とされている。操作部材165には、表示情報を表示する表示装置164が設けられている。なお、操作部材165は、画像形成装置本体110に対して左右方向Xに沿った軸線回りに揺動可能に設けられていてもよい。また、給紙トレイ162、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167は、人感センサー150の図2に示すような検知範囲Rでは人感センサー150による人の検知を阻害し難いが、人感センサー150の位置及び/又は検知範囲によっては人感センサー150による人の検知を阻害することがあるため、本実施の形態において例示している。
ここで、載置トレイ161は、主としてタブレット型情報端末機(所謂タブレット)や多機能型携帯電話機(所謂スマートフォン)を画像形成装置100に接続するために載置するタブレットトレイやパッドトレイとされている。また、給紙トレイ162は、用紙を収容するものであり、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167は、紙詰まり(JAM)処理の際に開閉するものである。
また、画像形成装置100は、阻害部材160として載置トレイ161、給紙トレイ162及びキーボード163が阻害位置に位置しているか否かを検知する阻害部材検知部170(171〜173)(図6参照)と、阻害部材160として正面開閉カバー166が阻害位置に位置しているか否かを検知する阻害部材検知部170(176)(図5(a)参照)と、阻害部材160として側面開閉カバー167が阻害位置に位置しているか否かを検知する阻害部材検知部170(177)(図5(b)参照)とをさらに備えている。
阻害部材検知部170としては、それには限定されないが、例えば、阻害部材160が画像形成装置本体110に対してスライド可能に設けられる場合には、阻害部材160が格納されているときにはオンし、阻害部材160が画像形成装置本体110から突出しているときにはオフするオンオフスイッチ(具体的にはマイクロスイッチ)を例示でき、阻害部材160が画像形成装置本体110に対して揺動可能に設けられる場合には、阻害部材160が格納されているときにはオンし、阻害部材160が画像形成装置本体110から突出しているときにはオフするオンオフスイッチ(具体的にはマイクロスイッチ)や、阻害部材160の回動角度を検知する角度センサーを例示できる。
[制御部]
画像形成装置100は、画像形成装置100全体の制御を司る制御部180(図7参照)をさらに備えている。
図7は、図1に示す画像形成装置100における制御部180の制御構成を概略的に示すブロック図である。
(第1実施形態)
第1実施形態では、制御部180は、阻害部材検知部170(この例では阻害部材検知部171〜173,176,177のうち少なくとも1つ)の検知結果により阻害部材160(この例では載置トレイ161、給紙トレイ162及びキーボード163のうち少なくとも1つ)が阻害位置に位置していることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にする構成とされている。
詳しくは、制御部180は、画像形成装置100を高消費電力状態から高消費電力状態よりも供給エネルギーを小さくした低消費電力状態にする節電モードを有している。ここで、節電モードの低消費電力状態は、電源(この例ではメイン電源191)から電力を供給しない状態も含む概念である。
制御部180は、この例では、予め定めた所定の条件が整った場合(例えば画像形成装置100の待機状態が所定の時間継続した場合及び/又は人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合)に節電モードに入る構成とされている。待機状態は、この例では、画像形成動作待機状態とされている。ここで、画像形成動作待機状態とは、すぐに画像形成動作を行うことができる状態、具体的には、画像形成装置本体110における定着部に定着温度が画像形成動作時の規定温度(例えば170℃)となる規定電力が供給されて定着温度が規定温度(例えば170℃)に維持され、かつ、制御部180が起動している状態をいう。また、節電モードは、この例では、画像形成装置本体110における定着部に定着温度が画像形成動作時の規定温度(例えば170℃)よりも低い予め定めた所定の節電温度(例えば150℃)となる節電電力が供給され、かつ、制御部180が起動している状態とされている。従って、この例では、高消費電力状態は待機状態を意味し、低消費電力状態は節電モードの状態を意味する。
また、制御部180は、節電モードにおいて、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出した場合に節電モードの低消費電力状態から高消費電力状態に復帰させる構成とされている。
具体的には、画像形成装置100は、図7に示すように、メイン電源191と、サブ電源192(省エネルギー用電源)とを備えている。
メイン電源191は、細線で示す制御系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181)に電気的に接続され、かつ、太線で示す電力系ラインが画像形成装置本体110及び原稿読取装置120に電気的に接続されている。
制御部180(この例ではメイン制御部181)は、画像形成装置100を画像形成動作待機状態にするときには、画像形成装置100を画像形成動作待機状態にすることを示す指示信号又は画像形成装置100を節電モードにすることを示す指示信号をメイン電源191に送信するようになっている。
制御部180(この例ではメイン制御部181)は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部181aと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やデータ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置を含む記憶部181bとを含んでいる。
制御部180(この例ではメイン制御部181)は、処理部181aが記憶部181bのROMに予め格納された制御プログラムを記憶部181bのRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶部181bのRAMは、それぞれ、処理部181aに対して作業用のワークエリア及び画像データを格納する画像メモリとしての領域を提供する。
サブ電源192は、太線で示す電力系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181及びサブ制御部182)、人感センサー150、操作部115及び阻害部材検知部170(171〜173,176,177)に電気的に接続されており、制御部180(この例ではメイン制御部181及びサブ制御部182)、人感センサー150、操作部115及び阻害部材検知部170(171〜173,176,177)に常時電力を供給するようになっている。
人感センサー150は、細線で示す制御系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181)の入力系に電気的に接続されており、人が居ることを示す信号又は居ないことを示す信号を制御部180に送信するようになっている。これにより、人感センサー150は、人が居るのか或いは居ないのかを制御部180に認識させることができる。
操作部115は、細線で示す制御系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181)に電気的に接続されており、操作情報を制御部180に送信したり、制御部180から送られてきた表示情報を表示したりするようになっている。また、操作部115は、警報ブザー115aを備えており、制御部180から送られてきた指示信号により警報ブザー115aにより警報音を発するようになっている。
阻害部材検知部170(171〜173,176,177)は、細線で示す制御系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181)の入力系に電気的に接続されており、阻害部材160(161〜163,166,167)が退避位置に位置していることを示す信号又は阻害位置に位置していることを示す信号を制御部180に送信するようになっている。これにより、阻害部材検知部170(171〜173,176,177)は、阻害部材160(161〜163,166,167)が退避位置に位置しているのか或いは阻害位置に位置しているのかを制御部180に認識させることができる。
画像形成装置本体110及び原稿読取装置120は、細線で示す制御系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181)に電気的に接続されている。制御部180(この例ではメイン制御部181)は、画像形成装置本体110及び原稿読取装置120を画像形成動作待機状態にすることを示す指示信号を画像形成装置本体110及び原稿読取装置120に送信することにより、画像形成装置本体110及び原稿読取装置120を画像形成動作待機状態にする一方、画像形成装置本体110及び原稿読取装置120を節電モードにすることを示す指示信号を画像形成装置本体110及び原稿読取装置120に送信することにより、画像形成装置本体110及び原稿読取装置120を節電モードにするようになっている。
そして、制御部180は、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持する構成とされている。また、制御部180は、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合に、警報を発する構成とされている。この例では、制御部180は、警報を予め定めた所定の時間だけ発するようになっている。なお、制御部180は、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が退避位置に位置することを検出するまで、警報を発する構成とされていてもよい。
ここで、警報を発する態様は、操作部115に設けられた警報ブザー115a(図7参照)からの警報音とされている。警報を発する態様は、警報ブザー115aからの警報音に限定されるものではなく、例えば、チャイム装置からの警報音や、阻害部材160が阻害位置に位置している旨を知らせる音声を出力する音声出力部からの音声であってもよい。
なお、図7において、説明していない物品検知部200(この例では第1検知部210から第3検知部230)等については、第5実施形態において後述する。
図8は、第1実施形態に係る画像形成装置100における制御部180による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図8に示す第1実施形態のフローチャートでは、先ず、制御部180は、所定の条件が整うと(ステップS1)、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が退避位置に位置していることを検出したか否かを判断し(ステップS2)、阻害部材検知部170(具体的には阻害部材検知部171〜173,176,177)の検知結果により阻害部材160(具体的には載置トレイ161、給紙トレイ162、キーボード163、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167のうち少なくとも1つ)が退避位置に位置していないことを検出した場合(すなわち阻害位置に位置していることを検出した場合)には(ステップS2:No)、警報ブザー115aにより警報を発し(ステップS3)、節電モードに入ることなく(ステップS4)、ステップS2に戻る。一方、制御部180は、阻害部材検知部170(具体的には阻害部材検知部171〜173,176,177)の検知結果により阻害部材160(具体的には載置トレイ161、給紙トレイ162、キーボード163、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167の全て)が退避位置に位置していることを検出した場合には(ステップS2:Yes)、節電モードに入る(ステップS5)。
次に、制御部180は、人感センサー150をオンして人を検知し(ステップS6)、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出したか否かを判断する(ステップS7)。制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合には(ステップS7:No)、節電モードを継続し(ステップS8)、ステップS7に戻る。一方、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出した場合には(ステップS7:Yes)、節電モードの低消費電力状態から高消費電力状態に復帰させて(ステップS9)、画像形成装置100を待機状態にする。
このように、第1実施形態によれば、阻害部材検知部170(この例では阻害部材検知部171〜173,176,177のうち少なくとも1つ)の検知結果により阻害部材160(この例では載置トレイ161、給紙トレイ162及びキーボード163のうち少なくとも1つ)が阻害位置に位置していることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にするので、たとえユーザーが阻害部材160を退避位置から阻害位置に位置させる操作を行って阻害部材160を阻害位置から退避位置に戻し忘れて阻害部材160が阻害位置に位置している状態になっていても、それに伴う人感センサー150による検知結果に基づく不都合(具体的には人感センサー150の検知結果に基づく誤動作)を効果的に防止することが可能となる。
ところで、阻害部材160が阻害位置に位置しているときには、人が居なくなっても、人が戻ってきて、画像形成装置100に対して操作する(例えばジョブを継続する)可能性があるにも拘わらず、節電モードに入ってしまうと、画像形成装置100に対して画像形成動作を行うためには、ユーザーは画像形成装置100が節電モードから待機状態に復帰するまで待たされることになる。
この点、第1実施形態では、高消費電力状態から低消費電力状態にする節電モードを有し、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持することで、画像形成装置100が節電モードに入ることを回避することができ、従って、画像形成装置100が節電モードから、すぐに動作を行うことができる待機状態(この例では画像形成動作待機状態)に復帰するまでユーザーが待たされることをなくすことができる。
また、第1実施形態では、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合に、警報を発することで、阻害部材160が阻害位置に位置していることをユーザーに注意を促すことができる。
これらのことは、本実施の形態のように、所定の条件が整った場合に節電モードに入り、節電モードにおいて、人感センサー150の検知結果により人がいることを検出した場合に節電モードの低消費電力状態から高消費電力状態に復帰させる構成とされている場合に、効果的に適用することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態において、第1実施形態と同じ点については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第2実施形態では、制御部180は、図7に示すように、画像形成装置100全体の制御を司るメイン制御部181と、メイン制御部181を起動状態(制御動作待機状態)にするか或いはメイン制御部181の起動を停止する起動停止状態(制御動作スタンバイ状態)にするかを制御するサブ制御部182とを備えている。ここで、「起動状態(制御動作待機状態)」とは、メイン制御部181においてプログラムが起動している状態をいい、「メイン制御部181の起動停止状態(制御動作スタンバイ状態)」とは、メイン制御部181においてプログラムが起動していない状態であってメイン制御部181の作業中のプログラムや設定をメモリ上に残す以外は電力供給を停止している状態をいう。
メイン制御部181は、サブ制御部182に電気的に接続されている。サブ制御部182は、メイン制御部181を起動状態(制御動作待機状態)にすることを示す指示信号をメイン制御部181に送信することにより、メイン制御部181を起動状態(制御動作待機状態)にする一方、メイン制御部181を起動停止状態(制御動作スタンバイ状態)にすることを示す指示信号をメイン制御部181に送信することにより、メイン制御部181を起動停止状態(制御動作スタンバイ状態)にするようになっている。
節電モードは、低消費電力状態から高消費電力状態に復帰させるのに第1復帰時間を要する第1モードと、低消費電力状態から高消費電力状態に復帰させるのに第1復帰時間よりも長い第2復帰時間を要する第2モードとを有している。制御部180は、第1モード及び第2モードの何れか一方を設定可能とされている。
制御部180は、複数の消費電力モード(この例では高消費電力モード、中消費電力モード及び低消費電力モード)を備えている。具体的には、画像形成装置本体110における定着部に定着温度が画像形成動作時の規定温度(例えば170℃)となる規定電力が供給されて定着温度が規定温度(例えば170℃)に維持され、かつ、制御部180が起動している状態を画像形成動作待機状態とした場合、高消費電力モード、中消費電力モード及び低消費電力モードは、次のようなモードとすることができる。
すなわち、高消費電力モードは、画像形成装置本体110における定着部に定着温度が画像形成動作時の規定温度(例えば170℃)よりも低い予め定めた所定の節電温度(例えば150℃)となる節電電力が供給され、かつ、制御部180が起動状態(制御動作待機状態)となっているモードとすることができる。中消費電力モードは、画像形成装置本体110における定着部に電力が供給されておらず、かつ、制御部180が起動状態(制御動作待機状態)となっているモードとすることができる。また、低消費電力モードは、画像形成装置本体110における定着部に電力が供給されておらず、かつ、制御部180が起動停止状態(制御動作スタンバイ状態)になっているモードとすることができる。
ここで、画像形成装置本体110が行う画像形成動作に関与する動作において、高消費電力モード、中消費電力モード及び低消費電力モードは、画像形成動作待機状態(高消費電力状態)に対して節電モード(低消費電力状態)となる。この場合、節電モードから画像形成動作待機状態に復帰させるのに要する時間は、高消費電力モード、中消費電力モード、低消費電力モードの順で長くなる。この例では、画像形成動作に関与する動作において第1モードを高消費電力モードとし、第2モードを低消費電力モードとしている。なお、原稿読取装置120による原稿の画像の読み取り動作といった画像形成動作に関与しない動作において、中消費電力モードは、制御動作待機状態(高消費電力状態)となり、低消費電力モードは、中消費電力モードの制御動作待機状態(高消費電力状態)に対して節電モード(低消費電力状態)となる。
具体的には、制御部180は、ユーザーやサービスマン等の操作者による選択操作を操作部115で受け付けることにより第1モード及び第2モードの何れか一方を予め設定するようになっている。
また、制御部180は、節電モードにするにあたり、操作者の選択操作により第1モードが設定されている場合には、メイン電源191から画像形成装置本体110に、画像形成装置本体110における定着温度が節電温度(例えば150℃)となる節電電力を供給し、かつ、メイン制御部181を起動状態(制御動作待機状態)にするようになっている。また、制御部180は、節電モードにするにあたり、操作者の選択操作により第2モードが設定されている場合には、画像形成装置本体110に電力を供給せず、かつ、メイン制御部181を起動停止状態(制御動作スタンバイ状態)にするようになっている。
ところで、制御部180は、節電モードとして第1モードが設定されているときは、第2モードの第2復帰時間よりも短い第1復帰時間で節電モードの低消費電力状態から高消費電力状態に復帰させるため、ユーザーは画像形成装置100が節電モードから待機状態(この例では画像形成動作待機状態)に復帰するまであまり待たされることはない。これに対し、制御部180は、節電モードとして第2モードが設定されているときは、第1モードの第1復帰時間よりも長い第2復帰時間で節電モードの低消費電力状態から高消費電力状態に復帰させることで、それだけユーザーは画像形成装置100が節電モードから待機状態(この例では画像形成動作待機状態)に復帰するまで待たされることになる。
かかる観点から、第2実施形態では、制御部180は、節電モードとして第1モードが設定されているときには、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合であっても、人感センサー150の検知結果を無効にすることなく、節電モードに入る一方、節電モードとして第2モードが設定されているときには、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合に、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持する構成とされている。
図9は、第2実施形態に係る画像形成装置100における制御部180による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図9に示す第2実施形態のフローチャートは、図8に示す第1実施形態のフローチャートにおいて、ステップS3の処理とステップS4の処理との間にステップS31の処理を設けたものである。図9に示す第2実施形態のフローチャートにおいて、図8に示す第1実施形態のフローチャートの処理と同じ処理には同一符号を付し、その説明を省略する。
図9に示す第2実施形態のフローチャートでは、制御部180は、ステップS31において、節電モードとして第2モードが設定されているか否かを判断し、第2モードが設定されている場合には(ステップS31:Yes)、ステップS4に移行する一方、第2モードが設定されていない場合(すなわち第1モードが設定されている場合)には(ステップS31:No)、ステップS5に移行する。なお、ステップS31の処理は、ステップS3の処理の手前に設けられていてもよい。
このように、第2実施形態によれば、節電モードとして第1モードが設定されているときには、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合であっても、人感センサー150の検知結果を無効にすることなく、節電モードに入ることで、第2モードの第2復帰時間よりも短い第1復帰時間の第1モードの節電モードにすることができる。一方、節電モードとして第2モードが設定されているときには、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合に、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持することで、第1モードの第1復帰時間よりも長い第2復帰時間の第2モードの節電モードに入ることを回避することができ、従って、画像形成装置100が節電モードから、すぐに動作を行うことができる待機状態(この例では画像形成動作待機状態)に復帰するまでユーザーが待たされることをなくすことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態と同じ点については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第3実施形態では、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合に節電モードに入る構成とされている。
ところで、人が居なくなっても、阻害部材160が阻害位置に位置しているときには、人が戻ってきて、画像形成装置100に対して操作する(例えばジョブを継続する)可能性があるにも拘わらず、節電モードに入ってしまうと、画像形成装置100に対して画像形成動作を行うためには、ユーザーは画像形成装置100が節電モードから待機状態に復帰するまで待たされることになる。
かかる観点から、第3実施形態では、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合であっても、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材が阻害位置に位置していることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持する構成とされている。
また、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合に、警報を発する構成とされている。この例では、制御部180は、警報を予め定めた所定の時間だけ発するようになっている。なお、制御部180は、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が退避位置に位置することを検出するまで、警報を発する構成とされていてもよい。
ここで、警報を発する態様は、第1実施形態及び第2実施形態の場合と同じであり、ここでは説明を省略する。
図10は、第3実施形態に係る画像形成装置100における制御部180による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示す第3実施形態のフローチャートでは、先ず、制御部180は、人感センサー150をオンして常に人を検知し(ステップS101)、ユーザーがジョブを行う(ステップS102)。
次に、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出したか否かを判断し(ステップS103)、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出した場合には(ステップS103:Yes)、高消費電力状態を維持する(ステップS104)。一方、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合には(ステップS103:No)、ステップS105に移行する。
次に、制御部180は、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が退避位置に位置していることを検出したか否かを判断する(ステップS105)。制御部180は、阻害部材検知部170(具体的には阻害部材検知部171〜173,176,177)の検知結果により阻害部材160(具体的には載置トレイ161、給紙トレイ162、キーボード163、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167の全て)が退避位置に位置していることを検出した場合には(ステップS105:Yes)、ユーザーがジョブを終了したと判断して節電モードに入る(ステップS106)。一方、制御部180は、阻害部材検知部170(具体的には阻害部材検知部171〜173,176,177)の検知結果により阻害部材160(具体的には載置トレイ161、給紙トレイ162、キーボード163、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167のうち少なくとも1つ)が退避位置に位置していないことを検出した場合(すなわち阻害位置に位置していることを検出した場合)には(ステップS105:No)、警報ブザー115aにより警報を発し(ステップS107)、ユーザーがジョブを継続していると判断して節電モードに入ることなく(ステップS108)、ステップS103に移行する。
このように、第3実施形態によれば、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合に節電モードに入る構成とされており、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合であっても、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持することで、人が居なくなって、人が戻ってきても、画像形成装置100が節電モードに入ることを回避することができ、従って、画像形成装置100が節電モードから、すぐに動作を行うことができる待機状態に復帰するまでユーザーが待たされることをなくすことができる。
また、第3実施形態では、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合に、警報を発することで、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るときに、阻害部材160が阻害位置に位置していることをユーザーに注意を促すことができる。
なお、第3実施形態のフローチャートは、第1実施形態及び第2実施形態のフローチャートのステップS9の処理の続きの処理であってもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態において、第1実施形態から第3実施形態と同じ点については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第4実施形態では、制御部180は、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合に人感センサー150の検知結果を無効にするか、或いは、阻害部材検知部170の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を有効にするかを複数の阻害部材160〜160毎に設定変更可能とされている。この例では、制御部180は、阻害部材検知部170の検知結果により阻害部材160が阻害位置に位置していることを検出した場合には、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持するか、或いは、阻害部材検知部170の検知結果に拘わらず節電モードに入るかを複数の阻害部材160〜160毎に設定変更可能とされている。
図11は、第4実施形態に係る画像形成装置100において阻害部材160(161〜163,166,167)に対して阻害部材検知部170(171〜173,176,177)の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を常に有効にする設定を行うための表示装置164における表示画面を示す平面図である。
図11に示すように、制御部180は、ユーザーやサービスマン等の操作者による選択操作を操作部115で受け付けることにより、阻害部材検知部170の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を常に有効にするか否か(この例では節電モードに常に入るか否か)を予め設定する(図11の例ではチェックマークが付される)ようになっている。図11の例では、給紙トレイ162、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167の欄にチェックマークが付されている例を示している。なお、阻害部材160の欄にチェックマークが付されると、載置トレイ161、給紙トレイ162、キーボード163、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167の全てにチェックマークが付され、阻害部材160の欄のチェックマークが外されると、載置トレイ161、給紙トレイ162、キーボード163、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167の全てのチェックマークが外される。
図11に示す操作者による選択操作によりチェックマークが付された阻害部材160に対して人感センサー150の検知結果を常に有効にするフラグが記憶部181b(図7参照)に設定(記憶)される。
そして、制御部180は、阻害部材160(この例では載置トレイ161、給紙トレイ162、キーボード163、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167)のうち、人感センサー150の検知結果を常に有効にするフラグが記憶部181bに設定(記憶)されている阻害部材160(図11の例では給紙トレイ162、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167)に対し、該フラグが記憶部181bに設定(記憶)されている阻害部材160(図11の例では給紙トレイ162、正面開閉カバー166及び側面開閉カバー167)を検知する阻害部材検知部170(図11の例では172,176,177)の検知結果に拘わらず常に人感センサー150の検知結果を有効にする。
図12は、第4実施形態に係る画像形成装置100における制御部180による制御動作の一例の特徴部分を抜き出して示すフローチャートである。図12(a)は、第1実施形態及び第2実施形態に対応するフローチャートを示しており、図12(b)は、第3実施形態に対応するフローチャートを示している。
図12(a)に示す第4実施形態のフローチャートは、図8及び図9に示す第1実施形態及び第2実施形態のフローチャートにおいて、ステップS2の処理の手前にステップS11の処理を設けたものである。図12(a)に示す第4実施形態のフローチャートにおいて、図8及び図9に示す第1実施形態及び第2実施形態のフローチャートの処理と同じ処理には同一符号を付し、その説明を省略する。
図12(a)に示す第4実施形態のフローチャートでは、制御部180は、ステップS11において、阻害部材160(161〜163,166,167)に対して人感センサー150の検知結果を常に有効するフラグが設定されているか否か(具体的には節電モードに常に入るフラグが設定されているか否か)を判断し、該フラグが設定されている場合には(ステップS11:Yes)、ステップS5(図8及び図9参照)に移行して節電モードに入る一方、該フラグが設定されていない場合には(ステップS11:No)、ステップS2に移行する。
図12(b)に示す第4実施形態のフローチャートは、図10に示す第3実施形態のフローチャートにおいて、ステップS105の処理の手前にステップS1031の処理を設けたものである。図12(b)に示す第4実施形態のフローチャートにおいて、図10に示す第3実施形態のフローチャートの処理と同じ処理には同一符号を付し、その説明を省略する。
図12(b)に示す第4実施形態のフローチャートでは、制御部180は、ステップS1031において、阻害部材160(161〜163,166,167)に対して人感センサー150の検知結果を常に有効するフラグが設定されているか否か(具体的には節電モードに常に入るフラグが設定されているか否か)を判断し、該フラグが設定されている場合には(ステップS1031:Yes)、ステップS106(図10参照)に移行して節電モードに入る一方、該フラグが設定されていない場合には(ステップS1031:No)、ステップS105に移行する。
このように、第4実施形態によれば、阻害部材検知部170(この例では171〜173,176,177)の検知結果により阻害部材160(この例では161〜163,166,167)が阻害位置に位置していることを検出した場合に人感センサー150の検知結果を無効にするか、或いは、阻害部材検知部170(この例では171〜173,176,177)の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を有効にするかを複数の阻害部材160(この例では161〜163,166,167)毎に設定変更可能とされていることで、阻害部材160(この例では161〜163,166,167)に種類に応じて、阻害部材検知部170(この例では171〜173,176,177)の検知結果により阻害部材160(この例では161〜163,166,167)が阻害位置に位置していることを検出した場合に人感センサー150の検知結果を無効にするか(この例では節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持するか)、或いは、阻害部材検知部170(この例では171〜173,176,177)の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を有効にするか(この例では節電モードに入るか)を決定することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態において、前記した構成と同じ点については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第5実施形態では、画像形成装置100は、図7に示すように、画像形成後にユーザーが取り去るべき取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち少なくとも1つ)を検知する物品検知部200を備え、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にする構成とされている。
詳しくは、サブ電源192は、太線で示す電力系ラインが物品検知部200(210〜230)に電気的に接続されており、物品検知部200(210〜230)に常時電力を供給するようになっている。
物品検知部200は、記録シートPの画像形成後の有無を検知する第1検知部210(図1等参照)と、原稿Gの画像形成後の有無を検知する第2検知部220(図1等参照)と、画像形成装置本体110(具体的には操作部115に設けられた接続コネクタ110a(図1等参照))に対して着脱可能とされた記憶媒体Mの画像形成後の有無を検知する第3検知部230(図1等参照)とのうち少なくとも1つ(この例では第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230)を備えている。
第1検知部210としては、記録シートPの有無によりオンオフするアクチュエータ型スイッチや反射型フォトセンサを例示でき、第2検知部220としては、原稿Gの有無によりオンオフするアクチュエータ型スイッチや反射型フォトセンサを例示できる。また、記憶媒体Mとしては、代表的には、USB(登録商標)(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカードを例示でき、第3検知部230としては、記憶媒体Mの有無により接続状態又は非接続状態となる信号を送出するインターフェース(例えばUSB(登録商標)メモリインターフェースやSDメモリカードインタフェース)を例示できる。
第1検知部210は、細線で示す制御系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181)の入力系に電気的に接続されており、画像形成後の記録シートPがシート排出部114におけるシート排出トレイ114a(図1等参照)に残されていることを示す信号又は残されていないことを示す信号を制御部180に送信するようになっている。これにより、第1検知部210は、シート排出トレイ114aに記録シートPが残っているか否かを制御部180に認識させることができる。
第2検知部220は、細線で示す制御系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181)の入力系に電気的に接続されており、画像形成後の原稿Gが原稿載置台121及び原稿自動送り装置123における原稿排出トレイ123a(図1等参照)に残されていることを示す信号又は残されていないことを示す信号を制御部180に送信するようになっている。これにより、第2検知部220は、原稿載置台121又は原稿排出トレイ123aに原稿Gが残っているか否かを制御部180に認識させることができる。
また、第3検知部230は、細線で示す制御系ラインが制御部180(この例ではメイン制御部181)の入力系に電気的に接続されており、画像形成後の記憶媒体Mが画像形成装置本体110の操作部115における接続コネクタ110aに残されていることを示す信号又は残されていないことを示す信号を制御部180に送信するようになっている。これにより、第3検知部230は、接続コネクタ110aに記憶媒体Mが残っているか否かを制御部180に認識させることができる。
なお、第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230は、従来公知のものを用いることができ、ここでは、詳しい説明を省略する。
そして、制御部180は、物品検知部200(この例では第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230のうち少なくとも1つ)の検知結果により取り去り物品240(この例で記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち少なくとも1つ)が画像形成後に残っていることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にする構成とされている。
詳しくは、制御部180は、高消費電力状態から高消費電力状態よりも供給エネルギーを小さくした低消費電力状態にする節電モードを有している。ここで、節電モードの低消費電力状態は、電源(この例ではメイン電源191)から電力を供給しない状態も含む概念である。
制御部180は、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持する構成されている。
この例では、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合に節電モードに入る構成とされている。制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合であっても、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持する構成とされている。
また、制御部180は、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合に、警報を発する構成とされている。具体的には、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230のうち少なくとも1つの検知結果により記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち少なくとも1つが画像形成後に残っていることを検出した場合に、警報を発する構成とされている。この例では、制御部180は、警報を予め定めた所定の時間だけ発するようになっている。なお、制御部180は、第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230のうち少なくとも1つの検知結果により画像形成後に残っている記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mの少なくとも1つの全てがなくなったことを検出するまで、警報を発する構成とされていてもよい。
ここで、警報を発する態様は、第1実施形態から第3実施形態の場合と同じであり、ここでは説明を省略する。
また、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、物品検知部200の検知結果により物品検知部200が画像形成後に残っていることを検出した場合に、取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が残っていることを示す表示情報(この例ではメッセージME)を表示装置164に表示する構成とされている。
図13は、取り去り物品240が残っていることを示すメッセージMEを表示する表示装置164が設けられた操作部115を示す概略平面図である。なお、図13では、記憶媒体M(この例ではメモリ)が残っていることを示すメッセージMEを示している。
記録シートPが残っている場合には、記録シートPが残っていることを示すメッセージMEとして、例えば、「印刷用紙が残っています。」というメッセージMEが表示装置164に表示される。原稿Gが残っている場合には、原稿Gが残っていることを示すメッセージMEとして、例えば、「原稿を取り忘れています。」というメッセージMEが表示装置164に表示される。また、記憶媒体M(例えばメモリ)が残っている場合には、記憶媒体M(例えばメモリ)が残っていることを示すメッセージMEとして、例えば、「メモリがさされたままです。」というメッセージMEが表示装置164に表示される。
図14は、第5実施形態に係る画像形成装置100における制御部180による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図14に示す第5実施形態のフローチャートは、図10に示す第3実施形態のフローチャートにおいて、ステップS105の処理に代えてステップS201を設けると共に、ステップS107の処理とステップS108の処理との間にステップS202の処理を設けたものである。図14に示す第5実施形態のフローチャートにおいて、図10に示す第3実施形態のフローチャートの処理と同じ処理には同一符号を付し、その説明を省略する。
図14に示す第5実施形態のフローチャートでは、制御部180は、ステップS201において、物品検知部200(具体的には第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230)の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に無くなっていることを検出したか否か)を判断し、取り去り物品240が画像形成後に無くなっている場合(具体的には記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mの全てが画像形成後に無くなっている場合)には(ステップS201:Yes)、ステップS106に移行して節電モードに入る一方、取り去り物品240が画像形成後に無くなっていない場合(具体的には記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち少なくとも1つが画像形成後に残っている場合)には(ステップS201:No)、警報ブザー115aにより警報を発し(ステップS107)、取り去り物品240(具体的には記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が残っていることを示すメッセージMEを表示装置164に表示し(ステップS202)、節電モードに入ることなく(ステップS108)、ステップS103に移行する。ここで、取り去り物品240(具体的には記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が2以上ある場合には、2以上の取り去り物品240が残っていることを示すメッセージMEを同時に表示装置164に表示してもよいし、順次表示装置164に表示してもよい。
このように、第5実施形態によれば、画像形成後にユーザーが取り去るべき取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち少なくとも1つ)を検知する物品検知部200(この例では第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230のうち少なくとも1つ)の検知結果により取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち少なくとも1つ)が画像形成後に残っていることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にするので、取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち少なくとも1つ)がたとえ残っていたとしても、それに伴う人感センサー150による検知結果に基づく不都合を効果的に防止することが可能となる。
ところで、取り去り物品240が画像形成後に残っているときには、人が居なくなっても、人が戻ってきて、画像形成装置100に対して操作する(例えばジョブを継続する)可能性があるにも拘わらず、節電モードに入ってしまうと、画像形成装置100に対して画像形成動作を行うためには、ユーザーは画像形成装置100が節電モードから待機状態に復帰するまで待たされることになる。
この点、第5実施形態では、高消費電力状態から低消費電力状態にする節電モードを有し、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持することで、画像形成装置100が節電モードに入ることを回避することができ、従って、画像形成装置100が節電モードから、すぐに動作を行うことができる待機状態に復帰するまでユーザーが待たされることをなくすことができる。
また、第5実施形態では、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合に節電モードに入る構成とされており、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合であっても、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合には、人感センサー150の検知結果を無効にし、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持することで、人が居なくなって、人が戻ってきても、画像形成装置100が節電モードに入ることを回避することができ、従って、画像形成装置100が節電モードから、すぐに動作を行うことができる待機状態に復帰するまでユーザーが待たされることをなくすことができる。
また、第5実施形態では、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合に、警報を発することで、取り去り物品240が画像形成後に残っていることをユーザーに注意を促すことができる。この例では、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合に、警報を発することで、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るときに、取り去り物品240が画像形成後に残っていることをユーザーに注意を促すことができる。
また、第5実施形態では、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合に、取り去り物品240が残っていることを示す表示情報を表示装置164に表示することで、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るときに、取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が残っていることをユーザーに知らせることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態において、第5実施形態と同じ点については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第6実施形態では、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した後、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出した場合に、取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が残っていることを示す表示情報(この例ではメッセージME)を表示装置164に表示する構成とされている。
なお、記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象が残っていることを示す表示情報は、第5実施形態で説明した内容と同じであり、ここでは説明を省略する。
図15は、第6実施形態に係る画像形成装置100における制御部180による制御動作の一例を示すフローチャートである。
図15に示す第6実施形態のフローチャートは、図14に示す第5実施形態のフローチャートにおいて、ステップS107の処理とステップS202の処理との間にステップS2011の処理を設けたものである。図15に示す第6実施形態のフローチャートにおいて、図14に示す第5実施形態のフローチャートの処理と同じ処理には同一符号を付し、その説明を省略する。
図15に示す第6実施形態のフローチャートでは、制御部180は、ステップS107の処理の後、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出したか否かを判断し(ステップS2011)、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出した場合には(ステップS2011:Yes)、取り去り物品240(具体的には記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が残っていることを示すメッセージMEを表示装置164に表示し(ステップS202)、ステップS108に移行する。ここで、取り去り物品240(具体的には記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が2以上ある場合には、2以上の検出対象が残っていることを示すメッセージMEを同時に表示装置164に表示してもよいし、順次表示装置164に表示してもよい。一方、制御部180は、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出した場合には(ステップS2011:No)、そのままステップS108に移行する。
このように、第6実施形態によれば、表示情報を表示する表示装置164を備え、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した後、人感センサー150の検知結果により人が居ることを検出した場合に、取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が残っていることを示すメッセージMEを表示装置164に表示することで、人感センサー150の検知結果により人が居ないことを検出して節電モードに入るにあたり、ユーザーが一旦居なくなって、また戻ってきたときに、取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mのうち検出した検出対象)が残っていることをユーザーに知らせることができる。
(第7実施形態)
第7実施形態において、第5実施形態及び第6実施形態と同じ点については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第7実施形態では、制御部180は、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合に人感センサー150の検知結果を無効にするか、或いは、物品検知部200の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を有効にするかを複数の取り去り物品240毎に(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体M毎)に設定変更可能とされている。この例では、制御部180は、物品検知部200の検知結果により取り去り物品240が画像形成後に残っていることを検出した場合には、節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持するか、或いは、物品検知部200の検知結果に拘わらず節電モードに入るかを複数の取り去り物品240毎に設定変更可能とされている。
図16は、第7実施形態に係る画像形成装置100において取り去り物品240(P,G,M)に対して物品検知部200(210〜230)の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を常に有効にする設定を行うための表示装置164における表示画面を示す平面図である。
図16に示すように、制御部180は、ユーザーやサービスマン等の操作者による選択操作を操作部115で受け付けることにより、物品検知部200の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を常に有効にするか否か(この例では節電モードに常に入るか否か)を予め設定する(図16の例ではチェックマークが付される)ようになっている。図16の例では、原稿G及び記憶媒体Mの欄にチェックマークが付されている例を示している。なお、取り去り物品240の欄にチェックマークが付されると、記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mの全てにチェックマークが付され、取り去り物品240の欄のチェックマークが外されると、記録シートP、原稿G及び記憶媒体Mの全てのチェックマークが外される。
図16に示す操作者による選択操作によりチェックマークが付された取り去り物品240に対して人感センサー150の検知結果を常に有効にするフラグが記憶部181b(図7参照)に設定(記憶)される。
そして、制御部180は、取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体M)のうち、人感センサー150の検知結果を常に有効にするフラグが記憶部181bに設定(記憶)されている取り去り物品240(図16の例では原稿G及び記憶媒体M)に対し、該フラグが記憶部181bに設定(記憶)されている取り去り物品240(図16の例では原稿G及び記憶媒体M)を検知する物品検知部200(図16の例では第2検知部220及び第3検知部230)の検知結果に拘わらず常に人感センサー150の検知結果を有効にする。
図17は、第7実施形態に係る画像形成装置100における制御部180による制御動作の一例の特徴部分を抜き出して示すフローチャートである。
図17に示す第7実施形態のフローチャートは、図14及び図15に示す第5実施形態及び第6実施形態のフローチャートにおいて、ステップS201の処理の手前にステップS203の処理を設けたものである。図17に示す第7実施形態のフローチャートにおいて、図14及び図15に示す第5実施形態及び第6実施形態のフローチャートの処理と同じ処理には同一符号を付し、その説明を省略する。
図17に示す第7実施形態のフローチャートでは、制御部180は、ステップS203において、取り去り物品240(記録シートP、原稿G及び記憶媒体M)に対して人感センサー150の検知結果を常に有効するフラグが設定されているか否か(具体的には節電モードに常に入るフラグが設定されているか否か)を判断し、該フラグが設定されている場合には(ステップS203:Yes)、ステップS106(図14及び図15参照)に移行して節電モードに入る一方、該フラグが設定されていない場合には(ステップS203:No)、ステップS201に移行する。
このように、第7実施形態によれば、物品検知部200(この例では第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230)の検知結果により取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体M)が画像形成後に残っていることを検出した場合に人感センサー150の検知結果を無効にするか、或いは、物品検知部200(この例では第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230)の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を有効にするかを複数の取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体M)毎に設定変更可能とされていることで、取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体M)に種類に応じて、物品検知部200(この例では第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230)の検知結果により取り去り物品240(この例では記録シートP、原稿G及び記憶媒体M)が画像形成後に残っていることを検出した場合に人感センサー150の検知結果を無効にするか(この例では節電モードに入ることなく、高消費電力状態を維持するか)、或いは、物品検知部200(この例では第1検知部210、第2検知部220及び第3検知部230)の検知結果に拘わらず人感センサー150の検知結果を有効にするか(この例では節電モードに入るか)を決定することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。