[第1実施例]
本発明の第1実施例について、図1に示される複合機10を例に挙げて説明する。なお、図1は、複合機10の前面、上面および右側面を示す当該複合機10の外観斜視図である。すなわち、図1における上下方向は、複合機10の上下方向に対応する。そして、図1における左下方は、複合機10の前方に対応し、図1における右上方は、複合機10の後方に対応する。併せて、図1における左上方は、複合機10の左方に対応し、図1における右下方は、複合機10の右方に対応する。
複合機10は、コピー機能、プリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクシミリ機能などの複数の機能を備える。このため、複合機10は、画像読取手段としての画像読取部12、および画像形成手段としての画像形成部14を備える。
画像読取部12は、複合機10(の筐体)の上部に設けられる。この画像読取部12は、不図示のガラスなどの透明材によって形成された原稿台を有する。原稿台の上方には、不図示のヒンジなどを介して原稿押さえカバー16が開閉自在に取り付けられる。この画像読取部12は、原稿台に載置された不図示の原稿の画像を読み取って当該画像に応じた2次元の画像データを出力する画像読取処理を担う。このため、画像読取部12は、不図示の光源、複数のミラー、結像レンズ、ラインセンサなどを含む画像読取ユニットや、この画像読取ユニットを移動させる駆動機構などを備える。
さらに、原稿押さえカバー16には、自動原稿送り装置(Auto Document Feeder:ADF)18が設けられる。この自動原稿送り装置18は、複数枚の原稿、厳密にはシート状の原稿が、載置可能な原稿載置トレイ20を有し、当該原稿載置トレイ20に載置された原稿を画像読取部12の画像読取位置へ1枚ずつ供給する。なお、自動原稿送り装置18は、いわゆるオプション装置であるため、設けられない場合がある。
画像形成部14は、画像読取部12の下方に設けられる。この画像形成部14は、給紙部22から1枚ずつ供給される不図示の画像記録媒体としての用紙に公知の電子写真方式により画像を形成する画像形成処理を担う。このため、画像形成部14は、不図示の感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備える。この画像形成部14により画像が形成された後の用紙、言わば印刷済の用紙は、排紙トレイ24に排出される。なお、画像形成部14は、電子写真方式に限らず、たとえばインクジェット方式によって、画像形成処理を行うものであってもよい。
図1に示される複合機10おいては、給紙部22を構成する給紙カセット26が1つのみ設けられているが、複数の当該給紙カセット26が設けられる場合がある。また、排紙トレイ24は、画像読取部12と画像形成部14との間に設けられており、換言すれば当該画像読取部12と画像形成部14との間の胴内空間によって形成されているが、これ以外の構造であってもよい。
加えて、複合機10の前部、詳しくは画像読取部12(の筐体)の前部に、概略矩形板状の操作ユニット28が設けられる。この操作ユニット28は、その一方主面が斜め上方を向くように、詳しくは当該一方主面が複合機10の前方側へ少し傾斜するように、設けられる。そして、この操作ユニット28の一方主面である上面に、タッチパネル30付きのディスプレイ32が設けられる。併せて、操作ユニット28の上面に、節電ボタン34およびホームボタン36が設けられる。
タッチパネル30付きのディスプレイ32は、矩形状の表示面を有するディスプレイ32と、このディスプレイ32の表示面上に重なるように設けられたシート状のタッチパネル30と、が一体的に組み合わされたものである。このちのタッチパネル30は、複合機10を使用するユーザの操作を受け付ける操作受付手段の一例であり、たとえば静電容量方式のものである。そして、ディスプレイ32は、各種の情報を表示する表示手段の一例であり、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)である。なお、タッチパネル30は、静電容量方式に限らず、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式などの他の方式のものであってもよい。また、ディスプレイ32は、液晶ディスプレイに限らず、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどであってもよい。
節電ボタン34は、たとえばハードウェアキーの一種である静電容量式スイッチである。この節電ボタン34は、タッチパネル30付きのディスプレイ32の右横方に設けられる。この節電ボタン34もまた、操作受付手段の一例であり、詳しくは複合機10の動作モードを後述する通常モードから節電モードへ移行させ、あるいは、当該節電モードから通常モードへ移行させるための、操作受付手段の一例である。なお、図示は省略するが、節電ボタン34には、バックライトとしてのたとえば発光ダイオード(LED)が設けられる。
ホームボタン36は、たとえば節電ボタン34と同様、静電容量式スイッチであり、タッチパネル30付きのディスプレイ32の右横方に設けられ、つまり当該節電ボタン34の近傍に設けられる。このホームボタン36もまた、操作受付手段の一例であり、詳しくはディスプレイ32に後述するホーム画面100を表示させるための、操作受付手段の一例である。なお、図示は省略するが、ホームボタン36にも、バックライトとしての発光ダイオードが設けられる。
ユーザは、常套的には複合機10の前方に立って、当該複合機10を使用し、とりわけ操作ユニット28を操作する。その際のユーザによる操作ユニット28の操作性および視認性が良好になるように、当該操作ユニット28は、前述の如くその上面が複合機10の前方側へ少し傾斜するように設けられる。また、操作ユニット28は、その上面の傾斜角度が適当な範囲で可変となるように、画像読取部12との結合部分を軸として回動可能に設けられる。
さらに、複合機10の適宜の位置、たとえば画像読取部12における操作ユニット28との結合部分の近傍の位置に、電源ボタン38が設けられる。この電源ボタン38もまた、操作受付手段の一例である。詳しくは、電源ボタン38は、複合機10の電源をオン/オフするための、厳密には当該複合機10の動作モードを後述する省電力モードから通常モードへ移行させ、あるいは、当該通常モードから省電力モードへ移行させるための、操作受付手段の一例である。この電源ボタン38は、たとえばハードウェアキーの一種であるモーメンタリ式の押しボタンスイッチである。
そしてさらに、複合機10の適宜の位置、たとえば当該複合機10の前部における操作ユニット28の下方の位置に、人感センサ40が設けられる。この人感センサ40は、複合機10の周囲にユーザを含む人が存在するかどうかを検知するための検知手段の一例である。具体的には、人感センサ40は、図2に示されるように、ユーザの立ち位置である複合機10の前方側に検知領域Aを形成する。そして、人感センサ40は、検知領域Aにおける人の存否に応じた検知信号を出力する。このような人感センサ40としては、たとえば赤外線式センサの一種である焦電型センサが採用される。
なお、図2は、検知領域Aを上方から見た図であり、つまり水平方向における当該検知領域Aを示す。この図2によれば、水平方向における検知領域Aは、言わば綺麗な扇状であるが、実際には多少歪んだ形状になる。この水平方向における検知領域Aの指向角(中心角)θは、主に人感センサ40の仕様および当該人感センサ40の取り付け構造によって決まるが、当該人感センサ40の電気的な設定(駆動電力や増幅回路の利得など)によって多少の範囲で変更可能である。このことは、図示は省略するが、垂直方向における検知領域Aについても、同様である。そして、検知領域Aの距離(検知距離)Lもまた、主に人感センサ40の仕様および当該人感センサ40の取り付け構造によって決まるが、当該人感センサ40の電気的な設定によって多少の範囲で変更可能である。
図3は、複合機10の電気的な構成を示すブロック図である。なお、図3においては、本発明に直接的に関係しない要素(コンポーネント)の図示は省略してある。また、タッチパネル30、ディスプレイ32および人感センサ40を含む一部の要素には、駆動回路などの付属的な要素が設けられるが、この付属的な要素の図示も省略してある。
この図3に示されるように、複合機10は、主制御部42および副制御部44を有する。これら主制御部42および副制御部44は、互いに協働して複合機10の全体的な制御を担う、制御手段の一例である。このため、主制御部42および副制御部44は、互いに接続されるとともに、適宜に交信する。
このうちの主制御部42には、画像読取部12および画像形成部14が接続される。併せて、主制御部42には、タッチパネル30、ディスプレイ32および人感センサ40が接続される。さらに、主制御部42には、操作キー46および表示器48が接続される。加えて、主制御部42には、補助記憶部50、音声処理部52および電源部54が接続される。
主制御部42は、制御実行手段としてのCPU(Central Processing Unit)42aを有する。これ以降、主制御部42のCPU42aについては、「メインCPU42a」と称する。併せて、主制御部42は、メインCPU48aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての記憶部42bを有する。この記憶部42bは、たとえば不図示のROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む。ROMには、メインCPU42aの動作を制御するためのメイン制御プログラム(ファームウェア)が予め記憶される。RAMは、メインCPU42aがメイン制御プログラムに基づく処理を実行する際の作業領域およびバッファ領域を構成する。
操作キー46は、タッチパネル30および電源ボタン38以外の操作受付手段であり、つまり当該タッチパネル30および電源ボタン38以外の操作受付手段が便宜上1つに纏められた形で表現された要素である。この操作キー46には、節電ボタン34およびホームボタン36が含まれる。なお、節電ボタン34およびホームボタン36を含む操作キー46には、駆動回路などの付属的な要素が設けられる場合があるが、この付属的な要素の図示は省略してある。
表示器48は、前述の節電ボタン34用のバックライトおよびホームボタン36用のバックライトを含む発光手段である。すなわち、表示器48は、当該発光手段が便宜上1つに纏められた形で表現された要素である。なお、この表示器48についても、駆動回路などの付属的な要素が設けられる場合があるが、この付属的な要素の図示も省略してある。
補助記憶部50は、不図示のハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含む補助記憶手段の一例である。この補助記憶部50には、メインCPU42aによる制御に従って、各種のデータが記憶される。この補助記憶部50に記憶されるデータには、後述するプロテクト処理における印刷ジョブやファクス受信ジョブなどの外部からのジョブのデータが含まれる。
音声処理部52は、複合機10の取扱説明に係る音声ガイダンスや後述する警報メッセージなどの音声(合成音声)をスピーカ56から出力させる、音声処理手段の一例である。言い換えれば、音声処理部52は、スピーカ56と協働して音声を出力する、音声出力手段を構成する。なお、図1においては、スピーカ56が示されていないが、当該スピーカ56は、たとえば複合機10(の筐体)の前面部または左右いずれかの側面部に設けられる。
電源部54は、メインCPU42aまたは後述するサブCPU44aによる制御に従って、複合機10の各要素に電源(電力)を供給し、あるいは当該電源の供給を停止する、電源制御手段の一例である。このため、電源部54は、商用電源を受けるとともに、当該商用電源から各要素に応じた電源を生成する、不図示の電源回路を有する。そして、電源部54は、この電源回路によって生成された電源を各要素に供給し、あるいは当該電源の供給を停止する。
副制御部44もまた、主制御部42と同様、制御実行手段としてのCPU44aを有する。これ以降、副制御部44のCPU44aについては、「サブCPU44a」と称する。併せて、副制御部44は、サブCPU44aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての記憶部44bを有する。この記憶部44bは、たとえば不図示のROMおよびRAMを有する。ROMには、サブCPU44aの動作を制御するためのサブ制御プログラムが予め記憶される。RAMは、サブCPU44aがサブ制御プログラムに基づく処理を実行する際の作業領域およびバッファ領域を構成する。
そして、副制御部44には、電源ボタン38が接続される。併せて、副制御部44には、ファクス通信部58、ネットワーク通信部60および時刻管理部62が接続される。
ファクス通信部58は、ファクス通信を担う、ファクス通信手段の一例である。このため、ファクス通信部58は、不図示のファクスモデムを有する。
ネットワーク通信部60は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワークを介しての双方向通信を担う、ネットワーク通信手段の一例である。このため、ネットワーク通信部60は、不図示のNIC(Network Interface Card)を有する。
時刻管理部62は、時刻(年月日時分秒)の管理を担う、時刻管理手段の一例である。このため、時刻管理部62は、不図示のRTC(Real Time Clock)を有する。
さて、本第1実施例に係る複合機10は、その動作モードとして、通常モード、節電モードおよび省電力モードという3つのモードを有する。
通常モードは、複合機10が通常の状態にあるときのモードである。この通常モードにおいては、複合機10は、ウォームアップされた状態にあり、つまりタッチパネル30への操作や外部からのジョブに対して即座に応答することができる状態にある。言い換えれば、そのような即座な応答が可能となるように、電源部54から各要素に電源が供給される。したがってたとえば、ユーザによりタッチパネル30が操作されると、複合機10は、当該操作に応じた処理を即座に実行する。また、外部からのジョブを受けると、複合機10は、当該ジョブに応じた処理を即座に実行する。
節電モードは、複合機10が節電状態にあるとき、つまり当該複合機10の消費電力が抑制された状態にあるときの、モードである。この節電モードにおいては、主制御部42、副制御部44、節電ボタン34、節電ボタン34用のバックライト、人感センサ40、ファクス通信部58、ネットワーク通信部60、時刻管理部62を含む一部の要素にのみ、電源部54から電源が供給される。そして、複合機10は、たとえば印刷ジョブやファクス受信ジョブなどの外部からのジョブを待ち受けること、人感センサ40により人の有無を検知すること、節電ボタン34の操作を待ち受けること、節電ボタン34用のバックライトを点滅させること、および、電源ボタン38の操作を待ち受けること、のみ行う。ここでたとえば、外部からのジョブを受け付けると、複合機10は、ウォームアップを行い、その上で、当該ジョブに応じた処理を実行する。また、人感センサ40により人が検知されると、複合機10は、節電モードから通常モードへ移行して、ウォームアップを開始する。これにより、ユーザが複合機10を使用しようとする際の当該複合機10のウォームアップ完了までの時間が短縮化される。なお、節電モードにおいて、節電ボタン34が押下された場合も、複合機10は、当該節電モードから通常モードへ移行する。一方、通常モードにおいて、節電ボタン34が押下された場合に、複合機10は、当該通常モードから節電モードへ移行する。また、通常モードにおいて、複合機10が所定の節電待機期間にわたって使用されない場合も、複合機10は、当該通常モードから節電モードへ移行する。節電待機期間は、任意に設定することができ、常套的には数分間〜十数分間程度の範囲で設定される。
省電力モードは、複合機10の消費電力がさらに抑制された状態にあるときのモードである。この省電力モードにおいては、副制御部44、ファクス通信部58、ネットワーク通信部60および時刻管理部62にのみ、電源部54から電源が供給される。そして、複合機10は、外部からのジョブを待ち受けること、および、電源ボタン38の操作を待ち受けること、のみ行う。ここでたとえば、外部からのジョブを受け付けると、複合機10は、ウォームアップを行い、その上で、当該ジョブに応じた処理を実行する。また、電源ボタン38が押下されると、複合機10は、省電力モードから通常モードへ移行する。一方、通常モードにおいて、電源ボタン38が押下された場合に、複合機10は、当該通常モードから省電力モードへ移行する。また、節電モードにおいて、電源ボタン38が押下された場合も、複合機10は、当該節電モードから省電力モードへ移行する。
このような構成の複合機10は、たとえばオフィスに設置される。オフィスにおいては、複合機10は、主に就業時間内に使用され、就業時間外、とりわけ深夜の時間帯および休業日は、使用されない。したがって、複合機10が使用されない不使用期間中は、当該複合機10は、省電力モードとなるのが、望ましい。
そこで、本第1実施例に係る複合機10は、不使用期間として任意の期間が設定されると、この設定された不使用期間中は省電力モードとなり、当該不使用期間以外の期間中は通常モードまたは節電モードとなる、言わば自動モード切替機能を有する。なお前述したように、通常モードにおいて、節電ボタン34が押下された場合、または、複合機10が節電待機期間にわたって使用されない場合に、当該複合機10は、通常モードから節電モードへ移行する。そして、節電モードにおいて、人感センサ40により人が検知された場合、または、節電ボタン34が押下された場合に、複合機10は、当該節電モードから通常モードへ移行する。
加えて、本第1実施例に係る複合機10は、人感センサ40を利用して侵入者の有無を監視する監視機能を有する。この監視機能は、前述の不使用期間中に有効化される。具体的には、複合機10は、通常モード、節電モードおよび省電力モードという3つの動作モードの他に、監視機能を実現するための監視モードという動作モードを有する。そして、不使用期間が設定された上で、監視モードを有効化するための設定が成されると、当該不使用期間中は複合機10が(省電力モードではなく)監視モードとなる。この監視モードにおいては、主制御部42、副制御部44、人感センサ40、ファクス通信部58、ネットワーク通信部60、時刻管理部62を含む一部の要素にのみ、電源部54から電源が供給される。そしてたとえば、人感センサ40により人の存在が検知されると、複合機10は、検知された人が侵入者であるとみなして、その旨を表す所定の音声を含む警報メッセージをスピーカ56から出力する。併せて、任意のメールアドレス宛に所定の警報メールを送信するよう事前の設定が成されている場合は、設定されたメールアドレス宛に当該警報メールが送信される。
また、監視モードにおいては、複合機10は、外部からのジョブを待ち受けることも可能である。そして、外部からのジョブを受け付けると、複合機10は、当該ジョブのデータを補助記憶部50に記憶する、プロテクト処理を行う。このようなプロテクト処理が行われることにより、外部からのジョブのデータが侵入者に漏洩することが防止され、当該データのセキュリティが保たれる。なお、プロテクト処理により補助記憶部50に記憶されたジョブのデータは、不使用期間が終わってから、つまり複合機10が通常モードになってから、ユーザによる操作により当該ジョブに応じた処理に供される。
その一方で、複合機10が監視モードにあるときに、コピー機能などの当該複合機10本来の機能を使用したい、というユーザの要求があり得る。この要求に応えるべく、本第1実施例によれば、監視モードを一時的に解除して、複合機10本来の機能の使用を可能とすることができる。具体的には、監視モードを一時的に解除するための所定の条件が満足された場合に、当該監視モードが一時的に解除されて、複合機10本来の機能の使用が可能となる。ここで言う所定の条件として、次の3つの解除条件の一部または全部を設定することができる。
第1の解除条件は、予め設定された解除時刻が到来すること、である。すなわち、解除時刻が到来したときに、監視モードが解除される。なお、不使用期間中の任意の時刻が、解除時刻として設定される。この解除時刻は、本発明に係る第1時刻の一例である。そして、第1の解除条件は、本発明に係る第1時刻条件の一例であり、つまり無効化条件の一例である。
ただし、第1の解除条件が満足されたことにより、つまり解除時刻が到来したことにより、監視モードが解除された場合は、複合機10の機能が制限され、たとえば当該複合機10のコピー機能およびイメージスキャナ機能を含む一部の機能のみが使用可能となる。このため、監視モードが解除された直後に、図4に示されるようなホーム画面100がディスプレイ32に表示される。このホーム画面100には、コピー機能を選択するための大小2つのボタン(アイコン)110および112と、イメージスキャナ機能を選択するための大小2つのボタン120および122と、その他の一部の要素と、のみが含まれる。厳密な図示は省略するが、その他の一部の要素としては、ジョブの状況を確認するためのボタン130などがある。
第2の解除条件は、複合機10に対して所定の解除操作が行われること、である。すなわち、不使用期間中に複合機10に対して所定の解除操作が行われたときに、監視モードが解除される。ここで言う解除操作は、たとえば電源ボタン38の長押し2回操作、または、当該電源ボタン38の長押し3回操作である。電源ボタン38の長押し2回操作とは、当該電源ボタン38が比較的に長い時間にわたって、たとえば3秒間以上にわたって、押下される、という長押しが、連続して2回行われる操作である。そして、電源ボタン38の長押し3回操作とは、当該電源ボタン38の長押しが連続して3回行われる操作である。この電源ボタン38の長押し2回操作、および、電源ボタン38の長押し3回操作、のいずれが解除操作として適用されるのかについては、予め設定される。なお、第2の解除条件は、本発明に係る第1操作条件の一例であり、つまり無効化条件の一例である。そして、解除操作は、本発明に係る第1操作の一例である。
この第2の解除条件が満足されたことにより、つまり複合機10に対して解除操作が行われたことにより、監視モードが解除された場合も、前述の第1の解除条件が満足された場合と同様に、複合機10の機能が制限される。すなわち、監視モードが解除された直後に、図4に示されるようなホーム画面100がディスプレイ32に表示される。そして、コピー機能およびイメージスキャナ機能を含む一部の機能のみが使用可能となる。
第3の解除条件は、複合機10に対して所定のパスワードが入力されること、詳しくは電源ボタン38が押下(短押し)された上で、タッチパネル30の操作により当該所定のパスワードが入力されること、である。より詳しく説明すると、電源ボタン38が押下されることで、図5(A)に示されるような確認画面200が、ディスプレイ32に表示される。この確認画面200において、「はい」という文字列が記されたボタン202が押下されると、つまりはそのような操作がタッチパネル30に成されると、当該確認画面200に代わって、図5(B)に示されるようなパスワード入力画面210が、ディスプレイ32に表示される。そして、このパスワード入力画面210において、パスワードを入力するためのフィールド212に所定のパスワードが入力された上で、「OK」という文字列が記されたボタン214が押下されると、いわゆるパスワード認証が成功すると、監視モードが解除される。なお、第3の解除条件は、本発明に係る第1情報入力条件の一例であり、つまり無効化条件の一例である。そして、パスワードは、本発明に係る第1情報の一例である。
因みに、パスワード入力画面210のフィールド212に入力されたパスワードが予め設定されたパスワードと一致しない場合は、その旨を表す、つまりパスワード認証が失敗したことを表す、不図示のエラーメッセージ画面がディスプレイ32に表示される。このエラーメッセージ画面は、パスワード入力画面210に代わって、または、当該パスワード入力画面210上にダイアログという形で、一定期間にわたって、たとえば数秒間〜十数秒間にわたって、表示される。その上で、複合機10は、電源ボタン38が押下される前の状態に戻る。また、前述の確認画面200において、「いいえ」という文字列が記されたボタン204が押下された場合も、複合機10は、電源ボタン38が押下される前の状態に戻る。さらに、パスワード入力画面210において、「キャンセル」という文字列が記されたボタン216が押下された場合も、複合機10は、電源ボタン38が押下される前の状態に戻る。
この第3の解除条件が満足されたことにより、つまり複合機10に対して所定のパスワードが入力されたことにより、監視モードが解除された場合は、前述の第1の解除条件または第2の解除条件が満足された場合とは異なり、複合機10の機能は制限されない。すなわち、複合機10が持つ機能の全てが使用可能となる。このため、監視モードが解除された直後に、図6に示されるようなホーム画面100がディスプレイ32に表示される。この図6に示されるホーム画面100には、ファクシミリ機能を選択するための大小2つのボタン140をはじめ、図4には示されない各種の要素が含まれる。なお、通常モードにおいて、ホームボタン36が押下された場合も、図6に示されるのと同様のホーム画面100がディスプレイ32に表示される。また、節電モードにおいて、節電ボタン34が押下された場合には、複合機10が当該節電モードから通常モードへ移行するが、その際にも、図6に示されるのと同様のホーム画面100がディスプレイ32に表示される。
このようにして監視モードが解除された状態において、所定の復帰条件が満足されると、複合機10は、当該監視モードに復帰する。ここで言う復帰条件は、監視モードが解除された要因となった解除条件によって、つまり第1〜第3の3つの解除条件のいずれが満足されたことにより監視モードが解除されたのかによって、異なる。
たとえば、第1の解除条件が満足されたことにより、つまり解除時刻が到来したことにより、監視モードが解除された場合は、所定の復帰時刻が到来することが、当該監視モードへの復帰条件となる。すなわち、所定の復帰時刻が到来したときに、複合機10が監視モードに復帰する。なお、復帰時刻は、不使用期間中の解除時刻よりも後の任意の時刻であり、予め設定される。この復帰時刻は、本発明に係る第2時刻の一例である。そして、復帰時刻が到来すること、という復帰条件は、本発明に係る第2時刻条件の一例であり、つまり有効化条件の一例である。
また、第2の解除条件が満足されたことにより、つまり複合機10に対して解除操作が行われたことにより、監視モードが解除された場合は、当該複合機10に対して所定の復帰操作が行われることが、当該監視モードへの復帰条件となる。すなわち、複合機10に対して所定の復帰操作が行われたときに、当該複合機10が監視モードに復帰する。ここで言う復帰操作は、たとえば電源ボタン38が押下される操作である。この電源ボタン38の押下は、短押しでもよいし、長押しでもよい。この復帰操作は、本発明に係る第2操作の一例である。そして、この復帰操作が行われること、という復帰条件は、本発明に係る第2操作条件の一例であり、つまり有効化条件の一例である。
さらに、この場合の復帰条件には、複合機10が所定の復帰待機期間にわたって使用されないことも、含まれる。すなわち、複合機10が復帰待機期間にわたって使用されないときにも、当該複合機10が監視モードに復帰する。ここで言う復帰待機期間は、たとえば数分間〜十数分間である。この復帰待機期間は、本発明に係る所定期間の一例である。そして、この復帰待機期間にわたって複合機10が使用されないこと、という復帰条件は、本発明に係る無操作条件の一例であり、つまり有効化条件の一例である。
第3の解除条件が満足されたことにより、つまり複合機10に対して所定のパスワードが入力されたことにより、監視モードが解除された場合の当該監視モードへの復帰条件は、第2の解除条件が満足された場合と同様である。すなわち、複合機10に対して所定の復帰操作が行われたとき、または、複合機10が所定の復帰待機期間にわたって使用されないときに、複合機10が監視モードに復帰する。
このような監視モードおよび当該監視モードの一時的な解除、さらには、前述の自動モード切替機能のために、図7に示される設定画面300が設けられる。すなわち、この設定画面300により、自動モード切替機能、監視モードおよび当該監視モードの一時的な解除のための設定が行われる。この設定画面300は、たとえばディスプレイ32に表示される。したがって、ディスプレイ32に表示された設定画面300上で、つまりタッチパネル30への操作により、当該設定画面300による設定を行うことができる。また、この設定画面300は、ネットワークを介して接続された不図示の外部装置としてのコンピュータ(のディスプレイ)にも表示することができる。したがって、このコンピュータからも、設定画面300による操作を行うことができる。
図7に示されるように、設定画面300は、自動モード切替機能に係る設定領域310と、監視モードに係る設定領域330と、当該監視モードの一時的な解除に係る設定領域350と、を含む。
自動モード切替機能に係る設定領域310は、たとえば設定画面300の上部に設けられる。この設定領域310は、複合機10の電源をオンする時刻、厳密には当該複合機10の動作モードを省電力モードから通常モードへ移行させる時刻、を設定するための領域312を含む。この領域312に設けられたコンボボックス314に任意の時刻が入力されることにより、複合機10の電源をオンする時刻が設定される。また、設定領域310は、複合機10の電源をオフする時刻、厳密には当該複合機10の動作モードを省電力モードとする時刻、を設定するための領域316を含む。この領域316に設けられたコンボボックス318に任意の時刻が入力されることにより、複合機10の電源をオフする時刻が設定される。さらに、設定領域310は、領域312で設定された複合機10の電源をオンする時刻、および、領域316で設定された当該複合機10の電源をオフする時刻、が適用される曜日を設定するための領域320を含む。この領域320に設けられたそれぞれの曜日に対応するチェックボックス322にチェックマークが入力されることにより、各領域312および316で設定された時刻が適用される曜日が設定される。なお、図7は、(毎週)「月曜日」〜「金曜日」の「8時00分」に、複合機10の電源がオンされ、当該「月曜日」〜「金曜日」の「21時30分」に、複合機10の電源がオフされるように、設定された状態を示す。言い換えれば、図7に示される状態において、複合機10の電源がオフされる期間が、不使用期間として設定される。
監視モードに係る設定領域330は、たとえば自動モード切替機能に係る設定領域310の下方に設けられる。この監視モードに係る設定領域330は、当該監視モードを有効化するかどうかを設定するための領域332を含む。この領域332に設けられたチェックボックス334にチェックマークが入力されることにより、監視モードが有効化され、つまり不使用期間中に複合機10が当該監視モードとなるように設定される。また、このチェックボックス334のチェックマークが外されると、監視モードが無効化され、つまり不使用期間中に複合機10が当該監視モードではなく省電力モードとなるように設定される。さらに、設定領域330は、前述の警報メールの送信先となるメールアドレスを設定するための領域336を含む。この領域336に設けられたフィールド338に任意のメールアドレスが入力されることにより、当該メールアドレス宛に警報メールが送信される。なお、図7は、監視モードが有効化されるとともに、警報メールの送信先となる任意のメールアドレスが設定された状態を示す。また、図示は省略するが、監視モードが無効化された場合は、つまりチェックボックス334のチェックマークが外された場合は、フィールド338を含む領域336および次に説明する監視モードの一時的な解除に係る設定領域350の表示がグレーアウトされる。
監視モードの一時的な解除に係る設定領域350は、たとえば監視モードに係る設定領域330の下方に設けられる。この監視モードの一時的な解除に係る設定領域350は、当該監視モードを一時的に解除することを許可するかどうかを設定するための領域352を含む。この領域352に設けられたチェックボックス354にチェックマークが入力されることにより、監視モードを一時的に解除することが許可される。また、このチェックボックス354のチェックマークが外されると、監視モードを一時的に解除することが禁止される。
さらに、設定領域350は、前述の第1〜第3の3つの解除条件を個別に設定するための3つの領域356、358および360を含む。このうちの領域356は、第1の解除条件を設定するための領域である。すなわち、この領域356に設けられたチェックボックス362にチェックマークが入力されることにより、第1の解除条件が満足されたときに、つまり所定の解除時刻が到来したときに、監視モードが解除される。この領域356には、解除時刻を入力するためのコンボボックス364が設けられる。併せて、当該領域356には、前述の復帰時刻を入力するためのコンボボックス366も設けられる。これらのコンボボックス364および366には、不使用期間中の任意の時刻が入力可能である。加えて、コンボボックス366には、コンボボックス364に入力された時刻よりも後の時刻が入力可能である。なお、図示は省略するが、チェックボックス362のチェックマークが外された場合は、つまり第1の解除条件が監視モードを解除するための条件から外された場合は、各コンボボックス364および366ならびにこれらに関連する部分(文字列など)の表示がグレーアウトされる。
領域358は、第2の解除条件を設定するための領域である。すなわち、この領域358に設けられたチェックボックス368にチェックマークが入力されることにより、第2の解除条件が満足されたときに、つまり複合機10に対して所定の解除操作が行われたときに、監視モードが解除される。併せて、この領域358には、電源ボタン38の長押し2回操作、および、電源ボタン38の長押し3回操作、のいずれを解除操作として適用するのかを選択するための2つのラジオボタン370および372が設けられる。なお、図示は省略するが、チェックボックス368のチェックマークが外された場合は、つまり第2の解除条件が監視モードを解除するための条件から外された場合は、各ラジオボタン370および372、コンボボックス364および366ならびにこれらに関連する部分の表示がグレーアウトされる。
領域360は、第3の解除条件を設定するための領域である。すなわち、この領域360に設けられたチェックボックス374にチェックマークが入力されることにより、第3の解除条件が満足されたときに、つまり複合機10に対して所定のパスワードが入力されたときに、監視モードが解除される。併せて、この領域360には、任意のパスワードを入力するためのフィールド376と、確認のために当該パスワードを再入力するためのフィールド378と、が設けられる。なお、図示は省略するが、チェックボックス374のチェックマークが外された場合は、つまり第3の解除条件が監視モードを解除するための条件から外された場合は、各フィールド376および378ならびにこれらに関連する部分の表示がグレーアウトされる。
図7における設定領域350に注目すると、当該設定領域350は、監視モードを一時的に解除することが許可された上で、第1〜第3の3つの解除条件の全てが監視モードを解除するための条件として設定された状態を示す。特に、第1の解除条件に係る解除時刻については、「1時00分」に設定され、復帰時刻については、「1時30分」に設定された状態を示す。また、第2の解除条件に係る解除動作については、電源ボタン38の「長押し2回」操作が選択された状態を示す。そして、第3の解除条件に係るパスワードについては、任意のパスワードが入力される一方、入力されたパスワードが「*」印により非表示とされた状態を示す。なお、図示は省略するが、チェックボックス354のチェックマークが外された場合は、つまり監視モードを一時的に解除することが禁止された場合は、設定領域350のうちの各解除条件に係る3つの領域356、358および360の表示がグレーアウトされる。
ここで、図8に、主制御部42の記憶部42bのRAM内の構成を概念的に表すメモリマップ400を示す。
このメモリマップ400に示されるように、記憶部42bのRAMは、プログラム記憶領域410およびデータ記憶領域450を有する。このうちのプログラム記憶領域410には、前述のメイン制御プログラムが記憶される。このメイン制御プログラムは、表示制御プログラム412、操作検出プログラム414、人検知プログラム416、主側交信プログラム418および主側電源制御プログラム420を含む。さらに、メイン制御プログラムは、監視設定プログラム422、監視制御プログラム424、監視プログラム426、報知プログラム428およびプロテクト処理プログラム430などを含む。
表示制御プログラム412は、ディスプレイ32に前述のホーム画面100などの各種の画面を表示させるのに必要な表示画面データを生成するためのプログラムである。操作検出プログラム414は、タッチパネル30の被操作状態を検出するためのプログラムである。また、操作検出プログラム414は、節電ボタン34およびホームボタン36を含む操作キー46の被操作状態を検出するためのプログラムでもある。人検知プログラム416は、人感センサ40から出力される検知信号に基づいて、当該人感センサ40の検知領域Aにおける人の存否を判断するプログラムである。主側交信プログラム418は、副制御部44(サブCPU44a)との交信を行うためのプログラムである。そして、主側電源制御プログラム420は、電源部54を制御するためのプログラムである。
さらに、監視設定プログラム422は、前述の設定画面300による設定を行うためのプログラムである。この設定画面300による設定内容は、補助記憶部50に記憶される。監視制御プログラム424は、メインCPU42aに後述する監視制御処理を実行させるためのプログラムである。監視プログラム426は、メインCPU42aに後述する監視処理を実行させるためのプログラムである。報知プログラム428は、メインCPU42aに後述する報知処理を実行させるためのプログラムである。そして、プロテクト処理プログラム430は、メインCPU42aに前述のプロテクト処理を実行させるためのプログラムである。
一方、データ記憶領域450には、各種のデータが記憶される。これら各種のデータとしては、表示画像生成データ452、操作データ454、主側監視設定データ456、警報メッセージデータ468、フラグ460、タイマカウントデータ462などがある。
表示画像生成データ452は、前述の表示制御プログラム412に基づく表示画面データの生成に用いられるポリゴンデータやテクスチャデータなどのデータである。操作データ454は、タッチパネル30の被操作状態を表すデータであり、詳しくはユーザによる当該タッチパネル30のタッチ位置(座標)を表す時系列のデータである。主側監視設定データ456は、前述の設定画面300による設定内容に関するデータであり、とりわけ主制御部42(メインCPU42a)側の動作に関係するデータである。警報メッセージデータ468は、前述の警報メッセージのデータ(音声データ)および警報メールのデータ(メールデータ)である。フラグ460は、後述する人検知無効フラグを含む各種のフラグである。そして、タイマカウントデータ462は、後述する人検知無効タイマTaおよび警報出力タイマTbを含む各種のタイマのカウントデータである。
また、図9に、副制御部44の記憶部44bのRAM内の構成を概念的に表すメモリマップ500を示す。
このメモリマップ500に示されるように、記憶部44bのRAMは、プログラム記憶領域510およびデータ記憶領域550を有する。このうちのプログラム記憶領域510には、前述のサブ制御プログラムが記憶される。このサブ制御プログラムは、副側交信プログラム512、通信制御プログラム514、時刻管理プログラム516、副側電源制御プログラム518、ボタン操作検出プログラム520などを含む。
副側交信プログラム512は、主制御部42(メインCPU42a)との交信を行うためのプログラムである。通信制御プログラム514は、ファクス通信部58およびネットワーク通信部60という外部装置との通信を担う要素を制御するためのプログラムである。時刻管理プログラム516は、時刻管理部62を用いて時刻を管理するためのプログラムである。副側電源制御プログラム518は、電源部54を制御するためのプログラムである。そして、ボタン操作検出プログラム520は、電源ボタン38の被操作状態を検出するためのプログラムである。
一方、データ記憶領域550には、各種のデータが記憶される。この各種のデータとしては、副側監視設定データ552などがある。副側監視設定データ552は、前述の設定画面300による設定内容に関するデータであり、とりわけ副制御部44(サブCPU44a)側の動作に関係するデータである。
前述したように、本第1実施例に係る複合機10は、監視モードという動作モードを有するとともに、この監視モードを一時的に解除することが可能である。この監視モードにおいて、メインCPU42aは、前述の主側交信プログラム418に従って、サブCPU44aと交信しつつ、監視制御プログラム424に従って、監視制御処理を実行する。この監視制御処理の流れを、図10〜図13に示す。なお、この監視制御処理は、前述の設定画面300により不使用期間が設定されるとともに、監視モードが有効化された上で、当該不使用期間の開始時刻である電源オフ時刻が到来したときに、実行される。
この監視制御処理によれば、メインCPU42aは、まず、図10に示されるステップS1において、監視モードへ移行するための処理を行う。このステップS1における処理には、電源部54を制御することが含まれる。すなわち、メインCPU42aは、前述の如く主制御部42、副制御部44、人感センサ40、ファクス通信部58、ネットワーク通信部60、時刻管理部62を含む一部の要素にのみ電源が供給されるように、電源部54を制御する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS3へ進める。
ステップS3において、メインCPU42aは、人検知無効フラグFaに「0(ゼロ)」をセットする。人検知無効フラグFaは、人感センサ40(による検知結果)を無効化することを表すフラグである。たとえば、人検知無効フラグFaが「1」であるとき、人感センサ40が無効化される。一方、人検知無効フラグFaが「0」であるとき、人感センサ40が有効化される。このステップ3の実行後、メインCPU42aは、処理をステップS5へ進める。
ステップS5において、メインCPU42aは、外部からのジョブがあるかどうかを判定する。この判定は、サブCPU44aとの交信に基づいて行われる。ここでたとえば、外部からのジョブがある場合(S5:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS7へ進める。一方、外部からのジョブがない場合(S5:NO)、メインCPU42aは、処理を後述するステップS9へ進める。
ステップS7において、メインCPU42aは、前述のプロテクト処理の実行を開始する。これにより、外部からのジョブのデータが補助記憶部50に記憶される。なお、プロテクト処理は、不図示の別のタスクにより実行される。そして、メインCPU42aは、処理をステップS9へ進める。
ステップS9において、メインCPU42aは、監視モードを終了させるための条件が満足されたかどうかを、つまり不使用期間が終了したかどうかを、判定する。ここでたとえば、監視モードを終了させるための条件が満足された場合(S9:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS11へ進める。一方、監視モードを終了させるための条件が満足されてない場合(S9:NO)、メインCPU42aは、処理を後述するステップS13へ進める。
ステップS11において、メインCPU42aは、監視モードを終了して通信モードへ移行するための処理を行う。このステップS11における処理には、電源部54を制御することが含まれる。すなわち、メインCPU42aは、複合機10の全ての要素に電源が供給されるように、電源部54を制御する。このステップS11の実行をもって、メインCPU42aは、監視制御処理を終了する。
これに対して、ステップS13において、メインCPU42aは、監視モードを一時的に解除するための条件が満足されたかどうかを、つまり前述の第1〜第3の3つの解除条件のいずれかが満足されたかどうかを、判定する。ここでたとえば、監視モードを一時的に解除するための条件が満足されていない場合(S13:NO)、メインCPU42aは、処理をステップS15へ進める。一方、監視モードを一時的に解除するための条件が満足された場合(S13:YES)、メインCPU42aは、処理を後述するステップS17へ進める。
ステップS15において、メインCPU42aは、人感センサ40を利用して侵入者の有無を監視するための監視処理の実行を開始する。この監視処理については、後で詳しく説明する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS5へ戻す。
これに対して、ステップS17において、メインCPU42aは、後述する報知処理が実行されている最中であるかどうか、換言すれば当該報知処理により警報メッセージが出力されている最中であるかどうかを、判定する。ここでたとえば、報知処理の実行中である場合(S17:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS19へ進める。一方、報知処理の実行中でない場合(S17:NO)、メインCPU42aは、処理を後述するステップS21へ進める。
ステップS19において、メインCPU42aは、実行中の報知処理を強制的に終了する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS21へ進める。
ステップS21において、メインCPU42aは、監視モードを一時的に解除するための処理を行う。このステップS21における処理には、電源部54を制御することが含まれる。具体的には、メインCPU42aは、通常モードへ移行する場合と同様、複合機10の全ての要素に電源が供給されるように、電源部54を制御する。これにより、監視モードが解除されて、当該監視モードから言わば一時解除モードへ移行される。そして、メインCPU42aは、図11に示されるステップS23へ処理を進める。
ステップS23において、メインCPU42aは、監視モードが解除された要因が、第1の解除条件が満足されたことであるのかどうかを、判定する。ここでたとえば、監視モードが解除された要因が、第1の解除条件が満足されたことである場合、つまり前述の解除時刻が到来したことによって、当該監視モードが解除された場合(S23:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS25へ進める。一方、監視モードが解除された要因が、第1の解除条件が満足されたことでない場合、つまり第2の解除条件または第3の解除条件が満足されたことによって、当該監視モードが解除された場合(S23:NO)、メインCPU42aは、図12に示されるステップS47へ処理を進める。ステップS47については、後述する。
ステップS25において、メインCPU42aは、複合機10の機能を制限し、詳しくは当該複合機10のコピー機能およびイメージスキャナ機能を含む一部の機能のみを使用可能とする。そして、メインCPU42aは、処理をステップS27へ進める。
ステップS27において、メインCPU42aは、図4に示されるホーム画面100をディスプレイ32に表示する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS29へ進める。
ステップS29において、メインCPU42aは、タッチパネル30、電源ボタン38および操作キー46を含む複合機10に対して何らかの操作が行われたかどうかを判定する。ここでたとえば、複合機10に対して何らかの操作が行われた場合(S29:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS31へ進める。一方、複合機10に対して何らの操作も行われない場合(S29:NO)、メインCPU42aは、処理を後述するステップS37へ進める。
ステップS31において、メインCPU42aは、前述のステップS29で行われた操作が何らかのジョブの実行を指示する操作であるかどうかを判定する。ここでたとえば、当該操作が何らかのジョブの実行を指示する操作である場合(S31:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS33へ進める。一方、当該操作がジョブの実行を指示する操作でない場合(S31:NO)、メインCPU42aは、処理を後述するステップS35へ進める。
ステップS33において、メインCPU42aは、前述のステップS29で行われた操作に応じたジョブの実行を開始する。このジョブの実行は、不図示の別のタスクにより実行される。そして、メインCPU42aは、処理をステップS37へ進める。
これに対して、ステップS35において、メインCPU42aは、前述のステップS29で行われた(そのように判定された)操作に応じた処理を実行する。なおたとえば、前述のステップS29で行われた操作が電源ボタン38の押下である場合、メインCPU42aは、特段な処理は行わず、換言すれば当該電源ボタン38の押下を無視するという処理を行う。そして、メインCPU42aは、処理をステップS37へ進める。
ステップS37において、メインCPU42aは、外部からのジョブがあるかどうかを判定する。この判定は、前述のステップS5と同様、サブCPU44aとの交信に基づいて行われる。ここでたとえば、外部からのジョブがある場合(S37:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS39へ進める。一方、外部からのジョブがない場合(S37:NO)、メインCPU42aは、処理を後述するステップS41へ進める。
ステップS39において、メインCPU42aは、プロテクト処理の実行を開始する。これにより、外部からのジョブのデータが補助記憶部50に記憶される。なお、プロテクト処理は、前述のステップS7と同様、不図示の別のタスクにより実行される。そして、メインCPU42aは、処理をステップS41へ進める。
ステップS41において、メインCPU42aは、監視モードに復帰するための条件が満足されたかどうかを、つまり前述の復帰時刻が到来したかどうかを、判定する。ここでたとえば、監視モードに復帰するための条件が満足されていない場合、つまり復帰時刻がまだ到来していない場合(S41:NO)、メインCPU42aは、処理をステップS29へ戻す。一方、監視モードに復帰するための条件が満足された場合、つまり復帰時刻が到来した場合(S41:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS43へ進める。
ステップS43において、メインCPU42aは、前述のステップS25で制限された複合機10の機能を元の状態に戻し、つまり当該複合機10の機能の制限を解除する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS45へ進める。
ステップS45において、メインCPU42aは、監視モードへ復帰するための処理を行う。このステップS45における処理には、電源部54を制御することが含まれる。すなわち、メインCPU42aは、主制御部42、副制御部44、人感センサ40、ファクス通信部58、ネットワーク通信部60、時刻管理部62を含む一部の要素にのみ電源が供給されるように、電源部54を制御する。その上で、メインCPU42aは、処理をステップS5へ戻す。
これに対して、メインCPU42aは、前述のステップS23からステップS47へ処理を進めた場合、当該ステップS47において、監視モードが解除された要因が、第2の解除条件が満足されたことであるのかどうかを、判定する。ここでたとえば、監視モードが解除された要因が、第2の解除条件が満足されたことである場合、つまり複合機10に対して前述の解除操作が行われたことによって、当該監視モードが解除された場合(S47:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS49へ進める。一方、監視モードが解除された要因が、第2の解除条件が満足されたことでない場合、つまり第3の解除条件が満足されたことによって、当該監視モードが解除された場合(S47:NO)、メインCPU42aは、図13に示されるステップS67へ処理を進める。ステップS67については、後述する。
ステップS49へ処理を進めたメインCPU42aは、当該ステップS49〜ステップS65において、前述のステップS25〜ステップS41におけるのと同様の処理を行う。ただし、ステップS35に対応するステップS59においては、当該ステップS35におけるのと一部異なる処理が行われる。また、ステップS41に対応するステップS65における監視モードへの復帰条件は、当該ステップS41における復帰条件と異なる。具体的には、メインCPU42aは、ステップS59において、ステップS29に対応するステップS53で行われた操作が電源ボタン38の押下である場合に、当該電源ボタン38の押下という監視モードへの復帰条件が満足されたものとみなす。この場合、メインCPU42aは、ステップS65において、監視モードへの復帰条件が満足されたものと判定する。また、メインCPU42aは、ステップS65において、複合機10が前述の復帰待機期間にわたって使用されていない場合にも、監視モードへの復帰条件が満足されたものと判定する。すなわち、ステップS65における監視モードへの復帰条件には、複合機10が復帰待機期間にわたって使用されないことも、含まれる。このステップS65において、監視モードへの復帰条件が満足された場合(S65:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS43へ進める。一方、監視モードへの復帰条件が満足されない場合(S65:NO)、メインCPU42aは、処理をステップS53へ戻す。
メインCPU42aは、前述のステップS47からステップS67へ処理を進めた場合、つまり監視モードが解除された要因が、第3の解除条件が満足されたことである場合、当該ステップS67において、図6に示されるホーム画面100をディスプレイ32に表示する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS69へ進める。
ステップS69〜ステップS81において、メインCPU42aは、前述のステップS53〜ステップS65におけるのと同様の処理を行う。ただし、前述のステップS53においては、受付可能な操作が限定されるが、当該ステップS53に対応するステップS69においては、受付可能な操作は限定されない。また、前述のステップS65に対応するステップS81において、監視モードへの復帰条件が満足された場合、つまり電源ボタン38が押下されたか、複合機10が前述の復帰待機期間にわたって使用されない場合(S81:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS45へ進める。なお、ステップS81において、監視モードへの復帰条件が満足されない場合(S81:NO)、メインCPU42aは、処理をステップS69へ戻す。
このような監視制御処理におけるステップS15において、前述の如く監視処理の実行が開始されるが、この監視処理は、図14に示されるような流れで行われる。なお、メインCPU42aは、前述の監視プログラム426に従って、監視処理を実行する。
この監視処理によれば、メインCPU42aは、まず、ステップS101において、前述の人検知無効フラグFaが「0」であるかどうかを判定する。ここでたとえは、人検知無効フラグFaが「0」である場合(S101:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS103へ進める。一方、人検知無効フラグFaが「1」である場合(S101:NO)、メインCPU42aは、後述するステップS115へ処理を進める。
ステップS103において、メインCPU42aは、人感センサ40によって人の存在が検知されたかどうかを判定する。ここでたとえば、人が検知された場合(S103:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS105へ進める。一方、人が検知されない場合(S103:NO)、メインCPU42aは、監視処理を終了する。
ステップS105において、メインCPU42aは、人検知無効フラグFaに「1」をセットする。これにより、人感センサ40によって人が検知されたことが表される。そして、メインCPU42aは、処理をステップS107へ進める。
ステップS107において、メインCPU42aは、人検知無効タイマTaのカウント値をリセットするとともに、当該人検知無効タイマTaによるカウント動作を開始する。人検知無効タイマTaは、人感センサ40(による検知結果)を無効化する時間をカウントするためのタイマであり、たとえばメインCPU42aによって構成されるソフトウェアタイマである。この人検知無効タイマTaの設定時間は、任意の長さとすることができ、たとえば数分間〜十数分間程度が適当である。このステップS107の実行後、メインCPU42aは、処理をステップS109へ進める。
ステップS109において、メインCPU42aは、前述の警報メッセージをスピーカ56から出力するための報知処理の実行を開始する。この報知処理については、後で詳しく説明する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS111へ進める。
ステップS111において、メインCPU42aは、前述の警報メールを送信するための事前の設定が成されているかどうかを、つまり当該警報メールの送信先となるメールアドレスが設定されているかどうかを、判定する。ここでたとえば、警報メールを送信するための設定が成されている場合(S111:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS113へ進める。一方、警報メールを送信するための設定が成されていない場合(S111:NO)、メインCPU42aは、監視処理を終了する。
メインCPU42aは、前述のステップS101からステップS115へ処理を進めた場合、当該ステップS115において、人検知無効タイマTaによるカウント値が設定時間に到達したかどうかを、つまり人検知無効タイマTaがタイムアップしたかどうかを、判定する。ここでたとえば、人検知無効タイマTaがタイムアップした場合(S115:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS117へ進める。一方、人検知無効タイマTaがまだタイムアップしていない場合(S115:NO)、メインCPU42aは、監視処理を終了する。
ステップS117において、メインCPU42aは、人検知無効フラグFaに「0」をセットする。その上で、メインCPU42aは、監視処理を終了する。
この監視処理によれば、前述の如く人検知無効フラグFaが「1」である場合に、人検知無効タイマTaがタイムアップするまでの間、人感センサ40が無効化される。これは、人感センサ40によって同じ人が検知されることによる不都合、とりわけ警報メッセージが何度も出力されること、を防止するためである。
この監視処理におけるステップS109において、前述の如く報知処理の実行が開始されるが、この報知処理は、図15に示されるような流れで進められる。なお、メインCPU42aは、前述の報知プログラム428に従って、報知処理を実行する。
この報知処理によれば、メインCPU42aは、まず、ステップS201において、警報出力タイマTbのカウント値をリセットするとともに、当該警報出力タイマTbによるカウント動作を開始する。この警報出力タイマTbは、警報メッセージを出力する時間をカウントするためのタイマであり、たとえばメインCPU42aによって構成されるソフトウェアタイマである。この警報出力タイマTbの設定時間は、任意の長さとすることができ、たとえば数分間〜十数分間程度が適当である。このステップS201の実行後、メインCPU42aは、処理をステップS203へ進める。
ステップS203において、メインCPU42aは、スピーカ56の出力音量を最大値に設定し、つまりはそうなるように音声処理部52を制御する。その上で、メインCPU42aは、処理をステップS205へ進める。
ステップS205において、メインCPU42aは、スピーカ56からの警報メッセージの出力を開始する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS207へ進める。
ステップS207において、メインCPU42aは、警報出力タイマTbによるカウント値が設定時間に到達したかどうかを、つまり当該警報出力タイマTbがタイムアップしたかどうかを、判定する。ここでたとえば、警報出力タイマTbがタイムアップした場合(S207:YES)、メインCPU42aは、処理を後述するステップS211へ進める。一方、警報出力タイマTbがまだタイムアップしていない場合(S207:NO)、メインCPU42aは、処理をステップS209へ進める。
ステップS209において、メインCPU42aは、前述の監視制御処理におけるステップS19(図10参照)が実行されたことにより、つまり複合機10が監視モードへ移行したことにより、報知処理を強制的に終了させる必要があるかどうかを判定する。ここでたとえば、報知処理を強制的に終了させる必要がない場合(S209:NO)、メインCPU42aは、処理をステップS207へ戻す。一方、報知処理を強制的に終了させる必要がある場合(S209:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS211へ進める。
ステップS211において、メインCPU42aは、ステップS56からの警報メッセージの出力を停止する。そして、メインCPU42aは、処理をステップS213へ進める。
ステップS213において、メインCPU42aは、スピーカ56の出力音量を通常の設定値に戻し、詳しくは前述のステップS203が実行される前の状態に戻す。このステップS213の実行をもって、メインCPU42aは、報知処理を終了する。
このように本第1の実施例に係る複合機10は、人感センサ40を利用して侵入者の有無を検知する監視機能を備える。この監視機能は、監視モードによって実現されるが、当該監視モードについては、一時的に解除することができる。したがってたとえば、複合機10が監視モードにあるときに、コピー機能などの当該複合機10本来の機能を使用したい、というユーザの要求に、柔軟に対応することができる。
なお、本第1実施例においては、前述の如くメインCPU42aが報知処理(図15参照)を実行することにより、スピーカ56から警報メッセージが出力される。このような報知処理を実行するメインCPU42aは、音声処理部52およびスピーカ56と協働して、本発明に係る報知手段の一例を成す。
また、前述の監視制御処理(図10〜図13参照)によれば、監視モードが一時的に解除される場合は、つまり当該監視モードを解除するための条件が満足された場合は、監視処理(図14参照)が実行されず、言わば当該監視処理が無効化される。このような要領で監視処理の実行を回避するメインCPU42aは、本発明に係る無効化手段の一例である。
さらに、監視制御処理において、とりわけステップS25またはステップS49において、メインCPU42aは、複合機10の機能を制限するが、このようなメインCPU42aは、本発明に係る制限手段の一例である。なお、ステップS25およびステップS49においては、複合機10の機能が同様に制限されたが、当該複合機10の機能が制限される度合(内容)に差異が設けられてもよい。たとえば、ステップS25およびステップS49のいずれか一方において、複合機10の機能がより大きく制限されてもよいし、当該機能の制限が緩和されてもよい。言い換えれば、監視モードが一時的に解除された要因に応じて、つまり前述の第1〜第3の解除条件のいずれが満足されたことにより監視モードが一時的に解除されたのかに応じて、複合機10の機能が制限される度合が設定されてもよい。
併せて、監視制御処理においては、とりわけステップS41、ステップS65またはステップS81においては、監視モードへの復帰条件が満足された場合に、複合機10が当該監視モードに復帰し、詳しくはステップS45が実行される。このようなステップS45を含む監視制御処理を実行するメインCPU42aは、本発明に係る有効化手段の一例でもある。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について、図16および図17を参照して説明する。
本第2実施例においては、監視モードが一時的に解除されている期間中に、つまり複合機10が一時解除モードにある期間中に、当該複合機10により実行されたジョブの履歴に関する履歴データを保存することができる。なお、本第2実施例におけるこれ以外の点は、前述の第1実施例と同様であるので、当該第1実施例と同様の点についての説明は、省略する。
本第2実施例における履歴データの保存が行われるには、いくつかの条件がある。この条件としては、前述の第3の解除条件が満足されたことにより、つまり所定のパスワードが入力されたことにより、監視モードが一時的に解除されたことが、含まれる。併せて、複合機10に対して前述の復帰操作が行われることにより当該複合機10が監視モードに復帰すること、その際に、複合機10に対して監視モードの一時的な解除時と同じパスワードが入力されることも、履歴データの保存の条件に含まれる。すなわち、第3の解除条件が満足されたことにより監視モードが一時的に解除され、さらに、複合機10に対して所定の復帰操作が行われることにより当該複合機10が監視モードに復帰し、その際に、所定のパスワードが入力された場合に、履歴データの保存が行われる。
具体的には、第3の解除条件が満足されたことにより監視モードが一時的に解除された状態にある複合機10に対して前述の復帰操作が行われると、図16(A)に示されるような確認画面600が、ディスプレイ32に表示される。この確認画面600において、「はい」という文字列が記されたボタン602が押下されると、つまりはそのような操作がタッチパネル30に成されると、当該確認画面600に代わって、図16(B)に示されるようなパスワード入力画面610が、ディスプレイ32に表示される。そして、このパスワード入力画面610において、パスワードを入力するためのフィールド612に所定のパスワードが入力された上で、「OK」という文字列が記されたボタン614が押下されると、複合機10は監視モードに復帰する。その際、履歴データの保存が行われ、たとえば当該履歴データが補助記憶部50に記憶される。
なお、ここで言う履歴データは、本発明に係る履歴情報の一例である。この履歴データの補助記憶部50への保存は、メインCPU42aによる制御に従って行われるが、このような履歴データの保存を行うメインCPU42aは、補助記憶部50と協働して、本発明に係る保存手段の一例を成す。また、履歴データの保存時に入力されるパスワードは、本発明に係る第2情報の一例である。そして、履歴データの保存に際して当該パスワードが入力されることは、本発明に係る第2情報入力条件の一例であり、つまり保存条件の一例である。
因みに、前述のパスワード入力画面610のフィールド612に入力されたパスワードが予め設定されたパスワードと一致しない場合は、その旨を表す、つまりパスワード認証が失敗したことを表す、不図示のエラーメッセージ画面がディスプレイ32に表示される。このエラーメッセージ画面は、パスワード入力画面610に代わって、または、当該パスワード入力画面610上にダイアログという形で、一定期間にわたって、たとえば数秒間〜十数秒間にわたって、表示される。その上で、複合機10は、前述の復帰操作が行われる前の状態に戻る。また、パスワード入力画面610において、「キャンセル」という文字列が記されたボタン616が押下された場合も、複合機10は、復帰操作が行われる前の状態に戻る。さらに、パスワード入力画面610において、「スキップ」という文字列が記されたボタン618が押下された場合、複合機10は、履歴データを保存せずに、監視モードに復帰する。そして、前述の確認画面600において、「いいえ」という文字列が記されたボタン604が押下された場合、複合機10は、復帰操作が行われる前の状態に戻る。
このような履歴データの保存を実現するために、メインCPU42aは、前述の監視制御処理において、とりわけステップS81(図13参照)において、監視モードへの復帰条件が満足された場合に(S81:YES)、図17に示されるステップS301へ処理を進める。このステップS301において、メインCPU42aは、ステップS81で満足された復帰条件にパスワードの入力が含まれるかどうかを判定する。ここでたとえば、パスワードの入力が含まれる場合(S301:YES)、メインCPU42aは、処理をステップS303へ進める。一方、パスワードの入力が含まれない場合(S301:NO)、メインCPU42aは、処理をステップS45へ戻す。
ステップS303において、メインCPU42aは、監視モードが一時的に解除された状態にある期間中に実行されたジョブに関する履歴データを補助記憶部50に記憶する。その上で、メインCPU42aは、処理をステップS45へ戻す。
このように本第2実施例によれば、監視モードが一時的に解除された状態にある期間中に実行されたジョブの履歴に関する履歴データを保存することができる。
なお、本第2実施例においては、履歴データの保存が行われる条件として、第3の解除条件が満足されたことにより監視モードが一時的に解除されたことが含まれるが、これ以外の構成が適用されてもよい。たとえば、監視モードが解除された要因に拘らず、つまり前述の第1〜第3の3つの解除条件のいずれが満足されたことによって当該監視モードが解除されたのかに拘らず、履歴データが保存されるように構成されてもよい。その際の条件として、パスワードの入力が求められなくてもよい。
[その他の適用例]
以上の各実施例は、本発明の具体例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。これら各実施例以外の局面にも、本発明を適用することができる。
たとえば、監視モードが一時的に解除された場合に、この監視モードが解除された要因についての情報、つまり前述の第1〜第3の3つの解除条件のいずれが満足されたことによって当該監視モードが解除されたのかについての情報が、ディスプレイ32に表示されるように構成されてもよい。
また、各実施例においては、第1〜第3の3つの解除条件のいずれかが満足された場合に、監視モードが一時的に解除されることとしたが、これに限らない。これら3つの解除条件のいずれかの組合せまたは全部が満足された場合に、監視モードが一時的に解除されてもよい。さらに、これら3つの解除条件以外の条件が設けられてもよい。たとえば、所定の識別情報が記憶されたIC(Integrated Circuit)カードを用いての認証が行われることが、解除条件として設けられてもよい。
そして、複合機10が監視モードに復帰するための復帰条件についても、各実施例で説明した内容に限らない。たとえば、複合機10を監視モードに復帰させるための専用のボタンが設けられており、この専用のボタンが操作されることが、復帰条件に含まれてもよい。
加えて、前述の専用のボタンの操作を含め、複合機10に対して所定の復帰操作が行われることにより、当該複合機10が監視モードへ復帰する際には、当該監視モードへの復帰が行われる(たとえば開始される)まで、適当な待機時間が設けられてもよい。すなわち、複合機10に対して所定の復帰操作が行われてから適当な待機時間が経過した上で、当該複合機10の監視モードへの復帰が行われるように構成されてもよい。この構成によれば、複合機10に対して所定の復帰操作が行われることにより当該複合機10が監視モードへ復帰する際に、正当なユーザが侵入者として検知(誤検知)される不都合が回避される。
また、第1の解除条件または第2の解除条件が満足されたことにより監視モードが一時的に解除された場合には、複合機10の機能が制限されることとしたが、これに限らない。すなわち、監視モードが一時的に解除された場合であっても、複合機10の機能が制限されないように構成されてもよい。換言すれば、監視モードが一時的に解除された場合には、複合機10が当該監視モードから通常モードへ一時的に移行するように構成されてもよい。
さらに、前述の警報メッセージがスピーカ56から出力される際に、これに加えて、適当な警報画面がディスプレイ32に表示されるように構成されてもよい。この場合、ディスプレイ32にも電源部54から電源が供給される必要がある。
加えて、前述のプロテクト処理については、事前に所定の設定が行われた場合にのみ、実施されてもよい。すなわち、ここで言う所定の設定が事前に行われない場合には、プロテクト処理に代えて、通常の処理が行われてもよい。この場合は、印刷ジョブやファクス受信ジョブなどの外部からのジョブが受け付けられたときに、当該ジョブに応じた処理が行われることになる。ただし、セキュリティの観点からは、プロテクト処理が行われるのが、望ましい。
そして、人感センサ40については、たとえば複合機10が監視モードにあるときと、そうでないときとで、検知領域Aが変化するように構成されてもよい。特に、複合機10が監視モードにあるときには、そうでないときに比べて、人感センサ40の検知領域Aが広くなるように構成されることで、広範囲での侵入者の有無の検知が可能となり、言わば監視機能の強化が図られる。
また、人感センサ40として、赤外線式センサの一種である焦電型センサが採用されたが、これに限らない。たとえば、焦電型センサ以外の赤外線式センサ、あるいは、超音波式センサや可視光線式センサなどの当該赤外線式センサ以外のセンサが採用されてもよい。さらに、人感センサ40に代えて、もしくは、これに加えて、カメラやマット式センサ(マットスイッチ)などの他の検知手段が採用されてもよい。
そして、前述の主制御部42と副制御部44とが分かれた構成ではなく、これらが1つの制御部に纏められた構成であってもよい。
ここでは、複合機10に本発明が適用される例を説明したが、これに限らない。複合機10以外の情報処理装置にも当然に、本発明を適用することができる。