JP6459796B2 - 制御システム - Google Patents

制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP6459796B2
JP6459796B2 JP2015126070A JP2015126070A JP6459796B2 JP 6459796 B2 JP6459796 B2 JP 6459796B2 JP 2015126070 A JP2015126070 A JP 2015126070A JP 2015126070 A JP2015126070 A JP 2015126070A JP 6459796 B2 JP6459796 B2 JP 6459796B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
remote input
controller
master
output
output master
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015126070A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017010336A (ja
Inventor
創 久保隅
創 久保隅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2015126070A priority Critical patent/JP6459796B2/ja
Publication of JP2017010336A publication Critical patent/JP2017010336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6459796B2 publication Critical patent/JP6459796B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hardware Redundancy (AREA)
  • Safety Devices In Control Systems (AREA)

Description

本発明は、産業施設に設置される各種機器の作動制御を行う制御システムに関する。
この種の制御システムの一例としては、プロセスオートメーション(以下、PA)を実現するための制御システムが挙げられる。PAとは、石油精製や製鉄など所謂素材産業における製品製造工程の自動化のことを言う。より詳細に説明すると、この種の製品製造工程には順次実行される複数のプロセスが含まれており、PAとは、各プロセスにおける材料等の温度や圧力、流量を自動制御することをいう。PA用の制御システムは、各プロセスにおける材料等の温度や圧力、流量の自動制御を実現するためのコンピュータシステムである。この制御システムには、材料の温度等を計測するためのセンサやその計測結果に応じて材料の流量を調整するポンプ等の各種IO機器、それらIO機器からの計測データの収集およびその収集結果に基づくIO機器の作動制御のための演算を行うコントローラ、さらに、両者のデータ通信を仲介するリモート入出力マスタ等が含まれている。
制御システムによりPAが実現されると、制御システムの故障停止は製品の品質や生産効率に大きく影響する。そこで、制御システムの故障停止をできる限り回避するため、PA用の制御システムでは、各種機器の冗長化が行われることが多い。例えばコントローラとしてA系とB系の2つのコントローラを設けるコントローラ冗長化構成を採用すれば、コントローラの故障に起因する制御システムの故障停止を回避することができる。A系のコントローラを稼働系、B系のコントローラを待機系として動作させている状況下で、A系のコントローラに故障が発生しても、稼働系をB系に切り換えて処理を引き継ぐことで、制御システムの稼働を継続することができるからである。また、コントローラだけでなくリモート入出力マスタも冗長化する構成を採用すれば、リモート入出力マスタの故障に起因する制御システムの故障停止を回避することが可能になる。
特開2015−2546号公報
コントローラとリモート入出力マスタとをA系とB系とで冗長化した制御システムであっても、リモート入出力マスタに動作電力を供給する電源については冗長化されていない場合がある。この種の制御システムにおいて両系のリモート入出力マスタに動作電力を供給する電源が故障した場合には、両系においてリモート入出力マスタをコントローラに再接続して制御システムを復旧することになるが、この復旧の際に以下のような問題が発生する場合がある。
リモート入出力マスタは、コントローラとの接続を確立するのと同時に、ペアとなるリモート入出力マスタとIO機器とを認識する立ち上げ処理を実行する。この立ち上げ処理に要する時間は、リモート入出力マスタに接続されるIO機器が多いほど長くなる。そして、立ち上げ処理に要する時間が長くなるほど、制御システム全体の再稼働が遅れ、生産性が低下する。また、コントローラ及びリモート入出力マスタのハードウェアとしてのばらつきや設置環境に起因する外乱等によってA系の復旧に要する時間とB系の復旧に要する時間に差が生じる場合があり、従来の冗長化制御システムでは、上記時間差を吸収するためにリモート入出力マスタの立ち上げの際に一定の待ち合わせ時間が設けられていることが多い。しかし、このような待ち合わせ時間を設けると、その待ち合わせ時間の分だけ、制御システム全体の再稼働が遅れ、やはり生産性が低下する。
待ち合わせ時間の廃止もしくは短縮を行えば、待ち合わせ時間に起因する生産性の低下を回避することができるが、以下のような問題が生じる。例えば、待機系の立ち上げが先行するケースにおいて制御システム全体が復旧した際に稼働系/待機系の切り換えが発生する。一般に冗長化制御システムの運用管理では、稼働系/待機系の切り換えが発生した場合にその発生要因の特定が行われるが、上記のような切り換えは本来的には不必要な切り換えであり、その切り換え要因の特定に要する作業コストは全くの無駄である。システム復旧の際に常に稼働系の復旧を優先させるなど、復旧手順を工夫すれば、このような無駄な作業コストの発生を回避できるが、復旧手順が煩雑になるといった問題がある。
本発明は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、コントローラとリモート入出力マスタとを冗長化した制御システムにおいて、システム復旧の際の復旧手順の煩雑化を招くことなく、制御システムが再稼働可能になるまでに要する時間を短縮する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、以下の構成の制御システムを提供する。この制御システムは、互いに状態監視を行い、一方が稼働系となり、他方が待機系となる2つのコントローラと、これら2つのコントローラのうちの一方とIO機器との間のデータ通信を仲介する第1のリモート入出力マスタと、上記2つのコントローラのうちの他方と上記IO機器との間のデータ通信を仲介する第2のリモート入出力マスタと、第1および第2のリモート入出力マスタと上記IO機器とが接続されるリモートバス、を含んでいる。つまり、上記制御システムは、コントローラとリモート入出力マスタとが2系統に冗長化された制御システムである。上記2つのコントローラの各々は、自装置と同じ系に属するリモート入出力マスタに再稼働を指示する際に、バスマスタとして機能することを指示する片系立ち上げ通知を送信する。そして、第1および第2のリモート入出力マスタの各々は、再稼働の指示とともに片系立ち上げ通知を受信した場合に、他方のリモート入出力マスタとの調停を行うことなく上記リモートバスのバスマスタとなって稼働を開始する。
本発明によれば、第1のリモート入出力マスタと第2のリモート入出力マスタのうち再稼働が先行する方が自動的にバスマスタとなり、当該リモート入出力マスタの属する系統では、コントローラとIO機器との間のデータ通信を再開可能な状態、すなわち、制御システムとしての稼働が可能な状態となる。このため、片系のみでの稼働を許容するようにすれば、制御システムの稼働再開までの時間を従来よりも短縮することが可能になる。なお、第1および第2のリモート入出力マスタのうち、再稼働が遅れる方については、他方がバスマスタとなっているため、スレーブとして再稼働させるようにすれば良いことは言うまでもない。また、本発明によれば、片系立ち上げを指示するために制御システムの運用管理者が特別な作業を行う必要はなく、システム復旧の際の復旧手順が煩雑化することもない。
特許文献1には、リモートI/Oユニット、すなわち、本発明におけるリモート入出力マスタ、の各部に動作電力を供給する電源モジュールの故障に備えて外部電源モジュールを設けることが記載されている。しかし、特許文献1には、コントローラとリモート入出力マスタとが冗長化された制御システムにおいて両系のリモート入出力マスタを再稼働させる際に片系立ち上げを行うことについての記載はない。つまり、本願発明は特許文献1に開示の技術とは異なる技術である。
より好ましい態様においては、上記2つのコントローラの各々は、第1および第2のリモート入出力マスタの再稼働を行う際に、何れか一方の再稼働を優先させる制御を行う。このような態様によれば、前述した待ち合わせ時間を設ける必要がなくなり、制御システムが再稼働可能になるまでに要する時間を短縮することが可能になる。また、何れか一方のリモート入出力マスタの再稼働を優先させる制御が上記2つのコントローラによって自動的に行われるため、システム復旧の際の復旧手順が煩雑化することも無い。さらに、稼働系の再稼働を優先させるようにすれば、両系の再稼働が完了した時点で不要な稼働系/待機系の切り換えが発生することも無い。
また、上記課題を解決するために本発明は以下の構成の制御システムを提供する。この制御システムも、互いに状態監視を行い、一方が稼働系となり、他方が待機系となる2つのコントローラと、一方のコントローラとIO機器との間のデータ通信を仲介する第1のリモート入出力マスタと、他方のコントローラと当該IO機器との間のデータ通信を仲介する第2のリモート入出力マスタと、を含んでいる。つまり、この制御システムも、コントローラとリモート入出力マスタとが冗長化された制御システムである。本発明の制御システムは、上記2つのコントローラに以下の制御を行わせることを特徴とする。すなわち、上記2つのコントローラの各々は、第1のリモート入出力マスタと第2のリモート入出力マスタの再稼働を行う際に、何れか一方の再稼働を優先させる制御を行う。
この制御システムにおいても前述した待ち合わせ時間を設ける必要がなく、制御システムが再稼働可能になるまでに要する時間を短縮することができる。また、稼働系の再稼働を優先させるようにすれば、稼働系および待機系の両方の再稼働が完了した時点で不要な稼働系/待機系の切り換えが発生することを回避できる。このように、コントローラとリモート入出力マスタとが冗長化された制御システムにおいて両系のリモート入出力マスタを再稼働させる際に何れか一方の再稼働を優先させることは特許文献1には記載されておらず、本願発明は特許文献1に開示の技術とは異なる技術である。
本発明によれば、コントローラとリモート入出力マスタとを冗長化した制御システムにおいて、システム復旧の際の復旧手順の煩雑化を招くことなく、制御システムが再稼働可能になるまでに要する時間を短縮することが可能となる。
本発明の一実施形態の制御システム1の構成例を示す図である。 同制御システム1に含まれるコントローラ10の構成例を示す図である。 従来のコントローラの故障復旧処理における状態遷移を示す図である。 コントローラ10の故障復旧処理における状態遷移を示す図である。 同制御システム1に含まれるリモート入出力マスタ30の構成例を示す図である。 従来のリモート入出力マスタが実行するイニシャル処理の流れを示すフローチャートである。 リモート入出力マスタ30が実行するイニシャル処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態の制御システム1の構成例を示す図である。制御システム1は、PA用のコンピュータシステムである。制御システム1では、コントローラとリモート入出力マスタとがA系およびB系の2つの系統で冗長化されている。図1では、コントローラ10AがA系のコントローラであり、コントローラ10BがB系のコントローラである。コントローラ10AはIOネットワーク80Aに接続されており、コントローラ10BはIOネットワーク80Bに接続されている。IOネットワーク80Aには、A系のリモート入出力マスタであるリモート入出力マスタ30A_1とリモート入出力マスタ30A_2が接続されている。同様に、IOネットワーク80Bには、B系のリモート入出力マスタであるリモート入出力マスタ30B_1とリモート入出力マスタ30B_2が接続されている。
リモート入出力マスタ30A_1とリモート入出力マスタ30B_1はリモートバス90_1に接続されており、リモートバス90_1にはIO機器40_1とIO_機器50_1が接続されている。IO機器40_1およびIO機器50_1の各々は例えばコントローラによる駆動制御の下で駆動するポンプ等の電動機、或いは温度等を計測しその計測値を示す計測データを出力するセンサである。リモート入出力マスタ30A_1は、電源60_1からの電力の供給を受け、IO機器40_1或いはIO機器50_1とコントローラ10Aとの間のデータ通信を仲介する中継装置である。同様に、リモート入出力マスタ30B_1も、電源60_1から電力の供給を受け、IO機器40_1或いはIO機器50_1とコントローラ10Bとのデータ通信を仲介する中継装置である。本実施形態では、リモート入出力マスタ30A_1およびリモート入出力マスタ30B_1の各々に対して、共通の電源、すなわち、電源60_1から動作電力を供給したが、各々別個の電源から動作電力を供給しても良い。
リモート入出力マスタ30A_2とリモート入出力マスタ30B_2はリモートバス90_2に接続されており、リモートバス90_2にはIO機器40_2とIO_機器50_2が接続されている。IO機器40_2およびIO機器50_2の各々も、IO機器40_1やIO機器50_1と同様に電動機やセンサである。リモート入出力マスタ30A_2は、電源60_2からの電力の供給を受け、IO機器40_2或いはIO機器50_2とコントローラ10Aとの間のデータ通信を仲介する中継装置である。同様に、リモート入出力マスタ30B_2も、電源60_2から電力の供給を受け、IO機器40_2或いはIO機器50_2とコントローラ10Bとのデータ通信を仲介する中継装置である。なお、リモート入出力マスタ30A_2およびリモート入出力マスタ30B_2についても、各々別個の電源により動作電力を供給するようにしても良い。
コントローラ10Aおよびコントローラ10Bは何れもDCS(Distributed
Control System:分散型制御システム或いは分散型制御装置)である。コントローラ10Aは、電源60Aからの電力の供給を受け、IO機器から受信した計測データを用いて電動機の作動制御等を行うための演算を、予めインストールされたアプリケーションプログラムにしたがって実行する。同様に、コントローラ10Bは、電源60Bからの電力の供給を受け、IO機器から受信した計測データを用いて電動機の作動制御等を行うための演算を、予めインストールされたアプリケーションプログラムにしたがって実行する。詳細については後述するが、コントローラ10Aとコントローラ10Bのハードウェア構成は同一である。以下では、コントローラ10Aとコントローラ10Bの各々を区別する必要がない場合には「コントローラ10」と表記する。リモート入出力マスタ30A_n(n=1または2)およびリモート入出力マスタ30B_nについても同様に各々を区別する必要がない場合には「リモート入出力マスタ30」と表記する。
図1に示すようにコントローラ10Aとコントローラ10Bは等値化ケーブル70に接続されている。等値化ケーブル70は、コントローラ10Aとコントローラ10Bの間のデータ通信を仲介するコントローラ間通信手段の役割を果たす。制御システム1では、コントローラ10Aとコントローラ10Bのうちの一方が稼働系として振る舞い、他方は待機系として振る舞う。本実施形態では、コントローラ10Aとコントローラ10Bのうち先に電源を投入された方が稼働系として振る舞う。
本実施形態では、コントローラ10Aとコントローラ10Bの各々は、各々の接続先のIOネットワークから受信した計測データを等値化ケーブル70を介した通信により等値化し、等値化済の計測データを用いて、前述したアプリケーションプログラムにしたがった演算を実行する。そして、各コントローラ10は、上記演算結果についても等値化ケーブル70を介した通信により等値化し、稼働系となっている方は、等値化済の演算結果を電動機等へ送信する。ここで、計測データの等値化とは、稼働系のコントローラが受信した計測データで待機系のコントローラが受信した計測データを上書きすることをいい、演算結果の等値化とは待機系における演算結果を稼働系における演算結果で上書きすることを言う。
加えて、コントローラ10Aとコントローラ10Bの各々は故障の有無を示す状態データを等値化ケーブル70を介して他方へ送信する処理を周期的に実行し、互いに稼働状態の監視を行う。そして、稼働系に何らかの故障が発生した場合には、稼働系/待機系の切り換えが行われる。例えば、コントローラ10Aが稼働系となっている状況下でコントローラ10Bがコントローラ10Aの故障を検知すると、以降、コントローラ10Bは稼働系として振る舞う。一方、コントローラ10Aは、等値化ケーブル70を介して受信した状態データを解析してコントローラ10Bが稼働系としての動作を開始したことを検知すると、以降、待機系として振る舞う。前述した計測データおよび演算結果の等値化を行うのは、稼働系/待機系の切り換えの際に演算結果の突変が発生するのを回避するためである。
制御システム1では、リモート入出力マスタ30A_nとリモート入出力マスタ30B_nは電源60_nを共有しており、電源60_nに故障が発生した場合には、当該電源60_nの修理等を行った後に、リモート入出力マスタ30A_nをコントローラ10Aに再接続するとともにリモート入出力マスタ30B_nをコントローラ10Bに再接続する復旧処理を行うことが必要となる。制御システム1では、この復旧処理にてコントローラ10およびリモート入出力マスタ30に本実施形態特有の処理を実行させることで、再稼働可能になるまでに要する時間が従来よりも短くなっており、この点に本実施形態の特徴がある。以下、本実施形態の特徴を顕著に示すコントローラ10およびリモート入出力マスタ30を中心に説明する。
図2は、コントローラ10の構成例を示す図である。
コントローラ10は、図2に示すように、IOネットワーク通信部110、コントローラ間通信部120、および制御部130を有する。以下では、コントローラ10AのIOネットワーク通信部110とコントローラ10BのIOネットワーク通信部110とを区別する必要がある場合には、前者を「IOネットワーク通信部110A」と表記し、後者を「IOネットワーク通信部110B」と表記する。コントローラ間通信部120および制御部130についても、コントローラ10Aにおけるものとコントローラ10Bにおけるものを区別する必要がある場合には同様の表記とする。
IOネットワーク通信部110とコントローラ間通信部120は何れもNIC(Network Interface Card)である。コントローラ間通信部120には等値化ケーブル70が接続されている。コントローラ間通信部120は等値化ケーブル70を介して受信したデータを制御部130に引き渡す一方、制御部130から引き渡されたデータを等値化ケーブル70を介して他方のコントローラへ送信する。ここで、他方のコントローラとは、コントローラ10Aから見ればコントローラ10Bのことであり、コントローラ10Bから見ればコントローラ10Aのことである。
IOネットワーク通信部110AはIOネットワーク80Aに接続されており、IOネットワーク通信部110BはIOネットワーク80Bに接続されている。IOネットワーク通信部110は、接続先のIOネットワークを介して受信したデータを制御部130に引き渡す一方、制御部130から引き渡されたデータを接続先のIOネットワークへ送出する。IOネットワーク通信部110がその接続先のIOネットワークから受信するデータの具体例としては、各種IO機器が出力する計測データや各種IO機器或いはリモート入出力マスタの動作状態を示す状態通知データが挙げられる。また、IOネットワーク通信部110がその接続先のIOネットワークへ送出するデータの具体例としては各種IO機器に対する入力データ、すなわち各種IO機器に与える動作指令や、コントローラ10の動作状態を自身と同じ系に属するリモート入出力マスタ30に通知する状態通知データが挙げられる。
制御部130はCPU(Central Processing Unit)と揮発性メモリと不揮発性メモリとを含んでいる(図2では何れも図示略)。不揮発性メモリは例えばROM(Read Only M
memory)やフラッシュROMである。この不揮発性メモリには、コントローラ10特有の機能を上記CPUに実現させるためのプログラムであるファームウェアと各種アプリケーションプログラムが予め格納されている。揮発性メモリは例えばRAM(Random Access Memory)である。この揮発性メモリは上記ファームウェアやアプリケーションプログラムを実行する際のワークエリアとして利用される。また、上記揮発性メモリには、自装置の動作状態を管理するための各種フラグが格納される。揮発性メモリに格納されるフラグの具体例としては、自装置が稼働系として動作しているのか、それとも待機系として動作しているのかを示す稼働/待機フラグや、排他復旧要求フラグおよび排他復旧中フラグが挙げられる。例えば、コントローラ10が稼働系として動作している場合には、稼働/待機フラグには“1”がセットされ、待機系として動作している場合には“0”がセットされる。なお、排他復旧要求フラグおよび排他復旧中フラグの詳細については後に明らかにする。
上記ファームウェアにしたがってCPUを作動させることで実現される機能の具体例としては、図2に示すアプリケーション実行管理機能1301、等値化管理機能1302およびシステム管理機能1303が挙げられる。アプリケーション実行管理機能1301とは、予め定められたスケジュールにしたがって、或いは計測データの示す計測値が所定の閾値に達したなどの予め定められたイベントの発生を契機として、アプリケーションプログラムの実行を開始する等、各種アプリケーションプログラムの実行管理を行う機能である。等値化管理機能1302とは、計測データや演算結果データの等値化を行う機能である。そして、システム管理機能1303には、これらアプリケーション実行管理機能1301および等値化管理機能1302を統括的に管理する機能、他方のコントローラおよび自身の状態に応じて稼働/待機の切り換えを行う機能、および自装置に接続されているリモート入出力マスタ30の故障を検出し、その再立ち上げを行う障害復旧機能が含まれている。
ファームウェアにしたがって制御部130のCPUが実行する処理のうち、本実施形態の特徴が顕著に現れるのは障害復旧機能による処理(以下、障害復旧処理)であり、特に、障害復旧処理における状態遷移に本実施形態の特徴が現れる。以下では、本実施形態の特徴の理解を容易にするため、まず、従来のコントローラの障害復旧処理における状態遷移を説明する。
図3は、従来のコントローラの障害復旧処理における状態遷移を示す図である。図3に示すように、障害復旧処理における従来のコントローラの動作状態には、アイドル状態SA100と、復旧処理中状態SA200の2種類の状態がある。制御システムに含まれる各コントローラは一定周期など定期的に障害復旧処理を実行し、障害復旧処理を開始すると動作状態をアイドル状態SA100へと遷移させる。アイドル状態SA100では、コントローラは、接続先のIOネットワークへの新たなリモート入出力マスタの接続の有無を判定する。以下では、この判定処理のことを「加入判定」と呼ぶ。故障等により停止していたリモート入出力マスタ30を再起動した場合には、この加入判定により当該再起動されたリモート入出力マスタが検出される。以下では、加入判定により検出されたリモート入出力マスタのことを「復旧対象のリモート入出力マスタ」と呼ぶ。アイドル状態SA100にて復旧対象のリモート入出力マスタが無かった場合には、コントローラは今回の障害復旧処理を終了し、アプリケーションプログラム等の実行を行う。
これに対して、復旧対象のリモート入出力マスタが有った場合には、コントローラは、動作状態を復旧処理中状態SA200へ遷移させる。復旧処理中状態SA200では、コントローラは、復旧対象のリモート入出力マスタに対して中継装置としての動作に必要なパラメータを与える等の立ち上げ処理を実行し、当該リモート入出力マスタからのイニシャル完了通知の受信をもって当該リモート入出力マスタの再稼働完了を検出し、当該リモート入出力マスタについての立ち上げ処理を完了する。復旧対象のリモート入出力マスタが複数ある場合には、コントローラは、それら複数のリモート入出力マスタの各々についての立ち上げ処理をシリアルに実行する。そして、復旧対象のリモート入出力マスタの全てについて立ち上げ処理を完了すると、コントローラは動作状態を復旧処理中状態SA200からアイドル状態SA100へ遷移させる。
以上が従来のコントローラの障害復旧処理における状態遷移である。
次いで、コントローラ10の障害復旧処理における状態遷移を説明する。
図4は、コントローラ10の障害復旧処理における状態遷移を示す図である。図4と図3を対比すれば明らかように、本実施形態の障害復旧処理における状態遷移は、以下の3つの点が従来の障害復旧処理における状態遷移と異なる。第1に、アイドル状態SA100に代えてアイドル状態SB100を含む点である。第2に復旧処理中状態SA200に代えて復旧処理中状態SB200を含む点である。そして、第3に、復旧要求中状態SB150と追加復旧局加入待ち状態SB250を含む点である。
アイドル状態SB100では、制御部130のCPUは、復旧対象のリモート入出力マスタの有無の判定を行う。この点ではアイドル状態SB100とアイドル状態SA100に相違はない。ただし、アイドル状態SB100は、上記加入判定に加えて、本実施形態の障害復旧処理における状態遷移を制御するための2種類のフラグの初期化を含む点がアイドル状態SA100と異なる。本実施形態の障害復旧処理における状態遷移を制御するための2種類のフラグとは、前述した排他復旧要求フラグと排他復旧中フラグである。制御部130のCPUは、アイドル状態SB100への遷移を契機として排他復旧要求フラグと排他復旧中フラグに“0”をセットし、復旧対象のリモート入出力マスタの有無を判定する。復旧対象のリモート入出力マスタを検出すると、制御部130のCPUは、動作状態を復旧要求中状態SB150に遷移させる。
復旧要求中状態SB150では、制御部130のCPUは、排他復旧要求フラグを“1”に更新し、さらに、復旧対象のリモート入出力マスタの復旧の可否を判定する。復旧対象のリモート入出力マスタの復旧が可能であると判定された場合、コントローラ10は、動作状態を復旧処理中状態SB200へ遷移させる。これに対して、復旧可能ではないと判定された場合には、制御部130のCPUは、動作状態を復旧要求中状態SB150のままとし、復旧可能との判定結果が得られるまで、上記判定を定期的に繰り返す。
本実施形態では、復旧対象のリモート入出力マスタの復旧の可否を判定する際の判定基準が稼働系と待機系とで異なり、この点にも本実施形態の特徴が現れている。より詳細に説明すると、稼働系のコントローラ10では、制御部130のCPUは、待機系のコントローラ10における排他復旧中フラグが“0”である場合に、復旧対象のリモート入出力マスタを復旧可能と判定する。これに対して、待機系のコントローラ10では、制御部130のCPUは、稼働系のコントローラ10における排他復旧要求フラグと排他復旧中フラグの両者が共に“0”である場合に、復旧対象のリモート入出力マスタを復旧可能と判定する。このように本実施形態では、待機系における判定基準は稼働系における判定基準よりも厳しく、稼働系のリモート入出力マスタの再稼働が優先されることになる。このように、稼働系のリモート入出力マスタの再稼働を優先させる理由については後に明らかにする。
復旧処理中状態SB200では、制御部130のCPUは、排他復旧中フラグを“1”に更新し、さらに、復旧対象のリモート入出力マスタの各々に対して再稼働を指示する処理(以下、立ち上げ処理)を実行する。この立ち上げ処理は、復旧対象のリモート入出力マスタに対して本実施形態特有の通知を行う点を除いて従来の立ち上げ処理と同様である。以下では、上記通知のことを「片系立ち上げ通知」と呼ぶ。この片系立ち上げ通知は、当該通知の送信先のリモート入出力マスタ30に対して、当該リモート入出力マスタ30に接続されているリモートバスにおけるデータの転送制御を行うバスマスタとして稼働開始することを指示する通知である。
制御部130のCPUは、復旧対象の全てのリモート入出力マスタからイニシャル完了通知を受信すると、動作状態を次の状態へ遷移させる。本実施形態では、復旧処理中状態SB200からの遷移先の状態は稼働系と待機系とで異なり、この点にも本実施形態の特徴が現れている。より詳細に説明すると、稼働系のコントローラ10では、制御部130のCPUは、復旧対象の全てのリモート入出力マスタからイニシャル完了通知の受信を契機として動作状態を追加復旧局加入待ち状態SB250へ遷移させる。これに対して、待機系のコントローラ10では、制御部130のCPUは、復旧対象の全てのリモート入出力マスタからイニシャル完了通知の受信を契機として動作状態をアイドル状態SB100へ遷移させる。
追加復旧局加入待ち状態SB250では、制御部130のCPUは、アイドル状態SB100における場合と同様に復旧対象のリモート入出力マスタが有るか否かを判定し、該当するリモート入出力マスタが有った場合には、再度、動作状態を復旧処理中状態SB200に遷移させる。追加復旧局加入待ち状態SB250への遷移が発生した時点から一定時間経過しても、復旧対象のリモート入出力マスタが検出されない場合には、コントローラ10は動作状態をアイドル状態SB100へ遷移させる。
以上がコントローラ10の構成である。
次いで、リモート入出力マスタ30の構成について説明する。
図5はリモート入出力マスタ30の構成例を示すブロック図である。リモート入出力マスタ30は、図5に示すように、IOネットワーク通信部310、リモートバス通信部320、および制御部330を有する。以下では、リモート入出力マスタ30A_n(n=1〜2)のIOネットワーク通信部310およびリモート入出力マスタ30B_nのIOネットワーク通信部310の各々を区別する必要がある場合には、前者を「IOネットワーク通信部310A_n」と表記し、後者を「IOネットワーク通信部310B_n」と表記する。リモートバス通信部320および制御部330についても、リモート入出力マスタ30A_nにおけるものとリモート入出力マスタ30B_nにおけるものを区別する必要がある場合には同様の表記とする。
IOネットワーク通信部310は、コントローラ10におけるIOネットワーク通信部110と同様にNICである。IOネットワーク通信部310A_nはIOネットワーク80Aに接続されており、IOネットワーク通信部310B_nはIOネットワーク80Bに接続されている。IOネットワーク通信部310は、接続先のIOネットワークから受信したデータを制御部330に引き渡す一方、制御部330から引き渡されたデータを接続先のIOネットワークへ送出する。
リモートバス通信部320A_1とリモートバス通信部320B_1はリモートバス90_1に接続されており、リモートバス通信部320A_2とリモートバス通信部320B_2はリモートバス90_2に接続されている。リモートバス通信部320は、バスマスタによる制御の下で接続先のリモートバスから受信したデータを制御部330に引き渡す一方、制御部330から引き渡されたデータを上記バスマスタによる制御の下でリモートバスへ送出する。
制御部330は、コントローラ10における制御部130と同様である。すなわち、制御部330は、CPUと揮発性メモリと不揮発性メモリとを含んでいる(図5では何れも図示略)。不揮発性メモリには、リモート入出力マスタ30特有の機能を上記CPUに実現させるためのファームウェアが予め格納されている。揮発性メモリは上記ファームウェアを実行する際のワークエリアとして利用される。上記ファームウェアにしたがってCPUを作動させることで実現される機能の具体例としては、図5における入出力データ管理機能3301とシステム管理機能3302が挙げられる。
入出力データ管理機能3301とは、接続先のIOネットワークから受信したIO機器宛てのデータをリモートバスを介してそのIO機器へ転送する一方、リモートバスから受信したコントローラ宛てのデータを接続先のIOネットワークを介してその宛先へ転送する機能である。システム管理機能3302には、IOネットワークを介して接続されたコントローラの状態情報を構築する機能、リモートバスに接続されたIO機器および他のリモート入出力マスタ30の状態情報を構築する機能、前述したバスマスタとしての機能或いは当該バスマスタによる転送制御に従うスレーブとしての機能、これら機能および入出力データ管理機能3301を統括的に管理する機能、およびコントローラ10からの指示に応じて中継装置としての稼働を再開する障害復旧機能が含まれている。
ファームウェアにしたがって制御部330のCPUが実行する処理のうち、本実施形態の特徴が顕著に現れるのは障害復旧機能による処理、特に、コントローラ10から与えられるパラメータ等の設定を行うイニシャル処理である。以下では、本実施形態の特徴の理解を容易にするため、まず、従来のリモート入出力マスタにおけるイニシャル処理について説明する。
図6は、従来のリモート入出力マスタにおいて実行されるイニシャル処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すようにイニシャル処理では、リモート入出力マスタは、コントローラから送信されてくるパラメータの受信を待ち受け(ステップSC100)、当該パラメータを受信すると(ステップSC100:Yes)、受信したパラメータの設定を行い、計時を開始する(ステップSC110)。受信したパラメータの設定とは、揮発性メモリの所定の記憶領域に当該パラメータを書き込むことをいう。ステップSC110に後続して実行されるステップSC120では、リモート入出力マスタは、自装置とペアとなる他方の系のリモート入出力マスタとリモートバスを介して通信し、当該リモート入出力マスタにおけるパラメータ設定が完了したか否かを判定する。自装置とペアとなるリモート入出力マスタとは、同じリモートバスに接続され、かつ他の系に属するリモート入出力マスタのことをいう。以下では、自装置とペアとなるリモート入出力マスタのことを「ペア装置」と呼ぶ。ステップSC120の判定結果が“Yes”であれば、リモート入出力マスタは、ステップSC130の処理を実行する。逆に、ステップSC120の判定結果が“No”であれば、リモート入出力マスタは、ステップSC140の処理を実行する。
ステップSC120の判定結果が“Yes”である場合に実行されるステップSC130では、リモート入出力マスタは、自装置がバスマスタとなるか否かを判定する。より詳細に説明すると、ペア装置が既にバスマスタとなっている場合、或いは、ペア装置の状態が未確定であるものの自装置が待機系に属している場合にステップSC130の判定結果は“No”となる。ステップSC130の判定結果が“No”である場合には、リモート入出力マスタは、自装置の動作モードをスレーブに設定し、イニシャル完了通知をコントローラへ送信する(ステップSC150)。これに対して、ステップSC130の判定結果が“Yes”である場合には、リモート入出力マスタは、自装置の動作モードをマスタに設定し、イニシャル完了通知をコントローラへ送信する(ステップSC160)。つまり、ステップSC130、SC150およびSC160の各処理は、1つのリモートバスに接続されている2つのリモート入出力マスタのうちの何れがバスマスタとなるかを調停するための処理である。
ステップSC120の判定結果が“No”である場合に実行されるステップSC140では、リモート入出力マスタは、タイムアウトが発生したか否かを判定する。より詳細に説明すると、リモート入出力マスタは、パラメータの設定を契機として開始した計時による計時時間が所定のタイムアウト値を上回った場合にタイムアウトが発生したと判定する。ステップSC140の判定結果が“No”であれば、リモート入出力マスタは、ステップSC120の処理を再度実行する。これに対して、ステップSC140の判定結果が“Yes”であれば、リモート入出力マスタは、ステップSC160の処理を実行し、以降、バスマスタとして振る舞う。
以上が従来のイニシャル処理の流れである。
次いでリモート入出力マスタ30の制御部330が実行するイニシャル処理について説明する。図7は、制御部330のCPUが実行するイニシャル処理の流れを示すフローチャートである。図7では、図6におけるものと処理内容が同一のステップには同一の符号が付されている。図7と図6を対比すれば明らかなように、制御部330のCPUが実行するイニシャル処理では、ステップSC120の判定結果が“No”である場合には、ステップS135の判定処理が実行され、このステップSC135の判定結果が“No”である場合にステップSC140の判定処理が実行される点が図6に示すイニシャル処理とことなる。以下、図6に示すイニシャル処理との相違点であるステップSC135の判定処理を中心に説明する。
ステップSC135では、制御部330のCPUは、片系立ち上げであるか否かを判定する。より詳細に説明すると、CPUは再稼働の指示と同時に片系立ち上げ通知をコントローラ10から受信していた場合に片系立ち上げであると判定する。前述したように、ステップSC135の判定結果が“No”である場合には、CPUはステップSC140の判定処理を実行する。これに対してステップSC135の判定結果が“Yes”である場合には、CPUはステップSC160の処理を実行する。つまり、片系立ち上げであると判定された場合には、CPUはペア装置との調停を行うことなくバスマスタとなって稼働中継装置としての稼働を開始する。
以上が本実施形態のイニシャル処理の流れである。
以上に説明した構成としたため、本実施形態の制御システム1では、電源60_nの故障に起因してリモート入出力マスタ30A_nおよびリモート入出力マスタ30B_nの再稼働を行う場合、稼働系のリモート入出力マスタの再稼働が優先される。このため、待機系のリモート入出力マスタの再稼働が先行することはなく、従来の制御システムのように待ち合わせ時間を設けなくても、両系の再稼働完了後に無用な稼働系/待機系の切り換えが発生することはない。また、本実施形態では、稼働系のリモート入出力マスタの再稼働を優先させる制御がコントローラ10Aとコントローラ10Bによって自動的に行われるため、システム復旧の際の復旧手順が煩雑化することも無い。
加えて、本実施形態では、優先的に再稼働され、かつ片系立ち上げを指示されるリモート入出力マスタ30において実行されるイニシャル処理におけるステップSC120の判定結果は“No”となり、ステップSC135の判定が行われる。そして、このステップSC135の判定結果は“Yes”となる。したがって、当該リモート入出力マスタ30は、ペア装置との調停を行うことなく、換言すれば、ペア装置におけるパラメータ設定の完了を待つことなくバスマスタとなって稼働を再開する。当該リモート入出力マスタ30はバスマスタとして稼働をするのであるから、ペア装置が稼働していなくても、リモートバスを介したデータ通信を何ら問題なく行え、制御システム1の再稼働が可能になる。このため、片系のみでの稼働が許容されていれば、ペア装置におけるパラメータ設定の完了を待たない分だけ、制御システム1の再稼働開始に要する時間を従来よりも短縮することができる。
以上本発明の一実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えても勿論良い。
(1)上記実施形態ではPA用の制御システムへの本発明の適用例を説明したが、FA(Factory Automation)用の制御システムに本発明を適用しても良い。FA用の制御システムであっても、制御システム1の再稼働開始に要する時間を短縮できることが好ましいことに変わりはないからである。また、上記実施形態では、コントローラ10としてDCSを用いたがプログラマブルロジックコントローラを用いても良い。一般にPA用の制御システムでは信頼性確保の観点からコントローラとしてDCSが用いられることが多いが、FA用の制御システムではコントローラとしてプログラマブルロジックコントローラが用いられることが多いからである。また、上記実施形態では、A系およびB系の各系に2つのリモート入出力マスタ30が含まれていたが、各系に含まれるリモート入出力マスタ30の数は1つであっても良く、3つ以上であっても良い。さらに、上記実施形態では、リモートバス90_1およびリモートバス90_2の各々に2つのIO機器が接続されていたが、1つのリモートバスに接続されるIO機器の数は1つであっても良く、3つ以上であっても良い。さらに、リモートバス90_1に接続されるIO機器の数とリモートバス90_2に接続されるIO機器の数とが異なっていても良い。
(2)上記実施形態では、リモート入出力マスタ30A_nおよびリモート入出力マスタ30B_nの再稼働を行う際にその時点で稼働系であった方の再稼働を優先する場合について説明したが、例えば原則的にA系を稼働系とし、B系を待機系とする場合には、電源故障等の発生時点において稼働系であったか否かを問わず、A系の再稼働を優先させる(すなわち、A系とB系のうち予め定められた方を優先させる)態様であっても良い。この場合、再稼働前の状態、すなわち、B系が稼働系、A系が待機系となっている状態自体が異常な状態であり、両系の再稼働を契機としてその異常状態を解消することができるからである。
(3)上記実施形態では、リモート入出力マスタ30A_nおよびリモート入出力マスタ30B_nの再稼働を行う際にその時点で稼働系であった方の再稼働を優先させる制御を、排他復旧要求フラグと排他復旧中フラグを用いて実現する場合について説明した。しかし、このような制御の実現態様は2種類のフラグを用いる態様には限定されない。例えば、アイドル状態SB100において値が0に初期化されるカウンタを設け、復旧要求中状態SB150への遷移を契機として当該カウンタを1だけカウントアップし、復旧処理中状態SB200への遷移を契機として当該カウンタをさらに1だけカウントアップする。そして、復旧要求中状態SB150における復旧の可否の判定基準を以下のようにすれば良い。すなわち、稼働系においては、待機系における上記カウンタの値が0または1であれば復旧可能と判定し、待機系においては、稼働系における上記カウンタの値が0である場合に復旧可能と判定するようにすれば良い。
(4)上記実施形態では、コントローラ10側での第1の制御、すなわち、リモート入出力マスタ30A_nおよびリモート入出力マスタ30B_nの再稼働を行う際にその時点で稼働系であった方の再稼働を優先させる制御と、リモート入出力マスタ30側での第2の制御、すなわち、片系立ち上げを指示された場合に他方のリモート入出力マスタとの調停を行わずにバスマスタとなって即座に稼働を開始する制御、とを併用したが、第1の制御と第2の制御の何れか一方のみを行うようにしても良い。
例えば、第1の制御のみが行われる制御システムの具体例としては、以下の制御システムが挙げられる。この制御システムは、互いに状態監視を行い、一方が稼働系となり、他方が待機系となる2つのコントローラと、上記2つのコントローラのうちの一方とIO機器との間のデータ通信を仲介する第1のリモート入出力マスタと、上記2つのコントローラのうちの他方と上記IO機器との間のデータ通信を仲介する第2の入出力マスタと、を含んでいる。そして、上記2つのコントローラの各々は、第1のリモート入出力マスタと第2のリモート入出力マスタの再稼働を行う際に、何れか一方の再稼働を優先させる制御を行う。このように第1の制御のみが行われる制御システムであっても、前述した待ち合わせ時間を設ける必要はなく、待ち合わせ時間を設けない分だけ、制御システムが再稼働可能になるまでに要する時間を短縮することができる。
また、第2の制御のみが行われる制御システムの具体例としては、以下の制御システムが挙げられる。この制御システムも、互いに状態監視を行い、一方が稼働系となり、他方が待機系となる2つのコントローラと、これら2つのコントローラのうちの一方とIO機器との間のデータ通信を仲介する第1のリモート入出力マスタと、上記2つのコントローラのうちの他方と上記IO機器との間のデータ通信を仲介する第2のリモート入出力マスタと、を含んでおり、さらに、第1および第2のリモート入出力マスタと上記IO機器とが接続されるリモートバス、を含んでいる。上記2つのコントローラの各々は、自装置と同じ系に属するリモート入出力マスタに再稼働を指示する際に、他方のリモート入出力マスタとの調停を行わずにバスマスタとして機能することを指示する片系立ち上げ通知を送信する。そして、上記第1および第2のリモート入出力マスタの各々は、再稼働の指示とともに片系立ち上げ通知を受信した場合に、他方のリモート入出力マスタとの調停を行わずに前記リモートバスのバスマスタとなって稼働を開始する。このように第2の制御のみが行われる制御システムであっても、片系のみでの稼働か許容されているのであれば、制御システムが再稼働可能になるまでに要する時間を短縮することができる。
(5)上記実施形態では、本発明の特徴を顕著に示す状態遷移をCPUに実現させるプログラム、すなわち、ファームウェアがコントローラ10の不揮発性メモリに予めインストールされていたが、このプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより配布しても良い。このようにして配布されるファームウェアで既存のコントローラのファームウェアを上書きすることで、当該コントローラを上記実施形態のコントローラとして機能させることが可能になるからである。リモート入出力マスタ30の不揮発性メモリにインストールされているファームウェアについても同様に、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより配布しても良い。
1…制御システム、10A,10B…コントローラ、30A_1,30A_2,30B_1,30B_2…リモート入出力マスタ、40_1,40_2,50_1,50_2…IO機器、60A、60B、60−1,60_2…電源、70…等値化ケーブル、80A,80B…IOネットワークケーブル,90_1,90_2…リモートバス。

Claims (4)

  1. 互いに状態監視を行い、一方が稼働系となり、他方が待機系となる2つのコントローラと、
    前記2つのコントローラのうちの一方とIO機器との間のデータ通信を仲介する第1のリモート入出力マスタと、
    前記2つのコントローラのうちの他方と前記IO機器との間のデータ通信を仲介する第2のリモート入出力マスタと、
    前記第1および第2のリモート入出力マスタと前記IO機器とが接続されるリモートバスと、を備え、
    前記2つのコントローラの各々は、
    自装置と同じ系のリモート入出力マスタに再稼働を指示する際に、バスマスタとして機能することを指示する片系立ち上げ通知を送信し、
    前記第1および第2のリモート入出力マスタの各々は、再稼働の指示とともに前記片系立ち上げ通知を受信した場合に、他方のリモート入出力マスタとの調停を行わずに前記リモートバスのバスマスタとなって稼働を開始する
    ことを特徴とする制御システム。
  2. 前記2つのコントローラの各々は、
    前記第1および第2のリモート入出力マスタの再稼働を行う際に、何れか一方の再稼働を優先させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記2つのコントローラの各々は、
    前記第1および第2のリモート入出力マスタのうち、稼働系となっているコントローラに接続されている方の再稼働を優先させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御システム。
  4. 互いに状態監視を行い、一方が稼働系となり、他方が待機系となる2つのコントローラと、
    前記2つのコントローラのうちの一方とIO機器との間のデータ通信を仲介する第1のリモート入出力マスタと、
    前記2つのコントローラのうちの他方と前記IO機器との間のデータ通信を仲介する第2のリモート入出力マスタと、
    前記2つのコントローラの各々は、
    前記第1のリモート入出力マスタと前記第2のリモート入出力マスタの再稼働を行う際に、何れか一方の再稼働を優先させる制御を行う
    ことを特徴とする制御システム。
JP2015126070A 2015-06-23 2015-06-23 制御システム Active JP6459796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015126070A JP6459796B2 (ja) 2015-06-23 2015-06-23 制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015126070A JP6459796B2 (ja) 2015-06-23 2015-06-23 制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017010336A JP2017010336A (ja) 2017-01-12
JP6459796B2 true JP6459796B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=57761704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015126070A Active JP6459796B2 (ja) 2015-06-23 2015-06-23 制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6459796B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0250737A (ja) * 1988-08-12 1990-02-20 Fuji Electric Co Ltd 二重化システム
JP3175465B2 (ja) * 1994-03-08 2001-06-11 富士電機株式会社 二重化制御装置の切替え方法及びその二重化制御装置
JP5839708B2 (ja) * 2012-09-12 2016-01-06 株式会社日立製作所 多重化制御システム
JP6273102B2 (ja) * 2013-06-18 2018-01-31 株式会社東芝 二重化監視制御システムのリモートi/oユニット、及びその保守方法
JP2015106226A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 三菱電機株式会社 二重化システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017010336A (ja) 2017-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4246248B2 (ja) クラスタシステムのコンピュータにおいて実行されるネットワークモニタ・プログラム、情報処理方法及びコンピュータ
US20110179407A1 (en) Information processing device and a firmware updating method of the information processing device
US20070293951A1 (en) Monitoring apparatus
JP7023722B2 (ja) 二重化制御システム
US7428660B2 (en) Starting control method, duplex platform system, and information processor
US8510402B2 (en) Management of redundant addresses in standby systems
JP5366184B2 (ja) データ記憶システム、データ記憶方法
JP4836979B2 (ja) 二重化プログラマブルコントローラ
KR20150079418A (ko) 시설 관리 시스템 및 이력 기록 방법
JP6459796B2 (ja) 制御システム
JP4826557B2 (ja) 二重化plc
JP4541241B2 (ja) プラント制御システム
JP2008262426A (ja) 2重化コントローラシステム、そのコントローラ
JPH08185330A (ja) 冗長コンピュータシステム切り替え方法
JP2013254333A (ja) 多重系制御システム及びその制御方法
KR101489819B1 (ko) 이중화된 cpu를 포함하는 원보드 ddc 시스템
US20060045550A1 (en) Image forming apparatus
JP2013156963A (ja) 制御プログラム、制御方法、情報処理装置、制御システム
JP6540142B2 (ja) ベースボード管理コントローラ、情報処理システム及びベースボード管理コントローラの処理実行方法
JP4104559B2 (ja) 遠方監視制御システム
JP5687171B2 (ja) コントローラ、監視ユニット、およびシーケンスプログラム更新方法
JP2010140106A (ja) ジョブ実行システム、該システムに用いられるジョブフロー引継ぎ方法及びジョブフロー引継ぎ制御プログラム
JP6502245B2 (ja) 多重化システム
JP2015207239A (ja) 制御システム、制御装置およびプログラム
JP2009237622A (ja) 冗長構成コンピュータシステム、その運転制御方法、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6459796

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250