以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3及び複数のユーザ端末装置4とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ゲーム機3は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。ゲーム機3は、音楽に合わせて操作パネル上の多数の操作部を選択的に操作するといった音楽ゲームをプレイするための音楽ゲーム機として構成されている。ただし、音楽ゲーム機は、操作部の操作を要求する例に限定されず、音楽に合わせてステップを踏む、腕を振るといった各種の所作をユーザに指示するように構成されてよい。なお、ゲーム機3は、音楽ゲームに限定されず、適宜に各種のゲームを提供してよい。
ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、及び音楽ゲームをプレイするユーザ間においてコメントの送受信を実現するためのコメントサービスを含んでいる。コメントサービスの詳細は後述する。
なお、ゲーム機用サービスとして、ゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスが提供されてもよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスが提供されてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新するサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、ゲームサービス管理部21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。ゲームサービス管理部21は、センターサーバ2のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、センターサーバ2のコンピュータハードウエア資源をゲームサービス管理部21として機能させるためのソフトウエアとしてのコンピュータプログラムPG1が記録される。また記憶部23には各種のデータも記録されるが、図2ではコメントデータ51が示されている。コメントデータ51は、音楽ゲームにおいてユーザ間のコミュニケーションに使用されるコメント(文章だけでなく、いわゆるスタンプ等の画像を含む)を管理するためのデータである。コメントデータ51は、複数のコメントとそれを送信するためにユーザに要求される複数の所作とが関連付けられて記憶部23に記録される。コメントデータ51の詳細は後述する。
ゲームサービス管理部21は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを提供する。ゲームサービス管理部21には、論理的装置としてのサービス提供部24がさらに設けられる。サービス提供部24は、少なくとも二台のゲーム機3のユーザ同士をマッチングするマッチング処理のうち、サーバ側にて行うべき処理を実行する。同様に、サービス提供部24は、各ゲーム機3のユーザ間においてコメントの送受信を実現するためのコメント追加処理及び案内追加処理のうち、サーバ側にて行うべき処理を実行する。コメント追加処理及び案内追加処理の手順については後述する。
次に、ゲーム機3には、ゲーム制御部31と記憶手段としての記憶部32とが設けられる。ゲーム制御部31は、ゲーム機3のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとしてのコンピュータプログラムPG2との組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部31は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2のゲームサービス管理部21が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。ゲーム制御部31には、さらなる論理的装置としてゲーム提供部33が設けられている。ゲーム提供部33は、センターサーバ2のサービス提供部24と協働してゲーム機3のユーザを他のユーザとマッチングさせるために必要な処理を実行する。また、ゲーム提供部33は、センターサーバ2のサービス提供部24と協働して各ゲーム機3のユーザ間のコメント送受信を実現するために必要な処理も実行する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図3ではセンターサーバ2から提供されたゲームデータ52が示されている。ゲームデータ52は、プログラムPG2に従ってユーザに所定の音楽ゲームをプレイさせるために必要な各種のデータを含んでいる。具体的には、ゲームデータ52は、ユーザのプレイ対象となるべき多数の楽曲を再生するための音源データ、各楽曲を選択する際の目安となるべき音楽的特徴(例えば曲名、ジャンル、難易度等)を記述した楽曲情報、楽曲の再生に合わせてユーザに指示すべき一連の操作の内容を記述したシーケンスデータといった各種のデータ及び情報を含んでいる。なお、ゲームデータ52は、上述のコメントデータ51を含んでいてもよい。このようなコメントデータ51は、ゲーム機用サービスの一部としてセンターサーバ2から適宜送信されてよい。
ゲーム機3には、ユーザの所作として操作に対応した信号を出力する入力装置36、ユーザにゲーム画面等を提示するための表示装置37及びカードリーダ38といった各種の入出力装置が設けられる。カードリーダ38は、ユーザが所持するカード39に記録されたカード毎にユニークなカードIDを読み取るための装置である。カード39は、ユーザの認証或いは料金の徴収等に使用されてよい。
次に、コメントサービスの詳細を説明する。コメントサービスは、ネットワーク5を介してセンターサーバ2に接続される複数のゲーム機3のうち、所定の条件に基づいて特定された二以上のゲーム機3間のユーザ間においてコミュニケーションを実現するために提供される。また、このコミュニケーションは、ユーザの所作に伴う第1反応及びその所作が追加条件を満たした場合に付加される第2反応を含み、これらの二つの反応を相手先に生じさせることにより実現される。
図3を参照して、コメントサービスの一例について具体的に説明する。図3は、所定の条件としてグループ条件に基づくグループが利用されるようにそのグループ内においてコミュニケーションが実行される場合のコメントサービスの概要を説明する説明図である。また、図3は、音楽ゲームの少なくとも一部を共有(協力プレイ、対戦プレイ、或いは進行状況や得点等のゲーム結果の共有だけでもよい)するようにマッチングされた各ゲーム機3のユーザがグループとして利用される場合、つまりこのようなマッチングの結果がグループ条件として利用される場合を示している。さらに、図3の例は、マッチング処理中、つまり音楽ゲームを共有する各ユーザを決めるための所定期間(音楽ゲームを共有する所定人数が確定するまでの間)にコメントサービスが提供される場合を示している。
図3に示すように、この場合、マッチングを通じて所定数のゲーム機3が一つのグループGPにグループ化され、これらのマッチングされた(グループ化された)各ゲーム機3のユーザ間でコメント送受信が実行される。つまり、コメントサービスを介して、音楽ゲームを共有するユーザ間においてコミュニケーションを実現するためのコメント送受信の機会がマッチング中(所定期間内)に提供される。
具体的には、各ゲーム機3の入力装置36には、縦横に4つずつ16個の操作部としての押しボタンBDが格子状に設けられている。マッチング中には、これらの押しボタンBDの少なくとも一部を組み合わせるように押す操作が許容される。このような押す操作がグループGP内の一のゲーム機3(以下、一のゲーム機3Aと呼ぶ場合がある)において実行された場合には、その一のゲーム機3Aにおいて実行された押す操作の内容(例えば組み合わせの詳細)を案内するための案内画像55が第1反応として同じグループGP内の他のゲーム機3(以下、これらをまとめて他のゲーム機3Bと呼ぶ場合がある)に表示される。案内画像55は、16個の押しボタンBDにそれぞれ対応するように、16個の押しボタン画像56を同様の格子状に含んでいる。各押しボタンBDへの押す操作に伴い、各押しボタン画像56の表示態様は、配色の変化等を通じて変化する。つまり、各押しボタン画像56は、16個の押しボタンBDの少なくとも一部に対する押す操作の組合せを示すように表示態様が変化する。結果として、案内画像55は、各押しボタン画像56の表示態様の変化を通じて、一のゲーム機3Aの押す操作の内容を同じグループGPの他のゲーム機3Bに案内する。
また、上述のような押す操作が追加条件を満たした場合には、各種のコメントの表示を含むコメント欄57が第2反応として追加的に他のゲーム機3Bに表示される。追加条件は、押された押しボタンBDの組合せが所定の組合せに該当する場合に満たされる。また、各種のコメントは押す操作の種類と関連付けられ、押す操作の種類は押された押しボタンBDの組合せの相違により相違する。つまり、押された押しボタンBDの組合せが所定の組合せに該当する場合に、その組合せに対応するコメントがコメント欄57に表示される。この場合、各押しボタンBDに対する押す操作及び一のゲーム機3Aのユーザによって実際に実行された押す操作が本発明の所作及び実際の所作としてそれぞれ機能する。また、各押しボタンBDに対する押す操作の組合せの相違が本発明の複数種類の所作として機能する。そして、押す操作の組合せ(実際の所作の種類)を示すように表示態様が変化する押しボタン画像56を含むことにより案内画像55が本発明の案内及び組合せ画像として機能する。
図3の例では、一のゲーム機3Aの入力装置36が拡大されて模式的に示されている。また、そこではユーザによって押す操作が実行された押しボタンBDが右斜線で示されている。具体的には、マッチングに伴い4台がグループ化され、そのうちの一のゲーム機3Aにおいて馬の形状を形成するように8つの押しボタンBDが押されている。この場合、同じグループGPに属する残り3台の他のゲーム機3Bには馬の形状を形成するように8つの押しボタンBDにそれぞれ対応する8つの押しボタン画像56の配色が格子状の斜線に変化した案内画像55が第1反応として表示されている。そして、この馬の形状を形成する押しボタン画像56の組合せが追加条件を満たすため、その組合せに対応するコメントを表示するコメント欄57が第2反応として他のゲーム機3Bに表示されている。この場合、マッチングによってグループ化された4台のゲーム機3が本発明の二以上のゲーム機として機能する。また、一のゲーム機3Aの他の残り3台のゲーム機3Bが本発明の付加対象のゲーム機として機能する。
図4を参照して、案内画像55及びコメント欄57を表示するための案内画面60の一例について説明する。案内画面60は、マッチング中に表示装置37に表示される画面である。案内画面60は、コミュニケーション領域61を含んでいる。コミュニケーション領域61は、同じグループGPに属する各ゲーム機3の押す操作の内容を案内する領域である。つまり、コミュニケーション領域61には、同じグループGPの各ゲーム機3に対応する案内画像55及びコメント欄57が表示される。図4の例は、同じグループGPに属する4台のゲーム機3の全ユーザが押す操作を実行した場合を示している。この場合、コミュニケーション領域61には、各ゲーム機3に対応する4つの案内画像55(自機の案内画像55は省略されてもよい)が表示される(並び順や配置等はゲーム機3毎に適宜変化してよい)。
また、図4の例は、同じグループGPに属する4台のゲーム機3のうち、3台において馬の形状に対応する押す操作が、残りの一台においていわゆるスフィンクス(ライオンの体と人の顔を持つ架空の生物)の形状に対応する押す操作が、それぞれ実行され、これらがいずれも追加条件を満たす場合を示している。この場合、コミュニケーション領域61には、馬の形状に対応するように配色の変化した押しボタン画像56を含む3つの案内画像55、及びスフィンクスの形状に対応するように配色の変化した押しボタン画像56を含む一つの案内画像55が表示される。また、3つの案内画像55には馬の形状の押す操作に関連付けられるコメント(例えば“ひひーん”)を表示するコメント欄57が、残り一つの案内画像55にはスフィンクスの形状の押す操作に関連付けられるコメント(例えば“すふぃんくす”)を表示するコメント欄57が、それぞれ付加されている。
なお、追加条件を満たす所定の組合せは、動物の形状に対応する組合せに限定されない。例えば、追加条件は、音符や各種の記号、或いは足跡等に対応する組合せによって満たされてもよい。また、追加条件は、各ゲーム機3の押す操作毎に満たされる形態に限定されない。例えば、追加条件は、グループGPの少なくとも一部のゲーム機3の押す操作の種類の組合せが所定の組合せに該当する場合に満たされてもよい。つまり、追加条件は複数のゲーム機3にそれぞれ対応する二以上の押す操作の組合せによって満たされてもよい。このような二以上の押す操作の組合せは、ゲーム機3毎の押す操作が追加条件を満たす場合に追加的に採用されてもよい。また、各押しボタンBDに対する押す操作は、全て同時に実行されてもよいし、所定時間(同時と認識される短時間を含む)内に実行されてもよい。同様に、コメントサービスはマッチング中の所定期間に限定されず、例えばゲームのプレイ中等の適宜の時期に提供されてよい。
次に、コメントデータ51の詳細を説明する。コメントデータ51は、所作の種類の一例として押す操作の種類とそれに関連付けられるコメントとを記述したレコードの集合である。図5は、コメントデータ51の構成の一例を示す図である。図5に示すように、コメントデータ51は、コメント欄57に表示されるべきコメントを管理するコメントレコードRSを含んでいる。コメントレコードRSは、“コメントID”、“コメント”、及び“組合せ”の情報を含んでいる。“コメントID”は、各コメント、つまり各コメントレコードRSを識別するための情報である。“コメント”は、図4の例の“ひひーん”等、各コメントの内容を示す情報である。“組合せ”は、図4の例の馬の形状を示す押す操作等の押す操作の種類、つまり押しボタンBDの組合せを示す情報である。コメントレコードRSには、これらの情報が相互に関連付けて記録されている。
次に、図6及び図7を参照して、サービス提供部24及びゲーム提供部33が実行するコメント追加処理及び案内追加処理の手順を説明する。コメント追加処理及び案内追加処理は、いずれも上述のコメントサービスを提供するための処理である。より具体的には、コメント追加処理は、マッチング中に押す操作が実行された場合に、コメントデータ51に含まれるコメントレコードRSに基づいて、実際に実行された押す操作の種類(押しボタンBDの組合せ)に従ってコメント欄57を案内画面60に表示させるための処理である。なお、図6及び図7の例の左側はゲーム機3のゲーム提供部33の処理を、右側はセンターサーバ2のサービス提供部24の処理を、それぞれ示している。
いずれかのゲーム機3にてユーザがマッチング中に押す操作を実行すると、ゲーム提供部33は図6のコメント処理を開始し、まず、そのユーザの押す操作の操作結果を取得する(ステップS101)。次に、ゲーム提供部33は、その操作結果に対応する操作結果を自己の表示装置37に表示させる(ステップS102)。具体的には、ゲーム提供部33は、その操作結果に対応する案内画像55を含む案内画面60を表示させる。続いて、ゲーム提供部33は、ステップS101で取得した操作結果をセンターサーバ2に送信する(ステップS103)。
センターサーバ2のサービス提供部24は、操作結果を取得すると図6のコメント処理を開始し、まず取得した操作結果が追加条件を満たすか否か判別する(ステップS201)。具体的には、サービス提供部24は、取得した操作結果に対応する押す操作の種類がコメントデータ51で定義される押しボタンBDの組合せに該当するか否か、つまりコメントレコードRSに含まれる“組合せ”に対応する組合せに該当するか否か判別する。サービス提供部24は、追加条件が満たされると判別した場合、その押す操作の種類に対応するコメントをコメントデータ51に基づいて特定する(ステップS202)。具体的には、サービス提供部24は、その押す操作の種類に対応する“組合せ”の情報に関連付けられる“コメント”の情報を特定する。つまり、サービス提供部24は、コメントレコードRSの“コメント”の情報を介してその押す操作の種類に関連付けられるコメントを特定する。
一方、ステップS201において追加条件が満たされないと判別した場合、或いはステップS202においてコメントを特定した後に、サービス提供部24は操作結果の送信元のゲーム機3に送信すべき送信情報を生成する(ステップS203)。この送信情報は、ステップS202においてコメントが特定されている場合にはそのコメントの情報を含んでいる。一方、送信情報は、追加条件が満たされない場合にはその旨を示す情報を含んでいてもよい。そして、サービス提供部24は、ステップS203で生成した送信情報を操作結果の送信元のゲーム機3に送信し(ステップS204)、今回の処理を終える。なお、送信情報は、その他にも各種の情報を含んでいてよい。例えば、送信情報は、追加条件が満たされない場合に、“後1つで馬完成!”(つまり後一つ押しボタンBDを押せば追加条件が満たされる)といったユーザ間のコミュニケーションを助けるためのアドバイス情報を含んでいてもよい。
ゲーム提供部33は、送信情報を取得するとその送信情報に基づいて追加表示が必要か否か判別する(ステップS104)。具体的には、ゲーム提供部33は、送信情報がコメントの情報を含んでいる場合、追加表示が必要と判別する。一方、コメントの情報を含んでいない場合、或いは追加条件が満たされないことを示す情報が含まれている場合、ゲーム提供部33は追加表示の必要なしと判別する。追加表示が必要と判別した場合、ゲーム提供部33は、案内画面60にコメントを追加する(ステップS105)。つまり、ゲーム提供部33は、その送信情報に含まれるコメントを表示するコメント欄57を案内画面60に追加的に表示する。一方、追加表示が不要と判別した場合、或いは案内画面60にコメントを追加した後に、ゲーム提供部33は今回の処理を終える。これにより、各ゲーム機3における操作結果が追加条件を満たす場合に、その操作結果の種類に対応するコメントが追加的に案内画面60に表示される。なお、ゲームデータ52がコメントデータ51を含む場合、サービス提供部24と同様の処理をゲーム提供部33が実行してもよい。つまり、センターサーバ2側の処理は省略され、コメント追加処理はゲーム機3だけで実行されてもよい。
一方、案内追加処理は、一のゲーム機3Aによって押す操作が実行された場合に、その実際に実行された押す操作の内容及びその押す操作の種類に応じたコメントを同じグループに属する他のゲーム機3Bの案内画面60に表示させるための処理である。マッチング中(所定期間内)に一のゲーム機3Aから操作結果の情報を取得すると、サービス提供部24は図7の案内追加処理を開始し、まず、その取得した操作結果の送信元のゲーム機3(一のゲーム機3A)が属するグループGPを特定する(ステップS301)。筐体ID等の各ゲーム機3を識別するための筐体識別情報を通じてマッチング相手の各ゲーム機3が管理されている場合は、各グループGPはそのような筐体識別情報を通じて特定されてよい。また、このような筐体識別情報及び各グループGPを識別するためのグループ識別情報を関連付けるグループデータ(不図示)が管理されている場合は、各グループGPはそのようなグループデータに基づいて特定されてよい。
次に、サービス提供部24は、図6のステップS201と同様に、その取得した操作結果が追加条件を満たすか否か判別する(ステップS302)。サービス提供部24は、追加条件が満たされると判別した場合、図6のステップS202と同様に、その押す操作の種類に対応するコメントをコメントデータ51に基づいて特定する(ステップS303)。一方、ステップS302において追加条件が満たされないと判別した場合、或いはステップS303においてコメントを特定した後に、サービス提供部24は他のゲーム機3Bに送信すべき送信情報を生成する(ステップS304)。この送信情報には、一のゲーム機3Bの操作結果の情報(その操作結果の詳細情報)及びステップS303においてコメントが特定されている場合にはそのコメントの情報を含んでいる。そして、サービス提供部24は、ステップS304で生成した送信情報を他のゲーム機3Bに送信し(ステップS305)、今回の処理を終える。この場合、送信情報が本発明の第1情報及び第2情報として機能する。より具体的には、送信情報に含まれる情報のうち、他のゲーム機3Bが案内画像55を表示するために使用する操作結果の情報が本発明の第1情報として機能する。また、他のゲーム機3Bがコメント欄57を表示するために使用するコメントの情報が本発明の第2情報及びコメント情報として機能する。
他のゲーム機3Bのゲーム提供部33は、送信情報を取得するとその送信情報に基づいて案内画面60に表示を追加する(ステップS104)。具体的には、一のゲーム機3Aの操作結果の情報に基づいて、その操作結果の内容を示す配色の押しボタン画像56を含む案内画像55を案内画面60に表示する。また、ゲーム提供部33は、送信情報がコメントの情報を含む場合には、そのコメントを表示するコメント欄57を案内画面60に追加する。そして、案内画面60に一のゲーム機3Aの案内画像55を追加した後に、ゲーム提供部33は今回の処理を終える。これにより、案内画面60にマッチング相手の案内画像55、及び追加条件が満たされる場合にはコメント欄57が表示される。つまり、そのような案内画像55及びコメント欄57を介して、一のゲーム機3Aの操作結果の内容及びその操作結果に対応するコメントが他のゲーム機3Bのユーザに案内される。
以上に説明したように、この形態によれば、コメントサービスによって提供されるコミュニケーションは、ユーザの押す操作に伴う第1反応及びその押す操作が追加条件を満たす場合に第1反応に付随するように付加される第2反応を含んでいる。このため、追加条件が満たされる場合には、一のゲーム機3Aのユーザの実際の押す操作に伴い、第1反応及び第2反応の両方を他のゲーム機3Bに付加することができる。つまり、ユーザの押す操作に直接関連する第1反応だけでなく、付加的反応として第2反応も他のゲーム機3Bのユーザに提供することができる。
具体的には、一のゲーム機3Aのユーザの押す操作に伴い、マッチング相手の他のゲーム機3Bにまず第1反応として案内画像55が表示される。案内画像55は、16個の格子状の押しボタン画像56を含んでいるので、押す操作に伴う押しボタン画像56の配色の変化を通じて絵や記号等を表現することができる。つまり、このような案内画像55を通じて簡単なコミュニケーションを図ることができる。さらに、その押す操作の種類が追加条件を満たす場合、つまり押された押しボタンBDの組合せが所定の組合せに該当する場合には、他のゲーム機3Bにはその押す操作の種類に対応するコメントが第2反応として表示される。つまり、案内画像55の提供だけでなく、その押す操作をコメントの送信としても活用することができる。これにより、押しボタン画像56の配色の変化を通じた簡易的コミュケーションに加えて、コメントの送信という付加的反応の伴うコミュニケーションを実現することができる。さらに、このような付加的反応は、追加条件がユーザに明らかになるまでは隠し要素として機能する。このため、このような付加的反応を通じて別途遊びの要素を付加することもできる。
また、このようなコミュニケーションがマッチング中に実行される場合には、マッチングの待ち時間に案内画像55及びコメントをマッチング相手のゲーム機3に付加することができるので、マッチングの待ち時間を活用して音楽ゲームの一部を共有するユーザ間のコミュニケーションを促進することができる。これにより、マッチング中、或いはコメントの送受信自体に面白み(遊びの要素)を付加することができる。結果として、待ち時間やコミュニケーションの単調化を抑制することができるので、マッチング中のコミュニケーションを活発化させることができる。
以上の形態において、センターサーバ2のサービス提供部24が、図7のルーチンを実行することにより本発明の対象特定手段、第1情報提供手段、及び第2情報提供手段の一例として機能する。より具体的には、サービス提供部24は、図7のステップS301を実行することにより対象特定手段の一例として機能し、ステップS305を実行することにより第1情報提供手段及び第2情報提供手段の一例として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、マッチング相手がコミュニケーションの対象として利用されている。そして、そのようなマッチング相手によって形成されるグループが所定の条件として利用され、コミュニケーションの相手として特定されている。しかし、コミュニケーション先を特定するための所定の条件は、このような形態に限定されない。例えば、所定の条件として、付加対象のゲーム装置を指定するためのユーザの入力所作(例えば操作部を通じた入力操作等)が採用されてもよいし、ゲームのプレイ状況(例えば同じ進行状況のユーザやゲーム結果にランキングが設けられる場合にはランキング上位者等)が採用されてもよい。つまり、所定の条件として、コミュケーション先を特定可能な各種の条件が利用されてよい。
また、上述の形態では、複数種類の押す操作と複数のコメントとが関連付けられ、実際の押す操作の種類によって第2反応としてのコメントが特定されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、コメントはユーザの押しボタンBDへの操作によって一文字ずつ任意に入力され、このような入力結果に対応するコメントが第1反応として付加されてもよい。この場合、例えば、第2反応としてコメントが追加条件を満たす場合に更に別のコメントが付加的に表示されてもよいし、入力結果に対応するコメントを補助や演出する画像等が追加的に表示されてもよい。つまり、第1反応としてコメントが付加されてもよいし、第2反応として更にコメントが付加されてもよい。
同様に、上述の形態では、ユーザの所作として押しボタンBDに対する押す操作が採用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、入力装置36としてタッチパネルが設けられ、そのタッチパネルに対するタッチ操作がユーザの所作として利用されてもよい。具体的には、例えば、案内画面60はタッチ操作されるべき複数のタッチ領域を含み、各タッチ領域は各押しボタンBDに相当するように配置されていてもよい。あるいは、ユーザの所作として、ユーザの動作が採用されてもよい。具体的には、例えば、ユーザの右手を上げる動作、水平に維持する動作、或いは右足を上げる動作等が第1反応等の契機となる所作として採用されてもよい。この場合、複数種類の動作と複数のコメントとがそれぞれ関連付けられていてもよい。
ゲーム装置はアーケードゲーム機として構成されたゲーム機に限定されず、ユーザ端末装置4等がゲーム装置として含まれてもよい。また、ゲーム機はユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。一方で、ゲーム装置がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3等のゲーム装置が実行してもよい。この場合、例えば、他のゲーム機3B自体がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、一のゲーム機3Aと他のゲーム機3Bとの間に他の装置が介在せずにコメントの送受信が実現されてもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、各ユーザの所作を利用するゲームをそれぞれ提供する複数のゲーム装置(3)にネットワーク(5)を介して接続され、各ゲーム装置を通じて前記ゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記複数のゲーム装置の一のゲーム装置(3A)において当該一のゲーム装置のユーザによって実際の所作が実行された場合に、当該実際の所作に対応する第1反応が付加されるべき付加対象のゲーム装置(3B)を所定の条件に基づいて特定する対象特定手段(24)と、前記対象特定手段の特定結果に基づいて、前記第1反応を付加するための第1情報を前記付加対象のゲーム装置に提供する第1情報提供手段(24)と、前記実際の所作が追加条件を満たした場合に、前記第1反応とは別の第2反応を付加するための第2情報を前記付加対象のゲーム装置に提供する第2情報提供手段(24)と、を備え、前記第1情報提供手段及び前記第2情報提供手段の少なくともいずれか一方は、前記第1情報及び前記第2情報の少なくともいずれか一方として前記ユーザのコメントを提供するためのコメント情報を前記付加対象のゲーム装置に提供するものである。
本発明によれば、追加条件が満たされる場合には、一のゲーム装置のユーザの実際の所作に伴う第1情報及び第2情報の提供により第1反応及び第2反応の両方を付加対象のゲーム装置に付加することができる。つまり、ユーザの所作に直接関連する第1反応だけでなく、付加的反応として第2反応も付加対象のゲーム装置のユーザに提供することができる。また、第1情報及び第2情報の少なくともいずれか一方としてコメント情報が利用されるので、これらの第1反応(直接的反応)及び第2反応(付加的反応)の少なくともいずれか一方をコメントの送信として活用することができる。つまり、これらの第1反応及び第2反応の少なくともいずれか一方を付加対象のゲーム装置のユーザとの間のコミュニケーションとして利用することができる。これにより、コメントの送信に伴う付加的反応、或いは付加的反応としてのコメントの送信といった具合に、付加的反応の伴うコミュニケーションを実現することができる。結果として、コメントの送受信に面白味(遊びの要素)を付加することができるので、コミュニケーションの単調化を抑制し、コミュニケーションを活発化させることができる。
所定の条件として、付加対象のゲーム装置を特定可能な各種の条件が採用されてよい。例えば、所定の条件として、付加対象のゲーム装置を指定するためのユーザの入力所作(例えば操作部を通じた入力操作等)が採用されてもよいし、ゲームのプレイ状況(例えば同じ進行状況のユーザやゲーム結果にランキングが設けられる場合にはランキング上位者等)が採用されてもよい。つまり、付加対象のゲーム装置はユーザの入力結果に基づいて特定されてもよいし、予め設定された条件に基づいてゲームシステムによって特定されてもよい。例えば、複数のゲーム装置の少なくとも一部においてグループが形成される場合には、このような予め設定された条件としてそのグループが利用されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記対象特定手段は、前記一のゲーム装置がグループ条件に基づくグループ(GP)に属する場合に、当該グループを前記所定の条件として利用し、当該グループに属する他のゲーム装置(3B)を前記付加対象のゲーム装置として特定してもよい。
グループ条件として、二以上のゲーム装置をグループ化する各種の条件が採用されてよい。また、グループ条件に基づいて予めグループが形成されていてもよいし、プレイの際に適宜グループが形成されてもよい。同様に、第1反応及び第2反応は各種の時期に付加されてよい。例えば、グループ条件を利用する本発明の態様において、前記ゲームは、二以上のゲーム装置(3A、3B)を所定期間にマッチングし、当該二以上のゲーム装置によって少なくとも一部が共有されるように構成され、前記対象特定手段は、前記二以上のゲーム装置が前記グループとして機能するように前記マッチングの結果を前記グループ条件として利用し、前記第1情報提供手段及び前記第2情報提供手段は、前記所定期間において前記第1情報及び前記第2情報を前記他のゲーム装置に提供してもよい。この場合、マッチング中の期間、つまりマッチング中の待ち時間に第1反応及び第2反応を付加することができる。これにより、マッチング中の待ち時間を活用してゲームの一部を共有するユーザ間のコミュニケーションを促進することができる。
第1反応及び第2反応のどちらがコメントとして利用されてもよい。例えば、両方がコメントとして機能してもよいし、いずれか一方がコメントとして機能してもよい。また、いずれか一方がコメントとして機能する場合、他方の反応として各種の反応が採用されてよい。例えば、他方の反応として、コメントに対応する画像(例えば補助或いは演出する画像等)が付加されてもよいし、その反対に画像に対応するコメントが付加されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記第1情報提供手段は、前記ユーザによって複数種類の所作が実行され得る場合に、前記第1反応として前記実際の所作の種類の案内(55)が付加されるように、前記実際の所作の種類の情報を前記第1情報として前記付加対象のゲーム装置に提供し、前記第2情報提供手段は、前記複数種類の所作が複数のコメントにそれぞれ関連付けられる場合に、前記第2反応として前記実際の所作の種類に対応するコメント(57)が付加されるように、当該コメントに対応する前記コメント情報を前記第2情報として前記付加対象のゲーム装置に提供してもよい。
ユーザの所作として、各種の態様が採用されてよい。例えば、ユーザの所作として、ユーザの動作が採用されてもよいし、操作部が設けられている場合にはその操作部に対する操作が採用されてもよい。また、実際の所作の種類の案内及びコメントの付加は、各種の態様で実現されてよい。例えば、このような案内及び付加は、表示装置を通じて視覚的に提供されてもよいし、音声を通じて聴覚的に提供されてもよい。例えば、第2反応としてコメントが付加される本発明の態様において、前記第1情報提供手段は、各ゲーム装置が複数の操作部(BD)及び表示装置(37)を有する場合に、前記複数の操作部の少なくとも一部に対する操作の組合せの相違を前記複数種類の所作のそれぞれとして利用し、前記操作の組合せを示す組合せ画像(55)を前記案内として含む案内画面(60)を前記表示装置が表示するように、前記操作の組合せの情報を前記実際の所作の種類の情報として前記付加対象のゲーム装置に提供し、前記第2情報提供手段は、前記追加条件として前記操作の組合せを利用し、当該操作の組合せが所定の組合せに該当する場合に、当該操作の組み合わせに対応するコメントが前記第2反応として前記案内画面に表示されるように、当該コメントに対応する前記コメント情報を前記付加対象のゲーム装置に提供してもよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記複数のゲーム装置に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータ(24)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。