JP6458191B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド車の車両等、温度変化が生じやすい環境でも使用可能なリアクトルに関する。
リアクトルは、巻線により交流成分に対して誘導性リアクタンスを与える受動素子であり、リアクトル本体と、リアクトル本体を収容する収容部を有する。リアクトル本体は、磁性体を主材料とするコア材を樹脂モールド成形体で包み込んだコア部と、コア部の外表面にコイルを巻回することで構成されている。コア部は、コアやコイルを保護するために、収容部に収容される。収容部としては、例えば金属性のケースを用いることで、ケースに放熱ベースの機能を持たせることができる。
リアクトル本体は、コイルへの通電時に、電流の周期的な変化により振動が発生する。特に車載用途のリアクトルの場合、比較的大きな電流が流れるため発生する振動が大きくなる。この振動はケースに伝わるため、振動が外部に伝播するおそれがある。この振動の伝播により、例えばリアクトルが設置された車内などにおいて、騒音が発生する場合があった。従来では、振動の伝播を防ぐため、リアクトル本体の樹脂モールド部分の四隅を、金属製の固定部に固定具を締結することによりケースに固定していた。
特開2012−114190号公報
しかし、金属製の固定部を四隅に設ける従来の構造では、金属部材をコア部と一体成型する必要がありリアクトルが大型化していた。また、金属製の固定部によりリアクトル本体を収容部に収容する場合、固定部を正確に位置決めするために、収容部に位置決めガイドを設ける場合があった。他には、外観や他の部品との関係から、作業者が目視で位置決めを行う場合があった。従って、固定部周囲の構造が複雑化したり、位置決めの作業性が低下することがあった。
金属製の固定部を樹脂モールドの四隅に設ける場合、固定部はボルト等により収容部に締結される。従って、固定部には振動による応力に加え、締結による応力がさらに加わる。そのため、振動により固定部に大きな応力が加わると、固定部が破損する恐れがあった。
その一部が樹脂で形成されたリアクトル本体と、金属製のケースで構成されるリアクトルを用いる場合、樹脂と金属の線膨張率の違いに注意する必要がある。すなわち、線膨張率の違いにより、温度が変化した場合のリアクトル本体とケースの長さの変化に差異が生じ、固定部に引っ張り応力や圧縮応力が生じて壊れると、リアクトル本体やケースに破損が生じるおそれがあった。
本発明の目的は、上記のような問題点を解決するために提案されたものであり、振動の応力や使用温度の変化による固定部の破損が防止され、かつ小型化されたリアクトルを提供することにある。
上記の課題を解決するためのリアクトルは、コア材と、前記コア材を樹脂部材に内包したコア部と、前記樹脂部材と一体の樹脂で形成された少なくとも2つの固定部と、前記コア部を収容する収容部と、を備え、前記少なくとも2つの固定部は、前記樹脂部材の端部において対向するように設けられ、前記コア部は、前記固定部を介して前記収容部に固定され、前記固定部の少なくとも1つは可撓性を持つ可撓性固定部であり、前記可撓性固定部は、水平部と、前記水平部と前記樹脂部材とを連接する屈曲部を有し、前記収容部は、前記水平部が接する部分に突出部を有することを特徴とする。
前記水平部には、固定具が挿入される第1の固定孔が設けられ、前記水平部の前記収容部に接する面には、第1の凸部が前記第1の固定孔の近傍に設けられ、前記収容部には、当該第1の凸部が挿入される第1の挿入孔が設けられていても良い。
前記第1の凸部が、前記可撓性固定部と一体の樹脂で形成されても良い。
前記固定部が樹脂のみで形成されていても良い。
以上のような本発明によれば、振動の応力や使用温度の変化による固定部の破損が防止され、かつ小型化されたリアクトルを提供することができる。
第1の実施形態におけるリアクトルの一例を示す斜視図である。 第1の実施形態におけるリアクトルの一例を示す平面図である。 第1の実施形態におけるリアクトル本体の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態における可撓性固定部の一例を示す拡大図である。 第1の実施形態における不撓性固定部の一例を示す拡大図である。 第1の実施形態における収容部の一例を示す斜視図である。
[1.第1の実施形態]
[1.1 全体構成]
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜6を参照して説明する。本実施形態のリアクトルは、例えば車載用途のリアクトルであり、図1および2に示す通り、リアクトル本体Rとリアクトル本体Rを収容する収容部Cとを有する。
リアクトル本体Rは、図3に示す通り、樹脂部材1の内部にコア材2が収容されたコア部3と、コア部3に巻回されたコイル4と、を有する。コア材2は樹脂部材1の内部に収容される。コア材2は磁性体を主材料として構成されている。コイル4は、コア部3すなわち樹脂部材1の外表面に巻回されている。コイル4が巻回されたコア部3は、収容部Cに収容されている。収容部Cは、一面に開口を有する箱型の部材であり、金属で形成されている。
樹脂部材1には、2つの固定部5、6が樹脂部材1と一体の樹脂で形成されている。コア部3は、固定部5、6を介して収容部Cに固定されている。このうち固定部5が可撓性固定部であり、固定部6が不撓性固定部である。可撓性固定部5と不撓性固定部6は、樹脂部材1の端部において対向するように設けられている。
[1.2 各部構成]
以下に、リアクトル本体Rの各部の構成について詳細に説明する。
(1)コア部
図3に示す通り、コア部3は、樹脂部材1の内部にコア材2を収容して構成する。コア材2は、2つの分割コアを接着することでθ字状に形成されている。θ字状に形成されたコア材2には、コア材2の4つの角部が略直角に形成されている場合も、面取り加工されている場合も含む。2つの分割コアは、断面矩形状の3本の脚部をそれぞれ有するE字状のコアである。コア材2は、この2つの分割コアの3本の脚部の端部を向かい合うように付きあわせて、対向する面を接着剤により接着することにより形成される。コア材2としては、例えば粉末状の磁性体を圧縮成形して形成した圧縮コアや、ケイ素鋼を積層した積層コアを用いることができる。
樹脂部材1は、コア材2を包み込むように収容する部材であり、2つの分割コアのそれぞれと一体的に形成された樹脂部材1aおよび1bを有する。2つの分割コアをそれぞれインサート品として、金型内にセットし樹脂を流し込むことで、分割コアと樹脂部材1a又は1bとを一体的に形成することができる。樹脂部材1a、1bは、分割コアの3本の脚部の外周を被覆するように形成され、樹脂部材1a、1bに2つの分割コアがそれぞれ内包される。分割コアの接合面を突き合わせた場合、それらの周囲に設けられた樹脂成型品1a,1bの先端面も付き合わされる。すなわち、樹脂部材1aと一体的に形成された分割コアと、樹脂部材1bと一体的に形成された分割コアを上記のように接着剤にて接着することにより、θ字状のコア部3が形成される。
樹脂部材1は、コア材2とコイル4を絶縁する絶縁体である。樹脂部材1の主材料としては、例えば、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、BMC(バルクモールディングコンパウンド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)等を用いることができる。従って、樹脂部材1とコア材2は線膨張率が異なる材料にて形成されることとなる。
(2)コイル
コイル4は、コア部3の外表面に巻回されている。コイル4は、2つの分割コアの3本の脚部のうち、真中の脚部が接着されることにより形成される直線部分に樹脂部材1を介して巻回されている。具体的には、コイル4は、2つの分割コアを接着する際に、予め筒状に巻回したコイルを真中の脚部に嵌め込むことにより、コア部3に巻回されている。コイル4の巻き始めの端部と巻き終わりの端部は、それぞれ引き出しリード線として外部に引き出される。コイル4としては、各種の導体を巻回したものを使用することができるが、本実施形態では、平角線の導体をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルを使用する。
(3)固定部
2つの固定部5、6は、図3に示す通り、コア部3の樹脂部材1と一体の樹脂で形成されている。このうち固定部5が可撓性固定部であり、固定部6が不撓性固定部である。固定部5、6は、樹脂部材1の四隅のうち、対角線上で対向する2つの隅に樹脂部材1から連続して形成されている。なお、固定部5,6は必ずしも樹脂部材1の四隅に設ける必要はなく、樹脂部材の端部であればどこに設けても良い。また、固定部を3つ以上設けることもできる。
(a)可撓性固定部
可撓性固定部5は、図3および4に示す通り、樹脂部材1aと一体にモールド成型されて形成された樹脂の固定部である。可撓性固定部5は、樹脂部材1aの端部の隅から外方に突き出るように形成されている。可撓性固定部5は、例えば、樹脂部材1において、コイル4が巻回されたコア部3の直線部分が延びる方向と略平行な端面から突出し、この直線部分と直交する方向に延びるように設けられている。可撓性固定部5は、収容部Cに接する水平部5aと、水平部5aと樹脂部材1とを連接する屈曲部5bを有する。
水平部5aは板状に形成され、ボルト等の固定具が挿入される固定孔H1が設けられている。固定孔H1には、リング状カラーを固定孔H1の内周面に接するように配置することができる。リング状カラーの材料としては、例えば、鉄、ステンレス銅、真鍮、銅、及びアルミ等を用いることができる。また、リング状カラーの材料として樹脂を用いても良い。固定具は、リング状カラーの孔に挿入および締結され、コア部3の樹脂部材1を収容部Cに固定する。
水平部5aの収容部Cに接する面には、凸部S1が固定孔H1の近傍に設けられている。凸部S1は、水平部5aの収容部Cに接する面から、収容部C側に向かって延びる円柱状の部材である。凸部S1は、四角柱状に形成されていても良い。凸部S1は、可撓性固定部5を樹脂部材1aと一体の樹脂でモールド成型する際に一緒に形成することができる。または、可撓性固定部5を形成した後に、金属製または樹脂製の凸部S1を水平部5aに取り付ける構成としてもよい。
固定孔H1の近傍とは、凸部S1と固定孔H1が所定の距離を介して設けられていることを意味する。所定の距離とは、後ほど詳細に説明するが、固定具が締結されることにより生じる応力が、凸部S1に加わるような距離である。従って、固定具の締結により生じる応力が凸部S1に加わるのであれば、凸部S1の外周面と固定孔H1の内周面とが共有されるように、凸部S1と固定孔H1が隣接して設けられている場合も固定孔H1の近傍に含まれる。例えば凸部S1が四角柱形状であり、固定孔H1が四角筒形状である場合に、凸部S1の四角柱を形成する一面が、固定穴H1の四角筒を形成する一面と連続するように形成される場合も近傍に含まれる。
屈曲部5bは、樹脂部材1の側面から垂直方向に外側に延び、途中で屈曲して樹脂部材1の側面と平行に延びて、略L字状に形成されている。平行に延びた部分の端部が水平部5aと連接されている。従って、可撓性固定部5には、屈曲部5bが有する角部と、屈曲部5bと水平部5aが連接されることにより形成される角部の2つの角部が形成される。これらの角部は、可撓性固定部5の弾性変形の基点となる。屈曲部5bが屈曲する箇所は一箇所であるが、複数の屈曲部を設けて、例えば階段状や蛇腹状に角部を形成しても良い。但し、屈曲箇所を一箇所とすることで、屈曲部5bの水平方向の幅を小さくすることができる。
(b)不撓性固定部
不撓性固定部6は、図3および図5に示す通り、樹脂部材1bと一体にモールド成型されて形成された樹脂の固定部である。不撓性固定部6は、樹脂部材1bの端部側の隅に設けられている。不撓性固定部6は、樹脂部材1bの端部側に設けられた、ボルト等の固定具が挿入される固定孔H2を有する。固定孔H2は、樹脂部材1bの上面と下面を貫通するように設けられ、固定孔H2の内周面は樹脂部材1bの一部により形成されている。そのため、不撓性固定部6は、振動等の外力により変形することが防止される。固定孔H2にも、リング状カラーを固定孔H2の内周面に接するように配置しても良い。
不撓性固定部6は、固定孔H2の内径よりも内径が大きい円筒部6aを有する。円筒部6aの内径は、挿入される固定具の頭部を嵌め込むことができる寸法とすれば良い。このような円筒筒6aを設けることにより、固定具の頭部が隣接するコイル4の引き出し部から絶縁される。
図5に示す通り、不撓性固定部6の収容部Cに接する面には、凸部S2が固定孔H2の近傍に設けられている。凸部S2は、不撓性固定部6の収容部Cに接する面から、収容部C側に向かって延びる円柱状の部材である。凸部S2は、四角柱状に形成されていても良い。凸部S2は、不撓性固定部6を樹脂部材1bと一体の樹脂でモールド成型する際に形成することができる。または、不撓性固定部6を形成した後に、金属製または樹脂製の凸部S2を取り付ける構成としてもよい。
固定孔H2の近傍とは、凸部S2と固定孔H2が所定の距離を介して設けられていることを意味する。所定の距離とは、後ほど詳細に説明するが、固定具が締結されることにより生じる応力が、凸部S2に加わるような距離である。従って、固定具の締結により生じる応力が凸部S2に加わるのであれば、凸部S2の外周面と固定孔H2の内周面とが共有されるように、凸部S2と固定孔H2が隣接して設けられている場合も固定孔H2の近傍に含まれる。
(4)収容部
収容部Cは、図1および2に示す通り、一面に開口を有する箱型に形成されており、リアクトル本体Rの大きさに合わせた寸法の収容空間を有する。収容部Cは熱伝導性の高い金属で形成され、リアクトル本体Rを収容するとともにリアクトル本体Rから発生する熱を放熱するベースとしての機能を有する。熱伝導性の高い金属としては、アルミニウムやマグネシウムを用いる事ができる。これらの金属を材料とする収容部Cの線膨張率は、リアクトル本体Rの樹脂部材1やコア材2の線膨張率と異なる。なお、収容部Cは、必ずしも金属である必要はなく、熱伝導性に優れた樹脂や、樹脂の一部に金属製の放熱板を埋設したものを使用することも可能である。
図6に示す通り、収容部Cの上面には、可撓性固定部5の水平部5aが接する部分に突出部C1が形成されている。突出部C1は、可撓性固定部5の屈曲部5bを所望の長さに延長できる程度の高さ分だけ、収容部Cの上面から突出している。突出部C1には、可撓性固定部5の凸部S1が挿入される挿入孔H3と、可撓性固定部5の固定孔H1を介して固定具が挿入される固定孔H4とが設けられている。なお、突出部C1を設けない構成とした場合には、挿入孔H3と固定孔H4を、収容部Cの上面に設ければ良い。また、収容部Cの上面に凹部を形成し、凹部の底面に挿入孔H3と固定孔H4を設けて、水平部5aを凹部に嵌め込むようにしても良い。
図6に示す通り、挿入孔H3は凸部S1が挿入された場合に、凸部S1との間に空間が生じるように形成されている。図6の例では、凸部S1が真円の円柱状に形成されているのに対して、挿入孔H3は収容部Cの長手方向を長軸とする楕円の円筒状に形成されている。このように形成することで、凸部S2が後述する挿入孔H5に固定されるときに、挿入孔H3の空間により、リアクトル本体Rの各部材が有する寸法公差が吸収される。空間の大きさは、固定具の締結により生じる応力が凸部S1に加わることを妨げず、且つ、リアクトル本体Rの寸法公差を吸収できる大きさとする。挿入孔H3の形状は、凸部S1の形状に併せて適宜変更可能である。
収容部Cには、図6に示す通り、不撓性固定部6の凸部S2が挿入される挿入孔H5と、不撓性固定部6の固定孔H2を介して固定具が挿入される固定孔H6とが、挿入孔H3および固定孔H4と対角線上で対向する位置に設けられている。挿入孔H5は、凸部S2が挿入された場合に、凸部S2が密着して嵌め込まれるように形成されている。すなわち、挿入孔H5の内周面と凸部S2の外周面が密着するように、挿入孔H5の内径および凸部S2の外径を設定すれば良い。上記のような挿入孔H5に凸部S2を挿入することにより、リアクトル本体Rが収容部Cに位置決めされる。
[1.3 作用]
上記のような構成を有する本実施形態のリアクトルの作用を以下に説明する。
(1)固定具締結時の応力の吸収
本実施形態では、不撓性固定部6の固定孔H2の近傍に凸部S2が設けられている。また、収容部Cには挿入孔H5と固定孔H6が設けられている。不撓性固定部6を固定具により収容部Cに固定する場合には、凸部S2を挿入孔H5に挿入することで、リアクトル本体Rが位置決めされる。そして、固定孔2、6に固定具を挿入して締結すると、その応力が凸部S2に加わる。
同様に、可撓性固定部5の固定孔H1の近傍に凸部S1が設けられている。また、収容部Cには挿入孔H3と固定孔H4が設けられている。可撓性固定部5を固定具により収容部Cに固定する場合には、凸部S1を挿入孔H3に挿入することで、リアクトル本体Rが位置決めされる。そして、固定孔1、4に固定具を挿入して締結すると、その応力が凸部S1に加わる。
以上のように、固定部5、6の凸部S1、S2を挿入孔H3,5に挿入することで、コア部3が位置決めされた状態で収容部Cに収容されることとなる。また、リアクトル本体Rを、固定部5、6の固定孔H1、H2および収容部Cの固定孔H4、H6を介して固定具で締結する際には、凸部S1、S2が固定部5、6の回り止めの機能を有し、締結による応力が凸部S1、S2に吸収される。
(2)空間変化の吸収
以上のようなリアクトルが、車両等の温度変化の大きい環境に設置される場合、樹脂部材1、コア材2、収容部Cの線膨張率の違いにより、リアクトル本体Rと収容部Cとの間の空間が変化する。具体的には、リアクトル本体Rの外周側面と、収容部Cの内壁面との間の空間が変化する。
リアクトル本体Rの外周側面と収容部Cの内壁面との間の空間が狭くなった場合、本実施形態のリアクトルでは、可撓性固定部5の屈曲部5bの、樹脂部材1と平行に延びる部分が水平部5aを起点に、リアクトル本体Rの外周面と収容部Cの内壁面が近づいた分だけ外方にしなるように変形する。すなわち、屈曲部5bが有する角部と、屈曲部5bと水平部5aが形成する角部の曲がり角度が深くなるように変形する。これにより、狭くなった空間の分だけ可撓性固定部5の水平方向の幅が縮む。よって、樹脂部材1に対する圧縮応力が低減される。
リアクトル本体Rの外周側面と収容部Cの内壁面との間の空間が広くなった場合、本実施形態のリアクトルでは、可撓性固定部5の屈曲部5bが空間の拡大に併せて延びるように変形する。すなわち、屈曲部5bが有する角部と、屈曲部5bと水平部5aが形成する角部の曲がり角度が浅くなるように変形する。これにより、広くなった空間の分だけ可撓性固定部5の水平方向の幅が拡がる。よって、樹脂部材1に対する引っ張り応力が低減される。
上記のように本実施形態では、水平部5aに加わる引っ張り応力や圧縮応力は、屈曲部5bと水平部5aが形成する角部が変形することにより吸収される。従って、リアクトル本体Rの外周側面と収容部Cの内壁面との間の空間に変化が生じた場合であっても、水平部5aは水平方向に移動するだけであり、空間変化により生じる応力が加わることがない。
以上のような可撓性固定部5の変形は、線膨張率の違いによりリアクトル本体Rの外周側面と収容部Cの内壁面との間の空間に変化が生じた場合のみならず、振動によりリアクトル本体Rが揺れることで空間に変化が生じた場合も同様である。従って、リアクトル本体Rにて発生した振動の応力は可撓性固定部5の変形により吸収され、収容部Cに伝播されることが防止される。
[1.4 効果]
上記のような構成を有するリアクトルの効果は以下のとおりである。
(1)従来のように金属製の固定部を樹脂部材1の四隅に設けた場合、4点の固定部から振動が伝播されることとなる。一方、本実施形態では、固定部の少なくとも1つが可撓性固定部5で構成されているため、振動の伝播を低減させることができる。その上、四隅に固定部を設ける場合に比べて、固定に要するスペースが減少されるため、リアクトルを小型化することができる。また、固定部は樹脂部材1と一体の樹脂で形成されているため、金属製の固定部のように後から設置する必要がなく、リアクトルの部品数を減らし、作業性を向上することができる。
また、従来のように金属製の固定部を樹脂部材1の四隅に設けた場合、リアクトル本体Rは、振動等により四方に移動される。一方、本実施形態では、可撓性固定部5と不撓性固定部6が、樹脂部材1の端部において対向するように設けられている。従って、不撓性固定部6が膨張や振動によるリアクトル本外Rの移動の原点となる。すなわち、可撓性固定部5の振動方向を、不撓性固定部6を原点とした振動方向にすることができるため、可撓性固定部5はその振動方向に生じる応力を主に吸収する構成とすることができる。本実施形態によれば、可撓性固定部5はその振動方向を一定方向に集中させて、その応力を可撓性固定部5により吸収することができるため、振動の応力による破損が防止され、かつ小型化されたリアクトルを提供することができる。
(2)可撓性固定部5は、収容部Cに接する水平部5aと、水平部5aと樹脂部材1とを連接する屈曲部5bを有する。従って、屈曲部5bにより、可撓性固定部5が変形されるため、振動等による応力を吸収することができ、振動や使用温度の変化による破損を防止することができる。
(3)屈曲部5bは、樹脂部材1の側面から垂直方向に外側に延び、途中で屈曲して樹脂部材1の側面と平行に延び、平行に伸びた部分の端部が水平部5aと連接されている。このように構成することで2つの角部が形成され、振動等による応力を吸収することができる。また、屈曲部5bの屈曲回数を一度とすることで、屈曲部5bの水平方向の幅を小さくできるため、リアクトル本体を小型化することが可能になる。
(4)収容部Cは、水平部5aが接する部分に突出部C1を有する。突出部C1により、可撓性固定部5の屈曲部5bを所望の長さに延長できる。屈曲部5bの長さが長くなれば、その分吸収できる振動等による応力が大きくなる。すなわち、屈曲部5bの樹脂部材1と平行に延びる部分が長くなった分だけ、応力が加わったときの平行部分のしなりを大きくすることができる。よって、振動等によるより大きな応力を吸収することができるため、振動や使用温度の変化による破損を防止することができる。
(5)水平部5aには、固定具が挿入される固定孔H1が設けられ、水平部5aの収容C部に接する面には、凸部S1が固定孔H1の近傍に設けられている。また、不撓性固定部6には、固定具が挿入される固定孔H2が設けられ、不撓性固定部6の収容部Cに接する面には、凸部S2が固定孔H2の近傍に設けられている。収容部Cには、凸部S1、S2が挿入される挿入孔H3、H5が設けられている。
従って、リアクトル本体Rが収容部Cに固定具により締結固定される場合に、凸部S1、S2に締結による応力が加わることとなる。従って、固定孔H1、H2に、締結による応力が集中することがなく、破損を防止することができる。また、可撓性固定部5においては、締結による応力が屈曲部5bに伝わることが防止できる。従って、屈曲部5bは、締結による応力を負担することなく振動等による応力を吸収することができるため、屈曲部5bはより大きな振動等による応力を吸収することができる。よって、振動や使用温度の変化による破損を防止することができる。
さらに、従来の固定部によりリアクトル本体Rを収容部Cに収容する場合、固定部を正確に位置決めするために、収容部Cに位置決めガイドを設ける場合があった。他には、外観や他の部品との関係から、作業者が目視で位置決めを行う場合があった。一方、本実施形態では、凸部S1、S2を収容部Cの挿入孔H3、H5に挿入するだけでリアクトル本体Rが位置決めされる。従って、位置決めガイドを設ける必要がなく、リアクトルを小型化することができる。また、組み立て時の作業性を向上させることができる。
(6)凸部S1は、可撓性固定部5と一体の樹脂で形成されている。凸部S2は、不撓性固定部6と一体の樹脂で形成されている。従って、凸部S1、S2を後から取り付ける必要がなく、リアクトルの部品数を減らし、作業性を向上することができる。
[2.他の実施形態]
(1)上記実施形態では、コア材2を、2つの分割されたE字形状のコアとしたが、一方をE字形状とし、もう一方をI字形状とし、この2つのコアを接着する構成としても良い。また、2つのU字形状のコアやJ字形状のコアを接着することで、環状のコア材としてもよい。樹脂部材1の形状も、コア材2の形状に併せて適宜変更することができる。
(2)上記実施形態では、可撓性固定部5と不撓性固定部6を1つずつ設ける構成としたが、固定部の全てを可撓性固定部5としてもよい。他にも、3つの可撓性固定部と、1つの不撓性固定部を設ける構成としても良い。不撓性固定部を少なくとも1つ設けることにより剛性を向上しつつ、複数の可撓性固定部を設けて引っ張り応力や圧縮応力を吸収する構成としても良い。また、固定部は必ずしも樹脂部材1の四隅に設ける必要はなく、対向する端面に設ける構成としても良い。
(3)上記の実施形態では、可撓性固定部5に凸部S1、不撓性固定部6に凸部S2を形成してリアクトルの位置決めおよび締結による応力の吸収を行うことした。ただし、リアクトルの位置決めを行う凸部については、必ずしも固定部に設ける必要はない。リアクトルの位置決めを行う凸部は、収容部Cの開口部の周囲であればどこに設けても良い。従って、収容部Cの開口部の周囲に凸部の挿入孔を設け、樹脂部材1においてこの挿入孔に対応する位置に凸部を形成することもできる。また、位置決めを行う凸部は、複数設けても良い。
(4)上記の実施形態では、可撓性固定部5に凸部S1、不撓性固定部6に凸部S2を形成し、収容部Cに挿入孔H3、H5を形成したが、固定部に挿入孔を形成し、収容部Cに凸部を形成する構成としてもよい。このように構成したとしても、上記実施形態の効果を得ることができる。
(5)本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。以上の実施形態は例として提示したものであって、その他の様々な形態で実施されることが可能である。発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲、要旨、その均等の範囲に含まれる。
R…リアクトル本体
C…収容部
C1…突出部
1、1a、1b…樹脂部材
2…コア材
3…コア部
4…コイル
5…可撓性固定部
5a…水平部
5b…屈曲部
6…不撓性固定部
H1、H2、H4、H6…固定孔
H3、H5…挿入孔
S1、S2…凸部

Claims (4)

  1. コア材と、
    前記コア材を樹脂部材に内包したコア部と、
    前記樹脂部材と一体の樹脂で形成された少なくとも2つの固定部と、
    前記コア部を収容する収容部と、を備え、
    前記少なくとも2つの固定部は、前記樹脂部材の端部において対向するように設けられ、
    前記コア部は、前記固定部を介して前記収容部に固定され、
    前記固定部の少なくとも1つは可撓性を持つ可撓性固定部であり、
    前記可撓性固定部は、水平部と、前記水平部と前記樹脂部材とを連接する屈曲部を有し、
    前記収容部は、前記水平部が接する部分に突出部を有することを特徴とするリアクトル。
  2. 前記水平部には、固定具が挿入される第1の固定孔が設けられ、
    前記水平部の前記収容部に接する面には、第1の凸部が前記第1の固定孔の近傍に設けられ、
    前記収容部には、当該第1の凸部が挿入される第1の挿入孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載のリアクトル。
  3. 前記第1の凸部が、前記可撓性固定部と一体の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項2記載のリアクトル。
  4. 前記固定部が樹脂のみで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3いずれか一項記載のリアクトル。
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