JP6455176B2 - 光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法 - Google Patents

光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6455176B2
JP6455176B2 JP2015011121A JP2015011121A JP6455176B2 JP 6455176 B2 JP6455176 B2 JP 6455176B2 JP 2015011121 A JP2015011121 A JP 2015011121A JP 2015011121 A JP2015011121 A JP 2015011121A JP 6455176 B2 JP6455176 B2 JP 6455176B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oled
optical writing
mother glass
position information
drive current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015011121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016135555A (ja
Inventor
昂紀 植村
昂紀 植村
長坂 泰志
泰志 長坂
壯 矢野
壯 矢野
隆宏 松尾
隆宏 松尾
彰 谷山
彰 谷山
成幸 飯島
成幸 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2015011121A priority Critical patent/JP6455176B2/ja
Publication of JP2016135555A publication Critical patent/JP2016135555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6455176B2 publication Critical patent/JP6455176B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法に関し、OLEDの劣化に起因する発光量のバラツキを抑制する技術に関する。
近年、発光素子として注目されているOLED(Organic Light Emitting Diode)は、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子とも呼ばれ、有機発光層に通電することにより発光する。
OLEDは、積算発光時間が長くなると有機発光層が劣化して発光効率が低下する。従って、劣化に依らず一定の光量を得るためには、通電量を増加させなければならない。
このようなOLEDを画像形成装置に搭載された光書込み装置に適用しようとすると、形成すべき画像に応じてOELD毎に積算発光時間が異なり得るので、OLED毎に劣化度が異なってしまう。このため、光書込み装置に実装されたすべてのOLEDの通電量を一律に増加させると、OLEDの発光量にバラつきが生じてしまう。
具体的には、劣化が進んでいないOLEDは発光量が多くなり、劣化の進んだOLEDは発光量が少なくなるので、露光ムラが発生して画質が低下してしまう。
このような問題に対して、例えば、OLED毎の積算発光時間に応じて通電量を加減する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このような技術によれば、積算発光時間が短いOLEDは通電量を少なくし、積算発光時間が長いOLEDは通電量を多くすることによって、劣化による発光量のバラツキを抑制することができる。
特許第3904996号公報
しかしながら、OLEDを実装したOLEDパネルは、マザーガラス上に有機発光層や電極層などを順次積層することによって複数個がまとめて製造されるところ(図16)、近年、製造コストの削減を目的として、従来よりも大型のマザーガラスを用いて、より多くのOLEDパネルをまとめて製造するようになると、上記の従来技術では劣化による発光量のバラツキを十分に抑制することができなくなってきている(図17)。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、大型のマザーガラスを用いた場合であっても、OLEDの劣化に起因する発光量のバラツキを精度よく補正することができる光書込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光書込み装置は、マザーガラスから切り出されたOLEDパネルに形成された複数のOLEDを発光させることによって光書込みを行う光書込み装置であって、前記マザーガラスから前記OLEDパネルを切り出す以前における、当該マザーガラス上でのOLEDの位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、OLED毎の積算発光時間を記憶する積算発光時間記憶手段と、OLED毎の駆動電流量を、前記位置情報と当該OLEDの積算発光時間とに応じて補正する駆動電流量補正手段と、備えることを特徴とする。
このようにすれば、大型のマザーガラスを用いた場合であっても、マザーガラス上でのOLEDの位置に応じて駆動電流量を補正するので、OLEDの劣化に起因する発光量のバラツキを精度よく補正することができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。 光書込み装置100による光書込み動作を説明する断面図である。 OLEDパネル部200の概略平面図であり、併せてA−A´線における断面図とC−C´線における断面図も示されている。 化学気相成長法(蒸着法)を説明する図である。 OLED201の層構成を示す断面図である。 (a)マーキングを蒸着するためのマスク403と、(b)マーキングを蒸着されたマザーガラス400とを例示する平面図である。 ドライバーIC302の主要な機能構成を示すブロック図である。 設定光量記憶部701が記憶する設定光量Lを例示するテーブルである。 設定電流量記憶部702が記憶する設定光量Lを例示するテーブルである。 位置情報PとOLED201毎の膜厚Rとを記憶する膜厚テーブルを例示する。 OLED番号nのOLED201の積算発光時間Hを記憶する積算発光時間テーブルを例示する。 膜厚が範囲R1内にあるOLED201の劣化係数δを発光時の素子温度の範囲と駆動電流量の範囲との組み合わせ毎に記憶する劣化係数テーブルを例示する。 OLED201の劣化特性を例示するグラフであって、(a)はOLED201の素子温度、(b)はOLED201の駆動電流量、また、(c)は有機発光層の膜厚との関係を示す。 補正係数テーブルを例示する。 劣化時の発光量を補正する処理を示すフローチャートである。 マザーガラスからOLEDパネルを切り出す説明図である。 OLEDの劣化特性のバラツキを例示するグラフである。
以下、本発明に係る、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1]画像形成装置の構成
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンターである。画像形成装置1が備える作像部101Y〜101Kは、制御部102の制御の下、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)各色のトナー像を形成する。
例えば、作像部101Yにおいて、帯電装置111は感光体ドラム110の外周面を一様に帯電させる。光書込み装置100は、後述のように、主走査方向にライン状に配列された発光素子(OLED)を備えており、制御部102が生成したデジタル輝度信号に従って各OLEDを発光させる。これによって、感光体ドラム110の外周面に光書込みが行われ、静電潜像が形成される。
現像装置112は、感光体ドラム110の外周面にトナーを供給して、静電潜像を現像(顕像化)する。1次転写ローラー113は、感光体ドラム110から中間転写ベルト103へトナー像を静電転写(1次転写)する。
この様にして、作像部101Y〜101Kが形成したYMCK各色のトナー像が互いに重なり合うように中間転写ベルト103上に1次転写されカラートナー像となる。中間転写ベルト103がカラートナー像を2次転写ローラー対104まで搬送するのに合わせて、給紙カセット105から供給された記録シートSも2次転写ローラー対104まで搬送される。
2次転写ローラー対104は、中間転写ベルト103上のトナー像を記録シートS上に静電転写(2次転写)する。トナー像を転写された記録シートSは、定着装置106でトナー像を熱定着された後、機外に排出される。
[2]光書込み装置100の構成
次に、光書込み装置100の構成について説明する。
図2に示されるように、光書込み装置100は、OLEDパネル200とロッドレンズアレイ(SLA: Selfoc Lens Array。Selfocは日本板硝子株式会社の登録商標。)202をホルダー203に収容したものであって、OLEDパネル200にはOLED201が実装されている。OLED201が出射した光ビームBは、ロッドレンズアレイ202によって感光体ドラム110の外周面上に集光される。
図3は、OLEDパネル200の概略平面図であり、併せてA−A´線における断面図とC−C´線における断面図も示されている。また、概略平面図部分は後述する封止板301を取り外した状態を示している。
図3に示されるように、OLEDパネル200は、TFT(Thin Film Transistor)基板300、封止板301及びドライバーIC(Integrated Circuit)302等を備えている。TFT基板300には、多数のOLED201が主走査方向に沿ってライン状に配列されている。これらのOLED201は、一列に配列されていても良いし、千鳥配置にされていても良い。
また、TFT基板300のOLED201が配設された基板面は封止領域となっており、スペーサー枠体303を挟んで封止板301が取着されている。これによって、封止領域が、外気に触れないように乾燥窒素等を封入した状態で、封止される。なお、吸湿のため、封止領域内に吸湿剤を併せて封入しても良い。また、封止板301は、例えば、封止ガラスであっても良いし、ガラス以外の材料からなっていても良い。
TFT基板300の封止領域外にはドライバーIC302が実装されている。制御部102はフレキシブルワイヤー310を介してドライバーIC302にデジタル輝度信号を入力する。制御部102は、デジタル輝度信号を生成するために専用のASIC(Application Specific Integrated Circuit)を内蔵しても良い。
ドライバーIC302はデジタル輝度信号をアナログ輝度信号(以下、単に「輝度信号」という。)に変換してOLED201毎の駆動回路に入力する。駆動回路は輝度信号に応じてOLED201の駆動電流を生成する。輝度信号は、電流信号であってもよいし電圧信号であってもよい。また、ドライバーIC302には、OLED201の環境温度を検出する温度センサー320と不揮発性メモリ321も内蔵されている。
[3]光書き込み装置100の製造方法
次に、光書き込み装置100の製造方法について説明する。
光書き込み装置100を構成するOLEDパネル200は、マザーガラスを用いて製造される。マザーガラスは、マザーガラス基板とも呼ばれ、生産性向上のため、マザーガラス上に複数のTFT基板300が製膜された後、個別に切り出され、OLEDパネル200となる。マザーガラスとしては、高温処理に耐える石英ガラスや無アクリルガラスを用いることができる。
OLED201を含むTFT基板300は、複数の薄膜を積層することによって製造される。薄膜は化学気相成長法(CVD: Chemical Vapor Deposition)や物理気相成長法(PVD: Physical Vapor Deposition)を用いて製膜される。
例えば、化学気相成長法の一つである蒸着法では、図4に示されるように、製膜物質401を熱源402上に載置し、熱源402の上方にマザーガラス400を配置する。このとき、マザーガラス400は、成膜面400aを下方に向けるように設置される。マザーガラス400と熱源402との間にはマスク403と呼ばれる金属板が配置される。マスク403は製膜パターンに合わせて切り抜かれている。
熱源402を用いて製膜物質401を加熱すると、製膜物質401が蒸発して原料ガスが拡散する。原料ガスの一部は、マスク403を通過してマザーガラス400上に付着して、製膜される。このような製膜を繰り返すことによって、OLED201を構成する薄膜層404が積層される。
マザーガラス表面における原料ガスの濃度は、熱源402から近い位置ほど濃く、熱源402から遠ざかるにつれて薄くなる。また、熱源402からの距離に関係なく蒸着時間はマザーガラス400全体で一定であるので、製膜される膜厚は熱源402に近いほど厚く、熱源402から遠ざかるにつれて薄くなる。
図5に示されるように、OLED201は、マザーガラス400上に陽極層501、有機発光層502及び陰極層503等を順次積層させて形成される。陽極層501は、酸化インジウム(ITO: Indium Titan Oxide)等からなる透明電極である。有機発光層502は、少なくとも1層からなっており、層厚が厚いほど劣化し難い。陰極層503はアルミニウム等の金属からなる。この陽極層501と陰極層502との間に電流を流すと有機発光層502が発光し、陽極層503とガラス基板(マザーガラス400)とを通して光が取り出される。
本実施の形態においては、金属層(例えば、陰極503)を製膜するためのマスク403に、マザーガラス400上でのOLEDパネル200の位置を示す位置表示(マーキング)を製膜により記録するためのパターンが切り抜かれている。これによって、マザーガラス400上に金属材料(陰極材料)でマーキングが蒸着される。
図6に、マーキングを蒸着するためのマスク403と(図6(a))、マーキングを蒸着されたマザーガラス400と(図6(b))を例示した。図6に示されるように、マスク403にはパターン601が設けられており、マーキング600がOLEDパネル200に1対1に対応するように蒸着される。
マザーガラス400上での製膜プロセスが完了すると、当該マザーガラス400から各OLEDパネル200が切り出される。この場合において、OLEDパネル200毎にマーキング600が1つずつ残るように切り出しが行われるので、切り出し後のOLEDパネル200はマーキング600を参照することによって、マザーガラス400上のどの位置から切り出されたかが識別される。
切り出されたOLEDパネル200は、それぞれFPC(Flexible Print Circuit)やドライバーIC302等が実装された後、ロッドレンズアレイ202と共にホルダー203に取着される。このようにして、光書き込み装置100が組み立てられる。
その後、OLEDパネル200上のマーキング600をカメラ又は目視により読み取って、マザーガラス400上での当該OLEDパネル200の位置情報Pを抽出し、不揮発性メモリ321に記憶させる。また、感光体ドラム110上での露光量がOLED201間で等しくなるように、OLED201毎の設定光量が特定され、不揮発性メモリ321に記憶される。その後、光書き込み装置100は画像形成装置1に取り付けられる。
[4]ドライバーIC302の構成
次に、ドライバーIC302の構成について説明する。
上述のように、ドライバーIC302の不揮発性メモリ321には、マザーガラス400上での当該OLEDパネル200の位置が記録されている。また、OLEDパネル200上でのOLED201の位置もまた分かっている。従って、これらの情報から、マザーガラス400上でのOLED201の位置を知ることができる。
製膜時におけるマザーガラス400と熱源402との位置関係は通常一定であるので、マザーガラス400上でのOLED201の位置が分かれば、有機発光層502を製膜したときの熱源402からOLED201までの距離を知ることができる。また、OLED201は、熱源402からの距離に応じて有機発光層502の層厚が変化し、有機発光層502の層厚に応じて劣化特性が変化する。
従って、マザーガラス400上でのOLEDパネル200の位置、OLEDパネル200上でのOLED201及び当該OLED201の積算発光時間から当該OLED201の劣化度を推定して駆動電流を増加させれば、OLED201の経時劣化による発光量の低下を精度良く補正することができる。このため、ドライバーIC302は以下のような構成を備えている。
図7は、ドライバーIC302の主要な機能構成を示すブロック図である。ドライバーIC302が備える設定光量記憶部701は、OLED201毎の設定光量Lを識別する識別子(以下、「設定光量識別子」という。)を記憶する。図8は、設定光量記憶部701が記憶する設定光量Lを例示するテーブルである。
上述のように、光書込み装置100においては、ロッドレンズアレイ202を用いてOLED201の出射光を感光体ドラム110の外周面上に集光する。このロッドレンズアレイ202は、円柱状のロッドレンズを集積した構造を有している。ロッドレンズアレイ202を構成する円柱状のロッドレンズと個々のOLED201との位置関係はさまざまであり、OLED201の出射光の主光線は必ずしも円柱状のロッドレンズの光軸に一致せず、ロッドレンズアレイ202の結像効率がOLED201毎に変動する。
このため、すべてのOLED201に同一の駆動電流を供給すると露光量にバラつきが生じる。すべてのOLED201で露光量を揃えるためには、OLED201毎に発光量を調整する必要がある。初期状態においてOLED201間で露光量が揃うように設定されたOLED201毎の発光量が設定光量Lである。ロッドレンズアレイ202の結像効率が低いOLED201ほど設定光量Lが多くなる。
図8の例では、OLED番号1のOLED201については設定光量識別子L1が記憶され、OLED番号2のOLED201については設定光量識別子L2が記憶されている。
設定電流量記憶部702は、経時劣化前の初期状態かつ所定の環境温度(例えば、日本工業規格JIS Z 8703で定める標準状態の温度20℃、23℃又は25℃の何れか。)においてOLED201を設定光量Lで発光させるための駆動電流量(以下、「設定電流量」という。)を設定光量識別子毎に記憶する。図9は、設定電流量記憶部702が記憶する設定光量Lを例示するテーブルである。図9の例では、設定光量識別子L1、L2にそれぞれ対応する駆動電流量I1、I2が記憶されている。
位置情報記憶部703は、マザーガラス400上でのOLEDパネル200の位置を表す位置情報Pを不揮発性メモリ321上で記憶すると共に、OLED201の位置毎に膜厚範囲Rを記憶する。上述のように、当該位置情報PはOLEDパネル200の製造時に不揮発性メモリ321に書き込まれる。また、膜厚範囲Rは、例えば、100ナノメートル以上200ナノメートル未満や、200ナノメートル以上300ナノメートル未満のように定められる。
図10は、位置情報PとOLED201毎の膜厚Rとを記憶する膜厚テーブルを例示する。図10では、位置情報Pが記憶されると共に、マザーガラス400上でのOLEDパネル200の位置とOLED番号(OLEDパネル200上でのOLED201の位置)とに対応する膜厚Rが記憶される。後述のように、劣化度算出部707は位置情報Pを参照してパネル位置を特定し、更にOLED番号から当該OLED201の膜厚が含まれる膜厚範囲Rを特定する。
積算発光時間記憶部704は、OLED201毎に、発光時の素子温度の温度範囲RTと駆動電流量の範囲RIとの組み合わせ毎の積算発光時間Hを記憶する。図11は、OLED番号nのOLED201の積算発光時間Hを記憶する積算発光時間テーブルを例示している。例えば、OLED番号nのOLED201の素子温度が温度範囲RT3内であって、かつ、駆動電流量が範囲RI3内であったときの積算発光時間が112時間になっている。
劣化係数テーブル705は、OLED201の有機発光層502の膜厚の範囲毎に、発光時の素子温度の範囲と駆動電流量の範囲との組み合わせ毎の劣化係数(劣化速度)δを記憶する。図12は、膜厚が範囲R1内にあるOLED201の劣化係数δを発光時の素子温度の範囲と駆動電流量の範囲との組み合わせ毎に記憶する劣化係数テーブルを例示している。例えば、膜厚が範囲R1内にあるOLED201の素子温度が温度範囲RT2内であって、かつ、駆動電流量が範囲RI2内であるときの劣化係数δが1.06になっている。
図13は、OLED201の劣化特性を例示するグラフである。図13(a)に示されるように、OLED201は、素子温度が高いほど速く劣化して、発光量が減少する。また、図13(b)に示されるように、OLED201は、駆動電流量が多いほど速く劣化し、図13(c)に示されるように、有機発光層502の膜厚が薄いほど速く劣化する。劣化係数テーブル705が記憶する劣化係数δは以上のような特性を反映している。
劣化度算出部707は、OLED201毎に、劣化係数δと積算発光時間Hとを用いて劣化度Dを算出する。具体的には、発光時の素子温度の範囲と駆動電流量の範囲との組み合わせ毎に積算発光時間Hと劣化係数δと乗算し、その総和を求めることによって、劣化度Dが算出される。
補正係数テーブル706は、OLED201の劣化度Dの範囲RD毎に、素子温度の温度範囲RTと設定光量Lの組み合わせ毎の補正係数γを記憶する。図14は、補正係数テーブルを例示する。図14においては、例えば、素子温度が温度範囲RT1内にあって、かつ、設定光量識別子がL1であるときの補正係数γは1.011である。
駆動電流量算出部708は、OLED201毎の設定電流量に補正係数γを乗算することによって駆動電流量を算出する。
温度センサー320は、OLED201の素子温度を指標する情報として、ドライバーIC302の素子温度を検出する。OLED201とドライバーIC302とは同じTFT基板300上に実装されているので、TFT基板300を介した熱伝導によって互いに素子温度が近くなっていると考えられる。
[5]劣化時の発光量補正
次に、OLED201の劣化時の発光量補正について説明する。
ドライバーIC302は、OLED201を発光させるのに先立って、図15に示されるように、温度センサー320を参照して、自らの素子温度をOLED201の素子温度として取得する(S1501)。その後、OLED201毎にステップS1502からS1510までの処理を繰り返す。
まず、劣化度算出部707にて、積算発光時間記憶部704を参照して、発光時の素子温度の温度範囲RTと駆動電流量の範囲RIとの組み合わせ毎の積算発光時間Hを取得する(S1502)。次に、位置情報記憶部703を参照して、当該OLED201の膜厚が属する膜厚範囲Rを特定する(S1503)。更に、劣化係数テーブル705を参照して、発光時の素子温度の温度範囲RTと駆動電流量の範囲RIとの組み合わせ毎の劣化係数δを取得する(S1504)。
そして、積算発光時間Hと劣化係数δとから劣化度Dを算出する(S1505)。発光時の素子温度のi番目の温度範囲RTiと、駆動電流量のj番目の範囲RIjとにそれぞれ対応する積算発光時間Hijと劣化係数δijを用いて、劣化度Dが次式により算出される。
Figure 0006455176
次に、駆動電流量算出部708は、設定光量記憶部701を参照して、当該OLED201の設定光量Lを特定する(S1506)。更に、ステップS1505で算出した劣化度Dに対応する補正係数テーブル706を参照して、設定光量Lと現在の素子温度Tとに対応する補正係数γを取得する(S1507)。更に、当該OLED201の設定光量Lに対応する設定電流量Inを取得する(S1508)。
駆動電流量算出部708は、補正係数γと設定電流量Inとを次式のように乗算することによって駆動電流量Iを算出する(S1509)。
Figure 0006455176
最後に、駆動電流量算出部708は、当該OLED201を当該駆動電流量Iで発光させた時間を、積算発光時間記憶部704が記憶する積算発光時間Hのうち、当該駆動電流量Iを含む範囲RIと、ステップS1501で取得した素子温度Tを含む温度範囲RTとに対応する積算発光時間Hに加算する(S1510)。
その後、ドライバーIC302は、次のOLED201について上記と同様に駆動電流量Iを算出し、すべてのOLED201について駆動電流量Iを算出したら、OLED201を発光させる。
このようにすれば、OLED201毎の膜厚に応じた劣化係数δを用いて駆動電流量Iを算出するので、マザーガラス400上での位置の違いから生じる劣化特性の違いに起因する発光量のムラを補正することができる。
[6]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態においては、OLED201の位置毎に有機発光層502の膜厚の範囲を記憶して、劣化係数δに反映させる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
すなわち、同じOLEDパネル200に実装されたOLED201どうしで膜厚の差が小さく、従って劣化特性の差が無視できる程度である場合には、位置情報記憶部703は、OLEDパネル200の位置情報ごとに膜厚範囲Rを記憶してもよい。この場合においては、OLED201の膜厚が属する膜厚範囲Rを特定するステップS1503は、OLED201毎のループ処理よりも前に実行しても良い。
このようにしても、本発明の効果を得ることができる。また、位置情報記憶部703が必要とする記憶容量を削減することができる。
(2)上記実施の形態においては、OLED201の有機発光層502の膜厚以外に、OLED201の素子温度や駆動電流量を勘案して劣化度Dを算出する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、発光時の素子温度や駆動電流量の一方または双方が劣化度Dに与える影響が無視できる程度である場合には、当該因子を除外して劣化度Dを算出してもよい。
例えば、発光時の素子温度と駆動電流量の双方が無視できる場合には、図10のテーブルで膜厚の範囲を記憶するのに代えて、劣化係数δを記憶させてもよい。また、何れか一方のみを採用する場合には、図11や図12のテーブルが採用する方の因子のみを用いたテーブルになる。
何れの場合にも、マザーガラス400上でのOLEDパネル200やOLED201の位置を考慮した劣化係数δが用いられるので、本発明の効果を得ることができる。
(3)上記実施の形態において説明したように、本発明に係る光書込み装置100は、マザーガラス400上でのOLEDパネル200の位置を考慮して発光量の劣化補正を行うために、光書込み装置100の製造過程において当該位置を表す位置情報を当該光書込み装置100に記憶させることを特徴とする。
すなわち、マザーガラス400上にOLED201を形成する際に、個々のOLEDパネル200に対応する領域毎に、当該OLEDパネル200のマザーガラス400上での位置を示すマーキング600を記録しておき、マザーガラス400から切り出されたOLEDパネル200からマーキング600を読み取って位置情報Pを生成する。そして、生成された位置情報Pを、当該OLEDパネル200を搭載した光書込み装置100の位置情報記憶部703に記憶させる。
このような製造方法によって、光書込み装置100を製造すれば、上述のような効果を得ることができる。
(4)上記実施の形態においては、図6に示されるように、マーキング600としてアルファベット文字が用いる場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、撮像若しくは目視によって識別することができるパターンであれば、バーコード等、アルファベット文字以外のパターンをマーキング600として用いてもよい
また、マザーガラス400上でのOLEDパネル200の位置を識別するための回路を、各OLEDパネル200のTFT基板300上に実装してもよい。例えば、OLEDパネル200の位置毎に導通する経路が異なる回路を用いれば、当該経路の導通の有無によってOLEDパネル位置を識別することができる。
(5)上記実施の形態においては、画像形成装置1がタンデム型のカラープリンターである場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、タンデム型以外のカラープリンターに本発明を適用してもよいし、モノクロプリンターに適用してもよい。また、スキャナーを備えた複写装置や、更に通信機能を備えたファクシミリ装置、或いはこれらの機能を兼ね備えた複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
本発明に係る光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法は、OLEDの劣化に起因する発光量のバラツキを抑制する技術として有用である。
1………画像形成装置
100…光書込み装置
200…OLEDパネル
201…OLED
302…ドライバーIC
400…マザーガラス
502…有機発光層
600…マーキング
321…不揮発性メモリ
703…位置情報記憶部
705…劣化係数テーブル
706…補正係数テーブル
707…劣化度算出部
708…駆動電流量算出部

Claims (8)

  1. マザーガラスから切り出されたOLEDパネルに形成された複数のOLEDを発光させることによって光書込みを行う光書込み装置であって、
    前記マザーガラスから前記OLEDパネルを切り出す以前における、当該マザーガラス上でのOLEDの位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、
    OLED毎の積算発光時間を記憶する積算発光時間記憶手段と、
    OLED毎の駆動電流量を、前記位置情報と当該OLEDの積算発光時間とに応じて補正する駆動電流量補正手段と、備える
    ことを特徴とする光書込み装置。
  2. 前記位置情報記憶手段は、前記OLEDの位置を示す位置情報として、前記マザーガラスから前記OLEDパネルを切り出す以前における、当該マザーガラス上での当該OLEDが形成されている前記OLEDパネルの位置を記憶する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光書込み装置。
  3. 前記位置情報記憶手段は、前記OLEDの位置を示す位置情報として、前記マザーガラスから前記OLEDパネルを切り出す以前における、当該マザーガラス上での各OLEDの位置を記憶する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光書込み装置。
  4. OLEDの素子温度を指標する温度情報を取得する温度情報取得手段と、
    OLED毎に、当該OLEDを発光させたときに検出された温度情報を記憶する温度情報記憶手段と、を備え、
    前記駆動電流量補正手段は、前記位置情報に加えて、更に、当該OLEDに関して記憶されている温度情報も用いて前記駆動電流量を算出する
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の光書込み装置。
  5. 初期状態のOLEDを、光書込み対象への露光ムラなく発光させるための設定光量を記憶する設定光量記憶手段を備え、
    前記駆動電流量補正手段は、更に、OLED毎の設定光量も用いて前記駆動電流量を算出する
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の光書込み装置。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の光書込み装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. マザーガラス上でのOLEDパネルの位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段を有する光書込み装置の製造方法であって、
    マザーガラス上に複数のOLEDを形成するOLED形成ステップと、
    個々のOLEDパネルに対応する領域毎に、当該OLEDパネルのマザーガラス上での位置を示す位置表示を記録する位置記録ステップと、
    マザーガラスから切り出されたOLEDパネルから位置表示を読み取って位置情報を生成する位置情報生成ステップと、
    生成された位置情報を、当該OLEDパネルを搭載した光書込み装置の前記位置情報記憶手段に記憶させる位置情報記憶ステップと、を含む
    ことを特徴とする光書込み装置の製造方法。
  8. 前記位置記録ステップにおいては、当該OLEDの電極を形成する際に当該電極の材料を用いて位置表示を記録する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光書込み装置の製造方法。
JP2015011121A 2015-01-23 2015-01-23 光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法 Active JP6455176B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011121A JP6455176B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011121A JP6455176B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016135555A JP2016135555A (ja) 2016-07-28
JP6455176B2 true JP6455176B2 (ja) 2019-01-23

Family

ID=56512814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015011121A Active JP6455176B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6455176B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7307535B2 (ja) * 2018-10-26 2023-07-12 シーシーエス株式会社 Oled駆動システム
KR102133900B1 (ko) * 2018-12-27 2020-07-15 캐논 톡키 가부시키가이샤 얼라인먼트 시스템, 성막 장치, 성막 방법, 및 전자 디바이스 제조방법
JP7440355B2 (ja) 2020-06-26 2024-02-28 キヤノントッキ株式会社 アライメント装置、成膜装置、アライメント方法、電子デバイスの製造方法、プログラム及び記憶媒体
JP7440356B2 (ja) 2020-06-26 2024-02-28 キヤノントッキ株式会社 アライメント装置、成膜装置、アライメント方法、電子デバイスの製造方法、プログラム及び記憶媒体
JP7438865B2 (ja) 2020-06-26 2024-02-27 キヤノントッキ株式会社 アライメント装置、成膜装置、アライメント方法、電子デバイスの製造方法、プログラム及び記憶媒体

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7053920B1 (en) * 2005-03-11 2006-05-30 Nuelight Corporation Feedback control apparatus and method for an emissive printhead
JP2007311752A (ja) * 2006-01-13 2007-11-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 発光装置および発光装置の製造方法
JP2011156690A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Seiko Epson Corp 露光ヘッドおよび画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016135555A (ja) 2016-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6455176B2 (ja) 光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の製造方法
US6504565B1 (en) Light-emitting device, exposure device, and image forming apparatus
JP6217606B2 (ja) 発光装置及び画像形成装置
US20090140658A1 (en) Light emitting device, method of driving the same, and electronic apparatus
JP2018118481A (ja) 光書き込み装置及び画像形成装置
US7468736B2 (en) Image forming apparatus
JP2007216540A (ja) 多重画像形成装置
JP6263777B2 (ja) 光書き込み装置および画像形成装置
JP2007062019A (ja) 画像形成装置
JP2009154530A (ja) 発光装置とその駆動方法、および電子機器
JP2016099582A (ja) 発光装置及び画像形成装置
JP6613823B2 (ja) 光書き込み装置及び画像形成装置
JP6365019B2 (ja) 光書込み装置及び画像形成装置
JP6750421B2 (ja) 光書込み装置及び画像形成装置
US20180367693A1 (en) Image forming device, control method, and recording medium
JP2010120199A (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP2005144685A (ja) ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置
JP2007290330A (ja) 画像形成装置
JP2006346871A (ja) 画像形成装置
JP2004330472A (ja) 画像形成装置および画像形成方法
US10802416B1 (en) Print head and image forming apparatus
US8687034B2 (en) Exposure apparatus and image forming apparatus
JP2004216628A (ja) ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置
JP2007210139A (ja) ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置
JP4508817B2 (ja) 露光ヘッド及びそれを用いた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6455176

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150