JP2007290330A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の温度変化によらず、均一な画像を形成することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】露光によって形成される像を担持する感光体8と、感光体8を露光するための光を出射する発光部600と、発光部600による発光光量を計測し、光量計測信号を出力する光量計測部700を備える。光量計測部700の光量計測信号は、エンジン制御部41を介してコントローラ41に送られ、量計測信号が所定の値になるように、発光部600の発光光量が制御される。ここで、光量計測部700の温度に対する光量計測信号の傾きの符号と、感光体8の温度に対する感度の傾きの符号とは一致させている。
【選択図】図11

Description

本発明は、露光によって形成される像を利用した画像を形成する画像形成装置に関する。
予め所定の電位に帯電した感光体を画像データに応じて露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像し、顕画化されたトナー像を記録紙に転写、加熱定着して画像を得る、いわゆる電子写真プロセスを応用した画像形成装置が、各種実現されている。このような画像形成装置に用いられる露光手段(以降、画像形成装置の構成上の態様等を説明する場合には露光装置と呼称する)は、露光光としてのレーザダイオードを光源とした光ビームを、ポリゴンミラーと呼称される回転多面鏡を介して感光体上を走査して静電潜像を形成するものと、発光ダイオード(以降LEDと呼称する)や有機エレクトロルミネッセンス材料を用いて構成した発光素子をライン状に配置した発光素子列を用いて、各発光部を個別に点灯(ON/OFF)制御して感光体上に静電潜像を形成するものが知られている。
一般に、LEDや有機エレクトロルミネッセンス材料を用いた発光素子列を構成要素として含む露光装置は、感光体のごく近傍で各発光素子を選択的に点灯して感光体上に露光光を照射するので、これらを搭載した画像形成装置は、レーザダイオードを用いた画像形成装置における回転多面鏡のような可動部がないので信頼性、静粛性が高く、またレーザダイオードの出射光を感光体に導く光学系や、光の経路となる大きな光学的空間が不要であるので画像形成装置を小型化することが可能である。
特に、発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した露光装置は、ガラス等の基板上に薄膜トランジスタ(Thin Film Trnasistor。以降TFTと呼称する)からなるスイッチング素子で構成される論理回路や駆動回路、及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一体として形成できるため、構造、製造工程がシンプルであり、発光素子としてLEDを搭載した露光装置と比較して更なる小型化、低コスト化を実現できる可能性がある。
その一方で、有機エレクトロルミネッセンス素子は、その駆動に伴って発光輝度が徐々に低下する、いわゆる光量劣化が発生することが知られている。また、一般的なディスプレイ装置等に応用される有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度は高々1000[cd/m]程度でよいのに対し、電子写真装置等の画像形成装置に搭載される露光装置に応用される有機エレクトロルミネッセンス素子には、例えば画像形成装置の仕様として600dpi(dot per inch)、20ppm(pages per minute)程度のスペックを想定すると10000[cd/m]以上の発光輝度が要求され、その駆動条件は高電圧、大電流の非常に過酷なものとなる。このため、露光装置に応用される有機エレクトロルミネッセンス素子は、表示装置に応用される場合と比較して光量劣化の影響を受けやすく、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を初期と同等の状態に維持するために何らかの光量補正が必要となる。
特許文献1、2には、有機エレクトロルミネッセンス素子が出射する光の光量(以降、「有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量」のように呼称する。またこれに準じ、例えば「発光素子が出射する光の光量」は「発光素子の発光光量」のように呼称する)の補正を行う画像形成装置が示されている。
特許文献1の画像形成装置は、露光装置におけるn番目の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量Pgnを検査治具にて予め計測するとともに、この際に上述の受光素子で光量Phnも計測し、これらに基づいて補正係数Pgn/Phnを算出し、この補正係数を露光装置あるいは画像形成装置に搭載した記憶手段に記憶させておくものである。そして、露光装置を画像形成装置に組み込んだ後は、適宜上述した受光センサによる光量検出結果と記憶手段に記憶された補正係数に基づき、有機エレクトロルミネッセンス素子の新たな駆動電流等を決定することで、常に有機エレクトロルミネッセンス素子の初期の発光光量を維持できるようにしている。
また、特許文献2の露光装置は、有機エレクトロルミネッセンス等を応用した発光素子と受光素子とを備える画素を基板上に配列し、画像形成時には発光素子から出射された光を受光素子でモニタし、露光装置を搭載した画像形成装置にて発光素子の出力光強度を制御するものである。したがって、特許文献2の画像形成装置は、発光素子の発光光量を均一に維持することができるので、画像形成装置は経時変化や温度等の環境変動に影響されることなく、常に品質の高い画像を形成することができるとしている。
しかし、感光体を露光して得られる静電潜像の濃度は、温度依存性があり、露光量が一定でも温度によって変動することが知られている。
図16に、感光体の温度と感度の関係の一例を示す。ここで言う感光体は、アルミニウム等の基材上に電荷発生層と電荷輸送層(いずれも図示せず)を積層させ、少なくとも電荷輸送層を有機物で構成した、いわゆる有機感光体である(以降の説明においては単に感光体と呼称する)。
図16において横軸は環境温度を、縦軸は感光体の感度を示している。ここで言う感度には、例えば予め所定の電位に帯電しておいた感光体像面に所定の光量(時間で規定する場合は所定のエネルギー)の光を照射した際の感光体の表面電位変化量、あるいは感光体像面に所定サイズの光スポットを形成した際に特定の等電位線が囲む面積の変化量、感光体上に転写、担持されるトナー重量の変化量、これに伴って変化する画像濃度の変化量等、いくつかの指標を用いることができるがいずれであってもよい。図示するように感光体の感度は、明確な温度特性を有しており、温度の上昇に伴って感光体の感度は増大するのが一般的な傾向である。すなわち、感光体は温度の上昇に伴って潜像が形成されやすくなり、得られる画像の濃度が濃くなる。この温度に伴う感度の変化は、主に感光体を構成する電荷輸送層(図示せず)における電荷移動度が温度によって変化するためと考えられている。
このように感光体には温度特性が存在するため、発光光源の光量を一定に制御しても、得られる画像の濃度が温度によって変動する。
特開2004−082330号公報 特開2002−144634号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、周囲の温度変化によらず、均一な画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、露光によって形成される像を担持する像担持体と、前記像担持体を露光するための光を出射する発光部と、前記発光部が出射する光の光量を計測し、光量計測信号を出力する光量計測部と、前記光量計測部からの前記光量計測信号が所定の値になるように、前記発光部が出射する光の光量を制御する光量制御部とを備え、前記光量計測部の温度に対する前記光量計測信号の傾きの符号と、前記像担持体の温度に対する前記像担持体が担持する像によって形成される画像濃度の傾きの符号とが一致しているものである。
本発明によれば、周囲の温度変化によらず、均一な画像を形成することができる。例えば、光量計測信号の傾きの符号と画像濃度の傾きの符号が共に正である場合、温度の上昇に伴って光量計測信号が実際より大きくなる。したがって、光量制御部は発光部の光量が増大したと認識し、発光光量が減少するように制御する。しかし、像担持体による画像濃度も温度の上昇に伴って高くなる特性であるので、発光光量の減少によって濃度増加が抑えられ、結果として温度変化に伴う画像濃度の変動が抑えられ、均一な画像を形成することができる。
本発明の画像形成装置は、前記光量計測部が、前記発光部が出射する光を受光して電気信号に変換する受光素子を備え、前記受光素子の温度に対する前記電気信号の傾きの符号と、前記像担持体の温度に対する前記像担持体が担持する像によって形成される画像濃度の傾きの符号とが一致しているものを含む。本発明によれば、受光素子の出力をそのまま光量計測信号とすることで、光量計測信号の傾きの符号と画像濃度の傾きの符号を一致させることができ、構成が簡単になる。
本発明の画像形成装置は、前記光量計測部が、前記光量計測部の温度特性と前記像担持体の温度特性の差を縮減する特性差補正部を備え、前記特性差補正部が、前記像担持体の温度に対する前記画像濃度の変化率と、前記光量計測部の温度に対する前記光量計測信号の変化率との差を縮減させる補正を行うものを含む。本発明によれば、光量計測信号の傾きと画像濃度の傾きが大きく異なっている場合でも、周囲の温度変化によらず、均一な画像を形成することができる。
本発明の画像形成装置は、前記光量計測部が、前記発光部が出射する光を受光して電気信号に変換する受光素子を備え、前記特性差補正部が、前記像担持体の温度に対する前記画像濃度の変化率と、前記受光素子の温度に対する前記電気信号の変化率との差を縮減させる補正を行うものを含む。本発明によれば、受光素子の出力信号の傾きと画像濃度の傾きが大きく異なっている場合でも、周囲の温度変化によらず、均一な画像を形成することができる。
本発明の画像形成装置は、前記特性差補正部が、前記電気信号のオフセットの調整及びレベル変換を行うものを含む。本発明によれば、特性差の補正を簡単な演算で行うことができる。
本発明の画像形成装置は、前記光量計測部の温度を制御する計測部温度制御部を備えるものを含む。本発明によれば、光量計測信号の傾きが画像濃度の傾きより大きい場合でも、光量計測部の温度変動幅を小さくできるため、実質的に、光量計測信号の傾きと画像濃度の傾きとの差を小さくすることができる。
本発明の画像形成装置は、前記像担持体の温度を制御する像担持体温度制御部を備えるものを含む。本発明によれば、光量計測信号の傾きが画像濃度の傾きより小さい場合でも、像担持体の温度変動幅を小さくできるため、実質的に、光量計測信号の傾きと画像濃度の傾きとの差を小さくすることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、周囲の温度変化によらず、均一な画像を形成することができる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の画像形成装置の構成図である。図1の画像形成装置1は、縦方向に階段状に配列されたイエロー現像ステーション2Y、マゼンタ現像ステーション2M、シアン現像ステーション2C、ブラック現像ステーション2Kと、トナーボトル17と、各現像ステーション2Y、2M、2C、2Kの下部に配置された露光装置13Y、13M、13C、13Kと、給紙トレイ4と、給紙トレイ4から供給された記録紙3の搬送路となる記録紙搬送路5と、給紙ローラ18と、入口側のニップ搬送手段を構成するレジストローラ19、ピンチローラ20対と、出口側のニップ搬送手段を構成する定着器23と、記録紙搬送ドラム33と、フェイスダウン排紙部34と、蹴り出しローラ35と、排紙トレイ39を備える。また、画像形成装置1は、駆動源38と、コントローラ41と、エンジン制御部42と、電源部43を備える。さらに、画像形成装置1は、給紙ローラ18と入口側のニップ搬送手段との間に配置された記録紙通過検出センサ21と、記録紙搬送ドラム33の下方に配置された記録紙後端検出センサ28と、記録紙搬送ドラム33の側方に配置されたトナー像検出センサ32を備える。
現像ステーション2Y〜2Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーボトル17から供給されるトナーを利用してトナー像を形成する。トナーボトル17は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを格納しており、各現像ステーション2Y〜2Kにトナーを供給するものである。トナーの供給は、トナーボトル17と各現像ステーション2Y〜2Kとの間に配設されたトナー搬送用のパイプ(図示せず)を介して行われる。
イエロー現像ステーション2Yには感光体8Y、マゼンタ現像ステーション2Mには感光体8M、シアン現像ステーション2Cには感光体8C、ブラック現像ステーション2Kには感光体8Kが含まれる。感光体8Y〜8Kは、露光装置13Y〜13Kにより露光され、その表面には静電潜像が形成される。また、各現像ステーション2Y〜2Kには後に説明する現像スリーブ、帯電器等、一連の電子写真プロセスにおける現像工程を実現する部材が含まれている。
なお、現像ステーション2Y〜2Kは、現像する色が異なるだけで構成は同一であるため、以降の説明を簡単にするため特に明示する必要がある場合を除いて現像ステーション2と記述して色を特定せずに説明する。また、対応する感光体8Y〜8K、及び露光装置13Y〜13Kについても、同様に感光体8、露光装置13と記述して説明する。
図2に、図1の画像形成装置1における現像ステーション2の周辺の構成を示す。
図2の現像ステーション2は、攪拌パドル7a、7b、感光体8、帯電器9、現像スリーブ10、薄層化ブレード11を含んで構成され、攪拌パドル7a、7bが収容される容器内部には、キャリアとトナーの混合物である現像剤6が充填されている。現像ステーション2の下方には、露光装置13が配置されるとともに、記録紙搬送路5を挟んで感光体8と対抗する位置には、転写ローラ16が配置されている。
攪拌パドル7a、7bは、現像剤6を攪拌するものであり、攪拌パドル7aと7bの回転によって現像剤6中のトナーはキャリアとの摩擦によって所定の電位に帯電される。また、トナーとキャリアは現像ステーション2の容器内部を巡回することで十分に攪拌混合される。
感光体8は、露光装置13による露光によって形成される像を担持する像担持体であり、アルミニウム等の基材上に電荷発生層と電荷輸送層(いずれも図示せず)を積層させ、少なくとも電荷輸送層を有機物で構成した、いわゆる有機感光体ドラムである。感光体8は図示しない駆動源によって方向D3に回転する。帯電器9は、感光体8の表面を所定の電位に帯電するものである。
現像スリーブ10は、内部に複数の磁極が形成されたマグネットロール12を有しており、図示しない駆動源によって方向D4に回転する。この回転及びマグネットロール12の磁極の作用によって、現像剤6は現像スリーブ10の表面に供給される。薄層化ブレード11は、現像スリーブ10の表面に供給される現像剤6の層厚を規制するものである。現像スリーブ10表面の現像剤6は、後述する露光装置13によって感光体8に形成された静電潜像を現像するとともに、感光体8に転写されなかった現像剤6は現像ステーション2の容器内部に回収される。
露光装置13は、感光体8を露光するものであり、露光光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子を600dpi(dot per inch)の解像度で列状に配置した発光素子列(図2では、図示せず)を有している。感光体8を露光するための光を出射する発光部を構成するこの有機エレクトロルミネッセンス素子を、画像データに応じて選択的にON/OFFすることにより、帯電器9によって所定の電位に帯電した感光体8に最大A4サイズの静電潜像を形成することができる。そして、この静電潜像部分に現像スリーブ10の表面に供給された現像剤6のうちトナーのみが付着し静電潜像が顕画化される。
詳細は後述するように、露光装置13には、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量を計測する光量計測部を構成する受光素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子と一対一に形成されている。受光素子の検出信号は、有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動制御に利用される。
転写ローラ16は、記録紙搬送路5を挟んで感光体8と対向する位置に設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ16には所定の転写バイアスが印加されており、感光体8上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路5を搬送されてきた記録紙3に転写する。
図1に戻って説明を続ける。
給紙トレイ4は、縦方向に階段状に配列された現像ステーション2Y〜2Kの上方に配置され、記録紙3が収容される。給紙トレイ4から供給された記録紙3は、記録紙搬送路5を上方から下方に縦方向に搬送される。
給紙ローラ18は、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ4に装填された記録紙3を記録紙搬送路5に送り出すものである。
レジストローラ19、ピンチローラ20対は、入口側のニップ搬送手段を構成するものであり、給紙ローラ18と最上流のイエロー現像ステーション2Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路5に設けられている。レジストローラ19、ピンチローラ20対は、給紙ローラ18により搬送された記録紙3を一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション2Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙3の先端がレジストローラ19、ピンチローラ20対の軸方向と平行に規制され、記録紙3の斜行を防止する。
記録紙通過検出センサ21は、記録紙3の通過を検出するものである。記録紙通過検出センサ21は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙3の先端及び後端を検出する。
記録紙3の給紙機構は、以上のように構成されているので、図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御してレジストローラ19の回転を開始すると、一時的に停止されていた記録紙3は、記録紙搬送路5に沿ってイエロー現像ステーション2Yの方向に搬送される。そして、レジストローラ19の回転開始のタイミングを起点として、各現像ステーション2Y〜2Kの近傍に配置された露光装置13Y〜13Kによる静電潜像の書込みタイミング、現像バイアスのON/OFF、転写バイアスのON/OFF等がそれぞれ独立して制御される。
出口側のニップ搬送手段を構成する定着器23は、最下流のブラック現像ステーション2Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路5に設けられている。定着器23は加熱ローラ24、加圧ローラ25、温度センサ27を含んで構成される。
温度センサ27は、加熱ローラ24の温度を検出するためのものである。温度センサ27は、金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して接触した対象物の温度を計測するものである。温度センサ27の出力は後述するエンジン制御部42に入力され、エンジン制御部42は温度センサ27の出力に基づいて加熱ローラ24に内蔵された熱源(図示せず)に供給する電力を制御し、加熱ローラ24の表面温度が約170゜Cとなるように制御する。
この定着器23にトナー像が形成された記録紙3が通紙されると、記録紙3上のトナー像は温度制御がされた加熱ローラ24と加圧ローラ25によって加熱及び加圧され、トナー像が記録紙3上に定着される。
記録紙後端検出センサ28は、記録紙3の排出状況を監視するものである。トナー像検出センサ32は、トナー像の位置、濃度等を検出するものである。トナー像検出センサ32は、発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙3の地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ32は画像濃度のみならず画像形成位置も検出できるため、図1の画像形成装置1では、トナー像検出センサ32を画像形成装置1の幅方向に2ヶ所設け、記録紙3上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき画像形成タイミングを制御している。
記録紙搬送ドラム33は、定着後の記録紙3を搬送するものである。記録紙搬送ドラム33は、表面を200μm程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙3は記録紙搬送ドラム33に沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙3は、記録紙搬送ドラム33によって冷却されるとともに、画像形成面が外側になるように湾曲されて搬送される。これによって記録紙全面に高濃度の画像を形成した場合等に発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙3は蹴り出しローラ35によって方向D6に搬送され、排紙トレイ39に排出される。
フェイスダウン排紙部34は、支持部材36を中心に回動可能に構成され、フェイスダウン排紙部34を開放状態にすると、記録紙3は方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部34は、閉状態では記録紙搬送ドラム33とともに記録紙3の搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ37が形成されている。
駆動源38は、画像形成装置1に含まれる各駆動部を駆動するものであり、図1の画像形成装置1ではステッピングモータを採用している。駆動源38によって駆動される駆動部には、給紙ローラ18、レジストローラ19、ピンチローラ20、感光体8Y〜8K及び転写ローラ16(図2参照)を含む各現像ステーション2Y〜2Kの周辺部の駆動部、定着器23、記録紙搬送ドラム33、蹴り出しローラ35が含まれる。
コントローラ41は、図示しない外部のコンピュータ等からの画像データを、外部のネットワーク等を介して受信し、受信した画像データを展開してプリント可能な2値画像データを生成するものである。また、詳細は後述するように、コントローラ41に搭載されたコントローラCPU(図1では図示せず)は、露光装置13Y〜13Kに設けられた光量計測部を構成する受光素子によって計測された有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量の計測データを受け取り(コントローラCPUが受け取る計測データは、特性差補正部による補正を施されているが、詳細は後述する。)、有機エレクトロルミネッセンス素子の光量制御部として機能する。すなわち、光量補正データの生成を行う光量補正部として機能するとともに、この光量補正データに基づき有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を設定する光量設定部としても機能する。光量制御の詳細については、後述する。
エンジン制御部42は、画像形成装置1全般の制御を行うものである。エンジン制御部42が行う制御には、コントローラ41から転送された画像データ及び光量補正データに基づいて記録紙3にカラー画像を形成するための画像形成装置1のハードウェアやメカニズムの制御、定着器23の加熱ローラ24の温度制御が含まれる。
電源部43は、画像形成装置1の各要素に電源を供給するものである。具体的には、露光装置13Y〜13K、駆動源38、コントローラ41、エンジン制御部42へ所定電圧の電力供給を行うとともに、定着器23の加熱ローラ24への電力供給を行っている。また、感光体8の表面を帯電するための帯電電位、現像スリーブ(図2参照)に印加する現像バイアス、転写ローラ16に印加する転写バイアス等のいわゆる高圧電源系もこの電源部43に含まれている。なお、エンジン制御部42は、電源部43を制御することで、高圧電源のON/OFFのみならず出力電圧値や出力電流値を調整している。
また、電源部43は電源監視部44を含んでおり、少なくともエンジン制御部42に供給される電源電圧、及び電源部43の出力電圧をモニタできるようになっている。電源監視部44からのモニタ信号は、エンジン制御部42に入力され、電源スイッチのオフや停電等の際に発生する電源電圧の低下や、特に高圧電源の出力異常の検出に利用される。
以上のように構成された画像形成装置1について、図1と図2を用いてその動作について説明する。以降の説明において、画像形成装置1の構成及び動作全般に関わる説明については、主に図1を用い、現像ステーション2Y〜2K、感光体8Y〜8K、露光装置13Y〜13Kのように色を区別して説明する。また、露光や現像過程等単色に関わる説明については、主に図2を用い、簡単のために現像ステーション2、感光体8、露光装置13のように色を区別せずに説明する。
まず、画像形成装置1に電源が投入された際の初期化動作について説明する。電源が投入されると、エンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図1では図示せず)は、画像形成装置1を構成する電気的リソース、すなわち書込み/読出しが可能なレジスタ、メモリ等のエラーチェックを実行する。このエラーチェックが完了すると、エンジン制御CPU(図1では図示せず)は、駆動源38の回転を開始する。上述したように駆動源38によって給紙ローラ18、レジストローラ19、ピンチローラ20、感光体8Y〜8K、及び転写ローラ16を含む各現像ステーション2Y〜2Kの周辺部、定着器23、記録紙搬送ドラム33、蹴り出しローラ35が駆動される。ただし、電源投入直後は、記録紙3の搬送にかかわる給紙ローラ18及びレジストローラ19は、これらに駆動力を伝達する電磁クラッチ(図示せず)が直ちにOFFに設定され、記録紙3を搬送することがないように制御されている。
続いて、図2を用いて、現像ステーション2の周辺部の動作を説明する。駆動源38(図1参照)の回転に伴って現像ステーション2の攪拌パドル7a、7b及び現像スリーブ10も回転を始める。これによって、現像ステーション2の容器内に充填されたトナーとキャリアからなる現像剤6は現像ステーション2の容器内を周回するとともに、トナーとキャリアの相互の摩擦によって、トナーはマイナスに帯電する。
エンジン制御CPU(図1では図示せず)は、駆動源38(図1参照)の回転を開始して所定時間経過後に、電源部43(図1参照)を制御して帯電器9をONにする。帯電器9によって感光体8の表面は例えば−700Vの電位に帯電される。感光体8は方向D3に回転しており、エンジン制御CPU(図1では図示せず)は、感光体8の帯電領域が現像領域、すなわち感光体8と現像スリーブ10の最近接位置に到達した後に、電源部43(図1参照)を制御して現像スリーブ10に例えば−400Vの現像バイアスを印加する。このとき感光体8の表面電位は−700Vであり、現像スリーブ10に印加された現像バイアスは−400Vであるから、電気力線は現像スリーブ10から感光体8の方向を向きとなる。この時、マイナスに帯電しているトナーに作用するクーロン力は、感光体8から現像スリーブ10の方向となるので、トナーが感光体8に付着することはない。
既に述べたように、電源部43(図1参照)には高圧電源の出力異常(例えばリーク等)をモニタする機能があり、エンジン制御CPU(図示せず)は帯電器9や現像スリーブ10に高電圧を印加した際の異常をチェックすることができる。
これら一連の初期化動作の最後に、エンジン制御CPU(図1では図示せず)は、露光装置13の光量補正を実行する。すなわち、エンジン制御部42(図1参照)に搭載されたエンジン制御CPU(図1では図示せず)は、コントローラ41(図1参照)に対して光量補正用のダミー画像データの作成要求を出力する。この作成要求に基づき、コントローラ41(図1参照)は光量補正用のダミー画像データを生成し、生成したダミー画像データに基づいて、露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子は初期化の時点で点灯制御される。第1の実施の形態の画像形成装置においては、このときに露光装置13に設けられた受光素子(図1では図示せず)で各有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量を計測し、この発光光量の検出結果に基づいて個々の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量が略等しくなるように光量の補正を行っている。
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量の計測は、画像形成装置1の感光体8や現像ステーション2Y〜2K等の作像に係るユニットが駆動している状態で実行される。これは、感光体8の回転を停止した状態で発光光量を計測すると感光体8の同一部分が継続的に露光され、いわゆる光暴露の状態となって感光体8の特性が局所的に劣化するためである。よって発光光量の計測は少なくとも感光体8を回転駆動させるとともに、感光体8へのトナー付着を防止するために帯電器9で感光体8を帯電させた状態で行う必要がある。ただし光量計測によって、感光体8の同一部分が継続的に露光されないような工夫、例えば画像形成装置1の動作を停止する際に、停止するタイミングを適当に変化させて、光量計測時に感光体8の同一部分を露光しないようにする、などを行なえば、感光体8を停止させた状態で有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量を計測することが可能である。
次に、画像形成装置1の画像形成動作について、引き続き図1に図2を併用して説明する。コントローラ41に外部から画像データが転送されると、コントローラ41は画像データを印字可能な例えば2値画像データとしてイメージメモリ(図1では図示せず)に展開する。画像データの展開が完了すると、コントローラ41に搭載されたコントローラCPU(図1では図示せず)は、エンジン制御部42に対して起動要求を発する。この起動要求は、エンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図1では図示せず)によって受信され、起動要求を受信したエンジン制御CPU(図1では図示せず)は、直ちに駆動源38を回転させて画像形成の準備を開始する。
この過程は電気的リソースに関するエラーチェックを除き、既に説明した初期化動作の場合と同様であり、エンジン制御CPU(図1では図示せず)は、この時点でも上述したシーケンスに従って有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量を計測することが可能である。なお、第1の実施の形態の画像形成装置1における受光素子による有機エレクトロルミネッセンス素子の光量計測時間は、後述するように20ms程度に設定されているので、露光装置13に搭載された全ての有機エレクトロルミネッセンス素子を例えば16の期間に分割して発光光量を計測する場合は、20ms×16=320msで計測が完了する。
上述した過程を経て画像形成の準備が完了すると、エンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)は、電磁クラッチ(図示せず)を制御して給紙ローラ18を回転させ記録紙3の搬送を開始する。給紙ローラ18は、例えば全周の一部を欠いた半月ローラであり、記録紙3をレジストローラ19の方向に搬送するとともに、一回転するとその回転を停止する。エンジン制御CPU(図示せず)は、搬送された記録紙3の先端が記録紙通紙センサ21で検出されると、所定のディレイ期間を設けた上で電磁クラッチ(図示せず)を制御してレジストローラ19を回転させる。このレジストローラの回転に伴って記録紙3は記録紙搬送路5に供給される。
エンジン制御CPU(図1では図示せず)は、このレジストローラ19の回転開始のタイミングを起点として、各露光装置13Y〜13Kによる静電潜像の書込みタイミングをそれぞれ独立に制御する。静電潜像の書込みタイミングは、画像形成装置1における色ずれ等に直接的に影響するため、エンジン制御CPU(図1では図示せず)が直接発生させることはない。具体的にはエンジン制御CPU(図1では図示せず)は、図示しないハードウェアであるタイマ等に各露光装置13による静電潜像の書込みタイミングを予め設定しておき、上述したレジストローラ19の回転を起点として各露光装置13Y〜13Kに対応するタイマの動作を同時に開始する。各タイマは予め設定された時間が経過すると、コントローラ41に対して画像データ転送要求を出力する。
画像データ転送要求を受信したコントローラ41のコントローラCPU(図1では図示せず)は、コントローラ41のタイミング生成部(図1では図示せず)で生成されたタイミング信号(クロック信号、ライン同期信号等)に同期して2値画像データを各露光装置13Y〜13Kに独立して転送する。このようにして2値画像データが露光装置13Y〜13Kに送られ、この2値画像データに基づき露光装置13Y〜13Kを構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の点灯/消灯が制御され、各色に対応した感光体8Y〜8Kが露光される。
露光によって形成された潜像は、図2に示すように現像スリーブ10上に供給された現像剤6に含まれるトナーによって顕画化される。顕画化された各色のトナー像は、記録紙搬送路5を搬送されてきた記録紙3に順次転写される。4色のトナー像の転写を完了した記録紙3は、定着器23に搬送され、定着器23を構成する加熱ローラ24と加圧ローラ25によって挟持搬送される。したがって、転写されたトナー像は、加熱ローラ24の熱と加圧ローラの圧力によって記録紙3に定着される。
形成されるべき画像が複数ページの場合、エンジン制御CPU(図1では図示せず)は、1ページ目の記録紙3の後端が記録紙通過検出センサ21で検出された後、レジストローラ19の回転を一旦停止し、所定の時間経過後に給紙ローラ18を回転させて次の記録紙3の搬送を開始し、更に所定時間経過後に再度レジストローラ19の回転を開始して、次のページの記録紙3を記録紙搬送路5に供給する。このようにレジストローラ19の回転ON/OFFのタイミング制御によって、複数のページにわたって画像を形成する場合、記録紙3の間の時間間隔を設定することができる。この記録紙3の間(以降紙間期間と呼称する。)の時間(以降紙間時間と呼称する)は、画像形成装置1の仕様によっても異なるが、一般に500ms程度を設定することが多い。もちろんこの紙間の期間には通常の画像形成動作(すなわち画像形成装置1の外部から供給された画像データに基づく露光装置13による感光体8に対する露光動作)が行われることはない。
第1の実施の形態の画像形成装置1では、この紙間期間に上述した有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量の計測を行うようにしている。これによって常に有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量を均一に制御することができる。また上述のように有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量の計測は320msという短時間に行うことができるから、任意のタイミングで発光光量の計測を行うことができる。なお、複数ページの印刷を行う場合、全ての紙間期間で発光光量の計測を行う必要はなく、例えば、画像形成装置1の機内温度を図示しない温度検出手段で計測し、初期温度に対して特定の温度差を検出した時、あるいは予め定められた印字枚数に到達した時、等を発光光量の計測タイミングとしてもよい。
図3に、本発明の第1の実施の形態1の画像形成装置1における露光装置13の構成を示す。図3の露光装置13は、ガラス基板50、レンズアレイ51、中継基板52、コネクタA53a、コネクタB53b、筐体A54a、筐体B54bを含んで構成される。
ガラス基板50は、後述する発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子、制御回路や駆動回路を構成する薄膜トランジスタを形成する無色透明の基板であり、例えばホウケイ酸ガラスである。ホウケイ酸ガラスは、コスト的に有利であるが、有機エレクトロルミネッセンス素子や薄膜トランジスタの放熱を効率的に行う必要がある場合には、MgO、Al3、CaO、ZnO等の熱伝導度加成因子を含有するガラス、または石英を用いてもよい。ガラス基板50の面Aには、有機エレクトロルミネッセンス素子及び受光素子(図3では図示せず)が図面と垂直な方向(主走査方向)に600dpiの解像度で形成されている。
レンズアレイ51は、プラスティックまたはガラスで構成される棒レンズ(図示せず)を列状に配置したものであり、ガラス基板50の面Aに形成された有機エレクトロルミネッセンス素子の出射光を正立等倍の像として感光体8の表面に導くためのものである。レンズアレイ51の一方の焦点は、ガラス基板50の面Aであり、もう一方の焦点は感光体8の表面となるようにガラス基板50、レンズアレイ51、感光体8の位置関係が調整されている。すなわち、面Aからレンズアレイ51の近い方の面までの距離L1と、レンズアレイ51の他方の面と感光体8の表面までの距離L2とするとき、L1=L2となるように設定される。
中継基板52は、外部から供給される画像データや光量補正データ、及びその他の制御信号を中継するものであり、例えば、ガラスエポキシ基板の上に電子回路を構成したものである。中継基板52には、少なくともコネクタA53a及びコネクタB53bが実装されている。画像データや光量補正データ、及びその他の制御信号は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブル56によって外部から供給され、コネクタB53bを介して一旦中継し、これらの信号をガラス基板50に渡す。
ガラス基板50の表面にコネクタを直接実装することは、接合強度や多様な環境における信頼性を考慮すると困難であるため、図3の露光装置13では中継基板52のコネクタA53aとガラス基板50との接続手段としてFPC(フレキシブルプリント回路)を採用し(図3では図示せず)、ガラス基板50とFPCの接合は例えばACF(異方性導電フィルム)を用いて、予めガラス基板50上に形成された例えばITO(錫ドープ酸化インジウム)電極に直接接続する構成としている。
一般的にACF等による接続は接合強度が問題となる場合が多いが、このように中継基板52上にユーザが露光装置13を接続するためのコネクタB53bを設けることで、ユーザが直接アクセスするインタフェースに十分な強度を確保することができる。
筐体A54aは、金属板を例えば折り曲げ加工により成型したものである。筐体A54aの感光体8に対向する側にはL字状部位55が形成されており、L字状部位55に沿ってガラス基板50及びレンズアレイ51が配設されている。筐体A54aの感光体8側の端面とレンズアレイ51の端面を同一面に合わせ、更に筐体A54aによってガラス基板50の一端部を支持する構造とすることで、L字状部位55の成型精度を確保すれば、ガラス基板50とレンズアレイ51の成す位置関係を精度よく合わせ込むことが可能となる。このように筐体A54aは寸法精度を要求されるため、金属にて構成することが望ましい。また、筐体A54aを金属製とすることで、ガラス基板50上に形成される制御回路及びガラス基板50上に表面実装されるICチップ等の電子部品へのノイズの影響を抑制することが可能である。
また、筐体A54aは、感光体8と対向する部分においてレンズアレイ51よりも感光体8側に突出した突出部57を有している。突出部57は、感光体8と非接触ではあるものの、感光体8の撓み、軸振れなどの機構的な公差を考慮した上で、感光体8の帯電電荷が除去されない程度に近接して配置されている。突出部57は、感光体8近傍の雰囲気温度を露光装置13に配置されたガラス基板50に伝達するものであり、突出部57によってガラス基板50に設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子及び受光素子の配列方向と感光体8の回転軸方向(すなわち主走査方向)の温度分布を略同一にするという作用を有する。
筐体B54bは、樹脂を成型して得られたものである。筐体B54bのコネクタB53bの近傍には切欠き部(図示せず)が設けられており、ユーザはこの切欠き部からコネクタB53bにアクセスが可能となっている。コネクタB53bに接続されたケーブル56を介して既に説明したコントローラ41(図1参照)から露光装置13に画像データ、光量補正データ、クロック信号やライン同期信号等の制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電源等が供給される。図3に示すように、筐体A54aと筐体B54bが形成する空間内に中継基板52が配置される。
図4に、本発明の第1の実施の形態の画像形成装置1における露光装置13に含まれるガラス基板50の詳細構成を示す。図4(a)はガラス基板50の上面図であり、図4(b)はガラス基板50の要部拡大図である。以降、図4と図3を用いてガラス基板50の構成について詳細に説明する。
ガラス基板50は、厚みが約0.7mmの、少なくとも長辺と短辺を有する長方形形状の基板であり、その長辺方向(主走査方向)には、感光体8(図2参照に)に対する露光光源である複数の有機エレクトロルミネッセンス素子63が600dpi(42.3μmピッチの間隔)で列状に形成されている。これらの有機エレクトロルミネッセンス素子63に対して、ガラス基板50面の法線方向には受光素子120が形成されている。すなわち、有機エレクトロルミネッセンス素子63と受光素子120は全体として積層構造を有する(詳細な構造については後述する)。図4のガラス基板50の長辺方向には、少なくともA4サイズ(210mm)の露光に必要な有機エレクトロルミネッセンス素子63と受光素子120(ともに5120個)が配置されている。ガラス基板50の長辺方向は、後述する駆動制御部58の配置スペースを含め250mmとしている。なお、図4では、簡単のためにガラス基板50を長方形として説明するが、ガラス基板50を筐体A54aに取り付ける際の位置決め用等のために、ガラス基板50の一部に切り欠きを設けるような変形を伴っていてもよい。また、ガラス基板50上に形成される有機エレクトロルミネッセンス素子63を一列としているが、有機エレクトロルミネッセンス素子63は、複数列で構成してもよいし、複数列かつ千鳥状に構成してもよい。
ガラス基板50の有機エレクトロルミネッセンス素子63及び受光素子120の両側には、第1TFT(Thin Film Transistor)回路62と第2TFT回路170が設けられ、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯及び消灯、発光光量の検出を独立に制御する。すなわち、各有機エレクトロルミネッセンス素子63は、詳細は後述するTFT回路(第1TFT回路)によってアクティブマトリクス駆動される。有機エレクトロルミネッセンス素子63と第1TFT回路62は、感光体8を露光するための光を出射する発光部600(詳細は後述する。)を構成する。また、受光素子120と第2TFT回路170は、処理回路59とともに、発光部600による発光光量を計測し、光量計測信号を出力する光量計測部700(詳細は後述する。)を構成する。
有機エレクトロルミネッセンス素子63と第2TFT回路170の全部、及び第1TFT回路62の一部は、封止ガラス64によって封止されている。有機エレクトロルミネッセンス素子63は、水分の影響を受けると発光領域の経時的な収縮(シュリンキング)や、発光領域内に非発光部位(ダークスポット)が生じる等して発光特性が極端に劣化するため、封止ガラス64によって水分を遮断している。図4の封止ガラス64は、接着剤を介して貼り付けるベタ封止法によりガラス基板50に貼り付けられている。なお、図4の有機エレクトロルミネッセンス素子63は、発光領域を成す発光層の材料として高分子材料を採用しており、高分子材料はいわゆるガラス転移温度が明確でなく、高温下にあっても結晶化による特性劣化が少ないことから、封止に際して光硬化性樹脂と比較してガスバリア性が良好な熱硬化性樹脂を採用することができる。
ガラス基板50の一端には駆動制御部58が設けられ、さらにインタフェース手段としてのFPC(フレキシブルプリント回路)60が接続される。駆動制御部58は、ガラス基板50の外部から供給される2値画像データ、光量補正データ及びクロック信号やライン同期信号等の制御信号を受け取り、これらの信号に基づいて有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動を制御するものであり、これらの信号をガラス基板50の外部から受け取るインタフェース手段とインタフェース手段を介して受け取った制御信号に基づき有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動を制御するICチップ(ソースドライバ61)を含んでいる。
FPC60は、中継基板52のコネクタA53aとガラス基板50とを接続するものであり、コネクタ等を介さずガラス基板50に設けられた図示しない回路パターンに直接接続されている。既に説明したように露光装置13に外部から供給された、2値画像データ、光量補正データ及びクロック信号やライン同期信号等の制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動電源は、図3に示す中継基板52を一旦経由した後にFPC60を介してガラス基板50に供給される。
ソースドライバ61は、有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動を制御するICチップであり、ガラス基板50上にフリップチップ実装されている。ガラス面へ表面実装を行うことを考慮し、ソースドライバ61はベアチップ品を採用している。ソースドライバ61には露光装置13の外部からFPC60を介して電源、クロック信号、ライン同期信号等の制御関連信号及び8bitの光量補正データが供給される。ソースドライバ61は、有機エレクトロルミネッセンス素子63に対する駆動電流設定手段として機能する。より具体的には、ソースドライバ61は、有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量補正部及び光量設定部として機能するコントローラ41(図1参照)に搭載されたコントローラCPU(図4では図示せず)によって生成された光量補正データに基づいて、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動するための駆動電流を設定する。光量補正データに基づくソースドライバ61の動作については後に詳細に説明する。
ガラス基板50において、FPC60の接合部とソースドライバ61は、例えば表面に金属層を形成したITO(インジウム錫酸化物)の回路パターン(図示せず)を介して接続されており、駆動電流設定手段として機能するソースドライバ61には、FPC60を介して光量補正データ、クロック信号、ライン同期信号等の制御信号が入力される。このように、インタフェース手段としてのFPC60及び駆動パラメータ設定手段としてのソースドライバ61は、駆動制御部58を構成している。
ガラス基板50上に形成された第1TFT回路62は、シフトレジスタ、データラッチ部等、有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯/消灯のタイミングを制御する論理回路であるゲートコントローラ(図4では図示せず)、及び個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63に駆動電流を供給する駆動回路(図4では図示せず。以降ピクセル回路と呼称する。)を含んでいる。ピクセル回路は、各有機エレクトロルミネッセンス素子63に対して1つずつ設けられ、有機エレクトロルミネッセンス素子63が形成する発光素子列と並列に設けられている。駆動電流設定手段であるソースドライバ61によって、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動するための駆動電流値がこのピクセル回路に設定される。
第1TFT回路62を構成するゲートコントローラ(図4では図示せず)には、露光装置13の外部からFPC60を介して電源、クロック信号、ライン同期信号等の制御信号及び2値画像データが供給され、ゲートコントローラ(図4では図示せず)はこれらの電源及び信号に基づいて個々の発光素子の点灯/消灯タイミングを制御する。ゲートコントローラ及びピクセル回路(ともに図4では図示せず)の動作については後に図面を用いて詳細に説明する。
ガラス基板50上に形成された第2TFT回路170は、基本的にはスイッチング回路の集合である。第2TFT回路170は、ガラス基板50上に形成された5120個の受光素子120の選択回路を構成し、選択された受光素子120の出力を後述する処理回路59へと導く。光量計測の対象となる有機エレクトロルミネッセンス素子63は点灯されたものに限られるから、第1TFT回路62に対して供給された電源や制御信号の多くを第2TFT回路170に流用することが可能であり、これによって露光装置13のインタフェース規模を小さくすることができる。第2TFT回路170によって選択された受光素子120の出力は図示しない配線によって処理回路59に入力される。
処理回路59は、アナログ/ディジタル混載のICチップであり、少なくとも受光素子120の出力をディジタルデータに変換して出力するものである。その際、レベル変換部(詳細は後述する。)を設け、受光素子120で生起した光電流を電圧変換した後、レベル変換し、更にこのレベル変換した値をディジタルデータに変換して出力する。レベル変換部は、後述するように、コントローラ41に入力する光量計測データの補正を行うためのものである。この温度特性差の補正は、感光体8によって形成される像の濃度の感光体8の温度に対する変化率と、光量計測データの温度に対する変化率との差を縮減させる補正である。処理回路59は、受光素子120と第2TFT回路170とともに、発光部600による発光光量を計測し、光量計測信号を出力する光量計測部700(詳細は後述する。)を構成する。処理回路59は、光量計測部600の温度特性と感光体8の温度特性の差を縮減する特性差補正部としての機能を有する。なお、特性差補正部としての機能は、省略も可能である。処理回路59については後に詳細に説明する。なお、温度特性差の補正は必ずしも必須ではない。
処理回路59からのディジタルデータ(以降、光量計測データと呼称する)は、FPC60、中継基板52、ケーブル56(ともに図3参照)を介して露光装置13の外部に出力される。後に詳細に説明するように、光量計測データは、コントローラ41(図1参照)に搭載されたコントローラCPU(図1では図示せず)にて受信され、後述する8bitの光量補正データの生成処理に利用される。
図5に、本発明の第1の実施の形態の画像形成装置1における露光装置13に含まれる有機エレクトロルミネッセンス素子63及びその周辺構造物の断面を示す。図5に示す断面は、図4のB断面である。以降、図5を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子63の構成及び動作を詳細に説明する。
ガラス基板50の面A(図2の面A)には、ベースコート層101が形成される。ベースコート層101は、例えばSiNとSiOを積層することで構成される。ベースコート層101の上の有機エレクトロルミネッセンス素子63に対応する部分には、受光素子120が形成され、さらに、ゲート絶縁膜103、中間層105を介して保護層108、陽極112、発光層114、陰極116が積層されている。受光素子の第1電極121と第2電極122は、中間層105と保護層108の間に形成されている。
また、ベースコート層101の上の有機エレクトロルミネッセンス素子63に対応する領域の側方には、TFT102が設けられ、ゲート絶縁膜103を介してゲート電極が形成される。そして、中間層105を介してソース電極106、ドレイン電極107が形成され、さらに、保護層108、画素規制部118、発光層114、陰極116が積層されている。TFT102の側方には配線パターン119が形成されている。
受光素子120は、光量計測部を構成するものであり、例えば多結晶シリコンによって形成される。有機エレクトロルミネッセンス素子63を構成する発光層114で生起した光は、受光素子120及びガラス基板50を透過して外部に出力されるため(いわゆるボトムエミッション構造)、受光素子120による光吸収は少ない方が望ましい。この点で色を呈する非結晶シリコンの採用は好ましくなく、受光素子120は光透過率が高い多結晶シリコンで構成することが望ましい。なお、ガラス基板50とは反対側に光を出射するいわゆるトップエミッション構造を採用する場合は、受光素子120はむしろ光電流をより多く生起することが可能な非結晶シリコン(アモルファスシリコン)によって構成することが望ましい。受光素子第1電極121はGNDに接続され、受光素子第2電極122は第2TFT回路170(図4参照)と接続されている。
TFT102は、多結晶シリコン(ポリシリコン)によって形成される。本実施の形態においてはTFT102として多結晶シリコンを用いているが、非結晶シリコン(アモルファスシリコン)を用いてもよい。非結晶シリコンの場合、デザインルールや駆動周波数の点で多結晶シリコンと比べて不利になるが、製造プロセスが安価でありコストメリットがある。また、TFTを形成するプロセスにおいて、一部を多結晶シリコンで、他の部分を非晶質シリコンで形成するようにすると、製造工程が複雑化し高コストになるため、上述した受光素子120とTFT102は、同一の材料(本実施の形態においては多結晶シリコン)を用いて形成するとよい。
ゲート絶縁層103は、TFT102とMo等の金属で構成されたゲート電極104を所定の間隔で離間、絶縁するものであり、例えばSiOからなる。中間層105は、例えばSiO及びSiNを積層することで構成される。中間層105は、ゲート電極104を被うとともに、この表面に沿ってAl等の金属で構成されるソース電極106及びドレイン電極107を支持している。ソース電極106及びドレイン電極107は中間層105及びゲート絶縁層103に設けられたコンタクトホールを介してTFT102に接続されており、ソース電極106とドレイン電極107の間に所定の電位差を付与した状態でゲート電極104に所定の電位を付与することで、TFT102はスイッチングトランジスタとして動作する。
保護層108は、例えばSiN等で構成され、ソース電極106を完全に被うとともに、ドレイン電極107の一部にコンタクトホール109を形成する。また、保護層108は、受光素子第1電極121及び受光素子第2電極122を被っている。
保護層108上に形成された陽極112は、本実施の形態ではITO(インジウム錫酸化物)を用いている。陽極112としては、ITOの他にIZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ATO(SbをドープしたSnO)、AZO(AlをドープしたZnO)、ZnO、SnO、In等を用いることができる。陽極112は蒸着法等によっても形成できるがスパッタ法あるいはCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)により形成することが望ましい。この陽極112は、コンタクトホール109にてドレイン電極107と接続されている。
陽極112の表面には画素規制部118が形成され、陽極112及び画素規制部118の全体と接して発光層114が例えばスピンコート法等に代表される塗布工程を含むいわゆる湿式プロセスによって形成されている。更に発光層114と接して陰極116が蒸着法によって形成されている。
本実施の形態においては、有機エレクトロルミネッセンス素子63を構成する発光層114を単層としているが、発光層114を例えばホール注入層、電子ブロック層、発光層、電子注入層(ともに図示せず)などの複数層で構成してもよい。
画素規制部118は、陽極112と陰極116の間にあって実質的に発光領域LAを規制するが、本実施の形態では島状に形成されたポリシリコンからなる受光素子120(図7を参照。図7において受光素子120が離散的に、すなわち島状に形成されている状態を示している)の面積が少なくとも発光領域LAの面積よりも大きくなるように構成している。一般に島状のポリシリコンからなる受光素子120を配置することによって生ずる段差はその上部の構造にまで及ぶが、このように受光素子120のサイズを発光領域LAよりも大きくすることで、受光素子120による段差があったとしても、陽極112はその影響を受けずに平滑性を確保することができる。よって陽極112の上に塗布法(特に印刷法、インクジェット法など、発光領域が形成される部位の凹凸を極力避けるべき製造プロセス)によって形成する場合であっても、発光層114の膜厚が均一化され、発光領域LAにおける発光光量の分布を均一とすることができる。上述のように発光領域LAは画素規制部118によってサイズを規制されるから、実質的な構成上の態様は、この画素規制部118によって島状のポリシリコンからなる受光素子120よりも、発光領域LAのサイズを小さく構成したこととなる。
TFT102は、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63に対して一対一の関係で形成されており電気的には所謂アクティブマトリクス回路を構成する。ソース電極106を正極とし、ソース電極106と陰極116間に所定の電位差を設け、更にゲート電極104を所定の電位に制御することで、正孔がソース電極106、TFT102、ドレイン電極107、陽極112を経て発光層114に注入され、一方陰極116から発光層114に電子が注入される。発光層114では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現象が起こる。
発光層114から放出された光は、陽極112、中間層105、ゲート絶縁層103、受光素子120、ベースコート層101及びガラス基板50を透過し、面Aとは反対の面から射出され図示しない感光体8(図2参照)を露光する。ポリシリコンは比較的透明度が高いため、このように光が出射する側に受光素子を構成することができる。
配線パターン119は、例えば図4に示すソースドライバ61から出力される光量補正データのアナログ信号等を、ピクセル回路に供給するために利用される。
図6、図7に、本発明の第1の実施の形態画像形成装置1における露光装置13に含まれる有機エレクトロルミネッセンス素子63及びその周辺構造物の上面を示す。図6は、1つの受光素子120の周辺の上面を示す図であり、図7は、受光素子120を多数配置した際の上面を示す図である。以降図6と図7を用いて受光素子120及びその周辺の構造を説明する。
図6に示すように、島状のポリシリコンから構成された受光素子120は燐イオンをドープして得られる導電性領域123とイオンドープを施さない半導体領域124を有している。導電性領域123と半導体領域124の境界線の長さは少なくとも発光領域LAの一辺より長くなるように設定されている。光電流は、受光素子120の上部に構成された発光層114(図5参照)からの出射光が半導体領域123に入射することで生起され、その電流密度は導電性領域123と半導体領域124の境界部の断面積に依存するから、両者の境界線を長くすることで実質的に受光素子120が出力する光電流を大きくすることができる。
図7に示すように、受光素子120と有機エレクトロルミネッセンス素子63は一対一に形成されている。本実施の形態においては、これらの対は、主走査方向に600dpiすなわち42.3μmピッチで配置され、各有機エレクトロルミネッセンス素子63の間隔は5μmとしている。受光素子第1電極121は、GNDに接続されるとともに、受光素子第2電極122は既に説明した第2TFT回路170(図4参照)と接続されている。
図6と図7に示すように、陽極112は、受光素子第1電極121の引出し側の一部を欠いた形状に形成されており、コンタクトホール109を介してドレイン電極107と接続されている。すなわち、有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動する電極(ドレイン電極107)と受光素子120の光電流を出力する電極(受光素子第2電極122)は副走査方向における異なる2方向に設けられている。このようにすることで、主走査方向に構成された有機エレクトロルミネッセンス素子63及び受光素子120の列の両側に、独立して回路を形成することが可能となりスペースファクタが改善する。
なお、既に説明したように、受光素子第2電極122はスイッチング回路からなる第2TFT回路170に入力され、予め定めたシーケンスに従って選択的にその出力が特性差補正部である処理回路59に入力される。
図8は、本発明の第1の実施の形態の画像形成装置1における露光装置13に含まれる処理回路59の構成を示すブロック図である。処理回路59は、アナログ/ディジタル混載のICチップであり、受光素子120の温度特性の補正を行うものである。以降、図8を用いて処理回路59の構成と機能について詳細に説明する。
処理回路59は、電圧変換回路175、減算器176、増幅器177、加算器178、A/D変換器179を含んで構成される。
電圧変換回路175は、受光素子120(図7参照)で生起した光電流を電圧に変換するものである。電圧変換回路175は、コンデンサ(図示せず)を備えており、入力された光電流は、このコンデンサによって予め定められた時間だけ充電、蓄積される。当然ながらこの充電期間には、有機エレクトロルミネッセンス素子63は発光するように制御されており、充電時間は等しく制御されるから有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量に応じてコンデンサの端子電圧は増減する。
減算器176は、電圧変換回路175の出力から所定の電圧レベルすなわち所定のオフセット値を減ずるものである。すなわち、電圧変換回路175のコンデンサの端子電圧が減算器176に入力され、減算器176によって予め設定された電圧レベルが減算される。この「減算される電圧レベル」は、予め受光素子120(図7参照)の温度特性を計測することで得られる値であって、例えば「有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量が最も暗く検出される条件」で得られる値である。より具体的には、画像形成装置の動作保証範囲の最低温度において、劣化によって寿命に達したのと等しい発光光量になるように有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動し、この際の受光素子120の光電流を電圧変換回路175で変換した値とする。なお、基準とする条件は処理系の仕様によって変更してもよい。
増幅器177は、減算器176の出力を所定の増幅率で増幅するものである。増幅器177の増幅率は「光量計測部を構成する受光素子120と感光体8(図3参照)の温度特性の差を縮減することが可能な値」で、かつ「有機エレクトロルミネッセンス素子63の初期から寿命到達時までの発光光量の変化に対して、A/D変換器179の入力ダイナミックレンジが十分に確保される値」に設定される(具体例は後述する)。
加算器178は、増幅器177の出力に所定の電圧レベルすなわち所定のオフセット値を加えるものである。この加算は、A/D変換器179によって変換可能な最低電圧レベルを確保するためのものであり、増幅器177の出力の最低電圧レベルが例えば負とならないように予め減算器176で調整されているのであれば、加算器178は省略してもよい。
A/D変換器179は、加算器178の出力をアナログ−ディジタル変換するものであり、加算器178の出力は、8ビット精度でディジタルデータに変換される。
このうち、減算器176、増幅器177、加算器178が既に述べたレベル変換部180を構成する。なお、図示するように、電圧変換回路175、減算器176、増幅器177、加算器178、A/D変換器179は複数設けられ、第2TFT回路170によって選択された複数の受光素子120の出力を同時に処理する。
なお、減算器176及び加算器178によって加減算されるオフセット値や増幅器177の増幅率は、後に説明するエンジン制御部のエンジン制御CPU(ともに図示せず)によって処理回路59の外部から調整可能となっている。また、本実施の形態では、減算器176、加算器178による加減算の電位、A/D変換器179の変換レンジを決めるリファレンス電位は処理回路59内部に設けた図示しない電源によって供給するようにしているが、これらを処理回路59の外部から供給するように構成してもよい。
以降、図8を用いて処理回路59の機能について説明する。受光素子120(図7参照)で生起した光電流は、スイッチング回路である第2TFT回路170及び図示しない配線を介して処理回路59に入力される。そして、受光素子120の温度特性の補正が施されたディジタルデータとして出力される。
処理回路59に以上のような構成と機能を持たせることによって、予め温度に対する感光体8(図3参照)の感度特性(例えば感光体8が1゜Cの温度上昇あたり1%の感度上昇を示す等)と、温度に対する受光素子120の感度特性(例えば受光素子120が1゜Cの温度上昇あたり0.25%の感度上昇を示す等)を計測しておき、この計測結果に基づいて処理回路59における減算器176や加算器178におけるオフセット値や増幅器177における増幅率を設定することで、実質的に受光素子120が持つ温度特性を感光体8の温度特性と略一致させることが可能となる。
例えば1゜Cあたり0.25%の感度上昇率を有する受光素子120の出力は、減算器176で0レベルを調整した後に、増幅器177で4倍することで、受光素子120の温度特性が1゜Cあたり1.0%の感度上昇率を有するものとなる。すなわち、感光体8の温度特性と等しいと擬制することが可能となる。ただし、上述したようにA/D変換器179によるディジタルデータへの変換に際しては変換対象のアナログ信号には適切なダイナミックレンジが必要となることから、例えばダイナミックレンジを確保するために1000倍の増幅率を付与し、全体の増幅率は例えば4000倍のように、ダイナミックレンジ確保のための増幅率も併せ持った設定とすればよい。
以上説明した処理回路59におけるレベル変換部180によって、温度上昇によって受光素子120の感度が上昇すると、有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量はより大きいと検出されるようになり、後に説明する光量補正部は有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量をより小さく制御しようとする。一方、感光体8(図3参照)は温度上昇によって感度が上昇しているため、光量補正部により小さく制御された発光光量に対してこれを補うように機能する。このようにして受光素子120と感光体8(図3参照)の温度特性の差は縮減され、結果的にあらゆる温度環境下においても、画質変動がない高画質の画像を形成することが可能となる。
なお、上述した処理回路59の構成によって温度特性の差を縮減することが可能なのは、厳密に言えば「受光素子120と、受光素子120の主走査方向位置に対応する感光体8(図3参照)の位置の温度が等しい場合」である。本実施の形態では、この条件を可能な限り満たすために、既に図3を用いて説明したように露光装置13の先端に突出部57を設け、受光素子120と感光体8の温度分布が等しくなるように構成している。もちろん受光素子120と感光体8の温度差が予め分かっている場合は、これに応じてレベル変換部180の設定を調整することは容易に行うことができる。
また、以上述べてきた処理回路59の構成を採用すると、感光体8と受光素子120の温度特性が上述した例とは全く逆、すなわち感光体8は温度上昇とともに感度が上昇し、受光素子120は温度上昇とともに感度が低下するような場合であっても、画質変動がない高画質の画像を形成することが可能となる。すなわち、増幅器177の増幅率として負の増幅率を用いれば、互いの温度特性の差を縮減させることが可能となる。
なお、処理回路59の光量補正部としての機能は省略が可能である。その場合、光量計測部の温度に対する光量計測信号の傾きの符号と、感光体8の温度に対する感光体8が担持する像によって形成される画像濃度の傾きの符号とを一致させる。感光体8の画像濃度の傾きが正である場合は、光量計測信号の傾きを正とする(例えば受光素子120の出力信号の傾きを正とする。)。このように、傾きの符号を一致させることにより、感光体8の温度が上昇して感度が高くなった場合は、光量計測信号も大きくなって発光部600の駆動信号を下げるように動作するので、温度変化による画像濃度の変化を抑制することができる。
より具体的には、光量計測部の温度に対する光量計測信号の傾きの符号(例えば、温度の上昇に従って出力が増大する。即ちプラス)と、感光体8の温度に対する感光体8が担持する像によって形成される画像濃度の傾きの符号(例えば、温度の上昇に伴って濃度が増大する。即ちプラス)を一致させておけば、上述した処理回路59の設定として、例えばダイナミックレンジを確保するために1000倍の増幅率のみを付与するようにしてもよい。このようにすることで、結果的に双方の温度特性は互いに相殺するように作用する。
また、本実施の形態では、光量計測部の温度に対する光量計測信号の傾きの符号と、感光体8の温度に対する感光体8が担持する像によって形成される画像濃度の傾きの符号を一致させるようにしているが、先にも述べたように、温度変化に対する感光体8上の画像濃度の変化は、温度変化に伴う感光体8の感度変化に起因するものである。したがって、ここでいう「画像濃度の傾き」は、「予め所定の電位に帯電しておいた感光体8の像面に、所定の光量(時間で規定する場合は所定のエネルギー)の光を照射した際の感光体8の表面電位変化量の傾き」、あるいは「感光体8の像面に所定サイズの光スポットを形成した際に特定の等電位線が囲む面積の変化量の傾き」、「感光体8上に転写、担持されるトナー重量の変化量の傾き」のようにしても、実質的に同一の作用効果を得ることができる。すなわち光量計測部の温度に対する光量計測信号の傾きの符号(例えば、温度の上昇に従って出力が増大する。即ちプラス)と、感光体8の温度に対する感度の傾きの符号(例えば、温度の上昇に伴って感光体8の感度が増大する。即ちプラス)を一致させればよい。
図9は、本発明の第1の実施の形態の画像形成装置1におけるコントローラ41の構成を示すブロック図である。以降、図9を用いてコントローラ41の動作を説明するとともに、光量補正について更に詳細に説明する。
図9のコントローラ41は、画像データやプリントジョブ情報に基づいて、画像データを印字可能な2値画像データに展開するものであり、ネットワークインタフェース82、コントローラCPU83、ROM84、RAM85、画像処理部86、プリンタインタフェース87、バッファメモリ88、イメージメモリ65、光量補正メモリ66、タイミング生成部67を含んで構成される。
ネットワークインタフェース82は、ネットワーク81に接続されたコンピュータ80との間でデータの送受信を行うものである。コンピュータ80は、ネットワーク81を経由してコントローラ41に画像データや印字枚数や印字モード(例えばカラー/モノクロ)等のプリントジョブ情報を転送するとともに、画像形成装置側で検出されたエラー情報等のいわゆるステータス情報を受信するものである。
コントローラCPU83は、ROM84に格納されたプログラムに基づきコントローラ80の動作を制御する。RAM85は、コントローラCPU83のワークエリアとして使用されるとともに、ネットワークインタフェース82を介して受信した画像データやプリントジョブ情報等が一時的に記憶される。
画像処理部86は、コンピュータ80から転送された画像データとプリントジョブ情報に基づき、ページ単位に画像処理(例えばプリンタ言語に基づく画像展開処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成等)を行って印字可能な2値画像データを生成し、これをページ単位にイメージメモリ65に格納するものである。光量補正データメモリ66は、光量補正データを記憶するものであり、例えばEEPROM等書き換え可能な不揮発性メモリによって構成される。
図10は、本発明の第1の実施の形態の画像形成装置1における光量補正データメモリ66の内容を示す説明図である。以降、図10を用いて光量補正データメモリにおけるデータ構造及びデータの内容について説明する。
図10に示すように、光量補正データメモリ66は第1エリアから第3エリアの三つの領域を有している。それぞれの領域は、露光装置13(図3参照)を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63(図4参照)の個数と等しい5120個の8bitのデータを含み、合計15360バイトを占有している。
まず、第1エリアに格納されているデータDD[0]〜DD[5119]について、図10に図3と図4を併用して説明する。
既に説明した露光装置13は、その製造工程において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を調整する工程を含んでいる。この工程において露光装置13は所定の治具(図示せず)に取り付けられ、露光装置13の外部から供給される制御信号に基づいて、有機エレクトロルミネッセンス素子63が個別に点灯制御される。
更に治具(図示せず)に設けられたCCDカメラによって、感光体8の像面位置における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の二次元の光量分布が計測される。治具(図示せず)は、この光量分布に基づき感光体8上に形成される潜像の電位分布を計算し、更に実際の現像条件(現像バイアス値及び感光体8の表面電位等)に基づいてトナー付着量との相関が高い潜像断面積を計算する。治具(図示せず)では有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動するための駆動電流値を変化させ(既に説明したようにソースドライバ61を介して第1TFT回路62を構成するピクセル回路にアナログ値をプログラムすることで有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動する電流値を設定する。)、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積のいずれもが略等しくなるような駆動電流値、すなわちピクセル回路への設定値(制御する観点からはソースドライバ61への設定データ)を抽出する。
光量補正データメモリ66の第1エリアには、このようにして求めたソースドライバ61への設定データが格納されている。その個数は前述のごとく露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63の個数と等しい(すなわちピクセル回路の個数とも等しい)5120個である。このように光量補正データメモリ66の第1エリアには、「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」が格納されている。
次に、第2エリアに格納されているデータID[0]〜ID[5119]について図10に図3と図4及び図9を併用して説明する。
前述した治具(図示せず)は、第1エリアに格納されるデータを取得するとの同時に、露光装置13の処理回路59を介して受光素子120(図4参照)の出力に基づき、既に説明した8bitの光量計測データを取得する。これによって「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」を取得できる。第2エリアにはこの8bitの光量計測データID[n]が格納されている。
このようにして露光装置13の製造工程において、第1エリア及び第2エリアに格納されるデータが取得され、これらのデータは図示しない電気的な通信手段によって治具から光量補正データメモリ66に書き込まれる。
次に、第3エリアに格納されているデータND[0]〜ND[5119]について図10に図3と図4及び図9を併用して説明する。
本発明の第1の実施の形態の画像形成装置1は、光量計測部を構成する受光素子120による計測結果に基づき、有機エレクトロルミネッセンス素子63の各々の光量を略等しく補正する光量補正部(すなわち図9に示すコントローラCPU83)を有し、この光量補正部の出力に基づいて、光量設定部(同じくコントローラCPU83)は、画像形成を行う際の各有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を設定する。
第3エリアには、光量補正部たるコントローラCPU83によって画像形成を行う際の各有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量の設定値、すなわち光量補正データが書き込まれる。
本実施の形態においては、画像形成装置1の初期化動作、画像形成動作の起動時、紙間期間、画像形成動作の完了時等において、露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測することは既に述べたとおりである。コントローラCPU83は、これらの時点で計測された光量計測データと、露光装置13の製造工程において第1エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」と、同じく露光装置13の製造工程において第2エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」とに基づいて光量補正データを生成する。
以降、コントローラCPU83による光量補正データの計算内容について説明する。第1エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」をDD[n](nは主走査方向における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子番号、以下同じ)、第2エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」をID[n]、初期化動作等において新たに計測された光量計測データをPD[n]とするとき、第3のエリアに書き込まれる新たな光量補正データND[n]は、ND[n]=DD[n]×ID[n]/PD[n](ただしnは主走査方向における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子番号)に基づいて生成される。
以降、図9に戻って説明を続ける。このようにして生成された光量補正データND[n]は、一旦光量補正データメモリ66の第3エリア(図10参照)に書き込まれる。以降、画像形成に先立って光量補正データND[n]は、光量補正データメモリ66からイメージメモリ65の所定の領域にコピーされる。画像を形成するにあたって、イメージメモリ65にコピーされた光量補正データND[n]は、2値画像データとともに後述するバッファメモリ88に一時的に蓄積され、プリンタインタフェース87を介してエンジン制御部42に出力される。
バッファメモリ88は、イメージメモリ65に格納された2値画像データ及び前述の光量補正データを、エンジン制御部42への転送にあたって一旦蓄積するものである。バッファメモリ88は、イメージメモリ65からバッファメモリ88への転送速度と、バッファメモリ88からエンジン制御部42へのデータ転送速度の差を吸収するため、いわゆるデュアルポートRAMによって構成されている。
プリンタインタフェース87は、イメージメモリ65に格納されたページ単位の2値画像データ及び光量補正データを、タイミング生成部67が生成するクロック信号やライン同期信号と同期してプリンタインタフェース87を介してエンジン制御部42に転送するものである。
以上のように、コントローラ41は、受信した画像データを展開してプリント可能な2値画像データを生成するとともに、光量計測部700(図11参照)からの光量計測信号が所定の値になるように、発光部600(図11参照)の発光光量を制御するものである。
図11は、本発明の第1の実施の形態の画像形成装置1におけるエンジン制御部42の構成を示すブロック図である。以降、図11と図1を併用してエンジン制御部42の動作を詳細に説明する。
図11のエンジン制御部42は、コントローラインタフェース90、エンジン制御CPU91、ROM92、RAM93、不揮発性メモリ94、シリアルインタフェース95、バス99を含んで構成される。
コントローラインタフェース90は、コントローラ41から転送される光量補正データ、ページ単位の2値画像データ等を受信するものである。
エンジン制御CPU91は、ROM92に格納されたプログラムに基づき画像形成装置1における画像形成動作を制御している。RAM93は、エンジン制御CPU91が動作する際のワークエリアとして使用される。不揮発性メモリ94は、EEPROM等のいわゆる書き換え可能なメモリであり、不揮発性メモリ94には、例えば画像形成装置1の感光体8の回転時間、定着器23(図1参照)の動作時間等、構成要素の寿命に関する情報が格納されている。
シリアルインタフェース95は、記録紙通過検出センサ21(図1参照)や記録紙後端検出センサ28(図1参照)等のセンサ群からの情報や電源監視部44(図1参照)の出力を図示しないシリアル変換手段によって所定の周期のシリアル信号に変換した後受信するものである。シリアルインタフェース95で受信されたシリアル信号は、パラレル信号に変換された後にバス99を介してエンジン制御CPU91に読取られる。
また、給紙ローラ18や駆動源38(ともに図1参照)の起動・停止、給紙ローラ18(図1参照)に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)等のアクチュエータ群96に対する制御信号や、現像バイアス、転写バイアス、帯電電位等の電位設定を管理する高圧電源制御部97に対する制御信号等は、パラレル信号としてシリアルインタフェース95に送られる。そして、シリアルインタフェース95は、パラレル信号をシリアル信号に変換してアクチュエータ群96、高圧電源制御部97に出力する。このように、本実施の形態のおいては、高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は全てシリアルインタフェース95を介して行っている。一方、ある程度の高速性が要求される信号、例えばレジストローラ19を駆動/停止させるための制御信号は、エンジン制御CPU42の出力端子に直接接続されている。
操作パネル98は、ユーザが画像形成装置1の操作に利用するものであり、シリアルインタフェース95に接続されている。ユーザが操作パネル98に対して行なった指示は、シリアルインタフェース95を介してエンジン制御CPU91によって認識される。本実施の形態の画像形成装置1は、ユーザの指示を入力する指示入力手段としての操作パネルを有し、この操作パネルへの入力に基づいて、露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測し、光量を補正するように構成されている。この指示は、外部のコンピュータ等からコントローラ41を経由して与えることももちろん可能である。具体的な使用態様としては、例えば大量の印字を行なった際にユーザが印字面に濃度ムラを発見したような場合に、ユーザが光量の補正を強制的に行なって画質確保を図るような場合が想定される。画像形成装置1が待機中であれば、ユーザはいつでも強制的な光量補正の実行を指示することが可能であるし、画像形成時であっても画像形成装置1をオフラインに遷移させ画像形成を一時的に保留することで、ユーザは光量補正の実行を指示することができる。
いずれにしても指示手段としての操作パネル98等から光量の補正要求が入力されると、エンジン制御CPU91は初期化動作において説明したように、画像形成装置1の構成要素の駆動を開始し、コントローラ41に対して光量補正用のダミー画像データの作成要求を出力する。この要求に基づきコントローラ41に搭載されたコントローラCPU83は光量補正用のダミー画像データを生成し、これに基づいて露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63は点灯制御される。このときに上述した露光装置13に設けられた受光素子120で、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を検出し、この光量の検出結果に基づいて個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量が略等しくなるように光量の補正を行う。この際に既に述べたように受光素子120と有機エレクトロルミネッセンス素子63の温度特性の差は特性差補正部である処理回路59によって縮減される。
次に、有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測する際の動作について、図11、図1、及び図10を併用して詳細に説明する。
既に述べたように、光量の補正は画像形成装置1の起動直後の初期化動作、印字開始前、紙間期間、印字開始後、操作パネル98等によるユーザ指定時のタイミングで行なわれるが、簡単のために画像形成装置1の初期化動作時点で光量の計測を実行する場合について説明する。また、本実施の形態の画像形成装置1は、フルカラー画像を形成可能に構成されたものであり、既に説明したように4色に対応した露光装置13Y〜13K(図1参照)を有しているが、これも簡単のために1色に対する動作のみを説明し、露光装置13のように記載する。また、以下に示す状況において、例えば駆動源38(図1参照)や現像ステーション2(図2参照)等は、初期化動作において既に詳細を示したように既に起動されているものとする。
画像形成装置1において画像形成動作を管理しているのはエンジン制御部42であるため、光量補正のためのシーケンスはエンジン制御部42のエンジン制御CPU91によって制御される。まず、エンジン制御CPU91は、コントローラ41に対して、画像形成に係る正規の2値画像データとは異なるダミー画像データの作成要求を出力する。
エンジン制御部42とコントローラ41は双方向のシリアルインタフェース(図示せず)で接続されており、リクエストコマンド(要求)及びこれに対するアクノリッジ(応答情報)を相互にやり取りすることができる。エンジン制御CPU91が発するダミー画像データの作成要求は、この双方向のシリアルインタフェース(図示せず)を用いてバス99を経由しコントローラインタフェース90からコントローラ41に出力される。
この要求に基づいて、コントローラ41に搭載されたコントローラCPU83は、ダミー画像データ、すなわち光量の計測に用いる2値画像データをイメージメモリ65に直接的に作成する。更にコントローラCPU83は光量補正データメモリ66の第1エリア(図10参照)に格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」DD[n](n:0〜5119)を読み出し、この値をイメージメモリ65の所定領域に書き込む。これらの処理を完了するとコントローラCPU83はプリンタインタフェース87を介して応答情報をエンジン制御部42に出力する。
この応答情報を受信したエンジン制御部42のエンジン制御CPU91は、直ちに露光装置13に対して書込みタイミングを設定する。すなわち、エンジン制御CPU91は図示しないハードウェアであるタイマ等に露光装置13による静電潜像の書込みタイミングを設定し、応答情報を受信したら直ちにタイマの動作を開始する。各タイマは、予め設定された時間が経過すると、コントローラ41に対して画像データ転送要求を出力する。画像データ転送要求を受信したコントローラ41は、コントローラインタフェース90を介してタイミング生成部67で生成されたタイミング信号(クロック信号、ライン同期信号等)に同期して2値画像データを露光装置13に転送する。これと同時に、既にイメージメモリ65に書き込まれた光量の設定値(DD[n])も、上述のタイミング信号に同期して露光装置13に転送される。なお、光量計測時ではなく通常の画像形成時は、光量の設定値の代わりに光量補正データ(既に説明したND[n])が同じ転送経路によって露光装置13に供給されることになる。
このように、タイミング信号に同期して転送された2値画像データは、露光装置13の第1TFT回路62に入力され、同時に光量の設定値は露光装置13のソースドライバ61に入力される。露光装置13では、入力された2値画像データ、すなわちON/OFF情報に基づいて該当する有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯と消灯が制御される。そして、このときの個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量は、既に説明したように受光素子120によって計測される。
光量を計測する対象となる有機エレクトロルミネッセンス素子63は、コントローラCPU83が生成するダミー画像データによって決定される。すなわち、ダミー画像データでONに設定された有機エレクトロルミネッセンス63の発光光量が受光素子120によって計測される。このため、第2TFT回路170は、発光させた有機エレクトロルミネッセンス素子63に対応する受光素子120を選択するが、その際に、第1TFT回路62の出力信号を流用することで回路規模を小さくすることができる。
さて、受光素子120は、有機エレクトロルミネッセンス素子63に対して一対一で設けられているため、全ての有機エレクトロルミネッセンス素子63を同時に発光させ、これらの発光光量を受光素子120で一斉に計測する構成も考えられるが、隣接する有機エレクトロルミネッセンス素子63による光学的クロストークの存在や、受光素子120の出力を処理するハードウェア規模を考慮すると実質的に困難であるため、例えば、8つおきに有機エレクトロルミネッセンス素子63を発光させ(すなわち隣接した有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量を同時に計測しないようにする)、この発光光量を有機エレクトロルミネッセンス素子63と一対一に設けられた受光素子120で受光するような構成とすることが望ましい。既に述べたように、ダミー画像データはコントローラCPU83が生成するため、これはプログラムによって自由に設定することが可能でありメリットが大きい。
以降、図2を併用して説明する。一般に、電子写真プロセスを応用した画像形成装置においては、例えば600dpi程度の解像度では孤立した微小な静電潜像は現像されにくいため、隣接した有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量を同時に計測しないようにすることで、トナーの無駄な消費を抑え、更に感光体8と接触回動する転写ローラ16にトナーが付着し、転写ローラ16に付着したトナーが記録紙3の裏面に付着して記録紙3を汚染することも抑制することができる。
また、発光光量の計測時においては、有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量を、通常の画像データに基づく印字の際の発光光量よりも低く設定するようにしてもよい。また、発光光量の計測時において、有機エレクトロルミネッセンス素子63を点灯することによって感光体8が露光された領域が現像スリーブ10に近接し、いわゆる現像領域を通過する際、すなわち有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測する計測期間に露光された感光体8の領域に対しては、現像スリーブ10に印加する現像バイアスはOFFにしておくことが望ましい。これによって更に効果的に感光体8へのトナー付着を防止することが可能となる。
図12は、本発明の第1の実施の形態の画像形成装置1における露光装置13の回路図である。以降、図12を用いて、第1TFT回路62及びソースドライバ61による点灯制御についてより詳細に説明する。
露光装置13は、既述のように、コネクタ53a、53bを有する中継基板52、有機エレクトロルミネッセンス素子63等が搭載されたガラス基板50を含んで構成され、ガラス基板50には、ソースドライバ61、第1TFT62が形成される。
第1TFT回路62は、ピクセル回路69とゲートコントローラ68とに大別される。ピクセル回路69は、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63に対して一つずつ設けられており、有機エレクトロルミネッセンス素子63のM画素分を一つのグループとしてガラス基板50上にNグループ設けられている。
本実施の形態においては、一つのグループを16画素(すなわちM=16)とし、このグループを320個としている。したがって、全画素数は16×320=5120画素となる。各ピクセル回路69は、有機エレクトロルミネッセンス素子63に電流を供給して駆動するドライバ部70と、有機エレクトロルミネッセンス素子63を点灯制御するにあたってドライバが供給する電流値(すなわち有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動電流値)を内部に含むコンデンサに記憶させる、いわゆる電流プログラム部71を有しており、予め所定のタイミングでプログラムされた駆動電流値に従って有機エレクトロルミネッセンス素子63を定電流駆動することができる。
ゲートコントローラ68は、入力された2値画像データを順次シフトするシフトレジスタと、シフトレジスタと並列に設けられシフトレジスタに所定の画素数の入力が完了した後にこれらを一括して保持するラッチ部と、これらの動作タイミングを制御する制御部からなる(共に図示せず)。ゲートコントローラ68は、コントローラ41から2値画像データ(画像形成時はコントローラ41によって変換された画像データ、光量計測時はコントローラ41によって生成されたダミー画像データ)を渡され、この2値画像データすなわちON/OFF情報に基づいてSCAN_A及びSCAN_B信号を出力し、これによってピクセル回路69に接続された有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯/消灯を行う期間及び、駆動電流を設定する電流プログラム期間のタイミングを制御する。
また、ソースドライバ61は、内部に有機エレクトロルミネッセンス素子63のグループ数Nに相当する数(実施例1では320個)のD/Aコンバータ72を有している。ソースドライバ61は、FPC60を介して供給された8bitの光量補正データ(画像形成時は図6に示すND[n]、光量計測時は図10に示すDD[n]に基づいて、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63に対する駆動電流を設定する。この構成によって画像形成時においては既に述べた光量補正データND[n]によって個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量が均一に制御され、光量計測時においてはDD[n]によって有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量が制御される。
以上のように、本実施の形態の画像形成装置1は、露光によって形成される像を担持する像担持体である感光体8と、感光体8を露光するための光を出射する発光部600と、発光部600による発光光量を計測し、光量計測信号を出力する光量計測部700を備える。ここで、発光部600には、第1TFT回路62と有機エレクトロルミネセンス素子63が含まれ、光量計測部700には、受光素子120と第2TFT回路170と処理回路59が含まれる。そして、光量計測部700の出力である光量計測信号は、コントローラ41に送られ、コンとローラ41は、入力された光量計測信号が所定の値にあるように、光量補正データを出力し、ソースドライバ61を介して発光部600を駆動する。
そして、画像形成装置1においては、光量計測部700の光量計測信号の温度に対する傾きの符号と、感光体8の像によって形成される画像濃度の温度に対する傾きの符号を一致させている。したがって、感光体8の温度が上昇して感度が高くなった場合は、光量計測信号も大きくなって発光部600の駆動信号を下げるように動作するので、温度変化による画像濃度の変化を抑制する。
図15に、ポリシリコンによって構成された受光素子120の温度Tに対する出力電流Idsの関係の一例を示す特性図である。図15では所定の光量(10000cd/m、3000cd/m、1000cd/m)を受光素子で受光した際の出力電流値をそれぞれの系列として示している。有機エレクトロルミネッセンス素子63を露光装置に応用する場合の発光光量は10000cd/m程度が必要とされており、このような高輝度で有機エレクトロルミネッセンス素子63を発光させた場合においては、受光素子120の温度対出力電流値は明確な傾向を有しており、温度上昇とともに受光素子の出力電流値は増加する。
一方、感光体8は、図16に示すような、感度の温度特性を有している。したがって、感光体8の像によって形成される画像濃度の温度に対する傾きの符号と、受光素子120の出力の温度に対する傾きの符号とは一致することになり、処理回路59において、受光素子120の出力を所定の増幅率で増幅した後にディジタル信号に変換するだけで、温度変化による画像濃度の変化を抑制することができる。
なお、感光体8の種類、像の形成方法、受光素子8の種類によっては、感光体8の像によって形成される画像濃度の温度に対する傾きの符号と、受光素子120の出力の温度に対する傾きの符号とが異なる場合があるが、その時は、処理回路59によって、コントローラ41への光量計測信号を補正する。例えば、受光素子120からの出力と予め定めた所定値との差分をとり、これを増幅することによって、光量計測信号の温度に対する傾きを変更することができる。既に説明した処理回路59の構成によれば、このようなことが容易に行なえるのは明白である。
また、処理回路59が、光量計測部600の温度特性と感光体8の温度特性の差を縮減する特性差補正部としての機能を有する場合は、さらに、光量計測信号に基づく駆動信号が感光体の温度特性を補正するものとなるので、さらに画像濃度の変化を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の実施例2について図面を用いて説明する。
図13に、本発明の第2の実施の形態の画像形成装置における露光装置13の構成を示す。なお画像形成装置の全体構成等、以降の説明にて特に言及しない構成部分については第1の実施の形態の画像形成装置と共通であるので説明を省略する。
図13の露光装置13は、ガラス基板50、レンズアレイ51、中継基板52、コネクタA53a、コネクタB53b、筐体A54a、筐体B54b、冷却手段150を含んで構成される。
冷却手段150は、ガラス基板50の面A上に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子及び受光素子(ともに図13では図示せず)を冷却するための冷却手段であり、例えばペルチェ素子によって構成されている。冷却手段150は、ガラス基板50上に形成されたこれらの構造物の更に上部に例えば接着剤によって固定されている。
図14は、本発明の第2の実施の形態の画像形成装置におけるエンジン制御部42の構成を示すブロック図である。図14においては、第1の実施の形態のエンジン制御部42に対応させており、一部省略して記載してある。以降、図14を用いて、第2の実施の形態受光素子120の温度を制御する過程について詳細に説明する。なお、第2の実施の形態において説明するケースは、温度上昇に伴う受光素子120の感度の上昇率が感光体8の感度の上昇率を上回る場合に適用されるものである。
受光素子120で生起された光電流は、第2TFT回路170によって処理回路59に渡される。なお、処理回路59の構成は第1の実施の形態と変わりはない。処理回路59では、第1の実施の形態と同様に、電圧変換、オフセット調整、増幅の過程を経て光量計測データが生成され、一旦コントローラインタフェース90に渡される。ただし、処理回路59においては、増幅率の設定が第1の実施の形態と異なっている。
以降図8を併用して説明を続ける。第1の実施の形態では、増幅器177の増幅率は、「光量計測部を構成する受光素子120と感光体8の温度特性の差を縮減することが可能な値」で、かつ、「有機エレクトロルミネッセンス素子63の初期から寿命到達時までの発光光量の変化に対して、A/D変換器179の入力ダイナミックレンジが十分に確保される値」に設定されるが、第2の実施の形態では、「有機エレクトロルミネッセンス素子63の初期から寿命到達時までの発光光量の変化に対して、A/D変換器179の入力ダイナミックレンジが十分に確保される値」に設定することで足りる。すなわち、第2の実施の形態では、処理回路59は、特性差補正部としての機能を有する必要はない。
以降図14に戻って説明を続ける。コントローラインタフェース90に渡された光量計測データは、エンジン制御部42のバス99によってエンジン制御CPU91に渡される。エンジン制御CPU91は、初期化動作の段階で行なわれる光量計測の時点、及び紙間期間における光量計測の時点で、特定の有機エレクトロルミネッセンス素子63に対する光量計測データをモニタする。画像形成装置1の機内温度の上昇に伴って受光素子120の感度が上昇すると、エンジン制御CPU91は光量計測データをモニタした値からこれを認識することができる。エンジン制御CPU91は受光素子120の温度上昇が予め定めた値を超えたと判断した場合は、例えばペルチェ素子によって構成された冷却手段150をONに制御する。
冷却手段150の冷却対象は、実際には受光素子120のみならず受光素子120が形成されたガラス基板50(図13参照)全体に及ぶため、冷却手段150の冷却能力はガラス基板50全体の熱容量によって定める必要があるが、受光素子120の温度上昇を感光体8の温度上昇よりも緩やかにする程度の冷却能力で充分である。先にも述べたように、第2の実施の形態は温度上昇に伴う受光素子120の感度の上昇率が感光体8の感度の上昇率を上回る場合に適用されるケースであるから、受光素子120の温度変化を感光体8の温度変化より小さくすることにより、温度特性の差による画像濃度の縮減することができる。ここで強調すべきは、本実施の形態の本質は、冷却手段150によって受光素子120の温度を一定に管理するものではなく、感光体8と受光素子120の温度特性を縮減するべく両者の間にある程度の温度差を設けることにある。これによって両者の温度特性は縮減されることとなる。この点で制御に厳密性が要求されることがなくコスト的に有利となる。以上のように、受光素子120は、エンジン制御CPU91及び冷却手段150によって、その温度が制御される。
以上の説明においては、処理回路59には特性差補正部としての機能を持たせないとしたが、画像形成装置1の動作状態において感光体8と受光素子120の温度差を予め計測することは容易に行なえるため、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態で説明したように処理回路59の増幅率を調整することで、両者の温度特性をより積極的に縮減する方向に合わせ込むことはもちろん可能である。
また、図13、図14に示す画像形成装置においては、冷却手段150の制御にエンジン制御CPU91を介在させたが、ほぼ同一の雰囲気温度中に置かれた受光素子120と感光体8に関して、一方を他方に対して温度差を設ければ両者の温度特性の差を縮減することは可能であるため、冷却手段150は画像形成装置1の電源投入とともにONに制御されるように構成してもよい。また、冷却手段150としてペルチェ素子を用いて説明したが、この冷却手段はヒートパイプ等の熱伝導体や、例えばカーボン等によって構成された熱伝導シートを用いてもよいし、外部から選択的に露光装置13を冷却する構成、例えばファンによって構成してもよい。
以上の説明は、既に述べたように、温度上昇に伴う受光素子120の感度の上昇率が感光体8の感度の上昇率を上回る場合に適用されるものであり、この場合には受光素子120の温度上昇を感光体8の温度上昇よりも緩やかにすることで、両者の温度特性の差は縮減される。これと同じ効果は感光体8の内部にヒータを搭載することでも達成することができる。
これとは逆に、温度上昇に伴う受光素子120の感度の上昇率が感光体8の感度の上昇率を下回る場合は、既に説明したのと同様の構成を用いて露光装置13にヒータを設けるかあるいは感光体8に冷却手段を設けることで、両者の温度特性の差を縮減することが可能となる。
露光装置によっては有機エレクトロルミネッセンス素子等によって構成された発光素子列を複数列有し、感光体の回転方向に対して略同じ位置に複数回の露光を行うことで、潜像を形成するものも知られている。このような露光装置であっても本発明を容易に応用することができる。
以上述べてきたように、第1の実施の形態及び第2の実施の形態2では、電子写真プロセスを応用した画像形成装置について説明したが、本発明は電子写真法に限られるものではない。有機エレクトロルミネッセンス素子によってRGB光源は容易に実現できるため、例えば露光光源としてR光源、G光源、B光源をそれぞれ有する複数の露光装置を配置し、RGB各色の画像データに基づいて印画紙を直接的に露光する画像形成装置に対しても容易に応用が可能であることは言うまでもない。
本発明は、周囲の温度変化によらず、均一が画像を形成することができる画像形成装置、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、フォトプリンタ等として有用である。
本発明の第1の実施の形態の画像形成装置の構成図 本発明の第1の実施の形態の画像形成装置における現像ステーションの周辺の構成を示す図 本発明の第1の実施の形態の画像形成装置における露光装置の構成を示す図 本発明の第1の実施の形態の画像形成装置における露光装置に含まれるガラス基板の詳細構成を示す図 本発明の第1の実施の形態の画像形成装置における露光装置に含まれる有機エレクトロルミネッセンス素子及びその周辺構造物の断面を示す図 本発明の第1の実施の形態画像形成装置における露光装置に含まれる有機エレクトロルミネッセンス素子及びその周辺構造物の上面を示す図 本発明の第1の実施の形態画像形成装置における露光装置に含まれる複数の有機エレクトロルミネッセンス素子及びその周辺構造物の上面を示す図 発明の第1の実施の形態の画像形成装置における露光装置に含まれる処理回路の構成を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態の画像形成装置におけるコントローラの構成を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態の画像形成装置における光量補正データメモリの内容を示す説明図 本発明の第1の実施の形態の画像形成装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態の画像形成装置における露光装置の回路図 本発明の第2の実施の形態の画像形成装置における露光装置の構成を示す図 本発明の第2の実施の形態の画像形成装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図 ポリシリコンによって構成された受光素子の温度に対する出力電流の関係の一例を示す特性図 像担持体である感光体の温度と感度の関係の一例を示す特性図
符号の説明
1 画像形成装置
2,2Y,2M,2C,2K 現像ステーション
3 記録紙
4 給紙トレイ
5 記録紙搬送路
6 現像剤
8,8Y,8M,8C,8K 感光体
10 現像スリーブ
13,13Y,13M,13C,13K 露光装置
16 転写ローラ
19 レジストローラ
20 ピンチローラ
41 コントローラ
42 エンジン制御部
43 電源部
50 ガラス基板
51 レンズアレイ
54a 筐体A
57 突出部
59 処理回路(特性差補正部)
61 ソースドライバ
62 第1TFT回路
63 有機エレクトロルミネッセンス素子
64 封止ガラス
65 イメージメモリ
66 光量補正データメモリ
67 タイミング生成部
68 ゲートコントローラ
69 ピクセル回路
71 電流プログラム部
80 コンピュータ
83 コントローラCPU
87 プリンタインタフェース
90 コントローラインタフェース
91 エンジン制御CPU
98 操作パネル
102 TFT
107 ドレイン電極
109 コンタクトホール
112 陽極
114 発光層
116 陰極
120 受光素子
121 受光素子第1電極
122 受光素子第2電極
123 導電性領域
124 半導体領域
150 冷却手段
170 第2TFT回路
175 電圧変換回路
176 減算器
177 増幅器
178 加算器
179 A/D変換器
180 レベル変換部
600 発光部
700 光量計測部

Claims (7)

  1. 露光によって形成される像を担持する像担持体と、
    前記像担持体を露光するための光を出射する発光部と、
    前記発光部が出射する光の光量を計測し、光量計測信号を出力する光量計測部と、
    前記光量計測部からの前記光量計測信号が所定の値になるように、前記発光部が出射する光の光量を制御する光量制御部とを備え、
    前記光量計測部の温度に対する前記光量計測信号の傾きの符号と、前記像担持体の温度に対する前記像担持体が担持する像によって形成される画像濃度の傾きの符号とが一致している画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記光量計測部は、前記発光部が出射する光を受光して電気信号に変換する受光素子を備え、
    前記受光素子の温度に対する前記電気信号の傾きの符号と、前記像担持体の温度に対する前記像担持体が担持する像によって形成される画像濃度の傾きの符号とが一致している画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成装置であって、
    前記光量計測部は、前記光量計測部の温度特性と前記像担持体の温度特性の差を縮減する特性差補正部を備え、
    前記特性差補正部は、前記像担持体の温度に対する前記画像濃度の変化率と、前記光量計測部の温度に対する前記光量計測信号の変化率との差を縮減させる補正を行う画像形成装置。
  4. 請求項3記載の画像形成装置であって、
    前記光量計測部は、前記発光部が出射する光を受光して電気信号に変換する受光素子を備え、
    前記特性差補正部は、前記像担持体の温度に対する前記画像濃度の変化率と、前記受光素子の温度に対する前記電気信号の変化率との差を縮減させる補正を行う画像形成装置。
  5. 請求項4記載の画像形成装置であって、
    前記特性差補正部は、前記電気信号のオフセットの調整及びレベル変換を行う画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の画像形成装置であって、
    前記光量計測部の温度を制御する計測部温度制御部を備える画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の画像形成装置であって、
    前記像担持体の温度を制御する像担持体温度制御部を備える画像形成装置。
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