JP6454474B2 - ランナー固定具およびランナー固定構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ランナー固定具およびランナー固定構造に関し、特に、乾式壁に用いられるランナーを建物の躯体部に固定するためのランナー固定具、および、これを含むランナー固定構造に関する。
長屋や共同住宅等の界壁には、乾式壁が使用される。乾式壁では、一般的に、基礎部材の一方面側および他方面側に、二層の石膏ボードが固定される。基礎部材は、縦方向に延びる複数のスタッドと、それらの軸方向両端を抱え込むように配置される一対のランナーとを含む。たとえば特許第4241322号公報(特許文献1)では、複数のスタッドを千鳥状に配置することで、遮音性を高めることが開示されている。
一対のランナーは、建物の梁や基礎といった躯体部に固定される。ランナーを建物の梁に固定する場合、特開2012−26095号公報(特許文献2)に示されるようなランナー固定金物を用いることで、ボルトレスでランナーを梁に固定することができる。このランナー固定金物は、1つのランナーを支持するための本体部と、梁のフランジを把持する係止部とで構成されている。
特許第4241322号公報 特開2012−26095号公報
乾式壁において、複数のスタッドを千鳥状に配置した場合、スタッドの一方面は石膏ボードと接するが、他方面側には空間ができるため、スタッドを介した音の伝搬を遮る効果がある。しかしながら、複数のスタッドを千鳥状に配置するだけでは、高遮音性の要求を十分に満たすことができない。
また、上記したランナー固定金物を、そのまま、高遮音性能を有する乾式壁に適用できない場合がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、乾式壁を高遮音性の要求を満たすことのできる構造としつつ、当該乾式壁に含まれるランナーを容易に建物の躯体部に固定することのできるランナー固定具およびランナー固定構造を提供することである。
この発明のある局面に従うランナー固定構造は、隣り合う第1空間および第2空間を仕切る仕切り面に沿って配置される乾式壁を備える。乾式壁は、第1空間側および第2空間側それぞれにおいて、縦方向に延びる第1および第2のスタッドと、第1のスタッドの軸方向端部および第2のスタッドの軸方向端部をそれぞれ抱え込むように、表裏方向に間隔をあけて配置される第1および第2のランナーとを含む。ランナー固定構造は、第1および第2のランナーを表裏方向に間隔をあけた状態で保持し、乾式壁の端部を支える建物の躯体部に、第1および第2のランナーを固定するためのランナー固定具をさらに備える。
好ましくは、ランナー固定具は、第1および第2のランナーを、表裏方向に間隔をあけた状態で保持する保持部材を含む。
好ましくは、第1および第2のランナーは、各々、表裏方向両端に鍔部を有している。保持部材は、躯体部と第1および第2のランナーとの間に配置される板状部と、板状部と連結され、第1のランナーの両端の鍔部をそれぞれの外側から把持する第1の把持部と、板状部と連結され、第2のランナーの両端の鍔部をそれぞれの外側から把持する第2の把持部とを有することが望ましい。
また、第1および第2のランナーは、各々、上下方向に貫通する貫通穴が設けられたベース部を有していてもよい。この場合、保持部材は、躯体部と第1および第2のランナーとの間に配置される板状部と、板状部から躯体部とは反対方向に突出し、第1のランナーの貫通穴に挿入される、表裏方向に弾性を有する第1の弾性係合部と、板状部から躯体部とは反対方向に突出し、第2のランナーの貫通穴に挿入される、表裏方向に弾性を有する第2の弾性係合部とを有することが望ましい。
躯体部は、乾式壁の上端部および下端部の少なくともいずれか一方を支える梁を含む。この場合、ランナー固定具は、梁のフランジに係止される係止部材をさらに含むことが望ましい。
好ましくは、係止部材は、梁のフランジの表裏方向両端部を挟持することによって、梁のフランジに係止される。
梁のフランジに、上下方向に貫通する穴が予め形成されている場合、係止部材は、このフランジの穴に挿入され、梁のフランジに掛止される掛止部を有することが望ましい。
この場合、板状部は、第1のランナー側に位置する第1の部分と、第2のランナー側に位置する第2の部分とを有しており、第1の部分と第2の部分とは、表裏方向に離れて配置されていてもよい。
この発明の他の局面に従うランナー固定具は、隣り合う第1空間および第2空間を仕切る仕切り面に沿って配置される乾式壁に用いられるランナーを、梁に固定するためのランナー固定具である。乾式壁は、第1空間側および第2空間側それぞれにおいて、縦方向に延びる第1および第2のスタッドと、第1のスタッドの軸方向端部および第2のスタッドの軸方向端部をそれぞれ抱え込むように、表裏方向に間隔をあけて配置される第1および第2のランナーとを含んでいる。ランナー固定具は、梁のフランジに係止される係止部材と、第1および第2のランナーを、表裏方向に間隔をあけた状態で保持する保持部材とを備える。
本発明によれば、第1および第2のランナーが、表裏方向に間隔をあけて配置されるため、ランナーを介した音の伝搬を遮ることができる。したがって、高遮音性の要求を満たすことができる。
また、ランナー固定具は、第1および第2のランナーを、表裏方向に間隔をあけた状態で保持する。したがって、ランナー固定具を用いることで、第1および第2のランナーを、容易に建物の躯体部に固定することができる。
本発明の実施の形態における乾式壁の構造を示す縦断図である。 図1のII−II線で切断した場合の乾式壁の部分断面図である。 本発明の実施の形態における乾式壁のスタッドの配置例を示す横断面図である。 本発明の実施の形態の乾式壁において、天井部分における音の伝搬イメージを示す概念図である。 本発明の実施の形態1に係るランナー固定構造を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1に係るランナー固定具を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るランナー固定具を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係るランナー固定具を示す上面図である。 本発明の実施の形態2に係るランナー固定構造を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2に係るランナー固定構造を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2に係るランナー固定具を示す上面図である。 本発明の実施の形態3に係るランナー固定具の保持部材を示す断面図である。 本発明の実施の形態3における、保持部材およびランナーの構造を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態3における保持部材による、ランナーの保持構造を模式的に示す図である。 図14の矢印XVで示す方向から見た場合のランナーの保持構造を示す図である。 一般的な第1の乾式壁におけるスタッドの配置例を示す横断面図である。 一般的な第2の乾式壁におけるスタッドの配置例を示す横断面図である。 一般的な第2の乾式壁の構造例を示す縦断面図である。 一般的な第2の乾式壁において、天井部分における音の伝搬イメージを示す概念図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
<乾式壁について>
本実施の形態に係る乾式壁は、共同住宅、長屋および寄宿舎等の住戸が連続する建築物における界壁(戸境壁)、あるいは、防音室等の高遮音性が求められる間仕切り壁が想定される。このような乾式壁は、隣り合う空間(部屋)を仕切るために配置される。本実施の形態において、隣り合う空間を仕切る仮想的な面を「仕切り面」といい、横断面において隣り合う空間を仕切る仮想的な線を「仕切り線」という。また、本実施の形態において、仕切り面と直交する方向を「表裏方向」という。
本実施の形態に係るランナー固定構造は、2つのランナーを独立して設けた乾式壁を前提としている。本出願人は、このような乾式壁の構造について、特願2012−262441号として出願済である。以下にまず、本実施の形態に係る乾式壁の構造について、一般的な乾式壁の構造と比較しながら説明する。
(一般的な乾式壁構造について)
図16は、一般的な第1の乾式壁におけるスタッドの配置例を示す横断面図である。図17は、一般的な第2の乾式壁におけるスタッドの配置例を示す横断面図である。図18は、一般的な第2の乾式壁の構造例を示す縦断面図である。
図16を参照して、乾式壁101Aでは、対向する面部材104間に、複数の鋼製のスタッド120が間隔を置いて配置されている。各スタッド120の横断面は、短辺と長辺とを有する筒状の長方形状である。一般的に、スタッド120は、強軸配置されている。つまり、スタッド120は、長辺と面部材104に対して直交する方向(表裏方向)とが平行となるよう配置されている。面部材104は、各々、材質および厚みが等しい二層(二重)の石膏ボード141により構成されている。
各スタッド120は、対向する2つの短辺それぞれが面部材104と面接触している。したがって、スタッド120がサウンドブリッジとなり、一方側の空間で発生した音Sは、スタッド120を介して他方側の空間へ伝搬されてしまう。
これに対し、図17に示す乾式壁101Bでは、複数のスタッド120が、千鳥状に配置されている。そのため、各スタッド120は、一方の短辺側のみにおいて、面部材104と面接触する。このように、乾式壁101Bにおいては、他方の短辺側とそれに対向する面部材104との間には空間ができるため、一方側の空間で発生した音Sは、乾式壁101Bの中空層において減衰される。したがって、遮音性が要求される界壁または間仕切り壁においては、複数のスタッド120が千鳥配置されることが多い。
このように、複数のスタッド120を強軸方向かつ千鳥状に配置する場合、隣り合うスタッド120は、整列方向に重なって配置される。そのため、図18に示されるように、複数のスタッド120の軸方向両端は、表裏方向において共通の鋼製のランナー131,133によって固定される。この場合、ランナー131,133によって抱え込まれる部分には、各スタッド120の配置位置を固定するためのスペーサ135が挿入される。
このように、各取り付け場所(天井側および床側)において、複数のスタッド120を、表裏方向に共通のランナーで固定する場合、図19に示されるように、一方側の空間で発生した音Sは、たとえば天井側のランナー131を介して、他方側の空間へ伝搬されてしまう可能性がある。つまり、ランナー131,133がサウンドブリッジを形成してしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態に係る乾式壁は、以下に示すように、2つのランナーを表裏方向に独立して設けることとしている。
(本実施の形態に係る乾式壁構造について)
図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態に係る乾式壁の構造について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における乾式壁1の構造を示す縦断図である。図2は、図1のII−II線で切断した場合の乾式壁1の部分断面図である。なお、図1および2において、紙面右側を第1空間、紙面左側を第2空間として説明する。また、図2における仮想線A1は、仕切り線を示し、矢印A2は、表裏方向を示している。
図1および図2を参照して、乾式壁1は、仕切り面に沿って配置される基礎部材2と、基礎部材2の一方面側および他方面側にそれぞれ固定される面部材4とを備えている。
基礎部材2は、第1空間側に間隔をおいて配置される複数のスタッド21と、第2空間側に間隔をおいて配置される複数のスタッド22とを含む。これらのスタッド21および22は、それぞれ、第1空間側および第2空間側において、直線状に整列している。各スタッド21,22は、鋼製であり、横断面の形状は、たとえば短辺が40〜45mm、長辺が60〜65mmの略長方形状である。なお、本実施の形態において、スタッド21の第1空間側の面およびスタッド22の第2空間側の面、すなわち面部材4と接する側の側面を、「表面」という。また、スタッド21の第2空間側の面およびスタッド22の第1空間側の面、すなわち表面の反対側の側面を、「裏面」という。
基礎部材2は、また、複数のスタッド21それぞれの軸方向両端を抱え込むように配置される一対のランナー31,33と、複数のスタッド22それぞれの軸方向両端を抱え込むように配置される一対のランナー32,34とを含む。第2空間側のランナー32,34は、表裏方向において、第1空間側のランナー31,33とは所定の隙間を有して配置されている。
上側のランナー31および32は、各々、表裏方向両端に下向きの鍔部(図5に示す鍔部311,312,321,322)を有している。ランナー31の鍔部の内側面が、スタッド21の表面および裏面と接し、ランナー32の鍔部の内側面が、スタッド22の表面および裏面と接している。これにより、スタッド21,22の上側の端部は、それぞれ、ランナー31,32によって完全に抱え込まれる。下側のランナー33および34は、各々、表裏方向両端に上向きの鍔部を有している。ランナー33の鍔部の内側面が、スタッド21の表面および裏面と接し、ランナー34の鍔部の内側面が、スタッド22の表面および裏面と接している。これにより、スタッド21,22の下側の端部は、それぞれ、ランナー32,34によって完全に抱え込まれる。
このように、本実施の形態では、取り付け場所ごとに、表裏方向に独立して2つのランナーが設けられている。したがって、図4に示されるように、一方側の空間において発生した音Sは、たとえば天井側においても、ランナー31,32間の隙間3において遮断され、他方側の空間への伝搬を回避することができる。その結果、本実施の形態における乾式壁1によれば、図17,18に示した乾式壁101Bのような一般的な遮音壁よりも高遮音性の要求を満たすことができる。
ここで、図2および図3を参照して、複数のスタッド21,22の配置例について説明する。図3は、本発明の実施の形態における乾式壁1のスタッド21,22の配置例を示す図であり、表裏方向に切断した場合の乾式壁1の断面図である。
本実施の形態において、各スタッド21,22は、弱軸配置されている。つまり、各スタッド21,22は、その短辺と面部材4に対して直交する方向(表裏方向)とが平行となるように配置されている。この場合でも、遮音性能が低下することのないように、各スタッド21,22の板厚は、図17等に示した強軸配置されたスタッド120の板厚と同等であってよい。また、各スタッド21,22は、遮音性を考慮すると、閉鎖断面よりも、一方の長辺(裏面側)が開口を有する開放断面であることが望ましい。一方で、本実施の形態では、スタッド21,22が弱軸配置であるため、開放断面のスタッドは、壁の強度を担保できる範囲でのみ、すなわち部分的に、取り入れられることが望ましい。たとえば、第1空間および第2空間それぞれの部屋の種類(台所、リビングなど)に応じて、特に強度を必要とする空間側のスタッドのみを開放断面としてもよい。
このように、本実施の形態では、スタッド21,22が弱軸配置される。そのため、スタッド21とスタッド22との間の表裏方向の間隔L2(図2)をたとえば10mmとした場合、本実施の形態では、対向する面部材4間の距離、すなわち基礎部材2の厚みL1(図3)は、100mm程度である。このように、本実施の形態によれば、取り付け場所ごとに表裏方向に独立して2つのランナーを設けても、基礎部材2の厚みL1が増大してしまうことを回避できる。
なお、第1空間側のスタッド21と第2空間側のスタッド22との間の隙間L2は、たとえば5mm以上15mm以下の範囲で定められることが望ましい。この間隔の下限値は、少なくとも、第1空間側のランナー31(33)と第2空間側のランナー32(34)とが表裏方向に隙間を有し得る値であり、上限値は、基礎部材2間の厚みを考慮した値である。ランナー32,34(31,33)間の隙間は、壁全体の厚みやランナーの固定方法などに応じて定められてよい。
複数のスタッド21,22は、また、上述の乾式壁101Bと同様に、対向する面部材4間において千鳥状に配置されている。つまり、隣接するスタッド21およびスタッド22が、表裏方向に重ならないように互い違いに配置されている。なお、本実施の形態では、表裏方向においてスタッド21,22間に空間(隙間L2)があるため、スタッド21およびスタッド22は、表裏方向に少なくとも一部重なっていてもよいし、完全に重なっていてもよい。
複数のスタッド21は、仕切り線A1に沿って所定ピッチで配置されている。複数のスタッド22は、柱51を中心として、仕切り線A1に沿って所定ピッチで配置されている。柱51の第2空間側には、石膏ボード41を貼り付ける下地52として、たとえばベニヤ板が配置されている。また、各列(第1空間側または第2空間側)において、隣り合うスタッド21(22)間には、吸音材53として、たとえばグラスウールが設けられている。これにより、スタッド21,22の裏面側に吸音材53が密着されるため、一方側の空間から発生した音が吸音材53で吸音され、遮音性が高められる。
なお、本実施の形態では、スタッド21,22が弱軸配置であるため、壁の強度を確保するために、スタッドが強軸配置された乾式壁101B(図17)よりも、各列において、スタッドの本数を多く設けてもよい。その場合、一部分においてのみ、スタッドを配置するピッチを小さくしてもよい。たとえば、第1空間および第2空間それぞれの部屋の種類に応じて、特に強度を必要とする空間側のピッチを、他方よりも小さくしてもよい。
図1および図3を参照して、面部材4は、各々、基礎部材2側に配置される石膏ボード41と、空間側に露出して配置される強化石膏ボード42とで構成されていてよい。強化石膏ボード42は、耐火性能を強化するために、ガラス繊維等が混入された石膏ボード(網入り強化石膏ボード)である。強化石膏ボード42は、耐火性能の向上のため、石膏ボード41の厚みよりも大きいことが望ましい。具体的には、石膏ボード41の厚みは、たとえば9.5mmであり、強化石膏ボード42の厚みは、たとえば15mmである。
以上説明した乾式壁1は、乾式壁1の上下端部を支える建物の躯体部によって支えられている。躯体部は、建物の基礎(図示せず)および建物の梁11,12(図1)を含む。梁11,12は、たとえばH型鋼である。図1のように、乾式壁1の上端部および下端部がそれぞれ梁11,12に支えられる場合、上側のランナー31,32が、天井側の梁11に固定され、下側のランナー33,34が、床側の梁12に固定される。以下に、これらのランナー31,32,33,34を、建物の梁11,12に固定するためのランナー固定構造について、詳細に説明する。本実施の形態では、代表的に、上側のランナー31,32を梁11に固定する場合を例に挙げて説明する。なお、下側のランナー33,34を梁12に固定する場合には、以下の説明における「ランナー31」および「ランナー32」の記載をそれぞれ「ランナー33」および「ランナー34」に読み替え、かつ、上下方向の記載を逆に読み替えればよい。
<実施の形態1>
図5〜図8を参照して、本実施の形態に係るランナー固定構造について説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係るランナー固定構造を模式的に示す図である。図6〜図8は、それぞれ、本発明の実施の形態1に係るランナー固定具13を示す斜視図、断面図および上面図である。なお、図5には、理解の容易のために、ランナー固定構造に関連する部分のみが示されている。図7には、図6に示すVII−VII線に沿って表裏方向に切断した場合のランナー固定具13の断面が示されている。
図5および図6を参照して、上側のランナー31,32は、ランナー固定具13によって、天井側の梁11に固定されている。複数のランナー固定具13が、ランナー31,32の延びる方向に沿って、間隔をおいて配置される。ランナー固定具13は、同方向において隣り合うスタッド21,22間に、スタッド21,22と接しないように配置されることが望ましい。
ランナー31は、スタッド21の上端面と当接し、水平に配置されるベース部310と、ベース部310の表側端部より下方に延びる表側鍔部311と、ベース部310の裏側端部より下方に延びる裏側鍔部312とを有している。同様に、ランナー32は、スタッド22の上端面と当接し、水平に配置されるベース部320と、ベース部320の表側端部より下方に延びる表側鍔部321と、ベース部320の裏側端部より下方に延びる裏側鍔部322とを有している。
ランナー固定具13は、係止部材6と保持部材7とを含む。係止部材6は、ランナー31,32のベース部310,320に隣接する、梁11のフランジ110に係止される。フランジ110は、ウェブ111の下端に配置される水平材である。保持部材7は、係止部材6と連結され、ランナー31,32を、表裏方向に間隔をあけた状態で保持する。
より具体的には、係止部材6は、フランジ110の表裏方向両端部を挟持するために、取付部61,64と、把持部62,65と、押圧爪部63,66とを含む。取付部61,64は、略矩形形状の板材であり、後述する保持部材7の板状部70の上面に固定されている。取付部61は、第1空間側に配置され、取付部64は、第2空間側に配置される。把持部62,65は、取付部61,64の表裏方向表側端縁からそれぞれ上方に起立する。把持部62,65は、フランジ110の表裏方向両端面に当接され、フランジ110を左右方向に挟み込む。押圧爪部63,66は、把持部62,65の上端縁側において、表裏方向裏側に突出するように屈曲している。押圧爪部63,66は、フランジ110の上面110aを上から押圧固定する。
保持部材7は、板状部70と、2つの把持部710,750とを有する。板状部70は、梁11のフランジ110とランナー31,32との間に配置される。板状部70は、ランナー31の表側端縁からランナー32の表側端縁まで延び、たとえば、表裏方向を長辺とする略矩形形状の板材である。板状部70には、長辺に沿って溝部85,86が形成されている。これにより、強度向上が図られる。板状部70の上面には、上述の取付部61,64が固定されている。板状部70の下方側に把持部710,750が連結されている。
把持部710は、ランナー31の鍔部311,312を、それぞれの外側から抱え込むように把持する。具体的には、把持部710は、表裏方向表側の鍔部311の外側に配置される側面部71と、表裏方向裏側の鍔部312の外側に配置される側面部73と、これら側面部71,73の下端部(自由端側)において内側斜め上方にそれぞれ折り返された折り返し部72,74とを含む。側面部71,73は、下端側へいくにつれて互いに近接するように傾斜して延びている。
把持部750は、ランナー32の鍔部321,322を、それぞれの外側から抱え込むように把持する。具体的には、把持部750は、表裏方向表側の鍔部321の外側に配置される側面部75と、表裏方向裏側の鍔部322の外側に配置される側面部77と、これら側面部75,77の下端部(自由端側)において内側斜め上方にそれぞれ折り返された折り返し部76,78とを含む。側面部75,77も、下端側へいくにつれて互いに近接するように傾斜して延びている。
本実施の形態では、板状部70と、把持部710,750のうち外側に位置する2つの側面部71,75とは、たとえば1枚の鋼板が折り曲げ加工されて形成されている。また、把持部710,750の内側に位置する2つの側面部73,77の上端同士は、板状部70の下面に固定された連結部79を介して連結されている。これら側面部73,77および連結部79も、たとえば1枚の鋼板が折り曲げ加工されて形成されている。
把持部710,750がこのように形成されることで、ランナー31は、側面部71,73が押し広げられた状態で側面部71,73間に嵌入され、嵌入された後は、側面部71,73の復元力により左右方向に挟持される。ランナー31の鍔部311,312の下端は、それぞれ、折り返し部72,74によって支えられる。同様に、ランナー32は、側面部75,77が押し広げられた状態で側面部75,77間に嵌入され、嵌入された後は、側面部75,77の復元力により左右方向に挟持される。ランナー32の鍔部321,322の下端は、それぞれ、折り返し部76,78によって支えられる。
ランナー固定具13には、板状部70の上側および下側に、それぞれバネ部材が設けられている。本実施の形態では、上側のバネ部材として、板バネ81,82が設けられている。板バネ81,82は、取付部61,64の内側端縁と連結され、取付部61,64より斜め上方に延びている。したがって、梁11のフランジ110の上面110aは、押圧爪部63,66の復元力によって下側に押圧され、その下面110bは、板バネ81,82の復元力によって上側に押圧される。これにより、梁11のフランジ110は上下方向にも挟持される。
下側のバネ部材としては、板バネ83,84が設けられている。板バネ83,84は、取付部61,64の表裏方向裏側端縁と連結され、板状部70に形成された穴87,88を貫通して斜め下方に延びている。つまり、板バネ83は、ランナー31側に配置され、板バネ84は、ランナー32側に配置されている。そのため、ランナー31の鍔部311,312の下端が折り返し部72,74に支えられるとともに、ランナー31のベース部310の上面が板バネ83で押圧された状態で固定される。したがって、ランナー31は、板バネ83の復元力により下側に押圧されるとともに、折り返し部72,74により上側方向に支持される。ランナー32も同様に、板バネ84の復元力により下側に押圧されるとともに、折り返し部76,78により上側方向に支持される。これにより、ランナー31,32は、上下方向にも挟持される。
また、ランナー固定具13が、これら板バネ81〜84を有することで、梁11の厚みや、ランナー31,32の垂直方向長さが異なる場合でも、柔軟に対応することができる。なお、板バネ81〜84の延びる方向は、特に限定されない。
ランナー固定具13を上述のような構造とすることで、現場において、ランナー固定具13をワンタッチで梁11のフランジ110に固定(係止)することができる。また、複数のランナー固定具13を先にフランジ110に固定しておくことで、ランナー31,32をボルトレスで固定することができるとともに、ランナー31,32の位置決めを容易にすることができる。
また、本実施の形態では、複数のランナー固定具13が、ランナー31,32の延びる方向に沿って間隔をおいて配置される。そのため、隙間を有して並列するランナー31,32を一括して保持するランナー固定具13が配置されても、上述の一般的な乾式壁101B(図18等)よりも遮音性を十分に高めることができる。
なお、本実施の形態では、保持部材7側に、ランナー31の表側端縁からランナー32の表側端縁まで延びる板材(板状部70)を設けたが、係止部材6側に、このような板材を設けてもよい。つまり、係止部材6の2つの取付部61,64が1枚の板材として一続きに形成されていてもよい。この場合、保持部材7の板状部70は表裏方向に分割され、分割された板状部分を底面部とする略逆U字形状の2つの把持部が、係止部材6の一続きの板材の下面に隙間を有して固定されていてもよい。
<実施の形態2>
本実施の形態に係るランナー固定具は、実施の形態1と比較して、係止部材の構造が異なる。以下に、実施の形態1と異なる点のみ詳細に説明する。
実施の形態1で用いた図5に示されるように、梁11のフランジ110には、上下方向に貫通する円形状の穴112,113が予め形成されていることがある。穴112,113は、フランジ110の両側に、表裏方向に沿って一列に設けられている。本実施の形態に係るランナー固定具の係止部材は、これらの穴112,113を利用して、梁11のフランジ110に係止される。
図9および図10は、本発明の実施の形態2に係るランナー固定構造を模式的に示す図である。図11は、本発明の実施の形態2に係るランナー固定具13Aを示す上面図である。なお、図9においても、理解の容易のために、ランナー固定構造に関連する部分のみが示されている。また、図10には、図9に示すX−X線に沿って整列方向に切断した場合のランナー固定具13Aの断面が示されている。
図9〜図11を参照して、本実施の形態では、ランナー固定具13Aの係止部材6Aは、2つの取付部61A,64Aと、これらと連結された掛止部67,68とを含む。本実施の形態における板状部70には、フランジ110の穴112,113に相当する位置に、たとえば円形状の穴87A,88Aが形成されている。また、板状部70の長辺に沿って突起部85A,86Aが形成されている。なお、この突起部85A,86Aも強度向上を目的としているため、ランナー固定具13Aにおいても、突起部85A,86Aに代えて実施の形態1で示した溝部85,86が形成されてもよい。
取付部61A,64Aは、板状部70の下面に固定されており、掛止部67,68は、それぞれ、穴87A,88Aを貫通して上方に延びる。掛止部67は、たとえば、取付部61Aより上方に起立する起立部671と、起立部671の上端部において、斜め下方に折り曲げられた掛止片672とで構成されている。掛止部68も同様に、たとえば、取付部64Aより上方に起立する起立部681と、起立部681の上端部において、斜め下方に折り曲げられた掛止片682とで構成されている。掛止片682は、掛止片672が折り曲げられる方向とは反対側の方向に折り曲げられることが望ましい。
ランナー固定具13Aを梁11のフランジ110に取り付ける際には、掛止部67,68は、下方よりフランジ110の穴112,113にそれぞれ挿入される。挿入時には、掛止片672,682が板バネとして機能する。ランナー固定具13Aが十分に押し上げられると、掛止片672,682の自由端が、フランジ110の上面110aに掛止される。
なお、本実施の形態においても、係止部材6Aによってフランジ110を上下方向に挟持するためには、図7等に示された板バネ81,82に相当するバネ部材が設けられることが望ましい。また、図9等では板状部70の下側に、図7等に示された板バネ83,84が示されていないが、本実施の形態でもこれらが設けられていることが望ましい。
上述のように、本実施の形態によれば、梁11のフランジ110に予め形成された穴112,113が利用される。したがって、梁11とその周辺の納まりの関係で、実施の形態1に示したようなフランジ110の両端部を把持して固定する方法が採れない場合にも、ボルトレスでランナー31,32を梁11に固定することができる。
なお、掛止部67,68は、各々、フランジ110の上面110aに掛止される少なくとも1つの掛止片を有していればよく、その形状等は上記例に限定されない。
また、ランナー固定具13Aは、建物の梁11への取付けを想定したものであったため、係止部材6Aと保持部材7とを含むものであった。しかしながら、ランナー固定具13Aは、建物の基礎への取付けにも利用できる。この場合、ランナー固定具は、係止部材6Aを含まず、2つのランナー31,32を、間隔をあけた状態で保持する保持部材7を有していればよい。この場合、図11に示すように、保持部材7の表裏方向中央位置に、位置決め手段としての切欠き部91,92が設けられることが望ましい。基礎の上面の表裏方向中央位置にラインを引いておき、そのラインにこの切欠き部91,92を合わせることで、基礎の中央部に適切にランナー固定具を配置することができるからである。なお、このようなランナー固定具を基礎に完全に固定するためには、ボルト等の釘材が用いられるものとする。釘材は、たとえば、ランナー固定具の表裏方向中央位置に打ち込まれる。
また、本実施の形態のように、梁11のフランジ110に形成された2つの穴112,113を利用する場合、板状部70をランナー31側とランナー32側とで分離させてもよい。この場合の例を変形例として以下に説明する。
(変形例)
図11を参照して、板状部70は、ランナー31の上方に位置する第1の部分(以下「板状部701」という)と、ランナー32の上方に位置する第2の部分(以下「板状部702」という)とに分割されていてもよい。板状部701の裏側端縁は、たとえば想像線A3で示され、把持部710の側面部73(図9)の上端と接続されている。また、板状部702の裏側端縁は、たとえば想像線A4で示され、把持部750の側面部77(図9)の上端と接続されている。この場合、図9に示される連結部79は不要である。板状部701,702は、各々、略逆U字形状の把持部の底面部となる。
このように板状部70を2つに分離して配置することで、ランナー固定具13は2つの部品で構成される。したがって、梁11のフランジ110の穴112,113を利用してそれぞれの部品を梁11に取り付けた場合、部品間に隙間が生じる。その結果、当該変形例では、ランナー固定具を介した音の伝搬をも遮ることができるため、遮音性がさらに高められる。ただし、この場合には、掛止片672,682の抜け落ち等を防止するために、たとえば、係止部材6Aに公知の部材が別途設けられてもよいし、掛止部67,68の構造が変更されてもよい。
<実施の形態3>
本実施の形態に係るランナー固定具は、実施の形態1と比較して、保持部材の構造が異なる。以下に、実施の形態1と異なる点のみ詳細に説明する。
図12は、本発明の実施の形態3に係るランナー固定具の保持部材7Aを示す断面図である。図12に示されるように、保持部材7Aは、実施の形態1で示した把持部710,750に代えて、表裏方向に弾性を有する弾性係合部720,760を含む。弾性係合部720,760は、保持部材7Aの底部としての板状部70から下方に、すなわち躯体部(梁または基礎)とは反対方向に、突出している。
なお、保持部材7Aは、実施の形態1と同様に、ランナー31,32の鍔部311,312,321,322の外側面に当接または近接する側面部71,73,75,77を有していてもよい。ただし、この場合、各側面部71,73,75,77の上下長さは、上記実施の形態1で示した長さよりも短くてよい。保持部材7Aが側面部71,73,75,77を有することで、ランナー31,32の位置決めを容易にすることができる。
図12では、保持部材7Aのうち、ランナー31を保持する部分を保持部7A−1、ランナー32を保持する部分を保持部7A−2として示している。保持部7A−1に弾性係合部720が含まれ、保持部7A−2に弾性係合部760が含まる。また、保持部7A−1には、実施の形態1の板バネ83に相当する板バネ83Aが含まれ、保持部7A−2にも、実施の形態1の板バネ84に相当する板バネ84Aが含まれている。
各保持部7A−1,7A−2の機能および構造は、同様であるため、以下に、保持部7A−1によるランナー31の保持構造について代表的に説明する。
図13は、本発明の実施の形態3における、保持部材7A(保持部7A−1)およびランナーの構造を模式的に示す図である。図14は、保持部材7Aによるランナーの保持構造を模式的に示す図である。図15は、図14の矢印XVで示す方向から見た場合の保持構造を示す図である。
図13に示されるように、本実施の形態におけるランナー31は、ベース部310に、上下方向に貫通する長孔(貫通穴)310aを有している。より具体的には、ベース部310の表裏方向中央部に、長手方向に沿って、複数の長孔310aが間隔をあけて設けられている。長孔310aは、ランナー31の長手方向に長い。
弾性係合部720の説明において、ランナー31の長手方向(スタッド21の整列方向)を横方向、表裏方向を奥行き方向ともいう。この場合、弾性係合部720は、保持部7A−1の底部(板状部70のうちの一部)の奥行き方向中央部、かつ、横方向中央部に設けられていることが望ましい。この場合、板バネ83Aは、たとえば、板状部70のうち、弾性係合部720の横方向両側に設けられている。
上述のように、弾性係合部720は、奥行き方向(表裏方向)に弾性を有している。その場合、弾性係合部720は、その奥行き寸法L3が、通常時(非弾性時)に長孔310aの短辺寸法L4よりも大きく、弾性時に長孔310aの短辺寸法L4よりも小さくなるように構成されている。また、弾性係合部720の横幅L5は、長孔310aの長辺寸法L6よりも若干小さい。
本実施の形態では、弾性係合部720は、たとえば2つの板バネ部材721,724を含む。板バネ部材721,724は、横方向に隣り合って配置されている。板バネ部材721は、本体板部722と反り部723とで構成されている。本体板部722は、保持部材7Aの板状部70の下面から下方に延びている。反り部723は、本体板部722の先端(下端)から板状部70側へ斜めに延びている。板バネ部材724も同様に、本体板部725と反り部726とで構成されている。
板バネ部材721と板バネ部材724とは、表裏方向の向きが反対となるように設けられている。具体的には、板バネ部材721は、その本体板部722が、表側に位置する側面部71寄りに配置され、その反り部723は、裏側に位置する側面部73の方へ延びている。これに対し、板バネ部材724は、その本体板部725が、裏側に位置する側面部73寄りに配置され、その反り部726は、表側に位置する側面部71の方へ延びている。
このような板バネ部材721,724を含む弾性係合部720による、ランナー31の保持は、次のようにして行なわれる。すなわち、保持部7A−1を含むランナー固定具が、梁または基礎に固定された状態で、ランナー31の長孔310a内に弾性係合部720を挿入する。挿入の際、ランナー31の長孔310aの一対の長辺と、板バネ部材721,724の本体板部722,725とは、それぞれ当接する。また、挿入途中に、板バネ部材721,724の反り部723,726も、長孔310aの一対の長辺にそれぞれ当接すると、反り部723,726は、それぞれ本体板部722,725側に近づくように撓む。これにより、各板バネ部材721,724は、表裏方向に縮む。
ランナー31がさらに保持部7A−1の板状部70側へ押し付けられると、板バネ部材721,724の反り部723,726が長孔310aから抜ける。そうすると、板バネ部材721,724の反り部723,726は、反発力により表裏方向に広がり、元の位置に戻る。このとき、板バネ部材721,724の先端部(反り部723,726の自由端部)は、ランナー31のベース部310における、長孔310a周辺の裏面に当接する。これにより、ランナー31のベース部310が、反り部723,726の先端部に引っ掛けられることによって、板バネ部材721,724と係合する。つまり、保持部7A−1によって、ランナー31が保持される。
また、本実施の形態においても、保持部7A−1に、板バネ83Aが設けられているため、ランナー31のベース部310の上面は、板バネ83Aによる反発力によって押圧される。これにより、ランナー31のベース部310は、板バネ部材721,724の先端部と、板バネ83Aとによって、上下方向に挟持される。したがって、本実施の形態においても、ランナー31を適切に保持することができる。
また、上述のように、ランナー31のベース部310に、長手方向に間隔をあけて設けられた長孔310a内に、板バネ部材721,724を係合させることによって、ランナー31が保持される。したがって、本実施の形態に係るランナー固定構造は、実施の形態1で示した保持部材7の把持部710,750によるランナー固定構造よりも、ランナー31の横ずれ(長手方向のずれ)を防止することができる。
なお、本実施の形態に係る保持部材7Aは、梁11にランナー31〜34を固定する場合にも、基礎上に下側のランナー33,34を固定する場合にも適用することができる。前者の場合、保持部材7Aは、実施の形態1で示した係止部材6または実施の形態2で示した係止部材6Aと接続されてもよい。
以上説明した各実施の形態によれば、表裏方向に2つの独立したランナーが間隔をおいて配置されるため、ランナーを介した音の伝搬を防止することができる。また、このような2つのランナーを、たとえばH型鋼で造られた梁や基礎に取り付ける場合には、上述のようなランナー固定具を用いることで、2つのランナーであっても容易に固定することができる。その結果、現場工程をスムーズに進めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,101A,101B 乾式壁、2 基礎部材、4,104 面部材、13,13A ランナー固定具、6,6A 係止部材、7,7A 保持部材、7A−1,7A−2 保持部、11,12 梁、21,22,120 スタッド、31,32,33,34,131,133 ランナー、41,141 石膏ボード、42 強化石膏ボード、51 柱、52 下地、53 吸音材、61,64,61A,64A 取付部、62,65,710,750 把持部、63,66 押圧爪部、67,68 掛止部、70 板状部、71,73,75,77 側面部、72,74,76,78 折り返し部、79 連結部、81,82,83,84,83A,84A 板バネ、85,86 溝部、85A,86A 突起部、87,88,87A,88A,112,113 穴、91,92 切欠き部、110 フランジ、111 ウェブ、135 スペーサ、310,320 ベース部、311,312,321,322 鍔部、671,681 起立部、672,682 掛止片、720,760 弾性係合部、721,724 板バネ部材、722,725 本体板部、723,726 反り部。

Claims (6)

  1. 隣り合う第1空間および第2空間を仕切る仕切り面に沿って配置される乾式壁を備え、
    前記乾式壁は、
    前記第1空間側および前記第2空間側それぞれにおいて縦方向に延び、短辺が表裏方向に沿うように弱軸配置された、略長方形状断面を有する第1および第2のスタッドと、
    弱軸配置された前記第1のスタッドの軸方向端部および前記第2のスタッドの軸方向端部をそれぞれ抱え込むように、表裏方向に間隔をあけて配置される第1および第2のランナーとを含み、
    前記第1および第2のランナーを表裏方向に間隔をあけた状態で保持し、前記乾式壁の端部を支える梁のフランジに、前記第1および第2のランナーを固定するためのランナー固定具をさらに備え、
    前記ランナー固定具は、前記梁のフランジに係止される係止部材と、前記第1および第2のランナーを表裏方向に間隔をあけた状態で保持する保持部材とを含み、
    前記保持部材は、前記係止部材と連結され、かつ、前記梁のフランジと前記第1および第2のランナーとの間に配置される一枚の板状部と、前記板状部に連結され、前記第1および第2のランナーをそれぞれ保持する2つの保持部とを有している、ランナー固定構造。
  2. 前記第1および第2のランナーは、各々、表裏方向両端に鍔部を有しており、
    前記2つの保持部は、前記第1のランナーの両端の前記鍔部をそれぞれの外側から把持する第1の把持部と、前記第2のランナーの両端の前記鍔部をそれぞれの外側から把持する第2の把持部とを有する、請求項1に記載のランナー固定構造。
  3. 前記第1および第2のランナーは、各々、上下方向に貫通する貫通穴が設けられたベース部を有しており、
    前記2つの保持部は、前記板状部から前記とは反対方向に突出し、前記第1のランナーの貫通穴に挿入される、表裏方向に弾性を有する第1の弾性係合部と、前記板状部から前記とは反対方向に突出し、前記第2のランナーの貫通穴に挿入される、表裏方向に弾性を有する第2の弾性係合部とを有する、請求項1に記載のランナー固定構造。
  4. 前記係止部材は、前記梁のフランジの表裏方向両端部を挟持することによって、前記梁のフランジに係止される、請求項1〜3のいずれかに記載のランナー固定構造。
  5. 前記梁のフランジには、上下方向に貫通する穴が予め形成されており、
    前記係止部材は、前記フランジの穴に挿入され、前記梁のフランジに掛止される掛止部を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のランナー固定構造。
  6. 隣り合う第1空間および第2空間を仕切る仕切り面に沿って配置される乾式壁に用いられるランナーを、前記乾式壁の端部を支える梁のフランジに固定するためのランナー固定具であって、
    前記乾式壁は、前記第1空間側および前記第2空間側それぞれにおいて縦方向に延び、短辺が表裏方向に沿うように弱軸配置された、略長方形状断面を有する第1および第2のスタッドと、弱軸配置された前記第1のスタッドの軸方向端部および前記第2のスタッドの軸方向端部をそれぞれ抱え込むように、表裏方向に間隔をあけて配置される第1および第2のランナーとを含んでおり、
    前記梁のフランジに係止される係止部材と、
    前記第1および第2のランナーを表裏方向に間隔をあけた状態で保持する保持部材とを備え、
    前記保持部材は、前記係止部材と連結され、かつ、前記梁のフランジと前記第1および第2のランナーとの間に配置される一枚の板状部と、前記板状部に連結され、前記第1および第2のランナーをそれぞれ保持する2つの保持部とを有している、ランナー固定具。
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