JP6451302B2 - 画像表示装置及び頭部装着型画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置及び頭部装着型画像表示装置 Download PDF

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本発明は、画像表示装置及び頭部装着型画像表示装置に関する。
従来、画像を表示する画像表示装置として、観察者の頭部に装着されるHMD(Head Mounted Display)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のHMDは、観察者により虚像として視認可能に映像を表示する映像表示装置と、支持手段とを備える。これらのうち、支持手段は、眼鏡のフレームに相当するものであり、接眼光学系を観察者の眼前で支持する。
また、上記映像表示装置は、LED(Light Emitting Diode)からなる光源と、吸熱部材と、FPC(Flexible Printed Circuits)と、これらを内包する筐体と、を有する。
これらのうち、光源は、FPCのランド部分に半田付けにより固定されている。また、吸熱部材は、半田によって当該FPCにおける光源の実装面とは反対側の面に固定されている。そして、吸熱部材には、シールド線が接続され、当該シールド線が筐体外に露出している。これにより、光源で発生した熱が吸熱部材に吸熱され、シールド線を介して筐体の外部に導かれ、当該熱が放熱される。すなわち、特許文献1に記載のHMDでは、シールド線が熱伝導部材として用いられている。
特開2008−99222号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のHMDでは、シールド線が吸熱部材により吸熱された熱を筐体外に伝導する。このため、吸熱部材に対するシールド部材の接触面積が小さくなりやすいことから、当該シールド部材の熱伝導効率が低く、光源からの熱を効率よく放熱できないという問題がある。また、当該HMDの構成では、シールド線の応力によって光源や液晶パネルがずれる可能性があり、ひいては、光源及び液晶パネルにより形成されて投射される画像がずれるという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、画像形成装置からの熱を効率よく放熱でき、かつ、投射される画像のずれを抑制できる画像表示装置及び頭部装着型画像表示装置を提供することを目的の1つとする。
本発明の第1態様に係る画像表示装置は、観察者によって視認可能に画像を表示する表示部と、前記表示部を保持する保持部材と、シート状の熱伝導部材と、を備え、前記表示部は、前記画像を形成する画像形成装置と、形成された前記画像を投射する投射光学装置と、前記投射光学装置から投射された前記画像を前記観察者の眼に入射させる導光部材と、を備え、前記保持部材は、少なくとも一部が外部に露出され、前記導光部材を前記観察者の眼に応じた位置に保持するフレームと、前記画像形成装置及び前記投射光学装置を内部に収納して、前記フレームの一部が内部に配置されるように、前記フレームと係合するカバー部材と、を備え、前記熱伝導部材は、前記カバー部材内にて前記画像形成装置と前記フレームの一部とに熱伝導可能に接続され、前記画像形成装置の熱を前記フレームに伝導することを特徴とする。
なお、上記観察者によって視認可能な画像は、当該観察者によって直視可能な実像でもよく、虚像でもよい。
上記第1態様によれば、熱伝導部材がシート状に形成されているので、シールド線によって構成される熱伝導部材が採用される場合に比べて、画像形成装置及びフレームとの接触面積を大きくすることができ、当該画像形成装置からの熱をフレームに効率よく伝導できる。そして、画像形成装置の熱が伝導されたフレームは、一部が外部に露出しているので、伝導された熱を外部に露出した部分にて放熱できる。従って、画像形成装置を効果的に冷却できる。
また、シート状の熱伝導部材を採用することにより、シールド線によって構成される熱伝導部材が採用される場合に比べて、当該熱伝導部材の応力が画像形成装置に加わりづらくすることができる。従って、画像形成装置の位置がずれる可能性を低減でき、投射される画像がずれることを抑制できる。
上記第1態様では、前記表示部は、前記投射光学装置から出射された前記画像を前記観察者の眼に入射させる導光部材を備え、前記保持部材は、少なくとも一部が外部に露出され、前記導光部材を前記観察者の眼に応じた位置に保持するフレームを備え、前記熱伝導部材は、前記フレームと熱伝導可能に接続される。
なお、フレームが配置される場所としては、観察者の頭部(前額部及び側頭部に応じた位置)を例示できる。
ここで、導光部材を保持するフレームは、外部に露出しやすい他、観察者の眼に応じて配置される導光部材を保持することから、外表面の面積が比較的大きい部材である。
このため、上記第1態様によれば、熱伝導部材を介して伝導された画像形成装置の熱を外表面の面積が比較的大きいフレームから放熱させることができる。これにより、画像形成装置の熱を更に効率よく放熱できる。
上記第1態様では、前記保持部材は、前記画像形成装置及び前記投射光学装置を内部に収納して、前記フレームの一部が内部に配置されるように、前記フレームと係合するカバー部材を備え、前記熱伝導部材は、前記カバー部材内にて、前記画像形成装置と前記フレームの一部とに熱伝導可能に接続される。
上記第1態様によれば、カバー部材内にて、熱伝導部材により画像形成装置とフレームとが接続されるので、当該熱伝導部材が外部に露出することがない。これによれば、熱伝導部材と画像形成装置及びフレームとの接触状態を確実に維持できる。従って、画像形成装置からフレームへの熱伝導を確実に行うことができる。また、カバー部材内に位置する熱伝導部材の移動が抑制されるので、画像形成装置の位置ずれを確実に抑制できる。
上記第1態様では、前記画像形成装置は、光源装置と、前記光源装置から出射される光を変調する光変調装置と、を備え、前記光源装置及び前記光変調装置は、一体化されていることが好ましい。
上記第1態様によれば、光源装置と光変調装置とが一体化されているので、これらのいずれかに熱伝導部材が接続されていても、それぞれで発生した熱を、上記フレームに伝導できる。従って、光源装置及び光変調装置を効果的に冷却できる。
また、画像形成装置を構成する光源装置及び光変調装置が一体化されているので、光源装置及び光変調装置のいずれかに熱伝導部材が接続されている場合に比べ、当該熱伝導部材の接続先の重量を大きくすることができる。これによれば、仮に熱伝導部材の応力が画像形成装置に加わったとしても、画像形成装置の位置がずれる可能性を更に低減できる。これにより、画像形成装置から投射される画像がずれることを確実に抑制できる。
上記第1態様では、前記熱伝導部材は、前記画像形成装置から出射された光の光路を遮らない位置に配置されていることが好ましい。
なお、上記光の光路を遮らない位置としては、光源装置において光の出射側とは反対側の面や、光源装置及び光変調装置における当該光の進行方向に沿う側面を例示できる。
上記第1態様によれば、熱伝導部材が画像形成装置から出射された光の光路を遮らないことにより、形成される画像を確実に視認させることができる。この他、熱伝導部材を上記光の光路を遮らない位置の全面に接続できるので、画像形成装置と熱伝導部材との接触面積を拡大でき、これにより、画像形成装置の熱をより効率よくフレームに伝導できる。従って、フレームにおける外部に露出した部分から画像形成装置の熱をより効率よく放熱できる。
上記第1態様の関連技術では、前記表示部は、前記投射光学装置から出射された前記画像を前記観察者の眼に入射させる導光部材を備え、前記保持部材は、前記導光部材を前記観察者の眼に応じた位置に保持するフレームと、前記フレームと係合し、前記画像形成装置及び前記投射光学装置を内部に収納するカバー部材と、を備え、前記熱伝導部材は、前記カバー部材における前記観察者とは反対側の部位に接続される。
なお、フレームの配置位置としては、上記と同様に、観察者の頭部(前額部及び側頭部)に応じた位置を例示できる。また、カバー部材の配置位置としては、観察者の頭部(側頭部におけるこめかみの部位)に応じた位置を例示できる。
上記関連技術によれば、熱伝導部材は、画像形成装置及び投射光学装置を内部に収納するカバー部材において、観察者側とは反対側の部位に接続される。これによれば、当該熱伝導部材を介して、画像形成装置の熱を、カバー部材における観察者とは反対側の部位に伝導されることができる。従って、画像形成装置の熱が、カバー部材における観察者側の部位に伝導されて、観察者が当該熱を感じることを抑制できる。
上記関連技術では、前記カバー部材における前記観察者とは反対側の部位の熱伝導率は、前記観察者側の部位の熱伝導率より高いことが好ましい。
上記関連技術によれば、カバー部材において、熱伝導部材が接続される観察者とは反対側の部位の熱伝導率は、観察者側の部位の熱伝導率より高い。これによれば、当該観察者側の部位に接続されて、画像形成装置の熱が伝導される場合に比べ、当該熱を伝導させやすくすることができ、ひいては、当該熱を放出させやすくすることができる。従って、画像形成装置を効果的に冷却できる。
また、観察者側の部位の熱伝導率が低いことにより、観察者が画像形成装置の熱を一層感じにくくすることができる。
上記関連技術では、前記カバー部材における前記観察者とは反対側の部位の厚さ寸法は、前記観察者側の部位の厚さ寸法より小さいことが好ましい。
上記関連技術によれば、カバー部材において観察者側の部位の厚さ寸法が、観察者とは反対側の部位の厚さ寸法より大きいので、上記熱伝導率と同様に、観察者が画像形成装置の熱を一層感じにくくすることができる。
また、カバー部材において観察者とは反対側の部位の厚さ寸法が、観察者側の部位の厚さ寸法より小さいので、当該観察者とは反対側の部位の熱抵抗を小さくすることができる。これにより、熱伝導部材を介して画像形成装置からの熱を当該部位に伝導させやすくすることができ、ひいては、当該画像形成装置の熱を外部に放出させやすくすることができる。従って、画像形成装置をより効果的に冷却できる。
上記第1態様では、前記観察者の頭部に沿う形状を有し、当該観察者の頭部に装着される装着部と、前記装着部及び前記保持部材を接続する接続部と、を備え、前記装着部は、前記保持部材から前記接続部を介して伝導される前記画像形成装置の熱を放熱する放熱部を有し、前記放熱部は、前記装着部の前記観察者の頭部とは反対側に設けられていることが好ましい。
なお、装着部の装着部位としては、観察者の頭部における前額部、側頭部、後頭部、及び頭頂部を例示できる他、観察者がヘルメットや帽子等を装着している場合には、当該ヘルメットや帽子等において上記前額部、側頭部、後頭部、及び頭頂部に応じた位置を例示できる。すなわち、観察者の頭部(詳しくは、眉及び耳を通る頭部の外周線より上側の部位)に応じた位置に装着部が固定されればよく、頭部と装着部との間にヘルメットや帽子等の構成が介在していてもよい。このように、装着部は、観察者の額部から上側の部位に固定される。
上記第1態様によれば、画像形成装置の熱が保持部材から接続部を介して装着部に伝導され、当該装着部の観察者の頭部とは反対側に設けられた放熱部材から上記熱を放熱できる。これによれば、画像形成装置の熱が、装着部における観察者側の部位に伝導されて、観察者が当該熱を感じることを抑制できる。また、例えば、観察者がヘルメット等を装着している場合には、観察者が当該熱を感じることを確実に抑制できる。
本発明の第2態様に係る頭部装着型画像表示装置は、観察者によって視認可能に画像を表示する表示部と、前記表示部を保持する保持部材と、前記保持部材に接続され、前記観察者の頭部に沿う形状を有し、当該観察者の頭部に装着される装着部材と、シート状の熱伝導部材と、を備え、前記表示部は、前記画像を形成する画像形成装置と、形成された前記画像を投射する投射光学装置と、前記投射光学装置から投射された前記画像を前記観察者の眼に入射させる導光部材と、を備え、前記保持部材は、少なくとも一部が外部に露出され、前記導光部材を前記観察者の眼に応じた位置に保持するフレームと、前記画像形成装置及び前記投射光学装置を内部に収納して、前記フレームの一部が内部に配置されるように、前記フレームと係合するカバー部材と、を備え、前記熱伝導部材は、前記カバー部材内にて前記画像形成装置と前記フレームの一部とに熱伝導可能に接続され、前記画像形成装置の熱を前記フレームに伝導することを特徴とする。
なお、頭部装着型画像表示装置としては、HMDを例示できる。
上記第2態様によれば、上記第1態様に係る画像形成装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第1実施形態に係る虚像表示装置を示す斜視図。 上記実施形態における虚像表示装置を示す斜視図。 上記実施形態における虚像表示装置を示す斜視図。 上記実施形態における虚像表示装置の表示部を拡大して示す斜視図。 上記実施形態における虚像表示装置の表示部における光学装置の断面図。 本発明の第2実施形態における虚像表示装置の表示部における光学装置の断面図。 上記実施形態に係る虚像表示装置の表示部を拡大して示す斜視図。 本発明の第3実施形態に係る虚像表示装置を示す斜視図。 本発明の変形例に係る虚像表示装置を示す斜視図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
[虚像表示装置の概略構成]
図1は、本実施形態に係る虚像表示装置1が観察者USに装着された状態を示す斜視図である。
本実施形態に係る虚像表示装置1は、図1に示すように、観察者USの頭部やヘルメット等の装着部位(すなわち、頭部における前額部及び側頭部を結ぶ外周線以上の部位)に装着されて使用されるHMD(Head Mounted Display)である。この虚像表示装置1は、本発明の画像表示装置及び頭部装着型画像表示装置に相当し、観察者USによって視認可能に虚像を表示するとともに、外光を透過させて外界を観察可能とするシースルー型のHMDである。
図2及び図3は、虚像表示装置1を正面側及び背面側から見た斜視図である。換言すると、図2は、虚像表示装置1を観察者US側とは反対側から見た斜視図であり、図3は、観察者US側から見た斜視図である。
この虚像表示装置1は、図1〜図3に示すように、上記装着部位に装着されるヘッドバンド部2と、画像を表示する表示部3と、ヘッドバンド部2に回動可能に取り付けられて、これらヘッドバンド部2及び表示部3を接続する一対のアーム部4と、を備える。
なお、以下の説明において、Z方向は、虚像表示装置1を装着した観察者USが正面を向いた場合の視方向であり、X方向及びY方向は、当該Z方向に直交し、かつ、互いに直交する方向である。これらのうち、X方向は、虚像表示装置1を装着した観察者USから見て左から右に向かう方向であり、Y方向は、当該観察者USから見て下から上に向う方向である。更に、Z方向側とは、Z方向における下流側(Z方向先端側)を指し、Z方向とは反対側とは、Z方向における上流側(Z方向基端側)を指す。他の方向も同様である。
また、本実施形態では、ヘッドバンド部2は、観察者USの頭部に装着されるものとして説明する。すなわち、虚像表示装置1の装着部位は、本実施形態では観察者USの頭部であり、詳しくは、前額部及び側頭部を含む頭部の上部分である。しかしながら、上記のように、ヘッドバンド部2は、観察者USの頭部に装着されたヘルメットや帽子にも装着可能である。
[ヘッドバンド部の構成]
ヘッドバンド部2は、図2及び図3に示すように、外装を構成する外装ケース21と、撮像部22と、制御部23と、装着部材24と、回動軸部25とを有する。このヘッドバンド部2は、本発明の装着部に相当する。
これらのうち、装着部材24は、外装ケース21に取り付けられるバンド241と、装着部位に当接される当接部材242と、バンド241に固定される帯部材243とを有する。
外装ケース21は、図2及び図3に示すように、虚像表示装置1の装着部位に含まれる観察者USの前額部及び側頭部に沿って配置され、装着部材24によって当該装着部位に固定される。この外装ケース21は、上記制御部23や当該制御部23に接続されるケーブルCB1,CB2等を内部に収納し、かつ、撮像部22やアーム部4を支持する筐体である。
この外装ケース21は、観察者USの前額部及び側頭部の形状に沿う略半円形状(略U字状)の外形を有する。すなわち、外装ケース21において、観察者USの前額部及び側頭部に対向する内面211は、Y方向側から見て、観察者USの頭部に沿って湾曲している。
このような外装ケース21の円弧状の両端近傍には、それぞれのアーム部4の一端が回動軸部25によって回動可能に支持されている。これにより、ヘッドバンド部2との接続部位を中心としてアーム部4が回動される。
撮像部22は、図2に示すように、外装ケース21において上記内面211とは反対側に位置する外面212のX方向における略中央に配置されており、観察者USの前方、すなわち、当該観察者USの視野における一部の領域を撮像する。この撮像部22は、X方向に沿う回動軸を中心として外装ケース21に対して回動可能に取り付けられ、撮像方向を変更可能に構成されている。
制御部23は、図2に示すように、撮像部22を制御するとともに、当該撮像部22による撮像画像を、ケーブルCB1を介して外部に出力する。また、制御部23は、ケーブルCB1を介して画像情報を受信し、ケーブルCB2を介して表示部3に出力することにより、当該表示部3を制御する。
なお、ヘッドバンド部2は、図示を省略するが、虚像表示装置1に対する観察者USによる各種入力操作を受け付けるコントローラーが接続されており、当該コントローラーから、ケーブルCB1を介して制御部23に、操作情報及び画像情報が送信される。
[アーム部の構成]
一対のアーム部4は、図2及び図3に示したように、ヘッドバンド部2の外装ケース21と、表示部3の各カバー部材34とを接続するとともに、当該外装ケース21に対して回動可能に支持されている。これらアーム部4は、本発明の接続部に相当し、表示部3において対応するカバー部材34と接続されている。
なお、虚像表示装置1は、図示を省略するが、アーム部4と表示部3とを相対的に移動させて、表示部3をヘッドバンド部2に対して接離可能とする移動機構を備えている。この移動機構は、例えば、表示部3に設けられたガイドレールと、アーム部4に設けられ当該ガイドレールに係合するスライド部材とを備える。そして、ガイドレールに沿ってスライド部材を摺動させて、アーム部4に対して表示部3を移動させることにより、ヘッドバンド部2と表示部3との距離を調整できる。
[表示部の構成]
表示部3は、制御部23から入力される画像情報に応じた画像を形成して、当該画像を虚像として観察者USに視認させる。この表示部3は、図2及び図3に示すように、観察者USにとっての右側及び左側に配置される一対の光学装置31(左側及び右側光学装置を、それぞれ31L,31Rとする)と、一対の光学装置31を保持する保持部材32と、熱伝導部材5(図5参照)と、を備える。なお、左側光学装置31Lと、右側光学装置31Rとは、互いに鏡面対称の関係を有する。
図4は、保持部材32を構成するカバー部材34の一部を除き、光学装置31の内部を示す図であり、図5は、光学装置31をY方向に切断した断面をX方向側から見た断面図である。
一対の光学装置31のそれぞれは、画像形成装置311(図4及び図5参照)と、投射レンズ312と、導光部材313(図3参照)と、を有する。
画像形成装置311は、光源装置3111と、光変調装置3112と、固定部材3113と、を有する。
光源装置3111は、LEDが実装された基板を有し、光学装置31の構成において最もZ方向とは反対側に配置される。
光変調装置3112は、光源装置3111に対してZ方向側に配置され、当該光源装置3111から入射される光を変調して画像を形成する。この光変調装置3112は、本実施形態では透過型の液晶パネルにより構成される。
固定部材3113は、光源装置3111と光変調装置3112とを一体化する。この固定部材3113は、熱伝導性を有する金属により形成されている。このため、光変調装置3112の熱は、固定部材3113に伝導される。
投射レンズ312は、光変調装置3112に対するZ方向側に配置され、当該光変調装置3112によって変調された光(画像光)を、導光部材313に投射する投射光学装置である。この投射レンズ312は、図示を省略するが、複数のレンズと、当該複数のレンズを収納する鏡筒とを有する。
導光部材313(右側及び左側の導光部材を、それぞれ313R,313Lとする)は、観察者USの眼に応じた位置に配置され、それぞれ対応する光学装置31の投射レンズ312から投射された光が入射される。これら導光部材313は、内部に半透過層(半反射層)が形成されており、当該半透過層を介して外界を観察可能に構成されている他、上記投射レンズ312から入射されて当該半透過層にて内面反射された光(画像光)が眼に入射されることにより、当該光に応じた虚像が視認される。このような導光部材313は、可視光領域で高い光透過性を示す樹脂(例えばシクロオレフィンポリマー)により主に形成される。
保持部材32は、上記一対の光学装置31を保持し、上記アーム部4と接続される。この保持部材32は、フレーム33及びカバー部材34を備える。
フレーム33は、アルミダイカスト若しくはその他の各種金属によって、Y方向側から見て略U字状に形成され、観察者USの頭部(前額部及び側頭部)に応じた位置に配置される。すなわち、フレーム33は、熱伝導性を有する。このフレーム33は、一対の導光部材313におけるY方向側の端部を保持して、各導光部材313を観察者USの眼に応じた位置に配置させる。
このようなフレーム33は、導光部材313を保持する中央部331と、当該中央部331の両端から観察者側(Z方向とは反対側)に延びる端部332(左側及び右側の端部を、332L,332Rとする)と、を有する。
中央部331におけるY方向側の面である上面3311は、外部に露出している他、当該上面3311には、凹凸が形成されている。具体的に、上面3311におけるX方向側及びX方向とは反対側の部位には、それぞれ凹部3312が形成されており、これにより、表面積が拡大されている。
端部332には、当該端部332の上面3321よりY方向とは反対側の位置からZ方向とは反対側に更に突出する突出部333が設けられている。この突出部333は、カバー部材34内に配置される。すなわち、各端部332は、上面3321のみが外部に露出する状態で、後述するカバー部材34内に配置される。
なお、突出部333において、Y方向側に位置し、平面状に形成された上面3331には、後述する熱伝導部材5が接続される。
カバー部材34は、それぞれ、合成樹脂により形成され、上記画像形成装置311、投射レンズ312及び熱伝導部材5と、上記突出部333を内部に収納する。そして、各カバー部材34は、フレーム33に固定されることにより、観察者USの頭部(側頭部におけるこめかみの部位)に応じた位置に配置される。
これらカバー部材34は、それぞれ、観察者側に配置される第1カバー部材341と、観察者とは反対側に配置される第2カバー部材342と、を有する。そして、これら第1カバー部材341及び第2カバー部材342が、上記光学装置31を挟むようにして組み合わされて、カバー部材34は構成される。
[熱伝導部材の構成]
熱伝導部材5は、可撓性を有する矩形状のグラファイトシートにより構成され、画像形成装置311の熱をフレーム33に伝導する。具体的に、熱伝導部材5は、カバー部材34内において画像形成装置311とフレーム33の突出部333とを熱伝導可能に接続する。詳述すると、熱伝導部材5の一端は、当該突出部333における上記上面3331に接続されている。また、熱伝導部材5の他端は、画像形成装置311の光源装置3111におけるZ方向とは反対側の面SF及び固定部材3113に接続されている。このように、熱伝導部材5は、光源装置3111から出射された光の光路を遮らない位置に設けられている。
より詳述すると、熱伝導部材5は、画像形成装置311と熱伝導可能に面接触し、上記上面3331と熱伝導可能に面接触している。これにより、画像形成装置311(光源装置3111及び光変調装置3112)の熱が、熱伝導部材5を介して、フレーム33に伝導される。具体的に、光源装置3111の熱は、熱伝導部材5に直接伝導され、更に、光変調装置3112の熱は、固定部材3113を介して熱伝導部材5に伝導される。そして、当該熱伝導部材5に伝導された熱は、突出部333を介してフレーム33に伝導され、上記上面3311にて放熱される。
[第1実施形態の効果]
以上、説明した本実施形態に係る虚像表示装置1によれば、以下の効果を奏する。
熱伝導部材5がシート状に形成されているので、シールド線によって構成される熱伝導部材が採用される場合に比べて、画像形成装置311及びフレーム33との接触面積を大きくすることができ、当該画像形成装置311からの熱をフレーム33に効率よく伝導できる。そして、画像形成装置311の熱が伝導されたフレーム33は、一部が外部に露出しているので、伝導された熱を外部に露出した部分にて放熱できる。従って、画像形成装置311を効果的に冷却できる。
また、シート状の熱伝導部材5を採用することにより、シールド線によって構成される熱伝導部材が採用される場合に比べて、当該熱伝導部材5の応力が画像形成装置311に加わりづらくすることができる。従って、画像形成装置311の位置がずれる可能性を低減でき、投射される画像がずれることを抑制できる。
光源装置3111と光変調装置3112とが固定部材3113により一体化されているので、これらのいずれかに熱伝導部材5が接続されていても、それぞれで発生した熱をフレーム33に伝導できる。従って、光源装置3111及び光変調装置3112を効果的に冷却できる。
また、画像形成装置311を構成する光源装置3111及び光変調装置3112が固定部材3113により一体化されているので、光源装置3111及び光変調装置3112のいずれかに熱伝導部材5が接続されている場合に比べ、当該熱伝導部材の接続先の重量を大きくすることができる。これによれば、仮に熱伝導部材5の応力が画像形成装置311に加わったとしても、光源装置3111及び光変調装置3112の位置がずれる可能性を更に低減できる。これにより画像形成装置311から投射される画像がずれることを確実に抑制できる。
熱伝導部材5が画像形成装置311から出射された光の光路を遮らないことにより、形成される画像を確実に視認させることができる。この他、熱伝導部材5を上記光の光路を遮らない位置の全面に接続できるので、画像形成装置311と熱伝導部材5との接触面積を拡大でき、これにより、画像形成装置311の熱をより効率よくフレーム33に伝導できる。従って、フレーム33における外部に露出した中央部331から画像形成装置311の熱をより効率よく放熱できる。
導光部材313を保持するフレーム33は、外部に露出しやすい他、観察者USの眼に応じて配置される導光部材313を保持することから、外表面の面積が比較的大きい部材である。このため、熱伝導部材5を介して伝導された画像形成装置311の熱を外表面の面積が比較的大きいフレーム33から放熱させることができる。これにより、画像形成装置311の熱を更に効率よく放熱できる。
カバー部材34内にて、熱伝導部材5により画像形成装置311とフレーム33とが接続されるので、当該熱伝導部材5が外部に露出することがない。これによれば、熱伝導部材5と画像形成装置311及びフレーム33との接触状態を確実に維持できる。従って、画像形成装置311からフレーム33への熱伝導を確実に行うことができる。また、カバー部材34内に位置する熱伝導部材5の移動が抑制されるので、画像形成装置311の位置ずれを確実に抑制できる。従って、画像形成装置311から伝導された熱がフレーム33から放熱される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る虚像表示装置は、上記虚像表示装置1と同様の構成を備えるが、熱伝導部材5の接続先が異なる。すなわち、第1実施形態では、熱伝導部材5はフレーム33に接続されることとしたが、本実施形態では、熱伝導部材5はカバー部材に接続される。また、カバー部材の形状及び材質も上記カバー部材34と異なる。これらの点で、本実施形態に係る虚像表示装置と、上記虚像表示装置1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る虚像表示装置1Aが備える表示部3AにおけるX方向側の部位のXZ平面における断面図である。
本実施形態に係る虚像表示装置1Aは、表示部3に代えて表示部3Aを有する他は、上記虚像表示装置1と同様の構成及び機能を有する。また、表示部3Aは、カバー部材34に代えてカバー部材35を有し、熱伝導部材5の接続先が異なる他は、上記表示部3と同様の構成及び機能を有する。
カバー部材35は、フレーム33とともに本発明の保持部材を構成し、図6に示すように、第1カバー部材351及び第2カバー部材352を有する。
第1カバー部材351は、観察者US側に位置し、合成樹脂により構成されている。一方、第2カバー部材352は、観察者USとは反対側に位置し、第1カバー部材351より熱伝導率が高い合成樹脂(例えば、フィラー材等)により構成されている。すなわち、第1カバー部材351の熱伝導率は、第2カバー部材352の熱伝導率より低い。
また、第1カバー部材351において観察者USと対向する側部3511(観察者US側の側部3511)の厚さ寸法は、第2カバー部材352において観察者USとは反対側の側部3521の厚さ寸法より大きく構成されている。これにより、例えば、第1カバー部材351及び第2カバー部材352のそれぞれに同量の熱が伝導されたとしても、観察者US側に位置する第1カバー部材351の観察者US側の面に伝導される熱量は、第2カバー部材352の観察者USとは反対側の面に伝導される熱量に比べて少なくなる。
図7は、当該表示部3Aを構成する熱伝導部材5の配置を示す斜視図である。なお、図7においては、説明の都合上、カバー部材35の図示を省略する。
熱伝導部材5は、画像形成装置311の熱を上記第2カバー部材352に伝導する。具体的に、熱伝導部材5は、図6及び図7に示すように、カバー部材35内において、画像形成装置311(光源装置3111及び固定部材3113)と、第2カバー部材352の内面とに、熱伝導可能に接続される。
詳述すると、熱伝導部材5の一端、すなわち、Z方向側の端部は、第2カバー部材352の側部3521における観察者US側の面(内面)に面接触されている。また、熱伝導部材5の他端、すなわち、第2カバー部材352に接続された側とは反対側の端部は、画像形成装置311の光源装置3111及び固定部材3113のZ方向とは反対側の面SFに面接触されている。更に、熱伝導部材5は、固定部材3113の側面(観察者US側とは反対側の側面)にも接続されている。すなわち、熱伝導部材5は、当該固定部材3113の側面との接触部位における反対側の部位にて、第2カバー部材352の内面に接続される。このように、熱伝導部材5は、本実施形態においても光源装置3111から出射された光の光路を遮らない位置に接続されている。
これにより、画像形成装置311(光源装置3111及び光変調装置3112)の熱が熱伝導部材5を介して、第2カバー部材352に効率よく伝導される。すなわち、光源装置3111の熱は、熱伝導部材5に直接伝導され、更に、光変調装置3112の熱は、固定部材3113を介して熱伝導部材5に伝導される。そして、当該熱伝導部材5に伝導された熱は、第2カバー部材352に伝導され、当該第2カバー部材352における観察者US側とは反対側の面にて放熱される。
[第2実施形態の効果]
以上、説明した本実施形態に係る虚像表示装置1Aによれば、第1実施形態における虚像表示装置1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
熱伝導部材5の一端は、画像形成装置311及び投射レンズ312を内部に収納するカバー部材35において、観察者US側とは反対側の部位(第2カバー部材352)に接続される。これによれば、当該熱伝導部材5を介して、画像形成装置311の熱を、カバー部材35における観察者USとは反対側の第2カバー部材352に伝導させることができる。従って、画像形成装置311の熱が、カバー部材35における観察者US側の部位(第1カバー部材351)に伝導されて、観察者USが当該熱を感じることを抑制できる。
カバー部材35において、熱伝導部材5の上記一端側が接続される観察者USとは反対側の第2カバー部材352の熱伝導率は、観察者US側の第1カバー部材351の熱伝導率より高い。これによれば、当該観察者US側の第1カバー部材351に上記一端側が接続されて、画像形成装置311との熱が伝導される場合に比べ、当該熱を伝導させやすくすることができ、ひいては、当該熱を放出させやすくすることができる。従って、画像形成装置311を効果的に冷却できる。
また、観察者US側の第1カバー部材351の熱伝導率が低いことにより、観察者USが画像形成装置311との熱を一層感じにくくすることができる。
カバー部材35において観察者US側の第1カバー部材351の側部3511の厚さ寸法が、観察者USとは反対側の第2カバー部材352の側部3521の厚さ寸法より大きいので、上記熱伝導率と同様に、観察者USが画像形成装置311の熱を一層感じにくくすることができる。
また、カバー部材35において観察者USとは反対側の第2カバー部材352の側部3521の厚さ寸法が、観察者US側の第1カバー部材351の側部3511の厚さ寸法より小さいので、当該観察者USとは反対側の第2カバー部材352の熱抵抗を小さくすることができる。これにより、熱伝導部材5を介して画像形成装置311からの熱を当該第2カバー部材352に伝導させやすくすることができ、ひいては、当該画像形成装置311の熱を外部に放出させやすくすることができる。従って、画像形成装置311をより効果的に冷却できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る虚像表示装置は、上記第2実施形態の虚像表示装置1Aと同様の構成を備える他、ヘッドバンド部2及びアーム部4を備えていない。すなわち、本実施形態では、ヘッドバンド部2及びアーム部4に代えて、保持部材としてのカバー部材35に接続される装着部材を有する。この点で、本実施形態に係る虚像表示装置と、上記虚像表示装置1Aとは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る虚像表示装置1Bを示す斜視図である。
本実施形態に係る虚像表示装置1Bは、表示部3Aに代えて表示部3Bを有する他は、上記虚像表示装置1Aと同様の構成及び機能を有する。また、表示部3Bは、フレーム33に代えてフレーム33Aを有し、ヘッドバンド部2及びアーム部4に代えて装着部材36を有する他は、上記表示部3Aと同様の構成及び機能を有する。
フレーム33Aは、内部に収納スペースを有し、当該収納スペースに不図示の制御部及び通信部を備える。この不図示の通信部は、例えば、PC(personal computer)等の画像供給装置に接続され、画像情報を受信し、制御部に送信する。そして、不図示の制御部は、受信した画像情報に応じて表示部3Bを駆動させる。
装着部材36は、カバー部材35の導光部材313とは反対側の端部にヒンジ部361を介して接続される。この装着部材36は、観察者USの頭部に沿う形状に形成されている。
また、ヒンジ部361は、第2カバー部材352よりも熱伝導率が低い部材(例えば、合成樹脂)等により構成される。このヒンジ部361は、観察者US側に折れ曲がるように、第1カバー部材351に固定されている。このように、装着部材36は、ヒンジ部361を介してカバー部材35に接続されているので、当該ヒンジ部361の略中央部分にて観察者US側に折れ曲がるので、当該装着部材36を観察者US側に折りたためるようになっている。
[第3実施形態の効果]
本実施形態に係る虚像表示装置1Bによれば、上記第2実施形態に係る虚像表示装置1Aと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
熱伝導部材5が接続される第2カバー部材352とは反対側の第1カバー部材351にヒンジ部361が接続され、当該ヒンジ部361に装着部材36が接続されるので、当該装着部材36に画像形成装置311の熱を伝わりにくくすることができる。また、ヒンジ部361が第1カバー部材351と同じ合成樹脂により構成されているので、例えば、ヒンジ部361が第2カバー部材352と同じフィラー材により構成されている場合に比べて、第1カバー部材351からの熱を装着部材36に伝わりにくくすることができる。
従って、画像形成装置311の熱が、観察者USに装着される装着部材36に伝導されて観察者USが当該熱を感じることを抑制できる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、光源装置3111及び光変調装置3112は、固定部材3113により一体化されていた。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、カバー部材34,35に固定される等して、固定部材3113を設けることなく、光源装置3111及び光変調装置3112が接着剤等を用いて一体化されていてもよい。一方、光源装置3111及び光変調装置3112は一体化されていなくてもよい。この場合、光源装置3111及び光変調装置3112のそれぞれに熱伝導部材5が熱伝導可能に接触する構成としてもよい。
上記各実施形態では、熱伝導部材5は、画像形成装置311に熱伝導可能に接続されることとした。この熱伝導部材5は、接続対象に熱伝導可能に接続されれば、当該熱伝導部材5の接続形式は問わない。例えば、熱伝導可能な接着剤によって、画像形成装置311等の接続対象に接続されてもよいし、熱伝導部材の中間部に熱伝導ペーストを介することにより当該接続対象に接続されてもよいし、熱伝導可能なピン等で固定されていてもよい。また、熱伝導部材5の端部を折り曲げたり、当該端部を円環状態にしたり、当該端部を矩形状にした状態で上記接続対象に接続されてもよい。要すれば、熱伝導部材5は、熱伝導可能に画像形成装置311と、フレーム33及び第2カバー部材352のいずれかと、に接触していればよい。加えて、熱伝導部材5の端部を熱伝導可能な部材に接続し、当該部材を接続対象に接続するようにしてもよい。
上記第1実施形態では、熱伝導部材5は、画像形成装置311から出射された光の光路を遮らない位置である光源装置3111のZ方向とは反対側の面SF(光出射側とは反対側の面SF)に接続されていた。また、上記第2及び第3実施形態では、熱伝導部材5は、当該反対側の面SFと、画像形成装置311における観察者USとは反対側の側面に接続されていた。しかしながら、本発明は、これに限らない。すなわち、熱伝導部材5は、画像形成装置311と、少なくとも一部が外部に露出する部材とに熱伝導可能に接触して、画像形成装置311の熱を当該部材に伝導できればよい。このため、熱伝導部材5は、例えば、画像形成装置311におけるY方向側又はY方向とは反対側の側面に接続されていてもよい。そして、熱伝導部材5は、画像形成装置311を構成する光源装置3111、光変調装置3112及び固定部材3113の少なくともいずれかに接続されていればよく、固定部材3113のみに接続されていてもよい。
図9は、本発明の変形例に係る虚像表示装置を示す斜視図である。
上記第1及び第2実施形態では、ヘッドバンド部2は、観察者USの頭部とは反対側の面に放熱部材を設けることとしなかった。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、ヘッドバンド部2の観察者USとは反対側の面に放熱部材27を設け、当該放熱部材27と上記画像形成装置311とを熱伝導部材5により接続することとしてもよい。
これによれば、画像形成装置311の熱がカバー部材34,35からアーム部4を介してヘッドバンド部2に伝導され、当該ヘッドバンド部2の観察者USの頭部とは反対側に設けられた放熱部材27から上記熱を放熱できる。従って、画像形成装置311の熱が、ヘッドバンド部2における観察者US側の部位に伝導されて、観察者USが当該熱を感じることを抑制できる。また、例えば、観察者USがヘルメット等を装着している場合には、観察者USが当該熱を感じることを確実に抑制できる。
更に、当該虚像表示装置において、ヘッドバンド部2の観察者USとは反対側の部材の熱伝導率を観察者US側の部材の熱伝導率より高くしてもよい。これによれば、アーム部4から伝導された画像形成装置311の熱が当該観察者USに伝わることを抑制できる。この場合、放熱部材27を設けなくてもよいし、設けてもよい。
また、放熱部材27をアーム部4の観察者USとは反対側の面に設け、当該放熱部材27と上記画像形成装置311に接続された熱伝導部材5を接続することとしてもよい。
上記第2及び第3実施形態では、熱伝導部材5が画像形成装置311の観察者USとは反対方向側の側面に接続され、かつ、当該接続された部分に対向する部分、すなわち、熱伝導部材5の観察者USとは反対方向側の面が第2カバー部材352の観察者US側の面に面接触することとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、熱伝導部材5が画像形成装置311の観察者USとは反対方向側の側面に接続しなくてもよい。これによれば、第2カバー部材352の側部3521の厚さをより小さくできるので、当該第2カバー部材352の熱抵抗を更に小さくできる。従って、画像形成装置311から熱伝導部材5を介して伝導された熱を、当該第2カバー部材352から更に効率よく放熱することができる。
上記第2及び第3実施形態では、カバー部材35の第2カバー部材352の観察者US側の面に熱伝導部材5が接続されることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、カバー部材35の第2カバー部材352において、熱伝導部材5との接触部位に応じた位置に、伝導される熱を放熱可能な放熱部材(例えば金属板)を設けてもよい。
上記各実施形態では、熱伝導部材5は、可撓性を有する矩形状のグラファイトシートにより構成されることとした。しかしながら、これに限らず、熱伝導部材5は、例えば、可撓性を有さない100W/mK以上の金属材料であってもよいし、フィラー材を含んだプラスチック材料であってもよい。また、熱伝導部材5は、矩形状でなくてもよい。
上記第2及び第3実施形態では、カバー部材35の第1カバー部材351における側部3511(観察者USに対向する側部3511)の厚さ寸法は、第2カバー部材352における観察者USとは反対側の側部3521の厚さ寸法より大きいとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、側部3511の厚さ寸法と、側部3521の厚さ寸法とが同じであってもよいし、上記側部3511の厚さ寸法が、上記側部3521の厚さ寸法より小さくてもよい。この際、側部3511の熱伝導率が、側部3521の熱伝導率より低くなるように、カバー部材35を形成してもよい。
上記各実施形態では、表示部3は、左側光学装置31Lと、右側光学装置31Rとを備える構成を例示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、左側光学装置31L及び右側光学装置31Rうちの一方を備える構成を採用してもよい。この場合、表示部3を1つのアーム部4のみで支持する構成、例えば、左側光学装置31Lを左側のアーム部4のみで支持する構成としてもよく、1対のアーム部4で支持する構成としてもよい。
上記第1及び第2実施形態では、ヘッドバンド部2との接続部位(回動軸部25)を中心としてアーム部4を回動可能とする構成を例示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、アーム部4が表示部3の位置を調整可能な可動部を備える構成を採用してもよい。
上記各実施形態では、導光部材313L,313Rは、それぞれフレーム33に固定されることとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、X方向に沿う回動軸を中心として、導光部材313L,313Rをそれぞれ独立して、或いは、連動して、観察者USとは反対側に回動可能に構成してもよい。この場合、当該回動軸を、導光部材313におけるY方向側又はY方向とは反対側に位置するように構成することにより、導光部材313を回動させて、観察者USの視方向から退避させることができる。
上記各実施形態では、制御部23が、ヘッドバンド部2に設けられる構成を例示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、制御部23は、表示部3やアーム部4に設けられていてもよい。
上記第1及び第2実施形態では、観察者USによる各種入力操作を受け付ける不図示のコントローラーが接続され、当該コントローラーからの操作情報及び画像情報に応じて、制御部23により虚像表示装置1,1Aが制御されることとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。
例えば、コントローラーが接続される構成において、虚像表示装置1,1Aとコントローラーとのうちの一方が、観察者USの操作に応じた操作情報を取得する機能と、画像情報を取得して当該画像情報に応じて表示部3を駆動させる機能と、電力を供給する機能の少なくともいずれかを有し、他方が、残りの機能を有するように構成してもよい。また、虚像表示装置1,1Aが、観察者のタップ操作等を認識するように構成してもよい。
また、虚像表示装置1,1Aが、コントローラーを介してPC等の画像供給装置に接続されてもよく、コントローラーを介さずに当該画像供給装置に直接接続されてもよい。このような構成において、虚像表示装置1,1Aは、画像供給装置における画像表示部分として用いられ、虚像表示装置1の各種動作は、画像供給装置によって制御される構成としてもよい。なお、この場合、画像供給装置が、虚像表示装置1,1Aを駆動させる電力を供給してもよい。
また、虚像表示装置1,1A(例えば、ヘッドバンド部2や表示部3)にバッテリーや、画像処理装置等の制御装置が配置されてもよく、更に、メモリーカード等のスロットが設けられていてもよい。更に、虚像表示装置1,1Aに、観察者USの操作を受け付ける操作部を設けてもよく、タップ操作を検出可能な構成を設けてもよい。すなわち、コントローラーは無くてもよい。
上記各実施形態では、光変調装置3112は、透過型の液晶パネルにより構成されるとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、光変調装置3112は、反射型の液晶パネルにより構成されてもよく、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー等のマイクロミラーを用いたデバイスにより構成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、導光部材313は、半透過層を備え、画像形成装置311から出射されて当該半透過層にて内面反射された画像光が眼に入射されることにより、観察者USが虚像を視認できる構成とした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、導光部材内の上記画像が内面反射する位置に反射層を設ける構成としてもよいし、画像形成装置311及び投射レンズ312を介して出力された画像が直接観察者USの眼に入射する構成であってもよい。すなわち、導光部材は、投射レンズ312から出力された画像光を観察者USの眼に導ければ、どのような構成であってもよい。
上記各実施形態では、画像表示装置として、シースルー型の虚像表示装置1,1A,1Bを例示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、外界を観察できない非透過型の画像表示装置や、外界を撮像する撮像素子による撮像画像を表示するビデオシースルー型の画像表示装置に対しても、本発明を適用できる。
上記各実施形態では、観察者USに虚像として視認される画像を表示する虚像表示装置1,1A,1Bを例示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、観察者USに対して画像を視認させる装置であれば、本発明を適用可能である。例えば、観察者の両眼に応じた位置に、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネル等を備える構成を採用してもよい。
また、レーザー網膜投影型のHMDに対して本発明を適用することも可能である。例えば、表示部3が、レーザー光源と、レーザー光源を使用者の眼に導く光学系とを備え、レーザー光を使用者の眼に入射させて網膜上を走査し、網膜に結像させることにより、使用者に画像を視認させるHMDに、本発明を適用してもよい。
1,1A,1B…虚像表示装置(画像表示装置)、2…ヘッドバンド部(装着部)、3,3A,3B…表示部、4…アーム部(接続部)、5…熱伝導部材、27…放熱部材、31…光学装置(表示部)、32…保持部材、33…フレーム(保持部材)、34,35…カバー部材(保持部材)、36…装着部材、311…画像形成装置、312…投射レンズ(投射光学装置)、313…導光部材、3111…光源装置、3112…光変調装置、341,351…第1カバー部材(保持部材)、342,352…第2カバー部材(保持部材)、US…観察者。

Claims (5)

  1. 観察者によって視認可能に画像を表示する表示部と、
    前記表示部を保持する保持部材と、
    ート状の熱伝導部材と、を備え、
    前記表示部は、
    前記画像を形成する画像形成装置と、
    形成された前記画像を投射する投射光学装置と、
    前記投射光学装置から投射された前記画像を前記観察者の眼に入射させる導光部材と、を備え、
    前記保持部材は、
    少なくとも一部が外部に露出され、前記導光部材を前記観察者の眼に応じた位置に保持するフレームと、
    前記画像形成装置及び前記投射光学装置を内部に収納して、前記フレームの一部が内部に配置されるように、前記フレームと係合するカバー部材と、を備え、
    前記熱伝導部材は、前記カバー部材内にて前記画像形成装置と前記フレームの一部とに熱伝導可能に接続され、前記画像形成装置の熱を前記フレームに伝導することを特徴とする画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の画像表示装置において、
    前記画像形成装置は、
    光源装置と、
    前記光源装置から出射される光を変調する光変調装置と、を備え、
    前記光源装置及び前記光変調装置は、一体化されていることを特徴とする画像表示装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置において、
    前記熱伝導部材は、前記画像形成装置から出射された光の光路を遮らない位置に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
    前記観察者の頭部に沿う形状を有し、当該観察者の頭部に装着される装着部と、
    前記装着部及び前記保持部材を接続する接続部と、を備え、
    前記装着部は、前記保持部材から前記接続部を介して伝導される前記画像形成装置の熱を放熱する放熱部を有し、
    前記放熱部は、前記装着部の前記観察者の頭部とは反対側に設けられていることを特徴とする画像表示装置。
  5. 観察者によって視認可能に画像を表示する表示部と、
    前記表示部を保持する保持部材と、
    前記保持部材に接続され、前記観察者の頭部に沿う形状を有し、当該観察者の頭部に装着される装着部材と、
    ート状の熱伝導部材と、を備え、
    前記表示部は、
    前記画像を形成する画像形成装置と、
    形成された前記画像を投射する投射光学装置と、
    前記投射光学装置から投射された前記画像を前記観察者の眼に入射させる導光部材と、を備え、
    前記保持部材は、
    少なくとも一部が外部に露出され、前記導光部材を前記観察者の眼に応じた位置に保持するフレームと、
    前記画像形成装置及び前記投射光学装置を内部に収納して、前記フレームの一部が内部に配置されるように、前記フレームと係合するカバー部材と、を備え、
    前記熱伝導部材は、前記カバー部材内にて前記画像形成装置と前記フレームの一部とに熱伝導可能に接続され、前記画像形成装置の熱を前記フレームに伝導することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
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