JP6449065B2 - シール部材 - Google Patents
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Description
上述のセグメントロール105は、図9に示すように、その両端部150が、円筒状のハウジング107によって転がり軸受106を介して水平軸回りに回転自在に支持されている。
アウタシール部材130は、そのリップ部131がロールネック151に接触することで、外部から密封空間S1に異物が侵入するのを防止している。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、密封性能を高めるとともに、潤滑剤の排出性能を向上させることができるシール部材を提供することを目的とする。
この場合、ハウジング内の潤滑剤を、複数個の貫通孔から複数個の第1及び第2外周側排出溝を通してハウジング外へ排出することができるので、潤滑剤の排出性能をさらに向上させることができる。
本発明によれば、シールリップ部の接触面は、潤滑溝に溜められた潤滑剤により潤滑されるため、摩耗の進行を抑制することができる。
この場合、補助リップ部により、ハウジング外の異物がシールリップ部に到達するのを抑制することができるので、シール部材の密封性能をさらに高めることができる。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るシール部材を備えた密封装置の使用状態を示す断面図である。
この実施形態においては、連続鋳造機のセグメントロール5を回転自在に支持する軸受装置Dに密封装置Cを適用した場合を示している。
また、調心輪62の外周面には、給油孔70と連通する環状溝67が形成されており、調心輪62及び外輪60には、環状溝67から転がり軸受6の内部に貫通する供給孔68が設けられている。連続鋳造機の稼働状態において、オイルは加圧エアとともに給油孔70から転がり軸受6の内部に連続的に供給される。なお、図1において、破線はオイルの供給経路及び排出経路を示している。
第1,第2シール装置1,4は、セグメントロール5の縮径部50とハウジング7の間の環状空間を密封空間S1として外部空間S2から隔離している。転がり軸受6の内部に供給されたオイルは、この密封空間S1内に溜められる。
第1リップ部13は、オイルの外部への漏洩を阻み、密封空間S1内に留まらせる働きをする。第2リップ部14は、第1リップ部13よりも密封空間S1から遠い側において、ロールネック51の外周面に当接し、異物の密封空間S1内への侵入を防ぐ働きをする。
第1リップ部43は、オイルの外部への漏洩を阻み、オイルを密封空間S1内に留まらせる働きをする。第2リップ部44は、第1リップ部43よりも外部空間S2側(セグメントロール5の軸方向外方の外部空間S2側)に延びてロールエンド52の外周面に当接している。
図2は、シール部材2を示す要部拡大断面図である。
シール部材2は、合成ゴムなどの弾性素材からなり、ハウジング7の凹溝72に内嵌されたシール本体21と、シール本体21から径方向内方に延びるシールリップ部22及び補助リップ部23とを備えている。シール本体21は、外部側(ロール本体側55)Bの側面72aと、凹溝72の内部側(密封空間S1側)Aの側面72cとの間で挟持固定されている。
シール本体21の外周面21bは、軸方向に沿って形成されており、その軸方向全長が当該内周面72bに当接している。また、シール本体21の外側面21aは、径方向に沿って平面状に形成されており、その径方向全長が凹溝72の側面72aに当接している。
このように、シール本体21の内側面21cは、その突出部21dのみが凹溝72の側面72cに当接しているので、当該側面72cとの接触面積が少ない。このため、シール部材2をハウジング7に組み付ける際に、シール本体21を凹溝72に容易に内嵌することができる。
図3は、シール本体21の内側面21c及びシールリップ部22の頂部を示す側面図である。
図2及び図3において、シールリップ部22の接触面22aには、使用時に頂部となる部分に、内部側Aのオイルをシール本体21の内周側を通して外部側Bへ排出する目的で、内周側排出溝22cと薄膜リップ22dとが形成されている。
シール本体21は、使用時に頂部となる部分において、内部側Aのオイルをシール本体21の外周側を通して外部側Bへ排出する目的で、外周側排出路24を備えている。
本実施形態の外周側排出路24は、使用時に頂部となる部分において、シール本体21の両側面21a,21c及び外周面21bのそれぞれに形成された第1〜第3外周側排出溝24a〜24cにより構成されている。第1〜第3外周側排出溝24a〜24cは、それぞれ中心線Kを挟んで周方向に線対称に形成されている(図3及び図4も参照)。
第2外周側排出溝24bは、側面視において第1外周側排出溝24aの頂部に形成され、シール本体21の外周面21bの軸方向全長にわたって形成されている。第2外周側排出溝24bの溝幅は、第1外周側排出溝24aの溝幅と同一寸法に設定されている。
これにより、内部側Aのオイルは、図2の破線矢印IIで示すように、第3外周側排出溝24c、第2外周側排出溝24b及び第1外周側排出溝24aの順に通過し、外部側Bに排出される。
また、補助リップ部23により、ハウジング7外の異物がシールリップ部22に到達するのを抑制することができるので、シール部材2の密封性能をさらに高めることができる。
図5は、本発明の第2実施形態に係るシール部材2のシール本体21の内側面21及びシールリップ部22の頂部を示す側面図である。また、図6は、第2実施形態に係るシール部材2のシール本体21の外側面21aの頂部を示す側面図である。
第2実施形態のシール部材2は、第1〜第3外周側排出溝24a〜24cが複数個形成されている点で、第1実施形態のシール部材2と相違する。
なお、第2実施形態において説明を省略した点は、第1実施形態と同様である。
図7は、本発明の第3実施形態に係るシール部材2を示す要部拡大断面図である。また、図8は図7の側断面図である。
第3実施形態のシール部材2は、第2実施形態の変形例であり、シール本体21の内側面21cの形状、及び外周側排出路24の構成が異なる点で、第2実施形態のシール部材2と相違する。
貫通孔24dは、図8に示すように、シール本体21の、使用時に頂部となる部分において、周方向等間隔に3箇所形成されている。この3箇所のうち周方向中央に位置する貫通孔24dは、中心線Kを挟んで周方向に線対称に形成されている。
これにより、内部側Aのオイルは、図7の破線矢印IIで示すように、内周側排出溝22c、貫通孔24d、第2外周側排出溝24b及び第1外周側排出溝24aの順に通過し、外部側Bに排出される。
なお、第3実施形態において説明を省略した点は、第1及び第2実施形態と同様である。
Claims (4)
- ハウジングと回転軸との間の環状空間を密封し、前記ハウジング外の異物が前記ハウジング内に侵入するのを抑制するとともに、前記ハウジング内に供給された潤滑剤を前記ハウジング外へ排出するためのシール部材であって、
前記ハウジングの内周面に形成された凹溝に内嵌されるシール本体と、
前記回転軸の外周面に面接触する接触面を有し、前記シール本体から径方向内方に延びるシールリップ部と、を備え、
前記シールリップ部の前記接触面には、使用時に頂部となる部分において、前記ハウジング内の潤滑剤を前記シール本体の内周側を通して前記ハウジング外へ排出するための内周側排出溝が形成され、
前記シール本体は、使用時に頂部となる部分において、前記ハウジング内の潤滑剤を前記シール本体の外周側を通して前記ハウジング外へ排出するための外周側排出路を有し、
前記外周側排出路は、少なくとも、
前記シール本体の外部側の側面に形成された第1外周側排出溝と、
前記シール本体の外周面に形成された第2外周側排出溝と、
前記シール本体に形成され、前記第2外周側排出溝と前記内周側排出溝とを連通する貫通孔と、により構成されていることを特徴とするシール部材。 - 前記第1及び第2外周側排出溝は、複数個ずつ形成され、
前記貫通孔は、前記第1及び第2外周側排出溝と同数個形成されている請求項1に記載のシール部材。 - ハウジングと回転軸との間の環状空間を密封し、前記ハウジング外の異物が前記ハウジング内に侵入するのを抑制するとともに、前記ハウジング内に供給された潤滑剤を前記ハウジング外へ排出するためのシール部材であって、
前記ハウジングの内周面に形成された凹溝に内嵌されるシール本体と、
前記回転軸の外周面に面接触する接触面を有し、前記シール本体から径方向内方に延びるシールリップ部と、を備え、
前記シールリップ部の前記接触面には、使用時に頂部となる部分において、前記ハウジング内の潤滑剤を前記シール本体の内周側を通して前記ハウジング外へ排出するための内周側排出溝が形成され、
前記シール本体は、使用時に頂部となる部分において、前記ハウジング内の潤滑剤を前記シール本体の外周側を通して前記ハウジング外へ排出するための外周側排出路を有し、
前記シールリップ部の接触面には、前記内周側排出溝と連通して、当該内周側排出溝から潤滑剤を導いて溜める環状の潤滑溝が形成されていることを特徴とするシール部材。 - 前記シールリップ部よりも外部側において前記シール本体から径方向内方に突出し、前記回転軸の外周面と接触する補助リップ部をさらに備えている請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール部材。
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