JP6080675B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造機の搬送用セグメントロール等の回転軸を回転自在に支持する軸受装置に用いられる密封装置に関する。
従来、連続鋳造機においては、鋳型から連続的に排出される鋼片を、対向させた複数対のセグメントロールによって挟み込んで下方へ引き出した後、水をかけて冷却しつつ直角に屈曲させて搬送方向を水平方向へ転換することが行われている。このセグメントロールの両端部は軸受装置に支持されており、当該軸受装置には密封装置が設けられている。
上記密封装置として、例えば図7に示すようなものがある(特許文献1参照)。
上述のセグメントロール105は、図7に示すように、その両端部150が、円筒状の軸受ケース107によって転がり軸受106を介して水平軸回りに回転自在に支持されている。
密封装置100は、転がり軸受106の軸方向両側に配設された第1,第2シール部材101,104を備えている。第1シール部材101は、セグメントロール105のロールネック151側に配置されており、第2シール部材104は、ロールエンド152側に配置されている。これら第1,第2シール部材101,104により、セグメントロール105と軸受ケース107との間の環状空間が、外部空間S2から仕切られて密封空間S1となっている。
転がり軸受106には、軸受ケース107の外部から加圧エアーとともに潤滑油が供給される。この潤滑油は、軸受ケース107の下部に設けられた給油孔170を通して転がり軸受106の内部に連続的に供給される。転がり軸受106の内部に供給された潤滑油は、密封空間S1内に溜まり、その水準が一定高さになった時点で、図7における破線で示すように、第1シール部材101のインナーシール110の側面上部に設けられた排出口115、及びアウターシール130のリップ部131とロールネック151との間を通して、密封空間S1の外部に排出される。
特開2003−307275号公報
上述の排出口115は、閉塞部115bを備え、この閉塞部115bには所定圧力が加わると開口するスリット115cが設けられている。このため、密封空間S1内の圧力を前記所定圧力に維持して、密封空間S1の内部に冷却水が浸入するのを抑制することができる。しかし、その反面、排出口115から排出できる潤滑油の流量が少なくなるので、連続鋳造機の非稼働時において密封空間S1内の潤滑油を入れ替える作業に長時間を要していた。
ここで、潤滑油の排出流量を増大させるために、排出口115の閉塞部115bを更に薄く加工したり、閉塞部115bに設けられているスリット115cを十字に形成したり、更に長く形成したりするといった対応策を講ずることが考えられる。しかし、このような対応策を講ずると、スリット115cが開き過ぎて密封空間S1内の圧力が低下し、外部から冷却水が浸入する虞がある。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、密封空間内の圧力の低下を抑制しつつ潤滑剤の排出流量を増やすことができる密封装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、転がり軸受を内嵌させる軸受ケースを備え、この軸受ケースに前記転がり軸受を介して水平軸回りに回転自在に支持される回転軸と前記軸受ケースとの間の環状空間を密封して密封空間とし、この密封空間に潤滑剤が連続的に供給される密封装置において、
前記軸受ケースの内周面に当接している第1円筒部と、当該第1円筒部から径方向内方に延びる環状部と、当該環状部の内周から密封空間側に延びて前記回転軸と当接している第1リップ部と、当該第1リップ部よりも密封空間から遠い側において前記環状部の内周から前記第1リップ部と反対側に延びて前記回転軸と当接している第2リップ部と、を有し、全体が弾性素材からなるシール部と、
前記シール部の第1円筒部を介して前記軸受ケースに内嵌する第2円筒部と、当該第2円筒部の端部から径方向内方に延びて、前記シール部の環状部と接している円環部と、を有する芯金と、を備えたシール部材を有し、
前記環状部と前記円環部との周方向の一部に、密封空間内の潤滑剤を密封空間の外部に排出するための第1の排出口が形成されており、
前記第1の排出口は、閉塞部を備え、当該閉塞部には所定圧力が加わると開口するスリットが設けられており、
前記第1の排出口に対応する前記第1リップ部の周方向位置に、前記第1リップ部と前記第2リップ部との間に密封空間内の潤滑剤を排出するための第2の排出口を形成する凸部又は凹部が設けられ
前記第2リップ部よりも前記密封空間から遠い側において前記回転軸と当接している第3リップ部を有し、全体が弾性素材からなる第2のシール部を更に備え、
前記第1の排出口に対応する前記第3リップ部の周方向位置に、前記シール部材と前記第2のシール部材との間の潤滑剤を外部空間に排出するための第3の排出口を形成する第2の凸部又は第2の凹部が設けられていることを特徴とする。
本発明の密封装置によれば、密封空間内の潤滑剤を第1の排出口から外部に排出することができる。また、密封空間内の潤滑剤を第2の排出口を通して第1リップ部と第2リップ部との間に排出することができ、この排出された潤滑剤を第2リップ部と回転軸の間を通して密封装置の外部に排出することができる。このように、第1の排出口に加えて第2の排出口からも潤滑剤を外部に排出できる。また、第2の排出口が形成されたことによる密封空間内の圧力の低下を第2リップ部により抑制できる。したがって、密封空間内の圧力の低下を抑制しつつ潤滑剤の排出流量を増やすことができる。
本発明の密封装置において、前記第2リップ部の外周には、前記第2リップ部を付勢して前記回転軸に押し付けるコイルばねが巻回されていることが好ましい。
この場合、コイルばねの付勢力を適宜選択することで、密封空間内の圧力低下の抑制効果と潤滑剤の排出流量の増大との均衡を図ることができる。
また、本発明の密封装置は、前記第2リップ部よりも前記密封空間から遠い側において前記回転軸と当接している第3リップ部を有し、全体が弾性素材からなる第2のシール部材を更に備え、前記第1の排出口に対応する前記第3リップ部の周方向位置に、前記シール部材と前記第2のシール部材との間の潤滑剤を外部空間に排出するための第3の排出口を形成する第2の凸部又は第2の凹部が設けられている。
従って、第1の排出口又は第2の排出口を通してシール部材と第2のシール部材との間に排出された潤滑剤を、第3の排出口を通して外部空間に排出することができる。これにより、シール部材と第2のシール部材との間に潤滑剤が溜まって外部空間への排出が妨げられることを防止できる。また、第3の排出口が形成されることで密封空間内の圧力が低下することもない。したがって、密封空間内の圧力の低下を抑制しつつ潤滑剤の排出流量を更に効果的に増やすことができる。
本発明の密封装置によれば、密封空間内の圧力の低下を抑制しつつ潤滑剤の排出流量を増やすことができる。
本発明の第1実施形態に係る密封装置の使用状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る密封装置の拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る密封装置の要部拡大側面図である。 本発明の第2実施形態に係る密封装置を示す図であり、(A)は要部拡大断面図、(B)は要部拡大側面図である。 本発明の第3実施形態に係る密封装置を示す図であり、(A)は要部拡大断面図、(B)は要部拡大側面図である。 潤滑油の流量と密封空間内の圧力の測定方法の説明図である。 従来の密封装置の使用状態を示す断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る密封装置Aの使用状態を示す断面図である。
この実施形態においては、連続鋳造機のセグメントロール5を回転自在に支持する軸受装置Dに密封装置Aを適用した場合を示している。
各セグメントロール5は、鋳型から連続的に排出される鋼片と接触するロール本体55と、このロール本体55の両側に設けられ、ロール本体55に比べて小径の縮径部50とを有している。縮径部50は中心線が水平方向に向くように配置された円筒状の軸受ケース7に挿通されており、当該軸受ケース7に、転がり軸受6を介して回転自在に支持されている。なお、各セグメントロール5は冷却水を噴射することによって冷却される。
転がり軸受6は、調心輪付き円筒ころ軸受であり、外輪60、複数の円筒ころ61、調心輪62、及び内輪65を備えている。軸受ケース7の下部には転がり軸受6の内部に対して潤滑油を供給するための給油孔70が設けられている。また、調心輪62の外周面には、供給孔70と連通する環状溝67が形成されており、調心輪62及び外輪60には、環状溝67から転がり軸受6の内部に貫通する供給孔68が設けられている。連続鋳造機の稼働状態において、潤滑油は加圧エアーとともに給油孔70から転がり軸受6の内部に連続的に供給される。図1において、破線は潤滑油の供給経路及び排出経路を示している。
転がり軸受6の軸方向両側には、軸受ケース7の内部に潤滑油を留めるとともに軸受ケース7内に冷却水が浸入することを防ぐ目的で、第1,第2シール部材1,4が設けられている。この第1,第2シール部材1,4は、軸受ケース7とともに本実施形態に係る密封装置Aを構成している。
第1,第2シール部材1,4は、セグメントロール5の縮径部50と軸受ケース7の間の環状空間を密封空間S1として外部空間S2から隔離している。転がり軸受6の内部に供給された潤滑油は、この密封空間S1内に溜められる。
図2は、第1シール部材1の拡大断面図であり、図2(A)はその上部側を図2(B)はその下部側をそれぞれ示している。また、図3は、密封空間S1側から第1シール部材1の上部を見た拡大側面図である。
縮径部50のロールネック51側に配設された第1シール部材1は、冷却水が多量に降りかかっても密封性を保てるように、二種類のシール(インナーシール10及びアウターシール30)を組み合わせた構成となっている。
インナーシール10は、合成ゴムなどの弾性素材からなり、軸受ケース7の内周面に当接している第1円筒部11と、当該第1円筒部11の密封空間S1側(転がり軸受6側)の端部から径方向内方に延びている環状部12と、当該環状部12の内周から延びてロールネック51の外周面に当接しているリップ部13,14とを備えている。インナーシール10は、断面L字状の第1芯金20に接着している。
第1芯金20は、インナーシール10の第1円筒部11を介して軸受ケース7に内嵌する第2円筒部21と、その密封空間S1側の端部から径方向内方に延びており、インナーシール10の環状部12の外部空間S2側の側面が接着している円環部22とで構成されている。
第1リップ部13は、第1芯金20の円環部22の内周縁に対して密封空間S1側に延びてロールネック51の外周面に当接している。第1リップ部13は、潤滑油の外部への漏洩を阻み、密封空間S1内に留まらせる働きをする。
第2リップ部14は、第1リップ部13よりも密封空間S1から遠い側において、第1芯金20の円環部22の内周縁に対して第1リップ部13と反対側(外部空間S2側)に延びてロールネック51の外周面に当接している。第2リップ部14の先端部の外周にはガータスプリング19が巻回されており、このガータスプリング19は、第2リップ部14をロールネック51に圧接している。第2リップ部14は、主に冷却水の密封空間S1内への侵入を防ぐ働きをする。
図2(A)に示すように、インナーシール10の環状部12及び第1芯金20の円環部22の上部には、潤滑油の第1の排出口15が形成されている。第1の排出口15は、周方向に一定間隔を隔てて隣接するように複数(図示例では3個)配設されている。各第1の排出口15は、軸方向に沿って第1芯金20の円環部22を貫通して環状部12の密封空間S1側の側面12a近傍まで至る凹部15aと、環状部12の密封空間S1側の側面12aと当該凹部15aとの間のインナーシール10の薄肉部分である閉塞部15bと、当該閉塞部15bに設けられた切れ目15cとで構成されている。凹部15aの内径及び切れ目15cの長さは、例えば3mm程度である。
第1芯金20の円環部22には凹部15aを形成するための孔22aが設けられており、この孔22aの内壁は、インナーシール10の環状部12から延びる弾性素材からなる筒状の膜12bで全て覆われている。閉塞部15bは、第1の排出口15の密封空間S1側を閉塞している。切れ目15cは、閉塞部15bの径方向の中央に環状部12の周方向に沿って入れられている。閉塞部15bに密封空間S1側の側面12aから潤滑油の圧力が所定圧以上加わることで、弾性素材の弾性力に抗して切れ目15cが開き、潤滑油が第1の排出口15から外部に排出される。
第1リップ部13は、第1の排出口15に対応する周方向位置の内周側に、第1リップ部13の先端13bよりも径方向内方に突出する凸部13aを有している。凸部13aは、周方向に一定間隔を隔てて隣接するように複数(図示例では6個)配設されている。このような凸部13aを有する第1リップ部13がロールネック51の外周面に当接しているので、図3に示すように、第1リップ部13の上部とロールネック51の外周面との間には、密封空間S1と、第1リップ部13と第2リップ部14との間の閉空間S3とを連通する第2の排出口16が形成されている。第2の排出口16は、隣り合う凸部13aの間、及び周方向両端の凸部13aの外側隅部に形成されている。凸部13aは、例えば、高さが1mm程度、幅が3mm程度、隣り合う凸部13aの間隔が3mm程度に形成されている。
アウターシール30は、合成ゴムなどの弾性素材からなり、ロールネック51と接している第3リップ部31と、軸受ケース7の側壁71と接している第4リップ部32及び第5リップ部33とを備えている。リップ部31〜33は第2芯金35に接着している。第2芯金35は、軸受ケース7に内嵌する第4円筒部36と、その外部空間S2側の端部から径方向内方に延びる円環部37とで構成されている。
第3リップ部31は、第2芯金35の円環部37の内周縁に対して外部空間S2側に延びてロールネック51の外周面に当接している。第3リップ部31は、潤滑油の外部空間S2への排出を許容し、且つ、外部空間S2からの冷却水の流入を阻む働きをする。第4リップ部32及び第5リップ部33は、それぞれ第2芯金35の円環部37の内周縁及び外周縁付近から外部空間S2側に向かって突出して軸受ケース7の側壁71に内接している。
ロールエンド52側の第2シール部材4は、図1に示すように、インナーシール10及び第1芯金20とほぼ同様の構成であり、合成ゴムなどの弾性素材からなるシール41が断面L字状の芯金45に接着されている。シール41は、軸受ケース7の内周面及び側壁72に内接している円筒状部42と、ロールエンド52の外周面に当接しているリップ部43,44とを備えている。
芯金45は、シール41の円筒状部42を介して軸受ケース7に内嵌する円筒部46と、当該円筒部46の外部空間S2側(セグメントロール5の軸方向外方の外部空間S2側)の端部から径方向内方に延びる円環部47とで構成されている。芯金45の円筒部46の外周面にシール41の円筒状部42の内周面が接着している。
リップ部43は、芯金45の円環部47の内周縁付近から密封空間S1側へ延びてロールエンド52の外周面に当接している。このリップ部43の先端部の外周にはガータスプリング49が巻回されており、ガータスプリング49はリップ部43をロールエンド52に圧接している。リップ部43は、潤滑油の外部への漏洩を阻み、潤滑油を密封空間S1内に留まらせる働きをする。リップ部44は、芯金45の円環部47の内周縁付近から外部空間S2側(セグメントロール5の軸方向外方の外部空間S2側)に延びてロールエンド52の外周面に当接している。
上記第1実施形態に係る密封装置Aによれば、密封空間S1内の潤滑油を第1の排出口15から外部に排出することができる。また、密封空間S1内の潤滑油を第1リップ部13とロールネック51の間に生じる第2の排出口16を通して第1リップ部13と第2リップ部14との間の閉空間S3に排出することができ、この排出された潤滑油を第2リップ部14とロールネック51の間を通して密封装置Aの外部へ排出することができる。このように、第1の排出口15に加えて第2の排出口16からも潤滑油を外部に排出できる。しかも、第2リップ部14が外部空間S2側に延びているので、潤滑油を密封空間S1の外部へ支障なく排出することができる。このため、潤滑油の排出流量を増やすことができる。また、第2の排出口16が形成されていることによる密封空間S1内の圧力の低下を第2リップ部14により抑制できる。したがって、密封空間S1内の圧力の低下を抑制しつつ潤滑油の排出流量を増やすことができる。
また、第2リップ部14の外周には、第2リップ部14を付勢してロールネック51の外周面に押し付けるガータスプリング19が巻回されている。このため、ガータスプリング19の付勢力を適宜選択することで、密封空間S1内の圧力低下の抑制効果と潤滑油の排出流量の増大との均衡を図ることができる。
また、第1の排出口15及び第2の排出口16が共に第1シール部材1の上側となるように、第1シール部材1を軸受ケース7に組み付けることで、古い潤滑油を新しい潤滑油に順次置換しつつ密封空間S1内の高い水準まで潤滑油を行き渡らせることができる。
更に、凸部13aは、従来のインナーシール10の加硫用の金型に凸部13aに対応する凹部を設けるだけで、加硫時に容易に形成することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る密封装置Bの上記第1実施形態に係る密封装置Aと異なる構成について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る密封装置Bを示す図であり、図4(A)は、第1シール部材1Aの上部側の拡大断面図であり、図4(B)は、外部空間S2側から第1シール部材1Aの上部を見た拡大側面図である。
第2実施形態の密封装置Bは、図4に示すように、第1リップ部13に前記凸部13a(第1凸部)を有し、第2の排出口16が形成されていることに加え、第3リップ部31Aに凸部31a(第2凸部)を有し、第3の排出口39が形成されている。
詳しくは、第3リップ部31Aは、第1の排出口15に対応する周方向位置の内周側に、第3リップ部31Aの先端31bよりも径方向内方に突出する第2凸部31aを有している。第2凸部31aは、周方向に一定間隔を隔てて隣接するように複数(図示例では3個)配設されている。このような第2凸部31aを有する第3リップ部31Aがロールネック51の外周面に当接している。この第2凸部31aにより、第3リップ部31Aの上部とロールネック51の外周面との間には、インナーシール10とアウターシール30との間の閉空間S4と、外部空間S2とを連通する第3の排出口39が形成されている。第3の排出口39は、隣り合う第2凸部31aの間、及び周方向両端の第2凸部31aの外側隅部に形成されている。第2凸部31aは、例えば、高さが1mm程度、幅が3mm程度、隣り合う凸部31aの間隔が3mm程度に形成されている。なお、図示例では第1凸部13aは3個配設されている。
上記第2実施形態に係る密封装置Bによれば、密封空間S1内の圧力の低下を抑制しつつ潤滑油の排出流量を第1実施形態に係る密封装置Aよりも更に効果的に増やすことができる。
詳述すると、密封装置Bは、上記第3の排出口39により、インナーシール10とアウターシール30との間の閉空間S4と、外部空間S2とが連通している。このため、第1の排出口15又は第2の排出口16を通して閉空間S4に排出された潤滑油を、第3の排出口39を通して外部空間S2に排出することができる。これにより、閉空間S4に潤滑油が溜まって外部空間S2への排出が妨げられることを防止できる。また、第3の排出口39が形成されることで密封空間S1内の圧力が低下することもほとんどない。したがって、密封空間S1内の圧力の低下を抑制しつつ潤滑油の排出流量を第1実施形態に係る密封装置Aよりも更に効果的に増やすことができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る密封装置Cの上記第1実施形態に係る密封装置Aと異なる構成について説明する。
図5は、本発明の第3実施形態に係る密封装置Cを示す図であり、図5(A)は、第1シール部材1Bの上部側の拡大断面図であり、図5(B)は、密封空間S1側から第1シール部材1Bの上部を見た拡大側面図である。
第3実施形態の密封装置Cは、図5に示すように、第1リップ部13Bに前記凸部13aの代わりに凹部13cを有している。
詳しくは、第1リップ部13Bは、第1の排出口15に対応する周方向位置の内周側に、第1リップ部13Bの長手方向に沿って凹んでいる凹部13cを有している。凹部13cは、円弧状に形成されており、図示例では一箇所形成されている。このような凹部13cを有する第1リップ部13Bがロールネック51の外周面に当接している。このため、第1リップ部13Bの上部とロールネック51の外周面との間には、密封空間S1と、第1リップ部13Bと第2リップ部14との間の閉空間S3とを連通する第2の排出口16Aが形成されている。凹部13cは、例えば、直径が10mm程度、最大深さが3mm程度に形成されている。
上記第3実施形態に係る密封装置Cによれば、上述の第1実施形態に係る密封装置Aと同様、密封空間S1内の圧力の低下を抑制しつつ潤滑油の排出流量を増やすことができる。
[その他の変形例]
上述の各実施形態に係る密封装置A,B,Cにおいて、凸部(第1凸部)13a、第2凸部31a、及び凹部13cはそれぞれ適宜の形状、数及び寸法で配設することができる。また、各実施形態に係る密封装置A,B,Cにおいて、第1芯金20と第2芯金35は一体的に形成されていてもよい。また、第2実施形態に係る密封装置Bにおいて、第3リップ部31Aは、第2凸部31aの代わりに、第3の排出口を形成する第2の凹部を有していてもよい。更に、各実施形態に係る密封装置A,B,Cは、転がり軸受60の潤滑剤としてグリースを用いる場合にも適用できる。
なお、各実施形態に係る密封装置A,B,Cにおいて、第1リップ部13,13Bは、凸部(第1凸部)13a、及び凹部13cの代わりに、第1の排出口15に対応する周方向位置に、密封空間S1と閉空間S3とを連通する貫通孔を有していてもよい。同様に、第2実施形態に係る密封装置Bにおいて、第3リップ部31Aは、第2凸部31aの代わりに、第1の排出口15に対応する周方向位置に、閉空間S4と外部空間S2とを連通する貫通孔を有していてもよい。
以下に示す実施例1〜4及び比較例の密封装置について、潤滑油の排出流量と密封空間SX1内の圧力の測定試験を行った。図6は、潤滑油の排出流量と密封空間SX1内の圧力の測定方法の説明図である。
(実施例1)
第1リップ部13Xの第1の排出口15に対応する周方向位置に第1凸部が3個形成されており、第3リップ部31Xには第2凸部又は第2凹部が形成されていない密封装置。第1凸部の寸法は、周方向幅が6.0mm、最大高さが0.5mm、隣り合う凸部同士の間隔が6.0mmである。
(実施例2)
第1リップ部13Xの第1の排出口15に対応する周方向位置に第1凸部が6個形成されており、第3リップ部31Xには第2凸部又は第2凹部が形成されていない密封装置。第1凸部の寸法は実施例1と同一である。
(実施例3)
第1リップ部13Xの第1の排出口15に対応する周方向位置に第1凸部が3個形成されており、第3リップ部31Xの第1の排出口15に対応する周方向位置に第2凸部が3個形成されている密封装置。第1凸部及び第2凸部の寸法は実施例1の第1凸部と同一である。
(実施例4)
第1リップ部13Xの第1の排出口15に対応する周方向位置に第1凹部が1個形成されており、第3リップ部31Xには第2凸部又は第2凹部が形成されていない密封装置。第1凹部の寸法は、直径が20.0mm、周方向幅が14.0mm、最大深さが2.5〜3.0mmである。
(比較例)
第1リップ部13X及び第3リップ部31Xの何れにも凸部又は凹部が形成されていない点以外は実施例1〜4と同じ構成の密封装置。
[潤滑油の排出流量と密封空間内の圧力の測定方法]
測定に使用した潤滑油の粘度はVG460である。潤滑油の排出流量と密封空間SX1内の圧力の測定は以下の方法で行った。
(1)第1シール部材1Xを模擬軸受ケース7Xに内嵌し、模擬回転軸5Xを模擬軸受ケース7Xに固定して模擬密封装置AXを組み立てた。このとき第1の排出口15を真下にするとともにエアー注入口を真上に配置して組み立てた。そして、エアー注入口にエアー注入管200を接続し、模擬密封装置AXの下部において密封空間SX1と連通するように圧力測定管210を接続した。
(2)エアー注入管200を流れるエアーに潤滑油を混入させて密封空間SX1内に潤滑油が充満するまで注入した。密封空間SX1内に潤滑油が充満すると、密封空間SX1内の潤滑油の量は65〜70ml程度となった。
(3)エアー注入口から密封空間SX1内に圧力50kPa、流量90l/時でエアーのみを注入した。
(4)閉空間SX3に溜まった潤滑油が第3リップ部31Xと模擬回転軸5Xの間から潤滑油が外部空間SX2に流れ出し、ビーカー220に潤滑油が溜り出してから10分間の潤滑油の流量、及び10分後の密封空間SX1の内圧を測定した。
上記測定の結果を表1に示す。表1中の潤滑油の流量は10分間の測定値を1時間あたりに換算した値である。
Figure 0006080675

表1に示すように、実施例1〜4の密封装置は、上記試験条件において、密封空間SX1内の圧力の低下を0〜20%程度に抑制でき、且つ、潤滑油の排出流量を比較例に比べて数倍程度に増大できることが確認できた。
A,B,C:密封装置、1,1A,1B:第1シール部材(シール部材)
5:回転軸、6:転がり軸受、7:軸受ケース
10:インナーシール(シール部)、11:第1円筒部、12:環状部
13,13B:第1リップ部、13a:第1凸部(凸部)、13c:凹部
14:第2リップ部、15:第1の排出口、15b:閉塞部、15c:スリット
16,16A:第2の排出口、19:ガータスプリング(コイルばね)
20:第1芯金(芯金)、21:第2円筒部、22:円環部
30:アウターシール(第2のシール部)、31,31A:第3リップ部
31a:第2凸部(第2の凸部)、39:第3の排出口
S1:密封空間、S2:外部空間

Claims (2)

  1. 転がり軸受を内嵌させる軸受ケースを備え、この軸受ケースに前記転がり軸受を介して水平軸回りに回転自在に支持される回転軸と前記軸受ケースとの間の環状空間を密封して密封空間とし、この密封空間に潤滑剤が連続的に供給される密封装置において、
    前記軸受ケースの内周面に当接している第1円筒部と、当該第1円筒部から径方向内方に延びる環状部と、当該環状部の内周から密封空間側に延びて前記回転軸と当接している第1リップ部と、当該第1リップ部よりも密封空間から遠い側において前記環状部の内周から前記第1リップ部と反対側に延びて前記回転軸と当接している第2リップ部と、を有し、全体が弾性素材からなるシール部と、
    前記シール部の第1円筒部を介して前記軸受ケースに内嵌する第2円筒部と、当該第2円筒部の端部から径方向内方に延びて、前記シール部の環状部と接している円環部と、を有する芯金と、を備えたシール部材を有し、
    前記環状部と前記円環部との周方向の一部に、密封空間内の潤滑剤を密封空間の外部に排出するための第1の排出口が形成されており、
    前記第1の排出口は、閉塞部を備え、当該閉塞部には所定圧力が加わると開口するスリットが設けられており、
    前記第1の排出口に対応する前記第1リップ部の周方向位置に、前記第1リップ部と前記第2リップ部との間に密封空間内の潤滑剤を排出するための第2の排出口を形成する凸部又は凹部が設けられ
    前記第2リップ部よりも前記密封空間から遠い側において前記回転軸と当接している第3リップ部を有し、全体が弾性素材からなる第2のシール部を更に備え、
    前記第1の排出口に対応する前記第3リップ部の周方向位置に、前記シール部材と前記第2のシール部材との間の潤滑剤を外部空間に排出するための第3の排出口を形成する第2の凸部又は第2の凹部が設けられていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記第2リップ部の外周には、前記第2リップ部を付勢して前記回転軸に押し付けるコイルばねが巻回されている請求項1に記載の密封装置。
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