JP6447820B2 - タイヤパターン判定装置、車種判別装置、タイヤパターン判定方法及びプログラム - Google Patents
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Description
ここで、車両の通行中において当該車両のタイヤが踏板を踏み付けた回数を検出することにより、当該車両の車軸数を取得することができる。しかしながら、車種判別のための情報の一つとして車軸数を用いる場合には、車両の運転席が料金自動収受機に到達する前の段階で、対象となる車両の全てのタイヤが踏板を通過している必要がある。そのため、通常の料金所においては、通行する車両の最大車長(例えば18m)を考慮して、車種判別装置と料金自動収受機との間が少なくとも最大車長以上となるように配置されている。
また、踏板を埋設することが可能な料金所であっても、料金所の設置スペースの都合上、車種判別装置と料金自動収受機との距離を最大車長以上確保することが困難な場合がある。この場合、車種判別装置と料金自動収受機との距離よりも車長が長い車両は、すべてのタイヤが踏板を通過する前に、車両の運転席が料金自動収受機に到達してしまう。このため、車種判別装置は、タイヤ幅、車軸数、トレッド幅、タイヤの連設数(車両の一箇所の取り付け位置(一つの車軸における片側の取り付け位置)において 連なって設けられているタイヤの本数)等の情報の取得が完了する前に車種の判別を行わなければならないため、車長の長い車両については、車種の判別を行うための情報が不足し、車種の判別が正しく行えない可能性がある。
このように、車種の判別を行うための情報を、踏板より取得することが困難な立地条件を有する料金所においては、車種の判別が正しく行えない可能性がある。
本発明の一態様によれば、タイヤパターン判定装置(20)は、通過する車両のホイール(W)に相当する高さに検出光を照射する照射部(20A,20E)と、前記検出光の反射光を検出する検出部(20B,20E)と、前記検出部による前記ホイールからの前記反射光の検出結果に基づいて、前記車両のタイヤの連設数(D3)を判定するタイヤ判定部(203)と、を備える。
これにより、照射部は、車両の進行方向手前側に配置されているホイールに対し、検出光の照射を行うことができる。このため、車種の判別に必要な情報を検出する検出用装置を設置するスペースが十分確保できない料金所であっても、車両の利用料金を確定する前に、当該車両の最も進行方向手前側に配置されているホイールまで検出光の照射を行うことができる。この結果、車両の進行方向手前側に配置されている各ホイールの形状の特徴を認識して、当該ホイールの形状に応じた前記タイヤの連設数を判定することができる。
(全体構成)
以下、本発明の第1の実施形態に係る料金収受設備1について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施形態に係る料金収受設備1の概略図である。
本実施形態において、料金収受設備1は、図1に示すように有料道路の出口料金所に設置され、有料道路の利用者である車両Aの運転者から利用料金を収受する。
料金収受設備1は、車線Lの両側部に配置されたアイランドI上に設けられ、車線L上に停止した車両Aとの間で料金収受処理を行うための設備である。
以降の説明において、車線Lに沿う方向を進行方向(図1におけるX方向)と称する。また、車線L上で車両Aが進む方向側(図1における+X側)を進行方向奥側と称し、車両Aが進む方向側とは反対側(図1における−X側)を進行方向手前側と称する。更に、車両Aの車幅方向を幅方向(図1におけるY方向)と称し、車両Aの車高方向を高さ方向(図1におけるZ方向)と称する。
ここで、車種区分D1とは、有料道路の料金を決定するための車種区分D1を示すものであり、本実施形態では、例えば、車種判別装置10は「軽自動車等」、「普通車」、「中型車」、「大型車」、「特大車」の五つの区分を判別する。また、車両Aの特徴とは、車線Lに進入する車両A固有の情報であって、本実施形態においては、ナンバープレート情報D2(図3)及びタイヤTの連設数D3(図3)である。車種判別装置10は、これらナンバープレート情報D2及びタイヤTの連設数D3に基づいて、車種の判別を行う装置である。なお、車種判別装置10の備える車両検知器10A、ナンバープレート認識部10B及びタイヤパターン判定装置20の具体的な構成については後述する(図2及び図3参照)。
料金自動収受機11は、車両Aの車種区分D1と、有料道路の走行距離とに応じた利用料金を、車両Aの運転者に課金する。
図2は本発明の第1の実施形態に係る車種判別装置10の概略図である。
図2に示すように、車種判別装置10は、車両検知器10Aと、ナンバープレート認識部10Bと、タイヤパターン判定装置20と、を検出用装置として備えている。また、車種判別装置10は、これら検出用装置が検出する信号に基づいて、車両Aの車種区分D1を判別するための車種区分判別部10Cを備えている。
なお、本実施形態において、車種区分判別部10Cが車種判別装置10(例えば図1に示すように車両検知器10A)に内蔵されている態様で説明するが、この態様に限定されない。例えば、他の実施形態においては、車種区分判別部10Cがネットワーク上に接続された車種判別装置10以外の装置に内蔵されていてもよい。
なお、本実施形態において、照明部20Aは、検出光として例えば赤外光を照射するが、他の実施形態においては、可視光等であってもよい。
照明部20Aは、検出光の照射方向(照明部20Aと照射範囲の中心とを結ぶ仮想線に沿う方向)が、車線Lの幅方向(図2におけるY方向)に対して傾斜するように配置されている。本実施形態においては、照射部20Aは、検出光の照射方向が車線Lの進行方向手前側(図2における−X側)を向くように、当該照射方向と車線Lの進行方向(図2におけるX方向)とが約45度の角度で交差するように配置されているが、これに限られることはない。他の実施形態においては、車線Lの幅方向(図2におけるY方向)に対して傾斜していれば、車線Lの進行方向奥側(図2における+X側)に向かって検出光を照射してもよいし、車線Lの上方(図2における+Z側)から下方(図2における−Z方向)に向かって検出光を照射してもよい。
そして、所定の照射範囲は、当該照射方向を中心として、車線Lの進行方向(図2におけるX方向)における一定の範囲と、車両Aの高さ方向(図2におけるZ方向)におけるタイヤTの下端部から上端部までの範囲と、を含むように設定されている。
撮像部20Bは、所定の撮像範囲を一定の間隔で連続して撮像することにより、ホイールWによる検出光の反射光を検出し、当該反射光の検出結果に基づく画像D11(図3)を取得する。所定の撮像範囲は、撮像部20Bが設けられている位置から車線Lの進行方向手前側(図2における−X側)の領域であって、照明部20Aの照射範囲を含むように設定されている。本実施形態において、撮像部20Bは、車両Aの幅方向他方側(図2における+Y側)に配置されたホイールWを撮像対象としている。
また、撮像部20Bが取得した画像D11の画像処理を行うことによって(例えば、ほぼ円形のホイールを捕捉するような処理を行うことによって)、照射範囲及び撮像範囲を自動的に設定するようにしてもよい。また、管理者等が照射範囲及び撮像範囲を手動で設定するようにしてもよい。
なお、本実施形態において、主制御部20Cがタイヤパターン判定装置20(例えば図2に示すように撮像部20B)に内蔵されている態様で説明するが、この態様に限定されない。例えば、他の実施形態においては、主制御部20Cが車種判別装置10の他の検出用装置(例えば車両検知器10A)に内蔵されていてもよいし、ネットワーク上に接続された車種判別装置10以外の装置に内蔵されていてもよい。
図3は本発明の第1の実施形態に係る車種判別装置のブロック図である。
車種判別装置10は、図3に示すように、車両検知器10Aと、ナンバープレート認識部10Bと、車種区分判別部10Cと、タイヤパターン判定装置20とを備えている。
また、ナンバープレート認識部10Bは、取得したナンバープレート情報D2を車種区分判別部10Cへ出力する。
主制御部20Cは、ホイール検出部202と、タイヤ判定部203とを有している。
撮像部20Bは、所定の撮像範囲を一定の間隔で連続して撮像し、画像D11を取得する。撮像部20Bは、取得した画像D11をホイール検出部202に出力する。
図4は本発明の第1の実施形態に係るタイヤTに検出光を照射した際の例を示す側面図であり、(a)はシングルタイヤT1の例であり、(b)はダブルタイヤT2の例である。また、図5は本発明の第1の実施形態に係るタイヤTに検出光を照射した際の例を示す断面図であり、(a)はシングルタイヤT1の例であり、(b)はダブルタイヤT2の例である。
図5(a)に示すように、シングルタイヤT1におけるディスク302は、リム301の車両Aの外側(図5(a)における+Y側)の端部に、凸部を車両Aの外側(図5(a)における+Y側)に向けた状態で設けられている。
従って、シングルタイヤT1のホイールWは、車両Aの外側(図5(a)における+Y側)から見た場合、車両Aの外側を向く表面が、車両Aの外側に向かって突出する凸形状となる。
図4(b)及び図5(b)に示すように、ダブルタイヤT2のホイールWは、シングルタイヤT1と同様に、車軸Sを中心とした略円盤形状を有し、径方向内方側の表面の一部が突出する凸部を有するディスク302とから構成されている。図5(b)に示すように、ダブルタイヤT2のホイールWのうち、車両Aの外側に配置されるホイールWのディスク302は、リム301の車両Aの内側(図5(b)における−Y側)の端部に、凸部を車両Aの内側(図5(b)における−Y側)に向けた状態で設けられている。従って、ダブルタイヤT2のホイールWは、車両Aの外側(図5(b)における+Y側)から見た場合、車両Aの外側を向く表面が、車両Aの内側(図5(b)における−Y側)に向かって窪んだ凹形状となる。つまり、ダブルタイヤT2の車両Aの外側に配置されるホイールWは、シングルタイヤT1のホイールWを車両Aの幅方向(図5(a)及び(b)におけるY方向)に反転させたものである。
本実施形態においては、照射部20AがホイールWに対して検出光を照射することにより、当該相違を検出している。更に、照明部20Aが、照射方向を車線Lの幅方向(図2におけるY方向)に対して傾斜させて検出光を照射することにより、当該相違をより検出しやすくしている。
従って、シングルタイヤT1のホイールWを撮像した画像D11上においては、進行方向奥側(図4(a)及び図5(a)における+X側)に明部R2(濃度値が高い部分)が表され、進行方向手前側(図4(a)及び図5(a)における+X側)に暗部R1(濃度値が低い部分)が表される。一方、ダブルタイヤT2のホイールWを撮像した画像D11上においては、進行方向奥側(図4(b)及び図5(b)における+X側)に暗部R1(濃度値が低い部分)が表され、進行方向手前側(図4(b)及び図5(b)における+X側)に明部R2(濃度値が高い部分)が表される。
具体的には、タイヤ判定部203は、ホイール検出部202から受信した各画像D11について、当該画像D11に撮像されているホイールWの暗部R1及び明部R2の分布の規則性に基づいて、以下のようにシングルタイヤT1及びダブルタイヤT2の何れの分布の規則性に近似しているかを判定する。
なお、同一のホイールWに割り当てられている画像D11は複数あるため、タイヤ判定部203は、これら複数の画像D11について、同様の処理を行い、タイヤTの連設数D3を判定する。複数の画像D11は、それぞれホイールWが撮像されている位置が異なるため、タイヤ判定部203の各画像D11に対する判定結果として、異なるタイヤTの連設数D3の値が判定される場合がある。この場合、最も多い判定結果(タイヤTの連設数D3の値)を、当該ホイールWに対応するタイヤTの連設数D3であると判定する。例えば、同一のホイールWに割り当てられた複数の画像D11について、タイヤTの連設数D3が「1」と判定された判定結果よりも、タイヤTの連設数D3が「2」と判定された判定結果の方が多い場合は、当該ホイールWに対応するタイヤTの連設数D3は「2」であると判定する。
タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両Aの車両進入情報D5を受信すると、前回車両通過情報D6を受信してから次の車両通過情報D6を受信するまでの間に判定したタイヤTの連設数D3は、車両AのタイヤTの連設数D3であると判断する。このため、タイヤ判定部203は、前回車両通過情報D6を受信してから車両Aの車両進入情報D5を受信するまでの間に判定されたタイヤTの連設数D3を、記憶部20Dより取得して、車種判別装置10の車種区分判別部10Cに出力する。また、タイヤ判定部203は、当該車両Aの車両通過情報D6を受信するまでの間、判定したタイヤTの連設数D3を車種区分判別部10Cに出力する。
タイヤ判定部203は、車両Aの車両通過情報D6を受信すると、タイヤTの連設数D3の出力を停止する。
なお、タイヤ判定部203は、画像D11より検出したホイールWの数を車両Aの車軸数として、車種区分判別部10Cに出力してもよい。
図6は本発明の第1の実施形態に係るタイヤパターンの判定手順を示すフローチャートである。
本実施形態において、照明部20Aは、常時、所定の照射範囲に検出光を照射する。また、撮像部20Bは、所定の撮像範囲を一定の間隔で連続して撮像することにより、照明部20Aから照射された検出光が反射された反射光を検出し、当該反射光の検出結果に基づく画像D11を取得する。撮像部20Bは、取得した画像D11をホイール検出部202に出力する。
ホイール検出部202は、撮像部20Bから受信した各画像D11のうち、車両AのホイールWが含まれていると判断された画像D11を抽出して、当該画像D11上のホイールWが撮像されている領域の座標の情報と共に、タイヤ判定部203に出力する。
タイヤ判定部203は、ホイール検出部202から受信した各画像D11について、ホイールWが撮像されている領域の座標を参照し、当該領域の濃度値を検出する。タイヤ判定部203は、検出された濃度値より、当該画像D11に撮像されているホイールWの暗部R1及び明部R2の分布の規則性を検出する。タイヤ判定部203は、当該規則性に基づいて、タイヤTの連設数D3を判定する(ステップST101)。そして、タイヤ判定部203は、判定したタイヤTの連設数D3を記憶部20Dに記憶する。
タイヤ判定部203は、車両検知器10Aが車両Aの進入を検知したかどうかを判断する(ステップST102)。タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両進入情報D5を受信した場合(ステップST102:Yes)、ステップST103に進む。また、タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両進入情報D5を受信していない場合(ステップST102:No)、ステップST101に戻る。
タイヤ判定部203は、当該車両進入情報D5を受信するよりも前に車両通過情報D6を受信してから、当該車両進入情報D5を受信するまでの期間において判定されたタイヤTの連設数D3は、当該車両AのタイヤTの連設数D3であると判断する。そして、タイヤ判定部203は、記憶部20Dに記憶されているタイヤTの連設数D3のうち、当該期間において判定されたタイヤTの連設数D3を、車両AのタイヤTの連設数D3として割り当てる(ステップST103)。タイヤ判定部203は、車両Aに割り当てられたタイヤTの連設数D3を記憶部から取得して、車種区分判別部10Cに出力する。
ステップST101と同様に、照明部20Aは所定の照射範囲に検出光を照射し、撮像部20Bは所定の撮像範囲の画像を一定の間隔で連続して取得し、ホイール検出部202に出力する。また、ホイール検出部202は、撮像部20Bから受信した各画像D11のうち、車両AのホイールWが含まれている画像D11を抽出し、当該画像D11上のホイールWが撮像されている領域の座標の情報と共に、タイヤ判定部203に出力する。タイヤ判定部203は、ホイール検出部202から受信した各画像D11について、ホイールWが撮像されている領域の座標を参照し、タイヤTの連設数D3を判定する(ステップST104)。
タイヤ判定部203は、ステップST104において判定されたタイヤTの連設数D3を、車両AのタイヤTの連設数D3として割り当てる(ステップST105)。タイヤ判定部203は、車両Aに割り当てられた当該タイヤTの連設数D3を車種区分判別部10Cに出力する。
次に、タイヤ判定部203は、車両検知器10Aが車両Aの通過を検知したかどうかを判断する(ステップST106)。タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両通過情報D6を受信した場合(ステップST106:Yes)、以降のタイミングで判定されたタイヤTの連設数D3は車両AのタイヤTの連設数D3ではないと判断する。そして、タイヤ判定部203は、以降のタイミングで判定されたタイヤTの連設数D3の車両Aへの割り当てを停止し、ステップST101へ戻る。また、タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両通過情報D6を受信していない場合(ステップST106:No)、ステップST104に戻る。
上述したタイヤパターン判定装置20によれば、照明部20Aは、車両AのホイールWに相当する高さに検出光を照射する。また、撮像部20Bは、検出光が照射されているホイールWを一定の間隔で連続して撮像することにより、ホイールWによる当該検出光の反射光を検出し、当該反射光の検出結果に基づく画像D11を取得する。タイヤ判定部203は、このように取得された画像D11より、車両AのホイールWの車両Aの外側から見える形状に応じた反射光の検出結果に基づいて、タイヤTの連設数D3を判定する。つまり、車両AのタイヤTがシングルタイヤT1であるか、ダブルタイヤT2であるかを判定する。
上述したタイヤパターン判定装置20は、照明部20A及び撮像部20Bを設置するのみで、車種の判別に必要な情報の一つであるタイヤTの連設数D3を判定することができる。このため、車種区分D1の判別に必要な情報を検出する検出用装置である踏板を路面に埋設できない料金所や、踏板から料金自動収受機11までのスペースが十分確保できない料金所等、立地条件に制限がある料金所であっても、タイヤパターン判定装置20を設置することが可能である。この結果、立地条件に制限があり、車種を判別するための情報が踏板より十分得られない料金所であっても、タイヤ判定部203が判定したタイヤTの連設数D3に基づいて車種の判別を行うことが可能となる。
これにより、ホイールWには、ホイールWの形状に応じて、検出光が照射されていない暗部R1と、検出光が照射されている明部R2とが形成される。つまり、ホイールWの車両Aの外側から見える形状の特徴を、暗部R1及び明部R2の分布として表すことができる。
この結果、タイヤ判定部203は、撮像部20Bが取得した画像D11上に表されたホイールWの暗部R1及び明部R2の分布の規則性により、ホイールWの車両Aの外側から見える形状の特徴を認識して、当該特徴に応じたタイヤTの連設数D3を判定することができる。
しかしながら、上述のように、照明部20Aは、照射方向を車線Lの幅方向(図2におけるY方向)に対して傾斜させて検出光を照射するように配置されていることにより、検出光が照射されたホイールWのディスク302において暗部R1及び明部R2をより明瞭に形成することができる。
このため、撮像部20Bにより、当該ホイールWの車両Aの外側から見える形状の特徴を、暗部R1及び明部R2の分布(暗部R1及び明部R2が形成される位置)を表す画像D11として取得することが可能となる。この結果、タイヤ判定部203は、シングルタイヤT1とダブルタイヤT2とでは当該暗部R1及び明部R2の分布の規則性が異なっているという知見に基づき、当該画像D11が、シングルタイヤT1のホイールWの車両Aの外側から見える形状(凸形状)の特徴と、ダブルタイヤT2のホイールWの車両Aの外側から見える形状(凹形状)の特徴と、何れの特徴を有しているかを認識することができる。タイヤ判定部203は、当該特徴を認識することにより、当該ホイールWの車両Aの外側から見える形状に応じたタイヤTの連設数D3を判定することが可能となる。
例えば、踏板を埋設することが可能な料金所であっても、料金所の設置スペースが十分ではなく、車種判別装置10と料金自動収受機11との距離を車両Aの最大車長(例えば18m)以上確保することが困難な場合がある。この場合、車種判別装置10と料金自動収受機11との距離よりも車長が長い車両Aは、すべてのタイヤTが踏板を通過する前に、車両Aの運転席が料金自動収受機11に到達してしまう。そのため、車種判別装置10は、車軸数の取得が完了する前に車種の判別を行わなければならず、車長の長い車両Aについては、車種の判別を行うための情報が不足し、車種の判別が正しく行えない可能性がある。
しかしながら、照明部20Aは、上述のように所定の照射範囲が設定されているため、車両Aの進行方向手前側(図2における−X側)に配置されているホイールWに対し、検出光の照射を行うことができる。従って、車種の判別に必要な情報を検出する検出用装置を設置するスペースが十分確保できない料金所であっても、車両Aの利用料金を確定する前に、当該車両Aの最も進行方向手前側(図2における−X側)に配置されているホイールWまで検出光の照射を行うことができる。この結果、車両Aの進行方向手前側(図2における−X側)に配置されている各ホイールWの形状の特徴を認識して、当該ホイールWの車両Aの外側から見える形状に応じたタイヤTの連設数D3を判定することが可能となる。車種区分判別部10Cは、このように判定された車両Aの各タイヤTの連設数D3と、ナンバープレート認識部10Bより取得したナンバープレート情報D2とに基づき、当該車両Aの車種区分D1を判別する。ここで、車両の車種等に応じて、どの車軸にシングルタイヤ及びダブルタイヤの何れが取り付けられるかを示す連設数パターンには傾向がある。例えば、四つの車軸を有する、ある車種においては、一軸目にシングルタイヤが取り付けられており、二軸目から四軸目にダブルタイヤが取り付けられているという連設数パターンを有する場合がある。このため、車種区分判別部10Cは、このような連設数パターンを予め学習しておくことにより、タイヤTの連設数D3に基づいて車種区分D1の判別の精度を向上させることが可能である。
なお、照明部20A及び撮像部20Bの設置位置によっては、車両Aの最も進行方向手前側(図2における−X側)に配置されているタイヤTの連設数D3を判定することが困難な場合がある。しかしながら、車種区分判別部10Cは、上述のように連設数パターンを学習していることにより、既に取得済みのタイヤTの連設数D3と、連設数パターンとに基づいて、取得されていないタイヤの連設数を推測するようにしてもよい。例えば車両Aの一軸目のタイヤTがシングルタイヤT1であり、二軸目及び三軸目のタイヤTがダブルタイヤT2であると判定されたが、四軸目のタイヤTが撮像部20Bにより撮像できず不明である可能性がある。このような場合であっても、車種区分判別部10Cは、一軸目〜三軸目のタイヤTの連設数D3と連設数パターンとに基づいて、四軸目のタイヤTの連設数D3はダブルタイヤT2である可能性が高いと推測する。これによっても、車種区分D1の判別の精度を向上させることが可能である。
例えば二台の車両が近接追走している場合、所定の撮像範囲に二台の車両が含まれてしまうことがある。このため、撮像部20Bは、所定の撮像範囲を車両検知器10Aに近づけるように設定してもよい。また、撮像部20Bは、所定の撮像範囲を予め想定される最小車両間隔よりも狭く調整し、車両検知器10Aが車両Aの通過を検知したときに、当該車両Aの後続車両のタイヤが撮像されないように設定してもよい。
(車種判別装置の構成)
次に、本発明の第2の実施形態に係る料金収受設備1について図面を参照して説明する。なお、第1の実施形態と共通の構成には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
図7は本発明の第2の実施形態に係る料金収受設備1の概略図である。
図7に示すように、第2の実施形態に係る車種判別装置10のタイヤパターン判定装置20は、照明部20A(照射部)及び撮像部20B(検出部)に代えて、レーザスキャンセンサ20E(照射部及び検出部)を備えている点において、第1の実施形態と異なっている。
なお、本実施形態において、レーザスキャンセンサ20Eが照射する検出光は、レーザ光である。
レーザスキャンセンサ20Eは、検出光の照射方向(レーザスキャンセンサ20Eと照射範囲の中心とを結ぶ仮想線に沿う方向)が進行方向手前側(図7における−X側)を向くように、当該照射方向と車線Lの進行方向(図7におけるX方向)とが約45度の角度で交差するように配置されている。そして、所定の照射範囲は、車両Aの高さ方向(図7におけるZ方向)に沿ってホイールWの下端部から上端部までの範囲を含むように設定されている。
レーザスキャンセンサ20Eは、当該所定の照射範囲において、車線Lの進行方向(図7におけるX方向)における角度を一定とした状態で、車両Aの高さ方向(図7におけるZ方向)に沿って、異なる複数の高さで検出光を照射する。
なお、本実施形態において、レーザスキャンセンサ20Eにより複数の高さでレーザスキャンを行う例について説明するが、これに限られることはない。他の実施形態においては、複数のレーザスキャンセンサを高さ方向(図7におけるZ方向)に並べる構成であってもよい。この場合、各レーザスキャンセンサはレーザ光を照射して、当該レーザ光の反射光を検出することにより、各レーザスキャンセンサとレーザ光の照射位置との距離を計測する。このような構成によるレーザ光の照射、反射光の検出及び距離の計測を、レーザスキャンとして行ってもよい。
しかしながら、本実施形態においては、レーザスキャンセンサ20Eは、車両Aの高さ方向(図7におけるZ方向)に沿って、異なる複数の高さで検出光の照射を行うため、車両AのホイールWが配置されている位置が変位しても、検出光が照射される高さ方向(図7におけるZ方向)における照射範囲の何れかの位置にホイールWが配置されている位置を含むようにすることができる。このため、レーザスキャンセンサ20Eは、ホイールWの高さ方向(図7におけるZ方向)における下端部から上端部まで検出光を照射することができ、ホイールWの形状の特徴を認識するのに十分な反射光の検出結果を得ることが可能となる。
なお、検出光の所定の照射範囲は、車両Aのホイールの配置や、車両Aの車線L上の走行位置が変位することを考慮して、車両Aの高さ方向(図7におけるZ方向)における範囲を広く設定するようにしてもよい。また、レーザスキャンセンサ20Eの照射方向は、料金収受設備1の配置に応じて異なる照射方向及び照射範囲が設定されていてもよい。更に、別途カメラを設けて路面上を走行する車両Aを撮像して画像を取得し、当該画像の画像処理を行うことによって、照射範囲を自動的に設定するようにしてもよい。当該カメラは、ナンバープレート認識部10Bで代用するようにしてもよい。また、管理者等が照射範囲を手動で設定するようにしてもよい。
なお、本実施形態において、主制御部20Cがタイヤパターン判定装置20(例えば図7に示すようにレーザスキャンセンサ20E)に内蔵されている態様で説明するが、この態様に限定されない。例えば、他の実施形態においては、主制御部20Cが車種判別装置10の他の検出用装置(例えば車両検知器10A)に内蔵されていてもよいし、ネットワーク上に接続された車種判別装置10以外の装置に内蔵されていてもよい。
図8は本発明の第2の実施形態に係る車種判別装置10のブロック図である。
車種判別装置10は、図8に示すように、車両検知器10Aと、ナンバープレート認識部10Bと、車種区分判別部10Cと、タイヤパターン判定装置20とを備えている。
第2の実施形態に係る主制御部20Cは、第1の実施形態と同様にホイール検出部202と、タイヤ判定部203とを有している。
レーザスキャンセンサ20Eは、常時、所定の照射範囲に対して検出光を照射し、また、当該検出光が反射された反射光を検出する。本実施形態では、図9(a)及び(b)においてZ方向に延びる破線で示すように、タイヤTの高さ方向(図9(a)及び(b)におけるZ方向)に沿って検出光の照射を行う。
レーザスキャンセンサ20Eは、図8に示すように、所定の照射範囲に対する検出光の照射及び反射光の検出を行う毎に、当該反射光の検出結果に基づいて、レーザスキャンセンサ20EからホイールWまでの距離を測定した複数の測定結果(スキャンパターン)を、検出スキャンパターンD13としてホイール検出部202に出力する。
ホイール検出部202は、レーザスキャンセンサ20Eから受信した検出スキャンパターンD13の特徴点と、記憶部20Dに蓄積されている参照スキャンパターンD14の特徴点とを比較することにより、当該検出スキャンパターンD13にホイールWが含まれているか否かを検出する。
なお、本実施形態においてはホイール検出部202は車両AのホイールWを検出するが、他の実施形態においては、タイヤTを検出してもよいし、タイヤT及びホイールWの双方を検出してもよい。
また、本実施形態においては、検出スキャンパターンD13と参照スキャンパターンD14とを比較することにより、ホイールWが含まれているか否かを検出するが、これに限られることはない。他の実施形態においては、ホイール検出部202は、タイヤTのゴムで形成されたタイヤ部はレーザ光の反射率が小さいことを利用し、当該反射率の小さい範囲にタイヤ部があると判断するようにしてもよい。具体的には、ホイール検出部202は、各検出スキャンパターンD13に示される反射受光量と、当該検出スキャンパターンD13よりも前に取得された検出スキャンパターンの反射受光量とを比較する。例えば車両AのホイールWの進行方向奥側(図9における+X側)の端部付近をレーザスキャンしている場合、検出スキャンパターンD13の中央領域にはホイールWが含まれ、当該検出スキャンパターンD13の前の検出スキャンパターンの中央領域にはホイールWではなくタイヤ部が含まれる。このため、当該検出スキャンパターンD13の反射受光量は、当該検出スキャンパターンD13より前の検出スキャンパターンよりも大きい。このように各検出スキャンパターンD13の反射受光量を比較することにより、中央領域の反射受光量が一定の基準値よりも大きく増加している場合は、車両AのホイールWを検出したと判断するようにしてもよい。また、例えば車両AのタイヤTの中央付近をレーザスキャンしている場合、検出スキャンパターンD13の上下領域にはタイヤ部が存在し、検出スキャンパターンD13の中央領域にホイールWが存在する。このため、当該検出スキャンパターンD13では、中央領域の反射受光量が上下領域の反射受光量に対し一定の基準値よりも大きく増加している場合、当該上下領域にタイヤ部が存在し、中央領域にホイールWが存在すると判断することができる。ホイール検出部202は、このように各検出スキャンパターンD13を比較することにより、ホイールWを検出するようにしてもよい。
図9(a)及び(b)の縦軸は、レーザスキャンセンサ20Eが照射範囲(図9(a)及び(b)に示すZ方向に延びる破線)において検出光を照射する際の、検出光が照射される角度θと計測された距離から算出される高さ方向の座標zを表している。また、図9(a)及び(b)の横軸は、検出光が照射される角度θに応じた反射光の検出結果に基づいて測定された、車線の幅方向における座標yを表している。
このため、シングルタイヤT1に検出光を照射した場合、図9(a)に示すように、ホイールWが配置されている位置においては、タイヤTが配置されている位置と同様、座標yの値は小さい値が測定される。つまり、シングルタイヤT1の検出スキャンパターンD13は、図9(a)に示すようにホイールWが配置されている位置における座標yの値のばらつきが小さいという規則性を有している。
このため、ダブルタイヤT2に検出光を照射した場合、図9(b)に示すように、ホイールWが配置されている位置においては、タイヤTが配置されている位置に比べて座標yの値は大きい値が測定される。つまり、ダブルタイヤT2の検出スキャンパターンD13は、図9(b)に示すように、両端において小さい値が測定され、中間において大きい値が測定されるなど、ホイールが配置されている位置における座標yの値のばらつきが大きいという規則性を有している。
タイヤ判定部203は、ホイール検出部202から受信した検出スキャンパターンD13が、シングルタイヤT1及びダブルタイヤT2の何れの規則性を有しているかを判定する。
タイヤ判定部203は、ホイールWの検出スキャンパターンD13の座標yの値のばらつきが小さい場合は、当該ホイールWはシングルタイヤT1のホイールWであると判定し、タイヤTの連設数D3は「1」であると判定する。また、タイヤ判定部203は、ホイールWの検出スキャンパターンD13の座標yの値のばらつきが大きい場合は、当該ホイールWはダブルタイヤT2のホイールWであると判定し、タイヤTの連設数D3は「2」であると判定する。
なお、同一のホイールWに割り当てられている検出スキャンパターンD13は複数あるため、タイヤ判定部203は、これら複数の検出スキャンパターンD13について、同様の処理を行い、タイヤTの連設数D3を判定する。複数の検出スキャンパターンは、それぞれホイールW上のレーザスキャンを行った位置が異なるため、タイヤ判定部203の各検出スキャンパターンD13に対する判定結果として、異なるタイヤTの連設数D3の値が判定される場合がある。この場合、最も多い判定結果(タイヤTの連設数D3の値)を、当該ホイールWに対応するタイヤTの連設数D3であると判定する。例えば、同一のホイールWに割り当てられた複数の検出スキャンパターンD13について、タイヤTの連設数D3が「1」と判定された判定結果よりも、タイヤTの連設数D3が「2」と判定された判定結果の方が多い場合は、当該ホイールWに対応するタイヤTの連設数D3は「2」であると判定する。
タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両Aの車両進入情報D5を受信すると、前回車両通過情報D6を受信してから次の車両通過情報D6を受信するまでの間に判定したタイヤTの連設数D3は、車両AのタイヤTの連設数D3であると判断する。このため、タイヤ判定部203は、前回車両通過情報D6を受信してから車両Aの車両進入情報D5を受信するまでの間に判定されたタイヤTの連設数D3を、記憶部20Dより取得して、車種判別装置10の車種区分判別部10Cに出力する。また、タイヤ判定部203は、当該車両Aの車両通過情報D6を受信するまでの間、判定したタイヤTの連設数D3を車種区分判別部10Cに出力する。
タイヤ判定部203は、車両Aの車両通過情報D6を受信すると、タイヤTの連設数D3の出力を停止する。
なお、タイヤ判定部203は、検出スキャンパターンD13より検出したホイールWの数を車両Aの車軸数として、車種区分判別部10Cに出力してもよい。
図10は本発明の第2の実施形態に係るタイヤパターンの判定手順を示すフローチャートである。
レーザスキャンセンサ20Eは、常時、所定の照射範囲においてレーザスキャンを行う。また、レーザスキャンセンサ20Eは、レーザスキャンにおいて検出された検出スキャンパターンD13を、ホイール検出部202に出力する。
ホイール検出部202は、レーザスキャンセンサ20Eから受信した各検出スキャンパターンD13のうち、車両AのホイールWが含まれている検出スキャンパターンを抽出する。ホイール検出部202は、抽出された検出スキャンパターンD13をタイヤ判定部203に出力する。
タイヤ判定部203は、ホイール検出部202から受信した各検出スキャンパターンD13について、当該検出スキャンパターンD13が表す座標yの値のばらつきの規則性に基づいて、タイヤTの連設数D3を判定する(ステップST201)。そして、タイヤ判定部203は、判定したタイヤTの連設数D3を記憶部20Dに記憶する。
タイヤ判定部203は、車両検知器10Aが車両Aの進入を検知したかどうかを判断する(ステップST202)。タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両進入情報D5を受信した場合(ステップST202:Yes)、ステップST203に進む。また、タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両進入情報D5を受信していない場合(ステップST202:No)、ステップST201に戻る。
タイヤ判定部203は、当該車両進入情報D5を受信するよりも前に車両通過情報D6を受信してから、当該車両進入情報D5を受信するまでの期間において判定されたタイヤTの連設数D3は、当該車両AのタイヤTの連設数D3であると判断する。そして、タイヤ判定部203は、記憶部20Dに記憶されているタイヤTの連設数D3のうち、当該期間において判定されたタイヤTの連設数D3を、車両AのタイヤTの連設数D3として割り当てる(ステップST203)。タイヤ判定部203は、車両Aに割り当てられたタイヤTの連設数D3を記憶部から取得して、車種判別装置の車種区分判別部10Cに出力する。
ステップST201と同様に、レーザスキャンセンサ20Eは所定の範囲においてレーザスキャンを行い、ホイール検出部202に出力する。また、ホイール検出部202は、レーザスキャンセンサ20Eから受信した各検出スキャンパターンD13のうち、車両AのホイールWが含まれている検出スキャンパターンを抽出する。ホイール検出部202は、抽出された検出スキャンパターンD13をタイヤ判定部203に出力する。タイヤ判定部203は、ホイール検出部202から受信した各検出スキャンパターンD13について、当該検出スキャンパターンD13が表す座標yの値のばらつきの規則性に基づいて、タイヤTの連設数D3を判定する(ステップST204)。
タイヤ判定部203は、ステップST204において判定されたタイヤTの連設数D3を、車両AのタイヤTの連設数D3として割り当てる(ステップST205)。タイヤ判定部203は、車両Aに割り当てられた当該タイヤTの連設数D3を車種判別装置の車種区分判別部10Cに出力する。
次に、タイヤ判定部203は、車両検知器10Aが車両Aの通過を検知したかどうかを判断する(ステップST206)。タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両通過情報D6を受信した場合(ステップST206:Yes)、以降のタイミングで判定されたタイヤTの連設数D3は車両AのタイヤTの連設数D3ではないと判断する。そして、タイヤ判定部203は、以降のタイミングで判定されたタイヤTの連設数D3の車両Aへの割り当てを停止し、ステップST201へ戻る。また、タイヤ判定部203は、車両検知器10Aから車両通過情報D6を受信していない場合(ステップST206:No)、ステップST204に戻る。
上述したタイヤパターン判定装置20によれば、レーザスキャンセンサ20Eは、車両AのホイールWに相当する高さに検出光を照射し、また、ホイールWによる当該検出光の反射光を検出し、当該反射光の検出結果に基づく検出スキャンパターンD13を取得する。タイヤ判定部203は、このように取得された検出スキャンパターンD13より、車両AのホイールWの車両Aの外側(図5(a)及び(b)における+Y側)から見える形状に応じた反射光の検出結果に基づいて、タイヤTの連設数D3を判定する。つまり、車両AのタイヤTがシングルタイヤT1であるか、ダブルタイヤT2であるかを判定する。
上述したタイヤパターン判定装置20は、レーザスキャンセンサ20Eを設置するのみで、車種の判別に必要な情報の一つであるタイヤTの連設数D3を判定することができる。このため、車種区分D1の判別に必要な情報を検出する検出用装置である踏板を路面に埋設できない料金所や、踏板から料金自動収受機11までのスペースが十分確保できない料金所等、立地条件に制限がある料金所であっても、タイヤパターン判定装置20を設置することが可能である。
このため、このように立地条件に制限があり、検出用装置からの情報が十分得られない料金所であっても、タイヤ判定部203が判定したタイヤTの連設数D3に基づいて車種判別を行うことが可能となる。
車両Aの外側(図5(a)及び(b)における+Y側)から見えるシングルタイヤT1のホイールWは凸形状であり、ダブルタイヤT2のホイールWは凹形状であるため、シングルタイヤT1のホイールWと、ダブルタイヤT2のホイールWとでは、検出スキャンパターンD13に表れる座標yの値のばらつきの規則性が相違している。具体的には、シングルタイヤT1の検出スキャンパターンD13は座標yの値のばらつきが小さいという規則性を有し、ダブルタイヤT2の検出スキャンパターンD13は座標yの値のばらつきが大きいという規則性を有している。タイヤ判定部203は、上記のように検出スキャンパターンD13における座標yのばらつきの規則性に基づいて、車両AのホイールWの形状の特徴を認識して、当該ホイールの形状に応じたタイヤTの連設数D3を判定することができる。
所定の照射範囲を、レーザスキャンセンサ20Eよりも車線Lの進行方向手前側(図7における−X側)の領域に設定することにより、車両Aの進行方向手前側(図7における−X側)に配置されているホイールWの検出スキャンパターンD13を取得することができる。このため、車両検知器10Aから料金自動収受機11までの距離が、車両の最大車長(例えば18m)よりも短い場合であっても、車両Aの運転席が料金自動収受機11に到達する前に、車両Aの全てのホイールWの検出スキャンパターンD13を取得することができる。これにより、車種判別装置10の設置スペースが十分に確保できない料金所であっても、タイヤパターン判定装置20により判定された車両AのタイヤTの連設数D3に基づいて車種の判別を行うことが可能となる。車種区分判別部10Cは、このように判定された車両Aの各タイヤTの連設数D3と、ナンバープレート認識部10Bより取得したナンバープレート情報D2とに基づき、当該車両Aの車種区分D1を判別する。ここで、上述のように、車両の車種等に応じて、どの車軸にシングルタイヤ及びダブルタイヤの何れが取り付けられるかを示す連設数パターンには傾向がある。このため、車種区分判別部10Cは、このような連設数パターンを予め学習しておくことにより、タイヤTの連設数D3に基づいて車種区分D1の判別の精度を向上させることが可能である。
なお、レーザスキャンセンサ20Eの設置位置によっては、車両Aの最も進行方向手前側(図2における−X側)に配置されているタイヤTの連設数D3を判定することが困難な場合がある。しかしながら、車種区分判別部10Cは、上述のように連設数パターンを学習していることにより、既に取得済みのタイヤTの連設数D3と、連設数パターンとに基づいて、取得されていないタイヤの連設数を推測するようにしてもよい。例えば車両Aの一軸目のタイヤTがシングルタイヤT1であり、二軸目及び三軸目のタイヤTがダブルタイヤT2であると判定されたが、四軸目のタイヤTが撮像部20Bにより撮像できず不明である場合であっても、車種区分判別部10Cは、一軸目〜三軸目のタイヤTの連設数D3と連設数パターンとに基づいて、四軸目のタイヤTの連設数D3はダブルタイヤT2である可能性が高いと推測する。これによっても、車種区分D1の判別の精度を向上させることが可能である。
例えば二台の車両が近接追走している場合、車両検知器10Aが車両Aの通過を検知したときに、当該車両Aの後続車両に検出光が照射されてしまうことがある。このため、レーザスキャンセンサ20Eは、車両検知器10Aが車両Aの通過を検知したときに当該車両Aの後続車両のタイヤが撮像されないように、検出光の照射方向を車両検知器10Aに近づけるように設定してもよい。
また、上述の各実施形態におけるタイヤパターン判定装置20のハードウェア構成の例について説明する。
図11はタイヤパターン判定装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図11に示すように、タイヤパターン判定装置20は、メモリ810と、記憶/再生装置820と、IO I/F(Input Output Interface)830と、外部機器I/F(Interface)840と、通信I/F(Interface)850と、CPU(Central Processing Unit)860と、補助記憶装置870とを備えている。
記憶/再生装置820は、CD−ROM、DVD、フラッシュメモリ等の外部メディアへデータ等を記憶したり、外部メディアのデータ等を再生するための装置である。
IO I/F830は、車種判別装置10の各装置との間で情報等の入出力を行うためのインターフェースである。
外部機器I/F840は、タイヤパターン判定装置20が備える機器の制御と、情報等の送受信とを行うためのインターフェースである。上述の実施形態のタイヤパターン判定装置20では、外部機器I/F840は、照明部20A及び撮像部20B、又は、レーザスキャンセンサ20Eの制御と、情報及び信号の送受信とを行う。
通信I/F850は、タイヤパターン判定装置20がインターネット等の通信回線を介して外部サーバと通信を行うためのインターフェースである。
CPU860は、プログラムを実行し、タイヤパターン判定装置20のそれぞれ機能を実行するように制御する。上述の実施形態においては、タイヤパターン判定装置20がタイヤTの連設数D3を判定するように制御する。
補助記憶装置870は、CPU860で実行するプログラムや、プログラムを実行する際に使用するデータや、生成されたデータを記録するためのものである。補助記憶装置870は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等である。
外部メディアや外部サーバに記憶されているプログラムを、補助記憶装置870に記憶してもよい。
例えば、上述の実施形態において、タイヤパターン判定装置20が車両検知器10Aから車両進入情報D5を受信してから、検出光の照射及び反射光の検出を行う例について説明したが、これに限られることはない。タイヤパターン判定装置20は、常時検出光の照射及び反射光の検出を行ってもよい。この場合、タイヤパターン判定装置20の撮像部20B及びレーザスキャンセンサ20Eは、取得した画像D11を逐次ホイール検出部202に出力する。ホイール検出部202は、車両検知器10Aから車両進入情報D5を受信してから、車両通過情報D6を受信するまでの期間に取得した画像D11について、当該画像D11に車両AのホイールWが含まれるか否かを検出する。また、ホイール検出部202は、取得した全ての画像D11について、当該画像D11に車両AのホイールWが含まれるか否かを検出するようにしてもよい。
このような構成によっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
10 車種判別装置
10A 車両検知器
10B ナンバープレート認識部
10C 車種区分判別部
11 料金自動収受機
13 発進制御機
14 発進検知器
20 タイヤパターン判定装置
20A 照明部(照射部)
20B 撮像部(検出部)
20C 主制御部
20D 記憶部
20E レーザスキャンセンサ(照射部、検出部)
202 ホイール検出部
203 タイヤ判定部
301 リム
302 ディスク
A 車両
I アイランド
L 車線
T タイヤ
T1 シングルタイヤ
T2 ダブルタイヤ
R1 暗部
R2 明部
W ホイール
Claims (14)
- 通過する車両のホイールに相当する高さに検出光を照射する照射部と、
前記検出光の反射光を検出する検出部と、
前記検出部による前記ホイールからの前記反射光の検出結果に基づいて、前記車両のタイヤの連設数を判定するタイヤ判定部と、
を備え、
前記照射部は、少なくとも前記ホイールを含む照射範囲に前記検出光を照射し、
前記検出部は、前記反射光の検出結果に基づいて、前記照射範囲に含まれる前記車両の外側から見える前記ホイールの凸形状または凹形状を検出し、
前記タイヤ判定部は、前記ホイールの前記凸形状または凹形状に基づいて、前記タイヤの連設数を判定する、
タイヤパターン判定装置。 - 通過する車両のホイールに相当する高さに検出光を照射する照射部と、
前記検出光の反射光を検出する検出部と、
前記検出部による前記ホイールからの前記反射光の検出結果に基づいて、前記車両のタイヤの連設数を判定するタイヤ判定部と、
を備え、
前記照射部は、少なくとも前記ホイールを含む照射範囲に前記検出光を照射し、
前記検出部は、前記反射光の検出結果に基づいて、前記照射範囲を含む画像を取得し、
前記タイヤ判定部は、前記画像上に表れる暗部及び明部の分布の規則性に基づいて、前記タイヤの連設数を判定し、
前記画像上に表れる暗部及び明部の分布の規則性は、前記車両の外側から見える前記ホイールの凸形状又は凹形状に起因して生じる、
タイヤパターン判定装置。 - 通過する車両のホイールに相当する高さに検出光を照射する照射部と、
前記検出光の反射光を検出する検出部と、
前記検出部による前記ホイールからの前記反射光の検出結果に基づいて、前記車両のタイヤの連設数を判定するタイヤ判定部と、
を備え、
前記照射部は、前記検出光としてレーザ光を照射し、
前記検出部は、前記反射光の検出結果に基づいて、前記検出部から照射対象までの距離を測定し、
前記タイヤ判定部は、前記距離の複数の測定結果により、前記ホイールの凸形状または凹形状に基づく特徴を認識して、当該ホイールの形状に応じた前記タイヤの連設数を判定する、
タイヤパターン判定装置。 - 前記検出部は、前記反射光の検出結果に基づいて、前記照射範囲を含む画像を取得し、
前記タイヤ判定部は、前記画像上に表れる暗部及び明部の分布の規則性に基づいて、前記タイヤの連設数を判定する、
請求項1に記載のタイヤパターン判定装置。 - 前記画像上に表れる暗部及び明部の分布の規則性は、前記車両の外側から見える前記ホイールの凸形状又は凹形状に起因して生じる、
請求項4に記載のタイヤパターン判定装置。 - 前記照射部は、前記検出光としてレーザ光を照射し、
前記検出部は、前記反射光の検出結果に基づいて、前記検出部から照射対象までの距離を測定し、
前記タイヤ判定部は、前記距離の複数の測定結果により、前記ホイールの形状の特徴を認識して、当該ホイールの形状に応じた前記タイヤの連設数を判定する、
請求項1に記載のタイヤパターン判定装置。 - 前記照射部は、前記車両の高さ方向に沿って、異なる複数の高さで前記レーザ光を照射する、
請求項6に記載のタイヤパターン判定装置。 - 前記照射部は、前記車両の幅方向に対して傾斜した方向に前記検出光を照射する、
請求項4に記載のタイヤパターン判定装置。 - 前記照射部は、前記照射部が設置されている位置より前記車両の進行方向手前側に向かって前記検出光を照射する、
請求項1から8の何れか一項に記載のタイヤパターン判定装置。 - 請求項1から9の何れか一項に記載のタイヤパターン判定装置と、
前記タイヤパターン判定装置により判定された前記車両の前記タイヤの連設数に基づいて車種を判別する車種区分判別部と、
を備える車種判別装置。 - 通過する車両のホイールに相当する高さに検出光を照射する照射ステップと、
前記検出光の反射光を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる前記ホイールの形状に応じた前記反射光の検出結果に基づいて、前記車両のタイヤの連設数を判定するタイヤ判定ステップと、
を有し、
前記照射ステップにおいて、少なくとも前記ホイールを含む照射範囲に前記検出光を照射し、
前記検出ステップにおいて、前記反射光の検出結果に基づいて、前記照射範囲に含まれる前記車両の外側から見える前記ホイールの凸形状または凹形状を検出し、
前記タイヤ判定ステップにおいて、前記ホイールの前記凸形状または凹形状に基づいて、前記タイヤの連設数を判定する、
タイヤパターン判定方法。 - 通過する車両のホイールに相当する高さに検出光を照射する照射ステップと、
前記検出光の反射光を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる前記ホイールの形状に応じた前記反射光の検出結果に基づいて、前記車両のタイヤの連設数を判定するタイヤ判定ステップと、
を有し、
前記照射ステップにおいて、前記検出光としてレーザ光を照射し、
前記検出ステップにおいて、前記反射光の検出結果に基づいて照射対象までの距離を測定し、
前記タイヤ判定ステップにおいて、前記距離の複数の測定結果により、前記ホイールの形状の特徴を認識して、当該ホイールの形状に応じた前記タイヤの連設数を判定する、
タイヤパターン判定方法。 - 通過する車両のタイヤの連設数を判定するタイヤパターン判定装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記車両のホイールに相当する高さに検出光を照射する照射部、
前記検出光の反射光を検出する検出部、
前記検出部による前記ホイールの形状に応じた前記反射光の検出結果に基づいて、前記車両のタイヤの連設数を判定するタイヤ判定部、
として機能させ、
前記照射部は、少なくとも前記ホイールを含む照射範囲に前記検出光を照射し、
前記検出部は、前記反射光の検出結果に基づいて、前記照射範囲に含まれる前記車両の外側から見える前記ホイールの凸形状または凹形状を検出し、
前記タイヤ判定部は、前記ホイールの前記凸形状または凹形状に基づいて、前記タイヤの連設数を判定する、
プログラム。 - 通過する車両のタイヤの連設数を判定するタイヤパターン判定装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記車両のホイールに相当する高さに検出光を照射する照射部、
前記検出光の反射光を検出する検出部、
前記検出部による前記ホイールの形状に応じた前記反射光の検出結果に基づいて、前記車両のタイヤの連設数を判定するタイヤ判定部、
として機能させ、
前記照射部は、前記検出光としてレーザ光を照射し、
前記検出部は、前記反射光の検出結果に基づいて、前記検出部から照射対象までの距離を測定し、
前記タイヤ判定部は、前記距離の複数の測定結果により、前記ホイールの形状の特徴を認識して、当該ホイールの形状に応じた前記タイヤの連設数を判定する、
プログラム。
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