JP6447715B2 - 回転式電子部品および回転エンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、回転式電子部品および回転エンコーダに関する。
従来、回転式電子部品の一例としての回転エンコーダとしては、特開2004−95242号公報(特許文献1)に記載されたものがある。回転エンコーダは、シャフトと、シャフトの回転角度を規制する規制部材と、シャフトの回転方向および回転角度を検知するエンコーダ機構と、シャフトに押圧されるスイッチ機構とを有する。
エンコーダ機構は、シャフトに取り付けられたロータと、ロータに取り付けられた摺動子とを有する。規制部材は、ロータの外周面に接触してシャフトの回転角度を規制する。
特開2004−95242号公報
ところで、前記従来の回転エンコーダでは、規制部材は、ロータの外周面に接触してシャフトの回転角度を規制しているので、ロータにシャフトの回転角度を規制する機能をもたせている。このため、エンコーダ機構の一部であるロータが大型となり、回転エンコーダが大型化する問題がある。
そこで、本発明の課題は、小型化を図ることができる回転式電子部品および回転エンコーダを提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の回転式電子部品は、
軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるシャフトと、
前記シャフトの回転角度を規制する規制部材と、
前記シャフトの回転方向および回転角度を検知するシャフト回転検知機構と、
前記シャフトの軸に沿った移動により前記シャフトに押圧されるスイッチ機構と
を備え、
前記シャフトは、周方向に配列された複数の凸部および凹部を含む外周面を有し、
前記規制部材は、前記シャフトの外周面に接触可能となる接点部を有し、前記接点部は、前記シャフトの外周面の凸部に弾発付勢して接触する一方、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まって前記シャフトの回転角度を規制する。
本発明の回転式電子部品によれば、シャフトの回転角度を規制する規制部材と、シャフトの回転方向および回転角度を検知するシャフト回転検知機構と、シャフトの軸に沿った移動によりシャフトに押圧されるスイッチ機構とを有する。これにより、1つのシャフトによって、規制部材のクリック機能と、シャフト回転検知機構のシャフト回転検知機能と、スイッチ機構のスイッチ機能とを制御することができる。したがって、3つの機能を1つのシャフトで一体に制御でき、回転式電子部品の小型化を実現できる。
また、規制部材が、シャフトの外周面の凸部および凹部により、シャフトの回転角度を規制しているので、シャフト回転検知機構の一部(例えばロータ)にシャフトの回転角度を規制する機能をもたせることがなく、シャフト回転検知機構を小型にでき、回転式電子部品の小型化を図ることができる。
また、本発明の回転エンコーダは、
軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるシャフトと、
前記シャフトの回転角度を規制する規制部材と、
前記シャフトの回転方向および回転角度を検知するエンコーダ機構と、
前記シャフトの軸に沿った移動により前記シャフトに押圧されるスイッチ機構と
を備え、
前記シャフトは、周方向に配列された複数の凸部および凹部を含む外周面を有し、
前記規制部材は、前記シャフトの外周面に接触可能となる接点部を有し、前記接点部は、前記シャフトの外周面の凸部に弾発付勢して接触する一方、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まって前記シャフトの回転角度を規制する。
好ましくは、前記シャフトを、軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるように取り付けるケーシングを有する。
本発明の回転エンコーダによれば、シャフトの回転角度を規制する規制部材と、シャフトの回転方向および回転角度を検知するエンコーダ機構と、シャフトの軸に沿った移動によりシャフトに押圧されるスイッチ機構とを有する。これにより、1つのシャフトによって、規制部材のクリック機能と、エンコーダ機構のエンコーダ機能と、スイッチ機構のスイッチ機能とを制御することができる。したがって、3つの機能を1つのシャフトで一体に制御でき、回転エンコーダの小型化を実現できる。
また、規制部材が、シャフトの外周面の凸部および凹部により、シャフトの回転角度を規制しているので、エンコーダ機構の一部(例えばロータ)にシャフトの回転角度を規制する機能をもたせることがなく、エンコーダ機構を小型にでき、回転エンコーダの小型化を図ることができる。
また、一実施形態の回転エンコーダでは、
前記接点部は、第1接点部および第2接点部を含み、
前記第1接点部が、前記シャフトの外周面の凸部に接触しているときに、前記第2接点部が、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まる一方、前記第1接点部が、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まっているときに、前記第2接点部が、前記シャフトの外周面の凸部に接触する。
前記実施形態の回転エンコーダによれば、第1接点部が、シャフトの外周面の凸部に接触しているときに、第2接点部が、シャフトの外周面の凹部に嵌まる一方、第1接点部が、シャフトの外周面の凹部に嵌まっているときに、第2接点部が、シャフトの外周面の凸部に接触する。これにより、シャフトが回転すると、第1接点部と第2接点部とが、交互に、シャフトの外周面の凹部に嵌まる。したがって、シャフトを小型にしても、クリック数を多くすることができる。
また、一実施形態の回転エンコーダでは、
前記エンコーダ機構は、
エンコーダ基板と、
前記エンコーダ基板に設けられた抵抗体パターンと、
前記エンコーダ基板に設けられ、前記抵抗体パターンに電気的に接続されるエンコーダ端子と、
前記シャフトとともに回転可能となるように前記シャフトに取り付けられたロータと、
前記ロータに取り付けられ、前記抵抗体パターンと摺接する摺動子と
を有する。
また、一実施形態の回転エンコーダでは、
前記スイッチ機構は、
スイッチ基板と、
前記スイッチ基板に設けられた2つのスイッチ端子と、
前記一方のスイッチ端子に電気的に接続されると共に、前記シャフトの端部に押圧されて、前記他方のスイッチ端子に電気的に接続され、前記一方のスイッチ端子と前記他方のスイッチ端子とを導通する導電体と
を有する。
また、一実施形態の回転エンコーダでは、前記エンコーダ基板と前記スイッチ基板とは、折り曲げられた前記エンコーダ端子によって、一体に抱えられている。
前記実施形態の回転エンコーダによれば、エンコーダ基板とスイッチ基板とは、折り曲げられたエンコーダ端子によって、一体に抱えられているので、エンコーダ端子を利用して、エンコーダ基板とスイッチ基板とを一体化できる。したがって、部品数を増加することなく、エンコーダ基板とスイッチ基板との接合強度を向上できる。
また、一実施形態の回転エンコーダでは、
前記シャフトを軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるように取り付けるケーシングを有し、
前記ケーシングは、前記エンコーダ基板を固定するエンコーダ固定部と、前記スイッチ基板を固定するスイッチ固定部とを有する。
前記実施形態の回転エンコーダによれば、ケーシングは、エンコーダ基板を固定するエンコーダ固定部と、スイッチ基板を固定するスイッチ固定部とを有するので、ケーシングを利用して、エンコーダ基板とスイッチ基板とを一体化できる。したがって、部品数を増加することなく、エンコーダ基板とスイッチ基板との接合強度を向上できる。
また、一実施形態の回転エンコーダでは、
前記シャフトを軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるように取り付けるケーシングを有し、
前記ロータは、前記ロータの外径が長径となる長径部と、前記ロータの外径が短径となる短径部とを有し、
前記ケーシングは、前記短径部が係止しないで離脱され、かつ、前記長径部が前記ロータの回転により係脱可能となる係止部を有する。
前記実施形態の回転エンコーダによれば、ケーシングは、短径部が係止しないで離脱され、かつ、長径部がロータの回転により係脱可能となる係止部を有する。これにより、ロータをケーシングに組み付けるとき、ロータの短径部をケーシングの係止部に通過させることで、ロータのケーシングへの組み付けが容易となる。一方、ロータをケーシングに組み付けた後、ロータを回転して、ロータの長径部をケーシングの係止部に係止させることで、ロータのケーシングへの組み付け状態を維持できる。
本発明の回転式電子部品および回転エンコーダによれば、規制部材は、シャフトの外周面により、シャフトの回転角度を規制しているので、シャフト回転検知機構またはエンコーダ機構の一部を小型にでき、回転エンコーダの小型化を図ることができる。
本発明の一実施形態の回転式電子部品の一例としての回転エンコーダの上方からみた斜視図である。 回転エンコーダの下方からみた斜視図である。 回転エンコーダの上方からみた分解斜視図である。 回転エンコーダの下方からみた分解斜視図である。 回転エンコーダの断面図である。 エンコーダ機構の下方からみた分解斜視図である。 エンコーダ機構の下方からみた斜視図である。 エンコーダ機構の等価回路を示す回路図である。 エンコーダ機構の出力波形を示す波形図である。 シャフトと規制部材との関係を示す平面図である。 シャフトが回転したときの第1接点部および第2接点部のトルクの変化を示すグラフである。 第1接点部のトルクと第2接点部のトルクを合成したトルクの変化を示すグラフである。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。 回転エンコーダの組立方法を説明する説明図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の回転式電子部品の一例としての回転エンコーダの上方からみた斜視図である。図2は、回転エンコーダの下方からみた斜視図である。図3は、回転エンコーダの上方からみた分解斜視図である。図4は、回転エンコーダの下方からみた分解斜視図である。図5は、回転エンコーダの断面図である。
各図において、回転エンコーダの幅方向をX方向とし、回転エンコーダの長さ方向をY方向とする。回転エンコーダの高さ方向をZ方向とする。Z方向の正方向を上側とし、Z方向の負方向を下側とする。
図1から図5に示すように、回転エンコーダ1は、ケーシング2と、軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるようにケーシング2に取り付けられたシャフト3と、シャフト3の回転角度を規制する規制部材5と、シャフト3の回転方向および回転角度を検知するエンコーダ機構6と、シャフト3の軸に沿った移動によりシャフト3に押圧されるスイッチ機構7とを有する。規制部材5とエンコーダ機構6とスイッチ機構7とは、シャフト3の軸に沿って、上側から下側に順に配置されている。
ケーシング2は、例えば、金属から構成される。ケーシング2は、シャフト3と規制部材5とエンコーダ機構6とスイッチ機構7とを一体に組み付ける。
ケーシング2は、上壁21と、上壁21のX方向の両側に設けられ下方に延在する側壁22,22と、上壁21のY方向の正方向に設けられ下方に延在する突壁23と、上壁21のY方向の負方向に設けられ下方に延在する突片24とを有する。上壁21は、孔部21aを有する。側壁22は、下側に孔部22aと上側に溝部22bとを有する。孔部22aの内面には、ケーシング2の内側に突出する係止部22cが設けられている。突壁23は、上壁21のX方向の全長にわたって延在している。突片24は、上壁21のX方向の中央部に設けられている。
シャフト3は、例えば、樹脂から構成される。シャフト3は、操作部35と歯車状の外周面30と端部36とを有する。操作部35と歯車状の外周面30と端部36とは、軸に沿って、上側から下側に順に配置されている。操作部35は、シャフト3の回転の目印となる切欠を有する。歯車状の外周面30は、複数の凸部31および凹部32を含む。複数の凸部31および凹部32は、周方向に交互に配列されている。操作部35は、ケーシング2の上壁21の孔部21aを貫通しており、使用者は、ケーシング2の外側から操作部35を操作することができる。
規制部材5は、例えば、金属から構成される。規制部材5は、例えば、板バネである。規制部材5は、シャフト3の外周面30に接触可能となる第1接点部51および第2接点部52を有する。第1接点部51および第2接点部52は、シャフト3の外周面30の凸部31に弾発付勢して接触する一方、シャフト3の外周面30の凹部32に嵌まってシャフト3の回転角度を規制する。第1接点部51および第2接点部52は、折り曲げられて構成されている。第1接点部51および第2接点部52は、ほぼ対向する位置にある。
エンコーダ機構6は、エンコーダ基板60と、エンコーダ基板60に設けられた抵抗体パターン61,62,63と、エンコーダ基板60に設けられ、抵抗体パターン61,62,63に電気的に接続されるエンコーダ端子601,602,603と、シャフト3とともに回転可能となるようにシャフト3に取り付けられたロータ65と、ロータ65に取り付けられ抵抗体パターン61,62,63と摺接する摺動子66とを有する。
エンコーダ基板60は、例えば、樹脂から構成される。エンコーダ基板60の上面には、凹部60aが設けられ、凹部60aに、規制部材5が嵌め込まれている。エンコーダ基板60のX方向の両側には、突部60bが設けられている。突部60bは、ケーシング2の側壁22の溝部22bに嵌め込まれている。エンコーダ基板60のY方向の両側は、突壁23と突片24によって挟まれている。このように、エンコーダ基板60は、側壁22の溝部22bと突壁23と突片24とによって、ケーシング2に固定されている。言い換えると、側壁22の溝部22bと突壁23と突片24とは、エンコーダ基板60を固定するエンコーダ固定部を構成する。
抵抗体パターン61,62,63は、エンコーダ基板60の下面に設けられている。抵抗体パターン61,62,63は、シャフト3の回転方向および回転角度を検知するためのものである。第1抵抗体パターン61と第2抵抗体パターン62と第3抵抗体パターン63とは、環状に形成され、同心状に配置されている。第1抵抗体パターン61と第2抵抗体パターン62と第3抵抗体パターン63とは、径方向の外側から内側に順に配置されている。第1抵抗体パターン61と第2抵抗体パターン62とは、それぞれ、間欠的に形成されている。第3抵抗体パターン63は、連続的に形成されている。
エンコーダ端子601,602,603は、エンコーダ基板60にインサート成形されている。第1エンコーダ端子601は、第1抵抗体パターン61に電気的に接続され、第2エンコーダ端子602は、第2抵抗体パターン62に電気的に接続され、第3エンコーダ端子603は、第3抵抗体パターン63に電気的に接続されている。
ロータ65は、シャフト3に対して、周方向に位置決めされ、かつ、軸方向に移動可能となる。具体的に述べると、ロータ65は、D形状の孔部65aを有する。シャフト3の端部36の外周面は、D形状に形成されている。D形状の端部36が、D形状の孔部65aに嵌合されて、ロータ65は、シャフト3に対して周方向に固定され軸方向に固定されない。
ロータ65は、略長円形状に形成されている。ロータ65は、ロータ65の外径が長径となる長径部651と、ロータ65の外径が短径となる短径部652とを有する。長径部651の長さは、対向する側壁22の係止部22cの間の隙間よりも大きく、短径部652の長さは、対向する側壁22の係止部22cの間の隙間よりも小さい。言い換えると、係止部22cは、短径部652が係止しないで離脱され、かつ、長径部651がロータ65の回転により係脱可能となるように、構成されている。
摺動子4は、例えば、金属から構成される。摺動子66は、ロータ65の上面の2つの突部65bに固定される。摺動子66は、環状に形成される。摺動子66は、第1接点部661と第2接点部662と第3接点部663とを有する。第1接点部661と第2接点部662と第3接点部663とは、径方向の外側から内側に順に配置されている。第1接点部661と第2接点部662と第3接点部663とは、導通している。第1接点部661は、第1抵抗体パターン61に接触可能となり、第2接点部662は、第2抵抗体パターン62に接触可能となり、第3接点部663は、第3抵抗体パターン63に接触可能となる。
スイッチ機構7は、スイッチ基板70と、スイッチ基板70に設けられた第1から第3スイッチ端子701,702,703と、スイッチ基板70に設けられ、シャフト3の端部36に押圧される導電体71とを有する。導電体71は、第1、第2スイッチ端子701,702に電気的に接続される。導電体71は、シャフト3の端部36に押圧されて、第3スイッチ端子703に電気的に接続され、第1、第2スイッチ端子701,702と第3スイッチ端子703とを導通する。第1、第2スイッチ端子701,702と第3スイッチ端子703とが導通すると、スイッチ信号がオンとなる。例えば、スイッチ信号のオンにより、各機能が動作する。なお、第1、第2スイッチ端子701,702のうちの一方のスイッチ端子のみ設けてもよい。
スイッチ基板70のX方向の両側には、突部70bが設けられている。突部70bは、ケーシング2の側壁22の孔部22aに嵌め込まれている。このように、スイッチ基板70は、側壁22の孔部22aによって、ケーシング2に固定されている。言い換えると、側壁22の孔部22aは、スイッチ基板70を固定するスイッチ固定部を構成する。
スイッチ基板70の下面のX方向の一辺には、段部70cが設けられている。段部70cには、折り曲げられたエンコーダ端子601,602,603の端部が、係止している。つまり、エンコーダ基板60とスイッチ基板70とは、折り曲げられたエンコーダ端子601,602,603によって、一体に抱えられている。
段部70cの深さは、エンコーダ端子601,602,603の厚みよりも深い。これにより、スイッチ基板70の下面を実装基板に設置したとき、エンコーダ端子601,602,603でなく、スイッチ基板70の下面を設置面とできる。
第1から第3スイッチ端子701,702,703は、スイッチ基板70にインサート成形されている。第3スイッチ端子703は、第1スイッチ端子701と第2スイッチ端子702との間に、位置する。
導電体71は、弾性を有する。導電体71は、ドーム状に形成されている。導電体71は、スイッチ基板70の上面の凹部70aに嵌め込まれている。
導電体71の周縁部分71aは、第1、第2スイッチ端子701,702に電気的に接続されている。導電体71の天頂部分71bは、導電体71の自由状態で、第3スイッチ端子703から離隔する一方、シャフト3の端部36に押圧されて第3スイッチ端子703に電気的に接続される。
つまり、シャフト3を下側に押圧すると、シャフト3の端部36が、導電体71の天頂部分71bを押圧して、導電体71の天頂部分71bが、第3スイッチ端子703に電気的に接続される。これにより、第1、第2スイッチ端子701,702と第3スイッチ端子703とが、電気的に接続されて、スイッチ信号がオンとなる。
一方、シャフト3の下側への押圧を解除すると、導電体71が自由状態に戻ることで、シャフト3が上側に移動し、導電体71の天頂部分71bが、第3スイッチ端子703から離隔する。これにより、第1、第2スイッチ端子701,702と第3スイッチ端子703とが、電気的に接続されず、スイッチ信号がオフとなる。
図6は、エンコーダ機構6の下方からみた分解斜視図である。図6に示すように、エンコーダ基板60の下面には、第1、第2、第3電極部671,672,673が設けられている。第1電極部671と第2電極部672と第3電極部673とは、環状に形成され、同心状に配置されている。第1電極部671と第2電極部672と第3電極部673とは、径方向の外側から内側に順に配置されている。第1電極部671は、第1エンコーダ端子601の端部601aに電気的に接続され、第2電極部672は、第2エンコーダ端子602の端部602aに電気的に接続され、第3電極部673は、第3エンコーダ端子603の端部603aに電気的に接続されている。
第1、第2、第3電極部671,672,673上には、絶縁シート68が積層されている。絶縁シート68は、第1電極部671が周方向に間欠的に露出し、かつ、第2電極部672が周方向に間欠的に露出するように、第1電極部671および第2電極部672を覆う。つまり、絶縁シート68は、周方向に間欠的に配置される複数の孔部68aを有し、第1電極部671および第2電極部672が、絶縁シート68の孔部68aから、露出する。第3電極部673は、絶縁シート68に覆われていない。
第1電極部671が絶縁シート68から露出している部分に第1抵抗体パターン61を設け、第2電極部672が絶縁シート68から露出している部分に第2抵抗体パターン62を設け、第3電極部673に第3抵抗体パターン63を設けている。
これにより、第1抵抗体パターン61は、第1電極部671を介して、第1エンコーダ端子601に電気的に接続され、第2抵抗体パターン62は、第2電極部672を介して、第2エンコーダ端子602に電気的に接続され、第3抵抗体パターン63は、第3電極部673を介して、第3エンコーダ端子603に電気的に接続される。
図7は、エンコーダ機構6の下方からみた斜視図である。図7に示すように、摺動子66の第1接点部661は、第1抵抗体パターン61に対応した位置にあり、摺動子66の第2接点部662は、第2抵抗体パターン62に対応した位置にあり、摺動子66の第3接点部663は、第3抵抗体パターン63に対応した位置にある。
そして、摺動子66の回転により、第1接点部661は、第1抵抗体パターン61と絶縁シート68とに交互に接触し、第2接点部662は、第2抵抗体パターン62と絶縁シート68とに交互に接触する。第3接点部663は、常時、第3抵抗体パターン63に接触している。つまり、摺動子66の回転により、第1エンコーダ端子601と第3エンコーダ端子603とが、間欠的に電気的に接続され、第2エンコーダ端子602と第3エンコーダ端子603とが、間欠的に電気的に接続される。
図8は、エンコーダ機構6の等価回路を示す回路図である。図9は、エンコーダ機構6の出力波形を示す波形図である。図8と図9に示すように、第1エンコーダ端子601と第3エンコーダ端子603とが、電気的に接続されると、A点とC点の間に電流が流れて、A信号がオンとなる。第2エンコーダ端子602と第3エンコーダ端子603とが、電気的に接続されると、B点とC点の間に電流が流れて、B信号がオンとなる。
摺動子66の時計回り方向の回転において、A信号のオフの始まりから次のオフの始まりまでの摺動子66の回転角度は、60°となる。B信号についても同様である。また、A信号のオフの始まりとB信号のオフの始まりのずれは、摺動子66の回転角度において、15°となる。そして、摺動子66の1回転(つまり、摺動子66の回転角度は、360°である)において、A信号およびB信号のオンとオフの組み合わせの変化は、24に分けられる。つまり、摺動子66の1回転において、摺動子66の回転角度が15°ごとに変化することを判断できる。したがって、A信号とB信号の変化を判断することで、摺動子66の回転方向と回転角度(回転量)を判断できる。
図10は、シャフト3と規制部材5との関係を示す平面図である。図10に示すように、規制部材5の第1接点部51が、シャフト3の外周面30の凸部31に接触しているときに、規制部材5の第2接点部52が、シャフト3の外周面30の凹部32に嵌まる。一方、規制部材5の第1接点部51が、シャフト3の外周面30の凹部32に嵌まっているときに、規制部材5の第2接点部52が、シャフト3の外周面30の凸部31に接触する。つまり、第1接点部51と凸部31との接触と、第2接点部52と凸部31との接触との間に、シャフト3の回転角の位相差を設けている。そして、シャフト3が回転すると、第1接点部51と第2接点部52とが、交互に、シャフト3の外周面30の凹部32に嵌まる。
図11Aは、シャフト3が回転したときの第1接点部51および第2接点部52のトルクの変化を示すグラフである。図11Aに示すように、シャフト3の回転にともなって、第1接点部51および第2接点部52のそれぞれのトルクは、最大と最小を繰り返す波形となる。例えば、シャフト3の回転により、シャフト3の外周面30の凸部31が、第1接点部51の弾性力に対抗して通過するときに、トルクが最大となる。トルクが最大から最小となるときに、使用者はクリック感を得る。第1接点部51のトルクと第2接点部52のトルクとは、交互に、最大となる。
図11Bは、第1接点部51のトルクと第2接点部52のトルクを合成したトルクの変化を示すグラフである。図11Bに示すように、合成トルクの波形の波長は、第1接点部51および第2接点部52の各トルクの波形の波長の2倍となる。つまり、シャフト3の1回転において、合成トルクが最大となる数量(クリック数)は、第1接点部51のトルクが最大となる数量(クリック数)と、第2接点部52のトルクが最大となる数量(クリック数)とを加えた数量となる。
したがって、第1接点部51のトルクの波形と第2接点部52のトルクの波形とをずらすことで、全体のクリック数は、第1接点部51および第2接点部52の各クリック数の2倍となる。したがって、シャフト3を小型にしても、クリック数を多くすることができる。
次に、回転エンコーダ1の組立方法を説明する。
図12Aに示すように、ケーシング2を、上壁21が下側になるように、反転してセットする。図12Bに示すように、上壁21の孔部21aに、シャフト3の操作部35を差し込んで、シャフト3をケーシング2に設置する。
図12Cに示すように、抵抗体パターン61,62,63および規制部材5が設けられたエンコーダ基板60を、シャフト3の端部36に挿入して、ケーシング2に設置する。このとき、エンコーダ基板60の突部60bは、ケーシング2の側壁22の溝部22bに嵌め込まれている。エンコーダ基板60のY方向の両側は、ケーシング2の突壁23および突片24に挟まれている。エンコーダ端子601,602,603は、端部を除いて折り曲げられていない。
図12Dに示すように、ロータ65を、シャフト3の端部36に挿入して、ケーシング2に設置する。このとき、ロータ65の短径部652を、ケーシング2の側壁22の係止部22cに通過させて、ロータ65をケーシング2に組み付ける。短径部652は、係止部22cに係止されないので、ロータ65のケーシング2への組み付けが容易となる。
図12Eに示すように、ロータ65をケーシング2に組み付けた後、シャフト3の操作部35を操作しロータ65を回転して、ロータ65の長径部651を、ケーシング2の側壁22の係止部22cに係止させる。長径部651は、ロータ65の回転により、係止部22cに係止されるので、ロータ65のケーシング2への組み付け状態を維持できる。
図12Fに示すように、ケーシング2を、上壁21が上側になるように、反転する。このとき、ロータ65は、ケーシング2の側壁22の係止部22cに係止されているので、ロータ65は、下側に落下しない。
図12Gに示すように、スイッチ端子701,702,703が設けられたスイッチ基板70の凹部70aに導電体71を嵌め込み、スイッチ基板70の上側からケーシング2をスイッチ基板70に取り付ける。こうすることで、導電体71がスイッチ基板70の凹部70aに嵌まったままで、ケーシング2をスイッチ基板70に取り付けることができる。
図12Hに示すように、スイッチ基板70の突部70bは、ケーシング2の側壁22の孔部22aに嵌め込まれて、スイッチ基板70は、ケーシング2に固定される。このように、エンコーダ基板60は、ケーシング2のエンコーダ固定部としての側壁22の孔部22aに固定され、スイッチ基板70は、ケーシング2のスイッチ固定部としての側壁22の溝部22b、突壁23および突片24に固定されるので、ケーシング2を利用して、エンコーダ基板60とスイッチ基板70とを一体化できる。したがって、部品数を増加することなく、エンコーダ基板60とスイッチ基板70との接合強度を向上できる。
図12Iに示すように、エンコーダ端子601,602,603のエンコーダ基板60から突出している部分を折り曲げて、エンコーダ端子601,602,603の端部を段部70cに係止する。こうすることで、エンコーダ基板60とスイッチ基板70とは、折り曲げられたエンコーダ端子601,602,603によって、一体に抱えられる。これにより、エンコーダ端子601,602,603を利用して、エンコーダ基板60とスイッチ基板70とを一体化できる。したがって、部品数を増加することなく、エンコーダ基板60とスイッチ基板70との接合強度を向上できる。
前記回転エンコーダ1によれば、シャフト3の回転角度を規制する規制部材5と、シャフト3の回転方向および回転角度を検知するエンコーダ機構6と、シャフト3の軸に沿った移動によりシャフト3に押圧されるスイッチ機構7とを有する。これにより、1つのシャフト3によって、規制部材5のクリック機能と、エンコーダ機構6のエンコーダ機能と、スイッチ機構7のスイッチ機能とを制御することができる。したがって、3つの機能を1つのシャフト3で一体に制御でき、回転エンコーダ1の小型化を実現できる。
また、規制部材5が、シャフト3の外周面30凸部31および凹部32により、シャフト3の回転角度を規制しているので、エンコーダ機構6の一部(この実施形態ではロータ65)にシャフト3の回転角度を規制する機能をもたせることがなく、エンコーダ機構6を小型にでき、回転エンコーダ1の小型化を図ることができる。
また、摺動子66(ロータ65)は、抵抗体パターン61,62,63よりも、スイッチ機構7側(下側)に位置している。これにより、シャフト3をスイッチ機構7側に押圧したとき、ロータ65が下側に引っ張られても、摺動子66は、抵抗体パターン61,62,63から離れる方向に力を受ける。このため、摺動子66は、抵抗体パターン61,62,63に押圧されて変形することがなく、エンコーダ機構6の出力の信頼性を維持できる。
また、規制部材5と抵抗体パターン61,62,63とは、エンコーダ基板60に関して、反対側に位置している。これにより、規制部材5とシャフト3の外周面30との接触により、シャフト3の外周面30から摩耗粉が発生しても、摩耗粉は、エンコーダ基板60に阻止されて、抵抗体パターン61,62,63側に侵入しない。したがって、摩耗粉によるエンコーダ機構6の電気特性の悪化を防止することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
前記実施形態では、規制部材とエンコーダ機構とスイッチ機構とは、シャフトの軸に沿って、上側から下側に順に配置されているが、規制部材、エンコーダ機構およびスイッチ機構のシャフトの軸に沿った順番を変更してもよい。
前記実施形態では、規制部材とシャフトとの関係において、第1接点部と凹部との接触タイミングと、第2接点部と凹部との接触タイミングとを、ずらしているが、同時にしてもよい。
前記実施形態では、規制部材は、2つの接点部を有しているが、接点部が、1つであってもよく、または、3つ以上であってもよい。
前記実施形態では、規制部材は、板バネから構成されているが、ボールとボールに弾性力を付与する弾性部材とから構成されていてもよい。この場合、ボールが、シャフトの外周面の凹部に嵌まってシャフトの回転角度を規制する。
前記実施形態では、回転式電子部品の一例として、回転エンコーダとしたが、ポテンショメータやトリマーコンデンサなどの回転式電子部品としてもよい。このとき、エンコーダ機構の代わりに、シャフトの回転方向および回転角度を検知するシャフト回転検知機構を用いる。シャフト回転検知機構は、例えば、エンコーダ機構と同様の構成である。
1 回転エンコーダ(回転式電子部品)
2 ケーシング
22 側壁
22a 孔部(スイッチ固定部)
22b 溝部(エンコーダ固定部)
22c 係止部
23 突壁(エンコーダ固定部)
24 突片(エンコーダ固定部)
3 シャフト
30 歯車状の外周面
31 凸部
32 凹部
5 規制部材
51 第1接点部
52 第2接点部
6 エンコーダ機構(シャフト回転検知機構)
60 エンコーダ基板
61,62,63 抵抗体パターン
601,602,603 エンコーダ端子
65 ロータ
651 長径部
652 短径部
66 摺動子
7 スイッチ機構
70 スイッチ基板
71 導電体
701,702,703 スイッチ端子

Claims (8)

  1. 軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるシャフトと、
    前記シャフトの回転角度を規制する規制部材と、
    前記シャフトの回転方向および回転角度を検知するシャフト回転検知機構と、
    前記シャフトの軸に沿った移動により前記シャフトに押圧されるスイッチ機構と
    を備え、
    前記シャフトは、周方向に配列された複数の凸部および凹部を含む外周面を有し、
    前記規制部材は、前記シャフトの外周面に接触可能となる接点部を有し、前記接点部は、前記シャフトの外周面の凸部に弾発付勢して接触する一方、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まって前記シャフトの回転角度を規制し、
    前記接点部は、第1接点部および第2接点部を含み、
    前記第1接点部が、前記シャフトの外周面の凸部に接触しているときに、前記第2接点部が、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まる一方、前記第1接点部が、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まっているときに、前記第2接点部が、前記シャフトの外周面の凸部に接触する、回転式電子部品。
  2. 軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるシャフトと、
    前記シャフトの回転角度を規制する規制部材と、
    前記シャフトの回転方向および回転角度を検知するエンコーダ機構と、
    前記シャフトの軸に沿った移動により前記シャフトに押圧されるスイッチ機構と
    を備え、
    前記シャフトは、周方向に配列された複数の凸部および凹部を含む外周面を有し、
    前記規制部材は、前記シャフトの外周面に接触可能となる接点部を有し、前記接点部は、前記シャフトの外周面の凸部に弾発付勢して接触する一方、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まって前記シャフトの回転角度を規制し、
    前記接点部は、第1接点部および第2接点部を含み、
    前記第1接点部が、前記シャフトの外周面の凸部に接触しているときに、前記第2接点部が、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まる一方、前記第1接点部が、前記シャフトの外周面の凹部に嵌まっているときに、前記第2接点部が、前記シャフトの外周面の凸部に接触する、回転エンコーダ。
  3. 前記エンコーダ機構は、
    エンコーダ基板と、
    前記エンコーダ基板に設けられた抵抗体パターンと、
    前記エンコーダ基板に設けられ、前記抵抗体パターンに電気的に接続されるエンコーダ端子と、
    前記シャフトとともに回転可能となるように前記シャフトに取り付けられたロータと、
    前記ロータに取り付けられ、前記抵抗体パターンと摺接する摺動子と
    を有する、請求項2に記載の回転エンコーダ。
  4. 前記スイッチ機構は、
    スイッチ基板と、
    前記スイッチ基板に設けられた2つのスイッチ端子と、
    前記2つのスイッチ端子のうち一方のスイッチ端子に電気的に接続されると共に、前記シャフトの端部に押圧されて、前記2つのスイッチ端子のうち他方のスイッチ端子に電気的に接続され、前記一方のスイッチ端子と前記他方のスイッチ端子とを導通する導電体と
    を有する、請求項3に記載の回転エンコーダ。
  5. 前記エンコーダ基板と前記スイッチ基板とは、折り曲げられた前記エンコーダ端子によって、一体に抱えられている、請求項4に記載の回転エンコーダ。
  6. 前記シャフトを、軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるように取り付けるケーシングを有し、
    前記ケーシングは、前記エンコーダ基板を固定するエンコーダ固定部と、前記スイッチ基板を固定するスイッチ固定部とを有する、請求項4または5に記載の回転エンコーダ。
  7. 前記シャフトを、軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるように取り付けるケーシングを有し、
    前記ロータは、前記ロータの外径が長径となる長径部と、前記ロータの外径が短径となる短径部とを有し、
    前記ケーシングは、前記短径部が係止しないで離脱され、かつ、前記長径部が前記ロータの回転により係脱可能となる係止部を有する、請求項から6のいずれか一つに記載の回転エンコーダ。
  8. 前記シャフトを、軸を中心として回転可能となりかつ軸に沿って移動可能となるように取り付けるケーシングを有する、請求項2から5のいずれか一つに記載の回転エンコーダ。
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