JP6447414B2 - 車両の荷物吊り上げ装置 - Google Patents
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Description
以下、図1から図11に基づいて本発明の実施形態1に係る車両の荷物吊り上げ装置について説明する。本実施形態に係る車両の荷物吊り上げ装置は、車両用車椅子格納装置において車椅子Kを車両Cの屋根上のスライド荷台に搭載可能な位置まで吊り上げるための装置である。ここで、図中に示す前後左右及び上下は車両Cの前後左右、及び上下に対応している。
本実施形態に係る荷物(車椅子K)吊り上げ装置20について説明する前に車両用車椅子格納装置10の概要について説明する。車両用車椅子格納装置10は、運転者が車椅子Kから車両Cの運転席に乗り移った後、その車椅子Kを車両Cの屋根上に格納するための装置である。また、車両Cの屋根上に格納した車椅子Kを車両Cの運転席の横まで降ろせるように構成されている。車両用車椅子格納装置10は、図1〜図4等に示すように、車両Cの屋根上に固定された屋根用架台12と、屋根用架台12上を車幅方向にスライド可能に構成された横スライド荷台15と、横スライド荷台15に設置された車椅子吊り上げ装置20とから構成されている。横スライド荷台15は、屋根用架台12に重なる格納位置と右スライド限界である吊り上げ位置間で水平スライド可能に構成された枠状の荷台である。横スライド荷台15には、車幅方向中央位置に車両前後方向に延びる縦梁(図示省略)が渡されており、その縦梁の位置に車椅子吊り上げ装置20が設置されている。即ち、横スライド荷台15が本発明の車両の荷台に相当する。
車椅子吊り上げ装置20は、横スライド荷台15の縦梁に上下回動可能な状態で連結された枠状の基準架台22を備えている。基準架台22は、図5に示すように、車両前後方向に延びる回転中心軸23及び軸受機構(図示省略)を介して横スライド荷台15の縦梁に連結されている。そして、基準架台22は、図5に示す起立位置から回転中心軸23を中心に約90°左回転して水平位置まで回動した状態で横スライド荷台15上に載置される。
昇降プロテクタ24の位置ずれ修正機構40は、図6に示すように、昇降プロテクタ24の上端位置でベルト31が通される部分である。位置ずれ修正機構40は、図5に示すように、吊り装置30のドラム33の巻取り中心Moと車椅子Kの吊り位置Mrとが車幅方向において位置ずれしている場合に、ベルト31に対して対して巻取り中心Moの方向に力を加えられるように構成されている。
次に、本実施形態に係る車両用車椅子格納装置10の動作概要について説明する。車椅子Kを格納する場合には、運転者が運転席に乗り移った後、図2、図6に示すように、車椅子Kの吊りベルトKbにフック31fを掛け、吊り装置30を駆動させる。これにより、車椅子Kが吊り上げられ、同時に折り畳まれて車椅子Kが昇降プロテクタ24の車椅子拘束板に下方からセットされる。ここで、車椅子Kの吊り上げが開始されてから、車椅子Kが昇降プロテクタ24の車椅子拘束板にセットされるまでは、ベルト31は位置ずれ修正機構40の後側軸体43に対してそのベルト31の長手方向に滑るようになる。車椅子Kが昇降プロテクタ24の車椅子拘束板にセットされると、昇降プロテクタ24が車椅子Kと共にベルト31に吊り上げられる。そして、昇降プロテクタ24は、図3、図4に示すように、基準架台22のレール22rに沿って上昇しつつ、後方に移動する。
本実施形態に係る車椅子吊り上げ装置20によると、ドラム33の巻取り中心Moと車椅子Kの吊り位置Mrとが車幅方向において位置ずれしている場合に、位置ずれ修正機構40によりベルト31(紐状部材)に対してドラム33の巻取り中心Moの方向に力Fbを加えることができる。このため、車椅子Kの吊り上げ過程でベルト31がドラム33の巻取りガイド、あるいはブラケット等に対して擦れ難くなる。これにより、ベルト31の損傷を防止できるようになる。また、位置ずれ修正機構40には、ドラム33と車椅子Kとの間でベルト31を水平方向に押圧する押圧面を備える後側軸体43(押圧部材)が設けられており、後側軸体43の押圧面は、前記車幅方向に対して傾斜した状態で車椅子Kの吊り位置Mrからドラム33の巻取り中心Moまで延びるように形成されている。このため、車椅子K等の重量による張力を受けたベルト31が後側軸体43の押圧面に押付けられることで、ベルト31は傾斜した押圧面の働きでドラム33の巻取り中心Moの方向に滑って移動可能になる。このように、後側軸体43の中央部分を約30°前方に曲げることで、ベルト31をドラム33の巻取り中心Moの方向にガイドできるため、位置ずれ修正機構40の構成が簡単になり、低コストで実施が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、位置ずれ修正機構40を、図8、図9等に示すように、前側軸体41、後側軸体43等により構成する例を示した。しかし、図10、図11に示すように、プーリ36の外周面46rをドラム33の巻取り中心Moの方向が小径となるように円錐台形に形成することも可能である。これにより、車椅子Kの吊り位置Mrが吊り装置30のドラム33の巻取り中心Moに対して車幅方向に位置ずれすると、図11に示すように、ベルト31からプーリ36の外周面46rに加わる力Fは、外周面46rに直角な力Fsと外周面46rに沿う力Fbとに分解される。そして、プーリ36の外周面46rに沿う力Fbにより、ベルト31はプーリ36の外周面46rに沿ってドラム33の巻取り中心Moの方向に移動するようになる。ここで、プーリ36の軸長寸法を大きくし、さらにプーリ36の外周面46rの傾斜角度を大きくすることで、位置ずれ修正性能を向上させることができる。
20・・・・車椅子吊り上げ装置(荷物吊り上げ装置)
22・・・・基準架台
24・・・・昇降プロテクタ
31・・・・ベルト(紐状部材)
33・・・・ドラム(巻取り機構の筒状部)
36・・・・プーリ
46r・・・外周面
40・・・・位置ずれ修正機構
43・・・・後側軸体(押圧部材)
K・・・・・車椅子(荷物)
Mo・・・・ドラムの巻取り中心
Mr・・・・車椅子の吊り位置(荷物の吊り位置)
Claims (5)
- 車両の荷台に対して所定の位置関係で設置されている基準架台と、前記基準架台に設置されている巻取り機構とを備え、前記巻取り機構から繰り出された紐状部材を荷物に連結し、前記紐状部材を巻取り機構により巻き取ることで前記荷物を前記荷台に搭載可能な位置まで吊り上げる車両の荷物吊り上げ装置であって、
前記巻取り機構において前記紐状部材を巻取る筒状部の軸心方向における中心である巻取り中心と前記荷物の吊り位置とが前記巻取り機構の筒状部の軸心方向において位置ずれしている場合に、前記紐状部材に対して前記巻取り機構の巻取り中心の方向に力を加え、前記紐状部材を前記巻取り中心の方向に移動させる位置ずれ修正機構が設けられている車両の荷物吊り上げ装置。 - 車両の荷台に対して所定の位置関係で設置されている基準架台と、前記基準架台に設置されている巻取り機構とを備え、前記巻取り機構から繰り出された紐状部材を荷物に連結し、前記紐状部材を巻取り機構により巻き取ることで前記荷物を前記荷台に搭載可能な位置まで吊り上げる車両の荷物吊り上げ装置であって、
前記巻取り機構において前記紐状部材を巻取る筒状部の軸心方向における中心である巻取り中心と前記荷物の吊り位置とが前記巻取り機構の筒状部の軸心方向において位置ずれしている場合に、前記紐状部材に対して前記巻取り機構の巻取り中心の方向に力を加える位置ずれ修正機構が設けられており、
前記位置ずれ修正機構には、前記巻取り機構と荷物との間で前記紐状部材を水平方向に押圧する押圧面を備える押圧部材が設けられており、
前記押圧部材の押圧面は、前記巻取り機構の筒状部の軸心方向に対して水平方向に傾斜した状態で前記荷物の吊り位置から前記巻取り機構の巻取り中心まで延びるように形成されている車両の荷物吊り上げ装置。 - 請求項2に記載された車両の荷物吊り上げ装置であって、
前記巻取り機構は、その巻取り機構の筒状部の軸方向が車幅方向と一致するように、前記基準架台に設置されており、
前記基準架台には、車幅方向における定位置で昇降可能なように昇降プロテクタが装着されており、
前記巻取り機構により紐状部材を巻き取ることで、前記荷物を吊り上げて前記昇降プロテクタの側面にセットし、前記荷物を昇降プロテクタと共に前記荷台に搭載可能な位置まで吊り上げる構成であり、
前記位置ずれ修正機構の押圧部材は、前記昇降プロテクタに取付けられている車両の荷物吊り上げ装置。 - 車両の荷台に対して所定の位置関係で設置されている基準架台と、前記基準架台に設置されている巻取り機構とを備え、前記巻取り機構から繰り出された紐状部材を荷物に連結し、前記紐状部材を巻取り機構により巻き取ることで前記荷物を前記荷台に搭載可能な位置まで吊り上げる車両の荷物吊り上げ装置であって、
前記巻取り機構において前記紐状部材を巻取る筒状部の軸心方向における中心である巻取り中心と前記荷物の吊り位置とが前記巻取り機構の筒状部の軸心方向において位置ずれしている場合に、前記紐状部材に対して前記巻取り機構の巻取り中心の方向に力を加える位置ずれ修正機構が設けられており、
前記位置ずれ修正機構は、前記巻取り機構と荷物との間で前記紐状部材が上から掛けられる回転自在なプーリを備えており、
前記プーリは、軸心が前記巻取り機構の筒状部の軸心と平行になるように配置されて、そのプーリの外周面が前記巻取り機構の巻取り中心の方向が小径となるように円錐台形に形成されている車両の荷物吊り上げ装置。 - 請求項4に記載された車両の荷物吊り上げ装置であって、
前記プーリは、そのプーリの巻取り中心が前記巻取り機構の巻取り中心の延長線上に位置した状態で、前記基準架台に設けられている車両の荷物吊り上げ装置。
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