JP6447103B2 - 現金処理装置 - Google Patents

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本発明は、現金処理装置関する。
近年、銀行、郵便局等の金融機関において、現金を処理する現金処理装置が設置されている。オペレータは、この現金処理装置において、各種操作を行うことにより、入金、出金などの取引を行う事ができる。
また、紙幣を単位枚数ごとに施封する施封機能を備える現金処理装置も知られている。この現金処理装置において紙幣カセットから施封のために搬送された紙幣の枚数が単位枚数に満たずに有高不足の障害が発生した場合、紙幣カセットから搬送された紙幣の除去、および紙幣カセットへの紙幣の補充の後に現金処理装置が再度施封処理を行うことにより、単位枚数(例えば100枚)の紙幣からなる束紙幣を得ることが可能である。なお、施封機能を備える現金処理装置については例えば特許文献1に開示されている。
特開2000−99793号公報
しかし、有高不足の障害が発生した場合に上述のように再度施封処理を行う方法では、再度の施封処理のための待ち時間が生じてしまう。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、単位枚数の紙幣からなる束紙幣を効率的に得ることが可能な、新規かつ改良された現金処理装置提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1の紙幣集積部と、前記第1の紙幣集積部から搬送された紙幣が集積される第2の紙幣集積部と、前記第2の紙幣集積部に集積された単位枚数の紙幣を結束する紙幣結束部と、紙幣投入口と、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口から投入された紙幣の前記第2の紙幣集積部への搬送を制御する制御部と、表示部と、を備え、前記制御部は、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口への紙幣投入を誘導する投入誘導画面を表示させ、前記紙幣投入口に投入された紙幣の投入枚数が、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数と前記単位枚数の差分を上回る場合、前記制御部は、前記差分に対する前記投入枚数の余剰分を返却するか又は装填するかを選択するための選択画面を前記表示部に表示させる、現金処理装置が提供される。
また、前記現金処理装置は、紙幣処理の結果を印字する印字部をさらに備え、前記制御部は、前記差分に対する前記投入枚数の余剰分の返却結果を、前記現金処理装置からの紙幣の回収結果として前記印字部に印字させてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の紙幣集積部と、前記第1の紙幣集積部から搬送された紙幣が集積される第2の紙幣集積部と、前記第2の紙幣集積部に集積された単位枚数の紙幣を結束する紙幣結束部と、紙幣投入口と、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口から投入された紙幣の前記第2の紙幣集積部への搬送を制御する制御部と、紙幣処理の結果を印字する印字部と、を備え、前記制御部は、前記紙幣投入口からの紙幣の投入結果を、現金処理装置への紙幣の装填結果として前記印字部に印字させる、現金処理装置が提供される。
また、前記現金処理装置は、表示部をさらに備え、前記制御部は、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口への紙幣投入を誘導する投入誘導画面を表示させてもよい。
前記制御部は、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数と前記単位枚数の差分に対する前記紙幣投入口に投入された紙幣の投入枚数の余剰分の返却結果を、前記現金処理装置からの紙幣の回収結果として前記印字部に印字させてもよい。
以上説明したように本発明によれば、単位枚数の紙幣からなる束紙幣を効率的に得ることが可能である。
本発明の実施形態による現金処理装置の外観構成を示す説明図である。 束出金時における画面遷移図である。 束出金時における画面遷移図である。 束出金時における画面遷移図である。 障害通知画面を示す図である。 本実施形態による現金処理装置の構成を示す説明図である。 本実施形態による紙幣処理部の内部構成を示した説明図である。 本実施形態による現金処理装置の第1の束出金処理を示すフローチャートである。 束出金時における不足紙幣発生時の画面遷移図である。 装填レシートと出金レシートの一例を示す図である。 本実施形態による現金処理装置の第2の束出金処理を示すフローチャートである。 束出金時における余剰紙幣発生時の画面遷移図である。 回収レシートの一例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
本発明は、本明細書において説明するように、多様な形態で実施され得る。また、本発明の実施形態による現金処理装置(10)は、
A.第1の紙幣集積部(紙幣カセット4)と、
B.前記第1の紙幣集積部から搬送された紙幣が集積される第2の紙幣集積部(施封紙幣集積部7)と、
C.前記第2の紙幣集積部に集積された単位枚数の紙幣を結束する紙幣結束部(施封部8)と、
D.紙幣投入口(11a)と、
E.前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口から投入された紙幣の前記第2の紙幣集積部への搬送を制御する制御部(17)と、
を備える。
以下では、まず、このような本発明の実施形態による現金処理装置の基本構成について図1を参照して説明する。なお、本発明の実施形態による現金処理装置は、例えば金融機関の営業店において接客用カウンタの後方に設置され、金銭に関する入金や出金等の各種処理を総合的に実行する。
<1.現金処理装置の基本構成>
図1は、本発明の実施形態による現金処理装置10の外観構成を示す説明図である。本実施形態による現金処理装置10は、図1に示すように、装置正面右側に紙幣投入口11aおよび紙幣異物返却口11bが設けられ、装置正面左側に硬貨投入口12a、硬貨リジェクト口12b、硬貨返却口12c、釣銭出金口12d、および硬貨出金口12eが設けられ、装置上側にカード挿入排出口13a、印字部14、表示部16、および小束出金口9が設けられている。
紙幣投入口11aは、入金取引における紙幣の投入口であるとともに、入金の取り消しで返却する紙幣、入金でリジェクトしたリジェクト紙幣、および出金取引における紙幣の出金口である。紙幣異物返却口11bは、紙幣投入口11aに誤って投入された硬貨等の異物を返却する。
硬貨投入口12aは、入金取引における硬貨の投入口である。硬貨リジェクト口12bは、硬貨投入口12aから投入された硬貨のうち、計数において硬貨鑑別部(不図示)により異常と認識された硬貨が返却される返却口である。なお入金された硬貨のうち、計数において硬貨鑑別部により正常と認識された硬貨は、硬貨一時保留部(不図示)に集積された後、出金ホッパ(不図示)に集積される。出金ホッパは、入金によって投入された各種硬貨を収納する。また、硬貨返却口12cは、計数取引における計数済み硬貨の返却口である。釣銭出金口12dは、計数された釣銭の受取口である。硬貨出金口12eは、出金取引における出金硬貨の受取口である。
カード挿入排出口13aは、管理者等の操作者のカードの挿入および排出を行う。
印字部14は、取引明細等を印字したレシートの排出を行う。
表示部16は、操作画面や取引内容を表示する。表示部16は、例えばタッチパネルにより実現され、操作部15(図6参照)としても機能する。また、図1に示すように、表示部16の隣にはテンキーが設けられている。テンキーは、0〜9の数字キー、マイナスキー、確認キー、取消キー(操作の取消)、訂正キー(入力値の訂正)、移動キー(入力した数字を確定し、次の入力エリアへの移動を指示)を含む。
小束出金口9は、施封部8(図7参照)により施封された小束紙幣の排出を行う。すなわち、本実施形態による現金処理装置10は、バラ紙幣を出金するバラ出金機能に加え、単位枚数の紙幣からなる束紙幣を出金する束出金機能を有する。以下、図2〜図4を参照し、束出金の流れを説明する。
図2〜図4は、束出金の流れを示す説明図である。まず、図2上段に示した待機画面において操作者がカードを用いた認証操作を行うと、表示部16は、図2中段に示したメニュー画面を表示する。メニュー画面は、例えば図2に示したように、入金取引を選択するための入金ボタン、装填取引を選択するための装填ボタン、締上取引を選択するための締上ボタン、出金取引を選択するための出金ボタン、回収取引を選択するための回収ボタン、全回収取引を選択するための全回収ボタン、計数取引を選択するための計数ボタン、および照会取引を選択するための照会ボタンを含む。
入金ボタンが選択されると、表示部16に紙幣および硬貨の入金誘導画面が表示される。オペレータが窓口顧客等から受け取った紙幣および硬貨を各投入口(紙幣投入口11a、硬貨投入口12a)にセットすると、現金処理装置10は、計数を開始し、鑑別部にて正常と判別された紙幣および硬貨はそれぞれ一時保留部(硬貨一時保留部、紙幣一時保留部)に集積する。一方、鑑別部でリジェクトされた紙幣は紙幣投入口11aから、また、リジェクトされた硬貨は硬貨リジェクト口12bからそれぞれオペレータに返却される。そして、現金処理装置10は、正常と判別された紙幣および硬貨の金額を表示部16に表示し、オペレータにより確認されると(例えば確認キーの押下)、各一時保留部に集積していた紙幣および硬貨をそれぞれ紙幣カセットおよび出金ホッパに収納する。
また、装填ボタンが選択されると、表示部16に、補充する紙幣および硬貨の入金誘導画面が表示される。オペレータが紙幣および硬貨を各投入口にセットすると、現金処理装置10は、計数を開始する。鑑別部によりリジェクトされた紙幣および硬貨はオペレータに返却され、正常と判別された紙幣および硬貨はそれぞれ紙幣カセットおよび出金ホッパに収納され、出金用の現金が補充される。
また、締上ボタンが選択されると、現金処理装置10は、それまでの出金および入金取引を集計する。
また、回収ボタンが選択されると、現金処理装置10は、満杯になっている紙幣カセットや出金ホッパから現金を取り出し、紙幣投入口11aや硬貨出金口12eから出金する。また、全回収ボタンが選択されると、現金処理装置10は、全ての紙幣カセットおよび出金ホッパから現金を取り出し、紙幣投入口11aや硬貨出金口12eから出金する。
また、計数ボタンが選択されると、現金処理装置10は、各投入口から投入された紙幣および硬貨の計数を行い、各鑑別部にて正常と判別された紙幣および硬貨は、各一時保留部に集積する。一方、異常と判別された紙幣および硬貨は、紙幣投入口11aおよび硬貨リジェクト口12bからそれぞれオペレータに返却する。次いで、現金処理装置10は、正常と判別された紙幣および硬貨の金額を表示部16に表示し、オペレータにより確認されると、一時保留部の紙幣は紙幣投入口11aから、また、硬貨は硬貨返却口12cからオペレータに返却する。
また、照会ボタンが選択されると、現金処理装置10は、それまでの取引履歴、操作履歴、または現在の装置内の現金有高等を表示部16に表示する。
そして、メニュー画面において出金ボタンが選択されると、表示部16は、図2下段に示した出金額入力画面を表示する。操作者は、当該出金額入力画面において出金金額を入力し、確認キーを押下する。確認キーは、図1を参照して上述したように表示部16の隣に設けられたテンキーに含まれる。なお、オペレータによる確認は、確認キーの押下に限定されず、出金額入力画面に表示される確認ボタンのタッチであってもよい。
続いて、表示部16は、図3上段に示した金種枚数入力画面を表示する。金種枚数入力画面は、各金種の出金枚数を指定するための操作ボタン42、および束出金を選択するための束出金選択ボタン44を含む。当該金種枚数入力画面において操作者が束出金選択ボタン44を選択すると、表示部16は、図3中段に示した紙幣束数入力画面を表示する。紙幣束数入力画面は、各金種の出金束数を指定するための操作ボタン45、およびバラ出金を選択するためのバラ出金選択ボタン47を含む。
操作者が、紙幣束数入力画面において例えば図3中段に示したように一万円について1束を指定し、確認キーを押下すると、表示部16は、図3下段に示した出金確認画面を表示する。出金確認画面は、金種ごとの出金枚数および出金束数の表示、訂正キーが選択された場合に有効化される操作ボタン49を含む。訂正キーは、図1を参照して上述したように表示部16の隣に設けられたテンキーに含まれる。なお、オペレータによる訂正は、訂正キーの押下に限定されず、出金確認画面に表示される訂正ボタンのタッチであってもよい。
上記出金確認画面が表示されている際に確認キーが押下されると、現金処理装置10は出金処理を開始し、表示部16は図4上段に示す出金中画面を表示する。そして、単位枚数(例えば100枚)の紙幣の施封が完了し、小束出金口9が束紙幣を排出すると、表示部16は図4中段に示す束紙幣受取誘導画面を表示する。さらに、操作者が束紙幣を受け取ると、出金取引が終了し、表示部16は図4下段に示す待機画面を表示する。なお図4下段に示す待機画面における「補充してください」の表示は、保守の設定等でニアエンド枚数が設定され、当該設定枚数を下回る場合に表示され、オペレータに補充を促す。また、「数え直してください」の表示は、ジャム等の障害が発生し、有高が確定しない場合に表示される。この場合、「全回収」で全ての紙幣を抜取り、「装填」で補充することで有高を確定させることが可能である。
(背景)
以上説明した束出金の過程で有高不足の障害が発生する場合がある。例えば、比較例による現金処理装置の有高が100枚の1万円札である状態で当該現金処理装置が1束(100枚)の1万円札を出金する場合、リジェクト紙幣の発生により有高不足の障害が発生する。
有高不足の障害が発生すると、比較例による現金処理装置は、図5に示す障害通知画面を表示する。そして、操作者が、障害通知画面の復旧ボタン51を選択し、施封のために集積された紙幣の除去し、紙幣の補充を行った後に、比較例による現金処理装置が束出金を再度試みることが可能となる。
しかし、比較例による現金処理装置では、有高不足の障害が発生した場合に、上述のように集積紙幣の除去、紙幣の補充および再度の束出金のための待ち時間が生じ、顧客満足度が低下してしまうことが懸念される。
そこで、本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、単位枚数の紙幣からなる束紙幣を効率的に得ることが可能である。以下、このような本発明の実施形態による現金処理装置10の構成および動作について順次詳細に説明する。
<2.現金処理装置の構成>
図6は、本実施形態による現金処理装置10の構成を示す説明図である。図6に示したように、本実施形態による現金処理装置10は、紙幣処理部11、硬貨処理部12、カードリーダ部13、印字部14、操作部15、表示部16、制御部17、および記憶部18を有する。
硬貨処理部12は、硬貨投入口12aから投入される入金硬貨を鑑別、計数して硬貨収納部(出金ホッパ)に収納する入金処理、および指定された金種、金額の硬貨を硬貨収納部(出金ホッパ)から繰り出して鑑別、計数した後、硬貨出金口12eから出金する出金処理を行う。また、硬貨処理部12は、上述した硬貨リジェクト口12b、硬貨返却口12c、および釣銭出金口12dを有する。
カードリーダ部13は、カード挿入排出口13aから挿入された管理者や操作者のカードからデータを読み取り、装置へのログインやオペレータ認識等を行う。また、カードリーダ部13は、取引終了後にカード挿入排出口13aからカードを排出する。
印字部14は、上述したように、取引終了後に取引内容を印字した明細票(レシート)を排出する。
操作部15は、管理者や操作者の操作を検出する。例えば、操作部15は、タッチパネルおよびテンキーにより実現される。
表示部16は、上述したように、操作画面や取引内容を表示する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。
なお、図1においては表示部16と操作部15が一体的に構成される例(すなわちタッチパネルディスプレイ)を示しているが、表示部16および操作部15の機能は分離して構成されてもよい。
制御部17は、記憶部18に格納されている制御プログラムに基づいて現金処理装置10の各構成を制御する。また、制御部17は、記憶部18に格納されている画面を表示部16に表示して各種の取引を遂行する。例えば、制御部17は、図2中段に示したメニュー画面を表示部16に表示させ、メニュー画面において操作者により選択された処理を制御する。
記憶部18は、取引時における入力データ等を記憶する他、現金処理装置10の動作を制御するための制御プログラムが格納されている。また、取引選択画面、各取引における処理ステップ毎の案内画面、および入力画面等も記憶部18に格納されている。
紙幣処理部11は、紙幣投入口11aから投入される入金紙幣を鑑別、計数して紙幣収納部に収納する入金処理、および指定された金種、金額の紙幣を紙幣収納部から繰り出して鑑別、計数した後、紙幣投入口11aから出金する出金処理を行う。また、紙幣処理部11は、施封部8(図7参照)を有し、施封部8により所定枚数の紙幣を施封して小束出金口9から小束紙幣を出金する。また、紙幣処理部11は、紙幣投入口11aに誤って投入された硬貨等の異物を紙幣異物返却口11bから返却する。
本発明の実施形態は、この紙幣処理部11で行われる束出金に特に関連する。そこで、以下では、図7を参照し、紙幣処理部11の構成についてより具体的に説明する。
図7は、紙幣処理部11の内部構成を示した説明図である。図7に示したように、紙幣処理部11は、接客口19を含む接客部1、鑑別部2、一時保留部3、紙幣カセット4a〜4d、リジェクト庫5、搬送路6a〜6m、施封紙幣集積部7(結束紙幣集積部)、施封部8(紙幣結束部)、および小束出金口9を備える。なお図7に示す紙幣処理部11は側面図であって、紙面に向かって右側が装置正面となっている。
接客部1は、入金取引時に操作者により紙幣投入口11aから接客口19に投入された(入金された)紙幣を分離したり、出金取引時に操作者に出金する紙幣を集積したりするための構成である。
鑑別部2は、操作者の入金した紙幣、または操作者に出金する紙幣の鑑別を行う。具体的には、鑑別部2は、搬送路6を通って搬送された紙幣の金種、真偽、正損および走行状態などを鑑別する。
一時保留部3は、入金取引時に接客部1で分離されて鑑別部2により正常と鑑別された紙幣を一時的に集積する。一時保留部3に集積された紙幣は、鑑別部2を経て紙幣カセット4a〜4dなどに搬送され、入金した紙幣の口座計上などが確定し、取引が成立する。また、一時保留部3は、紙幣カセット4a〜4d間の紙幣移動の際にも用いられる。
紙幣カセット4a〜4dは、操作者の入金した紙幣、出金するための紙幣、および他の紙幣カセット4から分離された紙幣などを集積する紙幣集積部である。紙幣カセット4a〜4dは、同一金種のための複数の紙幣カセットを含んでもよい。例えば、紙幣カセット4aおよび4cが一万円札用の紙幣カセットであり、紙幣カセット4bおよび4dが千円札用の紙幣カセットであってもよい。なお、紙幣カセット4a〜4dは、紙幣処理部11に対して着脱可能な構造になっており、個別に交換することで紙幣カセット4a〜4dに紙幣を装填することも可能である。
リジェクト庫5は、出金取引時または入金取引時に鑑別部2によって金種不明と鑑別された入金、支払不可の紙幣を集積する。
搬送路6a〜6nは、紙幣を搬送するための構成である。各搬送路6a〜6nは、制御部17による制御に従ってDCサーボモータまたはパルスモータなどが回転することにより、紙幣を目的の搬送先に搬送することが可能である。
施封紙幣集積部7は、施封部8により施封される紙幣が集積される紙幣集積部である。施封紙幣集積部7は、施封する所定枚数(例えば100枚)の紙幣を集積後、施封部8に紙幣を搬送する。
施封部8は、施封紙幣集積部7から搬送された所定枚数の紙幣をテープで結束(施封)し、結束した小束紙幣をシャッタ9から排出する。
小束出金口9は、施封部8により施封された小束紙幣を排出する。この小束出金口9にはシャッタが設けられ、施封部8により小束紙幣が排出される際にシャッタが開き、操作者が小束紙幣を受け取るとシャッタが閉じる。
上述した施封紙幣集積部7、施封部8、およびシャッタ9は、図7に示すように、紙幣処理部11の上方、より具体的には、接客部1、鑑別部2、一時保留部3、紙幣カセット4a〜4d、リジェクト庫5、および搬送路6a〜6mよりも上部に配置されている。このように、施封紙幣集積部7および施封部8を上部に設けることで、操作者は立ったまま小束を受け取ることができ、作業の利便性を向上させることができる。また、本実施形態では、図7に示すように、施封紙幣集積部7と施封部8を共に1つずつ設けることで、省スペース化を図ることができる。
なお、図7には図示しないが、搬送路6a〜6nが搬送する紙幣や、各分離部(具体的には、接客部1、一時保留部3、紙幣カセット4a〜4d、リジェクト庫5)から分離される紙幣の通過、到達は、搬送路6上や各分離部に設けられている光学センサの検知結果に基づいて制御部17により判断される。また、目的の搬送先に搬送するために搬送路の分岐にはブレードが実装され、制御部17は当該ブレードを切り替えることで紙幣を所定の搬送先へ搬送させる。
(現金処理装置の説明の補足)
なお、現金処理装置10は、オフラインで運用されてもよいし、店舗会計システムなどの上位サーバと連携してオンラインで運用されてもよい。現金処理装置10は、オンラインで運用される場合、LANなどで接続される上位サーバに対して各処理の結果を電文として送信する。
また、現金処理装置10は多くの処理に対応しているので、全ての処理に対応する選択ボタンを1または2以上のメニュー画面に配置すると、操作者が所望の処理に対応する選択ボタンを探すのに手間がかかる。そこで、制御部17は、カードリーダ部13により読み取られた情報から特定される操作者の権限に応じて、メニュー画面の構成を変化させてもよい。例えば、メニュー画面が複数画面で構成される場合、制御部17は、操作者による選択頻度が高い処理の選択ボタンを複数画面のうちで最初に表示される画面に配置してもよい。または、操作者が一部の処理を行う権限しか有さない場合、制御部17は、操作者が行う権限を有する処理に対応する選択ボタンを拡大表示してもよい。かかる構成により、メニュー画面の視認性および操作性を改善することが可能である。
また、現金処理装置10が電源OFFである間に現金処理装置10の扉が開けられた場合、現金処理装置10は、不正な操作があったことをポップアップ画面やブザーで警告してもよい。かかる構成により、現金処理装置10のセキュリティが向上する。
<3.現金処理装置の動作>
上記構成により、本発明による現金処理装置10は、束出金時において、単位枚数の紙幣からなる束紙幣を効率的に得ることが可能となる。以下、このような現金処理装置10の束出金時の動作処理について、図8〜図13を参照して具体的に説明する。
(3−1.第1の動作処理)
図8は、本実施形態による現金処理装置10の第1の束出金処理を示すフローチャートである。図8に示すように、まずステップS204において、現金処理装置10の制御部17は、図2の中段に示すメニュー画面において出金ボタンが選択され、図2の下段に示す出金額入力画面で出金金額が入力され、図3の上段に示す金種枚数入力画面で束出金選択ボタン44が選択され、図3の中段に示す紙幣束数入力画面で出金束数が入力されると、施封紙幣集積部7への指定金種の紙幣搬送を開始する。
次いで、ステップS208において、制御部17は、残高不足が発生したか否かを判断する。具体的には、制御部17は、施封紙幣集積部7に単位枚数(例えば100枚)が集積されたか否かを判断する。指定金種は紙幣カセット4から繰り出されて鑑別部2へ搬送され、正常であれば施封紙幣集積部7へ搬送されるが、異常であればリジェクト庫5へ搬送される。したがって、リジェクト紙幣の発生により残高不足が発生する場合がある。
次に、残高不足が発生した場合(S208で「Yes」)、ステップS228において、表示部16は、図9の上段に示すような紙幣投入誘導画面を表示し、不足紙幣の紙幣投入口11aからの投入を誘導する。
次いで、ステップS232において、制御部17は、紙幣投入口11aから投入された紙幣を計数する。具体的には、制御部17は、投入された紙幣を、図7に示す接客口19から搬送路6aを介して鑑別部2へ搬送し、鑑別部2により投入紙幣が指定金種の正券であるか否かの鑑別を行う。この間、表示部16は、図9の中段に示すような計数中画面を表示する。次いで、指定金種の正券であれば、制御部17は、当該紙幣を対応する金種の紙幣カセット4へ搬送して収納し、指定金種以外または異常な紙幣であれば、リジェクト紙幣として接客口19へ返却する。また、投入紙幣が紙幣カセットに収納されている間、表示部16は、図9の下段に示すような収納中画面を表示する。
続いて、ステップS212において、制御部17は、施封紙幣集積部7に単位枚数の紙幣が集積されたか否かを判断する。
次に、単位枚数の紙幣が集積された場合(S212で「Yes」)、ステップS216において、施封紙幣集積部7は、集積された紙幣を施封部8に束搬送し、施封部8は、束紙幣に施封を行う。この際、表示部16は、図4の上段に示すような出金中画面を表示する。
次いで、ステップS220において、施封部8は、施封した束紙幣を押し出してシャッタ9を開き、束紙幣受取位置まで束紙幣を移動させて排出する。この際、表示部16は、図4の中段に示すような束紙幣受取誘導画面を表示する。オペレータが束紙幣を受取ると、制御部17はシャッタ9を閉じるよう制御する。
そして、ステップS224において、印字部14は、施封した通番および施封金額等の施封に関する情報を印字したレシートと、投入紙幣を装填とみなして装填に関する情報を印字したレシートを排出し、出金取引を終了する。出金取引が終了すると、表示部16は図4の下段に示すような待機画面を表示する。
ここで、図10に、装填レシートと出金レシートの一例を示す。束出金取引の途中で不足紙幣が補充された本実施形態においては、装填取引と出金取引が続けて成立したものとみなして装填レシートと出金レシートを排出する。これにより、締上取引で現金処理装置10の入出金を集計するときに、入金額/出金額が不一致になってしまうことを防止する。
以上説明したように、第1の動作処理では、束出金時に単位枚数に満たなかった場合、不足分を紙幣投入口11aから追加投入させることで、障害復旧および装填取引を行うことなく束出金を完了させることができる。これにより、窓口の顧客を待たせることを防止すると共に、オペレータの障害復旧作業を省くことができる。
また、不足紙幣が追加投入された場合、制御部17は、装填取引と出金取引が連続して成立したものとみなすことで、集計時の不整合を防止することができる。
さらに、上述した動作処理では、束出金の場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、束回収の場合に適用することも可能である。束回収時に不足紙幣が追加投入された場合、制御部17は、装填取引と回収取引が連続して成立したものとみなすことで、集計時の不整合を防止することができる。
(3−2.第2の動作処理)
第1の動作処理では、不足分投入時に余分に紙幣を投入した場合、紙幣カセット4内に紙幣が残ってしまう。装置外の現金が少なく、不足分をピタリ補充して過剰分を返却したい場合には、再度回収しなければならない。そこで、第2の動作処理では、過剰分の返却/装填を選択できるようにする。
図11は、本実施形態による現金処理装置10の第2の束出金処理を示すフローチャートである。図11に示すステップS204〜S224では、図8に示す同ステップと同じ処理が行われるため、ここでの説明は省略する。
次に、ステップS236において、制御部17は、投入紙幣の余剰分があるか否かを判断する。
次いで、余剰分がある場合(S236で「Yes」)、ステップS240において、表示部16は、図12の上段に示すような選択画面を表示する。選択画面は、余剰紙幣の返却を指示する返却ボタン52と、余剰紙幣の装填を指示する装填ボタン53とを含む。
次に、選択画面において返却ボタン52が選択された場合(S244で「装填」)、余剰分の紙幣はそのまま紙幣カセット4に残され、装填が完了し、出金取引が終了する。装填に関する情報を印字したレシートは、上記S224において、束出金に関する情報のレシート共に排出済みである。
一方、選択画面において装填ボタン53が選択された場合(S244で「返却」)、ステップS248において、現金処理装置10は、余剰分の紙幣を紙幣投入口11aに搬送して出金する。
そして、ステップS252において、印字部14は、余剰分の紙幣の返却を「回収」とみなして、回収に関する情報を印字したレシートを排出し、出金取引を終了する。出金取引が終了すると、表示部16は図4の下段に示すような待機画面を表示する。
ここで、図13に、回収レシートの一例を示す。束出金取引の途中で不足紙幣が補充され、その後余剰分を返却した場合、装填取引、出金取引、および回収取引が続けて成立したものとみなして装填レシートと出金レシートを排出する。これにより、締上取引で現金処理装置10の入出金を集計するときに、入金額/出金額が不一致になってしまうことを防止する。
以上説明したように、第2の動作処理では、束出金時に追加投入した枚数が不足枚数を超えた場合に、余剰分の紙幣をそのまま装填するか、若しくは返却するかを選択することができる。このように余剰分の返却を可能とすることで、紙幣カセット4内に紙幣が残ることを防止し、また、装置外の現金が少なく不足分をピタリ補充して残りは返却したい場合に、再度出金を実施する必要がなく、資金効率を向上することができる。
さらに、上述した動作処理では、束出金の場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、束回収の場合に適用することも可能である。束回収時に不足紙幣が追加投入され、その後余剰分を返却した場合、制御部17は、装填取引、束回収取引、回収取引が連続して成立したものとみなすことで、集計時の不整合を防止することができる。
<4.むすび>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、単位枚数の紙幣からなる束紙幣を効率的に得ることが可能となる。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書の現金処理装置10の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、現金処理装置10の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、現金処理装置10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した現金処理装置10の制御部17と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
1 接客部
2 鑑別部
3 一時保留部
4a〜4d 紙幣カセット
5 リジェクト庫
6a〜6n 搬送路
7 施封紙幣集積部
8 施封部
9 シャッタ(小束出金口)
10 現金処理装置
11、21 紙幣処理部
11a 紙幣投入口
11b 紙幣異物返却部
12 硬貨処理部
13 カードリーダ部
14 印字部
15 操作部
16 表示部
17 制御部
18 記憶部
19 接客口

Claims (5)

  1. 第1の紙幣集積部と、
    前記第1の紙幣集積部から搬送された紙幣が集積される第2の紙幣集積部と、
    前記第2の紙幣集積部に集積された単位枚数の紙幣を結束する紙幣結束部と、
    紙幣投入口と、
    前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口から投入された紙幣の前記第2の紙幣集積部への搬送を制御する制御部と、
    表示部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口への紙幣投入を誘導する投入誘導画面を表示させ、
    前記紙幣投入口に投入された紙幣の投入枚数が、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数と前記単位枚数の差分を上回る場合、前記制御部は、前記差分に対する前記投入枚数の余剰分を返却するか又は装填するかを選択するための選択画面を前記表示部に表示させる、現金処理装置。
  2. 前記現金処理装置は、紙幣処理の結果を印字する印字部をさらに備え、
    前記制御部は、前記差分に対する前記投入枚数の余剰分の返却結果を、前記現金処理装置からの紙幣の回収結果として前記印字部に印字させる、請求項1に記載の現金処理装置。
  3. 第1の紙幣集積部と、
    前記第1の紙幣集積部から搬送された紙幣が集積される第2の紙幣集積部と、
    前記第2の紙幣集積部に集積された単位枚数の紙幣を結束する紙幣結束部と、
    紙幣投入口と、
    前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口から投入された紙幣の前記第2の紙幣集積部への搬送を制御する制御部と、
    紙幣処理の結果を印字する印字部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記紙幣投入口からの紙幣の投入結果を、金処理装置への紙幣の装填結果として前記印字部に印字させる現金処理装置。
  4. 前記現金処理装置は、表示部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数が前記単位枚数に満たない場合、前記紙幣投入口への紙幣投入を誘導する投入誘導画面を表示させる、請求項に記載の現金処理装置。
  5. 前記制御部は、前記第1の紙幣集積部から前記第2の紙幣集積部に搬送された紙幣の枚数と前記単位枚数の差分に対する前記紙幣投入口に投入された紙幣の投入枚数の余剰分の返却結果を、前記現金処理装置からの紙幣の回収結果として前記印字部に印字させる、請求項に記載の現金処理装置。
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