JP6446896B2 - 加振器の取付構造、及び、楽器 - Google Patents
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Description
そこで、グランドピアノに取り付けられた加振器を箱状のカバー部材によって覆い隠すことが考えられる。しかしながら、カバー部材を加振器の加振器本体に固定した場合、振動部の振動が加振器本体を介してカバー部材に伝わってしまう。このため、カバー部材が振動してカバー部材から意図しない音が発生する。カバー部材の振動に基づく音は、雑音として被加振体の振動による音響に混ざってしまうため、好ましくない。
なお、カバー部材をグランドピアノの筐体(例えば直支柱)に固定することも考えられるが、筐体に対する余計な固定部位を増やすことは好ましくない。
そして、本発明の加振器の取付構造によれば、支持部のベース板部が筐体に面接触して固定されるため、加振器の振動部の振動に伴って支持部の第一固定部が振動しても、ベース板部が振動することを抑制できる。また、支持部の第二固定部は、ベース板部に対して第一固定部と独立して接続されているため、第一固定部の振動が第二固定部に伝わることを抑制できる。すなわち、第二固定部に固定されたカバー部材が、振動部の振動に基づいて振動することを抑制できる。
図1,2に示すように、この実施形態に係るピアノ1は、アコースティックピアノの一種であるグランドピアノである。ピアノ1は、筐体11、鍵盤部12、ペダル13、アクション機構14、ダンパー機構15、響板(被加振体)16、弦17等を備える。
曲練り側板19は、棚板18の縁に沿って固定され、棚板18よりも後方側(図1において左側)に延びるように配されている。
曲練支柱20は、曲練り側板19の内面に沿って固定されている。直支柱21は、曲練支柱20と棚板18の後端に固定されたコレクタ28との間において主に前後方向に架け渡されている。直支柱21は、曲練り側板19の下端側に寄せた位置に配されている。これら曲練支柱20及び直支柱21は、曲練り側板19に剛性を持たせる役割を果たす。
大屋根23は、前框22の後方において曲練り側板19に対して揺動自在に連結されている。大屋根23は、前屋根24と共に曲練り側板19の上端に当接して曲練り側板19の上方側の開口を覆う位置(閉じた位置)と開放する位置(開いた位置)との間で移動するように、曲練り側板19に対して揺動可能となっている。図1において、大屋根23及び前屋根24は開いた位置に配されている。
ペダル柱25は、棚板18の下面側から下方に向かって延在している。ペダルボックス26は、ペダル柱25の先端に固定されている。
脚柱27は、筐体11の前面側に位置する棚板18の下面のうちペダル柱25の左右両側の部分、及び、筐体11の後端側に位置する曲練支柱20、直支柱21の下部の各箇所から下方に延びている。
ペダル13は、演奏者の足により操作される操作子であり、ペダルボックス26の前面に露出して設けられる。
ダンパー機構15は、鍵31の押鍵力や、ペダル13の一つであるダンパーペダルが演奏者の足によって踏み込まれる踏込力を、弦17上のダンパー34を弦17から離す離弦力に変換する機構である。
弦17は、各鍵31に対応付けて設けられ、響板16の上面16a上に張設されている。
また、響板16の上面16aには、張設された弦17の一部を係止する駒35が設けられている。一方、直支柱21に対向する響板16の下面16bには、響棒36が設けられている。
響板16は、その厚さ方向(Z軸方向)に振動する。以下の説明では、響板16の振動方向を所定方向と呼ぶ。
図3,4に示すように、加振器40は、ボイスコイル型のアクチュエータであり、加振器本体41と、振動部49と、を備える。
本実施形態の磁路形成部42は、トッププレート421、磁石422及びヨーク423を備える。
トッププレート421は、例えば、軟鉄等の軟磁性材料からなり、中心に貫通孔424を有する円盤状に形成されている。
磁石422は、円環状に形成された永久磁石である。磁石422の内径寸法は、トッププレート421の貫通孔424の内径寸法よりも大きく設定されている。
上記のようにトッププレート421、磁石422及びヨーク423を相互に固定した状態では、これらの軸線が相互に一致し、磁路形成部42の軸線C1をなす。
振動体44は、上記した磁路形成部42に対して所定方向(Z軸方向)に振動するように設けられる。また、振動体44は、磁路形成部42の挿通孔420の一方の開口420A側に配される。この振動体44は、ダンパー部48によって磁路形成部42に支持される。また、振動体44は、固定手段440によって後述する連結体45に対して着脱自在に固定される。以下、本実施形態の振動体44について詳細に説明する。
ボビン441は、筒状に形成されている。ボビン441は、磁路形成部42の円柱部426を挿入し、かつ、トッププレート421の貫通孔424に挿入される。ボビン441の軸線は振動体44の軸線C2をなす。
ボイスコイル442は、ボビン441の外周面のうち軸線C2方向の一端部に巻き付けられる導線である。
本実施形態のダンパー部48は、環状に形成されている。また、ダンパー部48は、その径方向に波打つ蛇腹状に形成されている。ダンパー部48の内縁はボビン441の他端部に固定され、ダンパー部48の外縁はトッププレート421に固定されている。このようなダンパー部48は、例えば繊維や樹脂材料等によって弾性変形可能に形成される。
本実施形態の連結体45は、振動体44と響板16との間で延在する軸部46と、軸部46の少なくとも一部が所定方向(Z軸方向)に対して傾斜することを許容する関節部47と、を備える。
図4,5に示すように、被加振体側軸部462の軸方向の第一端部は、後述する中途関節部471を介して振動体側軸部461に接続される。また、被加振体側軸部462の第二端部は、後述する先端関節部472を介して響板16に接続される。
中途関節部471は、球状部473と、球状部を回転自在に保持するリテーナ部474と、を備える。本実施形態では、球状部473が振動体側軸部461の第二端部に形成され、リテーナ部474が被加振体側軸部462の第一端部に設けられているが、例えば逆であってもよい。本実施形態において、球状部473の中心P1は、振動体側軸部461の軸線C2上に位置している。
先端関節部472は、中途関節部471と同様の球状部475及びリテーナ部476を備える。本実施形態の先端関節部472では、球状部475が被加振体側軸部462の第二端部に形成され、リテーナ部476が響板16側に固定される。そして、球状部475の中心P2は、被加振体側軸部462の軸線C3上に位置している。
すなわち、先端関節部472の中心P2は、被加振体側軸部462の軸線C3上に位置する。これにより、被加振体側軸部462の軸線C3は、先端関節部472の中心P2を支点として、所定方向(Z軸方向)に対して傾斜することが可能となる。
本実施形態の規制ホルダ部43は、フレーム部431と、接触部材432とを備える。
頭部挿通孔部436Aの内径寸法は、第一固定用ネジ91の頭部の径寸法よりも大きく設定されている。一方、軸部挿通孔部436Bの内径寸法は、第一固定用ネジ91の頭部の径寸法よりも小さく、かつ、第一固定用ネジ91の軸部の径寸法よりも大きく設定されている。
これら頭部挿通孔部436A及び軸部挿通孔部436Bは、固定板部433(ネジ止め用板部436)の主面に沿う方向に連ねて形成されている。本実施形態では、頭部挿通孔部436Aが軸部挿通孔部436Bよりも固定板部433の延在方向先端側に位置する。
この軸部挿通孔部434Bは、係合板部434の主面の端縁に開口している。軸部挿通孔部434Bが開口する方向は、固定板部433に形成された軸部挿通孔部436Bが頭部挿通孔部436Aに対して開口する方向と一致している。すなわち、本実施形態では、軸部挿通孔部434Bが係合板部434の延在方向先端に開口している。また、軸部挿通孔部434Bは、固定板部433と重ならない係合板部434の両側部に一つずつ配されている。すなわち、軸部挿通孔部434Bは係合板部434の幅方向(図3において左右方向)の両端部に配されている。
これにより、規制ホルダ部43は、振動体側軸部461が係合した位置において振動体側軸部461の軸線C2方向への移動を許容しつつ、軸線C2方向に直交する方向への移動を規制する。
本実施形態では、加振器本体41が支持部50を介して筐体11に固定されている。支持部50は、響板16と加振器本体41との間に配されるように、筐体11の直支柱21の側面(Z軸方向に延びる面)に固定され、加振器本体41を支持する。
ベース板部51は、直支柱21の側面に面接触するように重ねて配された上で、ネジ止め等によって直支柱21に固定される。
第一固定部52は、響板16と加振器本体41との間に配される平板状の位置決め板部54と、位置決め板部54の周縁から鉛直方向下側(Z軸負方向側)に延びてベース板部51と共に加振器本体41の側部を囲む囲繞板部55と、を備える。
位置決め板部54には、その厚さ方向に貫通し、加振器40の連結体45を挿通させる開口孔54Bが形成されている。
本実施形態の位置決め係合部は、位置決め板部54から突出する位置決め突起56Aである。また、本実施形態では、位置決め突起56Aが複数設けられている。図示例では、二つの位置決め突起56Aが、第二固定用ネジ92と同様に、ベース板部51に対する第一固定部52の延在方向に配列されている。図示例の位置決め突起56Aは、平面視円形状に形成されているが、例えば平面視多角形状、半円形状など任意の形状に形成されてよい。
係合板部434に形成される位置決め穴56Bの数は、上記位置決め板部54に形成される位置決め突起56Aの数に対応している。図示例では、二つの位置決め穴56Bが、軸部挿通孔部434Bと同様に、係合板部434の幅方向に配列されている。
位置決め板部54における位置決め突起56Aの位置、及び、係合板部434における位置決め穴56Bの位置は、位置決め板部54に螺着された第二固定用ネジ92の軸部が係合板部434の軸部挿通孔部434Bに挿入された状態で位置決め突起56Aが位置決め穴56Bに挿入される位置に設定されている。
第一固定用ネジ91は、ネジ螺着用板部57に対して位置決め板部54の当接面54a側から螺着されている。第一固定用ネジ91は、第二固定用ネジ92と同様に、ベース板部51に対する第一固定部52の延在方向(図3において左右方向)に二つ配列されている。これら二つの第一固定用ネジ91同士の間隔は、固定板部433に形成された二つの頭部挿通孔部436Aや軸部挿通孔部436B同士の間隔と一致する。
また、固定板部433には頭部挿通孔部436Aが軸部挿通孔部436Bに連ねて形成されているため、予めネジ螺着用板部57に螺着された第一固定用ネジ91の頭部を頭部挿通孔部436Aに挿通させて固定板部433をネジ螺着用板部57に当接させた状態で、すなわち、係合板部434を当接面54aに当接させた状態で、加振器本体41を支持部50に対して当接面54aに沿う方向に移動させることで、第一固定用ネジ91の軸部を固定板部433の軸部挿通孔部436Bに挿入することができる。
また、第一固定用ネジ91の軸部が固定板部433の軸部挿通孔部436Bに挿入されることで、位置決め板部54の位置決め突起56Aが係合板部434の位置決め穴56Bに挿入される。すなわち、支持部50に設けられた位置決め係合部が加振器本体41に係合する。
本実施形態では、支持部50の案内面55aが第一固定部52を構成する囲繞板部55の内面によって構成されている。また、案内面55aは、第一固定用ネジ91の設置部分に対応する囲繞板部55の内面領域に対し、第一固定用ネジ91の軸方向(Z軸方向)及び二つの第一固定用ネジ91の配列方向の両方に直交する方向に対向する囲繞板部55の別の内面領域によって構成されている。
さらに、支持部50の案内面55aは、上記した三つの平板部55B,55C,55Dのうちベース板部51から離れる方向に延びて第一の平板部55Bに対向する第二の平板部55Cの内面によって構成されている。また、加振器本体41の被案内面435aは、フレーム部431の接続板部435によって構成されている。
本実施形態では、図4に示すように、連結体45の先端関節部472を構成するリテーナ部476が響板16の下面16bに固定される。また、本実施形態では、リテーナ部476と響板16との間に介在部品60が設けられ、リテーナ部476は介在部品60を介して響板16に固定される。
また、介在部品60及びリテーナ部476の相互に対向する面には、互いに係合する凹凸部(不図示)が形成されている。これにより、連結体45のリテーナ部476は、所定方向(Z軸方向)に直交する方向について介在部品60に対して位置決めされる。
カバー部材70は、加振器40の鉛直方向下側を覆う底板部71、底板部71の周縁から鉛直方向上側(Z軸正方向)に延びて加振器40(特に加振器本体41)の側部を覆う側板部72と、を備え、鉛直方向上側及び側部に開口する箱状に形成されている。カバー部材70の側部への開口部分は、筐体11の直支柱21の側面によって覆われる。図示例のカバー部材70では、底板部71が平面視矩形状に形成され、側板部72が底板部71の三つの辺から鉛直方向上側に延びる三つの平板部によって構成されているが、これに限ることはない。
第二固定部53及び前述の第一固定部52は、ベース板部51に対して互いに独立して接続されている。第二固定部53は、第一固定部52よりも鉛直方向下側に離れた位置において、ベース板部51に対して直支柱21の側面から離れる方向に延びている。
各板状延出部59は、ベース板部51の各側部に対して直支柱21から離れる方向に延びる帯板状に形成されている。板状延出部59の延在方向先端部には、カバー部材70を支持部50に固定するための固定用板部59Aが設けられている。固定用板部59Aは、第一固定部52の位置決め板部54に平行するように配されている。固定用板部59Aには、カバー部材70をネジ止め固定するための第三固定用ネジ93が位置決め板部54の当接面54a側から螺着されている。
本実施形態では、カバー部材70の底板部71が第三固定用ネジ93によって第二固定部53に締結固定される。このため、カバー部材70の底板部71には、その厚さ方向に貫通して第三固定用ネジ93を挿通させるネジ挿通孔73が形成されている。
本実施形態において、第一緩衝部材81は、カバー部材70の底板部71と、第二固定部53の各固定用板部59Aとの間に一つずつ設けられている。また、第二緩衝部材82は、カバー部材70のうち側部への開口部分と筐体11の直支柱21との間に挟み込まれる。本実施形態では、第二緩衝部材82をカバー部材70と筐体11との間に挟み込めるように、前述したカバー部材70のネジ挿通孔73に工夫が施されている。
これにより、第二固定部53に螺着された第三固定用ネジ93の頭部をネジ挿通孔73の頭部挿通孔部73Aに挿通させた後に、第三固定用ネジ93の軸部がネジ挿通孔73の軸部挿通孔部73Bに挿入されるようにカバー部材70を筐体11(直支柱21)側に移動させることで、第二緩衝部材82を介してカバー部材70を筐体11に向けて押し付けることができる。
本実施形態の取付方法では、予め上記構成の加振器本体41及び支持部50を用意しておく。そして、支持部50を筐体11に固定する支持部固定工程を実施する。本実施形態の支持部固定工程では、支持部50のベース板部51を直支柱21の側面に重ねて配した上で、ネジ止め等により直支柱21に固定する。
支持部固定工程後の状態では、支持部50(位置決め板部54)の当接面54aが鉛直方向下側(Z軸負方向)に向く。また、当接面54aを含む支持部50の第一固定部52は、第二固定部53よりも鉛直方向上側(Z軸正方向)に向く。
これら支持部固定工程及び介在部品固定工程のうち後に実施する工程では、不図示の治具を用いて支持部50と介在部品60との相対的な位置決めを実施するとよい。特に、所定方向(Z軸方向)に直交する方向(図1,2においてX軸方向及びY軸方向)における支持部50と介在部品60との相対的な位置決めを実施するとよい。
本実施形態の振動部49は相互に分離可能な振動体44及び連結体45を備えるため、加振器固定工程では、はじめに、振動部49の連結体45を介在部品60に固定する連結体固定工程を実施する。この工程では、はじめに、先端関節部472のリテーナ部476を介在部品60に重ねて配置する。この際、介在部品60及びリテーナ部476には互いに係合する凹凸部(不図示)が形成されているため、リテーナ部476を介在部品60に対して位置決めできる。次いで、リテーナ部476をネジ止めにより介在部品60に締結固定する。この工程を実施した後の状態では、連結体45の振動体側軸部461が支持部50の位置決め板部54の開口孔54Bに挿通された状態となる。
第一取付工程では、支持部50が加振器本体41と響板16との間に位置するように、加振器本体41を支持部50の当接面54aに当接させると共に、図8に示すように、第一固定用ネジ91の頭部を加振器本体41の固定板部433(ネジ止め用板部436)に形成された頭部挿通孔部436Aに挿通させる。
さらに、本実施形態では、支持部50の案内面55aに第一固定用ネジ91の軸方向に延びる軌道58Aが形成され、案内面55aに当接する加振器本体41の被案内面435aに軌道58Aの長手方向に摺動する摺動部58Bが形成されている。このため、第一取付工程では、これら軌道58A及び摺動部58Bによって加振器本体41を第一固定用ネジ91の軸方向(Z軸方向)に移動させることができる。
上記した第一取付工程後の状態では、加振器本体41の係合板部434が支持部50の当接面54aに当接するが、図8に示すように、第二固定用ネジ92の軸部は、係合板部434に形成された軸部挿通孔部434Bに挿入されていない。また、支持部50の当接面54aに設けられた位置決め突起56A(位置決め係合部)は、係合板部434に形成された位置決め穴56B(位置決め被係合部)に係合していない。
また、本実施形態の第二取付工程では、上記のように加振器本体41を支持部50に対して移動させることで、第二固定用ネジ92の軸部を係合板部434の軸部挿通孔部434Bに挿入させる。
また、第二取付工程後の状態では、支持部50の位置決め突起56Aが加振器本体41の位置決め穴56Bに係合(挿入)するため、加振器本体41を支持部50に対して容易に位置決めできる。
上記した第一〜第三取付工程を実施することで、加振器本体41が支持部50の第一固定部52に固定される。
本実施形態のカバー取付工程では、はじめに、カバー部材70を鉛直方向下側から支持部50に近づけ、第三固定用ネジ93の頭部をカバー部材70の底板部に形成されたネジ挿通孔73の頭部挿通孔部73Aに挿通させる。次いで、カバー部材70を筐体11(直支柱21)側(図3において右側)に移動させることで、第三固定用ネジ93の軸部をネジ挿通孔73の頭部挿通孔部73A側から軸部挿通孔部73Bに挿入させる。これにより、第二緩衝部材82を介在させた状態でカバー部材70を筐体11に向けて押し付けることができる。
以上により、加振器40の取付方法が完了する。
ここで、本実施形態の連結体45は中途関節部471及び先端関節部472を備えるため、介在部品60や先端関節部472のリテーナ部476が直交方向に変位すると、中途関節部471及び先端関節部472によって、被加振体側軸部462の軸線C3が、所定方向及び磁路形成部42の軸線C2の両方に対して傾斜する。このため、振動体44及び振動体側軸部461の軸線が所定方向に対して傾斜することを抑制できる。すなわち、振動体側軸部461に固定された振動体44の軸線C2が所定方向に平行する磁路形成部42の軸線C1に対して傾斜することを抑制できる。
例えば、加振器本体41を支持部50に対して位置決めする支持部50の位置決め係合部は、位置決め板部54の当接面54aから窪む位置決め穴であってもよい。この場合、加振器本体41の係合板部434には、その被当接面434cから突出して上記位置決め穴に挿入される位置決め突起が位置決め被係合部として形成されればよい。
また、連結体45の関節部47は、上記実施形態のようなボールジョイント構造に限らず、例えばユニバーサルジョイント構造であっても構わない。
また、連結体45は、例えば関節部47を備えず、軸部46のみによって構成されてもよい。
また、本発明の加振器40の取付構造は、例えば介在部品60を備えなくてもよい。この場合には、振動部49を響板16に直接固定すればよい。
また、本発明に係る加振器40は、例えば、被加振体が変位しない部材であり、磁路形成部42を固定する筐体11の部材が経年劣化等によって変位し得る部材である場合の構成にも取り付けることができる。
また、本発明に係る加振器40は、響板16等の被加振体を備える楽器に適用可能であり、例えば、アップライトピアノ等の他の鍵盤楽器、アコースティックギター、バイオリン等の弦楽器、ドラム、ティンパニ等の打楽器、電子ピアノ等の電子楽器などの各種楽器に適用可能である。
Claims (4)
- 楽器の外部に配されて、前記楽器の被加振体を所定方向に加振することで発音させる加振器の取付構造であって、
加振器本体、及び、前記加振器本体に対して前記所定方向に振動する振動部を有する前記加振器と、前記楽器の筐体に固定されて前記加振器本体を支持する支持部と、前記支持部に固定されて前記加振器を覆うカバー部材と、を備え、
前記支持部が、前記筐体に面接触して固定されるベース板部と、前記加振器本体を固定して支持する第一固定部と、前記カバー部材を固定する第二固定部と、を備え、
前記第一固定部及び第二固定部が、互いに離れた位置において前記ベース板部に対してそれぞれ接続されている加振器の取付構造。 - 前記カバー部材と前記第二固定部との間に、弾性変形可能な緩衝部材が介在している請求項1に記載の加振器の取付構造。
- 前記カバー部材が、弾性変形可能な緩衝部材を介して前記筐体に押し付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加振器の取付構造。
- 筐体と、
所定方向への振動により発音する被加振体と、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の加振器の取付構造と、を備える楽器。
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