JP2008139746A - 楽音装置 - Google Patents

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拓也 佐藤
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克彦 鳥居
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Abstract

【課題】響板が楽音装置本体に接触せず、当該介在体の厚さを圧縮する状態で、響板を当接体に押し付けて固定することにより、響板からの振動が楽音装置全体に直接伝わってしまうことがなくなる。
【解決手段】楽音装置の垂直な方形の当接枠3の後面と響板11の外周縁野前面との間には、可撓性、弾性及びクッション性を有する介在帯8が挟まれ、響板11が当接枠3に押し付けられる。これにより、響板11からの振動が楽音装置全体に直接伝わってしまうことがないし、介在帯8、当接枠3及び響板11の間で共振が生じることもなく、響板11から発せられる楽音が不用意に変異してしまうことがなくなり、実際のアコースティックな楽器の楽音に近づけることができる。
【選択図】図3

Description

本件発明は、楽音装置に関し、特に、楽器の響板を振動させて、この響板から楽音を発音・放音させるものに関する。
従来、このような響板(振動板)を振動させるものでは、ピアノの響板に電磁駆動体を接合し、この電磁駆動体に楽音信号を送り込んで、電磁駆動体ではなく、響板を振動させて、この響板から楽音を発音・放音させている。
実開昭60−150894号公報 特開平8−146949号公報 特開平8−111896号公報 特開平4−156799号公報 特開昭53−69624号公報 特開平4−56996号公報 特開平5−80748号公報 特開平5−73039号公報 特願2006−181135号(未公開) 特願2006−160054号(未公開) 特願2006−151287号(未公開) 特願2006−141954号(未公開) 特願2006−135899号(未公開)
しかしながら、このような響板(振動板)で音を出してみると、実際のアコースティックな楽器の楽音と若干異なる楽音となっていた。
上記目的を達成するために、本件発明は、楽音装置本体に設けられた、響板の縁が当接される当接体と、 この当接体と上記響板の縁との間に挟まれる可撓性を有する介在体と、 上記響板は楽音装置本体に全く接触しない状態であって、上記介在体、当接体及び響板の間に隙間がない状態であり、当該介在体の厚さを0%乃至90%圧縮する状態で、響板を当接体に押し付けて固定する固定機構とを備えた。
これにより、響板からの振動が楽音装置全体に直接伝わってしまうことがないし、介在体、当接体及び響板の間で共振が生じることもなく、響板から発せられる楽音が不用意に変異してしまうことがなくなり、実際のアコースティックな楽器の楽音に近づけることができる。
(1)楽音装置
図1は楽音装置の背面、図2は楽音装置の正面、図3、図4及び図5は楽音装置の縦断面、横断面を示す。楽音装置の細長い一対の木製などの足部1、1は水平方向に互いに平行に配置されている。この足部1、1の間を架渡すように木製などの底板2が木ねじ、ボルトまたは接着剤などで固定されている。
この底板2は水平に配置される細長い方形状であり、後縁には方形状の木製などの当接枠3が垂直方向に木ねじ、ボルトまたは接着剤などで固定されている。この底板2の左右両端と方形状の当接枠3の左右両縁面には、木ねじ、ボルトまたは接着剤などで垂直な木製などの右側板4と左側板5とが取り付けられている。
この底板2の前縁と右下内側板4と下内側板5の前縁には、木ねじ、ボルトまたは接着剤などで垂直な木製などの前面板6が取り付けられている。これら垂直な右下内側板4、下内側板5、前面板6、上記当接枠3の上縁は同じ高さとなっていて、これらの上には蓋をするように木製などの中天板7が木ねじ、ボルトまたは接着剤などで取り付けられている。
上記当接枠3の後面(背面も含む。以下同じ。)には、可撓性、弾性または/及びクッション性を有する介在帯8を間に挟んで、木製などの響板11の縁の前面が当接される。響板11の外縁は上記当接枠3の外縁より小さいまたはわずかに小さいので、響板11は楽音装置本体つまり上記底板2、当接枠3、右下内側板4、下内側板5、前面板6、中天板7に全く接触しない状態となる。したがって、響板11の音/振動が楽音装置本体に直接伝わらず、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
上記響板11は当接枠3に木ねじ23などで押し付けて固定される。この場合、上記介在帯8の厚さは、0%乃至90%圧縮する状態とされる。したがって、上記介在帯8、当接枠3及び響板11の間に隙間がない状態とされる。これにより、上記介在体、当接体及び響板の間で、互いが振動でぶつかりあうことがなくなり、異常振動/異常音が発生してしまうことがなくなり、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
上記響板11及び当接枠3の全周縁には上記介在帯8が隙間なく介在されている。また響板11が取り付けられる楽音装置本体の、響板11が取り付けられる側/後側、上側、下側、右側、左側、つまり上記底板2、当接枠3、右下内側板4、下内側板5、前面板6、中天板7との間は隙間がなく密封されている。
したがって、響板11の上下左右前の全周縁と楽音装置本体つまり上記当接枠3の間には隙間がなく密封される。これにより、響板11の周囲から音が漏れることがなく、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
響板11の周囲から音が漏れると、この漏れ音は位相が反転されているので、響板11からの音を打ち消してしまうが、このような密封によってこの打消しは防止され、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
上記前面板6の高さは低く上縁は切欠されて上記中天板7との間に隙間が形成され、水平方向に延びる挿通穴9が形成され、この挿通穴9はメッシュ状の布で覆われている。この挿通穴9は、響板11が取り付けられる楽音装置本体の、響板11が取り付けられる側と反対側に位置する。
これにより、挿通穴9から響板11からの音が放射される。この挿通穴9からの音と響板11からの音は同じ音であるが、挿通穴9からの音は響板11と反対側に放射されるので、これらの音は互いに打ち消しあったり悪影響を及ぼしあったりすることがなく、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
上記中天板7の上には機構箱21が設置されている。この機構箱21の前面には鍵盤22及びパネルスイッチ群などが取り付けられている。この機構箱21の左右両側面及び上記右下内側板4、左下内側板5の外側には、右外側板24、左外側板25が接合されている。この機構箱21の中には、鍵盤22及びパネルスイッチ群の操作に応じた楽音信号を生成するための楽音制御回路、フィルタ、アンプ、スピーカーなどが内蔵されている。
したがって、上記楽音装置は鍵盤楽器であり、上記響板11は、この鍵盤楽器の楽音装置の後面側/背面側に取り付けられていることになり、楽音装置の正面側の鍵盤22の下側に上記挿通穴9が形成されていることになる。これにより、挿通穴9から放射された音(振動も含む。以下及び以上同じ)が、鍵盤22などにも伝わり、実際のアコースティックな楽器、例えばグランドピアノやアップライトピアノのような演奏の感触を得ることができる。
(2)響板11
図3及び図5は楽音装置の縦断面を示す。振動されて音を放射する楽器の木製などの響板11は方形板状で、響板11の外縁は上記当接枠3の外縁より小さいまたはわずかに小さい。響板11の外周縁の後面側には四辺の木製などの枠棒12…が木ねじ、ボルトまたは接着剤などで固定されている。これにより、響板11の音が響板11の四隅にまで円滑に伝わり、全体に均一に広がり、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
この響板11の後面には2本乃至8本、望ましくは3本乃至7本、より望ましくは4本乃至6本、さらに望ましくは5本の木製などの響棒13…が木ねじ、ボルトまたは接着剤などで固定されている。これにより、響板11の音が響板11の一部に偏ることなく、全体に均一に広がり、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
上記響棒13…は、水平方向に対して20度乃至70度、望ましくは30度乃至60度、より望ましくは40度ないし50度傾斜している。これにより、響板11の音が水平方向または/及び垂直方向に偏ることなく、全体に均一に広がり、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。なお、響板11は長方形状なので、響板11の音は水平方向または/及び垂直方向にもともと偏る性質がある。
上記響板11には柾目があり、この柾目は斜め方向にそろっている。上記各響棒13…は、これらの柾目とほぼ直交する方向に配置されている。これにより、響板11の音は柾目に沿って伝播し易いが、各経棒13…によって、柾目を跨いで音が伝播され、響板11の音が偏ることなく、全体に均一に広がり、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
この響棒13…の両端縁は、上記枠棒12…まで達している。これにより、上述の響板11の音が水平方向または/及び垂直方向に偏ることが無いことが、響板11の端縁まで達成でき、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。響棒13…の両端は厚さが薄くなっている。これにより、響棒13…自身の共振が防止され、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
上記響棒13…の各間隔は、10cm乃至30cmであり、等間隔ではなく、不等間隔となっている。これにより、響棒13…が振動の節となって、各響棒13…の間で同じ周波数の音が共振してしまうことがなくなり、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。このような響棒13…は響板11の後面側以外に前面側に取り付けられてもよい。
上記響板11の響棒13…の間の前面には、電磁駆動ユニット(電磁駆動体)14が木ねじ、ボルトなどで取り付けられている。この取り付け機構は、特願2006−181135号、特願2006−160054号、特願2006−151287号、特願2006−141954号、特願2006−135899号などに示されている。
電磁駆動ユニット14の外形は円柱状の本体ケースとこの本体ケースの側面に設けられている円形の平坦な振動板とからなっている。電磁駆動ユニット14の中にはコイルと磁石とが内蔵され、上記本体ケース及び振動板の一方にコイルが連結され他方に磁石が連結される。
上記コイルに複数種類の楽音からなる楽音信号が流れると、コイルに生じる磁界と磁石の磁界との相互作用によって、コイルまたは磁石が振動/駆動/変位し、本体ケースに対して振動板が振動/駆動/変位する。振動板を上記響板11に直接または連結部材を介して接合(取付け/連結/接着を含む)させる。したがって、電磁駆動ユニット14は、複数種類の楽音からなる楽音信号を機械的変化に変換して、楽器の響板11を駆動させて音を放射させる。
これにより、振動板及び響板11を電磁駆動させて振動させることができる。電磁駆動ユニット11は、スピーカーとは異なり、それ自体は発音/放音せず、接合された他の物体を電磁駆動させて振動させ発音/放音させるものである。このような電磁駆動ユニット11は、特開平8−146949号公報、特開平8−111896号公報などに開示されている。
(3)介在帯(介在体)8
上記介在帯(介在体)8は、発泡ウレタン樹脂、ゴム、発泡ウレタン製、ウレタンエラストマー製、スチレン系ポリマー、エポキシ、塩化ビニール、酢酸ビニール、合成ゴムなどの可撓性、弾性または/及びクッション性のある軟質樹脂製、布、紙、パルプなどからなっている。
この介在帯8の密度は例えば240kg/m3、25%圧縮荷重は例えば0.04Mpa、引張り強度は例えば0.54Mpa、伸びは例えば115%、引裂強度は例えば1.8N/mm、圧縮残留歪は例えば2.7%(70℃×22hr、50%圧縮にて測定)、圧縮永久歪みは例えば7.6%、厚み公差は例えば±10%である。この介在帯8の厚さは例えば1.0mm乃至10.0mm、望ましくは2.0mm乃至7.0mm、より望ましくは3.0mm乃至4.0mmである。
次述する圧縮された状態においては、介在帯8の厚みは少なくとも0.5mm以上必要となる。次述する0%圧縮のときは、介在帯8の厚みは少なくとも0.5mm以上必要となる。次述する90%圧縮のときは、介在帯8の厚みは少なくとも5.0mm以上必要となる。
上記響板11は当接枠3に木ねじなどで押し付けて固定される。この場合、上記介在帯8の厚さは、0%乃至90%、望ましくは0%乃至80%、より望ましくは0%乃至70%、さらに望ましくは0%乃至60%、よりさらに望ましくは0%乃至50%、さらにより望ましくは0%乃至45%、よりさらに望ましくは0%乃至40%、さらにより望ましくは0%乃至35%、よりさらに望ましくは0%乃至30%、さらにより望ましくは0%乃至25%、よりさらに望ましくは0%乃至20%、さらにより望ましくは0%乃至15%、よりさらに望ましくは0%乃至10%圧縮する状態とされる。
または、上記介在帯8の厚さは、0%乃至90%、望ましくは0%乃至80%、より望ましくは1%乃至70%、さらに望ましくは1%乃至60%、よりさらに望ましくは2%乃至50%、さらにより望ましくは2%乃至45%、よりさらに望ましくは3%乃至40%、さらにより望ましくは3%乃至35%、よりさらに望ましくは4%乃至30%、さらにより望ましくは4%乃至25%、よりさらに望ましくは5%乃至20%、さらにより望ましくは5%乃至15%、よりさらに望ましくは6%乃至10%圧縮する状態とされる。
この介在帯8の厚さの圧縮率が小さいと、上記介在帯8、当接枠3及び響板11の間で、互いが振動でぶつかりあう可能性が高くなるが、0%でも振動でぶつかりあう可能性はあまりない。この介在帯8の厚さの圧縮率が大きいと、上記響板11から当接枠3へ振動が伝わり易くなって、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまう可能性が高くなるが、圧縮率が90%を超えず、厚みが0.5mm以上であれば、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことが防止される効果は維持される。
したがって、上記介在帯8、当接枠3及び響板11の間に隙間がない状態とされる。これにより、上記介在帯8、当接枠3及び響板11の間で、互いが振動でぶつかりあうことがなくなり、異常振動/異常音が発生してしまうことがなくなり、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
上記楽音装置本体の当接枠3と響板11との間には、この可撓性、弾性または/及びクッション性のある介在帯8が介在されているので、響板11は楽音装置本体つまり当接枠3に直接接触しない状態となる。したがって、響板11の音/振動が楽音装置本体に直接伝わらず、響板11から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。このような介在帯8が無いと、響板11の振動に抵抗がかかって音量が低下してしまうが、このような介在帯8があると、響板11の振動に抵抗がかからず、音量が大きくなる。
(4)他の実施の形態
本件発明は上記実施例に限定されず、本件発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、当接枠3は省略されて、底板2、右下内側板4、左下内側板5、中天板7の後縁に介在帯8を介して響板11が取り付けられるなどされてもよく、また右外側板24、左外側板25等の後縁に介在帯8を介して響板11が取り付けられるなどされてもよく、当接体は楽音装置本体の一部であってもよい。
介在帯8は、可撓性、弾性またはクッション性があれば、どのような素材からなっていてもよい。響板11前面と当接枠3後面とは一部または全部重複していたが、全く重複しなくてもよい。この場合、介在帯8の一部に、響板11前面と当接枠3後面とで挟まれない箇所ができることになる。
響板11は楽音装置本体(底板2、当接枠3、右下内側板4、左下内側板5、前面板6、中天板7)に全く接触しない状態であるが、一部接触してもよい。響板11の全周縁には介在帯8が一部隙間あるように介在されてもよく、響板11の全周縁と楽音装置本体との間には隙間が少々あってもよい。
上記響板11が取り付けられる楽音装置本体の、響板11が取り付けられる側、上側、下側、右側、左側の一部に隙間があってもよい。響板11が取り付けられる楽音装置本体の、響板11が取り付けられる側と反対側の挿通穴9は省略されてもよいし、挿通穴9の形状は垂直方向、斜め方向、円形、楕円形、多角形などどのような形状でもよい。挿通穴9の一部または全体が省略されても良い。右下内側板4及び左下内側板5または右外側板24及び左外側板25の一方が一部または全体が省略されてもよい。
響板11の枠棒12の一部または全部が省略されても良いし、響板の響棒13…または枠棒12の一部または全部が省略されても良い。響板11の響棒13…または枠棒12の断面形状は方形、三角形、多角形、円形、楕円、半円形、かまぼこ形、扇形など細長ければどのような形状でもよい。響棒13…または枠棒12の太さは均一でもよいし、細い太いが交互に入れ換わったり、中央が細くなったり太くなったり、端が太くなったり細くなったりしてもよい。
楽音装置本体(底板2、当接枠3、右下内側板4、左下内側板5、前面板6、中天板7)は、箱型であったが、八面体、十二面体、円筒、円柱、テーパ状、ラッパ状、球形、湾曲立体など、どのような形状であってもよい。響板の形状は方形以外に、円形、多角形、環状など、平坦であればどのような形状でもよい。
上記響板11は、平坦であるが、凹条に湾曲していても良いし、凸状に湾曲していてもよい。これにより、響板11から発生される楽音の波形は平面波ではなく、球面波になる。電磁駆動ユニット(電磁駆動体)14は、スピーカー、ツィーターなどに置き換えられても良い。
また、本件発明の装置を取り付ける楽器は、アップライトピアノ、グランドピアノ、電子ピアノ、電子オルガン、チェンバロ、電子チェンバロ、ピアニカ、電子ピアニカなど鍵盤があればどのような楽器でもよい。この場合、響板11はほぼ垂直方向/ほぼ縦向きではなくほぼ水平方向/ほぼ横向きに配置されるので、電磁駆動ユニット14もほぼ横向き/水平方向向きにされて取り付けられる。
さらに、電磁駆動ユニット14の取付け位置は、響板11の端部ではなく、中央に近いところまたは中央でも良い。電磁駆動ユニット14は、1つの響板11に複数取り付けられてもよい。この場合、電磁駆動ユニット14は、響板11の両端部の互いに対称な位置に取り付けられる。電磁駆動ユニット14からは低音ではなく、高音、中音などが出力されてもよい。
さらに、上記複数種類の楽音からなる楽音信号は、複数種類の楽器、音色、音高または/及びタッチの楽音の信号からなっており、ポリフォニックに発音される楽音の信号であり、低音、中音、高音の各周波数帯域の楽音が含まれている。このような楽音信号には、楽器の弦自体、管自体、打自体の部分の楽音の信号ほか、響板部分の楽音の信号も含まれるが、弦自体、管自体、打自体の部分の楽音の信号のみでもよいし、実際のアコースティック楽器の響板部分の楽音の信号のみでもよいし、上記複数種類の楽音からなる楽音信号はPCMなどのデジタル信号でも良い。
(5)他の発明の効果
[1]振動されて音を放射する楽器の響板と、 複数種類の楽音からなる楽音信号を機械的変化に変換して、上記楽器の響板を駆動させて音を放射させる電磁駆動体と、 楽音装置本体に設けられた、上記響板の縁が当接される当接体と、 この当接体と上記響板の縁との間に挟まれる可撓性を有する介在体とを備えたことを特徴とする楽音装置。
[2]振動されて音を放射する楽器の響板と、 複数種類の楽音からなる楽音信号を機械的変化に変換して、上記楽器の響板を駆動させて音を放射させる電磁駆動体と、 楽音装置本体に設けられた、上記響板の縁が当接される当接体と、 この当接体と上記響板の縁との間に挟まれる可撓性を有する介在体と、 上記響板は楽音装置本体に全く接触しない状態であって、上記介在体、当接体及び響板の間に隙間がない状態であり、当該介在体の厚さを0%乃至90%圧縮する状態で、響板を当接体に押し付けて固定する固定機構とを備えたことを特徴とする楽音装置。
[3]上記響板の全周縁には上記介在体が隙間なく介在され、当該響板の全周縁と楽音装置本体との間には隙間がなく密封されていることを特徴とする請求項1または2記載の楽音装置。これにより、響板の周囲から響板からの音が漏れず、響板から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
[4]上記響板が取り付けられる楽音装置本体の、響板が取り付けられる側、上側、下側、右側、左側は隙間なく密封されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の楽音装置。これにより、響板の左右上下から響板からの音が漏れず、響板から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
[5]上記響板が取り付けられる楽音装置本体の、響板が取り付けられる側と反対側には挿通穴が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の楽音装置。楽音装置の響板とは反対側に響板の音が放射され、この放射音と響板からの音とは互いに打ち消しあったり悪影響を及ぼしあったりすることがなく、響板から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなり、響板の振動が楽音装置の前面にも放射され、実際のアコースティックな鍵盤楽器のような感触が得られる。
[6]上記介在体は、上記可撓性のほか、弾性または/及びクッション性も有することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の楽音装置。これにより、響板の音が楽音装置本体に伝わらず、響板から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
[7]上記介在体の厚さは、0%乃至90%、望ましくは0%乃至80%、より望ましくは0%乃至70%、さらに望ましくは0%乃至60%、よりさらに望ましくは0%乃至50%、さらにより望ましくは0%乃至45%、よりさらに望ましくは0%乃至40%、さらにより望ましくは0%乃至35%、よりさらに望ましくは0%乃至30%、さらにより望ましくは0%乃至25%、よりさらに望ましくは0%乃至20%、さらにより望ましくは0%乃至15%、よりさらに望ましくは0%乃至10%圧縮されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の楽音装置。
これにより、当接体、介在体及び/または響板の間に隙間ができず、これらの間で異常な振動/音/共振が発生せず、響板から発せられる楽音が不用意に変異したり音量が減少したりしてしまうことがなくなる。
[8]上記楽音装置は鍵盤楽器であり、上記響板は、この鍵盤楽器の楽音装置の背面側に取り付けられ、楽音装置の正面側の鍵盤の下側に挿通穴が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の楽音装置。これにより、響板の振動が鍵盤に伝播され、実際のアコースティックな鍵盤楽器のような感触が得られる。
響板が楽音装置本体に接触せず、当該介在体の厚さを圧縮する状態で、響板を当接体に押し付けて固定することにより、響板からの振動が楽音装置全体に直接伝わってしまうことがなくなる。
楽音装置の垂直な方形の当接枠3の後面と響板11の外周縁野前面との間には、可撓性、弾性及びクッション性を有する介在帯8が挟まれ、響板11が当接枠3に押し付けられる。これにより、響板11からの振動が楽音装置全体に直接伝わってしまうことがないし、介在帯8、当接枠3及び響板11の間で共振が生じることもなく、響板11から発せられる楽音が不用意に変異してしまうことがなくなり、実際のアコースティックな楽器の楽音に近づけることができる。
楽音装置の背面を示す。 楽音装置の正面を示す。 楽音装置の縦断面を示す。 楽音装置の縦断面を示す。 楽音装置の横断面を示す。
符号の説明
1…足部、2…底板、3…当接枠、
4…右下内側板、5…左下内側板、
6…前面板、7…中天板、
8…介在帯(介在体)、9…挿通穴、
11…響板、12…枠棒、13…響棒、
14…電磁駆動ユニット(電磁駆動体)、
21…機構箱、22…鍵盤、23…木ねじ、
24…右外側板、25…左外側板。

Claims (8)

  1. 振動されて音を放射する楽器の響板と、
    複数種類の楽音からなる楽音信号を機械的変化に変換して、上記楽器の響板を駆動させて音を放射させる電磁駆動体と、
    楽音装置本体に設けられた、上記響板の縁が当接される当接体と、
    この当接体と上記響板の縁との間に挟まれる可撓性を有する介在体とを備えたことを特徴とする楽音装置。
  2. 振動されて音を放射する楽器の響板と、
    複数種類の楽音からなる楽音信号を機械的変化に変換して、上記楽器の響板を駆動させて音を放射させる電磁駆動体と、
    楽音装置本体に設けられた、上記響板の縁が当接される当接体と、
    この当接体と上記響板の縁との間に挟まれる可撓性を有する介在体と、
    上記響板は楽音装置本体に全く接触しない状態であって、上記介在体、当接体及び響板の間に隙間がない状態であり、当該介在体の厚さを0%乃至90%圧縮する状態で、響板を当接体に押し付けて固定する固定機構とを備えたことを特徴とする楽音装置。
  3. 上記響板の全周縁には上記介在体が隙間なく介在され、当該響板の全周縁と楽音装置本体との間には隙間がなく密封されていることを特徴とする請求項1または2記載の楽音装置。
  4. 上記響板が取り付けられる楽音装置本体の、響板が取り付けられる側、上側、下側、右側、左側は隙間なく密封されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の楽音装置。
  5. 上記響板が取り付けられる楽音装置本体の、響板が取り付けられる側と反対側には挿通穴が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の楽音装置。
  6. 上記介在体は、上記可撓性のほか、弾性または/及びクッション性も有することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の楽音装置。
  7. 上記介在体の厚さは、0%乃至90%、望ましくは0%乃至80%、より望ましくは0%乃至70%、さらに望ましくは0%乃至60%、よりさらに望ましくは0%乃至50%、さらにより望ましくは0%乃至45%、よりさらに望ましくは0%乃至40%、さらにより望ましくは0%乃至35%、よりさらに望ましくは0%乃至30%、さらにより望ましくは0%乃至25%、よりさらに望ましくは0%乃至20%、さらにより望ましくは0%乃至15%、よりさらに望ましくは0%乃至10%圧縮されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の楽音装置。
  8. 上記楽音装置は鍵盤楽器であり、上記響板は、この鍵盤楽器の楽音装置の背面側に取り付けられ、楽音装置の正面側の鍵盤の下側に挿通穴が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の楽音装置。
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