JP4528280B2 - 楽音装置及び楽音制御方法。 - Google Patents

楽音装置及び楽音制御方法。 Download PDF

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本件発明は、楽音装置及び楽音制御方法に関し、特に、楽器の響板を振動させて、この響板から楽音を発音・放音させるものに関する。
従来、このような響板(振動板)を振動させるものでは、ピアノの響板に電磁駆動体を接合し、この電磁駆動体に楽音信号を送り込んで、電磁駆動体ではなく、響板を振動させて、この響板から楽音を発音・放音させている。
特開平8−146949号公報 特開平8−111896号公報 特開平4−156799報 特開昭53−69624号公報 特開平4−56996号公報 特開平5−80748号公報 特開平5−73039報
しかしながら、このような響板(振動板)を振動させるものでは、響板が弾性限界を超えて塑性変形を起こしてしまうことがあり、響板が塑性変形してしまうと響板は元にもとらず非常に歪んだ音になってしまっていた。また、たとえ塑性変形しなくても、響板の比例限界を超えて振動させると、元の楽音信号の波形が歪んだ状態になってしまい、澄んだ楽音を出力できなくなっていた。
一方、このような響板を振動させる楽音信号というものは、ヘッドフォンや通常のスピーカーで聞く場合には、上記比例限界、弾性限界、塑性変形などを考慮する必要はなく、そのまま出力しても澄んだ楽音を聴くことができる。
そこで、同じ楽曲について、ヘッドフォンや通常のスピーカー用の楽音信号と、響板振動用の楽音信号の両方を用意・準備して、使い分けることも可能である。しかし、これでは、用意するデータが多くなってしまい無駄が大きくなっていた。
上記目的を達成するために、本件発明は、 複数種類の楽音からなる楽音信号を所定の周波数帯域ごとに分け、この分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、低音域または中音域の楽音信号を機械的変化に変換して、楽器の大中響板を駆動させる低音域または中音域の電磁駆動体と、 上記分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、高音域の楽音信号を機械的変化に変換して、上記大中響板より小さく、当該大中響板と分離された、楽器の小響板を電磁駆動させる高音域の電磁駆動体と、上記低音域または中音域の楽音信号に対して、所定レベル以上の振幅をほぼ一定値に制限し、このレベル制限によって、当該機械的変化が当該大中響板の比例限界または弾性限界を超えないようにするリミッター手段と、 上記複数種類の楽音からなる楽音信号を、上記大響板及び小響板並びに中低音域の電磁駆動体及び高音域の電磁駆動体に送り込まず、スピーカーに送り込むときには、上記リミッター手段を経ないで送り込む切換手段とを備えた。
これにより、1つの楽音信号をスピーカー用(ヘッドフォンも含む。)と響板用とに兼用できる。しかも、スピーカーでも響板でも澄んだ楽音を発音・放音させることができる。そして、響板を振動させる場合、低音域または中音域の楽音信号のレベルを制限するので、響板から発音・放音させるときは、低音域または中音域を制限して、スピーカーの音と響板の音とが同じ楽音信号であっても聴覚上違和感が生じない。
さらに、低音域または中音域の楽音信号のレベルを制限するとともに、高音域の楽音信号のレベルを制限しないようにすると、響板から発音・放音させるときは、低音域または中音域を制限して、高音域を相対的に強調することができる。
ここで、高音域の楽音の振幅は中音域または低音域の楽音に比べて一般的には小さく、また小響板は大中響板より小さく当該大中響板と分離されているので、小響板は塑性変形しにくく、レベルを制限しなくても大丈夫である。
また、大中響板及び小響板は、水平方向に延びており、縦に並んで配置されていれば、高音、中音、高音、低音の発生体が縦に並んで配置され、しかもこれら各音が平面波なので、各高音、中音、高音、低音ごとにつき、耳の位置が左右にずれても上下にずれても、左右の耳に音圧の差を感じにくいし、耳の位置によって 音像位置がずれることがなく、聴覚上違和感が生じない。
(1)響板1、2、3及び4の構造
図1及び図2は、大響板1、中響板2及び小響板3、4の構造を示す。大響板1、中響板2及び小響板3、4は、長方形の板状で、同じ厚さ、同じ幅(水平方向の長さ)であるが、高さは異なっていて、結果的に大きさが異なっている。大響板1、中響板2、小響板3、4の順番で、各響板1、2、3、4の高さは小さくなっており、大きさも小さくなっている。
これらの大響板1、中響板2、小響板3、4の両端は、枠板5、5に接着剤で接着または釘、ボルト、木ねじなどで固定などされている。枠板5、5は、側板、枠木、側面の響板、支柱、骨組、屋根、底板、棚、フレームなどである。これら大響板1、中響板2、小響板3、4の裏面には響棒6…が縦または斜めに接合、接着または釘、ボルト、木ねじなどで固定などされている。
この響棒6…は無くてもよい。この響棒6…があると、大響板1、中響板2、小響板3、4のうちのある響板の振動が他の響板に伝わる。この響棒6…が無いと、大響板1、中響板2、小響板3、4の各振動は独立し、ある響板の振動が他の響板には伝わらない。
このような響棒6…の存在の有無、配置間隔、配置位置または配置本数によって、響板1〜4の振動モードを制御でき、響板1〜4から発音・放音される楽音の特定の周波数だけが大きくなったり小さくなったりするのを防ぐことができる。このような大響板1、中響板2、小響板3、4、響棒6…は、電子ピアノ、電子オルガンなどの、電子楽器またはアコーステック楽器またはこれらの結合楽器といった、実際の楽器の響板、響棒となる。
上記大響板1、中響板2、小響板3、4は、水平方向に延びており、上から、小響板3、中響板2、小響板4、大響板1の順で配置されている。そして、これら小響板3、中響板2、小響板4、大響板1の水平方向の長さ(幅)は、同じである。したがって、複数種類の楽音からなる楽音信号のうち、高音、中音、高音、低音の順番で、上から下へ分けられて、これら各音域の楽音信号に応じた機械的変位/機械的変化/機械的振動が行なわれ、楽音が発音・放音される。
ところで、大響板1、中響板2、小響板3、4は平坦で、表面は平面になっている。したがって、これら響板1、2、3及び4から発音・放音される音は平面波となり、球面波の場合に比べて、耳の位置によって左右の耳に音圧の差が生じることがないし、広い範囲にわたって音像位置が一定位置で形成されることができ、響板1、2、3及び4に対する耳の位置がかなりずれても、左右の耳に音圧の差を感じないし、音像がずれない。
そうすると、上述のように高音、中音、高音、低音が縦に並んで配置され、しかもこれら各音が平面波なので、各高音、中音、高音、低音ごとにつき、耳の位置が左右にずれても上下にずれても、左右の耳に音圧の差を感じにくいし、耳の位置によって 音像位置がずれることがなく、聴覚上違和感が生じない。
なお、大響板1、中響板2、小響板3、4が横に並んで配置されてもよいが、そうすると、高音、中音、高音、低音の各音域の左右の耳への音圧に差が生じるし、各音域の音像位置も耳の位置によってずれることとなり、聴覚上違和感が生じる。
また、高音域の楽音は低音域または中音域の楽音に比べて、指向性が強いため、小響板3、4のように、広い範囲から楽音を放射させると、広い範囲にわたって均等に高音域の楽音を与えることができ、左右の耳に音圧の差を感じにくいし、耳の位置によって 音像位置がずれることがなく、聴覚上違和感が生じない。
また、大響板1、中響板2、小響板3、4は、音像形成のためのステレオチャンネルに応じて、一対または複数対ずつ縦に並んで設けられてもよい。図1及び図2では設けられていないので、音像が形成されないが、各音域の左右の耳への音圧に差が生じることはない効果は達成される。
なお、大響板1、中響板2、小響板3、4の水平方向の長さ(幅)は、異なっていてもよい。この場合、大響板1、中響板2、小響板3、4の各中心位置は、縦の一直線にそろっているが、そろっていなくてもよい。これでも、上記各音域の左右の耳への音圧に差が生じない範囲、各音域の音像位置も耳の位置によってずれない範囲は狭く小さくなるが、各音域の左右の耳への音圧に差が生じないし、各音域の音像位置も耳の位置によってずれない効果は保たれる。
上記小響板3は、大響板1と中響板2との間に配置されている。したがって、各周波数帯域の音圧または各周波数帯域の音像位置につき、低音域と中音域の各楽音の間に高音域の楽音を挟み込むような状態にすることができ、高音域の音圧または音像位置が低音域及び中音域の楽音から遊離してしまうことがなくなる。
さらに、小響板4は、中響板2の上に配置され、上記小響板3と小響板4とで中響板2を挟むように配置される。したがって、中音域の音圧または音像位置につき、高音域の各楽音の間に中音域の楽音を挟み込むような状態にすることができ、中音域の音圧または音像位置が高音域の楽音から遊離してしまうことがなくなる。
また、小響板3と大響板1との間には、仕切り板7が挟まれている。この仕切り板7は全く振動しないので、大響板1の機械的振動/機械的変化/機械的変位が小響板3に伝わらず、小響板3の機械的振動/機械的変化/機械的変位が大響板1に伝わらず、各音域の楽音に悪影響を与えたり、不要な共振を起こしたりすることがない。
上記大響板1、小響板3、中響板2、小響板4の裏面には、低音電磁駆動ユニット11、高音電磁駆動ユニット13、中音電磁駆動ユニット12、高音電磁駆動ユニット14が接合(取付け/連結/接着を含む。以下同じ)されている。この接合は接着剤での接着、釘、ボルト、木ねじなどでの固定などである。
これら響板1、3、2、4を表側から見て、低音電磁駆動ユニット11は大響板1の中心から左側にずれた位置にあり、高音電磁駆動ユニット13は小響板3の中心から左側にずれた位置にあり、中音電磁駆動ユニット12は中響板2の中心から右側にずれた位置にあり、高音電磁駆動ユニット14は小響板4の中心から右側にずれた位置にある。
このように、電磁駆動ユニット11〜14が各響板1〜4の中心からずれた位置にあると、響板1〜4の共振を防ぐことができる。なお、電磁駆動ユニット11〜14は各響板1〜4の中心に位置してもよい。これにより、各響板1〜4を大きく振動/変化/変位させて、より大きな音を出すことができる。
これら電磁駆動ユニット11〜14は各響板1〜4の上下の縁の中央に位置している。これにより、各響板1〜4を大きく振動/変化/変位させることができる。なお、電磁駆動ユニット11〜14は各響板1〜4の上下の縁の中央に位置せず、各響板1〜4の角に近い箇所に位置してもよい。これにより、大きな音は出なくなるが、共振をより少なくすることができる。
上記中音電磁駆動体12と上記低音電磁駆動体11とは、中響板2または/及び大響板1の中心に対して、反対側の位置に接合され位置している。したがって、低音と中音とにつき、左右の偏りを少なくできる。
また、上記高音電磁駆動体13と上記高音電磁駆動体14とは、小響板3または/及び小響板4の中心に対して、反対側の位置(ほぼ点対称の位置)に接合され位置している。したがって、2つの高音の左右の偏りを無くすことができ、ほぼ左右均等にすることができる。
さらに、上述したように、高音域の楽音は低音域または中音域の楽音に比べて、指向性が強いが、高音電磁駆動体13と上記高音電磁駆動体14とが小響板3または/及び小響板4の中心に対して、反対側の位置(ほぼ点対称の位置)に接合されているので、左右の広い範囲にわたって均等に高音域の楽音を与えることができ、左右の耳に音圧の差を感じにくいし、耳の位置によって 音像位置がずれることがなく、聴覚上違和感が生じない。
上記中響板2の右端から中音電磁駆動体12までの長さは、上記小響板4の右端から高音電磁駆動体14までの長さより、長くなっている。これにより、中音電磁駆動体12と高音電磁駆動体14と接近し過ぎず、互いに振動を加えあったり共振しあったりするなどの悪影響がなくなる。
(2)響板1、2、3及び4の変位特性/変化特性
図3は大響板1、中響板2(木製)の変位特性を示し、図4は小響板3、4(金属製)の変位特性を示す。図3の縦軸1、2は響板に加えられる力の値であり、横軸は加えられた力に対する響板1、2の変位量/変化量/振動振幅である。図4の縦軸3、4は響板に加えられる力の値であり、横軸は加えられた力に対する響板3、4の変位量/変化量/振動振幅である。
上記大響板1及び中響板2の材質は、乾燥されたまたは水分を含んだ木材または樹脂が含浸された、含浸されていない木材、ガラスまたは硬質樹脂(アクリル)などであり、通常のアコーステックなピアノ・オルガンなどの鍵盤楽器、電子ピアノ・電子オルガンなどの電子的な鍵盤楽器に使われる木材と同じものが用いられる。なお、チェロ、バイオリンなどの弦楽器の前板、裏板、側板、胴、指板など、木琴・太鼓などの打楽器の発音体、膜、胴などの木製部分などと同じ材質でもよい。
上記小響板3、4の材質は、アルミニウム、ステンレス、鉄、チタン、マグネシウム、真鍮、プラチナまたはこれらの合金、冷間圧延鋼板などの鋼板、ガラス、硬質樹脂(アクリル)などである。なお、フルート、オーボエなどの管楽器の管、本体など、シンバル、トライアングルなどの打楽器の発音体、胴などの金属製部分などと同じ材質でもよい。
このような金属・樹脂などの小響板3、4は、上記木材・樹脂などの大響板1及び中響板2に比べて、より固く、より硬度が高く、より弾性が大きく、よりヤング率が大きく、比例限界、弾性限界または塑性変形を開始する単位面積当たりの力が大きく、機械的変位、機械的変化または機械的振動の伝達効率がより優れている。また熱伝導率もよく、電磁駆動ユニット11〜14が発する熱を円滑に放熱する。
上記図3及び図4において、比例限界の範囲内で、響板1、2、3、4に電磁駆動ユニット11、12、13、14で力を加えていると、響板1、2、3、4は弾性変形/弾性変化し、しかもこの変化/変位は印加された力に比例している。したがって、比例限界の範囲内で電磁駆動ユニット11、12、13、14に楽音信号を供給して駆動すれば、響板1、2、3、4の振動波形は印加される楽音信号の波形に一致/比例し、響板1、2、3、4から発音/放音される楽音に歪が生じない。
さらに、比例限界を超えた力が加わると、響板1、2、3、4の変位/変化はこの印加力に比例しなくなり、響板1、2、3、4の振動波形は印加される楽音信号の波形に対してずれが生じ、響板1、2、3、4から発音/放音される楽音に歪が生じる。
また、弾性限界を超えた力が加わると、響板1、2、3、4は塑性変形を起こし、響板1、2、3、4の振動波形は印加される楽音信号の波形に対してずれが生じるばかりでなく、印加する力を「0」にしても、もはや響板1、2、3、4の変位/変化は「0」に戻らなくなり、永久ひずみが残ることになる。
このような響板1、2、3、4は、塑性変形を起こさないように弾性限界までの範囲内で発音されるのがよい。望ましくは、このような響板1、2、3、4は、比例限界までの範囲内で発音されるのがよい。印加される楽音信号に対して響板1、2、3、4の振動楽音に歪が生じないからである。このため、響板1、2(場合によって響板3、4)の機械的変化/機械的変位/機械的振動が、響板1、2、3、4の比例限界(または弾性限界)を超えないように後述するリミッター処理がなされる。
図3及び図4に示すように、金属製の小響板3、4は、木製の大響板1、中響板2に比べて、ヤング率が小さくて同じ印加力(縦軸)に対して変位量/変化量(横軸)が大きく、さらに比例限界、弾性限界、降伏値のいずれもが大きい。
このような金属製の小響板3、4は、木製の大響板1、中響板2に比べて、振動・音の伝播速度がより大きいため、上記平面波の歪みが少なくなり、より平坦になるので、左右の耳に音圧の差を感じにくくなるし、耳の位置によって 音像位置がずれることがなく、聴覚上違和感が生じない。
また、金属製の小響板3、4は、同じ寸法の木製の大響板1、中響板2に比べて、全く同じ楽音を発音・放音させても、非調和音成分がより多く含まれ、この非調和音成分は高い周波数に多く存在するので、楽音をきらびやかな感じにすることができ、楽音に幅と奥行きを生じさせることができる。また、この非調和音成分が多くなる分、全体音量も大きくなる。
(3)電磁駆動ユニット11、12、13及び14の構造
電磁駆動ユニット11、12、13及び14はコイルと磁石とからなり、コイルに上記楽音信号が流れると、コイルに生じる磁界と磁石の磁界との相互作用によって、コイルまたは磁石が振動する。コイルと磁石のうち一方を、上記響板1、2、3、4より重い楽器本体側に固定し、他方を上記響板1、2、3、4に接合(取付け/連結/接着を含む)させる。この接合は接着剤での接着、釘、ボルト、木ねじなどでの固定などである。
これにより、楽器本体に対して響板1、2、3、4の方を電磁駆動させて振動させることができる。電磁駆動ユニット11、12、13及び14は、スピーカーとは異なり、それ自体は発音/放音せず、接合された他の物体を電磁駆動させて振動させ発音/放音させるものである。このような電磁駆動ユニット11、12、13及び14は、特開平8−146949号公報、特開平8−111896号公報などに開示されている。
(4)電磁駆動ユニット11、12、13及び14の駆動回路
図5は、上記電磁駆動ユニット11、12、13及び14の駆動回路を示す。D−A変換器20からは、複数種類の楽音からなるアナログの楽音信号が出力される。この楽音信号は、複数種類の楽器、音色、音高または/及びタッチの楽音の信号からなっており、ポリフォニックに発音される楽音の信号であり、低音、中音、高音の各周波数帯域の楽音が含まれている。
このような楽音信号には、楽器の弦自体、管自体、打自体の部分の楽音の信号ほか、響板部分の楽音の信号も含まれるが、弦自体、管自体、打自体の部分の楽音の信号のみでもよいし、響板部分の楽音の信号のみでもよい。
この楽音信号は、4つの低域フィルタ21、中域フィルタ22、高域フィルタ23、24で各周波数帯域の楽音が抽出され各周波数帯域ごとに分けられる。図6は4つの低域フィルタ21、中域フィルタ22、高域フィルタ23、24の周波数特性を示す。低域フィルタ21は周波数の低い低音の周波数成分を主に通過させ、高域フィルタ23、24は周波数の高い高音の周波数成分を主に通過させ、中域フィルタ22はこれらの周波数の中間の中音の周波数成分を主に通過させる。
ここで、周波数の高い成分においては、低域フィルタ21より中域フィルタ22の方の減衰量が大きく、周波数の高い成分は中域フィルタ22より低域フィルタ21の方がより多く通過される。これにより、高音成分は中響板2よりも大響板1からより多く出力され、目立ちにくい高音がより強調され、しかも同じ大響板1から低音とあわせて発音/放音されても、中音とあわせて発音/放音される場合に比べて、低音と高音との区別が容易である。
上記低域フィルタ21、中域フィルタ22からの低音と中音の楽音信号は、低音リミッター回路25、中音リミッター回路26で所定レベル以上の振幅がほぼ一定値に制限される。高域フィルタ23、24からの低音と中音の楽音信号は、リミッターを通過されないので、所定レベル以上の振幅であっても当該レベルは制限されないで出力される。
これらの楽音信号は、4チャンネルの可変抵抗器27で、音量調節が行なわれ、パワーアンプ28、29、30、31で増幅されて、切換スイッチ38、39、40、41を経て、上記低音の楽音信号は上記低音電磁駆動ユニット11の上記コイルに送り込まれ、上記中音の楽音信号は上記中音電磁駆動ユニット12の上記コイルに送り込まれ、上記高音の楽音信号は上記高音電磁駆動ユニット13、14の上記コイルに送り込まれる。
上記低音リミッター回路25、中音リミッター回路26では、上記大響板1または/及び中響板2の機械的変化/機械的変位/機械的振動が大響板1または/及び中響板2の比例限界または弾性限界を超えないように、低音または/及び中音の楽音信号のレベルが制限される。これにより、大響板1または/及び中響板2からの低音または/及び中音に歪が生じない。
上記制限される所定レベル以上の振幅は、低音リミッター回路25、中音リミッター回路26とでは、同じであるが、異なっていてもよい。この場合、制限される所定レベル以上の振幅は、低音リミッター回路25の方が小さいが、中音リミッター回路26の方が小さくてもよい。
上記D−A変換器20からの、低音または/及び中音の楽音信号のレベルが制限されていない楽音信号は、切換スイッチ32を経て、ヘッドフォン(スピーカー)33へ送り込まれる。この場合、ヘッドフォン33で聞く場合には、上記比例限界、弾性限界、塑性変形などを考慮する必要はなく、そのまま出力しても澄んだ楽音を聴くことができる。これにより、切換スイッチ32を切り換えるだけで、1つの楽音信号をスピーカー用(ヘッドフォンも含む。)と響板用とに兼用できる。
また、上記4つの低域フィルタ21、中域フィルタ22、高域フィルタ23、24からの4つの楽音信号は、切換スイッチ34、35、36、37を経て、上記パワーアンプ28、29、30、31で増幅され、上記切換スイッチ38、39、40、41を経て、4つのスピーカー42、43、44、45で発音/放音される。
この場合、スピーカー42、43、44、45で聞く場合には、上記比例限界、弾性限界、塑性変形などを考慮する必要はなく、そのまま出力しても澄んだ楽音を聴くことができる。これにより、切換スイッチ34、35、36、37及び切換スイッチ38、39、40、41を切り換えるだけで、1つの楽音信号をスピーカー用と響板用とに兼用できる。
(5)他の実施の形態
本件発明は上記実施例に限定されず、本件発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記複数種類の楽音からなる楽音信号はPCMなどのデジタル信号でも良いし、低域フィルタ21、中域フィルタ22、高域フィルタ23、24、低音リミッター回路25、中音リミッター回路26、可変抵抗器27、パワーアンプ28、29、30、31はデジタル信号を処理するデジタル回路でもよい。
上記楽音信号が分けられる周波数帯域は、高音、低音の2つでも良いし、これに応じて、中域フィルタ22、中音リミッター回路26、中音電磁駆動ユニット12、中響板2などが省略されてもよいし、4つ以上の周波数帯域に分けられてもよく、これに応じてフィルタ、リミッター回路、電磁駆動ユニット、響板などがさらに設けられてもよい。
上記中音リミッター回路26は省略され、中域フィルタ22からの中音域の楽音信号に対してリミッター処理が実行されなくてもよい。また上記低音リミッター回路25は省略され、低域フィルタ21からの低音域の楽音信号に対してリミッター処理が実行されなくてもよい。
ヘッドフォン33へ送り込む楽音信号は低域フィルタ21、中域フィルタ22、高域フィルタ23、24からの各楽音信号を合成したものでもよいし、スピーカー42、43、44、45へ送りこむ楽音信号は、D−A変換器20からの楽音信号が増幅されたものでもよい。
上記小響板3、4はいずれか一方が省略されてもよい。上記小響板3、4は3つ以上設けられ、大響板1及び/または中響板2は2つ以上設けられてもよい。この場合、複数にされた同じ響板は、通常は材質・大きさ・厚さ・幅・長さ・高さ・機械的振動の伝達効率は同じであるが、これらの一部または全部が異なっていてもよい。
上記高音電磁駆動ユニット13、14もいずれか一方が省略されてもよい。上記高音電磁駆動ユニット13、14は3つ以上設けられ、低音電磁駆動ユニット11及び/または中音電磁駆動ユニット12は2つ以上設けられてもよい。この場合、複数にされた同じ電磁駆動ユニットは、通常は大きさ・性能・仕様は同じであるが、これらの一部または全部が異なっていてもよい。
上記の場合において、複数にされた同じ響板には、ステレオの各チャンネル(左右など)の楽音信号が供給されて発音/放音されてもよい。これにより、各周波数帯域ごとに平面波で広い範囲にわたって音像を形成することができる。
上記低音電磁駆動ユニット11と中音電磁駆動ユニット12とは、響板1〜4の中心に対して互いに反対側に位置し、高音電磁駆動ユニット(下)13と高音電磁駆動ユニット(上)14とは、響板1〜4の中心に対して互いに反対側に位置していたが、それぞれが同じ側に位置してもよい。
上記響板1、2、3、4は、平坦であるが、凹条に湾曲していても良いし、凸状に湾曲していてもよい。これにより、響板1、2、3、4から発生される楽音の波形は平面波ではなく、球面波になる。上記ヘッドフォン33またはスピーカー42、43、44、45の一方または両方は省略されてもよい。
仕切り板7は省略されて、この部分に何も存在せず、隙間になっていてもよい。これにより、響板1〜4の内と外で通気性が保たれ、湿気を排出したり、乾燥しすぎたりするのを防ぐことができる。このような隙間は全く振動しないので、大響板1の機械的振動/機械的変化/機械的変位が小響板3に伝わらず、小響板3の機械的振動/機械的変化/機械的変位が大響板1に伝わらず、各音域の楽音に悪影響を与えたり、不要な共振を起こしたりすることがない。
この場合、響棒6…は、大響板1と小響板3との間の隙間で分断されるが、繋がっていてもよい。また、この分断される場合には、大響板1の裏面の響棒6…と小響板3、4、中響板2の各裏面の響棒6…の有無、配置位置、配置間隔、配置本数は異なっていても良いし、同じでもよい。
上記高音域の楽音信号についても、または上記高音域の楽音信号だけにつき、所定レベル以上の振幅をほぼ一定値に制限してもよい。この場合、高域フィルタ23及び24からの高音域の楽音信号が、リミッター回路25、26と同様のリミッター回路を経て、可変抵抗器27へ送り込まれ、小響板3、4が振動・発音される。
ここで、高音域、中音域、低音域で制限される所定レベル以上の振幅は、同じ、異なっている、高音域ほどこの振幅が大きく、または高音域ほどこの振幅が小さくてもよい。これにより、各音域ごとに制限される振幅の大きさを異ならせて、強調したい音域を選んだり変更したり切り換えたりできる。
(9)他の発明の効果
[1] 複数種類の楽音からなる楽音信号を所定の周波数帯域ごとに分け、この分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、低音域または中音域の楽音信号を機械的変化に変換して、楽器の大中響板を駆動させる低音域または中音域の電磁駆動体と、 上記分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、高音域の楽音信号を機械的変化に変換して、上記大中響板より小さく、当該大中響板と分離された、楽器の小響板を電磁駆動させる高音域の電磁駆動体と、上記低音域または中音域の楽音信号に対して、所定レベル以上の振幅をほぼ一定値に制限し、このレベル制限によって、当該機械的変化が当該大中響板の比例限界または弾性限界を超えないようにするリミッター手段と、 上記複数種類の楽音からなる楽音信号を、上記大響板及び小響板並びに中低音域の電磁駆動体及び高音域の電磁駆動体に送り込まず、スピーカーに送り込むときには、上記リミッター手段を経ないで送り込む切換手段とを備えたことを特徴とする楽音装置。
これにより、1つの楽音信号をスピーカー用(ヘッドフォンも含む。)と響板用とに兼用できる。しかも、スピーカーでも響板でも澄んだ楽音を発音・放音させることができる。そして、響板を振動させる場合、低音域または中音域の楽音信号のレベルを制限するので、響板から発音・放音させるときは、低音域または中音域を制限して、スピーカーの音と響板の音とが同じ楽音信号であっても聴覚上違和感が生じない。
[2] 複数種類の楽音からなる楽音信号を所定の周波数帯域ごとに分け、この分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、低音域または中音域の楽音信号を機械的変化に変換して、楽器の大中響板を駆動させる低音域または中音域の電磁駆動体と、 上記分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、高音域の楽音信号を機械的変化に変換して、上記大中響板より小さく、当該大中響板と分離された、楽器の小響板を電磁駆動させる高音域の電磁駆動体と、上記低音域または中音域の楽音信号に対して、所定レベル以上の振幅をほぼ一定値に制限し、このレベル制限によって、当該機械的変化が当該大中響板の比例限界または弾性限界を超えないようにし、高音域の楽音信号に対しては所定レベル以上の振幅であっても当該レベルを制限しないリミッター手段と、 上記複数種類の楽音からなる楽音信号を、上記大響板及び小響板並びに中低音域の電磁駆動体及び高音域の電磁駆動体に送り込まず、スピーカーに送り込むときには、上記リミッター手段を経ないで送り込む切換手段とを備えたことを特徴とする楽音装置。
これにより、1つの楽音信号をスピーカー用(ヘッドフォンも含む。)と響板用とに兼用できる。しかも、スピーカーでも響板でも澄んだ楽音を発音・放音させることができる。そして、響板を振動させる場合、低音域または中音域の楽音信号のレベルを制限し、高音域の楽音信号のレベルを制限しないので、響板から発音・放音させるときは、低音域または中音域を制限して、高音域を相対的に強調できる。
[3]上記大中響板及び小響板それぞれは水平方向に延びており、大中響板及び小響板は互いに縦に並んで配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の楽音装置。これにより、高音、中音、高音、低音の発生体が縦に並んで配置され、しかもこれら各音が平面波なので、各高音、中音、高音、低音ごとにつき、耳の位置が左右にずれても上下にずれても、左右の耳に音圧の差を感じにくいし、耳の位置によって 音像位置がずれることがなく、聴覚上違和感が生じない。
[4]上記複数種類の楽音からなる楽音信号は、低音域、中音域及び高音域の周波数帯域ごとに分けられ、 上記大中響板は、大響板と中響板とに分離され、大響板は中響板より大きく、 上記低音域または中音域の電磁駆動体は、低音域の電磁駆動体及び中音域の電磁駆動体とからなり、 上記低音域の楽音信号に基づき低音域の電磁駆動体によって大響板は駆動され、上記中音域の楽音信号に基づき中音域の電磁駆動体によって中響板は駆動され、 上記中音域の電磁駆動体と上記低音域の電磁駆動体とは、各中響板及び大響板の中心に対して、反対側の位置に接合されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の楽音装置。これにより、低音と中音とにつき、左右の偏りを少なくできる。
[5]上記大中響板は、大響板と中響板とに分離され、大響板は中響板より大きく、 上記小響板は、上記大響板及び中響板の間に配置されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の楽音装置。これにより、各周波数帯域の音圧または各周波数帯域の音像位置につき、低音域と中音域の各楽音の間に高音域の楽音を挟み込むような状態にすることができ、高音域の音圧または音像位置が低音域及び中音域の楽音から遊離してしまうことがなくなる。
[6]上記小響板及び上記高音域の電磁駆動体は2つずつ以上設けられ、これらは互いに同じまたは異なる大きさ・厚さ・幅・長さ・高さであり、 各高音域の電磁駆動体それぞれは、各小響板の中心に対して、反対側の位置に接合されており、 上記小響板の一部または全部は、上記大中響板、大響板または/及び中響板に比べて、機械的振動の伝達効率が優れていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の楽音装置。これにより、2つの高音の左右の偏りを無くすことができ、ほぼ左右均等にすることができる。また、高音の歪みを少なくできる。
[7]上記複数種類の楽音からなる楽音信号は、低音域、中音域及び高音域の周波数帯域ごとに分けられ、 上記大中響板は、大響板と中響板とに分離され、大響板は中響板より大きく、 上記低音域または中低音域の電磁駆動体大響板は、低音域の電磁駆動体及び中低音域の電磁駆動体とからなり、 この低音域の電磁駆動体は、上記リミッター手段で制限された低音域の楽音信号を機械的変化に変換して、当該大響板を駆動させ、上記リミッター手段による低音域の楽音信号のレベル制限によって、当該機械的変化が当該大響板の比例限界または弾性限界を超えないようにされ、 この中音域の電磁駆動体は、上記リミッター手段で制限された中音域の楽音信号を機械的変化に変換して、当該中響板を駆動させ、上記リミッター手段による中音域の楽音信号のレベル制限によって、当該機械的変化が当該中響板の比例限界または弾性限界を超えないようにされることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の楽音装置。これにより、低音と中音につき、レベル制限をすることができ、低音と中音との歪みを防ぐことができる。
[8]上記楽器は鍵盤楽器であり、 上記楽音信号は、楽器の弦自体、管自体、打自体の部分のほか、響板の楽音信号も含まれることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の楽音装置。これにより、響板自体の音を響板で聴くことができ響板の音を自然なものにできる。
[9]上記小響板、大中響板、大響板または/及び中響板は、平坦または湾曲しており、互いに同じ厚さまたは異なる厚さであり、裏面側に複数または単数の響棒が接合され、 高音域の電磁駆動体、低音域の電磁駆動体または/及び中低音域の電磁駆動体は、各響板の中心からずれた位置に接合されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の楽音装置。これにより、各響板が共振しにくくなる。
[10] 複数種類の楽音からなる楽音信号を所定の周波数帯域ごとに分けさせ、この分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、低音域または中音域の楽音信号を、楽器の大中響板を駆動させる低音域または中音域の電磁駆動体に送り込んで機械的変化に変換させる工程と、 上記分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、高音域の楽音信号を、上記大中響板より小さく、当該大中響板と分離された、楽器の小響板を電磁駆動させる高音域の電磁駆動体に送り込んで機械的変化に変換させる工程と、上記低音域または中音域の楽音信号に対して、所定レベル以上の振幅をほぼ一定値に制限させ、このレベル制限によって、当該機械的変化が当該大中響板の比例限界または弾性限界を超えないようにさせるリミッター工程と、 上記複数種類の楽音からなる楽音信号を、上記大響板及び小響板並びに中低音域の電磁駆動体及び高音域の電磁駆動体に送り込まず、スピーカーに送り込むときには、上記リミッター工程を経ないで送り込む工程とを備えたことを特徴とする楽音制御方法。
低音/中音の響板を振動させる楽音信号のレベルが制限されて、発音楽音の歪みを防ぐ。低音の大響板1及び中音の中響板2を振動させる楽音信号のレベルは、低音リミッター回路25及び中音リミッター回路26で制限され、低音電磁駆動ユニット11、中音電磁駆動ユニット12へ送り込まれる。
高音の小響板3、4を振動させる楽音信号のレベルは制限されずに、高音電磁駆動ユニット13、14へ送り込まれる。ヘッドフォン33またはスピーカー42、43、44、45へは、切換スイッチ32、34、35、36、37、38、39、40、41によって、楽音信号のレベルは制限されずに送り込まれる。これにより1つの楽音信号がスピーカー用(ヘッドフォンも含む)と響板用とに兼用される。
大響板1、中響板2及び小響板3、4を正面からみた構造を示す。 大響板1、中響板2及び小響板3、4を側面からみた構造を示す。 大響板1、中響板2(木製)の変位特性を示す。 小響板3、4(金属製)の変位特性を示す。 電磁駆動ユニット11、12、13及び14の駆動回路を示す。 低域フィルタ21、中域フィルタ22、高域フィルタ23、24の周波数特性を示す。
符号の説明
1…大響板(大中響板)、2…中響板(大中響板)、
3…小響板(下)、4…小響板(上)、
5…枠板、6…響棒、7…仕切り板、
11…低音電磁駆動ユニット(電磁駆動体)、
12…中音電磁駆動ユニット(電磁駆動体)、
13…高音電磁駆動ユニット(下)(電磁駆動体)、
14…高音電磁駆動ユニット(上)(電磁駆動体)、
20…D−A変換器、21…低域フィルタ、
22…中域フィルタ、23、24…高域フィルタ、
25…低音リミッター回路(リミッター手段)、
26…中音リミッター回路(リミッター手段)、
27…可変抵抗器、28、29、30、31…パワーアンプ、
32…切換スイッチ(切換手段)、33…ヘッドフォン(スピーカー)、
34、35、36、37…切換スイッチ(切換手段)、
38、39、40、41…切換スイッチ(切換手段)、
42、43、44、45…スピーカー。

Claims (7)

  1. 複数種類の楽音からなる楽音信号を所定の周波数帯域ごとに分け、この分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、低音域または中音域の楽音信号を機械的変化に変換して、楽器の大中響板を駆動させる低音域または中音域の電磁駆動体と、
    上記分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、高音域の楽音信号を機械的変化に変換して、上記大中響板より小さく、当該大中響板と分離された、楽器の小響板を電磁駆動させる高音域の電磁駆動体と、
    上記低音域または中音域の楽音信号に対して、所定レベル以上の振幅をほぼ一定値に制限し、このレベル制限によって、当該機械的変化が当該大中響板の比例限界または弾性限界を超えないようにするリミッター手段と、
    上記複数種類の楽音からなる楽音信号を、上記大響板及び小響板並びに中低音域の電磁駆動体及び高音域の電磁駆動体に送り込まず、スピーカーに送り込むときには、上記リミッター手段を経ないで送り込む切換手段とを備えたことを特徴とする楽音装置。
  2. 複数種類の楽音からなる楽音信号を所定の周波数帯域ごとに分け、この分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、低音域または中音域の楽音信号を機械的変化に変換して、楽器の大中響板を駆動させる低音域または中音域の電磁駆動体と、
    上記分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、高音域の楽音信号を機械的変化に変換して、上記大中響板より小さく、当該大中響板と分離された、楽器の小響板を電磁駆動させる高音域の電磁駆動体と、
    上記低音域または中音域の楽音信号に対して、所定レベル以上の振幅をほぼ一定値に制限し、このレベル制限によって、当該機械的変化が当該大中響板の比例限界または弾性限界を超えないようにし、高音域の楽音信号に対しては所定レベル以上の振幅であっても当該レベルを制限しないリミッター手段と、
    上記複数種類の楽音からなる楽音信号を、上記大響板及び小響板並びに中低音域の電磁駆動体及び高音域の電磁駆動体に送り込まず、スピーカーに送り込むときには、上記リミッター手段を経ないで送り込む切換手段とを備えたことを特徴とする楽音装置。
  3. 上記大中響板及び小響板それぞれは水平方向に延びており、大中響板及び小響板は互いに縦に並んで配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の楽音装置。
  4. 上記複数種類の楽音からなる楽音信号は、低音域、中音域及び高音域の周波数帯域ごとに分けられ、
    上記大中響板は、大響板と中響板とに分離され、大響板は中響板より大きく、
    上記低音域または中音域の電磁駆動体は、低音域の電磁駆動体及び中音域の電磁駆動体とからなり、
    上記低音域の楽音信号に基づき低音域の電磁駆動体によって大響板は駆動され、上記中音域の楽音信号に基づき中音域の電磁駆動体によって中響板は駆動され、
    上記中音域の電磁駆動体の接合位置は上記中響板の中心からずれており、上記低音域の電磁駆動体の接合位置は上記大響板の中心からずれており、しかもこの低音域の電磁駆動体は、上記中音域の電磁駆動体のずれる方向とは反対側の方向にずれていることを特徴とする請求項1、2または3記載の楽音装置。
  5. 上記大中響板は、大響板と中響板とに分離され、大響板は中響板より大きく、
    上記小響板は、上記大響板及び中響板の間に配置されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の楽音装置。
  6. 上記小響板及び上記高音域の電磁駆動体は2つずつ以上設けられ、これらは互いに同じまたは異なる大きさ・厚さ・幅・長さ・高さであり、
    各高音域の電磁駆動体それぞれは、各小響板の中心に対して、反対側の位置に接合されており、
    上記小響板の一部または全部は、上記大中響板、大響板または/及び中響板に比べて、機械的振動の伝達効率が優れていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の楽音装置。
  7. 複数種類の楽音からなる楽音信号を所定の周波数帯域ごとに分けさせ、この分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、低音域または中音域の楽音信号を、楽器の大中響板を駆動させる低音域または中音域の電磁駆動体に送り込んで機械的変化に変換させる工程と、
    上記分けられた周波数帯域ごとの楽音信号のうち、高音域の楽音信号を、上記大中響板より小さく、当該大中響板と分離された、楽器の小響板を電磁駆動させる高音域の電磁駆動体に送り込んで機械的変化に変換させる工程と、
    上記低音域または中音域の楽音信号に対して、所定レベル以上の振幅をほぼ一定値に制限させ、このレベル制限によって、当該機械的変化が当該大中響板の比例限界または弾性限界を超えないようにさせるリミッター工程と、
    上記複数種類の楽音からなる楽音信号を、上記大響板及び小響板並びに中低音域の電磁駆動体及び高音域の電磁駆動体に送り込まず、スピーカーに送り込むときには、上記リミッター工程を経ないで送り込む工程とを備えたことを特徴とする楽音制御方法。
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