JP6445165B2 - 超電導コイルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MRI装置、磁気浮上式鉄道、高磁場発生装置などに用いられる超電導コイルに関するものである。
超電導状態のコイルにおいて、微小部での熱発生により電圧が発生して常電導状態になり、コイル全体が過熱することをクエンチという。
クエンチの発生を抑制する超電導コイルが、特許文献1に記載されている。この特許文献1には、「絶縁超電導線に融着材を被覆して融着超電導線とし、当該融着超電導線を巻枠に複数列・複数層に巻回し、融着材に熱処理を加えて溶融した後、当該融着材を固めて隣接する融着超電導線の相互間を接着して成る超電導コイルにおいて、隣接する融着超電導線の相互間の隙間部に、融着材と糸状絶縁物とからなる融着絶縁物を配置する。」(要約参照)と記載されている。
また、特許文献2には、「超電導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、これに張力を加えながら巻線部を形成する際、内層に比べ外層で絶縁超電導線の巻回張力を大きくし、超電導線の曲面部相互間に非鋭角の空洞を設けて残留圧縮応力を大きくして剥離を発生しにくくし、隣接超電導線の曲面部相互間で融着材に作用する熱応力を低減させて、クラックや摩擦熱の発生を防止し、クエンチの発生を抑制する。」(要約参照)と記載されている。
特開平8−316023号公報 特開平8−172013号公報
MRI装置、磁気浮上式鉄道、高磁場発生装置などに用いられる超電導コイルは、超電導線を複数列・複数層巻回して作られ、導線間および導線と絶縁板を樹脂で一体化して作られる。超電導コイルを使用する際は、冷却して超電導状態になった導線に高電流を印加することにより、高い電磁場を得ている。冷却時の部材間の熱膨張係数の違いおよび電磁力によるコイルの変形により部材間にせん断応力が生じる。この応力により、超電導コイルを構成する樹脂のクラック、部材間の剥離、コイルの動きが発生し、これらに伴うジュール熱や摩擦熱が、クエンチを誘発するという問題がある。
特許文献1には、部材間の接着力を強固にしてクエンチ誘発を抑制するため、導線間の隙間部を満たして接着の面積を増加してクエンチを抑制する方法が開示されている。隙間部を樹脂で満たすことで接着力は強化されるが、一方で、導線と樹脂との熱膨張率の差によって冷却時の歪が大きくなり、この部分の剥離やクラックを誘発してクエンチが発生する恐れがある。
特許文献2には、超電導線の曲面部相互間に非鋭角の空洞を設けて残留圧縮応力を大きくして剥離を発生しにくくし、隣接超電導線の曲面部相互間で融着材に作用する熱応力を低減させて、クラックや摩擦熱の発生を防止し、クエンチの発生を抑制することが開示されている。しかし、空洞があることにより、導線と樹脂間の界面の面積が減少して接着力が低下して、クエンチが発生する恐れがある。
本発明は、冷却時のせん断応力を低減することにより、クエンチの発生を抑制した超電導コイルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明の超電導コイルの一例を挙げるならば、超電導導線が巻き枠に複数列・複数層巻かれた巻線部を有する超電導コイルであって、前記巻線部の超電導導線の層間に補強材が配置され、前記超電導導線と前記補強材は樹脂で一体化され、隣接する前記超電導導線の角部に空洞部を設けるとともに、前記巻き枠と前記巻線部との間に内周絶縁層を配置し、前記内周絶縁層が樹脂で前記巻線部と一体化され、前記内周絶縁層と前記巻線部の間には空洞部を設けないことを特徴とするものである。

本発明によれば、使用する樹脂量を抑えることにより部材間の熱膨張率の違いによる冷却時の変形量を抑えることができることから、樹脂の剥離・クラックを防止することができる。また、空洞内に冷媒である液体ヘリウムが浸入することにより冷却効果が高くなって温度マージンを広げることができる。これにより、クエンチの発生を抑制することができる。また、補強材により、樹脂量が少なくても線間の接着力が確保できる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明の中で明らかにされる。
超電導コイルの構成を示す図である。 本発明の実施例1のコイルの巻線部の構成を示す図である。 実施例1の超電導導線の断面を示す図である。 本発明の実施例2のコイルの巻線部と内周絶縁層の境界部分の構成を示す図である。 本発明の実施例2のコイルの巻線部と上下絶縁層の境界部分の構成を示す図である。 本発明の実施例3の融着線の断面を示す図である。 本発明の実施例4のコイルの巻線部の構成を示す図である。 本発明の超電導コイルを用いた磁場発生装置の構成を示す図である。 本発明の超電導コイルを用いたMRI装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、実施例を説明するための各図において、同一の機能を有する要素には同一の名称、符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
超電導コイル11の構成を、図1を用いて説明する。
巻き枠12に巻かれた超電導コイル巻線部15は、軸方向表面において巻き枠の鍔部との間に配置された上下絶縁層13と接着する。また、超電導コイル巻線部15の径方向内周面は内周絶縁層14と接着する。巻き枠12と上下絶縁層13および内周絶縁層14とは締結しない構成とする。したがって超電導コイル巻線部15が変位する場合、上下絶縁層13および内周絶縁層14は超電導コイル巻線部15と一体となって動き、巻き枠12とは独立して動く。
超電導コイル11は、断熱容器内に設置され、液体ヘリウムなどの冷媒に浸漬された状態で電源から電流を供給することで、電磁石として動作する。
なお、ここでいう超電導コイル巻線部15の軸方向とは、超電導線材を環状に巻きコイルを形成する際の中心軸と平行方向のことをいい、径方向とは中心軸と垂直方向のことをいう。径方向の線の配列を層、軸方向の線の配列を列と呼ぶ。
次に、実施例1の超電導コイル巻線部15の構成を、図2により説明する。
巻き枠12の外周側に内周絶縁層14が配置され、その外周側に超電導導線5がソレノイド状に巻線される構成となっている。超電導導線5の層間は、補強材2と樹脂3を介して接着され、巻線部15は一体化されている。
図3に示すように、超電導導線5はニオブ系超電導線材や二ホウ化マグネシウム超電導線材、ビスマス系銅酸化物超電導線材、希土類系超電導線材などの超電導線材16と、それらの外周面を被覆したポリイミド樹脂やエナメルなどの絶縁材17から構成される。これらの断面形状に制約はないが、本実施例では、角部にRを持つ角線を用いた。
図2において、補強材2は、ガラス繊維・炭素繊維・耐熱性樹脂・セラミックスフィラなどをメッシュ状、織物に成型したもの、不織布・フィルムにしたものなどからなる。樹脂3を保持でき、極低温で使用できれば補強材2の材質、形状に制約はない。しかし、巻き回す製法上、シート状が好ましい。樹脂3は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでも可能である。熱硬化性樹脂はエポキシ、アクリルなど、熱可塑性樹脂はフェノキシ、ナイロンなどが用いられる。熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化開始剤、硬化促進剤を添加してもよい。本実施例ではプリプレグを層間に挿入した。プリプレグは、補強材2に、樹脂3をあらかじめ保持したものである。
上下絶縁層13および内周絶縁層14の材質および厚さは、断熱および絶縁性能から選択され、例えば、ガラス繊維強化プラスチックやセラミックスフィラ入りの成形樹脂などが用いられる。
コイルの製造方法と本実施例のコイルの構成を以下、説明する。
まず、巻き枠に内周絶縁層14を巻き回す。上下絶縁層については、各種挿入方法があるが、どのような方法でも最終的に図1に示す構造となるようにすれば良い。
内周絶縁層14の外周側に超電導導線5を巻き回す。導線を巻き回すときには、導線に張力を与えることで、軸方向に面圧を加えて、層間の導線を密着させる。列方向に導線を配置して1層分巻いたあと、次の層を巻き回す前にプリプレグを導線の外周側に巻いて、導線とプリプレグを径方向に交互に配置したコイル状に巻く。
巻線後、超電導コイル11を樹脂のガラス転移温度および硬化温度以上に加熱すると、プリプレグ内の樹脂が導線の線間に流動し、熱硬化性樹脂の場合は硬化する。充分に樹脂が流動・硬化する時間をかけて加熱した後に冷却するとコイルの巻線部15、上下絶縁層13、内周絶縁層14は一体化される。図2は、本実施例において層間に補強材2として、ガラス繊維の織物を用いた場合のコイルの巻線部の拡大図を示している。
このように製作されたコイルの巻線部15の隣接する導線5の角部には、図2に示すように、樹脂のない空洞1が存在する。一部、樹脂で満たされた部分があっても構わない。樹脂がない部分は冷却時の変形に対して自由なので冷却歪が小さくなってせん断応力が小さくなる。また、使用時に液体ヘリウムなどの冷媒が進入し、伝熱を良くする効果も得られる。一方で、空洞があることにより導線間に樹脂が埋まっている状態に比べて、導線と樹脂間の界面の面積が減少して接着力が低下する。
しかし、接着力に関しては、本発明では補強材で増強しており、冷却や電磁力によるせん断応力に対して充分な強固な接着力が得られる。補強材による接着力強化については、2つの効果がある。1つは、層間の接着力である。層間では補強材と樹脂の間の界面の面積が多く、アンカー効果により接着力が強化される。もう1つは列間の接着力の強化である。この構成においては、列間の導線どうしは積極的に密着させておらず、接着していない部分が存在する。しかし、列の隣どうしの導線は両側の補強材によって位置が固定化されていて、充分強固に一体化される。
本実施例によれば、コイルの巻線部の隣接する導線の角部には樹脂のない空洞があることにより、樹脂が満たされている場合よりも、冷却時の変形が小さく、歪みやせん断応力が小さくなり、剥離やクラックが生じにくくなる。また、空洞に液体ヘリウムなどの冷媒が進入し、冷却効果が高まって、温度マージンが高くなる。そのため、クエンチの発生を抑制することができる。さらに、空洞がある導線間に補強材を配置したので、線間の接着力を強化し、空洞があっても充分な接着力を得ることができる。
内周絶縁層14および上下絶縁層13と巻線部15の間は、絶縁層、巻線部、樹脂の少なくとも3つの部材が存在し、一体化したときに冷却時の変形量が大きくなるため、巻線部内部の線間よりも強い接着力が必要となる場合がある。その場合に充分な接着力を得るための実施例2を以下に説明する。
図4に、実施例2の内周絶縁層と巻線部のコイルの構成を示す。内周絶縁層14の外周側に樹脂を配置する。樹脂量は導線間に比べて多くして、内周絶縁層と最内周(第1層)の導線5間には空洞を設けない構造とする。その方法としては、内周絶縁層14として、絶縁層の外周側にあらかじめ硬化・半硬化した樹脂層を形成したものを用いる、内周絶縁層14に樹脂の溶液を塗布する、などが考えられる。これらに用いる樹脂は熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でも良い。また、これに補強材2を併用してもよい。さらには、樹脂を含有した補強材であるプリプレグを線間よりも多い枚数配置しても良い。絶縁層に形成する樹脂層もしくは塗布する溶液に用いる樹脂とプリプレグに含有する樹脂は同一でも異種でも構わない。
また、同様に上下絶縁層13と巻線部15の間の接着力も確保する必要があるので、内周絶縁層14と同様な方法で樹脂量を導線間より多くする。図5に、上下絶縁層と巻線部のコイルの構成を示す。図に示すように、補強材2を併用してもよい。上下絶縁層13と巻線部の間には、導線が層間を移行する際に、導線の一辺と同じ程度の隙間が生じる。このとき、この隙間を樹脂のみで埋めると冷却時の歪が大きくなるため、絶縁層もしくは導線と同等の熱膨張率のスペーサ4を入れると良い。スペーサを用いた場合でも、接着面積が不足するため、樹脂量は上下絶縁層と導線の間の隙間を埋める量を計算して加える。
本実施例においては、内周絶縁層14および上下絶縁層13に直接接する層と列の線間は樹脂で満たすので、内周絶縁層14から1層より外周側および上下絶縁層13から1列より内側に、空洞が存在する。
本実施例によれば、実施例1の効果に加えて、内周絶縁層および上下絶縁層と巻線部との間の樹脂量を多くしたので、充分な接着力を得ることができる。
実施例3は、超電導導線に、あらかじめ熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂の塗膜を形成した融着線を用いたものである。最終的なコイルの形状は図1、図2に示すものと同様になる。実施例1との違いは、コイルを製作する際の製法の違いである。
融着線材の断面を図6に示す。超電導導線5において、導線が、超電導線材16と、それらの外周面を被覆した絶縁材17と、さらに、その外周面を被覆した熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂3から構成される。熱可塑性樹脂はフェノキシ、ナイロンなど、熱硬化性樹脂はエポキシ、アクリルなどが用いられる。熱硬化性樹脂は硬化前には粘性があり、巻き回し時に張力を加えるのが難しいため、製造の容易性を考慮すると、熱可塑性樹脂のほうが好ましい。
本実施例においては、層間を構成する部材のうち、樹脂は導線に被覆されているので、補強材として実施例1に記載したプリプレグを用いることのほかに、樹脂を含有しない補強材のみを用いることができる。例えばガラスクロスを用いた場合は、加熱した際に、融着線材の被覆樹脂が溶融して流動し、ガラスクロス内に満たされることで接着力が確保できる。ここで、プリプレグと融着線を併用する場合、プリプレグに含有する樹脂と融着線の樹脂は同一でも異種でも構わない。
内周絶縁層14や上下絶縁板13と巻線部15の間の接着力を確保する方法は、実施例2に記載の方法と同様であり、ここでは省略するが、ここでも、補強材には、前記の層間と同様に樹脂を含有しない補強材のみを用いることもできる。
一般に熱硬化性樹脂は溶剤を含んでいたり、硬化する際に体積が減少したりするため、線間の圧力が加熱時に低下して、内周絶縁層13と巻線部15の間の接着力が充分に得られないことがある。このため、熱可塑性樹脂を被覆した融着線と補強材2のみの組合せが好ましい。
本実施例によれば、超電導導線に、あらかじめ樹脂の塗膜を形成した融着線を用いたので、超電導コイルの製造を容易に行うことができる。
実施例4は、超電導導線に丸線を用いるものである。超電導導線の断面形状についての制約はないが、丸線の場合は導線と補強材が密着して接着面積を確保できるように、あらかじめ丸線の径にあわせたピッチの凹凸を補強材に形成しておくと良い。
図7に、本実施例の1つを示す。図7では、補強材2の内周側に導線の径に対応するピッチで凸部を設けた構造を示した。本実施例では、図に示す補強材2の形状に限らず、凹凸を内周側と外周側の両面に形成する、ピッチを丸線の径のピッチの整数倍にする、軟らかい補強材を用いて巻き回しの圧力で変形して丸線の形状に沿わせる、などの変形例が考えられる。
本実施例によれば、実施例1の効果に加えて、超電導導線として丸線を用いた場合にも、導線と補強材を密着して接着面積を確保できる。
前記の4つの実施例について、図示では補強材は1枚を挿入したが、層間もしくは絶縁層と導線間に補強材を複数枚挿入しても構わないし、枚数は層間、内周絶縁層と線間、上下絶縁層と線間で異なっても構わない。また、補強材は分割しても構わないが、接着力強化の効果を得るために、列方向の少なくとも2本の線にまたがる大きさが必要である。
実施例5は、本発明の超電導コイルを用いて高磁場を発生させる装置である。
図8は、本実施例の高磁場発生装置100の構成図の例である。以下、本実施例の高磁場発生装置100の主な構成を説明する。
高磁場発生装置100は、断熱容器20と、断熱容器20内に設置された超電導コイル11と超電導コイル11を浸漬する冷媒30とを構成に含む。なお、超電導コイル11は配線21を介して永久電流スイッチ22やコイル保護回路23、励磁用電源24と接続される。超電導コイル11の通電中に温度上昇や超電導臨界電流密度を超えた電流が流れた場合、コイル保護回路23が動作するように永久電流スイッチ22、励磁用電源24と並列に接続されている。
冷媒30は、例えば液体ヘリウム、液体水素、液体ネオン、液体窒素などの液体およびガスヘリウム、固体窒素などを利用することができる。また、図示していないが、冷媒30の代わりの冷却手段として、例えばGW(ギフォード・マクマホン)冷凍機やGM−JT(ギフォード・マクマホン-ジュール・トムソン)冷凍機、スターリング冷凍機、パルス管冷凍機などの公知の冷凍機を利用することができ、冷凍機から伝熱部材を介して超電導コイルを冷却することができる。伝熱部材は、例えば温度4Kから77Kの超電導コイル使用温度において熱伝導率が100W/Km以上のアルミニウム板、銅板などの金属板やそれらの可とう性導体、もしくはサファイア板やシリコンカーバイド板などの電気絶縁板を利用することができる。冷凍機を使った場合は巻き枠12が伝熱部材を兼ね備えた構成としてもよい。
コイル保護回路23は図8中では断熱容器の中に記載されているが、設置場所は断熱容器の外でもよい。
コイル保護回路23は例えば抵抗器やダイオードからなる。励磁電源24は、例えば直流電源、交流電源を利用することができる。
実施例6は、本発明の超電導コイルをMRI装置などの医療検査装置に用いたものである。
図9は、本実施例のMRI装置の概略構成図である。図は、オープン型のMRI装置の斜視図を示す。
図において、符号41は静磁場発生用の電磁石を示し、Bが電磁石により発生する静磁場である。電磁石に本発明の超電導コイルが用いられる。MRI装置では、他に傾斜磁場発生用のコイル、送信コイル、受信コイル(図示せず)が設けられる。寝台43上の被検者42を移動させ、静磁場、傾斜磁場、高周波磁場を加えることにより、MRI撮像が行われる。
実施例7は、本発明の超電導コイルを超電導モータのコイルに用いたものである。
超電導モータの種類としては、リニアモータでも回転型モータでも良い。リニアモータであれば、磁気浮上鉄道などに応用できるし、回転型モータであれば、電気自動車など種々の応用が可能である。
1 空洞部
2 補強材
3 樹脂
4 スペーサ
5 超電導導線
11 超電導コイル
12 巻き枠
13 上下絶縁層
14 内周絶縁層
15 巻線部
16 超電導材
17 絶縁被覆
20 断熱容器
21 配線
22 永久電流スイッチ
23 コイル保護回路
24 冷機電源
30 冷媒
41 電磁石
42 被検者
43 寝台
100 高磁場発生装置
200 MRI装置

Claims (7)

  1. 超電導導線が巻き枠に複数列・複数層巻かれた巻線部を有する超電導コイルであって、
    前記巻線部の超電導導線の層間に補強材が配置され、
    前記超電導導線と前記補強材は樹脂で一体化され、
    隣接する前記超電導導線の角部に空洞部を設けるとともに、
    前記巻き枠と前記巻線部との間に内周絶縁層を配置し、
    前記内周絶縁層が樹脂で前記巻線部と一体化され、
    前記内周絶縁層と前記巻線部の間には空洞部を設けないことを特徴とする超電導コイル。
  2. 請求項に記載の超電導コイルにおいて、
    前記内周絶縁層と前記巻線部の間に、補強材を設けたことを特徴とする超電導コイル。
  3. 超電導導線が巻き枠に複数列・複数層巻かれた巻線部を有する超電導コイルであって、
    前記巻線部の超電導導線の層間に補強材が配置され、
    前記超電導導線と前記補強材は樹脂で一体化され、
    隣接する前記超電導導線の角部に空洞部を設けるとともに、
    前記超電導導線として丸線を用い、
    前記補強材として、予め前記丸線の径に合わせたピッチの凹凸を形成した補強材を用いたことを特徴とする超電導コイル。
  4. 超電導導線が巻き枠に複数列・複数層巻かれた巻線部を有し、前記巻線部の超電導導線の層間に補強材が配置され、前記超電導導線と前記補強材は樹脂で一体化され、隣接する前記超電導導線の角部に空洞部を設けた超電導コイルの製造方法であって、
    前記超電導導線に、予め熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂の塗膜を形成した融着線を用い、
    列方向に前記融着線を配置して1層分巻いたあと、次の層を巻き回す前に、補強材を前記融着線の外周側に巻いて、前記融着線と前記補強材を径方向に交互に配置するステップと、
    巻線後、前記融着線の樹脂のガラス転移温度または硬化温度以上に加熱するステップを
    備える超電導コイルの製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の超電導コイルを用いた磁場発生装置。
  6. 請求項1〜3の何れか1項に記載の超電導コイルを用いた医療検査装置。
  7. 請求項1〜3の何れか1項に記載の超電導コイルを用いた超電導モータ。
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