JP6445088B2 - テレスコピックカバー - Google Patents

Description

本発明は、産業機械の可動部を案内する案内部を覆うテレスコピックカバーに関する。

下記特許文献１には、パンタグラフ機構の２本の連結リンクの端部が接続されている連結軸を、保護カバーの伸縮移動方向と直交する方向に延びるガイドレールに係合させるテレスコピックカバーが開示されている。

実用新案登録第３１３３０５６号公報

保護カバーの幅にパンタグラフ機構を収めるために、１本の連結リンクの長さを短くしてパンタグラフ機構の幅を狭くする必要がある。上記特許文献１の技術では、連結リンクの長さを短くしつつ、伸縮移動距離を確保するために、パンダグラフ機構の段数を増やす必要があり、保護カバーの段数も増える問題があった。

本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、カバーの段数を削減できるテレスコピックカバーを提供することを目的とする。

本発明の態様は、産業機械の可動部を案内する案内部を覆うテレスコピックカバーであって、前記可動部に固定されて可動部とともに移動する第１固定カバーと、前記産業機械の固定部に固定される第２固定カバーと、前記第１固定カバーと前記第２固定カバーとの間に配置され、前記第１固定カバーおよび前記第２固定カバーに重ね合される可動カバーと、前記可動カバーに設けられ、前記可動部の移動方向に対して直交する方向に延びるガイドレールと、２本のリンクアームと、前記２本のリンクアームの一端を回動可能に支持し、前記ガイドレールに沿って移動可能な可動ピンと、２本のうち一方の前記リンクアームの他端を回動可能に支持し、前記第１固定カバーに固定された第１固定ピンと、２本のうち他方の前記リンクアームの他端を回動可能に支持し、前記第２固定カバーに固定された第２固定ピンと、をそれぞれ有する２組のＶ字リンク機構と、を備え、一方の組の前記Ｖ字リンク機構と他方の組の前記Ｖ字リンク機構とは、前記ガイドレールが延びる方向と平行な方向において、前記可動ピンに対する前記第１固定ピンおよび前記第２固定ピンが設けられる向きが、互いに反対となる方にオーバラップして配置されている。

本発明によれば、カバーの段数を削減できる。

図１Ａは、テレスコピックカバーの模式側面断面図であって、テレスコピックカバーが縮退した状態を示す図である。図１Ｂは、テレスコピックカバーの模式側面断面図であって、テレスコピックカバーが伸長した状態を示す図である。 図２Ａは、テレスコピックカバーの模式裏面図であって、テレスコピックカバーが縮退した状態を示す図である。図２Ｂは、テレスコピックカバーの模式裏面図であって、テレスコピックカバーが伸長した状態を示す図である。

〔第１の実施の形態〕
［テレスコピックカバーの構成］
図１Ａは、本実施の形態のテレスコピックカバー１０の模式側面断面図であって、テレスコピックカバー１０が縮退した状態を示す図である。図１Ｂは、本実施の形態のテレスコピックカバー１０の模式側面断面図であって、テレスコピックカバー１０が伸長した状態を示す図である。図２Ａは、本実施の形態のテレスコピックカバー１０の模式裏面図であって、テレスコピックカバー１０が縮退した状態を示す図である。図２Ｂは、本実施の形態のテレスコピックカバー１０の模式裏面図であって、テレスコピックカバー１０が伸長した状態を示す図である。

本実施の形態のテレスコピックカバー１０は、旋盤、フライス盤、マシニングセンタ、ターニングセンタ、放電加工機および射出成形機等の産業機械の可動部１２を案内する案内部を覆い、案内部内への切削屑等の進入を抑制するものである。テレスコピックカバー１０は、産業機械の可動部１２に固定され、可動部１２と一体となって移動する第１固定カバー２０と、産業機械の固定部１４に固定される第２固定カバー２２と、第１固定カバー２０と第２固定カバー２２との間に配置され、第１固定カバー２０および第２固定カバー２２に重ね合された可動カバー２４とを有している。第１固定カバー２０、可動カバー２４および第２固定カバー２２は、入れ子状となっている。

テレスコピックカバー１０は、２組のＶ字リンク機構３０ａ、３０ｂによって、可動部１２の移動に伴い、全体が伸縮可能に形成されている。Ｖ字リンク機構３０ａ、３０ｂは、可動ピン３２ａ、３２ｂ、第１固定ピン３４ａ、３４ｂ、第２固定ピン３６ａ、３６ｂ、第１リンクアーム３８ａ、３８ｂおよび第２リンクアーム４０ａ、４０ｂを有している。

可動カバー２４の天板２４ａの裏面側には、テレスコピックカバー１０の伸縮方向に対して直交する方向に延びるガイドレール２６が設けられている。可動ピン３２ａ、３２ｂは、ガイドレール２６に係合して、ガイドレール２６に沿って移動可能に設けられている。図２Ａ、図２Ｂの状態でテレスコピックカバー１０を見たときに、可動ピン３２ａは、可動ピン３２ｂの左側に配置されている。可動ピン３２ａ、３２ｂのガイドレール２６との係合部分には、ガイドレール２６と当接して可動ピン３２ａ、３２ｂに対して回動するローラ４２が設けられている。

第１固定カバー２０の天板２０ａの裏面側には、ガイドレール２６が延びる方向と平行な方向に離間して、第１固定ピン３４ａ、３４ｂが固定されている。図２Ａ、図２Ｂの状態でテレスコピックカバー１０を見たときに、第１固定ピン３４ａは、第１固定ピン３４ｂの右側に配置されている。

第２固定カバー２２の天板２２ａの裏面側には、ガイドレール２６が延びる方向と平行な方向に離間して、第２固定ピン３６ａ、３６ｂが固定されている。図２Ａ、図２Ｂの状態でテレスコピックカバー１０を見たときに、第２固定ピン３６ａは、第２固定ピン３６ｂの右側に配置されている。

第１リンクアーム３８ａおよび第２リンクアーム４０ａの一端は、可動ピン３２ａに回動可能に支持されている。第１リンクアーム３８ａの他端は、第１固定ピン３４ａに回動可能に支持されている。第２リンクアーム４０ａの他端は、第２固定ピン３６ａに回動可能に支持されている。

第１リンクアーム３８ｂおよび第２リンクアーム４０ｂの一端は、可動ピン３２ｂに回動可能に支持されている。第１リンクアーム３８ｂの他端は、第１固定ピン３４ｂに回動可能に支持されている。第２リンクアーム４０ｂの他端は、第２固定ピン３６ｂに回動可能に支持されている。

これにより、Ｖ字リンク機構３０ａおよびＶ字リンク機構３０ｂは、第１リンクアーム３８ａと第２リンクアーム４０ａ、および、第１リンクアーム３８ｂおよび第２リンクアーム４０ｂが、それぞれＶ字状に配置される。また、Ｖ字リンク機構３０ａとＶ字リンク機構３０ｂとは、ガイドレール２６延びる方向と平行な方向において、可動ピン３２ａに対して第１固定ピン３４ａおよび第２固定ピン３６ａが設けられる向きと、可動ピン３２ｂに対して第１固定ピン３４ｂおよび第２固定ピン３６ｂが設けられる向きと反対となるように配置される。さらに、Ｖ字リンク機構３０ａとＶ字リンク機構３０ｂは、ガイドレール２６延びる方向と平行な方向において、オーバラップするように配置される。またさらに、Ｖ字リンク機構３０ａとＶ字リンク機構３０ｂは、第１リンクアーム３８ａと第１リンクアーム３８ｂとが交差し、第２リンクアーム４０ａと第２リンクアーム４０ｂとが交差するように配置される。

［作用効果］
本実施の形態のテレスコピックカバー１０は、Ｖ字リンク機構３０ａ、３０ｂの可動ピン３２ａ、３２ｂが、可動カバー２４に設けられた、テレスコピックカバー１０の伸縮方向に対して直交する方向に延びるガイドレール２６に沿って移動する。さらに、テレスコピックカバー１０は、Ｖ字リンク機構３０ａ、３０ｂの第１固定ピン３４ａ、３４ｂが、ガイドレール２６が延びる方向と平行な方向に離間して、第１固定カバー２０に固定される。また、テレスコピックカバー１０は、Ｖ字リンク機構３０ａ、３０ｂの第２固定ピン３６ａ、３６ｂが、ガイドレール２６が延びる方向と平行な方向に離間して、第２固定カバー２２に固定される。この構成により、テレスコピックカバー１０が伸縮する際の蛇行を抑制することができる。

さらに、本実施の形態のテレスコピックカバー１０は、Ｖ字リンク機構３０ａとＶ字リンク機構３０ｂが、ガイドレール２６が延びる方向と平行な方向において、オーバラップするように配置される。この構成により、Ｖ字リンク機構３０ａとＶ字リンク機構３０ｂを、全体としてガイドレール２６が延びる方向と平行な方向における幅を狭くすることができる。そのため、第１リンクアーム３８ａ、３８ｂおよび第２リンクアーム４０ａ、４０ｂの長さを長くすることができ、テレスコピックカバー１０の伸縮距離に対して、カバー２０、２２、２４の段数を削減することができる。

またさらに、本実施の形態のテレスコピックカバー１０は、可動ピン３２ａ、３２ｂのガイドレール２６との係合部分に、ガイドレール２６と当接して可動ピン３２ａ、３２ｂに対して回動するローラ４２を有する。これにより、ガイドレール２６と可動ピン３２ａ、３２ｂとの間の抵抗を抑制し、テレスコピックカバー１０の伸縮方向の動きを滑らかにすることができる。

〔実施の形態から得られる技術的思想〕
上記実施の形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。

産業機械の可動部（１２）を案内する案内部を覆うテレスコピックカバー（１０）であって、可動部（１２）に固定されて可動部（１２）とともに移動する第１固定カバー（２０）と、産業機械の固定部（１４）に固定される第２固定カバー（２２）と、第１固定カバー（２０）と第２固定カバー（２２）との間に配置され、第１固定カバー（２０）および第２固定カバー（２２）に重ね合される可動カバー（２４）と、可動カバー（２４）に設けられ、可動部（１２）の移動方向に対して直交する方向に延びるガイドレール（２６）と、２本のリンクアーム（３８ａ、３８ｂ、４０ａ、４０ｂ）と、２本のリンクアーム（３８ａ、３８ｂ、４０ａ、４０ｂ）の一端を回動可能に支持し、ガイドレール（２６）に沿って移動可能な可動ピン（３２ａ、３２ｂ）と、２本のうち一方のリンクアーム（３８ａ、３８ｂ）の他端を回動可能に支持し、第１固定カバー（２０）に固定された第１固定ピン（３４ａ、３４ｂ）と、２本のうち他方のリンクアーム（４０ａ、４０ｂ）の他端を回動可能に支持し、第２固定カバー（２２）に固定された第２固定ピン（３６ａ、３６ｂ）と、をそれぞれ有する２組のＶ字リンク機構（３０ａ、３０ｂ）と、を備え、一方の組のＶ字リンク機構（３０ａ）と他方の組の前記Ｖ字リンク機構（３０ｂ）とは、ガイドレール（２６）が延びる方向と平行な方向において、可動ピン（３２ａ、３２ｂ）に対する第１固定ピン（３４ａ、３４ｂ）および第２固定ピン（３６ａ、３６ｂ）が設けられる向きが、互いに反対となる方にオーバラップして配置されている。これにより、リンクアーム（３８ａ、３８ｂ、４０ａ、４０ｂ）の長さを長くすることができ、テレスコピックカバー（１０）の伸縮距離に対して、カバー（２０、２２、２４）の段数を削減することができる。

また上記テレスコピックカバー（１０）において、可動ピン（３２ａ、３２ｂ）は、ガイドレール（２６）に当接して回動するローラ（４２）を有する。これにより、ガイドレール（２６）と可動ピン（３２ａ、３２ｂ）との間の抵抗を抑制し、テレスコピックカバー（１０）の伸縮方向の動きを滑らかにすることができる。

１０…テレスコピックカバー １２…可動部
１４…固定部 ２０…第１固定カバー
２２…第２固定カバー ２４…可動カバー
３０ａ、３０ｂ…Ｖ字リンク機構 ３２ａ、３２ｂ…可動ピン
３４ａ、３４ｂ…第１固定ピン ３６ａ、３６ｂ…第２固定ピン
３８ａ、３８ｂ…第１リンクアーム（リンクアーム）
４０ａ、４０ｂ…第２リンクアーム（リンクアーム）
４２…ローラ

Claims (2)

1. 産業機械の可動部を案内する案内部を覆うテレスコピックカバーであって、
   前記可動部に固定されて可動部とともに移動する第１固定カバーと、
   前記産業機械の固定部に固定される第２固定カバーと、
   前記第１固定カバーと前記第２固定カバーとの間に配置され、前記第１固定カバーおよび前記第２固定カバーに重ね合される可動カバーと、
   前記可動カバーに設けられ、前記可動部の移動方向に対して直交する方向に延びるガイドレールと、
   ２本のリンクアームと、前記２本のリンクアームの一端を回動可能に支持し、前記ガイドレールに沿って移動可能な可動ピンと、２本のうち一方の前記リンクアームの他端を回動可能に支持し、前記第１固定カバーに固定された第１固定ピンと、２本のうち他方の前記リンクアームの他端を回動可能に支持し、前記第２固定カバーに固定された第２固定ピンと、をそれぞれ有する２組のＶ字リンク機構と、
   を備え、
   一方の組の前記Ｖ字リンク機構と他方の組の前記Ｖ字リンク機構とは、前記ガイドレールが延びる方向と平行な方向において、前記可動ピンに対する前記第１固定ピンおよび前記第２固定ピンが設けられる向きが、互いに反対となる方にオーバラップして配置されている、テレスコピックカバー。
2. 請求項１に記載のテレスコピックカバーであって、
   前記可動ピンは、前記ガイドレールに当接して回動するローラを有する、テレスコピックカバー。

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