JP6444702B2 - 調剤情報管理システム - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のシステムでは、患者に付与された患者ID(患者識別情報)によって患者を識別している。
しかし、患者IDは、医療機関ごと、調剤薬局ごとに異なる場合があるため、複数の調剤情報が、同一の患者のものであるか否かを判定できない場合がある。
本発明は、患者の調剤情報を管理する調剤情報管理システムにおいて、複数の調剤情報が同一の患者のものであるか否かを確実に判定することにより、患者の薬歴を確実に管理することを目的とする。
調剤薬局に設置された薬局端末装置と通信する薬局通信装置を備え、前記薬局通信装置は、前記薬局端末装置から、レセプトに関するレセプト情報を受信し、前記記憶装置は、前記薬局通信装置が受信したレセプト情報に基づく調剤情報を記憶することが好ましい。
患者が使用する患者端末装置と通信する患者通信装置を備え、前記記憶装置は、前記患者情報と関連付けられた仮識別情報を複数記憶し、前記患者通信装置は、前記患者端末装置から、調剤薬局で患者に交付される印刷物に記載された仮識別情報と、前記患者の被保険者証を表す保険情報と、前記患者の生年月日を表す生年月日情報とを受信し、前記管理装置は、前記記憶装置が記憶した患者情報のうちから、関連付けられた仮識別情報が、前記患者通信装置が受信したものと一致し、かつ、保険情報及び生年月日情報が、前記患者通信装置が受信したものと一致する患者情報を抽出して、前記患者端末装置を使用している患者についての患者情報であると判定する端末判定部を備えることが好ましい。
患者が使用する患者端末装置と通信する患者通信装置を備え、前記患者通信装置は、前記患者端末装置から、前記患者に調剤された薬剤に関する情報を受信し、前記記憶装置は、前記患者通信装置が受信した情報に基づく調剤情報を記憶することが好ましい。
レセプトコンピュータから受信したレセプト情報に基づく調剤情報を記憶すれば、調剤情報を患者が入力する必要がないので、患者のITリテラシーが低い場合であっても、患者の薬歴を確実に管理することができる。
調剤薬局で患者に交付される印刷物に記載された仮識別情報を使って、レセプトコンピュータから受信したレセプト情報に基づく患者情報と、患者端末装置を使用している患者とを紐付ければ、患者の同一性を担保することができるので、調剤管理システムが管理している調剤情報を患者端末装置に表示させる場合でも個人情報を保護することができ、これにより、調剤管理システムが管理している調剤情報を患者自身が確認できるので、患者の薬歴を確実に管理することができる。
患者端末装置から受信した情報に基づく調剤情報を記憶すれば、調剤情報管理システムに参加していない調剤薬局で患者が薬剤を受け取った場合でも調剤情報を管理できるので、患者の薬歴を確実に管理することができる。
図1に示す調剤情報管理システム10は、調剤情報などを記憶する記憶装置11と、記憶装置11が記憶した調剤情報などを管理する管理装置12と、ネットワーク20を介して薬局端末装置30や患者端末装置40と通信する通信装置13とを備える。
調剤情報は、患者に調剤された薬剤に関する情報であり、例えば、患者を識別するために使用される患者ID(患者識別情報)、その患者に調剤された薬剤を表す薬剤情報(例えば、薬剤名など)、その薬剤の服用方法を表す服用情報(例えば、服用時期(食前・食間・食後など)・服用回数(1日2回など)・服用量など)、調剤した薬剤の量を表す調剤量情報、その薬剤を調剤した日付を表す調剤日情報、その薬剤を処方した医療機関を表す医療機関情報、その医療機関でその薬剤を処方した日付を表す処方日情報などを含む。
患者IDは、例えば、その患者に薬剤を調剤した調剤薬局を一意に識別するために使用される薬局ID(薬局識別情報)と、その調剤薬局において患者を一意に識別するために使用される利用者ID(利用者識別情報)とを組み合わせたものである。患者IDをこのような構成とした場合、同じ患者が複数の調剤薬局を利用すると、一人の患者に複数の患者IDが付与される。すなわち、異なる患者には必ず異なる患者IDが付与されるが、逆に、患者IDが異なるからといって別人であるとは限らない。
患者情報は、その患者に関する情報であり、例えば、その患者の会員ID(会員識別情報)、その患者の氏名を表す氏名情報(例えば、漢字表記・カナ表記など)、その患者の性別を表す性別情報、その患者の生年月日を表す生年月日情報、その患者の健康保険被保険者証を表す保険情報(例えば、保険者番号・記号及び番号など)、その患者の住所を表す住所情報(例えば、郵便番号・都道府県名・区市町村名・番地など)、その患者の電話番号を表す電話番号情報(例えば、固定電話番号・携帯電話番号など)などを含む。
会員情報は、調剤情報管理システム10に対する患者の会員登録に関する情報であり、例えば、その患者が会員登録済であるか否かを表す登録状況情報、その患者が会員登録済である場合にその会員を一意に識別するために使用されるログインIDなどの会員ID(会員識別情報)、その会員のパスワードを表すパスワード情報、その会員が使用している患者端末装置40を一意に識別するために使用される端末ID(端末識別情報)、自動ログインのために使用される認証用キーコード、その会員のメールアドレスを表す会員メール情報、調剤された薬剤をその会員が服薬したか否かを表す服薬チェック情報、その会員の体重や血圧などを表すバイタル情報などを含む。
なお、その患者がまだ会員登録していない場合、会員情報及び患者情報は、会員IDの代わりに、初期ログインIDなどの仮ID(仮識別情報)を含む。これにより、患者が会員登録済か否かにかかわらず、患者情報を会員情報に紐付けることができる。以下、仮IDも含めて「会員ID」と呼ぶ。
通信装置13は、例えばウェブサーバなどのコンピュータであり、薬局端末装置30と通信する薬局通信装置としての機能と、患者端末装置40と通信する患者通信装置としての機能とを兼ね備えている。なお、薬局通信装置と、患者通信装置とは、別々の装置であってもよい。
ネットワーク20は、例えばインターネットや公衆回線網などの広域ネットワークであり、通信装置13と薬局端末装置30や患者端末装置40との間の通信を中継する。
薬局端末装置30は、例えばレセプトコンピュータや店舗サーバなどのコンピュータであり、調剤薬局に設置されている。レセプトコンピュータには、レセプト(診療報酬明細書)を作成するために必要な情報が入力される。薬局端末装置30は、レセプトコンピュータが記憶しているレセプトに関する情報から、調剤情報や患者情報として記憶装置11が記憶すべき情報を抽出して、レセプト情報として通信装置13に対して送信する。レセプト情報は、例えば、薬局ID、利用者ID、氏名情報、性別情報、生年月日情報、保険情報、住所情報、薬剤情報、服用情報、調剤量情報、調剤日情報、医療機関情報、処方日情報などを含む。
患者端末装置40は、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンなどのコンピュータである。患者は、患者端末装置40を使用することにより、自己の薬歴を照会したり、調剤された薬剤に関する情報を送信したりすることができる。
判定部24は、記憶装置11が記憶した患者情報のなかから、患者の氏名・生年月日及び性別が一致するものを抽出する。なお、患者の氏名が一致するか否かの判定は、氏名のフリガナに基づいて判定することが好ましい。氏名の漢字表記に基づいて判定すると、異体字(例えば「齋藤」の「齋」や「渡邊」の「邊」など)の入力ミスなどにより、誤った判定をする可能性があるからである。判定部24は、抽出した患者情報が同一患者についての患者情報であると自動的に判定する。
端末判定部25は、記憶装置11が記憶した患者情報のうちから、会員ID・保険情報及び生年月日が、患者端末装置40から通信装置13が受信する情報と一致するものを抽出して、患者端末装置40を使用している患者についての患者情報であると判定する。
検索部27は、記憶装置11が記憶した患者情報のなかから、管理者が入力した検索条件に合致する患者情報を抽出する。表示部22は、検索部27が抽出した患者情報を表示する。入力部23は、表示部22が表示した患者情報のなかに管理者が同一患者についての患者情報であると考える患者情報がある場合に、どの患者情報が同一患者についての患者情報であるかを入力する。
名寄せ部26は、判定部24や端末判定部25の判定結果や、入力部23に入力された管理者の判断などに基づいて、同一人物のものであると判定された患者情報を紐付ける。例えば、同一人物のものであると判定された複数の患者情報を同じ会員情報に紐付ける。
[S31:来局]図3に示すように、まず、患者あるいはその代理人が、医療機関で処方してもらった処方箋を持って調剤薬局に来局し、処方箋と患者の健康保険被保険者証とを調剤薬局に提出する。また、その患者がその調剤薬局を初めて利用する場合には、患者の氏名、性別、生年月日、住所などの情報が調剤薬局に提供される。
[S32:患者識別]調剤薬局側では、提出された被保険者証に記載された保険情報や、処方箋に記載された情報、その患者がその調剤薬局を初めて利用する場合には、提供された患者の氏名などの情報を、レセプトコンピュータに入力する。
レセプトコンピュータは、例えば患者の氏名や生年月日に基づいて、患者を識別する。生年月日は、同姓同名の患者がいた場合でも患者を区別できるようにするためのものである。なお、生年月日の代わりに、あるいは生年月日に加えて、例えば保険情報などによって、同姓同名の患者を区別する構成であってもよい。調剤薬局では原則として患者と対面して薬剤を販売するので、患者が加入している健康保険組合が変わった場合など保険情報が変化した場合であっても、フォロー可能である。
薬局端末装置30は、このようにして識別された患者について、その調剤薬局における利用者IDを取得する。なお、その患者がその調剤薬局を初めて利用する場合、薬局端末装置30は、その患者に新たな利用者IDを付与する。
[S33:会員照会]薬局端末装置30は、その患者について通信装置13に照会する。例えば、薬局端末装置30は、通信装置13に対して、患者ID(薬局ID及び利用者ID)、氏名情報、性別情報、生年月日情報、住所情報など、レセプト情報の一部を送信する。なお、その患者がその調剤薬局を過去に利用したことがある場合は、調剤情報管理システム10にその患者の患者情報が既に登録されているので、氏名情報などを送信せず、患者IDだけを送信する構成であってもよい。また、結婚により姓が変わった場合などは、患者IDに加えて、変更のあった情報を送信する構成であってもよい。
薬局端末装置30は、これに対する応答を通信装置13から受信する。通信装置13からの応答には、その患者が調剤情報管理システム10に会員登録をしているか否か、会員ID(未登録の場合は仮ID)、調剤情報など、調剤情報管理システム10で管理されているその患者についての情報が含まれる。
[S34:情報表示]薬局端末装置30は、受信した調剤情報などの情報を表示する。これにより、調剤薬局の薬剤師は、その調剤薬局での調剤に関する薬歴だけでなく、他の調剤薬局での調剤に関する薬歴も知ることができ、禁忌を避けることができる。また、その患者が調剤情報管理システム10に会員登録している場合は、患者の服薬情報やバイタル情報などに基づいて、患者を指導することもできる。
また、レセプトコンピュータには、その調剤薬局で過去にした調剤についての情報も記憶されている。特に、調剤情報管理システム10の運用開始直後や、調剤情報管理システム10にその調剤薬局が参加した最初の時点においては、レセプトコンピュータに記憶されている過去の情報に基づくレセプト情報は、まだ通信装置13に対して送信されていない。そこで、薬局端末装置30は、レセプトコンピュータに記憶されている過去の情報に基づいて、レセプト情報を生成し、通信装置13に対して送信することが好ましい。このような送信処理は、かなり時間がかかることが予想されるので、調剤薬局の営業時間が終了したのちに行うことが好ましく、数日に分けて行う構成であってもよい。
[S11:照会受信]図4に示すように、通信装置13は、薬局端末装置30から送信された情報を受信する。
[S12:患者情報抽出]管理装置12は、記憶装置11が記憶している患者情報のなかから、通信装置13が受信した情報に含まれる患者ID(薬局ID及び利用者ID)と患者IDが一致する患者情報を抽出する。
[S13:患者情報更新]その患者がその調剤薬局を利用したことがある場合、患者IDが一致する患者情報が抽出される。管理装置12は、抽出された患者情報から、その患者の会員ID(未登録の場合は仮ID)を取得する。管理装置12は、抽出された患者情報と通信装置13が受信した情報とを比較して、変更がないか確認し、変更がある場合には、患者情報を更新する。記憶装置11は、更新された患者情報を記憶する。
その場合、管理装置12の判定部24は、記憶装置11が記憶している患者情報のなかから、氏名情報・生年月日情報・性別情報及び保険情報が、通信装置13が受信した情報と一致する患者情報を抽出する。
[S15:会員ID取得]その患者が別の調剤薬局を利用したことがある場合、別の調剤薬局から登録された患者情報が抽出される。判定部24は、抽出された患者情報が、その患者についての患者情報であると判定する。管理装置12の名寄せ部26は、抽出された患者情報に含まれる会員IDを取得して、その患者の会員IDとする。
[S16:会員情報登録]その患者が別の調剤薬局を利用したことがない場合は、患者情報が抽出されない。その患者は、調剤情報管理システム10に参加しているいずれの調剤薬局も利用したことがないので、調剤情報管理システム10の会員ではない。そこで、名寄せ部26は、既存の会員IDや仮IDと重複しない新たな仮IDを生成し、その患者の会員IDとする。記憶装置11は、通信装置13が受信した情報からその患者の会員情報を新たに生成して、記憶する。
[S17:患者情報登録]記憶装置11は、名寄せ部26が取得し又は生成した会員IDと、通信装置13が受信した情報とに基づいて、患者情報を新たに生成して、記憶する。
同じ患者が複数の調剤薬局を利用している場合には、それぞれの調剤薬局でその患者に患者IDが付与され、それぞれの患者IDに対応する患者情報を記憶装置11が記憶しているが、これらの患者情報は、すべて同じ会員IDに紐付けられている。そこで、管理装置12は、記憶装置11が記憶した患者情報のなかから、会員IDがその患者の会員IDと一致する患者情報を抽出する。これにより、その患者についての患者情報がすべて抽出される。
管理装置12は、抽出された患者情報から患者IDを取得し、記憶装置11が記憶した調剤情報のなかから、取得した患者IDのいずれかと患者IDが一致する調剤情報を抽出する。これにより、その患者についての調剤情報がすべて抽出される。
[S19:応答送信]通信装置13は、抽出された会員情報や調剤情報などを、薬局端末装置30からの照会に対する応答として、薬局端末装置30に対して送信する。
また、「S16:会員情報登録」で仮IDを生成するのではなく、薬局端末装置30の側で仮IDを生成して通信装置13に対して送信し、通信装置13が受信した仮IDを使う構成であってもよい。
通信装置13は、薬局端末装置30から送信された情報を受信する。
記憶装置11は、通信装置13が受信した情報から、患者ID(薬局ID及び利用者ID)、薬剤情報、服用情報、調剤量情報、調剤日情報、医療機関情報、処方日情報などを抽出して、調剤情報として記憶する。
通常の処理の流れでは、調剤情報の登録処理をする前に、会員照会に対する応答処理が行われている。したがって、その患者がその調剤薬局を初めて利用した場合であっても、既に患者情報が登録されている。同様に、その患者が調剤情報管理システム10に参加している調剤薬局を初めて利用した場合であっても、既に会員情報が登録されている。すなわち、調剤情報の登録処理の時点では、患者情報や会員情報を新たに登録する必要はないし、患者情報を名寄せする必要もない。
なお、この場合には、患者の姓などの情報が登録されているものと異なっている場合であっても、患者情報を更新しない構成であることが好ましい。これにより、古い情報で新しい情報を更新してしまうのを防ぐことができる。
[S41:通信開始]図5に示すように、患者は、例えば、調剤薬局で受け取った調剤明細書や領収書に記載された二次元バーコードを患者端末装置40で読み取ることにより、通信装置13が提供しているホームページにアクセスし、あるいは、通信装置13と通信する専用アプリをダウンロードして実行するなどして、通信装置13との通信を開始する。
認証に失敗した場合、患者端末装置40は、仮IDなどの再入力を求める画面を表示する。また、認証に所定の回数失敗した場合、患者端末装置40は、会員登録処理を終了する。
認証に成功した場合、患者端末装置40は、通信装置13から通知された情報に基づいて、その患者が会員登録済であるか否かを判定する。その患者が会員登録済である場合、患者端末装置40は、その旨を表示して、会員登録処理を終了する。
なお、次回からのログインを自動化するため、認証用キーコードを患者端末装置40に通知することが好ましい。認証用キーコードは、例えば、ログインID及びパスワードから生成したハッシュ値である。患者端末装置40は、通知された認証用キーコードを記憶しておき、次回以降のログイン時には、記憶しておいた認証用キーコードと端末IDとを通信装置13に送信する。これにより、患者がログインIDやパスワードを入力することなく、自動的にログインすることができる。
[S42:認証]通信装置13は、仮ID・生年月日・保険情報・端末IDなどの情報を患者端末装置40から受信する。端末判定部25は、記憶装置11が記憶した患者情報のなかに、仮ID(会員ID)・生年月日・保険情報などが、通信装置13が受信したものと一致するものがあるか否かを判定する。
仮ID・生年月日・保険情報などが、通信装置13が受信したものと一致する患者情報が見つからない場合、管理装置12の端末判定部25は、認証失敗と判定する。
仮ID・生年月日・保険情報などが、通信装置13が受信したものと一致する患者情報が見つかった場合、端末判定部25は、認証成功と判定する。
認証に成功した場合、管理装置12の名寄せ部26は、記憶装置11が記憶した会員情報のなかから、見つかった患者情報に含まれる会員IDを含むものを抽出する。名寄せ部26は、抽出した会員情報に基づいて、その患者が会員登録済であるか否かを判定する。
通信装置13は、端末判定部25による認証結果及び名寄せ部26による判定結果を患者端末装置40に通知する。認証に失敗した場合や、その患者が既に会員登録済である場合は、会員登録処理を終了する。
会員IDが、通信装置13が受信したものと一致する会員情報が存在しない場合、通信装置13は、患者端末装置40に対してメールなどで初期設定完了を通知する。
このようにして会員登録が完了すると、それ以降、患者は、調剤情報管理システム10にログインすることにより、様々なサービスを利用できるようになる。登録された患者端末装置40を使う場合は、患者端末装置40が通信装置13に端末IDと認証用キーコードとを送信する。また、登録されたものと異なる患者端末装置40を使う場合は、患者が患者端末装置40にログインID及びパスワードを入力し、入力されたログインID及びパスワードを患者端末装置40が通信装置13に送信する。管理装置12は、記憶装置11が記憶した会員情報に基づいて、通信装置13が受信した情報を検証することにより認証を行い、認証に成功した場合、例えば次に示すようなサービスを提供する。
(1)調剤情報の閲覧
管理装置12は、記憶装置11が記憶した患者情報に基づいて、その会員と同一人物についての患者IDを判定し、記憶装置11が記憶した調剤情報のなかから、判定した患者IDを含むものを抽出する。抽出された調剤情報を通信装置13が患者端末装置40に送信し、患者端末装置40がそれを受信して、表示する。これにより、会員は、自己の薬歴を閲覧することができる。患者が会員登録しているか否かに関わらす、記憶装置11は、薬局端末装置30から送信された情報に基づいて調剤情報を蓄積しているので、会員は、会員登録する前から現在に到るまでの薬歴をすべて閲覧することができる。
また、患者端末装置40からの要求に基づいて、通信装置13は、個々の薬剤について、効能や副作用などの詳しい説明、ジェネリック医薬品の有無、ジェネリック医薬品を使った場合の患者負担額の違いなどの情報を患者端末装置40に送信する。これにより、会員は、自分が服用している薬剤について、より詳しい情報を得ることができる。
(2)調剤情報の登録
会員が、調剤情報管理システム10に参加していない調剤薬局で調剤を受けた場合、調剤薬局から送信された情報に基づいて調剤情報を自動的に蓄積することはできない。そのような場合、会員自らが自己の調剤情報を登録することにより、薬歴の欠落を防ぐことができる。
例えば、他の調剤薬局で発行された調剤明細書にJAHIS(保健医療福祉情報システム工業会)標準のQRコード(登録商標)などの二次元バーコードが印字されている場合、患者が、患者端末装置40でそれを撮影することにより、患者端末装置40は、患者に調剤された薬剤に関する情報を読み込み、読み込んだ情報を通信装置13に送信する。
記憶装置11は、通信装置13が受信した情報に基づいて、新たな調剤情報を生成する。例えば、記憶装置11は、通信装置13が受信した情報に含まれる患者の氏名などの情報に基づいて、その情報がその会員に調剤された薬剤についてのものであるか否かを判定し、その情報がその会員に調剤された薬剤についてのものであると判定した場合、その情報に含まれる薬剤情報などに基づいて、調剤情報を生成する。生成する調剤情報では、患者IDの代わりに会員IDを用いる構成であってもよい。
また、調剤明細書に二次元バーコードが印字されていない場合や、ドラッグストアなどで市販薬を購入した場合には、会員が手入力で患者端末装置40に情報を入力できる構成であってもよい。これにより、薬歴に欠落を防ぐことができる。
(3)服薬チェック
通信装置13は、記憶装置11が記憶している調剤情報に基づいて、会員が現在服薬している薬剤を服用すべき時刻を判定し、患者端末装置40に予め通知しておく。なお、服薬時刻を自動判定するのではなく、会員自身が患者端末装置40に設定する構成であってもよい。
患者端末装置40は、通知された時刻になったら、アラームを表示して服薬時刻になったことを会員に知らせる。
会員は、薬剤を服薬したか否かを患者端末装置40に入力する。なお、会員自身が服薬したつもりであっても、服薬する薬剤の量を間違えていたり、多数の薬剤を服薬する場合には服薬漏れや間違いがあったりする場合があるので、薬剤を服薬したか否かを入力するのではなく、薬剤の残量を入力する構成であってもよい。
患者端末装置40は、入力された情報を通信装置13に対して送信する。記憶装置11は、通信装置13が受信した情報に基づいて服薬チェック情報を生成し、その会員の会員情報を更新する。
通信装置13は、患者端末装置40からの要求に基づいて、その会員の服薬チェック情報を患者端末装置40に送信する。それを患者端末装置40が受信し、例えばカレンダー形式で表示する。これにより、会員は、服薬忘れがないかをチェックすることができる。
(4)バイタル情報の登録・閲覧
会員の体重や血圧などの情報を患者端末装置40が通信装置13に送信し、通信装置13が受信した情報に基づいて記憶装置11がバイタル情報を生成して、その会員の会員情報を更新する。
例えば、NFC(近距離通信)対応の体重計や血圧計などのヘルスケア機器で測定したデータを患者端末装置40が受信し、受信したデータを通信装置13に送信する。これにより、会員自身がこれらのデータを患者端末装置40に入力する必要がなく、患者端末装置40をヘルスケア機器にかざすだけで、これらのデータを通信装置13に送信することができる。
通信装置13は、患者端末装置40からの要求に基づいて、その会員のバイタル情報を患者端末装置40に送信する。それを患者端末装置40が受信し、例えばグラフ化して表示する。これにより、会員は、自己の体重や血圧などの変化を知ることができ、健康管理に役立てることができる。
(5)処方箋送信
会員は、医療機関で処方してもらった処方箋を患者端末装置40で撮影する。患者端末装置40は、撮影した画像を通信装置13に送信する。通信装置13は、これを受信し、予め登録されている調剤薬局の薬局端末装置30に対して送信する。薬局端末装置30は、これを受信し、印刷する。これにより、会員が調剤薬局に到着する前に調剤を開始することができるので、調剤薬局での待ち時間を短くすることができる。
また、調剤が完了したら、薬局端末装置30が通信装置13に対してそのことを通知し、それを通信装置13が患者端末装置40に転送し、それを患者端末装置40が表示して患者に通知する構成であってもよい。そうすれば、会員は、調剤が完了してから調剤薬局に行けばよいので、調剤薬局での待ち時間をなくすことができる。
前述したように、患者が複数の調剤薬局を利用している場合でも、自動的に名寄せが行われる。
しかし、例えば、結婚などにより姓が変更になった場合、氏名が異なるので、自動名寄せできない。加入している健康保険組合が変わった場合も同様である。変更前後で患者が同じ調剤薬局を利用していれば、薬局側で同一人物であると判断できるので、名寄せの必要はないが、引っ越した場合など、利用する調剤薬局が変わった場合、薬局側では同一人物か否かを判断することはできない。
そして、その患者が新たな仮IDを使って会員登録したとすると、その患者は、新たな仮IDに紐付けられて管理されている調剤情報を閲覧することはできるが、古い仮IDに紐付けられて管理されている調剤情報を閲覧することはできない。
名寄せ部26は、入力部23に入力された内容に基づいて、選択された患者情報が紐付けられている会員IDを取得し、記憶装置11が記憶した患者情報のなかから、同じ会員IDに紐付けられている患者情報をすべて抽出する。名寄せ部26は、抽出した患者情報を更新する。例えば、患者情報の会員IDを、問合せのあった会員の会員IDに書き換え、氏名・住所・保険情報など変更のあった情報を書き換える。記憶装置11は、名寄せ部26が更新した患者情報を記憶する。
例えば、新たに発行された仮IDを使って、会員登録済の患者が更に会員登録をしようとした場合、「会員登録処理」において、患者端末装置40の端末IDが通信装置13に対して送信される。
管理装置12の端末判定部25は、記憶装置11が記憶した会員情報のなかから、端末IDが、通信装置13が受信したものと一致する会員情報を抽出し、その患者端末装置40を使用している会員の氏名・生年月日・性別及び保険情報を取得する。端末判定部25は、取得した情報を、新たに会員登録しようとしている患者の氏名・生年月日・性別及び保険情報と比較する。この4つがすべて一致している場合は、自動名寄せが行われるはずなので、少なくとも1つは異なっている。
患者本人の確認が取れた場合、患者端末装置40は、「ログインしてください」などのメッセージを表示し、患者にログインを促す。患者端末装置40は、入力されたログインID及びパスワードを通信装置13に対して送信し、管理装置12は、認証を行う。
認証に成功した場合、端末判定部25は、ログインに使用された会員IDが、同一人物である可能性が高いと判定した会員の会員IDと一致するか否かを判定し、一致する場合は、同一人物であると判定する。
その場合、名寄せ部26は、記憶装置11が記憶した患者情報のなかから、ログインに使用された会員IDに紐付けられている患者情報をすべて抽出する。名寄せ部26は、抽出した患者情報を更新する。例えば、患者情報の氏名や保険情報を、新たに会員登録しようとしていた患者の氏名や保険情報に書き換える。記憶装置11は、更新された患者情報を記憶する。また、名寄せ部26は、記憶装置11が記憶した患者情報のなかから、新たに会員登録しようとしていた患者の仮IDに紐付けられている患者情報をすべて抽出する。名寄せ部26は、抽出した患者情報を更新する。例えば、患者情報の仮IDを、ログインに使用された会員IDに書き換える。記憶装置11は、更新された患者情報を記憶する。
Claims (3)
- 患者に調剤された薬剤に関する調剤情報を複数記憶する記憶装置と、
前記記憶装置が記憶した調剤情報を管理する管理装置と、
患者が使用する患者端末装置と通信する患者通信装置と、
を備え、患者の薬歴を管理する調剤情報管理システムであって、
前記記憶装置は、
患者の氏名を表す氏名情報と、患者の生年月日を表す生年月日情報と、患者の性別を表す性別情報と、患者の被保険者証を表す保険情報とを含み、前記調剤情報と関連付けられた患者情報を複数記憶し、
前記患者情報と関連付けられた仮識別情報を複数記憶し、
前記患者通信装置は、
前記患者端末装置から、調剤薬局で患者に交付される印刷物に記載された仮識別情報と、前記患者の被保険者証を表す保険情報と、前記患者の生年月日を表す生年月日情報とを受信し、
前記管理装置は、
前記記憶装置が記憶した患者情報のなかから、患者の氏名・生年月日・性別及び保険情報が一致するものを抽出し、同一患者についての患者情報であると判定する判定部と、
前記記憶装置が記憶した患者情報のうちから、関連付けられた仮識別情報が、前記患者通信装置が受信したものと一致し、かつ、保険情報及び生年月日情報が、前記患者通信装置が受信したものと一致する患者情報を抽出して、前記患者端末装置を使用している患者についての患者情報であると判定する端末判定部と、
を備える、調剤情報管理システム。 - 調剤薬局に設置された薬局端末装置と通信する薬局通信装置を備え、
前記薬局通信装置は、前記薬局端末装置から、レセプトに関するレセプト情報を受信し、
前記記憶装置は、前記薬局通信装置が受信したレセプト情報に基づく調剤情報を記憶する、
請求項1記載の調剤情報管理システム。 - 前記患者通信装置は、前記患者端末装置から、前記患者に調剤された薬剤に関する情報を受信し、
前記記憶装置は、前記患者通信装置が受信した情報に基づく調剤情報を記憶する、
請求項1又は2記載の調剤情報管理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014236339A JP6444702B2 (ja) | 2014-11-21 | 2014-11-21 | 調剤情報管理システム |
Applications Claiming Priority (1)
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