以下、本発明の複数の実施形態による高圧ポンプを図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位は、同一または同様の作用効果を奏する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図2に示す。
高圧ポンプ1は、図示しない車両に設けられる。高圧ポンプ1は、例えば内燃機関としてのエンジン9に、燃料を高圧で供給するポンプである。高圧ポンプ1がエンジン9に供給する燃料は、例えばガソリンである。すなわち、高圧ポンプ1の燃料供給対象は、ガソリンエンジンである。
図1に示すように、燃料タンク2に貯留された燃料は、燃料ポンプ3により配管4を経由して高圧ポンプ1に供給される。高圧ポンプ1は、燃料ポンプ3から供給された燃料を加圧し、配管6を経由して燃料レール7に吐出する。これにより、燃料レール7内の燃料は、蓄圧され、燃料レール7に接続する燃料噴射弁8からエンジン9に噴射供給される。 図2に示すように、高圧ポンプ1は、ポンプボディ10、カバー15、インレットパイプ90、パルセーションダンパ16、プランジャ20、吸入弁装置30、電磁駆動部40、吐出弁装置50等を備えている。
ポンプボディ10は、上ハウジング11、下ハウジング12、シリンダ13、ホルダ支持部14、ユニオン51等を有している。
上ハウジング11は、例えばステンレス等の金属により略直方体のブロック状に形成されている。上ハウジング11は、吸入穴部111、吐出穴部112、シリンダ穴部113等を有している。吸入穴部111は、上ハウジング11の長手方向の一端に開口し、長手方向に延びるよう略円筒状に形成されている。これにより、吸入穴部111の内側に、吸入通路101が形成されている。吐出穴部112は、上ハウジング11の長手方向の他端に開口し、長手方向に延びるよう略円筒状に形成されている。これにより、吐出穴部112の内側に、吐出通路102が形成されている。ここで、吸入穴部111と吐出穴部112とは、同軸となるよう形成されている。
シリンダ穴部113は、上ハウジング11の短手方向の両端部に開口するよう吸入穴部111と吐出穴部112との間に略円筒状に形成されている。ここで、シリンダ穴部113の内側の空間は、吸入通路101と吐出通路102とに接続している。
下ハウジング12は、例えばステンレス等の金属により板状に形成されている。下ハウジング12は、閉塞部121、ハウジング特定形状部122、固定部123を有している(図2、3、6参照)。閉塞部121は、板状に形成され、シリンダ穴部124、穴部125を有している。シリンダ穴部124は、下ハウジング12の閉塞部121の中央を板厚方向に貫くよう略円形に形成されている。穴部125は、閉塞部121を板厚方向に貫くようシリンダ穴部124の径方向外側に複数形成されている。
下ハウジング12は、シリンダ穴部113とシリンダ穴部124とが同軸になるよう上ハウジング11に当接するよう設けられている。ハウジング特定形状部122は、閉塞部121に対し面方向の外側に板状に形成されている。固定部123は、ハウジング特定形状部122に対し閉塞部121とは反対側に板状に形成されている(図3、6参照)。下ハウジング12については、後に詳述する。
シリンダ13は、例えばステンレス等の金属により有底円筒状に形成されている。シリンダ13は、吸入穴131、吐出穴132を有している。吸入穴131と吐出穴132とは、互いに対向するようシリンダ13の筒部の底部近傍に形成されている。つまり、吸入穴131と吐出穴132とは、シリンダ13の軸を挟むようにしてシリンダ13の径方向に延びるよう形成されている。シリンダ13は、吸入穴131が吸入通路101に接続するよう、かつ、吐出穴132が吐出通路102に接続するよう、上ハウジング11のシリンダ穴部113および下ハウジング12のシリンダ穴部124に挿通されている。シリンダ13の底部側の端部の外壁は、上ハウジング11のシリンダ穴部113を形成する内壁に嵌合している。
ホルダ支持部14は、例えばステンレス等の金属により略円筒状に形成されている。ホルダ支持部14は、シリンダ13と同軸となるよう、一端が下ハウジング12の閉塞部121の上ハウジング11とは反対側に接続するよう設けられている。本実施形態では、ホルダ支持部14は、下ハウジング12と一体に形成されている(図2参照)。
ユニオン51は、例えばステンレス等の金属により略円筒状に形成されている。ユニオン51は、一端が上ハウジング11の吐出穴部112に挿し込まれるようにして設けられている。本実施形態では、ユニオン51は一端の外壁にネジ山を有し、上ハウジング11は吐出穴部112の内壁にネジ溝を有している。そして、ユニオン51は、吐出穴部112にねじ込まれることにより上ハウジング11に固定されている。なお、ユニオン51は、内側に吐出通路102を形成している。ユニオン51の他端、すなわち、上ハウジング11とは反対側の端部は、配管6の燃料レール7とは反対側の端部に接続される。
カバー15は、例えばステンレス等の金属により形成されている。カバー15は、カバー筒部151、カバー底部152を有している。カバー筒部151は、略八角筒状に形成されている。よって、カバー筒部151は、8つの平面状の外壁を有している。カバー底部152は、カバー筒部151の一端を塞ぐようカバー筒部151と一体に形成されている。カバー15は、有底筒状、すなわち、カップ状に形成されている。
カバー15は、上ハウジング11を内側に収容し、カバー筒部151のカバー底部152とは反対側の端部、すなわち、開口端が下ハウジング12の閉塞部121の外縁部に接続するよう設けられている。つまり、下ハウジング12の閉塞部121は、カバー15の開口端を塞いでいる。カバー15の開口端と下ハウジング12の閉塞部121とは、周方向の全域に亘り溶接により接続されている。これにより、カバー15と下ハウジング12との間は液密に保たれている。カバー15の内側と下ハウジング12の閉塞部121との間には、燃料室100が形成されている。
カバー15は、インレット穴部153、穴部154、穴部155を有している。
インレット穴部153、穴部154、穴部155は、それぞれ、カバー筒部151の内壁と外壁とを接続するよう形成されている。
インレットパイプ90は、カバー15とは別体に形成され、内側の空間がインレット穴部153を経由して燃料室100に連通するよう一端がカバー筒部151の外壁に接続されている。インレットパイプ90には、燃料ポンプ3に接続する配管4が接続される。これにより、燃料タンク2内の燃料は、インレットパイプ90を経由してカバー15の内側、すなわち、燃料室100に流入する。インレットパイプ90については、後に詳述する。
穴部154、穴部155は、それぞれ、上ハウジング11の吸入穴部111、吐出穴部112に対応する位置に形成されている。ここで、ユニオン51は、カバー15の穴部155および上ハウジング11の吐出穴部112に挿通されるようにして設けられている。また、ユニオン51の外壁とカバー15の穴部155との間は、周方向の全域に亘り溶接されている。これにより、ユニオン51とカバー15との間は液密に保たれている。
パルセーションダンパ16は、カバー15のカバー底部152と上ハウジング11との間に設けられている。パルセーションダンパ16は、例えば2枚のダイアフラムの周縁部が接合されることにより形成され、内部に所定圧の気体が密封されている。カバー15のカバー底部152近傍には、係止部材161が設けられている。当該係止部材161の上ハウジング11側には、ダンパ支持部162が設けられている。ダンパ支持部162は、係止部材161との間にパルセーションダンパ16の外縁部を挟み込み、係止部材161に嵌合することで、パルセーションダンパ16を支持している。パルセーションダンパ16は、燃料室100内の燃圧の変化に応じて弾性変形することで、燃圧脈動を低減可能である。
プランジャ20は、例えばステンレス等の金属により略円柱状に形成されている。プランジャ20は、大径部201、小径部202を有している。小径部202は、外径が大径部201の外径よりも小さく形成されている。大径部201と小径部202とは、同軸に一体に形成されている。プランジャ20は、大径部201側がシリンダ13の内側に挿し込まれるようにして設けられている。プランジャ20の大径部201の外径は、シリンダ13の内径とほぼ同じか、シリンダ13の内径よりやや小さく形成されている。これにより、プランジャ20は、大径部201の外壁がシリンダ13の内壁に摺動し、シリンダ13により軸方向に往復移動可能に支持される。
シリンダ13の筒部および底部の内壁とプランジャ20の大径部201側の端部の外壁との間に加圧室103が形成されている。すなわち、シリンダ13は、内側に加圧室103を有している。加圧室103は、プランジャ20がシリンダ13の内側で往復移動するとき、容積が変化する。
本実施形態では、ホルダ支持部14の内側にシールホルダ21が設けられている。シールホルダ21は、例えばステンレス等の金属により筒状に形成されている。シールホルダ21は、外壁がホルダ支持部14の内壁に嵌合するよう設けられている。また、シールホルダ21は、シリンダ13とは反対側の端部の内壁とプランジャ20の小径部202の外壁との間に略円筒状のクリアランスを形成するよう設けられている。シールホルダ21の内壁とプランジャ20の小径部202の外壁との間には、環状のシール22が設けられている。シール22は、径内側のフッ素樹脂製のリングと径外側のゴム製のリングとからなる。シール22により、プランジャ20の小径部202周囲の燃料油膜の厚さが調整され、エンジン9への燃料のリークが抑制される。また、シールホルダ21のシリンダ13とは反対側の端部には、オイルシール23が設けられている。オイルシール23により、プランジャ20の小径部202の周囲のオイル油膜の厚さが調整され、オイルのリークが抑制される。
なお、プランジャ20の大径部201と小径部202との間の段差面とシール22との間には、プランジャ20の往復移動時に容積が変化する可変容積室104が形成されている。ここで、下ハウジング12の閉塞部121の穴部125は、燃料室100と可変容積室104とを連通可能である。これにより、燃料室100内の燃料は、穴部125を経由して可変容積室104との間を行き来することができる。
プランジャ20の小径部202の大径部201とは反対側の端部には、略円板状のスプリングシート24が設けられている。シールホルダ21とスプリングシート24との間には、スプリング25が設けられている。スプリング25は、例えばコイルスプリングであり、一端がスプリングシート24に当接し、他端がシールホルダ21に当接するよう設けられている。スプリング25は、スプリングシート24を経由してプランジャ20を加圧室103とは反対側に付勢している。
なお、高圧ポンプ1は、プランジャ20の小径部202の大径部201とは反対側の端部が、エンジン9の駆動軸に連動して回転するカム軸のカム5に当接するようエンジン9のエンジンヘッド105に設けられる(図1、2参照)。これにより、エンジン9が回転しているとき、カム5の回転により、プランジャ20が軸方向に往復移動する。このとき、加圧室103および可変容積室104の容積は、それぞれ周期的に変化する。
吸入弁装置30は、上ハウジング11の吸入通路101に設けられている。吸入弁装置30は、吸入弁座部31、吸入弁部材32、ストッパ33、吸入弁付勢部材34等を有している。
吸入弁座部31は、例えばステンレス等の金属により筒状に形成されている。吸入弁座部31は、吸入穴部111を形成する上ハウジング11の内壁に外壁が嵌合するよう設けられている。吸入弁座部31は、吸入弁座311を有している。吸入弁座311は、吸入弁座部31の加圧室103側の壁面のうち中央の穴の周囲に環状に形成されている。
吸入弁部材32は、例えばステンレス等の金属により形成されている。吸入弁部材32は、例えば略円板状の板部を有している。吸入弁部材32は、板部が吸入弁座311に当接可能、かつ、吸入通路101内で往復移動可能に設けられている。
ストッパ33は、例えばステンレス等の金属により有底筒状に形成されている。ストッパ33は、吸入穴部111を形成する上ハウジング11の内壁に外壁が嵌合するよう設けられている。
吸入弁付勢部材34は、吸入弁部材32の板部とストッパ33の底部との間に設けられている。吸入弁付勢部材34は、吸入弁部材32を吸入弁座311側に付勢する。
本実施形態では、燃料は、ストッパ33の外縁部に形成された流路を経由することで、ストッパ33に対し吸入弁座部31側と加圧室103側との間を流通可能である。また、ストッパ33は、吸入弁部材32に当接することで、吸入弁部材32の加圧室103側への移動、すなわち、開弁方向の移動を規制可能である。また、ストッパ33は、吸入弁部材32と加圧室103との間に底部を有することにより、加圧室103側の燃料が吸入弁部材32に衝突することを抑制できる。
電磁駆動部40は、吸入弁装置30の近傍に設けられている。電磁駆動部40は、筒部材41、非磁性部材42、ニードル35、ニードル案内部36、ニードル付勢部材37、可動コア43、固定コア44、コイル45、コネクタ46、カバー部材47、48等を有している。
筒部材41は、例えば磁性材料により略円筒状に形成されている。筒部材41は、カバー15の穴部154および上ハウジング11の吸入穴部111に挿通されるようにして設けられている。筒部材41は、一端の外壁が上ハウジング11の吸入穴部111の内壁に嵌合している。ここで、吸入弁座部31およびストッパ33は、筒部材41の一端と上ハウジング11の吸入穴部111を形成する内壁との間に挟み込まれた状態となっている。また、筒部材41の一端の内側には、吸入弁座部31の吸入弁座311とは反対側の端部が位置している。
吸入弁座部31は、内壁と外壁とを接続する穴部312を有している。穴部312は、吸入弁座部31の周方向に等間隔で複数形成されている。本実施形態では、穴部312は、2つ形成されている。すなわち、2つの穴部312は、吸入弁座部31の軸を挟んで互いに対向するよう形成されている。また、筒部材41は、一端から他端側へ向かって切り欠かれるようにして形成される溝部411を有している。溝部411は、吸入弁座部31の穴部312に対応する位置に1つずつ計2つ形成されている。また、上ハウジング11は、吸入穴部111を形成する内壁と外壁とを接続する穴部115を有している。穴部115は、筒部材41の溝部411に対応する位置に1つずつ計2つ形成されている。燃料室100内の燃料は、穴部115、溝部411および穴部312を経由して吸入弁座部31の内側に流入可能である。吸入弁座部31の内側に流入した燃料は、吸入弁座311と吸入弁部材32との間、および、ストッパ33の流路を経由して加圧室103側へ流通可能である。
また、筒部材41の外壁とカバー15の穴部154との間は、周方向の全域に亘り溶接されている。これにより、筒部材41とカバー15との間は液密に保たれている。
非磁性部材42は、非磁性材料により筒状に形成されている。非磁性部材42は、筒部材41の上ハウジング11とは反対側に、筒部材41と同軸となるよう設けられている。
ニードル35は、例えば金属により棒状に形成されている。ニードル35は、筒部材41の内側で軸方向に往復移動可能に設けられている。ニードル35は、一端が吸入弁部材32に当接可能である。
ニードル案内部36は、外壁が筒部材41の内壁に嵌合するよう設けられている。ニードル案内部36は、中央に案内穴部361を有している。案内穴部361は、ニードル案内部36の加圧室103側の壁面と加圧室103とは反対側の壁面とを接続するよう形成されている。案内穴部361には、ニードル35が挿通されている。案内穴部361の内径は、ニードル35の外径とほぼ同じか、ニードル35の外径よりやや大きく形成されている。案内穴部361の内壁とニードル35の外壁とは摺動可能である。これにより、ニードル案内部36は、ニードル35の軸方向の移動を案内可能である。
ニードル付勢部材37は、例えばコイルスプリングであり、ニードル案内部36の加圧室103側に設けられている。ニードル付勢部材37は、一端が、ニードル35から径外側へ環状に突出する突出部に当接し、他端がニードル案内部36に当接するよう設けられている。ニードル付勢部材37は、ニードル35を加圧室103側に付勢する。よって、ニードル付勢部材37は、ニードル35を経由して吸入弁部材32をストッパ33側へ付勢可能である。
可動コア43は、磁性材料により略円筒状に形成され、ニードル35の他端に圧入されている。これにより、可動コア43は、ニードル35とともに軸方向へ往復移動可能である。
固定コア44は、磁性材料により中実円筒状に形成され、可動コア43の加圧室103とは反対側に設けられている。固定コア44の加圧室103側の端部は、非磁性部材42に接続されている。
コイル45は、略円筒状に形成され、固定コア44および非磁性部材42の径外側に設けられている。コイル45の周囲は、樹脂材料によりモールドされ、コネクタ46を形成している。コネクタ46には、端子461がインサート成形されている。端子461とコイル45とは、電気的に接続されている。
カバー部材47、48は、磁性材料により形成されている。カバー部材47は、有底筒状に形成され、内側に固定コア44およびコイル45を収容し、底部が固定コア44に当接するよう設けられている。カバー部材48は、板状に形成され、中央に穴を有している。カバー部材48は、当該穴に筒部材41の他端が挿通された状態でカバー部材47の開口端を塞ぐようにして設けられている。ここで、カバー部材48は、カバー部材47と筒部材41とに当接している。
コイル45は、端子461を経由して外部から電力が供給されることにより磁界を生じる。コイル45に磁界が生じると固定コア44、カバー部材47、カバー部材48、筒部材41および可動コア43に磁気回路が形成され、可動コア43は、ニードル35とともに固定コア44側へ吸引される。なお、このとき、磁気回路は、非磁性部材42を避けるようにして形成される。
コイル45に電力が供給されていないとき、吸入弁部材32は、ニードル35を経由してニードル付勢部材37の付勢力により加圧室103側へ付勢され、ストッパ33側の面がストッパ33に当接した状態となる。このとき、吸入弁部材32は吸入弁座311から離間しているため、吸入通路101および吸入穴131における燃料の流れは許容されている。一方、コイル45に電力が供給されることにより可動コア43およびニードル35が固定コア44側に吸引されると、吸入弁部材32は、吸入弁付勢部材34の付勢力等により付勢されて加圧室103とは反対側へ移動し、吸入弁座311に当接する。これにより、吸入通路101および吸入穴131における燃料の流れが遮断される。 このように、吸入弁装置30は、電磁駆動部40の作動により、吸入通路101および吸入穴131における燃料の流れを許容または遮断可能である。なお、本実施形態では、吸入弁装置30は、電磁駆動部40とともに所謂ノーマリーオープンタイプの弁装置を構成している。
図2に示すように、吐出弁装置50は、弁座部60、吐出弁部材70、スプリングホルダ71、スプリング72、リリーフ弁部材80、スプリングホルダ82、スプリング83等を備えている。
弁座部60は、例えばステンレス等の金属により形成され、ユニオン51の内側に設けられている。
弁座部60は、吐出弁通路61、リリーフ弁通路62、吐出弁座63、リリーフ弁座64等を有する。
吐出弁通路61は、弁座部60の加圧室103側と加圧室103とは反対側とを接続するよう形成されている。リリーフ弁通路62は、弁座部60の加圧室103側と加圧室103とは反対側とを接続し吐出弁通路61とは非連通となるよう弁座部60に形成されている。
吐出弁座63は、弁座部60の吐出弁通路61の加圧室103とは反対側の開口の周囲に環状に形成されている。リリーフ弁座64は、弁座部60のリリーフ弁通路62の加圧室103側の開口の周囲に環状に形成されている。ここで、リリーフ弁座64は、加圧室103側から加圧室103とは反対側に向かうに従いリリーフ弁座64の軸に近づくようテーパ状に形成されている。
吐出弁部材70は、例えばステンレス等の金属により、略円板状に形成されている。吐出弁部材70は、吐出弁座63に当接可能なよう吐出通路102において往復移動可能に設けられ、吐出弁座63から離間または吐出弁座63に当接すると吐出弁通路61を開閉する。
スプリングホルダ71は、例えばステンレス等の金属により有底筒状に形成され、ユニオン51の内側に設けられている。スプリングホルダ71は、底部とは反対側の端部の内壁が弁座部60の吐出弁座63側の端部の外壁に嵌合するよう設けられている。これにより、スプリングホルダ71は、弁座部60に対し相対移動不能である。なお、スプリングホルダ71は、内壁と外壁とを接続する穴を複数有している。
スプリング72は、例えばコイルスプリングであり、吐出弁部材70の弁座部60とは反対側に設けられている。スプリング72は、一端が吐出弁部材70に当接し、他端がスプリングホルダ71の底部に当接するようスプリングホルダ71の内側に設けられている。スプリング72は、吐出弁部材70を吐出弁座63側に付勢する。これにより、吐出弁部材70は、吐出弁座63に押し付けられる。吐出弁部材70は、スプリングホルダ71の内側で軸方向に往復移動可能に設けられている。
リリーフ弁部材80は、例えばステンレス等の金属により、球状に形成されている。リリーフ弁部材80は、リリーフ弁座64に当接可能なよう吐出通路102において往復移動可能に設けられ、リリーフ弁座64から離間またはリリーフ弁座64に当接するとリリーフ弁通路62を開閉する。
リリーフ弁部材80の加圧室103側には弁部材ホルダ81が設けられている。弁部材ホルダ81は、例えばステンレス等の金属により環状に形成されている。弁部材ホルダ81は、リリーフ弁部材80の加圧室103側に当接し、リリーフ弁部材80とともに吐出通路102において往復移動可能である。
スプリングホルダ82は、例えばステンレス等の金属により有底筒状に形成され、ユニオン51および弁座部60の内側に設けられている。スプリングホルダ82は、底部とは反対側の端部の外壁が弁座部60の加圧室103側の端部の内壁に嵌合するよう設けられている。これにより、スプリングホルダ82は、弁座部60に対し相対移動不能である。なお、スプリングホルダ82は、内壁と外壁とを接続する穴を複数有している。
スプリング83は、例えばコイルスプリングであり、弁部材ホルダ81のリリーフ弁部材80とは反対側に設けられている。スプリング83は、一端が弁部材ホルダ81に当接し、他端がスプリングホルダ82の底部に当接するようスプリングホルダ82の内側に設けられている。スプリング83は、弁部材ホルダ81を経由してリリーフ弁部材80をリリーフ弁座64側に付勢する。これにより、リリーフ弁部材80は、リリーフ弁座64に押し付けられる。リリーフ弁部材80は、スプリングホルダ82の内側で往復移動可能に設けられている。
吐出弁部材70は、吐出通路102の弁座部60に対し加圧室103側の空間の燃料の圧力が、加圧室103とは反対側の空間の燃料の圧力とスプリング72の付勢力との合計(吐出弁部材70の開弁圧)より大きくなると、吐出弁座63から離間し開弁する。これにより、加圧室103側の燃料は、吐出弁通路61、吐出弁座63を経由して配管6側へ吐出される。なお、吐出弁部材70の開弁圧は、スプリング72の付勢力を調整することにより設定可能である。
一方、リリーフ弁部材80は、吐出通路102の弁座部60に対し加圧室103とは反対側の空間の燃料の圧力が、加圧室103側の空間の燃料の圧力とスプリング83の付勢力との合計(リリーフ弁部材80の開弁圧)より大きくなると、リリーフ弁座64から離間し開弁する。これにより、配管6側の燃料は、リリーフ弁通路62、リリーフ弁座64を経由して加圧室103側へ戻される。その結果、吐出通路102の弁座部60に対し加圧室103とは反対側の空間の燃料の圧力が異常に高くなることを抑制可能である。なお、リリーフ弁部材80の開弁圧は、スプリング83の付勢力を調整することにより設定可能である。
このように、本実施形態の吐出弁装置50は、吐出弁としての機能とリリーフ弁としての機能との両方を備えるリリーフ弁一体型の吐出弁装置である。
次に、インレットパイプ90について、図4に基づき詳細に説明する。
インレットパイプ90は、基部91、フランジ部92、パイプ特定形状部93、パイプ筒部94、インレット通路95を有する。基部91は、円筒状に形成され、内側の空間がインレット穴部153を経由して燃料室100に連通するよう一端がカバー15の外壁に接続される。フランジ部92は、基部91の一端の外壁から径方向外側に広がるよう円環の板状に形成されカバー15の外壁に溶接されている。本実施形態では、フランジ部92は、外縁部が周方向の全域に亘りカバー15の外壁に例えばレーザー溶接により溶接されている。これにより、インレットパイプ90とカバー15との間は液密に保たれている。なお、カバー15の外壁とフランジ部92との接合部には、カバー15およびインレットパイプ90の材料が溶けることにより溶融部M1が形成されている。
パイプ特定形状部93は、少なくとも周方向の一部の肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう基部91に対しカバー15とは反対側に円筒状に延びるよう形成されている。本実施形態では、パイプ特定形状部93は、内径が基部91の内径と同じであり、外径が基部91の外径より小さく設定されている。すなわち、パイプ特定形状部93は、周方向の全域に亘り肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう形成されている。
パイプ筒部94は、パイプ特定形状部93に対しカバー15とは反対側に円筒状に延びるよう形成されている。パイプ筒部94は、薄肉部941、厚肉部942を有している。薄肉部941は、パイプ特定形状部93に対し基部91とは反対側に筒状に延びるよう形成されている。本実施形態では、薄肉部941の肉厚は、パイプ特定形状部93の肉厚と同じである。厚肉部942は、薄肉部941に対しパイプ特定形状部93とは反対側に筒状に延びるよう形成されている。厚肉部942の肉厚は、薄肉部941の肉厚より大きい。パイプ筒部94は、厚肉部942の軸方向の途中に、径方向外側へ円環状に突出する突出部943を有している。突出部943は、例えば、パイプ筒部94の厚肉部942を軸方向に圧縮することにより形成可能である。
インレット通路95は、基部91、パイプ特定形状部93およびパイプ筒部94の内側に形成され、燃料室100に供給する燃料が流れる。
図4では、基部91とフランジ部92とパイプ特定形状部93とパイプ筒部94(薄肉部941、厚肉部942)との境界を二点鎖線で示している。
図3に示すように、インレットパイプ90のパイプ筒部94には、配管4の燃料ポンプ3とは反対側の端部が接続される。このとき、配管4の端部の内側の係合部400がインレットパイプ90の突出部943に係合する。これにより、インレットパイプ90から配管4が抜けることが抑制される。また、配管4の端部の内側とインレットパイプ90の突出部943との間には、ゴム製環状のシール部材401が設けられている。これにより、インレットパイプ90と配管4との間が液密に保たれている。
燃料ポンプ3から吐出された燃料は、配管4およびインレット通路95を経由して高圧ポンプ1の燃料室100に流入する。
次に、インレットパイプ90に外力が加わった場合について、図5に基づき説明する。
上述のように、本実施形態では、パイプ特定形状部93は、周方向の全域に亘り肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう形成されている。すなわち、パイプ特定形状部93の強度は、基部91の強度に比べ低い。そのため、図5に示すように、例えばインレットパイプ90の軸Ax1に直交する方向の外力F1がパイプ筒部94のカバー15とは反対側の端部に加わった場合、インレットパイプ90は、パイプ特定形状部93の箇所で屈曲する。これにより、「フランジ部92とカバー15の外壁との溶接箇所(溶融部M1)に引張応力が作用し亀裂が生じること」を抑制できる。
なお、インレットパイプ90の突出部943は、パイプ筒部94を軸方向に圧縮することにより形成されているため、パイプ特定形状部93に比べ、強度が低い。よって、インレットパイプ90の軸Ax1に直交する方向の外力F1がパイプ筒部94のカバー15とは反対側の端部に加わった場合、インレットパイプ90は、突出部943の箇所では屈曲せず、パイプ特定形状部93の箇所で屈曲する(図5参照)。
次に、下ハウジング12について、図6に基づき詳細に説明する。
下ハウジング12は、閉塞部121、ハウジング特定形状部122、固定部123を有している。閉塞部121は、外縁部が周方向の全域に亘りカバー15のカバー筒部151の開口端に例えばレーザー溶接により溶接されている。これにより、カバー15と閉塞部121との間は液密に保たれている。なお、カバー15の開口端と閉塞部121との接合部には、カバー15および下ハウジング12の材料が溶けることにより溶融部M2が形成されている。
ハウジング特定形状部122は、板厚が閉塞部121の板厚より小さくなるよう閉塞部121に対し面方向の外側に板状に延びるよう形成されている(図3、6参照)。
固定部123は、ハウジング特定形状部122に対し閉塞部121とは反対側に板状に延びるよう形成されている。本実施形態では、固定部123の板厚は、ハウジング特定形状部122の板厚と同じである。固定部123は、板厚方向に貫くボルト穴部126を有している。
本実施形態では、高圧ポンプ1は、エンジンヘッド105に形成されたエンジン穴部106にホルダ支持部14が入り込むようエンジン9に設置される。なお、ホルダ支持部14とエンジン穴部106との間にはシール部材141が設けられ、ホルダ支持部14とエンジン穴部106との間は液密または気密に保たれている。
高圧ポンプ1は、固定部123のボルト穴部126にボルト108を通し、エンジンヘッド105に形成されたボルト穴部107にボルト108をねじ込むことによりエンジンヘッド105に固定される。ここで、エンジンヘッド105は、特許請求の範囲における「他部材」に対応している。
なお、ハウジング特定形状部122は、エンジンヘッド105側の端面が閉塞部121および固定部123のエンジンヘッド105側の端面と同一平面上にあり、エンジンヘッド105とは反対側の端面が閉塞部121のエンジンヘッド105とは反対側の端面に対しエンジンヘッド105側に位置するとともに固定部123のエンジンヘッド105とは反対側の端面と同一平面上に位置するよう形成されている。つまり、ハウジング特定形状部122は、板厚が閉塞部121の板厚より小さく、固定部123の板厚と同じになるよう形成されている。
図6では、下ハウジング12とホルダ支持部14との境界、および、閉塞部121とハウジング特定形状部122と固定部123との境界を二点鎖線で示している。また、図3では、ハウジング特定形状部122と固定部123との境界を二点鎖線で示している。
ところで、高圧ポンプ1は、車両のエンジン9に固定されるため、車両の走行時等、振動する。上述のように、本実施形態では、ハウジング特定形状部122は、板厚が閉塞部121の板厚より小さくなるよう形成されている。すなわち、ハウジング特定形状部122の強度は、閉塞部121の強度に比べ低い。そのため、例えばエンジン9からの振動がボルト108を経由して下ハウジング12の固定部123に伝達した場合、下ハウジング12は、ハウジング特定形状部122の箇所で変形または屈曲する。これにより、「閉塞部121とカバー15との溶接箇所(溶融部M2)に応力が作用し亀裂が生じること」を抑制できる。
次に、本実施形態の高圧ポンプ1の作動について、図2に基づき説明する。
「吸入工程」
電磁駆動部40のコイル45への電力の供給が停止されているとき、吸入弁部材32は、ニードル付勢部材37およびニードル35により加圧室103側へ付勢されている。よって、吸入弁部材32は、吸入弁座311から離間、すなわち、開弁している。この状態で、プランジャ20がカム5側に移動すると、加圧室103の容積が増大し、吸入通路101内の燃料は、加圧室103に吸入される。
「調量工程」
吸入弁部材32が開弁した状態で、プランジャ20がカム5とは反対側に移動すると、加圧室103の容積が減少し、加圧室103内の燃料は、吸入通路101の燃料室100側に戻される。調量工程の途中、コイル45に電力を供給すると、可動コア43がニードル35とともに固定コア44側に吸引され、吸入弁部材32が吸入弁座311に当接し閉弁する。プランジャ20がカム5とは反対側に移動するとき、吸入弁部材32を閉弁し吸入通路101の加圧室103側と燃料室100側との間を遮断することにより、加圧室103から吸入通路101の燃料室100側に戻される燃料の量が調整される。その結果、加圧室103で加圧される燃料の量が決定される。吸入弁部材32が閉弁することにより、燃料を加圧室103から吸入通路101の燃料室100側に戻す調量工程は終了する。
「加圧工程」
吸入弁部材32が閉弁した状態でプランジャ20がカム5とは反対側にさらに移動すると、加圧室103の容積が減少し、加圧室103内の燃料は、圧縮され加圧される。加圧室103内の燃料の圧力が吐出弁部材70の開弁圧以上になると、吐出弁部材70が開弁し、燃料が加圧室103から配管6側に吐出される。
コイル45への電力の供給が停止され、プランジャ20がカム5側に移動すると、吸入弁部材32は再び開弁する。これにより、燃料を加圧する加圧工程が終了し、吸入通路101の燃料室100側から加圧室103側に燃料が吸入される吸入工程が再開する。
上記の「吸入工程」、「調量工程」、「加圧工程」を繰り返すことにより、高圧ポンプ1は、吸入した燃料タンク2内の燃料を加圧、吐出し、燃料レール7に供給する。高圧ポンプ1から燃料レール7への燃料の供給量は、電磁駆動部40のコイル45への電力の供給タイミング等を制御することにより調節される。
以上説明したように、(1)本実施形態では、シリンダ13は、燃料を加圧する加圧室103を有する。
カバー15は、加圧室103に連通する燃料室100を内側に形成し、内壁と外壁とを接続するインレット穴部153を有している。
インレットパイプ90は、カバー15とは別体に形成され、基部91、フランジ部92、パイプ特定形状部93、パイプ筒部94およびインレット通路95を有している。基部91は、筒状に形成され、内側の空間がインレット穴部153を経由して燃料室100に連通するよう一端がカバー15の外壁に接続されている。フランジ部92は、基部91の一端の外壁から径方向外側に広がるよう形成されカバー15の外壁に溶接されている。パイプ特定形状部93は、少なくとも周方向の一部の肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう基部91に対しカバー15とは反対側に筒状に延びるよう形成されている。パイプ筒部94は、パイプ特定形状部93に対しカバー15とは反対側に筒状に延びるよう形成されている。インレット通路95は、基部91、パイプ特定形状部93およびパイプ筒部94の内側に形成され、燃料室100に供給する燃料が流れる。
本実施形態では、パイプ特定形状部93は、少なくとも周方向の一部の肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう基部91に対しカバー15とは反対側に形成されている。本実施形態では、パイプ特定形状部93は、周方向の全域に亘り肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう形成されている。そのため、例えばインレットパイプ90の軸Ax1に直交する方向の外力F1がパイプ筒部94に加わった場合、インレットパイプ90は、パイプ特定形状部93の箇所で屈曲する(図5参照)。これにより、「フランジ部92とカバー15の外壁との溶接箇所(溶融部M1)に引張応力が作用し亀裂が生じること」を抑制できる。したがって、インレットパイプ90に外力が加わった場合でも、インレットパイプ90とカバー15との溶接箇所の亀裂を抑制することができる。よって、当該亀裂から高圧ポンプ1の外部への燃料の漏れを抑制することができる。
また、(3)本実施形態では、カバー15は、有底筒状に形成され、下ハウジング12をさらに備えている。下ハウジング12は、閉塞部121、ハウジング特定形状部122、固定部123を有している。閉塞部121は、カバー15の開口端を塞ぐよう板状に形成されカバー15の開口端に溶接されている。ハウジング特定形状部122は、板厚が閉塞部121の板厚より小さくなるよう閉塞部121に対し面方向の外側に形成されている。固定部123は、ハウジング特定形状部122に対し閉塞部121とは反対側に形成されエンジンヘッド105に固定される。
本実施形態では、高圧ポンプ1は、車両のエンジン9に固定されるため、車両の走行時等、振動する。上述のように、本実施形態では、ハウジング特定形状部122は、板厚が閉塞部121の板厚より小さくなるよう形成されている。すなわち、ハウジング特定形状部122の強度は、閉塞部121の強度に比べ低い。そのため、例えばエンジン9からの振動がボルト108を経由して下ハウジング12の固定部123に伝達した場合、下ハウジング12は、ハウジング特定形状部122の箇所で変形または屈曲する。これにより、「閉塞部121とカバー15との溶接箇所(溶融部M2)に応力が作用し亀裂が生じること」を抑制できる。したがって、高圧ポンプ1の下ハウジング12の固定箇所にエンジンヘッド105等の他部材から振動が伝達した場合でも、カバー15と下ハウジング12との溶接箇所の亀裂を抑制することができる。よって、当該亀裂から高圧ポンプ1の外部への燃料の漏れを抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による高圧ポンプの一部を図7に示す。第2実施形態は、インレットパイプ90の基部91およびパイプ特定形状部93の形状が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、基部91は、内径および外径がパイプ筒部94の薄肉部941の内径および外径と同じである。すなわち、基部91の肉厚は、薄肉部941の肉厚と同じである。
パイプ特定形状部93は、内径が基部91および薄肉部941の内径と同じであり、外径が基部91および薄肉部941の外径より小さい。すなわち、パイプ特定形状部93は、周方向の全域に亘り肉厚が基部91および薄肉部941の肉厚より小さくなるよう形成されている。
このような形状のインレットパイプ90(基部91、パイプ特定形状部93、薄肉部941)は、例えば円筒状の部材の外壁から径方向内側に凹む溝を周方向の全周に亘り切削等で形成することにより形成可能である。
第2実施形態は、上述した以外の点は、第1実施形態の構成と同じである。
以上説明したように、第2実施形態では、第1実施形態と同様、パイプ特定形状部93は、周方向の全域に亘り肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう形成されている。そのため、例えばインレットパイプ90の軸Ax1に直交する方向の外力がパイプ筒部94に加わった場合、インレットパイプ90は、パイプ特定形状部93の箇所で屈曲する。これにより、「フランジ部92とカバー15の外壁との溶接箇所(溶融部M1)に引張応力が作用し亀裂が生じること」を抑制できる。したがって、第1実施形態と同様、インレットパイプ90に外力が加わった場合でも、インレットパイプ90とカバー15との溶接箇所の亀裂を抑制することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による高圧ポンプの一部を図8に示す。第3実施形態は、インレットパイプ90のパイプ特定形状部93の形状が第1実施形態と異なる。
第3実施形態では、パイプ特定形状部93は、内径が基部91およびパイプ筒部94の薄肉部941の内径と同じであり、外径が薄肉部941の外径より小さい。すなわち、パイプ特定形状部93は、周方向の全域に亘り肉厚が基部91および薄肉部941の肉厚より小さくなるよう形成されている。
このような形状のインレットパイプ90(基部91、パイプ特定形状部93、薄肉部941)は、例えば第1実施形態で示したインレットパイプ90のパイプ特定形状部93の外壁から径方向内側に凹む溝を周方向の全周に亘り切削等で形成することにより形成可能である。すなわち、第3実施形態では、パイプ特定形状部93の肉厚は、第1実施形態のパイプ特定形状部93の肉厚より小さく設定されている。
第3実施形態は、上述した以外の点は、第1実施形態の構成と同じである。
以上説明したように、第3実施形態では、第1実施形態と比べ、パイプ特定形状部93の肉厚がさらに小さくなるよう形成されている。そのため、例えばインレットパイプ90の軸Ax1に直交する方向の外力がパイプ筒部94に加わった場合、インレットパイプ90は、パイプ特定形状部93の箇所でより屈曲し易くなる。これにより、「フランジ部92とカバー15の外壁との溶接箇所(溶融部M1)に引張応力が作用し亀裂が生じること」をより効果的に抑制できる。したがって、インレットパイプ90に外力が加わった場合でも、インレットパイプ90とカバー15との溶接箇所の亀裂をより効果的に抑制することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による高圧ポンプの一部を図9に示す。第4実施形態は、インレットパイプ90の形状が第1実施形態と異なる。
第4実施形態では、インレットパイプ90は、延伸部96をさらに有している。延伸部96は、カバー15のインレット穴部153の内側に位置するよう基部91の一端からカバー15の内側に向かって円筒状に延びるよう形成されている。ここで、延伸部96は、内径が基部91の内径と同じで、外径がインレット穴部153の内径とほぼ同じかインレット穴部153の内径よりやや小さく設定されている。この構成により、例えばインレットパイプ90の軸Ax1に直交する方向の外力がパイプ筒部94に加わったとしても、カバー15の外壁に対する基部91およびフランジ部92の傾きを抑制でき、「フランジ部92とカバー15の外壁との溶接箇所に引張応力が作用すること」をさらに抑制できる。
第4実施形態は、上述した以外の点は、第1実施形態の構成と同じである。
以上説明したように、(2)本実施形態では、インレットパイプ90は、インレット穴部153の内側に位置するよう基部91の一端からカバー15の内側に向かって筒状に延びる延伸部96を有している。これにより、例えばインレットパイプ90の軸Ax1に直交する方向の外力がパイプ筒部94に加わったとしても、カバー15の外壁に対する基部91およびフランジ部92の傾きを抑制でき、「フランジ部92とカバー15の外壁との溶接箇所(溶融部M1)に引張応力が作用すること」をさらに抑制できる。したがって、インレットパイプ90に外力が加わった場合でも、インレットパイプ90とカバー15との溶接箇所の亀裂をより効果的に抑制することができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による高圧ポンプの一部を図10に示す。第5実施形態は、下ハウジング12のハウジング特定形状部122の形状が第1実施形態と異なる。
第5実施形態では、ハウジング特定形状部122は、エンジンヘッド105側の端面が閉塞部121および固定部123のエンジンヘッド105側の端面と同一平面上にあり、エンジンヘッド105とは反対側の端面が閉塞部121および固定部123のエンジンヘッド105とは反対側の端面に対しエンジンヘッド105側に位置するよう形成されている。つまり、ハウジング特定形状部122は、板厚が固定部123の板厚より小さくなるよう形成されている。すなわち、ハウジング特定形状部122は、板厚が閉塞部121および固定部123の板厚より小さくなるよう形成されている。
このような形状の下ハウジング12(閉塞部121、ハウジング特定形状部122、固定部123)は、例えば第1実施形態で示した下ハウジング12のハウジング特定形状部122のエンジンヘッド105とは反対側の端面からエンジンヘッド105側に凹む溝を切削等で形成することにより形成可能である。すなわち、第5実施形態では、ハウジング特定形状部122の板厚は、第1実施形態のハウジング特定形状部122の板厚より小さく設定されている。
第5実施形態は、上述した以外の点は、第1実施形態の構成と同じである。
以上説明したように、第5実施形態では、第1実施形態と比べ、ハウジング特定形状部122の板厚がさらに小さくなるよう形成されている。そのため、例えばエンジン9からの振動がボルト108を経由して下ハウジング12の固定部123に伝達した場合、下ハウジング12は、ハウジング特定形状部122の箇所でより変形または屈曲し易くなる。これにより、「閉塞部121とカバー15との溶接箇所(溶融部M2)に引張応力が作用し亀裂が生じること」をより効果的に抑制できる。したがって、高圧ポンプ1の下ハウジング12の固定箇所にエンジンヘッド105等の他部材から振動が伝達した場合でも、カバー15と下ハウジング12との溶接箇所の亀裂をより効果的に抑制することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、インレットパイプ90のパイプ特定形状部93が、周方向の全域に亘り肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、パイプ特定形状部93は、周方向の一部の肉厚が基部91の肉厚より小さくなるよう形成されていればよい。このような構成でも、例えばインレットパイプ90の軸Ax1に直交する方向の外力がパイプ筒部94に加わった場合、インレットパイプ90は、パイプ特定形状部93の箇所で屈曲し易くなる。よって、インレットパイプ90とカバー15との溶接箇所の亀裂を抑制することができる。
また、本発明の他の実施形態では、インレットパイプ90のパイプ筒部94は、突出部943を有していなくてもよい。また、パイプ筒部94は、軸方向の一端から他端にかけて肉厚が一定となるよう形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、下ハウジング12の固定部123のエンジンヘッド105とは反対側の端面が、閉塞部121のエンジンヘッド105とは反対側の端面に対しエンジンヘッド105側に位置するよう形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、固定部123のエンジンヘッド105とは反対側の端面は、閉塞部121のエンジンヘッド105とは反対側の端面と同一平面上に位置する等、ハウジング特定形状部122のエンジンヘッド105とは反対側の端面に対しエンジンヘッド105とは反対側に位置するよう形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、下ハウジング12は、ハウジング特定形状部122を有していなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、カバー15のカバー筒部151は、八角筒状に限らず、三角筒や六角筒等の多角筒状に形成されていてもよい。なお、カバー15のインレットパイプ90と接合する外壁は、平面状であることが望ましい。
また、上述の実施形態では、上ハウジング11、下ハウジング12およびホルダ支持部14、シリンダ13、ユニオン51が別体で形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、上ハウジング11、下ハウジング12、ホルダ支持部14、シリンダ13、ユニオン51は、この中の少なくとも2つの部材が一体に形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、高圧ポンプを、ディーゼルエンジン等、ガソリンエンジン以外の内燃機関に適用してもよい。また、高圧ポンプを、車両のエンジン以外の装置等へ向けて燃料を吐出する燃料ポンプとして用いてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。