JP6520650B2 - 高圧ポンプ - Google Patents
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Description
ハウジングは、加圧室を有している。
プランジャは、加圧室の容積を増減するよう移動し、加圧室内の燃料を加圧可能である。
カバーは、加圧室に連通可能な燃料室をハウジングとの間に形成している。
流入通路部は、燃料室と外部とを接続し、外部から燃料室へ流入する燃料が流れる流入通路を有している。
流出通路部は、燃料室と外部とを接続し、燃料室から外部へ流出する燃料が流れる流出通路を有している。
吐出部は、加圧室で加圧された燃料を外部へ吐出する。
本発明では、共鳴部は、接続通路に対し流出通路側において、共鳴部の特性により決まる特定の周波数を中心とする燃料の圧力脈動が生じたとき、共鳴し、当該圧力脈動を低減することができる。したがって、流出通路を経由して燃料室から流出した燃料の圧力脈動を低減可能である。
ここで、共鳴部は、接続通路に対し流出通路側、すなわち、低圧燃料配管内に燃料の圧力脈動が生じたとき、共鳴し、当該圧力脈動を低減することができる。したがって、「低圧燃料配管内に生じる燃料の圧力脈動により、低圧燃料配管から振動に伴う騒音が放出されたり、低圧燃料配管が損傷したりすること」を抑制できる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図2に示す。
ハウジング20は、上ハウジング21、下ハウジング22、シリンダ23等を有している。
上ハウジング21、下ハウジング22、シリンダ23は、例えばステンレス等の金属により形成されている。
カバー筒部31は、筒状に形成されている。カバー底部32は、カバー筒部31の一端を塞ぐようカバー筒部31と一体に形成されている。すなわち、カバー30は、有底筒状に形成されている。
カバー30は、流入開口部33、流出開口部34、カバー開口部35、36を有している。
流入通路部41は、一端がカバー筒部31の外壁のうち流入開口部33の外側の部位に接合するよう設けられている。流入通路部41とカバー筒部31とは、例えば溶接により流入通路部41の周方向の全域に亘り接合されている。
流出通路部42は、例えばステンレス等の金属により略円筒状に形成されている。流出通路部42は、内側に流出通路421を有している。
流出通路部42は、一端がカバー底部32の外壁のうち流出開口部34の外側の部位に接合するよう設けられている。流出通路部42とカバー底部32とは、例えば溶接により流出通路部42の周方向の全域に亘り接合されている。
吸入弁部50は、上ハウジング21の吸入穴部212に設けられている。吸入弁部50は、弁座部51、吸入弁体52、スプリング53、ストッパ54等を有している。
吸入弁体52は、例えばステンレス等の金属により略円板状に形成され、弁座部51の加圧室200側に設けられている。吸入弁体52は、一方の端面の外縁部が吸入弁座511に当接可能に設けられている。
支持部62は、例えばステンレス等の金属により筒状に形成され、外壁が筒部61の内壁に嵌合するよう設けられている。
可動コア65は、例えば磁性材料により略円筒状に形成され、ニードル63の他端に嵌合するようにして設けられている。
続いて、プランジャ11がカム4とは反対側に移動すると、加圧室200の容積が減少し、加圧室200内の燃料は、吸入開口部232を経由してストッパ54側に流れる。
プランジャ11がカム4とは反対側に移動しているとき、コイル67に通電されると、吸入弁体52が閉弁し、燃料室300と加圧室200との連通が遮断される。
このように、プランジャ11がカム4とは反対側に移動しているとき、電磁駆動部60により吸入弁体52を閉弁することにより、加圧室200で加圧する燃料の量が調整される。
吐出部14は、カバー30のカバー開口部36および上ハウジング21の吐出穴部213に挿入された状態で設けられている。吐出部14は、吐出部本体141を有している。
吐出リリーフ弁部70は、吐出部本体141の内側に設けられている。吐出リリーフ弁部70は、弁座部71、吐出弁体72、スプリング73、リリーフ弁体75、スプリング76等を有している。
吐出弁体72は、略円板状に形成され、一方の端面の外縁部が吐出弁座712に当接可能に設けられている。スプリング73は、例えばコイルスプリングであり、吐出弁体72を吐出弁座712側に付勢している。
パルセーションダンパ15は、例えば円形皿状の金属薄板を2枚合わせ、外縁部を溶接により接合することによって形成されている。パルセーションダンパ15の内側には、所定圧の気体が封入されている。
パルセーションダンパ15は、燃料室300内のハウジング20とカバー底部32との間に設けられている。
支持部材16は、パルセーションダンパ15の外縁部を挟み込むようにして設けられている。
本体81は、上本体82および下本体83を有している。上本体82および下本体83は、それぞれ、例えばステンレス等の金属により有底筒状に形成されている。
上本体82は、本体筒部821、本体底部822を有している。本体筒部821は、略円筒状に形成されている。本体底部822は、本体筒部821の一端を塞ぐよう本体筒部821と一体に形成されている。
下本体83は、本体筒部831、本体底部832を有している。本体筒部831は、略円筒状に形成されている。本体底部832は、本体筒部831の一端を塞ぐよう本体筒部831と一体に形成されている。
下本体83は、上本体82のハウジング20側において、本体底部832が上本体82の本体筒部821の他端に接し、本体筒部831の外壁がカバー筒部31の内壁に嵌合するようにして燃料室300内に設けられている。ここで、上本体82の本体底部822と本体筒部821と下本体83の本体底部832との間に略円筒状の空間800が形成されている。
下本体83の外壁には、下流路833が形成されている。下流路833は、本体筒部831の外壁の一端から他端まで溝状に延びるようにして形成されている。下流路833は、下本体83の周方向に例えば等間隔で4つ形成されている。また、下流路833は、上流路823に対応した位置に形成されている。
燃料室300内の特に下本体83に対しハウジング20側の燃料の圧力脈動は、主に吸入弁体52が開閉弁し、加圧室200で加圧する燃料の量を調整するときに生じる。
筒部85は、開口部84から下本体83側に向かって略円筒状に延びるよう形成されている。ここで、筒部85は、軸Ax1が流出通路部42の軸Ax0に概ね沿うよう形成されている。すなわち、筒部85は、流出通路部42と同軸に設けられている。
接続通路86は、開口部84および筒部85の内側に形成され、空間800と本体81の外側とを接続している。接続通路86は、略円筒状に形成されている。
このように、共鳴部80は、所謂ヘルムホルツ共鳴器を構成している。
fn=(a/2π)√[(d^2)/{V(4M/π+d)}] ・・・式1
となる。ここで、「^」は、べき乗を表わす(以下、同じ)。
共鳴部80は、接続通路86に対し流出通路421側において、共鳴部80の特性により決まる特定の周波数fnを中心とする燃料の圧力脈動が生じたとき、共鳴し、当該圧力脈動を低減することができる。したがって、流出通路421を経由して燃料室300から流出した燃料の圧力脈動を低減可能である。
f=a/4L ・・・式2
程度となる。
(a/2π)√[(d^2)/{V(4M/π+d)}]=a/4L ・・・式3
の関係を満たすよう形成されている。
上記式3の両辺に4πL/aをかけると、aを含まない下記式4を導くことができる。
2L√[(d^2)/{V(4M/π+d)}]=π ・・・式4
すなわち、本実施形態では、共鳴部80は、上記式4の関係を満たすよう形成されているということができる。
図2に示すように、本実施形態では、高圧ポンプ10は、シリンダ23および流出通路部42の軸が鉛直方向に概ね沿うような状態となるようエンジンに設けられる。
ハウジング20は、加圧室200を有している。
プランジャ11は、加圧室200の容積を増減するよう移動し、加圧室200内の燃料を加圧可能である。
カバー30は、加圧室200に連通可能な燃料室300をハウジング20との間に形成している。
流入通路部41は、燃料室300と外部とを接続し、外部から燃料室300へ流入する燃料が流れる流入通路411を有している。
流出通路部42は、燃料室300と外部とを接続し、燃料室300から外部へ流出する燃料が流れる流出通路421を有している。
吐出部14は、加圧室200で加圧された燃料を外部へ吐出する。
本実施形態では、共鳴部80は、接続通路86に対し流出通路421側において、共鳴部80の特性により決まる特定の周波数fnを中心とする燃料の圧力脈動が生じたとき、共鳴し、当該圧力脈動を低減することができる。したがって、流出通路421を経由して燃料室300から流出した燃料の圧力脈動を低減可能である。
ここで、共鳴部80は、接続通路86に対し流出通路421側、すなわち、低圧燃料配管102内に燃料の圧力脈動が生じたとき、共鳴し、当該圧力脈動を低減することができる。したがって、「低圧燃料配管102内に生じる燃料の圧力脈動により、低圧燃料配管102から振動に伴う騒音が放出されたり、低圧燃料配管102が損傷したりすること」を抑制できる。
また、(3)本実施形態では、筒部85は、流出通路部42と同軸に設けられている。つまり、接続通路86は、流出通路421に対向するよう設けられている。そのため、共鳴部80は、接続通路86に対し流出通路421側で生じる燃料の圧力脈動を効果的に低減することができる。
2L√[(d^2)/{V(4M/π+d)}]=π ・・・式4
の関係を満たすよう形成されている。
音速をaとすると、共鳴部80の共鳴周波数(fn)は、
fn=(a/2π)√[(d^2)/{V(4M/π+d)}] ・・・式1
となる。
f=a/4L ・・・式2
程度となる。
本発明の第2実施形態による高圧ポンプを図3に示す。第3実施形態は、共鳴部80の構成が第1実施形態と異なる。
接続通路86は、開口部84および筒部85の内側に形成され、空間800と本体81の外側とを接続している。接続通路86は、略円筒状に形成されている。
このように、共鳴部80は、第1実施形態と同様、ヘルムホルツ共鳴器を構成している。
2L√[(d^2)/{V(4M/π+d)}]=π ・・・式4
の関係を満たすよう形成されている。
第2実施形態においても、共鳴部80は、上記式4の関係を満たすよう形成されているため、接続通路86に対し流出通路421側、すなわち、低圧燃料配管102内に周波数f(=a/4L)の圧力脈動が生じたとき、共鳴し、当該圧力脈動を打ち消すことができる。
そのため、共鳴部80は、接続通路86に対し流出通路421側、すなわち、低圧燃料配管102内に燃料の圧力脈動が生じたとき、共鳴し、当該圧力脈動を低減することができる。したがって、第1実施形態と同様、「低圧燃料配管102内に生じる燃料の圧力脈動により、低圧燃料配管102から振動に伴う騒音が放出されたり、低圧燃料配管102が損傷したりすること」を抑制できる。
2L√[(d^2)/{V(4M/π+d)}]=π ・・・式4
の関係を満たすよう形成されている。
そのため、接続通路86に対し流出通路421側に周波数fn(=f)の圧力脈動が生じたとき、共鳴し、当該圧力脈動を打ち消すことができる。したがって、第1実施形態と同様、低圧の燃料が燃料室300から低圧燃料配管102を経由して低圧燃料レール5に流通するとき、低圧燃料配管102内に周波数fの圧力脈動が生じた場合、共鳴部80により、低圧燃料配管102内の圧力脈動を効果的に低減することができる。
上述の実施形態では、流出通路部42がカバー30のカバー底部32に設けられ、共鳴部80の筒部85が流出通路部42と同軸に設けられる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、例えば、流出通路部42がカバー30のカバー筒部31に設けられ、共鳴部80の筒部85が流出通路421と非同軸に設けられる構成であってもよい。このような構成であっても、共鳴部80により、接続通路86に対し流出通路421側、すなわち、低圧燃料配管102内に燃料の圧力脈動が生じたとき、当該圧力脈動を低減することができる。
2L√[(d^2)/{V(4M/π+d)}]=π ・・・式4
の関係を満たすよう形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、共鳴部80は、上記式4の関係を満たすよう形成されていなくてもよい。本発明のように共鳴部80が本体81、開口部84、筒部85および接続通路86を有するヘルムホルツ共鳴器を構成するのであれば、共鳴部80が共鳴することにより、低圧燃料配管102内に生じる、周波数(fn)が
fn=(a/2π)√[(d^2)/{V(4M/π+d)}] ・・・式1
の圧力脈動を効果的に低減することができる。
また、本発明の他の実施形態では、パルセーションダンパ15を備えていなくてもよい。
また、上述の実施形態では、ハウジング20が、別体の上ハウジング21、下ハウジング22およびシリンダ23から構成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ハウジング20は、上ハウジング21、下ハウジング22およびシリンダ23のうち少なくとも2つが一体に形成されることにより構成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、高圧ポンプを、ディーゼルエンジン等、ガソリンエンジン以外の内燃機関に適用してもよい。また、高圧ポンプを、車両のエンジン以外の装置等へ向けて燃料を吐出する燃料ポンプとして用いてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
Claims (5)
- 加圧室(200)を有するハウジング(20)と、
前記加圧室の容積を増減するよう移動し、前記加圧室内の燃料を加圧可能なプランジャ(11)と、
前記加圧室に連通可能な燃料室(300)を前記ハウジングとの間に形成しているカバー(30)と、
前記燃料室と外部とを接続し、外部から前記燃料室へ流入する燃料が流れる流入通路(411)を有する流入通路部(41)と、
前記燃料室と外部とを接続し、前記燃料室から外部へ流出する燃料が流れる流出通路(421)を有する流出通路部(42)と、
前記加圧室で加圧された燃料を外部へ吐出する吐出部(14)と、
前記燃料室に設けられ、内側に空間(800)が形成された本体(81)、前記空間と前記本体の外側とを接続するよう前記本体に形成された開口部(84)、前記開口部から筒状に延びるよう形成された筒部(85)、ならびに、前記開口部および前記筒部の内側に形成され前記空間と前記本体の外側とを接続する接続通路(86)を有する共鳴部(80)と、
を備える高圧ポンプ(1)。 - 前記共鳴部は、前記接続通路に対し前記流出通路側の燃料の圧力脈動を低減可能である請求項1に記載の高圧ポンプ。
- 前記筒部は、前記流出通路部と同軸に設けられている請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
- 前記流入通路部は、燃料タンク(2)内の燃料を汲み上げ吐出する燃料ポンプ(3)に接続され、
前記流出通路部は、燃料を噴射する第1燃料噴射弁(6)が接続される第1燃料レール(5)に接続され、
前記吐出部は、燃料を噴射する第2燃料噴射弁(8)が接続される第2燃料レール(7)に接続される請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。 - 前記接続通路から前記第1燃料レールまでの距離をL、前記空間の体積をV、前記接続通路の通路径をd、前記接続通路の長さをMとすると、
前記共鳴部は、
2L√[(d^2)/{V(4M/π+d)}]=π (ここで、「^」は、べき乗を表わす。)
の関係を満たすよう形成されている請求項4に記載の高圧ポンプ。
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