JP6442654B2 - 電子管楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子管楽器に関する。
管楽器(アコースティックフルート等)から出力されるような音を電気的に生成して出力する電子管楽器が提案されている。この種の電子管楽器は、演奏用キーや呼気圧検出センサなどといった各操作子のオン/オフの組み合わせと音源から出力させる音のピッチとを対応付けたテーブルを、予め保持している。そして、操作子の状態が変化すると、変化後の各操作子の状態の組み合わせに対応するピッチをテーブルから探索して、探索されたピッチの音を出力する。
特許第4466576号公報
複数の音孔及び複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体が電子管楽器に設けられるが、種類の異なる複数の管体に対応すること等を考慮した技術の開発が求められる。
本発明は、有益な電子管楽器を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の電子管楽器は、複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、前記基板は第1要素基板を含む複数の要素基板から成り、各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、前記第1要素基板が前記管体の軸方向に移動可能となるように、前記支持材が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る第2の電子管楽器は、複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、前記基板は第1及び第2要素基板を含む複数の要素基板から成り、各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、前記第1要素基板の部品実装面と前記第2要素基板の部品実装面との成す角度が変更可能となるように、前記支持材が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る第3の電子管楽器は、複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、前記基板は複数の要素基板から成り、各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、前記支持材の全部又は一部において、前記管体の軸に直交する同一面上に2以上の要素基板が取り付けられることを特徴とする。
本発明によれば、有益な電子管楽器を提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る電子管楽器システムの全体構成図である。 本発明の実施形態に係る電子フルートの分解構成図である。 胴部挿入ユニット、足部挿入ユニット、PC(パーソナルコンピュータ)及びスイッチの概略ブロック図である。 胴部管の各音孔と胴部マイコンとの関係を示す図である。 足部管の各音孔と足部マイコンとの関係を示す図である。 胴部マイコンが作成及び送信するデータの構造を示す図である。 PC及び足部マイコン間のデータ転送手順を示す図である。 足部マイコンが作成及び送信するデータの構造を示す図である。 或るキーパターンと、対応するデータの内容を示す図である。 胴部マイコンの動作フローチャートである。 足部マイコンの、ポート読み込みに関する動作フローチャートである。 足部マイコンの、データ受信に関する動作フローチャートである。 足部マイコンの、USB通信に関する動作フローチャートである。 フルートの出力音のピッチと各音孔の開閉状態との関係を示す図である。 図14の一部に基づく、ピッチ、ビット列及び参照数値の関係を示す図である。 PCのメモリに格納可能なテーブルを示す図である。 PCの概略内部ブロック図である。 各音孔の状態検出結果に基づく検出ビット列及び検出数値の例を示す図である。 PCに表示される基準映像の例である。 本発明の第2実施例に係る表示映像を示す図である。 本発明の第2実施例に係る他の表示映像を示す図である。 本発明の第3実施例に係る表示映像を示す図である。 本発明の第5実施例に係る表示映像を示す図である。 本発明の第6実施例に係る表示映像を示す図である。 本発明の第6実施例に係る他の表示映像を示す図である。 胴部管と胴部挿入ユニットとの関係を示す分解図である。 胴部管の一部断面図及び一部平面図である。 胴部管の音孔の周辺部分の一部透過平面図である。 光センサの構成図である。 音孔を通じて固定材を基板に取り付ける方法を示す図である。 胴部管及び足部管の結合部分周辺における、電子フルートの分解図である。 本発明の第9実施例に係る基板取り付け材及び基板の一部の分解斜視図である。 本発明の第10実施例に係る基板取り付け材及び基板の一部の分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
図1に、本発明の実施形態に係る電子管楽器システムSYSの全体構成図を示す。システムSYSは、電子フルート1と、電子機器としてのパーソナルコンピュータ2(以下、PC2と呼ぶ)と、スイッチ3を備える。但し、スイッチ3はシステム1から割愛され得る。
図2に、電子フルート1の分解構成図を示す。電子フルート1は、通常のアコースティックフルートに対しユニット20U及び30Uを装着することで形成される。アコースティックフルートは、互いに分離可能な頭部管10、胴部管20及び足部管30から成り、それらを連結することで形成される。頭部管10には、歌口(吹き込み口)が設けられ、胴部管20及び足部管30の夫々には、複数の音孔(トーンホール)と、複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキー(操作部材)が設けられる。幾つかのキーは、レバーに分類される操作部材でありうる。ユーザが、頭部管10、胴部管20及び足部管30から成るアコースティックフルートに対し歌口に息を吹き込めば、電気的な作用を介することなく、吹き込んだ息に基づく音がアコースティックフルートから生じる。生じる音のピッチは各音孔の開閉状態に依存する。本明細書においてピッチは音高を指す。上記アコースティックフルートにおける頭部管10、胴部管20及び足部管30を分解した状態で、胴部管20の中空部に胴部挿入ユニット20Uを挿入し且つ足部管30の中空部に足部挿入ユニット30Uを挿入した後、頭部管10、胴部管20及び足部管30を連結することで電子フルート1が形成される。
図3に、ユニット20U、ユニット30U、PC2及びスイッチ3の接続関係を示すと共に、それらの概略的なブロック図を示す。
ユニット20Uは、胴部基板21と、胴部管20に設けられた複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する胴部検出ブロック22と、ブロック22の検出結果を取得するマイクロコンピュータ23(以下、胴部マイコン又はマイコン23と呼ぶ)と、マイコン23に接続されたコネクタ24を有する。ブロック22、マイコン23及びコネクタ24は、胴部基板21上に実装される。ブロック22は、胴部管20の音孔ごとに設けられたセンサ22Sを有する。各センサ22Sは、対応する音孔の開閉状態を示す信号(即ち、対応する音孔が開状態及び閉状態のどちらであるかを示す信号)を出力する。各センサ22Sの出力信号をマイコン23に与えることで、マイコン23により胴部管20の各音孔の開閉状態が常時監視される。音孔の開閉状態の検出、監視とは、音孔の状態が開状態と閉状態のどちらであるかの検出、監視を指す。
ユニット30Uは、足部基板31と、足部管30に設けられた複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する足部検出ブロック32と、ブロック32の検出結果を取得するマイクロコンピュータ33(以下、足部マイコン又はマイコン33と呼ぶ)と、マイコン33に接続されたコネクタ34及び外部端子35を有する。ブロック32、マイコン33、コネクタ34及び外部端子35は、足部基板31上に実装される。ブロック32は、足部管30の音孔ごとに設けられたセンサ32Sを有する。各センサ32Sは、対応する音孔の開閉状態を示す信号(即ち、対応する音孔が開状態及び閉状態のどちらであるかを示す信号)を出力する。各センサ32Sの出力信号をマイコン33に与えることで、マイコン33により足部管30の各音孔の開閉状態が常時監視される。
キーの使用感を損なわないように、センサ22S及び32Sとして、光の遮断有無で出力信号レベルが変化する光センサを用いることができる(光センサ周辺の詳細な構造は後述)。センサ22S又は32Sとしての光センサは、対応する音孔が押さえられているとき(即ち対応する音孔が閉状態であるとき)、光が遮断されてローレベルの信号を出力し、対応する音孔が押さえられていないとき(即ち対応する音孔が開状態であるとき)、光が通過してハイレベルの信号を出力する。以下では、センサ22S又は32Sから出力されるローレベルの信号、ハイレベルの信号に、夫々、論理値“0”、“1”を割り当てて考える。
コネクタ24及び34は互いに脱着自在である。ユニット20Uが挿入された胴部管20とユニット30Uが挿入された足部管30を連結する際、コネクタ24及び34が互いに接続される。マイコン23及び33は、コネクタ24及び34を介してシリアル通信が可能である。マイコン33及びPC2間で通信が可能となるように、マイコン33は外部端子35を介してPC2に接続され、スイッチ3及びPC2間で通信が可能となるように、スイッチ3はPC2に接続される。ここでは、外部端子35はUSB端子であって、USBケーブル(USB(Universal Serial Bus)の規格に準拠するケーブル)にて、足部基板31及びマイコン33がPC2に接続されると共にスイッチ3がPC2に接続され、それらの間における、プラグアンドプレイ等のUSBに関する接続確立処理は完了しているものとする。但し、マイコン33及びPC2間の通信並びにスイッチ3及びPC2間の通信が可能となる限り、それらの接続は、任意の有線接続又は無線接続であって良い。
スイッチ3がPC2に接続されている場合、PC2が、任意のタイミングでスイッチ3に対しスイッチ状態読み出し要求コマンドを送信し、スイッチ状態読み出し要求コマンドを受信したスイッチ3が、PC2に対し、スイッチ3の状態を示すスイッチ状態データをPC2に返信する。スイッチ3は、ユーザによる所定操作の入力を受け付ける操作体であり、スイッチ3に所定操作が入力されたときスイッチ3の状態はオンとなり、スイッチ3に所定操作が入力されていないときスイッチ3の状態はオフとなる。スイッチ3の形態は任意である。例えば、スイッチ3として市販のフットスイッチを利用可能である。
図4及び図5に示す如く、胴部管20には計13個の音孔D〜Pが設けられ、足部管30には計3個の音孔A〜Cが設けられる。尚、アコースティックフルートと同様、音孔A〜Pには、全てのキーに外力が加えられていない状態において開状態となる音孔と閉状態になる音孔とが混在する。このように、電子フルート1における胴部管20及び足部管30には計16個の音孔が設けられており、奏者であるユーザは、夫々のキーに対し、キーを押さえる又はキーを押さえないという操作を選択的に付与する。或るキーを押さえることによって、当該キーに対応する1以上の音孔の状態が、開状態から閉状態に切り替わる又は閉状態から開状態に切り替わる。
胴部マイコン23は、胴部検出ブロック22の各センサ22Sの出力信号に基づき、図6(a)に示すデータセット310を作成し、足部マイコン33に送信することができる。データセット310は、データ312及び313並びにチェックサム314を含む。胴部マイコン23は、足部マイコン33にデータセット310を送信する際、最初にデータの送信開始を示すSTX311を送信し、データ312及び313並びにチェックサム314を送信した後、最後にデータの送信終了を示すETX315を送信する。
データ311〜315の夫々のデータ長は1バイトであり、1バイトは8ビットから成る。STX311及びETX315の夫々は所定の固定データを持つ。図6(b)に示す如く、データ312及び313には、各々が1ビット分の情報量を持つ、計13ビット分のビットデータb〜bが含められる。ビットデータb〜bは、夫々、音孔D〜Pに対応するセンサ22Sの出力論理値(出力信号が示す論理値)を持つ。胴部マイコン23は、音孔D〜Pに対応する13個のセンサ22Sの出力論理値(出力信号レベル)を監視し、何れかのセンサ22Sの出力論理値に変化があった場合に、各センサ22Sの最新の出力論理値を示すデータセット310を足部マイコン33にシリアルで送信する。チェックサム314は、データ312及び313の排他的論理和の値を持つ。チェックサム314に基づき、データ送信に誤りがあると判断された場合、足部マイコン33は、受信したデータセット310を破棄する。
図7は、PC2及び足部マイコン33間のデータ転送手順を示している。PC2は、任意のタイミングで、足部マイコン33に対し2バイト分のコマンドデータから成るデータ要求コマンドを送信する。足部マイコン33は、受信したコマンドの確認処理を介し、データ要求コマンドの受信に応答して、データセット320をPC2に返信する。
図8(a)及び(b)に、足部マイコン33からPC2に送信されるデータセット320の構造並びにデータセット320中のデータ322〜324の構造を示す。足部マイコン33は、胴部マイコン23から受信したデータセット310と足部管30内の各センサ32Sの出力信号に基づき、データ322〜324を形成する。データセット320は、データ322〜324の先頭にコマンド321を付加することで形成される。コマンド321は所定の固定データを持つ。データ321〜324の夫々のデータ長は1バイトである。データ322〜324には、各々が1ビット分の情報量を持つ、計16ビット分のビットデータb〜bが含められる。図8(b)のデータ323及び324は、データセット310中のデータ312及び313と同じものである(図6(b)参照)。データ322中のビットデータb〜bは、夫々、音孔A〜Cに対応するセンサ32Sの出力論理値(出力信号が示す論理値)を持ち、足部管30内の各センサ32Sから得られる。
図9に、アコースティックフルートにおいて基準オクターブの音名「ド」の音を生じさせるためのキーパターン340と、キーパターン340にて各キーを操作した場合に得られるデータ322〜324の内容を示す。基準オクターブの音名「ド」の音を出すためには音孔A〜Pを全て閉状態にする必要があるため、図9のデータ322〜324におけるビットデータb〜bは全て“0”である(図8(b)も参照)。キーパターンとは、胴部管20及び足部管30に設けられた複数のキーの操作状態の組み合わせを指し、“運指”と同義である。或るキーに関し、当該キーの操作状態は、当該キーが押されている状態又は当該キーが押されていない状態を択一的にとる。
図9では、フルートの模式図上にキーパターン340が示されており、図9のキーパターン340において、黒く塗りつぶされているキーが押下キーであり、そうでないキーが非押下キーである(任意のキーパターンが示される後述の図でも同様)。押下キーとは、ユーザによって押されているキー又は押されるべきキーを指し、非押下キーとは、ユーザによって押されていないキー又は押されるべきではないキーを指す。
図10は、胴部マイコン23の動作フローチャートである。胴部マイコン23には、センサ22Sの個数分だけ、センサ22Sの出力信号を受けるポートが設けられている。胴部マイコン23において所定のプログラムが起動すると、まずステップS11にて胴部マイコン23のポート及びメモリの初期化が行われる。胴部マイコン23のメモリは第1及び第2メモリを有する。第1及び第2メモリは単一のメモリ内の2つのメモリ領域を指すものであって良い(後述の第3〜第5メモリ等についても同様)。初期化の後、ステップS12において、胴部マイコン23の各ポートの状態(即ち各音孔D〜Pの状態を示す各センサ22Sの出力論理値)が読み込まれて第1メモリに保存される。続くステップS13において、胴部マイコン23の各ポートの状態が再び読み込まれて第2メモリに保存される。その後、ステップS14において、胴部マイコン23は、ステップS12での第1メモリの保存内容とステップS13での第2メモリの保存内容を照合する。それらが互いに一致している場合にはステップS15に進む一方で、それらが互いに異なる場合にはステップS12に戻る。ステップS13及びS14の処理は、第1メモリの保存内容と第2メモリの保存内容との一致が4回連続確認されるまで、繰り返し実行され、それらの一致が4回連続確認された場合にのみ、各センサ22Sから各音孔の状態が正しく読み出せたと判断してステップS16に進む。
ステップS16において、胴部マイコン23は、ステップS13の最新の読み込み結果に基づくデータ312及び313(図6(b)参照)が、足部マイコン33に前回送信したデータ312及び313と同じであるかを確認する。それらが互いに同じであれば、ステップS12に戻るが、互いに異なっていればステップS17に進む。但し、胴部マイコン23の起動後、まだ1回もデータ312及び313を足部マイコン33に送信していない場合には、ステップS16から無条件でステップS17に進む。ステップS17において、胴部マイコン23は、ステップS13の読み込み結果に基づくデータ312及び313を、上述の送信方法に従い、データセット310(図6(a)及び(b)参照)に含めた状態で足部マイコン33に送信する。その後、ステップS12に戻る。尚、音孔の状態の誤判定を回避するためにステップS13〜S15を設けているが、ステップS13〜S15を割愛することも可能であるし、ステップS15における一致の確認回数は“4”以外でも良い(後述のステップS23〜S25についても同様)。
図11は、足部マイコン33における、ポート読み込みに関する動作フローチャートである。足部マイコン33には、センサ32Sの個数分だけ、センサ32Sの出力信号を受けるポートが設けられている。足部マイコン33において所定のプログラムが起動すると、まずステップS21にて足部マイコン33のポート及びメモリの初期化が行われる。足部マイコン33のメモリは第3〜第5メモリを有する。初期化の後、ステップS22において、足部マイコン33の各ポートの状態(即ち各音孔A〜Cの状態を示す各センサ32Sの出力論理値)が読み込まれて第3メモリに保存される。続くステップS23において、足部マイコン33の各ポートの状態が再び読み込まれて第4メモリに保存される。その後、ステップS24において、足部マイコン33は、ステップS22での第3メモリの保存内容とステップS23での第4メモリの保存内容を照合する。それらが互いに一致している場合にはステップS25に進む一方で、それらが互いに異なる場合にはステップS22に戻る。ステップS23及びS24の処理は、第3メモリの保存内容と第4メモリの保存内容との一致が4回連続確認されるまで、繰り返し実行され、それらの一致が4回連続確認された場合にのみ、各センサ32Sから各音孔の状態が正しく読み出せたと判断してステップS26に進む。ステップS26において、足部マイコン33は、ステップS23で読み込まれた各ポートの状態を第5メモリに保存し、その後、ステップS22に戻る。
図12は、足部マイコン33における、胴部マイコン23からのデータ受信に関わる動作フローチャートである。足部マイコン33において所定のプログラムが起動すると、まずステップS31にて足部マイコン33のメモリの初期化が行われる。ステップS31の初期化は、上述のステップS21の初期化及び後述のステップS41の初期化と共通実施される(図11及び図13参照)。足部マイコン33のメモリは第6及び第7メモリも有する。ステップS32において、足部マイコン33は、胴部マイコン23からシリアルデータとしてデータセット310(図6(a)及び(b)参照)が送信されてくるのを待機し、データセット310を受信すると受信データセット310を第6メモリに保存してステップS33に進む。
ステップS33において、足部マイコン33は、受信データのパリティをチェックすると共に、受信データがSTXから始まりETXで終わることと受信データのデータ長が5バイトであることの確認及びチェックサム314に基づく受信データの誤りの有無の確認を行う。受信データに誤りが無ければステップS34に進むが、受信データに誤りがある場合には受信データを破棄してステップS32に戻る。ステップS34において、足部マイコン33は、受信データ中のデータ312及び313(図6(b)参照)を第7メモリに保存し、ステップS31に戻る。第5及び第7メモリの保存データ(図11及び図12参照)によって、各音孔A〜Pの最新の状態が示される。
図13は、足部マイコン33における、PC2とのUSB通信に関わる動作のフローチャートである。足部マイコン33において所定のプログラムが起動すると、まずステップS41にて足部マイコン33のメモリの初期化が行われる。続くステップS42において、足部マイコン33は、USBにてPC2と接続されていることを確認し、PC2に接続されていない場合にはステップS42に戻るが、PC2に接続されている場合にはステップS43に進む。ステップS43において、足部マイコン33は、PC2からデータ要求コマンド(図7参照)が送信されてくるのを待機し、PC2から何らかコマンドを受信すると、受信コマンドがデータ要求コマンドと一致していることを確認してから(ステップS44)、ステップS45に進む。受信コマンドがデータ要求コマンドでない場合は、ステップS42に戻る。ステップS45において、足部マイコン33は、図11のステップS26における保存内容及び図12のステップS34における保存内容に基づき図8(a)のデータセット320を生成してメモリに入れ、当該データセット320をステップS46にてPC2に送信し、ステップS42に戻る。
アコースティックフルートは、3オクターブ分の音域内のピッチを表現でき、夫々のピッチを生じさせるための音孔の開閉状態は定まっている。PC2は、夫々のピッチに対応する音孔パターンを予め記憶しており、電子フルート1の音孔パターンが何れかのピッチに対応する音孔パターンと一致する場合に、対応するピッチの音を出力する。音孔パターンとは、音孔A〜Pの開閉状態の組み合わせを指す。従って、各々の音孔パターンは、音孔A〜Pの夫々の状態が開状態と閉状態のどちらであるのかを特定する。
上述の構成及び動作を基本とする電子管楽器システムSYSの更なる詳細な構造若しくは動作又は関連技術を、以下の複数の実施例の中で説明する。矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の2以上の実施例を組み合わせることもできる。
<<第1実施例>>
電子管楽器システムSYSの第1実施例を説明する。センサ22S及び32Sの状態に基づく電子フルート1の音孔パターンが何れのピッチに対応しているのかを特定する方法を説明する。
図14のテーブル350は、電子フルート1をアコースティックフルートとして用いた場合における、アコースティックフルートの出力音のピッチと音孔A〜Pの開閉状態との関係を示している。テーブル350では、センサ22S及び32Sの出力信号の論理値に対応するように、音孔ごとに、音孔の閉状態に対してビットデータ“0”が割り当てられ且つ音孔の開状態に対してビットデータ“1”が割り当てられる。図15に、図14のテーブル350の一部を抜き出したものを示す(図15の“参照数値”については後述)。
図14及び図15並びに後述の図16には、表を見やすくするための音番号が各ピッチに対して付与されている。音番号0〜26の順番で対応するピッチが高くなる。アコースティックフルートで表現可能なピッチには、互いに異なる複数のピッチが含まれ、当該複数のピッチを表現するための音孔パターン(従って参照ビット列)は複数のピッチ間で互いに異なる。但し、アコースティックフルートでは、基本となる運指とは異なる運指で同じピッチを表現する奏法(替え指とも呼ばれる;以下、替え指と呼ぶ)がある。従って、ピッチによっては、1つのピッチを表現するに際して複数の音孔パターンの何れかを用いることができる。例えば、音番号9の音孔パターンによっても音番号28の音孔パターンによっても、基準オクターブの音名「ラ」を表現できる。尚、ここでは、説明及び図示の簡略化上、存在する“替え指”の内の一部のみに注目し、残りの“替え指”の存在を無視する。
以下では、テーブル350に含まれるような、電子フルート1をアコースティックフルートとして用いた場合における各音孔の開閉状態のビットデータを、センサ22S及び32Sの出力信号に基づくビットデータと区別すべく、参照ビットデータと呼ぶ。テーブル350には、ピッチごとの参照ビット列が含まれている。図15において、ビット列352は、基準オクターブの音名「ド」のピッチに対応する参照ビット列であり、ビット列354は、基準オクターブより1オクターブ上の音名「ド」のピッチに対応する参照ビット列である。或るピッチに対する参照ビット列は、当該ピッチに対応する音孔A〜Pの開閉状態の参照ビットデータを並べることで形成される。参照ビット列では、音孔Aから始まって音孔Pに終わる順番、即ち、音孔A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、Pの順番(以下、基準順番と呼ぶ)に音孔A〜Pの参照ビットデータが並べられ、且つ、音孔Aについての参照ビットデータが参照ビット列の最下位ビットに配置される。
例えば、図15に示す如く、参照ビット列352は「0000000000000000」であり、参照ビット列354は「0001111011111111」である。16ビット分の2進数で表現された参照ビット列を10進数にて数値化したものを参照数値と呼ぶ。この際、音孔A〜Pの参照ビットデータに、夫々、係数2〜215を割り当てて参照数値を求める。そうすると、参照ビット列354に対応する参照数値は、“212+211+210+2+2+2+2+2+2+2+2+2=7935”より「7935」である。参照ビット列352についての参照数値は「0」である。
テーブル350内の参照ビット列を全て参照数値に変換し、音番号、ピッチ及び参照ビット列と参照数値との対応関係を保ったまま、得られた参照数値を昇順(又は降順)に並べ替えることで、図16のテーブル360が得られる。テーブル360では、1〜40までの音位置が定義されている。テーブル360では、複数のピッチに対応する音位置1〜40が存在し、音位置が異なれば参照ビット列が異なるので、音位置1〜40に対応する計40個の参照数値は互いに異なる。故に、ユーザの実際の運指に基づく音孔パターンが分かれば、二分探索を利用して、発生させるべきピッチを特定できる。
二分探索等を利用した、発生させるべきピッチの特定はPC2にて行われる。図17に、PC2の概略的な内部ブロック図を示す。PC2は、符号201〜206によって参照される各部位を備える。USB処理部201は、USBの規格に準拠したケーブルにてPC2に接続されているデバイス(足部マイコン33及びスイッチ3を含む)と通信を行う。操作入力部202は、ユーザからの様々な操作を受け付ける部位であり、キーボード、ポインティングデバイスを含む。CPU(Central Processing Unit)203は、操作入力部202の入力操作内容に基づきつつ、PC2内の各部位の動作を制御する。メモリ204は、CPU203にて実行されるプログラムを保持するプログラムメモリ、任意のデータを保持するデータメモリを有する。表示画面205は、液晶ディスプレイパネル等から成る表示装置である。スピーカ206は、1以上のスピーカから成り、任意の音を出力する。尚、操作入力部202、表示画面205、スピーカ206は、夫々、PC2の外部に接続されたものであっても良い。
メモリ204には、図16のテーブル360が保持されている。即ち、複数のピッチに対応する複数の参照数値(換言すれば音位置1〜40に対応する計40個の参照数値)がメモリ204に保持されている。複数のピッチに対応する複数の参照ビット列をメモリ204に保持させておき、CPU203が各参照ビット列から各参照数値を導出するようにしても良い。
CPU203は、任意のタイミングでデータ要求コマンドを足部マイコン33に対して送信することができる。データ要求コマンドに応答した足部マイコン33からのデータセット320には、音孔A〜Pの開閉状態を示すビットデータb〜bを並べた検出ビット列が含まれている(図8(a)及び(b)参照)。CPU203は、データセット320に基づく検出ビット列を10進数表記で数値化することで検出数値を導出し、二分探索(バイナリサーチ)を用いて、メモリ204に保持されている複数の参照数値の中から検出数値を探索する。
そして、検出数値と一致する参照数値が存在している場合、CPU203は、検出数値と一致する参照数値に対応するピッチを対象ピッチとして特定し、スピーカ206を用いて対象ピッチの音を出力する一方、検出数値と一致する参照数値が存在していない場合、CPU203は、検出ビット列に基づく音を出力しない。尚、スピーカ206から対象ピッチの音を出力させるに際し、ユーザは、電子フルート1の歌口に息を吹き込む必要は無い。
例えば、アコースティックフルートにおいて基準オクターブの音名「ド」の音を生じさせることのできる音孔パターンが検出ブロック22及び32にて検出された場合を考える。この場合、図18に示すような検出ビット列を含むデータが足部マイコン33からPC2に転送され、CPU203は、その検出ビット列から“7935”の検出数値を導出する。CPU203は、メモリ204内のテーブル360を参照し、テーブル360中の位置1〜40の中央位置20を求める。位置20に対応する参照数値“3127”は検出数値“7935”より小さいので、検出数値“7935”は位置1〜20までに存在しないことが判明する。続いて、CPU203は、検出数値“7935”が存在するかもしれない位置21〜40の中央位置30を求める。位置30に対応する参照数値“8863”は検出数値“7935”より大きいので、検出数値“7935”は位置30〜40までに存在しないことが判明する。続いて、CPU203は、検出数値“7935”が存在するかもしれない位置21〜29の中央位置25を求める。位置25の参照数値“7935”は検出数値“7935”と一致するため、CPU203は、参照数値“7935”に対応する音名、即ち基準オクターブより1オクターブ上の音名「ド」を、対象ピッチとして特定する。
尚、上記“替え指”の利用/非利用を、ユーザが操作入力部202を用いて選択できるようにしても良い。“替え指”の非利用が選択された場合、1つのピッチに対して基本となる1つの音孔パターンのみが割り当てられるようにする。実際には、“替え指”の非利用が選択された場合、音番号27〜39の参照数値を除外した上で(図14参照)上記探索を行えば良い。
アコースティックフルートで音を出す場合、歌口に息を吹き込むことが必須となる。深夜などにおいては大きな音を出すことが憚られるが、息を弱めて小さな音を出そうとしても、アコースティックフルートの特性から正しい音が出ないことが多く、運指が正しいのかどうかの確認が困難である。本実施形態に係る電子管楽器システムSYSによれば、正しい運指による操作を電子フルート1に行うことで、息を吹き込まずとも、運指に応じた音を所望の音量で発生させることができる。この際、第1実施例に係る方法を用いることにより、センサで得られたビット列を図14のテーブル350内のビット列と順次比較する方法と比べて、高速に、出力音のピッチ(即ち対象ピッチ)を特定することができる。
電子フルート1を安価に形成するべく、胴部マイコン23及び足部マイコン33として低速且つ安価なマイコンを使用したいという要望がある。そのようなマイコンを用いた場合に、マイコン23及び33に複雑な処理を行わせると、ユーザが電子フルート1を操作してから実際に音が出力されるまでに、許容できない程度の大きな遅延が発生しうる。このような遅延を低減すべく高速なマイコンを使用したならば、電子フルート1の消費電力及びコストが増大すると共に、マイコン23、33が胴部管20、足部管30に入らなくなるおそれも生じる。そこで、本方法では、胴部マイコン23及び足部マイコン33を音孔の状態監視のみに専念させ、対象ピッチの特定機能をPC2側に担わせている。これにより、既に広く普及しているパーソナルコンピュータを利用し、安価な部品を追加するだけで電子フルート1及び電子管楽器システムSYSを形成することが可能である。
また、センサ22S又は32Sの出力信号の読み出しに関しては、A/D変換に時間を要するA/D変換器を使用せず、信号レベルのハイ、ローの読み出しのみを行うことで、発音までの時間短縮が図られる。
また、ピッチごとの音声データをメモリ204に保存しておくと良い。この場合、対象ピッチに対応する音声データを再生するだけで所望の発音が得られるため、ユーザが電子フルート1を操作してから実際に音が出力されるまでの遅延が少なくて済む。アコースティックフルートの音を録音して音声データを形成しておけば、アコースティックフルートの音に近い音をスピーカ206から出力できる。近年のPC2におけるメモリ容量は相当に大きいため、音声データをメモリ204に保存することのメモリ負担は軽微である。但し、スピーカ206から出力される音を、MIDI音源を利用して形成しても良い。
<<第2実施例>>
電子管楽器システムSYSの第2実施例を説明する。第2実施例では、第1実施例と組み合わせて実施される表示処理を説明する。第1実施例では特に述べなったが、第1実施例で述べたPC2の動作は、メモリ204に保持された対象プログラムをCPU203で実行することで実現される。対象プログラムが起動すると、CPU203は、図19に示す基準映像を表示画面205(図17参照)に表示する。以下、表示とは、特に記述無き限り、表示画面205での表示を指す。
基準映像は、映像410、420及び430を含む。映像410は、電子フルート1の外形の映像及び電子フルート1に設けられたキーの映像を含んだフルート映像である。映像420は、五線譜及びト音記号を含んだ楽譜映像である。映像430は、電子フルート1がPC2に接続されているか否かを示す接続状態通知映像である。以下、映像410及び420を特に基準フルート映像及び基準楽譜映像と呼ぶ。フルート映像中の各キーは、キー内部が黒く塗りつぶされる黒状態と、そうではない白状態の何れかを択一的にとる。基準フルート映像において全キーは白状態にある。楽譜映像には、音符の映像や音名の映像が付与されうるが、基準楽譜映像において、それらの付与は成されていない。
対象プログラムは複数の動作モードの何れかで動作し、その内の自由演奏モードにおける表示画面205の内容例を、図20に示す。自由演奏モードでは、ユーザが自由に電子フルート1の各キーを操作する。
例えばユーザが基準オクターブの音名「ド」の音を出力させるための操作を電子フルート1のキーに付与しているとき、CPU203は、第1実施例で述べた方法に従い、基準オクターブの音名「ド」に対応する対象ピッチを特定し、スピーカ206を用いて対象ピッチの音を出力する一方で、対象ピッチに応じたフルート映像410a及び楽譜映像420aを表示する。対象ピッチの音の出力並びにフルート映像410a及び楽譜映像420aの表示は、基準オクターブの音名「ド」の音を出力させるための操作が電子フルート1のキーに付与されなくなるまで(即ち、その操作に対応する検出ビット列が取得されなくなるまで)継続する。
フルート映像410aは、アコースティックフルートにおいて対象ピッチの音を発生させるためのキーパターン(複数のキーの操作状態)を、基準フルート映像410に付与したものである。即ち、フルート映像410a中のキーの内、対象ピッチの音(図20では、基準オクターブの「ド」)を発生させるために押されるべきキーは黒状態とされ、押されるべきではないキーは白状態される(後述の他のフルート映像についても同様)。フルート映像における左端の黒楕円は歌口への息の吹き込みをイメージしたものである。楽譜映像420aは、基準楽譜映像420に、対象ピッチの音符と対象ピッチの音名を付与することで形成される。音名の表記方法は任意である。図20では、フランス式表記における音名とドイツ式表記における音名が並列表示されている(後述の図21等でも同様)。
検出された音孔パターンが基準オクターブの音名「ド」に対応するときにフルート映像410a及び楽譜映像420aが表示されるのであるから、フルート映像410aは、電子フルート1のキーに対する現在の操作状態を表し、楽譜映像420aは、その操作状態に応じた楽譜映像である。メモリ204は、対象ピッチとなりうる複数のピッチについて、ピッチごとにフルート映像に示すべきキーパターン並びに楽譜映像に示すべき音符及び音名を保持しており、CPU203は、その保持内容を用いて、対象ピッチに応じたフルート映像及び楽譜映像を作成及び表示する。
尚、検出数値と一致する参照数値が存在しない場合、CPU203は、音を出力せず、図19の基準映像を表示する(即ち、キーパターン、音符及び音名の表示を行わない)。これにより、ユーザは、現在の運指が正しくないことを認識できる。
また例えば、ユーザが基準オクターブの音名「ド」のシャープの音を出力させるための操作を電子フルート1のキーに付与しているとき、音名「ド」のシャープと音名「レ」のフラットは同じ音を表すため、CPU203は、図21に示すフルート映像410b及び楽譜映像420bを表示しても良い。フルート映像410bは、フルート映像410aと同様、アコースティックフルートにおいて対象ピッチの音を発生させるためのキーパターン(複数のキーの操作状態)を、基準フルート映像410に付与したものである。楽譜映像420bは、楽譜映像420aと同様、基準楽譜映像420に、対象ピッチの音符及び音名を付与することで形成されるが、音符及び音名として、音名「ド」のシャープの音符及び音名と音名「レ」のフラットの音符及び音名が付与されている。
<<第3実施例>>
電子管楽器システムSYSの第3実施例を説明する。第3実施例に示す動作は、特に例えば、スイッチ3がPC2に接続されていないときに実施することができる。アコースティックフルートでは、同じ運指を維持したまま、息の吹き込み方を変えることにより、出力音を1オクターブ分だけ上下させる奏法がある。これに対応して、システムSYSでは、共通の参照数値(共通の音孔パターン)に2つのピッチを割り当てることができる。共通の参照数値に対応する2つのピッチを関連ピッチと呼ぶ。例えば、参照数値“1695”に対応するピッチは関連ピッチである。参照数値“1695”に対応する2つの関連ピッチの内、一方は基準オクターブの音名「ラ」のシャープ、他方は基準オクターブより1オクターブ上の音名「ラ」のシャープである。アコースティックフルートでは、それら2つの音を上記奏法によって切り替え出力できる。
CPU203は、検出ビット列に基づく検出数値が関連ピッチの参照数値(例えば1695)と一致するとき、即ち、第1実施例で述べた方法に従って特定した対象ピッチが関連ピッチであるとき、検出数値に対応する2つの関連ピッチを2つの対象ピッチと捉えて、2つの関連ピッチを持つ2つの音を同時にスピーカ206から出力すると共に、2つの関連ピッチに応じたフルート映像及び楽譜映像を表示する。
従って、検出数値“1695”が得られた場合、CPU203は、スピーカ206を用いて、基準オクターブの音名「ラ」のシャープの音と基準オクターブより1オクターブ上の音名「ラ」のシャープの音を同時に出力し、一方で、図22に示すフルート映像410c及び楽譜映像420cを表示する。
フルート映像410cは、アコースティックフルートにおいて対象ピッチ(即ち検出数値“1695”に対応する関連ピッチ)の音を発生させるためのキーパターン(複数のキーの操作状態)を、基準フルート映像410に付与したものである。楽譜映像420cは、基準楽譜映像420に、検出数値“1695”に対応する2つの関連ピッチの音符及び音名を付与したものである。図21の例と同様、図22でも、「ラ」のシャープと等価な「シ」のフラットの音符及び音名が表示されている。
<<第4実施例>>
電子管楽器システムSYSの第4実施例を説明する。CPU203は、検出ビット列に基づく検出数値が関連ピッチの参照数値(例えば1695)と一致するケースにおいて、検出数値に対応する2つの関連ピッチの何れか一方を選択し、選択した関連ピッチを持つ音をスピーカ206から出力すると共に、選択した関連ピッチに応じたフルート映像及び楽譜映像を表示しても良い(即ち、選択した関連ピッチが1つの対象ピッチとなった状態で、第1及び第2実施例による音出力及び表示が行われても良い)。
CPU203は、当該選択をスイッチ3からのスイッチ状態データに基づき実行して良い。即ち例えば、上記ケースにおいて、スイッチ3の状態がオフであるとき、検出数値に対応する2つの関連ピッチの内、低い方の関連ピッチを選択し、スイッチ3の状態がオンであるとき、高い方の関連ピッチを選択する。これにより、スイッチ3への所定操作の入力有無に応じて、2つの関連ピッチを持つ2つの音のどちらかが切り替え出力される。関連ピッチに応じたフルート映像及び楽譜映像の表示方法は、上述の対象ピッチに応じたフルート映像及び楽譜映像の表示方法と同様である。
<<第5実施例>>
電子管楽器システムSYSの第5実施例を説明する。対象プログラムにおける複数の動作モードの内の、運指確認モードにおける動作を説明する。図23に、運指確認モードにおける表示内容例を示す。図23に示す如く、運指確認モードにおいて、CPU203は、スライダバー450及びスライダ451を表示すると共に、スライダ451の位置に応じたフルート映像460及び楽譜映像470を表示する。
スライダ451の位置は、操作入力部202への操作に応じてスライダバー450上で変化する。CPU203は、スライダ451の位置に基づきテーブル360内のピッチの中から目標ピッチを選択及び決定し、目標ピッチに応じたフルート映像460及び楽譜映像470を表示する。目標ピッチに応じたフルート映像及び楽譜映像の表示方法は、上述の対象ピッチに応じたフルート映像及び楽譜映像の表示方法と同様である。図23の例では、目標ピッチが基準オクターブより1オクターブ上の音名「レ」になっており、ユーザは操作入力部202を通じて目標ピッチを自由に変えることができる。
運指確認モードにおいて、CPU203は、検出ビット列に基づく検出数値が目標ピッチに対応する参照数値と一致しているか否かを判断し、検出数値が目標ピッチに対応する参照数値に一致している場合に目標ピッチの音をスピーカ206から出力し、それらが一致しない場合には目標ピッチの音を出力しない。従って、ユーザがフルート映像460に適合した運指にて電子フルート1を操作している間、その運指に対応する音が出力され続けることになる。運指確認モードを用いることで、ユーザは、所望のピッチの運指の確認及び練習を行うことができる。
<<第6実施例>>
電子管楽器システムSYSの第6実施例を説明する。対象プログラムにおける複数の動作モードの内の、運指練習モードにおける動作を説明する。図24に、運指練習モードにおける表示内容例を示す。第5実施例と同様、運指練習モードにおいても、CPU203は、目標ピッチに応じたフルート映像460及び楽譜映像470を表示する。
但し、運指練習モードにおいて、CPU203は、目標ピッチ及び音符(音符の種類)をランダムに決定することができる。CPU203は、目標ピッチを所定の時間間隔で変更することができ、ユーザは、操作入力部202を用い、図24の項目“テンポ”の指定を介して、その時間間隔を自由に設定できる。“テンポ”の指定は、音符の種類(全音符や四分音符)の指定と数値の指定から成り、上記時間間隔は、それらの指定結果に依存する。例えば、“四分音符を指定し且つ数値を100”に指定した場合において、ランダムに決定された音符が全音符であるとき、ランダムに決定された音符が四分音符のときと比べて、上記時間間隔は4倍になる。楽譜映像470の右側には、左右方向に4つの楽譜が並べられた先読みスケール480が表示される。先読みスケール480中の各楽譜は、五線譜と音符から成る。ユーザが、表示画面205に表示されている開始ボタンを指定(マウスでクリック等)することで運指練習モードの動作が開始する。運指練習モードの動作が開始すると、上記時間間隔で先読みスケール480中の各音符が左に移動してゆき、先読みスケール480中の最も左に位置する音符が次回の目標ピッチの音符となる。このように、先読みスケール480中の音符によるピッチが左から順に目標ピッチに更新設定されてゆき、その時々の目標ピッチがフルート映像460及び楽譜映像470に反映される。
運指練習モードにおいて、PC2の表示を見ながらユーザが電子フルート1を操作することで、順次、検出数値が得られる。検出数値と目標ピッチに対応する参照数値との一致/不一致に応じた音の出力有無制御は、第5実施例で述べたものと同様である。ユーザが、表示画面205に表示されている停止ボタンを指定(マウスでクリック等)することで運指練習モードの動作が停止する。運指練習モードを用いることで、ユーザは、音符を見てすぐに電子フルート1のキーを操作できるよう練習することができる。また、検出数値と目標ピッチに対応する参照数値との一致/不一致の割合を表示したり、その割合が一定値以上に達した時に合格と判定表示したりすることもできる(それらの表示については図示せず)。ユーザは、当該一定値を任意に指定することができる。
運指練習モードにおいて、予め用意しておいた音符データファイルに基づき目標ピッチが決定されても良い。図25に、この場合における運指練習モードの表示内容例を示す。音符データファイルは、楽曲を形成する時系列上で並んだ複数の音符及び休符を規定し、運指練習モードの動作が開始すると、それらの各音符のピッチが、順次、音符に合わせたテンポで目標ピッチに更新設定される。
<<第7実施例>>
電子管楽器システムSYSの第7実施例を説明する。第7実施例では、電子フルート1の作成方法及び構造を説明する。
図26は、胴部管20と胴部挿入ユニット20Uとの関係を示す分解図である。軸501は、胴部管20の長手方向の中心軸である。図27(a)は、軸501に沿った、胴部管20の一部断面図である。図27(b)は、胴部管20の一部平面図である。図27(a)に示す如く、胴部管20は、筒状且つ金属製の胴部本管500を有し、胴部本管500の外周側面に複数の音孔が形成される。胴部本管500の形状としての筒の軸が軸501である。図27(a)及び(b)において、符号510は、胴部本管500に形成された1つの音孔を表しており、符号512は、音孔510を形成する金属製且つ筒状の突出部を表している。突出部512は、胴部本管500の外周側面より、軸501から離れる方向に突出するように胴部本管500に接合される。軸511は、突出部512の形状としての筒の中心軸であって、軸501と直交する。突出部512に囲まれた穴部分が音孔510である。図27(c)の斜線領域に対応する輪状の面514は、胴部本管500及び突出部512の接合部分の反対側に位置する、突出部512の端面を表している。尚、胴部本管500及び突出部512を、それらを形成可能な任意の材質(木、樹脂など)にて作成しても良い。
音孔510は、音孔510の上方に配置されたキーの面によって塞がれ得る。端面514がキーの面と接触しているとき、音孔510は塞がれて音孔510の状態は閉状態となり、端面514がキーの面と接触していないとき、音孔510は塞がれずに音孔510の状態は開状態となる。
ユニット20Uには、図3に示すものの他、図26に示す基板取り付け材(支持材)26が設けられている。基板取り付け材26は、胴部基板21を形成する複数のプリント基板21eを支持する複数の取り付け材から成る。但し、基板取り付け材26は、一体成型によって形成された単一の部材であっても良い。各プリント基板21eに1以上のセンサ22Sが実装され、複数のプリント基板21e全体で音孔D〜Pに対する計13個のセンサ22Sが実装される(図26では、一部のセンサにのみ符号“22S”を付している)。音孔D〜Pは同一面になく、音孔D〜Pの軸511は様々な方向を向いている。音孔D〜Pの夫々について、音孔の面(即ち、音孔に対応する端面514)が、当該音孔の開閉状態を検出するセンサ22Sを実装したプリント基板21eの面と平行となるように基板取り付け材26が加工され、各プリント基板21eが基板取り付け材26に取り付けられる。
胴部基板21及び基板取り付け材26を含むユニット20Uは、軸501に沿って、胴部管20の中空部に挿入される。各センサ22Sが対応する音孔の真下に位置するように(対応する音孔の軸511上に位置するように)、基板21上における各センサ22Sの位置が設計され、且つ、ユニット20Uが胴部管20の中空部に挿入される。
ユニット20Uを胴部管20に挿入した後、特にユニット20Uに外力を与えない限り、各センサ22Sが対応する音孔の真下に位置する状態が維持されるよう(ユニット20Uが胴部管20内でガタつかないよう)、基板取り付け材26の形状が定められている。即ち、上記の状態が維持されるよう、基板取り付け材26の外周面の一部又は全部が胴部管20の内壁と密着する。
図28に、軸501及び511の夫々に直交する方向から見た、音孔510の周辺部分の平面図を示す。図28では、胴部本管500の一部を透過して示すことで、胴部管20内に配置された基板21、センサ22S及び基板取り付け材26を明示している。符号530は、1つの音孔510の上方に位置する1つのキーを表している。ユーザの操作に応答してキー530の底面532は、端面514に近づいて端面514と接触し、対応する音孔510を閉状態とする、或いは、端面514から遠ざかって、対応する音孔510を開状態とする。
胴部管20に設けられた各キー530の裏面532には、不透明の遮光板(遮光体)534が取り付けられている。図29に示す如く、光センサとしてのセンサ22Sは、発光ダイオード等から成る発光素子551及びフォトダイオード等から成る受光素子552を備えたフォトインタラプタであって、受光素子552の受光量に応じた信号を出力する。遮光板534が無いとき、発光素子551が発生した光は光路553を経由して受光素子552に到達するが、光路553は遮光板534により遮断され得る。つまり、キー530の底面532が端面514に接触する音孔510の閉状態では、遮光板534が光路553内に挿入されて光路553が遮断され、発光素子551からの光が受光素子552にて受光されないため、ローレベルの信号がセンサ22Sから出力される。キー530の底面532が端面514から遠ざかって音孔510が開状態になると、遮光板534は光路553を遮らなくなるため、発光素子551からの光が受光素子552にて受光されて、ハイレベルの信号がセンサ22Sから出力される。
胴部管20に設けられる1つの音孔に注目して、音孔の構造及びその音孔に対応する部品(キー及びセンサを含む)の説明を行ったが、本実施例における上記の説明は、胴部管20及び足部管30に設けられる各音孔及び各音孔に対応する部品に当てはまる。従って、胴部管20及び足部管30に設けられる音孔A〜Pの夫々について、音孔ごとに、音孔上に位置するキーの裏面に遮光板(遮光体)が設けられ、検出ブロック22及び32内の各光センサ(22S、32S)は、光センサにおける光路が遮光板により遮断された否かに基づき、対応する音孔の開閉状態を検出する。このため、キーの使用感を損なうことなく音孔の開閉状態の検出が可能である。キーの上下運動を機械的に検出するプッシュスイッチ等をキーの裏面側に配置する方法(例えば特開2010−060885号公報参照)も考えられるが、プッシュスイッチ等を用いるとキーの使用感が損なわれる(キーの使用感がアコースティックフルート及び電子フルート間で異なってしまう)。また、キーの裏面に向けて光を出射して反射光を検出するフォトリフレクタを採用する方法も考えられるが、当該方法では、外光の影響による誤動作が懸念される。
ところで、ユニット20Uを胴部管20の中空部に挿入しただけでは、ユニット20Uが胴部管20の内部で回転したり、ずれたりし、結果、センサ22Sから正しい検出結果が得られないことがある。足部管30及びユニット30Uについても同様である。これを考慮し、電子フルート1に、当該回転やずれを抑制するための固定材を設ける。この際、胴部管20における1以上の音孔と足部管30における1以上の音孔に、夫々、固定材を設けると良い。図30を参照し、1つの音孔510に対して設けられる固定材570を説明する。
固定材570の材質は任意であり、例えば、樹脂、金属又は木から形成される。固定材570は、図28の遮光板534と干渉しないように、筒状の筒体571の内周一部を削り落とした形状を有している。筒体571にネジ穴572が設けられる一方、基板21におけるセンサ22Sの近辺にもネジ穴582が設けられている。
筒体571及び固定材570の形状としての筒の軸と、軸511(図27(a)参照)がちょうど重なるように、固定材570を音孔510の上方に配置した後、固定材570の裏面573(基板21側の面)が基板21の上面と接触するまで、固定材570を音孔510に挿入する。この挿入を行った状態で、ネジ590をネジ穴572及び582を貫通させ且つ基板21又は基板取り付け材26に固定されたナット等(不図示)と嵌合させることで、固定材570と基板21を連結する。筒体571及び固定材570の形状としての筒の外周径は、音孔510の径(突出部512の内径)と概ね同じとされている。このため、固定材570は音孔510内で略固定され、固定材570及び基板21間の連結によって胴部管20の各音孔と基板21との位置関係は固定される。勿論、センサ22Sによる検出が正しく行われるように、ネジ穴582の位置が定められている。
胴部管20の音孔510に対して設けられる固定材570に注目して固定材の構造並びに固定材及び基板間の連結方法を説明したが、足部管30の音孔に対して設けられる固定材の構造並びに固定材及び足部基板31間の連結方法も同様である。上記のような連結により、胴部管20及び足部管30内で基板(21、31)が回転したり、ずれたりすることを防止できる。
尚、胴部本管500から突出部512が突出する角度は任意(例えば90度、60度又は120度)で良い。また、突出部512の面514は任意の形状(例えば、円、楕円又は多角形)を有していて良い。また、固定材570が突出部512に内接していさえすれば、固定材570を突出部512内で固定することができる。
<<第8実施例>>
電子管楽器システムSYSの第8実施例を説明する。一般に、アコースティックフルートは、自身の保護のため又は持ち運びやすいように、分割してケースに保存されることが多い。ケースへの保存を行いやすいように、電子フルート1においても胴部管及び足部管を分離可能にしている。
図31は、胴部管20及び足部管30の結合部分周辺における、電子フルート1の分解図である。コネクタ24は、同心円状に第1〜第3極が配置された3極ジャックであり、コネクタ34は、同心円状に第1〜第3極が配置された3極プラグである。例えば、市販の3極ステレオミニジャック、3極ステレオミニプラグを、夫々、コネクタ24、34に用いることができる。
足部基板31に対しては、足部基板31及びPC2間のUSBケーブルを介してPC2から直流電圧が供給されており、その直流電圧はコネクタ34内の第1及び第2極間に加わる。胴部管20及び足部管30を連結すると、コネクタ24の第1〜第3極が夫々コネクタ34の第1〜第3極に接続される。そして、上述したようにコネクタ24及び34は夫々胴部基板21及び足部基板31に実装されている。故に、胴部管20及び足部管30を連結すると、PC2からの直流電圧を駆動電圧として検出ブロック22及び32並びにマイコン23及び33に供給できる。マイコン23及び33間のシリアル通信は、コネクタ24及び34の各第3極を介して行われる。
コネクタ24は胴部管20の中心軸上に配置され且つコネクタ34は足部管30の中心軸上に配置されている。従って、胴部管20と足部管30を連結する際、コネクタ24及び34間の接続を保ったまま、胴部管20又は足部管30を中心軸周りに回転させることが可能である。つまり、アコースティックフルートと同様の組み立て方法にて胴部管及び足部管を連結させ且つ両者間の取り付け角度を調整することができ、取り付け作業が行いやすい。足部管30側にプラグを配置した方が、プラグのフルートからでっぱり量を小さくしやすいが、コネクタ24をプラグとして且つコネクタ34をジャックとして形成しても良い。
<<第9実施例>>
電子管楽器システムSYSの第9実施例を説明する。基板取り付け材26と基板21との結合方法の例を説明する。第9実施例では、基板取り付け材26が一体成型で形成された単一の部品であることを想定する。図32は、第9実施例に係る基板取り付け材26及び基板21の一部の分解斜視図である。図26を参照して説明したように、基板21は、複数の基板21eから成る。基板取り付け材26は、加工された円柱部品600を有し、円柱部品600に対して、基板21eごとに、基板取り付け溝601、干渉防止溝602及びネジ穴603を設けることで基板取り付け材26が形成される。図32における軸501は、基板取り付け材26を含むユニット20Uを胴部管20に挿入及び固定したときにおける胴部管20の軸501であり(図26も参照)、基板取り付け材26の軸と一致する(後述の図33においても同様)。
ここでは、電子フルート1を形成するためのアコースティックフルートの候補として、互いに種類の異なる第1及び第2アコースティックフルートが存在することを想定する。隣接する音孔の間隔が、第1及び第2アコースティックフルート間で異なるものとする。円柱部品600の外周面には、印刷等にて1以上の基板位置マーカが付与されている。ここでは、少なくとも第1及び第2アコースティックフルート用の基板位置マーカ604及び605が、円柱部品600に付与されているものとする。また、センサ22Sは基板21eの表面に実装されているものとする。
1つの基板21eを基板取り付け材26に取り付ける方法を説明する。まず、基板21eの裏面の端部が基板取り付け溝601の面と接触するように、基板21eを基板取り付け溝601にはめこむ。この状態では、軸501の方向に基板21eを溝601上で移動させることができる。そして、溝601上での基板21eの移動を利用しつつ、第1アコースティックフルートを用いて電子フルート1を形成する場合には、軸501の方向における基板21eの端面の位置をマーカ604の位置と一致させ、第2アコースティックフルートを用いて電子フルート1を形成する場合には、軸501の方向における基板21eの端面の位置をマーカ605の位置と一致させる。この一致が得られた状態で、基板21eに設けられた穴LHを通じてネジ620をネジ穴603に差し込み、ネジ620を用いて基板21eを円柱部品600に固定する。これにより、第1及び第2アコースティックフルートのどちらを用いて電子フルート1を組み立てたとしても、センサ22Sの中心に、対応する音孔の軸511がのる(そうなるようにマーカ604及び605の位置が決定されている)。つまり、音孔位置に関する、アコースティックフルートの形状に依存せず、所望の音孔開閉状態検出が可能である。
基板21eの位置を変更してもネジ620が穴LHを通るように、穴LHの形状が決定されている。例えば、穴LHの形状は、軸501に平行な長辺を持つ長方形、若しくは、軸501の方向に長軸を有する楕円、又は、それらの組み合わせである。溝601から見て軸501に向かう方向に必要な深さの干渉防止溝602が設けられているため、基板21eの裏面に実装された部品が部品600と干渉することはない。また、溝601は、基板21eの大きさに合わせて形成されているため、ネジ620の回転につられて基板21eが回ることもない。1つの基板21eに注目して基板21eの基板取り付け材26への取り付け方法を説明したが、他の基板21eについても同様である。図32に示すように、軸501に直交する面上に複数の基板21eが配置されることもあり、その場合においも各基板21eに対し同様の取り付け方法が適用される。また、足部管30においても、上述と同様の、基板の基板取り付け材への取り付け方法が適用される。
ところで、基板及び基板取り付け材を含むユニット20U、30Uを、胴部管20及び足部管30に挿入して電子フルート1を作成しているため、当然、電子フルート1は元となるアコースティックフルートよりも重量が増え、ユーザによっては重く感じることもある。これを考慮し、例えば、干渉防止溝602の深さを増大させれば(例えば、その深さを標準の3mmから10mmに増大させれば)、電子フルート1の重量をアコースティックフルートのそれに近づけることができる。
また、重量の増加と共に、電子フルート1の重量バランスがアコースティックフルートと異なってくることもある。重量バランスの変化は、ユーザに違和感を与えうる。そこで、電子フルート1の重量バランスがアコースティックフルートのそれに近づくように、例えば、基板取り付け材(胴部管20では基板取り付け材26)の軸方向の全長を調節する(10mm長くする、短くする等)、或いは、干渉防止溝(胴部管20では干渉防止溝602)の深さを対応する基板ごとに変化させる(当該深さを、或る基板に対応する干渉防止溝については5mmにする、他の基板に対応する干渉防止溝については10mmにする等)、或いは、基板(胴部管20では基板21e)の軸方向の長さを対応する音孔ごとに変化させる(当該長さを、或る音孔に対応する基板については15mmにする、他の音孔に対応する基板については20mmにする等)、といったことが可能である。
<<第10実施例>>
電子管楽器システムSYSの第10実施例を説明する。第10実施例は、第9実施例の一部を変更した実施例である。第10実施例では、基板取り付け材26が複数の部品の組み合わせから成ることを想定する。図33は、第10実施例に係る基板取り付け材26及び基板21(複数の基板21e)の一部の分解斜視図である。第10実施例に係る基板取り付け材26は、図32の円柱部品600の代わりに、複数の基板支持部品及び1以上の連結部品を含んで形成される。図33には、複数の基板支持部品に含まれる基板支持部品600A及び600Cが示され、1以上の連結部品に含まれる連結部品600Bが示されている。つまり、図33の構造では、図32の円柱部品600が、3つの部品600A、600B及び600Cに分割されている。部品600Aには或る基板21eが取り付けられ、部品600Cには他の基板21eが取り付けられる。図32の例と同様、軸501に直交する面上に複数の基板21eが配置されることもあり、図33の例では、部品600Cに対し2枚の基板21eが取り付けられる。部品600A及び600Cにも、円柱部品600と同様、基板21eごとの溝601及び602並びにネジ穴603が設けられており、部品600A、600Cに対する基板21eの取り付け方法は、第9実施例で述べた円柱部品600に対する基板21eの取り付け方法と同じである。
部品600Aと部品600Cの間に部品600Bを挟み込んで、それらを接着剤等を用いて結合することで、基板取り付け材26が形成される。部品600Aの、部品600Bに対向する面には、軸501に沿って突出部641が形成され、部品600Cの、部品600Bに対向する面にも、軸501に沿って突出部643が形成される。一方で、部品600Bはドーナツ形状を有し、部品600Bの中央には、軸501を軸とする貫通穴642が形成されている。部品600Bの貫通穴642に部品600A及び600Cの突出部641及び643が嵌め込まれることで、軸501の直交方向における部品600A〜600Cの相対位置関係が固定される。
ところで、第7実施例で述べたように、複数の音孔は同一面になく、複数の音孔の軸511は様々な方向を向いている。今、便宜上、音孔Dを基準に考え、軸501の直交面に対して音孔Dの軸511及び音孔Eの軸511を投影したときの、それら2つの軸511の成す角度を音孔Eの角度と呼ぶ(音孔E以外の他の音孔についても同様)。音孔E〜Pの角度は、アコースティックフルートの種類に依存して変化しうる。また、アコースティックフルートでは、キーの並びにインラインやオフセットと呼ばれるものが存在し、それらによっても音孔E〜Pの角度は変化しうる。
部品600A、600B、600Cの外周面には、夫々、印刷等にて、軸501に平行な線状の角度用マーカ630A、630B、630Cが付与されている。マーカ630A、630B、630Cは、第1アコースティックフルートの音孔の角度に合わせて付与されている。従って、第1アコースティックフルートを用いて電子フルート1を形成する場合には、部品600Bの貫通穴642に部品600A及び600Cの突出部641及び643を嵌め込み、マーカ630A、630B及び630Cが一直線を成すように、部品600A〜600Cの内、何れかの部品を支点にして他の部品を軸501の周りに回転させた後、部品600A〜600C間を接着固定する。これにより、音孔の面(即ち、音孔に対応する端面514;図27(a)及び図28参照)が、当該音孔の開閉状態を検出するセンサ22Sを実装した基板21eの面と平行となり、所望の音孔開閉状態検出が実現される。
第2アコースティックフルートの音孔の角度に合わせた角度用マーカ630A’、630B’、630C’(不図示)も、部品600A、600B、600Cの外周面に付与されていても良い。第2アコースティックフルート用の角度用マーカの内、1つ又は2つは、第1アコースティックフルートの角度用マーカと一致しうる。そして、第2アコースティックフルートを用いて電子フルート1を形成する場合には、部品600Bの貫通穴642に部品600A及び600Cの突出部641及び643を嵌め込み、マーカ630A’、630B’及び630C’が一直線を成すように、部品600A〜600Cの内、何れかの部品を支点にして他の部品を軸501の周りに回転させた後、部品600A〜600C間を接着固定する。これにより、第2アコースティックフルートを用いた場合でも、音孔の面(即ち、音孔に対応する端面514;図27(a)及び図28参照)が、当該音孔の開閉状態を検出するセンサ22Sを実装した基板21eの面と平行となり、所望の音孔開閉状態検出が実現される。
このように、基板取り付け材26に角度用マーカの組(例えば、マーカ630A〜630Cから成る組)を1組付与しておくと、1種類のアコースティックフルートに対応して正確な音孔開閉状態検出が可能となる。基板取り付け材26に角度用マーカの組を2組以上付与しておくと2種類以上のアコースティックフルートに対応して正確な音孔開閉状態検出が可能となる。この場合、複数の組の夫々について、何れの組が何れの種類のアコースティックフルートに対応するのかを示す識別マーカも基板取り付け材26に付与しておくと、製造面で便利である。
尚、図33の構造においても、アコースティックフルートを基準とした電子フルート1の重量の増加及び重量バランスの変化に対し、第9実施例で述べた対策を講じることができる。更に、図33の構造においては、電子フルート1の重量バランスがアコースティックフルートのそれに近づくように、例えば、或る基板に対する基板支持部品(例えば600A)の材質を、他の基板に対する基板支持部品(例えば600C)の材質と異ならせる、といったことも可能である。具体的には例えば、部品600A及び600Bを樹脂にて形成する一方、部品600Cを金属にて形成するといったこともできる。また、図33の構造において、部品600Bを割愛することも可能である。胴部管20に対する基板取り付け材について説明したが、足部管30に対しても、それと同様の技術を適用できる。また、第9及び第10実施例の技術を組み合わせることもできる。即ち例えば、第9実施例で述べた基板取り付け材26を基本としつつ、基板取り付け材26の一部を第10実施例の如く複数の部品(例えば、部品600A、600B及び600C)にて形成するようにしても良い。
また、第9及び第10実施例を含む上述の各説明では、胴部管20の断面形状が円であることを想定しているが、胴部管20の断面形状が円以外であれば、その断面形状に合わせて基板取り付け材26の形状を定めれば良い(足部管30についても同様)。何れにせよ、基板取り付け材26を胴部管20の中空部に挿入することが可能であれば(又は基板取り付け材26が胴部管20に内接するのであれば)、胴部管20の断面形状は任意(円、楕円、多角形など)であって良い(足部管30についても同様)。胴部管20の断面形状に合わせて、図32の部品600の形状、並びに、図33の部品600A〜600Cの形状を定めれば良い(足部管30についても同様)。例えば、部品600A又は部品600A〜600Cを連結した部品は、円錐状の部品又はベル状の部品となりうる。
<<第11実施例>>
電子管楽器システムSYSの第11実施例を説明する。第11実施例では、上述の構成及び動作に対する、幾つかの応用技術又は変形技術を説明する。
図28を再度参照する。遮光板534の形状やセンサ22Sの位置や音孔の位置によっては、例えば、或るキー530は0.3cm押すだけで対応するセンサ22Sの出力論理値が切り替わるのに対し、他のキー530は0.4cm押さないと対応するセンサ22Sの出力論理値が切り替わらない、といったことが起こりうる。そこで、対応するセンサ22Sの出力論理値を切り替えるためのキー530の押し込み量が、全キー間で共通となるように、遮光板534の長さをキーごとに調整しても良い、又は、軸511方向におけるセンサ22Sの配置位置を調整しても良い(図27(a)参照)。特定のキーに対する上記押し込み量を他のキーのそれよりも大きくしたい又は小さくしたといった要望がある場合にも、同様の調整が可能である。センサ32Sが配置される足部管30についても同様である。
光センサにおける特性個体差の影響を軽減するべく、胴部マイコン23は、以下の第1センサ調整処理を行うようにしても良い。第1センサ調整処理が利用される形態において、マイコン23は、P秒の期間中で(P×k)秒だけ発光素子551を発光させるPWM制御を各センサ22Sに対して行うことを前提とする(kは0以上1未満)。図29を参照する。第1センサ調整処理は、係数kに所定の初期値を代入した状態で、受光素子552の受光量を反映した受光素子552の出力電圧値を、センサ22SごとにA/D変換器を用いて取得する第1工程と、光路553が遮光板534で一切遮断されていないときにおける各センサ22Sの出力電圧値が複数のセンサ22S間で同じとなるように、第1工程の取得結果に基づき各センサ22Sに対する係数kの値を調整する第2工程と、を含む。これにより、特性個体差があったとしても、完全なる開状態でのセンサ22Sの出力電圧値を複数のセンサ22S間で共通にすることができる。
或いは、胴部マイコン23は、以下の第2センサ調整処理を行うようにしても良い。第2センサ調整処理が利用される形態においては、マイコン23が発光素子551の印加電圧を調整可能であることを前提とする。発光素子551の印加電圧の増減によって、発光素子551の発光量は増減する。第2センサ調整処理は、発光素子551の印加電圧を全センサ22S間で共通にした状態で、受光素子552の受光量を反映した受光素子552の出力電圧値を、センサ22SごとにA/D変換器を用いて取得する第3工程と、光路553が遮光板534で一切遮断されていないときにおける各センサ22Sの出力電圧値が複数のセンサ22S間で同じとなるように、第3工程の取得結果に基づき各センサ22Sの発光素子551の印加電圧を調整する第4工程と、を含む。これにより、特性個体差があったとしても、完全なる開状態でのセンサ22Sの出力電圧値を複数のセンサ22S間で共通にすることができる。
第1又は第2センサ調整処理を、電子フルート1の起動時に行うことができる、又は、周期的に行うことができる。尚、第1又は第3工程にて取得された出力電圧値が所定値以下であるときには、対応する音孔が完全なる開状態でない又は閉状態であると判断して、第1又は第3工程をやり直すと良い。足部マイコン33及びセンサ32Sにも、第1又は第2センサ調整処理を適用可能である。また、第1又は第3工程にて取得される出力電圧値を、マイコン23、33のポートがハイレベルと判定する電圧以上に設定してもよく、これによって、実稼働時にはA/D変換器を使用せずにポートのハイレベル/ローレベルでの読み出しができ、発音までの時間短縮も可能である。
また、光センサにおける特性個体差の影響を軽減するべく、以下の方法を採用しても良い(この方法の採用時においては、発光素子551の印加電圧及び係数kの値は、全センサ22間で共通であるとする)。即ち、光路553が遮光板534で遮断されているときにおける受光素子552の出力電圧値と、光路553が遮光板534で一切遮断されていないときにおける受光素子552の出力電圧値を、センサ22Sごとに予め実験を介して取得しておき、センサ22Sごとに取得された2つの出力電圧値に基づき、センサ22Sごとに、出力信号のローレベルとハイレベルの境界値を定めてマイコン23のメモリに格納しておく。電子フルート1の実稼働時においては、センサ22Sごとに、センサ22の出力信号値が対応する境界値より高いか否かをA/D変換器を用いて判定することにより各音孔の開閉状態を検出する。尚、実稼働時において、光路553が遮断されているときのセンサ22Sの出力電圧値と光路553が遮断されていないときのセンサ22Sの出力電圧値との中間値が境界値となるように、境界値の初期値を補正するようにしても良い。足部マイコン33及びセンサ32Sについても同様である。
電子フルート1にアンプ及びスピーカを内蔵させても良い。そして、PC2が電子フルート1に接続されていないときには、スピーカ206(図17参照)から出力すべきであった音を、電子フルート1に内蔵したスピーカから出力しても良い。この場合、音の出力制御に関するCPU203及びメモリ204の機能を、電子フルート1に内蔵しておく必要がある。具体的には、電子フルート1の外部端子(USB端子)35にPC2を接続した場合には、PC2からの接続要求で、電子フルート1に内蔵したアンプ及びスピーカを不使用の状態とし、上述の各実施例の通り、PC2にて音を出力し表示を行う。電子フルート1の外部端子35に電源装置(ACアダプタ等)が接続されている場合には、スピーカ206(図17参照)から出力すべきであった音を、電子フルート1に内蔵したアンプ及びスピーカを用いて出力すれば良い。
また、胴部管20の音孔D〜Pのビットデータb〜bに基づき、音孔D〜Pの開閉状態がテーブル360(図16)内の何れかのビット列と適合しうるか否かを胴部マイコン23にて判断し、音孔D〜Pの開閉状態がテーブル360内の何れかのビット列と適合しうる場合にのみ、ビットデータb〜bを胴部マイコン23から足部マイコン33に送信するようにしても良い。足部マイコン33は、ビットデータb〜bを受信した場合にのみ検出ブロック32の各センサ32Sから各音孔A〜Cの開閉状態を読み出してビットデータb〜bを取得する。ビットデータb〜bに基づく音の出力有無制御は、PC2側で行っても良いし、電子フルート1にPCが接続されておらず且つ電子フルート1にアンプ及びスピーカが内蔵されている場合には足部マイコン33が行っても良い。ビットデータb〜bがテーブル360内の何れのビット列とも適合しえない場合(即ち、正しい運指による操作が行われていない場合)、胴部マイコン23は、発音停止コマンドを足部マイコン33に送る。発音停止コマンドが足部マイコン33に送られた場合、足部管30の各音孔の状態に関わらず、スピーカ206及び電子フルート1に内蔵されうるスピーカから音は出力されない。
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
上述のPC2の機能を担う電子機器は、パーソナルコンピュータ以外の任意の電子機器(例えば、情報端末、携帯電話機、ゲーム機器)であっても良い。
本発明の一側面に係る電子管楽器システムは、複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体(20、30)と、各音孔の開閉状態を検出する検出部(22、32)と、音孔ごとに検出された前記音孔の開閉状態を示すビットデータを前記複数の音孔について並べた検出ビット列を生成する検出ビット列生成部(23、33)と、複数のピッチに対応する複数の参照数値を保持する参照数値保持部(204)と、前記検出ビット列を数値化することで検出数値を導出し、二分探索を用いて前記複数の参照数値の中から前記検出数値を探索する主処理部(203)と、を備える。
管体を備えた管楽器の例としてのフルートは、ソプラノフルート、バスフルート、アルトフルートであっても良いし、管体を備えた管楽器は、フルート以外の任意の管楽器(ピッコロ、オーボエなど)であっても良い。
電子管楽器システムで取り扱われる各データにおいて、ビットデータb〜bの並び方は、上述したものに限られず、任意である。ビットデータb〜bの内、任意のビットデータを最上位ビットに配置することができるし、他の任意のビットデータを最下位ビットに配置することができる。従って、当然、上述のビット列を反転させることもできる。各ビットデータにおいて、“1”の値と“0”の値の関係を、上述したものと逆にしてもよい。また、上述の実施形態では、管体に設けられた音孔の個数が16になっているが、本発明において、その個数は16に限定されない。
本発明の一側面に係る電子管楽器A1は、複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、前記基板は第1要素基板を含む複数の要素基板から成り、各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、前記第1要素基板が前記管体の軸方向に移動可能となるように、前記支持材が形成されている。
上述の実施形態では、電子管楽器として電子フルート1が例示されている。電子管楽器A1は第9実施例にて具体化されている。但し、第9実施例の技術は第10実施例にも適用され得る(従って、電子管楽器A1は第10実施例においても具現化されうる)。上記移動を介して管体の軸方向における要素基板の配置位置が変更可能となり、種類の異なる複数の管体(例えば上述の第1及び第2アコースティックフルート)に対応することが可能となる。複数の要素基板の内、一部の要素基板のみが管体の軸方向に移動可能となるように支持材を形成しておいても良いし、全ての要素基板の夫々が管体の軸方向に移動可能となるように支持材を形成しておいても良い。
電子管楽器A1において、前記軸方向における前記第1要素基板の前記支持材への配置位置を示すマーカが、複数個、前記支持材に付与されてもよい。
電子管楽器A1において、前記管体の候補として、第1及び第2管体候補を含む複数の管体候補が存在し、前記マーカは、前記第1管体候補が前記管体として用いられたときの前記配置位置を示す第1マーカと、前記第2管体候補が前記管体として用いられたときの前記配置位置を示す第2マーカと、を含んでいても良い。
図26等の基板21eは要素基板の例である。図32において、マーカ604及び605の夫々は、図32の右側に示された1枚の基板21eの基板取り付け材(支持材)26への配置位置を示している。マーカ604は第1アコースティックフルート(第1管体候補)が管体として用いられたときの上記配置位置を示し、マーカ605は第2アコースティックフルート(第2管体候補)が管体として用いられたときの上記配置位置を示している。
本発明の一側面に係る電子管楽器B1は、複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、前記基板は第1及び第2要素基板を含む複数の要素基板から成り、各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、前記第1要素基板の部品実装面と前記第2要素基板の部品実装面との成す角度が変更可能となるように、前記支持材が形成されている。
電子管楽器B1は第10実施例にて具体化されている。上記角度を変更可能にしておくことにより、種類の異なる複数の管体(例えば上述の第1及び第2アコースティックフルート)に対応することが可能となる。第1要素基板と第2要素基板は、複数の要素基板に含まれる任意の2つの要素基板であって良い。例えば、第1要素基板は、図33の右側に示された1枚の基板21eであって、第2要素基板は、図33の左側に示された2枚の基板21eの内の任意の一方であって良い。基板21eの部品実装面は、センサ22Sが実装された面であるが、その面の逆側の面も部品実装面と呼ばれ得る。上記角度が変更可能となる要素基板の組が複数組存在していても良い。例えば、各要素基板が個別に管体の軸周りに回転可能(即ち軸501を回転軸として回転可能)となるように支持材を形成しておいても良く、これによって、任意の2つの要素基板の組み合わせにおいて上記角度が変更可能となる。
電子管楽器B1において、前記角度を指定するための角度用マーカが、複数組、前記支持材に付与されても良い。
図33において、マーカ630A及び630Cが一直線を成すように(1つの直線上にのるように)基板支持部品600A及び600Cが組み立てられるので、部品600Aに取り付けられる基板21eと部品600Cに取り付けられる基板21eとの間における上記角度は、角度用マーカとしてのマーカ630A及び630Cにより指定されていると言える。
電子管楽器B1において、前記支持材は、前記第1要素基板を取り付けるための第1基板支持部品(例えば600A)及び前記第2要素基板を取り付けるための第2基板支持部品(例えば600C)を含む複数の基板支持部品を有し、前記複数の基板支持部品が前記管体の軸方向に連結されることで前記支持材が形成され、前記第1基板支持部品を基準として前記第2基板支持部品を前記管体の軸周りに回転させることで、前記第1要素基板を基準として前記第2要素基板が前記軸周りに回転して前記角度が変更されても良い。
電子管楽器B1において、前記管体の候補として、第1及び第2管体候補を含む複数の管体候補が存在し、前記角度用マーカは、前記第1管体候補が前記管体として用いられたときにおいて前記角度を指定するための第1角度用マーカと、前記第2管体候補が前記管体として用いられたときにおいて前記角度を指定するための第2角度用マーカと、を含んでいても良い。
第10実施例において、第1アコースティックフルート(第1管体候補)に対する第1角度用マーカは、マーカ630A及び630C、又は、マーカ630A、630B及び630Cを含み、第2アコースティックフルート(第2管体候補)に対する第2角度用マーカは、マーカ630A’及び630C’、又は、マーカ630A’、630B’及び630C’を含む。
本発明の一側面に係る電子管楽器C1は、複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、前記基板は複数の要素基板から成り、各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、前記支持材の全部又は一部において、前記管体の軸に直交する同一面上に2以上の要素基板が取り付けられる。
電子管楽器C1は第9及び第10実施例にて具体化されている。図32の基板取り付け材26の左側部分、又は、図33の基板取り付け材26中の部品630Cにおいて、軸501に直交する同一面上に2枚の基板21eが存在している。図32の基板取り付け材26の右側部分、又は、図33の基板取り付け材26中の部品630Aでは、軸501に直交する同一面上に1枚の基板21eしか存在していない。従って、図32及び図33の例では、基板取り付け材(支持材)26の一部においてのみ、管体の軸501に直交する同一面上に2以上の要素基板が取り付けられている。但し、基板取り付け材26の全部において、軸501に直交する同一面上に2以上の要素基板が取り付けられるよう、基板取り付け材26が変形されても良い。
任意の電子管楽器システム及び任意の電子管楽器において、管体は、胴部管20及び足部管30のように2以上の管にて形成されていても良いし、分離不可能な1つの管体であっても良い。管体が2以上の管から形成される場合、挿入ユニットも管の数だけ用意されうる。管体の軸は、管体の外形形状としてみたれられた円筒の中心軸に相当する。電子管楽器A1、B1及びC1の技術を互いに組み合わせた電子管楽器及び電子管楽器システムを形成しても良い。
本発明は以下の請求項1A〜8Aに係る電子管楽器システムを含む。
[請求項1A]
複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、
各音孔の開閉状態を検出する検出部と、
音孔ごとに検出された前記開閉状態を示すビットデータを前記複数の音孔について並べた検出ビット列を生成する検出ビット列生成部と、
複数のピッチに対応する複数の参照数値を保持する参照数値保持部と、
前記検出ビット列を数値化することで検出数値を導出し、二分探索を用いて前記複数の参照数値の中から前記検出数値を探索する主処理部と、を備え、
前記主処理部は、前記検出数値と一致する参照数値が存在する場合、前記検出数値と一致する参照数値に対応するピッチの音を出力する
ことを特徴とする電子管楽器システム。
[請求項2A]
前記複数のピッチに含まれる所定のピッチごとに、前記所定のピッチに対応する前記音孔の開閉状態のビットデータを前記複数の音孔について並べることで参照ビット列が形成され、前記参照ビット列を数値化することで前記所定のピッチに対応する参照数値が導出される
ことを特徴とする請求項1Aに記載の電子管楽器システム。
[請求項3A]
前記検出部及び前記検出ビット列生成部は、前記管体内に収容され、
前記参照数値保持部及び前記主処理部は、前記管体の外部に位置する電子機器に設けられる
ことを特徴とする請求項1A又は2Aに記載の電子管楽器システム。
[請求項4A]
前記主処理部は、
前記検出数値と一致する参照数値が存在する場合、前記検出数値と一致する参照数値に対応するピッチを対象ピッチとして特定し、前記対象ピッチの音を出力するとともに、前記対象ピッチに対応する前記複数のキーの操作状態及び前記対象ピッチの音符を表示し、
前記検出数値と一致する参照数値が存在しない場合、前記音の出力並びに前記操作状態及び前記音符の表示を行わない
ことを特徴とする請求項1A〜3Aの何れかに記載の電子管楽器システム。
[請求項5A]
前記複数のピッチには、共通の参照数値に対応し且つ互いに異なる2つの関連ピッチが含まれ、
前記検出数値が前記共通の参照数値と一致する場合、前記主処理部は、前記2つの関連ピッチを持つ2つの音を同時に出力する
ことを特徴とする請求項1A〜4Aの何れかに記載の電子管楽器システム。
[請求項6A]
前記複数のピッチには、共通の参照数値に対応し且つ互いに異なる2つの関連ピッチが含まれ、
当該電子管楽器システムは、所定操作の入力を受け付ける操作体を更に備え、
前記検出数値が前記共通の参照数値と一致する場合、前記主処理部は、前記操作体に対する前記所定操作の入力の有無に応じて、前記2つの関連ピッチを持つ2つの音のどちらかを切り替え出力する
ことを特徴とする請求項1A〜4Aの何れかに記載の電子管楽器システム。
[請求項7A]
各音孔は、音孔上に位置するキーの面により音孔が塞がれるか否かにより閉状態又は開状態となり、
前記検出部は、音孔ごとに音孔の開閉状態を検出する複数の光センサから成り、音孔ごとに音孔上に位置するキーの面には遮光体が設けられ、
各光センサは、当該光センサにおける光路が前記遮光体により遮断されたか否かに基づき、対応する音孔の開閉状態を検出する
ことを特徴とする請求項1A〜6Aの何れかに記載の電子管楽器システム。
[請求項8A]
前記検出部及び前記検出ビット列生成部が実装される基板及び前記基板が取り付けられる支持材が前記管体の中空部に挿入され、
当該電子管楽器システムは、前記複数の音孔中の1以上の音孔に対して挿入される固定材を更に備え、前記固定材と前記基板を連結することで各音孔と前記基板との位置関係を定める
ことを特徴とする請求項1A〜7Aの何れかに記載の電子管楽器システム。
1 電子フルート
2 パーソナルコンピュータ(PC)
3 スイッチ
10 頭部管
20 胴部管
21 胴部基板
22 胴部検出ブロック
23 マイクロコンピュータ(胴部マイコン)
30 足部管
31 足部基板
32 足部検出ブロック
33 マイクロコンピュータ(足部マイコン)
A〜P、510 音孔
530 キー
534 遮光板

Claims (8)

  1. 複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、
    前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、
    前記基板は第1要素基板を含む複数の要素基板から成り、
    各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、
    前記第1要素基板が前記管体の軸方向に移動可能となるように、前記支持材が形成されている
    ことを特徴とする電子管楽器。
  2. 前記軸方向における前記第1要素基板の前記支持材への配置位置を示すマーカが、複数個、前記支持材に付与される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子管楽器。
  3. 前記管体の候補として、第1及び第2管体候補を含む複数の管体候補が存在し、
    前記マーカは、前記第1管体候補が前記管体として用いられたときの前記配置位置を示す第1マーカと、前記第2管体候補が前記管体として用いられたときの前記配置位置を示す第2マーカと、を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子管楽器。
  4. 複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、
    前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、
    前記基板は第1及び第2要素基板を含む複数の要素基板から成り、
    各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、
    前記第1要素基板の部品実装面と前記第2要素基板の部品実装面との成す角度が変更可能となるように、前記支持材が形成されている
    ことを特徴とする電子管楽器。
  5. 前記角度を指定するための角度用マーカが、複数組、前記支持材に付与される
    ことを特徴とする請求項4に記載の電子管楽器。
  6. 前記支持材は、前記第1要素基板を取り付けるための第1基板支持部品及び前記第2要素基板を取り付けるための第2基板支持部品を含む複数の基板支持部品を有し、
    前記複数の基板支持部品が前記管体の軸方向に連結されることで前記支持材が形成され、
    前記第1基板支持部品を基準として前記第2基板支持部品を前記管体の軸周りに回転させることで、前記第1要素基板を基準として前記第2要素基板が前記軸周りに回転して前記角度が変更される
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子管楽器。
  7. 前記管体の候補として、第1及び第2管体候補を含む複数の管体候補が存在し、
    前記角度用マーカは、前記第1管体候補が前記管体として用いられたときにおいて前記角度を指定するための第1角度用マーカと、前記第2管体候補が前記管体として用いられたときにおいて前記角度を指定するための第2角度用マーカと、を含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子管楽器。
  8. 複数の音孔及び前記複数の音孔の開閉状態を操作するための複数のキーが設けられた管体と、
    前記複数の音孔の開閉状態を音孔ごとに検出する複数のセンサを含む検出部、前記検出部が実装された基板、及び、前記基板が取り付けられる支持材を有する挿入ユニットと、を備え、前記挿入ユニットが前記管体の中空部に挿入された電子管楽器であって、
    前記基板は複数の要素基板から成り、
    各要素基板に前記複数のセンサの内の1以上のセンサが実装され、
    前記支持材の全部又は一部において、前記管体の軸に直交する同一面上に2以上の要素基板が取り付けられる
    ことを特徴とする電子管楽器。
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