JP6440950B2 - 二軸延伸ポリアミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリアミドフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、収縮特性が向上した二軸延伸ポリアミドフィルムに関する。
近年、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、ポリエチレンテレフタレート製ボトル(PETボトル)などのプラスチック製ボトルが広く利用されている。これらの容器では、使用した素材を効率よく再利用するため、ボトル本体に直接印刷し接着剤を用いてラベルを貼付したりすることが極力避けられている。そのため、商品としての必要な表示(商品名や取扱説明など)や装飾をボトルに施すためには、該表示や装飾を一旦熱収縮性フィルム(「シュリンクフィルム」とも称する)に印刷し、該熱収縮性フィルムをシュリンクラベルに仕立てた後にボトルに装着し、加熱収縮(シュリンク加工)させてボトルに固定する方法が一般的である。
従来のラベルに用いられる、熱収縮性ポリエステル系フィルムで収縮包装した場合では、輸送時の集積体同士の衝撃や集積体を梱包した箱との摩擦等により傷が生じやすく、さらにフィルム製膜において一方向へ延伸している性質上、フィルムが主収縮方向に大きく裂け、被包装体を保持できず、商品価値を損なう問題がある。
一般的に、ポリエステル系フィルムは摩擦、突き刺し強度、ピンホール強度が不十分であり、裂け等の問題に対処するには厚みを厚くすることが要求される。これに対し、薄肉であって強度特性が優れたポリアミド系フィルムを用いることが検討され始めている。
ところで、シュリンクフィルムとしては、優れた強度特性とともに、シュリンク加工に適した収縮特性を有することが必要とされる。
収縮処理に適する熱収縮特性を得る方法として、脂肪族ポリアミド系樹脂と、キシリレン系ポリアミド樹脂を所定割合で含有させることで、適当な熱収縮性を有したバリアシュリンクフィルムが提案されている(例えば特許文献1)。また、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂とからなる積層フィルムにおいて、前記積層フィルムが有する引張り伸び応力を特定範囲とすることで、収縮特性を向上させたストレッチシュリンクフィルムが提案されている(例えば特許文献2)。
特開2001−341201号公報 特開2007−15210号公報
本発明者は、上記特許文献1、2のような方法を用いたとしても、以下のような問題点があることを見出した。
特許文献1のようなテンター延伸のフィルムでは、特にMD方向での収縮が大きく、ラベルとしての収縮変形特性が不十分であった。特許文献2のようなチューブラー延伸のフィルムでは、MD/TDの収縮バランスは向上したが、TD方向の収縮が不足しラベルとして使用するには不適であり、また強度も不足した。
本発明は、熱処理時のMD方向の寸法安定性が良好であり、TD方向の収縮率が大きい二軸延伸ポリアミドフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリアミド樹脂の単層から構成され、100℃の沸騰水中で5分間処理した後に測定される収縮率が、製膜時の縦方向(MD方向)が4%以下、横方向(TD方向)が10〜30%であることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルム。
(2)横方向(TD方向)の収縮率(Y)と縦方向(MD方向)の収縮率(X)の比率
Y/Xが3以上である(1)の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(3)温度50〜210℃で、縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)における延伸倍率がともに2.5〜4.0倍で同時二軸延伸を行い、さらに前記同時二軸延伸後の熱固定処理で、縦方向(MD方向)の弛緩率が5〜30%の弛緩処理を行う(1)または(2)の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法
(4)さらに、横方向(TD方向)の弛緩処理を伴う(3)の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(5)(1)または(2)の二軸延伸ポリアミドフィルムを用いたシュリンクラベル。
本発明によれば、熱処理時のMD方向の寸法安定性が良好であり、TD方向の収縮率が大きい二軸延伸ポリアミドフィルムが得られる。
このような二軸延伸ポリアミドフィルムは、ラベル加工・包装加工等におけるシュリンク加工性に優れているため、種々のシュリンクフィルムとして好適に使用ができる。
以下、本発明について詳細に説明する、
本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムは、100℃の沸騰水中で5分間処理した後に測
定される収縮率が、製膜時の縦方向(以下、MD方向という)が%以下、横方向(以下
、TD方向という)が10〜30%であることが必要である。好ましくは、MD方向が%以下、TD方向が15〜30%である。MD方向の収縮率が5%を超えると、シュリンク加工の際に収縮の異方性が得られず、MD方向の寸法の安定性が不十分となる。また、TD方向の収縮率が3%未満であると、ラベルとして用いた際に収縮不足が生じ、収縮率が30%を超えるとシワが入ったりする。
また、前記TD方向の収縮率(Y)とMD方向の収縮率(X)の比率Y/Xは、3以上であることが好ましい。Y/Xを3以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上とすることによって、収縮の異方性を高めることができる。すなわち、MD方向の収縮率に対し、TD方向の収縮率が高まるために、ラベルとしてシュリンク加工を行う際の収縮特性を向上し、さらにシワや収縮不足によるたるみを低減し、得られたラベルの外観を向上することができる。また、そのようにして得られたラベルは、機械特性が向上し、破断や裂け等の問題が低減するため、ラベル以外に集積包装においても好適に使用ができる。
本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムに用いるポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)などが挙げられ、それら単体、共重合体または混合物として用いることができる。中でも、ポリアミド6、ポリアミド6/66の共重合体、ポリアミド6とポリアミドMXD6の混合物が好ましく、機械物性と経済性のバランスに優れる観点からポリアミド6が最も好ましい。
本発明に用いるポリアミド樹脂の相対粘度は特に制限されるものではないが、溶媒として96%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dLの条件で測定した相対粘度が1.5〜5.0であることが好ましく、2.0〜4.0であることがより好ましい。この相対粘度が1.5未満のものは、フィルムの力学的特性が著しく低下しやすくなる。また、5.0を超えるものは、フィルムの製膜性に支障をきたしやすくなる。なお、ここにいう相対粘度とは、ポリアミド樹脂を96%硫酸に濃度1.0g/dLとなるよう溶解させた試料溶液(液温20℃)を、所定の粘度計(例えば、ウベローデ型粘度計)を用いて測定した場合に得られる値をいう。
なお、本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムの特性を損ねない範囲で他の樹脂を混合して用いてもよい。また、本発明に用いるポリアミド樹脂には、通常公知の添加剤、例えば滑剤や帯電防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離形剤などを添加することができる。
本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法について説明をする。
本発明における二軸延伸ポリアミドフィルムは、後述のMD方向の弛緩処理以外は公知の二軸延伸フィルムの製造方法を用いて製造することができる。通常、二軸延伸ポリアミドフィルムは、チューブラー方式により環状に押出し空気吹込みにより同時二軸延伸する方法、テンター方式によりTダイよりシート状に押し出されたキャストシートを同時二軸延伸、または逐次二軸延伸によって延伸する方法が挙げられる。
ところが、上記のような方法ではMD方向の収縮率をコントロールし、品質安定性・生産性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを得ることは困難であった。チューブラー式同時二軸延伸法は良好な縦横の収縮バランス(歪みバランス)を得ることができるが、収縮率に異方性を持たせることは難しく、他の延伸方法と比較した場合生産性が劣る。テンター式同時二軸延伸法は、MD方向の収縮率をコントロールできないという問題がある。テンター式逐次二軸延伸法はMD収縮率をコントロールすることは可能だが、MD延伸工程で機械負荷が増加する上に、TD方向での機械物性のバラツキが大きくなり品質安定性・生産性が低下するという問題があった。
特に本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムにおいては、得られるフィルムにおいて、MD方向の収縮率を低減することが重要であるため、MD収縮率の制御が容易な延伸方法、または延伸条件を適用することが求められていた。
特に、本発明の所定の収縮特性を有する二軸延伸ポリアミドフィルムを効率良く生産するためには、フィルム製膜法を用いて、得られた未延伸フィルムを、例えばMD方向の弛緩処理工程を有する同時二軸延伸機で延伸することで製造することができる。すなわち、ポリアミド樹脂を押出機で溶融し、Tダイから溶融ポリマーを押出後、キャスティングロールで冷却して未延伸シートを作製し、これをMD方向の弛緩処理工程を有するテンターを用いて延伸を行うことで、所定収縮率を有する二軸延伸ポリアミドフィルムを製造することが可能となる。
MD方向の弛緩処理工程を有するテンターとしては、特に制限はなく、例えば、パンタグラフ方式テンター、スクリュー方式テンター、リニアモーター式テンターなどを挙げることができる。上記テンターの中でも、パンタグラフ方式テンターにおいては、個々のクリップが相互に連結され、MD方向に弛緩処理工程を設けたとしても、MD方向の収縮率を十分に低減するために必要とされる、選択できる弛緩処理の条件の巾は必ずしも広くなく制限された。一方、リニアモーター式テンターにおいては、個々のクリップがリニアモーター方式で単独に駆動しており、可変周波数ドライバを用い巾広く制御することで縦延伸倍率変化を任意に決めることができる。したがって、MD方向の収縮率を任意に、しかも幅広く制御することが可能となった。
以下、本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムを製造するにあたり、好ましい製造方法として挙げられるリニアモーター式テンターによる製造の流れを具体的に挙げ、説明をする。なお、本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムは、所定収縮率を満たすことができれば、その製造方法は特に限定されるものではなく、また前記リニアモーター式テンターを用いた製造方法に限定されるものでもない。
まず、ポリアミド樹脂を押出機で溶融し、Tダイから溶融ポリマーを押出後、キャスティングロールで冷却して未延伸シートを作製する。未延伸シートは同時二軸延伸するに先立って、20〜80℃に温調された温水槽に送り、10分間以下の調湿処理を施す。この処理は、延伸工程におけるポリアミドフィルムの切断を防止するためのものであり、この調湿によってポリアミド樹脂を適度に可塑化し、結晶化を抑制することができる。
未延伸シートを、水分率が3.0〜7.0質量%、好ましくは4.0〜6.0質量%となるように吸水処理した後、縦及び横方向に同時二軸延伸することが好ましい。吸水率が3.0質量%未満の場合には、延伸応力が増大して切断などのトラブルが起き操業性が低下し、また、吸水率が7.0質量%より大きいと、得られる二軸延伸ポリアミドフィルムの強度が低下したり巾方向の厚みムラが増大する。また、吸水率が大きすぎると吸水処理中の未延伸シートに折れシワが生じ未延伸シートの蛇行などのトラブルが生じやすくなる。
吸水処理を施した未延伸シートは同時二軸延伸するに先立って、温度140〜200℃、好ましくは150〜180℃で予熱される。予熱温度が140℃より低いと、得られる二軸延伸ポリアミドフィルムの熱収縮率の斜め差が大きくなり、また、延伸切断が発生して操業性が低下する。また、予熱温度が200℃より高いと、二軸延伸ポリアミドフィルムの透明性が悪化する。
吸水および予熱処理を施した未延伸シートは温度50〜210℃、延伸倍率が通常、縦および横方向に2.5〜4.0倍の倍率で同時二軸延伸される。
次に、同時二軸延伸されたポリアミドフィルムは、温度100〜215℃で熱処理されることが好ましい。熱処理温度が100℃より低いと、熱収縮率の斜め差が大きくなり、215℃より高いと、得られる二軸延伸ポリアミドフィルムの耐衝撃性や透明性が低下するので好ましくない。
また引き続いて、熱処理を行った直後のゾーンで、TD方向の弛緩率を0〜15%、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%で、温度100〜215℃で1〜10秒間の熱処理を施すのが好ましい。TD方向の弛緩率が15%を超えると生産性、得られる二軸延伸ポリアミドフィルムの機械特性が低下するので好ましくない。
TD方向の弛緩工程と前後し、MD方向の弛緩率を0.5〜30%、好ましくは0.5〜8%、さらに好ましくは0.5〜5%で、温度100〜215℃で1〜10秒間の熱処理を施し、二軸延伸ポリアミドフィルムとする。MD方向の弛緩率が30%を超えると生産性、得られる二軸延伸ポリアミドフィルムの機械特性が低下するので好ましくない。
MDおよびTD方向での弛緩処理を施した後、100℃程度で冷却し、目的とする厚みの二軸延伸ポリアミドフィルムを得る。二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みは特に限定されないが、包装用途に使用する場合には、10〜25μmの範囲のものが好ましい。
また本発明の要件を満たしていれば、単層でも2層以上の多層であってもよい。
本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムには、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で片面または両面に対し、コロナ放電処理など、放電処理を施して良い。ただし、通常のフィルムに比べ、本発明の特定の収縮率を有する二軸延伸ポリアミドフィルムは、放電処理によってブロッキング等の懸念が高まるため、シリカ、有機滑剤等の各種スリップ剤と組み合わせて、ブロッキング抑制の効果を高めることもできる。
本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムは、熱処理時のMD方向の寸法安定性が良好であり、TD方向の収縮率が大きいため、各種包装用途、工業用途で使用が可能である。特に、TD方向での収縮率が大きいため、シュリンクフィルムとして好適に使用できる。シュリンクフィルムとしては、個包装、集積包装だけでなく、缶、箱、瓶、ガラス製ボトルやPET製ボトル等の各種表示を行うためのラベルとして、印刷、蒸着、コーティング等を行い表示性、意匠性を高めて使用することができる。また、従来のポリオレフィン系フィルムやポリエステル系フィルムに比べ、機械特性が向上するため、特に集積包装、ラベルとして用いた際のフィルムの裂け等の懸念を低減し、包装材料としての機能性を高めることもできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1.測定方法
(1)収縮率
実施例もしくは比較例にて得られた二軸延伸ポリアミドフィルムにつき、23℃×50%RHの雰囲気下で、その表層部を除去して、ロールの内部より全幅の試料をサンプリングし、2時間試料を調湿した。次に、前記試料よりMD方向、TD方向について巾10mm、長さ150mmの短冊状に切り出し、その長さ方向に沿って約100mmの間隔をおいて一対の標点をつけ試験片とした。前記試験片の標点間距離を測定し、L(mm)とした。その試験片をボイル処理(100℃の沸騰水で5分間)し、処理後再度23℃×50%RHの雰囲気下で2時間以上調湿した後、標点間距離L(mm)を測定し、ボイル処理前後の試験片長さより下記式により収縮率を求めた。なお、ネックの発生したフィルムについては測定しなかった。
収縮率(%)={(L−L)/L}×100
(2)引張特性
実施例もしくは比較例にて得られた二軸延伸ポリアミドフィルムにつき、MD方向、TD方向について巾10mm、長さ150mmの短冊状の試験片を切り出した。23℃×50%RHの雰囲気下で、前記試験片を用いて、標点間距離100m、引張速度500mm/minで引張試験を実施し、引張破断強度、引張破断伸度を測定した。
(3)収縮仕上がり性
実施例もしくは比較例にて得られた二軸延伸ポリアミドフィルムから、縦120×横300mmの試験片を切り出した。ここで、試験片の縦方向がMD方向、横方向がTD方向となるようにした。市販の絞り缶(フリスキー社製フリスキー;155g×3缶、缶の直径85×高さ115mm)に対し、缶の高さ方向と試験片の縦方向が一致するようにして、軽く巻き付け、端部を接着し筒状に加工した。その後、ユニバーサルシュリンカー(協和電機社製K2000型)を用い、所定熱風温度下(第1ゾーン温度170℃、第2ゾーン温度170℃)、通過時間15秒で処理し、絞り缶に対し試験片を収縮させ巻き付けた。巻き付け後の外観を下記基準で評価した。
O:収縮が良好でタルミ、シワが発生しなかった。
△:収縮が不十分でタルミが発生した。
×:収縮シワが発生した
実施例1
ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製A1030BRF)100質量部に対して、平均粒径2.5μmの凝集シリカを0.08質量%となるように添加し、250℃の温度で溶融して、滞留時間5分でTダイ出口より押出し、急冷固化して未延伸シートを得た。
未延伸シートを50℃に温調した温水槽に導き2分間温水に浸漬して、未延伸シートに5質量%の水分を吸水させた。次いで、この未延伸シートの端部をリニアモーター式テンターのクリップに把持し160℃の予熱ゾーンを走行させた後、温度175℃でMDに2.5倍、TDに3.6倍で同時二軸延伸した。その後MD弛緩率を15%、TD弛緩率を5%として、150℃の熱固定ピーク温度で熱処理を施した後、室温まで冷却して巻き取り、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムについて、熱水収縮率、引張特性、収縮仕上り性の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2〜5、比較例1、2
延伸倍率、MD方向の弛緩率およびTD方向の弛緩率、熱固定温度を表1のように変更
した以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造を行った。得ら
れた二軸延伸ポリアミドフィルムについて、熱水収縮率、引張特性、収縮仕上り性の評価
を行った。その結果を表1に示す。
比較例
TD方向の弛緩率を35%とする以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリアミド
フィルムの製膜、延伸を試みた。しかし、延伸機内でタルミが発生し、二軸延伸ポリアミ
ドフィルムを得ることができなかった。
比較例
MD方向の弛緩率を35%とする以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリアミド
フィルムの製膜、延伸を試みた。しかし、ネックの入った二軸延伸ポリアミドフィルムし
か得ることができなかった。
比較例
リニアモーター式テンターにより製造された二軸延伸ポリアミドフィルムに代えて、イ
ンフレーション方式で延伸されたポリアミドフィルム(興人社製ボニールRX、厚み25
μm)を用い、熱水収縮率、引張特性、収縮仕上り性の評価を行った。その結果を表1に
示す。
比較例
パンタグラフ式の同時二軸延伸機を用い、MD方向の弛緩率およびTD方向の弛緩率を
表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリアミドフィルムの製
造を行った。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムについて、熱水収縮率、引張特性、収
縮仕上り性の評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、MD方向の弛緩率を5%と設定したかったが、用いた延伸機の機械的な制約によ
り、MD方向に弛緩できなかった。
実施例1〜では、100℃熱水中の収縮率がMD方向が%以下、TD方向が10〜30%で、MD方向の収縮をコントロールした収縮異方性のある収縮仕上がり性が良好な二軸延伸ポリアミドフィルムが得られた。また、二軸延伸ポリアミドフィルムの引張特性も良好であった。
比較例では、MD弛緩処理がなされていないため、MD方向の収縮が大きくなり収縮
異方性が得られず、収縮仕上がり性が劣った。
比較例では、インフレーション方式で延伸されたポリアミドフィルムであるため収縮
の異方性は得られず、収縮仕上がり性が劣った。
比較例では、パンタグラフ式の同時二軸延伸機で延伸されたポリアミドフィルムであ
るため、MD方向の収縮が大きくなり収縮異方性が得られず、収縮仕上がり性が劣った。

Claims (5)

  1. ポリアミド樹脂の単層から構成され、100℃の沸騰水中で5分間処理した後に測定される収縮率が、製膜時の縦方向(MD方向)が4%以下、横方向(TD方向)が10〜30%であることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルム。
  2. 横方向(TD方向)の収縮率(Y)と縦方向(MD方向)の収縮率(X)の比率Y/Xが3以上である請求項1記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
  3. 温度50〜210℃で、縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)における延伸倍率がともに2.5〜4.0倍で同時二軸延伸を行い、さらに前記同時二軸延伸後の熱固定処理で、縦方向(MD方向)の弛緩率が5〜30%の弛緩処理を行う請求項1または2記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
  4. さらに、横方向(TD方向)の弛緩処理を伴う請求項3記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
  5. 請求項1または2記載の二軸延伸ポリアミドフィルムを用いたシュリンクラベル。
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