JP5956115B2 - 二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを含むレトルト用包材 - Google Patents

二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを含むレトルト用包材 Download PDF

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本発明は、耐レトルト性に優れた包材、さらに詳しくは、シートの薄膜化が可能であり、130℃以上の過酷なレトルト条件においても使用可能な耐圧縮性、耐衝撃性、および耐熱水性に優れた二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系(以下、OPBT系)フィルムを含むレトルト用包材に関するものである。
従来、気密性が高く、微生物や光、酸素、水分等による内容物の劣化を防ぐために、各種プラスチックフィルム、紙、金属箔等の基材が任意に積層された包装用材料が開発されてきた。一般に、これらの包材の最内層にはヒートシール層が設けられており、それらを重ね合わせてシールすることにより種々の形態に製袋される。次いで開口部から、例えば飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、化学品、雑貨品等の内容物を充填、ヒートシールして完全密閉することにより、最終形態の包装製品が完成する。特に食品用途において、長期間保存可能な包装製品として、レトルト食品が一般に広く知られており、すでにあらゆる分野で実用化されている。レトルト食品は、下ごしらえをした材料を容器内に充填し、開口部をできるだけ空気を抜きながらヒートシールすることにより密閉包装体を得る。次いで、該密閉包装体をレトルト釜内に投入し、例えば、加熱温度105℃〜150℃、圧力1.0〜4.0kg/cm 、処理時間20〜60分の条件下で湿熱加圧殺菌処理することにより製造することができる。
一方、レトルト用包材に必要な基本的な性能としては、安全性、無味無臭、耐熱水性、遮光性、保香性、耐変色性、種々のガスバリア性、耐圧、衝撃、突刺し等の強度、耐屈曲性、および密閉性等が挙げられ、レトルト処理の条件や内容物の種類等に応じて最適なラミネート構成が設計される。例えば、耐熱水性やコシ(自立性)、光沢や印刷適性、保香性を付与するには二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下、OPET)フィルム、耐衝撃性や耐ピンホール性、耐突刺し性を付与するには二軸延伸ナイロン(以下、ONy)フィルム、光、酸素、水蒸気を遮断するにはアルミニウム箔(以下、AL)、あるいは基材層表面に蒸着膜やコーティング層を設ける、ヒートシール性を付与するにはレトルトタイプの未延伸ポリプロピレン(以下、CPP)やポリエチレンフィルム等の基材が適宜選定され、これらの基材をドライラミネート等で積層することによりレトルト用包材が得られる。
そのレトルト用包材のラミネート構成に関して、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4に一例が提案されているように、外側からOPET//ONy//CPP、OPET//AL//CPP、OPET//ONy//AL//CPP、OPET//AL//ONy//CPP(//はドライラミネートを意味する)等が代表的な構成として挙げられる。また、特許文献5、特許文献6、特許文献7、および特許文献8には、OPET原料、あるいはONy原料の改質により耐レトルト性に優れた基材層も提案されている。
実公昭63−31961号公報 特開平5−38779号公報 特開2002−326306号公報 特開2005−178311号公報 特開平4−28727号公報 特開2004−50530号公報 特開平9−277476号公報 特開平11−5283号公報
前記の通り、レトルト用包材の基材層としてはOPETフィルムやONyフィルムが一般に良く用いられているが、OPETフィルムは耐熱水性が高いという長所がある半面、衝撃強度や突刺し強度、耐ピンホール性が低いという弱点があった。一方、ONyフィルムは衝撃強度や突刺し強度が高いものの、フィルム自体が吸湿性を有するため、熱水と接触すると加水分解により強度低下を招くという欠点があった。以上の観点から、特に130℃以上の過酷なレトルト条件の場合や高い耐圧強度、耐衝撃性が要求される場合は、両基材の短所を相互に補うために、基材層としてOPETフィルムとONyフィルムが併用されている。しかしながら、両基材を併用することにより、レトルト用包材自体の厚みが厚くなるため、環境負荷への影響の点で問題があり、また、ラミネート工程での作業性の面でも改善の余地があった。さらには、内容物の性質や重量、レトルトの条件によってはONyフィルム、あるいはOPETフィルムいずれか一方を使用出来ない場合や制限される場合があり、さらなる品質改善が求められていた。
本発明者らは、外側から基材層−バリア層−シーラント層、または基材層−バリア層−バリア材補強層−シーラント層のいずれかからなるレトルト用包材において、基材層および/またはバリア材補強層として、ポリブチレンテレフタレート樹脂、またはポリブチレンテレフタレート樹脂に対してポリエチレンテレフタレート樹脂を30重量%以下の範囲で配合したポリエステル系樹脂組成物のいずれかからなる二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを用いることにより、耐レトルト性に優れた包材、特に130℃以上の過酷なレトルト条件においても使用可能な耐圧縮性、耐衝撃性、および耐熱水性に優れたレトルト用包材を得ることが出来ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の物及び手段を提供する。
[1]少なくともポリブチレンテレフタレート樹脂、またはポリブチレンテレフタレート樹脂に対してポリエチレンテレフタレート樹脂を30重量%以下の範囲で配合したポリエステル系樹脂組成物のいずれかからなる二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを含む積層体からなる包材であって、135℃×3.5kg/cm×60分間の条件下でレトルト殺菌処理した際の引張破断強度の維持率が80%以上であることを特徴とするレトルト用包材。
[2]前記二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムの4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)すべての引張破断強度が170MPa以上、引張破断伸度が50%以上150%以下であることを特徴とする上記[1]に記載のレトルト用包材。
[3]前記二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムが、4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)の引張破断強度のうち、最大値と最小値の比が1.5以下であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載のレトルト用包材。
[4]前記二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムが、溶融押出した直後に200℃/秒以上の冷却速度で急冷製膜して得られた未延伸原反を、縦横それぞれ2.7〜4.5倍同時二軸延伸することにより得られることを特徴とする上記[1]〜[3]に記載のレトルト用包材。
[5]前記レトルト用包材が、外側から基材層−バリア層−シーラント層、または基材層−バリア層−バリア材補強層−シーラント層のいずれかからなり、該基材層および/またはバリア材補強層として、前記二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを用いることを特徴とする上記[1]〜[4]に記載のレトルト用包材。
[6]前記基材層および/またはバリア材補強層が二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを含む複数のフィルムで構成されていることを特徴とする上記[1]〜[5]に記載のレトルト用包材。
[7]前記基材層および/またはバリア材補強層の少なくともいずれか一方の面に、無機酸化物からなる蒸着膜および/またはバリア樹脂からなるコーティング層が設けられていることを特徴とする上記[1]〜[6]に記載のレトルト用包材。
[8]バリア層としてアルミニウム箔を用いることを特徴とする上記[1]〜[7]に記載のレトルト用包材。
[9]上記[1]〜[8]のいずれか一つに記載のレトルト用包材を製袋加工して得られるレトルト用袋。
本発明者らは、外側から基材層−バリア層−シーラント層、または基材層−バリア層−バリア材補強層−シーラント層のいずれかからなるレトルト用包材において、基材層および/またはバリア材補強層として、ポリブチレンテレフタレート樹脂、またはポリブチレンテレフタレート樹脂に対してポリエチレンテレフタレート樹脂を30重量%以下の範囲で配合したポリエステル系樹脂組成物のいずれかからなる二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを用いることにより、耐レトルト性に優れた包材、特に130℃以上の過酷なレトルト条件においても使用可能な耐圧縮性、耐衝撃性、および耐熱水性に優れたレトルト用包材を得ることが可能となった。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(OPBT系フィルムの原料) OPBT系フィルムに用いられる主原料は、グリコール成分としての1,4−ブタンジオール、二塩基酸成分としてのテレフタル酸を成分としたホモタイプが好ましい。最適な機械的強度を付与するためには、ポリブチレンテレフタレート樹脂のうち、融点200〜250℃、IV値1.10〜1.35dl/gの範囲のものが好ましく、さらには融点215〜225℃、IV値1.15〜1.30dl/gの範囲のものが特に好ましい。一方、ポリエーテル等種々のポリマー成分をランダムまたはブロック共重合したタイプは、特に機械的強度の低下が顕著であるため、十分な耐圧縮性、耐衝撃性が得られないため好ましくない。
また、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂には、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリブチレンテレフタレート100重量部に対して0〜30重量部の範囲で適宜配合することが可能であり、ポリエチレンテレフタレート樹脂を配合することによりポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化を適度に抑制することが可能となり、延伸加工性が格段に向上する。配合するポリエチレンテレフタレート樹脂は、グリコール成分としてのエチレングリコール、二塩基酸成分としてのテレフタル酸を成分としたホモタイプが特に好ましい。最適な機械的強度特性を付与するためには、ポリエチレンテレフタレート樹脂のうち、融点240〜265℃、IV値0.55〜0.90dl/gの範囲のものが好ましく、さらには融点245〜260℃、IV値0.60〜0.80dl/gの範囲のものが特に好ましい。一方、ポリエーテル等種々の成分をランダムまたはブロック共重合したタイプは、特に機械的強度の低下が顕著であるため、十分な耐圧縮性、耐衝撃性が得られないため好ましくない。ポリエチレンテレフタレート樹脂を30重量%より多く配合すると、延伸フィルム、または未延伸原反の剛性が高くなり過ぎて、結果として耐圧強度や衝撃強度、突刺し強度の低下や原反割れに伴う延伸不調が発生するため好ましくない。なお、必要に応じて滑剤、アンチブロッキング剤、無機増量剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、着色剤、結晶化抑制剤、結晶化促進剤等の添加剤を加えても差し支えない。また、用いるポリエステル系樹脂ペレットは加熱溶融時の加水分解による粘度低下を避けるため、加熱溶融前に水分率が0.05wt%以下、好ましくは0.01wt%以下になるように十分予備乾燥を行った上で使用するのが好ましい。
(ポリブチレンテレフタレート系未延伸原反の製造方法)OPBT系フィルムを安定的に製造するには、延伸前未延伸原反の結晶化を極力抑制する必要があり、押出されたポリブチレンテレフタレート系溶融体を冷却して製膜する際、該ポリマーの結晶化温度領域をある速度以上で冷却する、すなわち原反冷却速度が重要な因子となる。その原反冷却速度は200℃/秒以上、好ましくは250℃/秒以上、特に好ましくは350℃/秒以上であり、高い冷却速度で製膜された未延伸原反は極めて低い結晶状態を保っているため、延伸時のバブルの安定性が飛躍的に向上する。さらには高速での製膜も可能になることから、生産性も向上する。冷却速度が200℃/秒未満では、得られた未延伸原反の結晶性が高くなり延伸性が低下するばかりでなく、極端な場合には延伸バブルが破裂し、延伸が継続しない場合がある。
原反製膜方式は、前記原反冷却速度を満たす方法であれば特に限定されるものでは無いが、急冷製膜の点では内外直接水冷式がもっとも適している。その内外直接水冷式による原反製膜法の概要を以下に説明する。まず、ポリブチレンテレフタレート系樹脂は210〜280℃の温度に設定された押出機によって溶融混練され、Tダイ製膜の場合は、シート状の溶融樹脂を水槽に浸漬することにより内外とも直接水冷する。一方、環状製膜の場合は、押出機に下向きに取り付けられた環状ダイより下方に押し出され、溶融管状薄膜が成形される。
次に環状ダイに連結されている冷却マンドレルに導かれ、冷却マンドレル各ノズルから導入された冷却水が溶融管状薄膜の内側に直接接触して冷却される。同時に、冷却マンドレルと組み合わせて使用される外部冷却槽からも冷却水が流され、溶融管状薄膜の外側にも冷却水が直接接触して冷却される。内部水、および外部水の温度は30℃以下が好ましく、急冷製膜の観点では20℃以下が特に好ましい。30℃より高くなると、原反の白化や冷却水の沸騰による原反外観不良等を招き、延伸も徐々に困難になる。
(OPBT系フィルムの製造方法)ポリブチレンテレフタレート系未延伸原反は、25℃以下、好ましくは20℃以下の雰囲気温度に保ちつつ延伸ゾーンまで搬送する必要があり、当該温度管理下では滞留時間に関係無く、製膜直後の未延伸原反の結晶性を維持することが出来る。この延伸開始点までの結晶化制御は、前記未延伸原反の製膜技術とともに、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の二軸延伸を安定して行う上で重要なポイントと言える。
同時二軸延伸法は、例えばチューブラー方式やテンター方式が挙げられるが、縦横の強度バランスの点で、チューブラー法が特に好ましい。図1はチューブラー法同時二軸延伸装置の概略図である。延伸ゾーンに導かれた未延伸原反1は、一対の低速ニップロール2間に挿通された後、中に空気を圧入しながら延伸用ヒーター3で加熱するとともに、延伸終了点に冷却ショルダーエアーリング4よりエアーを吹き付けることにより、チューブラー法によるMD、およびTD同時二軸延伸フィルム7を得た。延伸倍率は、延伸安定性や得られたOPBT系フィルムの強度物性、透明性、および厚み均一性を考慮すると、MD、およびTDそれぞれ2.7〜4.5倍の範囲であることが好ましい。延伸倍率が2.7倍未満である場合、得られたOPBT系フィルムの引張強度や衝撃強度が不十分となり好ましくない。また4.5倍超の場合、延伸により過度な分子鎖のひずみが発生するため、延伸加工時に破断やパンクが頻繁に発生し、安定的に生産出来ない。延伸温度は、40〜80℃の範囲が好ましく、特に好ましくは45〜65℃である。前記の高い冷却速度で製造した未延伸原反は、結晶性が低いため、比較的低温域の延伸温度で安定して延伸可能である。80℃を超える高温延伸では、延伸バブルの揺れが激しくなり、大きな延伸ムラが発生して厚み精度の良好なフィルムは得られない。一方、40℃未満の延伸温度では、低温延伸による過度な延伸配向結晶化が発生し、フィルムの白化等を招き、場合によって延伸バブルが破裂し延伸継続困難となる。このように二軸延伸加工を施すことにより、特に強度物性が飛躍的に向上し、かつ異方性が少ないOPBT系フィルムを得ることが出来る。
得られたOPBT系フィルムを熱ロール方式またはテンター方式、あるいはそれらを組み合わせた熱処理設備に任意の時間投入し、180〜240℃、特に好ましくは190〜210℃で熱処理を行うことにより、熱寸法安定性に優れたOPBT系フィルムを得ることができる。熱処理温度が220℃よりも高い場合は、ボーイング現象が大きくなり過ぎて幅方向での異方性が増加する、または結晶化度が高くなり過ぎるため強度物性が低下してしまう。一方、熱処理温度が185℃よりも低い場合は、フィルムの熱寸法安定性が大きく低下するため、ラミネートや印刷加工時にフィルムが縮み易くなり、実用上問題が生じる。
OPBT系フィルムの厚みは、特に制限されるものでは無いが、一般コンバーティングフィルム、特にレトルト用包材の主要基材として用いる場合は5〜50μm、好ましくは10〜20μmである。
OPBT系フィルムの4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)における引張破断強度は、いずれも170MPa以上であることが好ましく、これにより耐衝撃性や耐屈曲性、耐突刺し性、および二次加工適性等が格段に向上する。引張破断強度が170MPaより小さい場合、特に130℃以上の過酷なレトルト条件においては耐圧強度が十分でなく、破袋等の原因になるため好ましくない。さらに、異方性を小さくするためには、4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)の引張破断強度のうち、最大値と最小値の比が1.5以下に調整することが好ましく、特に好ましくは1.3以下である。一方、引張破断伸度は50%以上150%以下であり、好ましくは100%以上150%以下である。150%より大きい、あるいは50%より小さい場合、印刷や他基材と貼り合わせる際の張力により、フィルムの破断や伸び等が発生しやすくなるため好ましくない。このような特性をもつフィルムは、上述した製造方法により安定して得られる。
(レトルト用包材の構成)OPBT系フィルムを含むレトルト用包材は、OPBT系フィルムのいずれか一方、あるいは両方の面に、1層あるいは2層以上他のフィルム等を積層して構成される。具体的には、外側から基材層−バリア層−シーラント層の3層構成、あるいは基材層−バリア層−バリア材補強層−シーラント層の4層構成等が挙げられ、基材層および/またはバリア材補強層は、OPBT系フィルム単独、もしくはOPBT系フィルムとONyフィルム、OPETフィルム等の他フィルム等と併用して構成することが出来る。バリア層としては、高い防湿性を付与するためのアルミニウム箔、またはアルミニウム−鉄系合金の軟質材、ステンレス箔、および銅箔等が使用可能だが、軽量化やコスト面を考慮するとアルミニウム箔がもっとも好ましい。金属箔を使用しない場合や高度なバリア性が要求される場合は、基材層の少なくともいずれか一方の面に、無機酸化物からなる蒸着膜(以下、VM)および/またはポリ塩化ビニリデン(以下、Kコート)等のバリア樹脂からなるコーティング層を設けてバリア性を付与する方法でも何ら差し支えない。シーラント層として未延伸ポリエチレン系フィルム、未延伸ポリプロピレン系フィルム、未延伸ポリ塩化ビニルフィルム、エチレン−酢酸ビニルフィルム、アイオノマーフィルム、その他エチレンコポリマー系フィルムが挙げられるが、耐熱性を付与するために、レトルトタイプの各種シーラントを用いることが好ましい。代表的なラミネート構成としては、例えば、外側からOPBT系//AL//シーラント、OPET//OPBT系//AL//シーラント、OPBT系//OPET//AL//シーラント、OPBT系//OPBT系//AL//シーラント、OPBT系//ONy//AL//シーラント、OPBT系//AL//OPBT系//シーラント、OPBT系//AL//ONy//シーラント、OPBT系//AL//OPET//シーラント、OPET//AL//OPBT系//シーラント(基材層および/またはバリア材補強層はVMタイプ、またはKコート等のバリアコートタイプを含む)等が挙げられる。従来、一般的であった基材層および/またはバリア材補強層としてOPETフィルム、ONyフィルム単独、またはそれらを併用する方法は、基材自体に一長一短があるため、使用される用途や条件が限定される場合があった。一方、基材層および/またはバリア材補強層として、OPBT系フィルム単独、またはOPBT系フィルムとONyフィルム、OPETフィルムを併用することにより、レトルト用包材全体の薄膜化が可能となり、また、ラミネート構成のバリエーションが増えるだけでなく、従来のONyフィルム、またはOPETフィルムの組み合わせのみでは成し得なかった高いレベルの耐圧強度、耐衝撃性、耐突刺し性等を達成することが可能となる。
得られたレトルト用包材を任意のレトルト釜を用いて、135℃×3.5kg/cm×60分間の条件でレトルト殺菌処理した際の引張破断強度の維持率は80%以上が好ましい。引張破断強度の維持率が80%以上の場合は、十分な耐圧強度と耐熱水性を維持出来るため、いかなるレトルト処理条件においても包装製品の破袋等の不具合が発生すること無く、実用上満足できる特性を得ることが出来る。一方、80%より小さい場合は、特に130℃以上の過酷なレトルト処理条件の場合に耐圧強度が十分で無く、レトルト処理中、またはレトルト処理後に発生する包装製品内の内圧上昇により破袋する可能性が高まるため好ましく無い。なお、レトルト殺菌処理の際の引張破断強度の維持率は下記式に基づいて算出することが出来る。
レトルト殺菌処理の際の引張破断強度の維持率(%)=(レトルト処理後の引張破断強度)/(レトルト処理前の引張破断強度)×100
本発明のOPBT系フィルムを含むレトルト用包材には、OPBT系フィルム表面、あるいはその他基材表面にグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷といった既知の印刷方法により印刷を施して用いることも出来る。
以下に実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。
<実施例1> (OPBT系フィルムの製造)
140℃で5時間熱風乾燥機にて乾燥したポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット(ホモタイプ、融点=224℃、IV値=1.26dl/g)を押出機中、シリンダーおよびダイ温度210〜275℃の各条件で溶融混練して溶融管状薄膜を環状ダイより下方に押し出した。引き続き、冷却マンドレルの外径を通しカラプサロールで折り畳んだ後、引取ニップロールにより1.2m/minの速度で製膜引取りを行った。溶融管状薄膜に直接接触する冷却水の温度は内側、外側ともに20℃であり、原反冷却速度は416℃/秒であった。未延伸原反の折径は143mmであり、ポリブチレンテレフタレート樹脂中にはあらかじめ滑剤としてステアリン酸マグネシウムを1000ppm添加した。以上の条件で製膜した未延伸原反1を20℃の雰囲気中で低速ニップロール2まで搬送し、図1に示す構造のチューブラー同時二軸延伸装置にて縦横同時二軸延伸を行った。延伸倍率はMDが3.0倍、TDが2.8倍であり、延伸温度は60℃であった。次に、この二軸延伸フィルム7を熱ロール式、およびテンター式熱処理設備にそれぞれ投入し、210℃で熱処理を施すことにより二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムを得た。なお、二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムの厚みは15μmであった。
(原反冷却速度の測定方法)前記原反冷却速度は下記に示した式により算出した。溶融薄膜、および原反温度は接触式の放射温度計にて測定した。また、冷却開始点は溶融薄膜が冷却水、または冷却装置に接触する部分、冷却終了点は未延伸原反の温度が30℃に到達する部分をいう。
原反冷却速度(℃/秒)=(冷却開始点直前の溶融薄膜温度−冷却終了点の原反温度)(℃)/(冷却開始点〜冷却終了点間距離)(m)×冷却開始点〜冷却終了点間の原反の通過速度(m/秒)
(OPBT系フィルムの引張破断強伸度の評価方法) 得られたフィルムの引張破断強伸度は、オリエンテック製―テンシロン(RTC−1210−A)を使用し、試料幅15mm、チャック間100mm、引張速度200mm/minの条件で、0℃(MD)方向/45°方向/90°(TD)方向/135°方向の4方向についてそれぞれ測定を行った。得られた応力−ひずみ曲線に基づいて求めた、各方向での引張破断強度、破断伸度、および4方向の引張破断強度のうち最大値と最小値の比を表1に示した。
(レトルト用包材の作成方法、およびレトルト殺菌処理の際の引張破断強度の維持率の評価方法)得られたOPBT系フィルムの外側にアルミニウム箔(厚み9μm)を、内側にハイレトルトタイプの未延伸ポリプロピレンフィルム〔FRTK−G、フタムラ化学株式会社製、厚み60μm〕をそれぞれ配置し、ドライラミネート(ドライ塗布量4.0g/m)することによりレトルト用包材を得た。なお、ドライラミネート用の接着剤としては、東洋モートン(株)TM−K55/東洋モートン(株)CAT−10(配合比100/8)を用いた。また、ドライラミネート後のラミネート包材は、60℃で72時間エージングを行った。次いで、得られたレトルト用包材を蒸気式のレトルト釜で、135℃×3.5kg/cm×60分間の条件でレトルト殺菌処理を実施し、レトルト処理前、および処理後について引張破断強度をそれぞれ測定し、レトルト殺菌処理の際の引張破断強度の維持率を算出した。
(耐圧縮性評価方法)得られたレトルト用包材を100mm×100mmのサイズ(シール巾10mm含む)に製袋加工した後、内容物として水を200g充填、ヒートシールして密閉することにより包装製品を得た。この包装製品の耐圧縮強度を以下の基準により評価した。
◎: 60kg×1分間荷重をかけた後でも内容物の漏れが無い。
○: 40kg×1分間荷重をかけた後でも内容物の漏れが無い。
×: 20kg×1分間荷重をかけた際、内容物の漏れがある。
(耐落下衝撃性評価方法)得られた包装製品の耐落下衝撃性を以下の基準により評価した。
◎: 80cmの高さから2回落下させても破袋しない。
○: 50cmの高さから2回落下させても破袋しない。
×: 25cmの高さから2回落下させると破袋する。
<実施例2〜8、比較例1〜5> 実施例1において、ポリブチレンテレフタレート樹脂に対するポリエチレンテレフタレート樹脂添加量、および/または延伸倍率を表1に記載した条件に変えた以外は実施例1と同様に行った。
<実施例9〜16、比較例6〜10> 実施例1において、基材層および/またはバリア材補強層を表1に記載した基材、組み合わせに変えた以外は実施例1と同様に行った。
表1に示すように、外側から基材層−バリア層−シーラント層、または基材層−バリア層−バリア材補強層−シーラント層のいずれかからなるレトルト用包材において、基材層および/またはバリア材補強層として、OPBT系フィルム単独、またはOPBT系フィルムとONyフィルム、OPETフィルムを併用することにより、包材全体の薄膜化が可能となり、また、従来のONyフィルムとOPETフィルムの組み合わせのみでは成し得なかった高いレベルの耐圧縮性、耐落下衝撃性、および耐熱水性等を達成することが可能となることが分かった。
Figure 0005956115
本発明のOPBT系フィルムを含むレトルト用包材は、高い耐圧縮性、耐衝撃性を有し、かつ耐熱水性に優れていることからレトルト用途、特に130℃以上のハイレトルト用の包材としてもっとも好適に用いることが出来る。さらには、酸素や水分、各種ガスに対するバリア性に優れ、また保香性も高いことから、乾燥食品、水物食品、保香食品等の一般食品包装用包材として利用可能である。
チューブラー同時二軸延伸装置の概略図である。
1 未延伸原反
2 低速ニップロール
3 延伸用ヒーター
4 冷却ショルダーエアーリング
5 カラプサロール
6 高速ニップロール
7 二軸延伸フィルム

Claims (3)

  1. 少なくともポリブチレンテレフタレート樹脂、またはポリブチレンテレフタレート樹脂に対してポリエチレンテレフタレート樹脂を30重量%以下の範囲で配合したポリエステル系樹脂組成物のいずれかからなる二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを含む積層体からなるレトルト用包材であって、前記二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムが、溶融押出した直後に200℃/秒以上の冷却速度で急冷製膜して得られた未延伸原反を、縦横それぞれ2.7〜4.5倍同時二軸延伸することにより得られ、4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)すべての引張破断強度170MPa以上、引張破断伸度50%以上150%以下である二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを用いた、135℃×3.5kg/cm×60分間の条件下でレトルト殺菌処理した際の引張破断強度の維持率が80%以上であることを特徴とするレトルト用包材の製造方法
  2. 前記レトルト用包材が、外側から基材層−バリア層−シーラント層、または基材層−バリア層−バリア材補強層−シーラント層のいずれかからなり、該基材層および/またはバリア材補強層として、前記二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを用いることを特徴とする請求項1に記載のレトルト用包材の製造方法
  3. 前記基材層および/またはバリア材補強層が二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを含む複数のフィルムで構成されていることを特徴とする請求項2に記載のレトルト用包材の製造方法
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