JP6440772B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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しかしながら、高周波化を行うと、スイッチング素子のオン・オフにより電位差が変化する配線の浮遊容量に、電荷が高周波で充電され、そして放電される。放電された電荷は電流経路にあるスイッチング素子やトランス等で消費されるため、効率の低下、スイッチング素子及びトランス等の冷却器のコスト増加、並びに大型化に繋がり、電力変換装置の小型化を阻害するという課題があった。
本実施の形態1の電力変換装置1000は、図1に示すように、昇圧AC/DCコンバータ回路301と絶縁型のDC/DCコンバータ回路302とを直列接続して構成される。すなわち、電力変換装置1000は、交流電源106からの入力電圧を昇圧AC/DCコンバータ回路301で直流に変換し、絶縁型DC/DCコンバータ回路302で絶縁しつつ負荷107に電力を供給する。
交流電源106が正負それぞれの時のスイッチング素子101a及び101bのスイッチングによる電流経路を図2に示す。
C=ε(S/d) ・・・式(2)
図4(a)は、一対のスイッチング素子101c及び101fがON、別の一対のスイッチング素子101d及び101eがOFFの時の電流経路を示し、図4(b)は、一対のスイッチング素子101c及び101fがOFF、別の一対のスイッチング素子101d及び101eがONの時の電流経路を示す。
次にスイッチング素子101c及び101fがOFF、スイッチング素子101d及び101eがONの時(図4(b))、充電されていた電荷は放電され、スイッチング素子101d及び101eの抵抗成分等で消費されると共に、配線208側が正となるように電荷が充電される。従って、トランス1次側の配線207−208間の浮遊容量の電荷は損失となる。
次に、スイッチング素子101c及び101fがON、スイッチング素子101d及び101eがOFFとなるため(図4(a))、電荷は放電され、ダイオード102c及び102fの抵抗成分等で消費される。従って、ダイオード102cに接続される配線209−211間の浮遊容量の電荷は損失となる。
本実施の形態2は、スイッチング素子の駆動回路(図示せず)の基板上での配置等も考慮した場合の配線を特徴とする。なお、本実施の形態2の電力変換装置1000の構成は、図1に示した実施の形態1と同様である。
図7では電源106を左側に、コンデンサ103を右側に配置することで配線204−201間に重なりが発生するが、逆に電源106を右側に、コンデンサ103を左側に配置すると、配線204−201間ではなく配線201−203間に重なりが発生するため、スイッチング素子の駆動回路の基板上での配置を考慮すると、少なくとも1点は配線の交差点が生じることが分かる。
そのため、浮遊容量配線間の浮遊容量を低減するために、交差する箇所は電流が平行に流れないように、少なくとも45度以上で交差させるように配線する。
以下、本発明に係る実施の形態3の電力変換装置303の回路構成について、図10を参照して説明する。
この電力変換装置303は大電力を扱う電力変換装置であり、窒化ガリウム材料を用いたスイッチング素子は、上記のとおり、100kHz以上で駆動させて、入力の交流電圧を直流に変換するものである。
ここで、交流電源109の電圧Vinが正の時のスイッチング素子101g及び101hのスイッチングによる電流経路を図11(a)に、負の時の電流経路を図11(b)にそれぞれ示す。
従って、電位差が変化する配線の組み合わせは配線215−212間、配線212−214間、配線215−213間、及び配線213−214間である。
図12及び図13中のスイッチング素子101g、101hの「S」はソース、「D」はドレインをそれぞれ示し、ダイオード102g及び102hの「A」はアノード、「K」はカソードをそれぞれ示す。
上記の実施の形態1〜3では、スイッチング素子を100kHz以上で駆動する形態として説明しているが、スイッチング周波数は100kHz未満でもよい。
上記の実施の形態2では、配線が基板平面視で交差する箇所は隣接する層では重ねないようにするものと説明しているが、隣接する層では重ねて配線しても良い。
上記の実施の形態1〜3では、一つの基板上で電源線を構成する形態で説明しているが、これに限らず、ジャンパー端子等で電源線を飛ばしたり、別基板で配線しても良く、またそうすることで基板の平面視で交差する箇所を無くしてもよい。
上記の実施の形態1及び2の絶縁型のDC/DCコンバータ回路302のトランス105の2次側はダイオードを用いたブリッジ形の全波整流回路で構成しているが、同期整流や双方向整流のような場合にダイオードの代わりにスイッチング素子等で構成してもよい。
上記の実施の形態1、2の絶縁型のDC/DCコンバータ回路302のトランス105の1次側はスイッチング素子を4つ使用したフルブリッジ方式の回路構成で説明しているが、ハーフブリッジ方式や共振型のLLC方式等で構成しても良い。
さらに、上記の実施の形態1〜3では、合計2種類の昇圧AC/DCコンバータ回路を挙げて説明しているが、これに限らず、インターリーブ方式や、リアクトルとアノードを前記リアクトルに接続させたダイオードを第1の母線に備え、前記ダイオードのアノードと第2の母線との間に半導体スイッチ素子を備えた昇圧チョッパ回路と整流器によって構成される一般的な昇圧コンバータ回路等を用いてもよい。
Claims (11)
- 複数の配線層から成る多層配線基板上に、ワイドギャップ半導体を使用したスイッチング素子と、コンデンサとを配線した電力変換装置において、
前記基板の前記スイッチング素子の一端に接続された第1の配線と、
前記スイッチング素子の他端に接続され、前記スイッチング素子のスイッチングにより前記第1の配線との電位差が変化する第2の配線とを有し、
前記第2の配線は、2つ設けられ、前記コンデンサの一端は、前記第2の配線の一方に接続され、前記コンデンサの他端は、前記第2の配線の他方に接続され、
前記第2の配線の一方及び前記第2の配線の他方は、前記基板に対し平面視で、互いに交差する部分を有するように配置され、
前記スイッチング素子は、2つ設けられ、
前記第1の配線は、前記スイッチング素子で構成される直列回路の接続点に接続された単一の配線であり、
前記第2の配線の各々は、前記スイッチング素子の前記接続点とは反対側の端子に接続され、
前記第1の配線と前記第2の配線の各々とは、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならないように配置され、
前記第2の配線の一方は、一端が前記コンデンサの一端に接続され、他端が前記スイッチング素子の一方に接続され、
前記第2の配線の他方は、一端が前記コンデンサの他端に接続され、他端が前記スイッチング素子の他方に接続され、
前記基板上には、前記スイッチング素子の直列回路と並列にダイオードの直列回路が配線されてトーテムポール型のAC/DCコンバータ回路を構成する電力変換装置であって、
前記第2の配線の一方は、前記ダイオードのカソードに接続され、前記第2の配線の他方は、前記ダイオードのアノードに接続され、
前記ダイオードの直列回路の接続点に接続された第3の配線をさらに有し、
前記第3の配線と前記第1の配線及び前記第2の配線の各々とは、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならないように配置されている
電力変換装置。 - 複数の配線層から成る多層配線基板上に、ワイドギャップ半導体を使用したスイッチング素子と、コンデンサとを配線した電力変換装置において、
前記基板の前記スイッチング素子の一端に接続された第1の配線と、
前記スイッチング素子の他端に接続され、前記スイッチング素子のスイッチングにより前記第1の配線との電位差が変化する第2の配線とを有し、
前記第2の配線は、2つ設けられ、前記コンデンサの一端は、前記第2の配線の一方に接続され、前記コンデンサの他端は、前記第2の配線の他方に接続され、
前記第2の配線の一方及び前記第2の配線の他方は、前記基板に対し平面視で、互いに交差する部分を有するように配置され、
前記スイッチング素子は、2つ設けられ、
前記第1の配線は、前記スイッチング素子で構成される直列回路の接続点に接続された単一の配線であり、
前記第2の配線の各々は、前記スイッチング素子の前記接続点とは反対側の端子に接続され、
前記第1の配線と前記第2の配線の各々とは、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならないように配置され、
前記第2の配線の一方は、一端が前記コンデンサの一端に接続され、他端が前記スイッチング素子の一方に接続され、
前記第2の配線の他方は、一端が前記コンデンサの他端に接続され、他端が前記スイッチング素子の他方に接続され、
前記基板上には、前記スイッチング素子の直列回路と並列にダイオードの直列回路が配線されてトーテムポール型のAC/DCコンバータ回路を構成する電力変換装置であって、
前記第2の配線の一方は、前記ダイオードのカソードに接続され、前記第2の配線の他方は、前記ダイオードのアノードに接続され、
前記ダイオードの直列回路の接続点に接続された第3の配線をさらに有し、
前記第3の配線と前記第1の配線及び前記第2の配線の各々とは、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならない部分と、交差する部分とを有するように配置されている
電力変換装置。 - 複数の配線層から成る多層配線基板上に、ワイドギャップ半導体を使用したスイッチング素子と、コンデンサとを配線した電力変換装置において、
前記基板の前記スイッチング素子の一端に接続された第1の配線と、
前記スイッチング素子の他端に接続され、前記スイッチング素子のスイッチングにより前記第1の配線との電位差が変化する第2の配線とを有し、
前記第2の配線は、2つ設けられ、前記コンデンサの一端は、前記第2の配線の一方に接続され、前記コンデンサの他端は、前記第2の配線の他方に接続され、
前記第2の配線の一方及び前記第2の配線の他方は、前記基板に対し平面視で、互いに交差する部分を有するように配置され、
前記スイッチング素子にダイオードを接続した直列回路が2つ並列に設けられてセミブリッジレス型の昇圧AC/DCコンバータを構成する電力変換装置であって、
前記第1の配線は、前記直列回路の一方における接続点に接続された単一の配線であり、
前記第2の配線は、前記直列回路における接続点とは反対側の端子にそれぞれ接続された2つの配線であり、
前記直列回路の他方における接続点に接続された第4の配線をさらに有し、
前記第1の配線と前記第2の配線の各々と前記第4の配線とは、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならない部分と、交差する部分とを有するように配置されている
電力変換装置。 - 複数の配線層から成る多層配線基板上に、ワイドギャップ半導体を使用したスイッチング素子と、コンデンサとを配線した電力変換装置において、
前記基板の前記スイッチング素子の一端に接続された第1の配線と、
前記スイッチング素子の他端に接続され、前記スイッチング素子のスイッチングにより前記第1の配線との電位差が変化する第2の配線とを有し、
前記第2の配線は、2つ設けられ、前記コンデンサの一端は、前記第2の配線の一方に接続され、前記コンデンサの他端は、前記第2の配線の他方に接続され、
前記第2の配線の一方及び前記第2の配線の他方は、前記基板に対し平面視で、互いに交差する部分を有するように配置され、
前記スイッチング素子を含むスイッチング回路から出力される交流電圧を入力して絶縁を行うトランスと、前記トランスから出力される交流電圧を整流する整流回路とを有する絶縁型のDC/DCコンバータ回路を構成する電力変換装置であって、
前記スイッチング回路は、直流電流の方向を変えるブリッジ回路を構成し、
前記第1の配線は、2つ設けられ、
前記第1の配線の各々は、前記ブリッジ回路における前記スイッチング回路の接続点と前記トランスの一次巻線の両端子との間に接続されており、
前記第2の配線の各々は、前記スイッチング回路の前記接続点とは反対側の端子に接続され、
前記第1の配線の各々と前記第2の配線の各々、又は前記第1の配線同士間は、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならないように配置されている
電力変換装置。 - 複数の配線層から成る多層配線基板上に、ワイドギャップ半導体を使用したスイッチング素子と、コンデンサとを配線した電力変換装置において、
前記基板の前記スイッチング素子の一端に接続された第1の配線と、
前記スイッチング素子の他端に接続され、前記スイッチング素子のスイッチングにより前記第1の配線との電位差が変化する第2の配線とを有し、
前記第2の配線は、2つ設けられ、前記コンデンサの一端は、前記第2の配線の一方に接続され、前記コンデンサの他端は、前記第2の配線の他方に接続され、
前記第2の配線の一方及び前記第2の配線の他方は、前記基板に対し平面視で、互いに交差する部分を有するように配置され、
前記スイッチング素子を含むスイッチング回路から出力される交流電圧を入力して絶縁を行うトランスと、前記トランスから出力される交流電圧を整流する整流回路とを有する絶縁型のDC/DCコンバータ回路を構成する電力変換装置であって、
前記スイッチング回路は、直流電流の方向を変えるブリッジ回路を構成し、
前記第1の配線は、2つ設けられ、
前記第1の配線の各々は、前記ブリッジ回路における前記スイッチング回路の接続点と前記トランスの一次巻線の両端子との間に接続されており、
前記第2の配線の各々は、前記スイッチング回路の前記接続点とは反対側の端子に接続され、
前記第1の配線の各々と前記第2の配線の各々とは、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならない部分と、交差する部分とを有するように配置されている
電力変換装置。 - 前記整流回路はブリッジ型整流回路であり、前記ブリッジ型整流回路を構成するダイオードの直列回路の接続点と前記トランスの二次巻線の両端子との間に接続された第5の配線及び第6の配線と、
前記第5の配線及び前記第6の配線からそれぞれダイオードを介して接続された第7の配線及び第8の配線とをさらに含み、
前記第5の配線及び前記第6の配線と、前記第7の配線又は前記第8の配線、又は前記第5の配線と前記第6の配線とは、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならないように配置されている
請求項4又は5に記載の電力変換装置。 - 前記整流回路はブリッジ型整流回路であり、前記ブリッジ型整流回路を構成するダイオードの直列回路の接続点と前記トランスの二次巻線の両端子との間に接続された第5の配線及び第6の配線と、
前記第5の配線及び前記第6の配線からそれぞれダイオードを介して接続された第7の配線及び第8の配線とをさらに含み、
前記第5の配線及び前記第6の配線と、前記第7の配線又は前記第8の配線とは、前記基板に対し平面視で、互いに平行又は離隔されて重ならない部分と、交差する部分とを有するように配置されている
請求項4又は5に記載の電力変換装置。 - 前記第7の配線と前記第8の配線との間は、前記基板に対し平面視で、互いに交差する部分を有するように配置されている
請求項6又は7に記載の電力変換装置。 - 前記交差する部分を有する前記第7の配線と前記第8の配線は、前記基板において、互いに、同一配線層以外の配線層に配置されている
請求項8に記載の電力変換装置。 - 前記交差する部分は、電流が平行に流れないように、前記平面視で少なくとも45度以上で交差している
請求項2、3、5、及び7のいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記交差する部分を有する配線同士は、隣り合う配線層以外の配線層に配置されている
請求項2、3、5、及び7のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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