JP6545325B1 - 電力変換装置 - Google Patents

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【課題】電力変換装置において、浮遊コンデンサの容量を削減し、充放電電流による基板配線での発熱を抑える。【解決手段】スイッチング回路と、絶縁トランスと、整流回路と、多層配線基板と、を備え、スイッチング回路出力側配線は、第1のトランス1次側配線または第2のトランス1次側配線と接続されており、整流回路入力側配線は、第1のトランス2次側配線または第2のトランス2次側配線と接続されており、多層配線基板の配線層には、スイッチング回路入力側配線とスイッチング回路出力側配線、第1のトランス1次側配線と第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線と第2のトランス2次側配線、および、整流回路入力側配線と整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくとも1組のペア配線が形成されており、このペア配線が形成されている配線層は、絶縁層を介して、シールド導体配線層と積層されている電力変換装置。【選択図】図1

Description

本願は、半導体スイッチング素子のオン操作およびオフ操作を繰り返して電力変換を行う、電力変換装置に関するものである。
電力変換装置は、半導体スイッチング素子(スイッチング回路)のオン操作およびオフ操作を繰り返して、電力変換を行う。高周波のスイッチング制御を行う電力変換装置には、小型かつ高効率であることが求められている。電力変換装置の電子回路は、複数の配線層からなる多層配線基板に実装されているため、多層配線基板に対しては、高周波での抵抗を抑制した低損失な基板配線設計が必要になる。高周波のスイッチング制御は、一般的には、20kHz以上の周波数にて実行されている。
この種の電力変換装置では、それぞれ相反する方向に電流が流れる2本の配線を平面視で重ねて近接配置する手法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。相反して流れる電流により発生する磁束を用いることで、配線のインピーダンスが有効的に低減する。この場合、重ねて近接配置した2本の配線の間には、浮遊コンデンサが形成される。浮遊コンデンサには、半導体スイッチング素子のスイッチングによって、配線間の電圧が変動することに起因して、充放電電流が流れる。
充放電電流は、電流経路にある、配線、半導体スイッチング素子などにて消費され、発熱が生じる。そこで、電圧が変動する配線間を基板に対し平面視で互いに平行にして重ならないように配置し、配線間の浮遊コンデンサを削減する手法が提案されている(特願2017−104245号)。浮遊コンデンサの削減によって、配線間の電圧が変動することに起因して生じる充放電電流が減少し、配線、半導体スイッチング素子などでの発熱が低減する。
ここで、それぞれ相反する方向に電流が流れる2本の配線を平行にして配置すると、表皮効果および近接効果により、互いに近い面に電流の集中が発生する。配線の抵抗は、高周波になるほど、増大する。すなわち、特許文献2の技術による基板配線の配置では、表皮効果および近接効果により、高周波での抵抗が増加する。電力変換装置は、動作周波数が高くなるにつれ、配線の発熱が顕著になるため、効率の低下、冷却器の大型化、コストアップなどに対処する必要が生じる。
特開平6−225545号公報
本願は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、電力変換装置の多層配線基板に実装されている、電子回路部品(スイッチング回路、絶縁トランス、整流回路など)を接続する配線に関わる。相対する2本の配線には、それぞれ相反する方向に電流が流れ、配線間の電圧が変動する。配線間には浮遊コンデンサが生じるため、浮遊コンデンサの充放電電流が流れる。このような電力変換装置の多層配線基板において、浮遊コンデンサの充放電電流による、配線、スイッチング回路などでの発熱を抑えつつ、高周波での基板配線の抵抗増加を効果的に抑制できる電力変換装置を提供することを目的とする。
本願に開示される電力変換装置は、入力側端子と半導体スイッチング素子の一端接続しているスイッチング回路入力側配線、および、出力側端子と前記半導体スイッチング素子の他端接続しているスイッチング回路出力側配線、を有するスイッチング回路と、第1のトランス1次側配線、第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線、および、第2のトランス2次側配線、と接続されている絶縁トランスと、入力側端子と整流素子の一端接続している整流回路入力側配線、および、出力側端子と前記整流素子の他端接続している整流回路出力側配線、を有する整流回路と、シールド導体配線が形成されているシールド導体配線層、配線層、および絶縁層、を有する多層配線基板と、を備え、前記スイッチング回路のスイッチング回路出力側配線は、前記第1のトランス1次側配線または前記第2のトランス1次側配線と、前記スイッチング回路の出力側端子で接続されており、前記整流回路の整流回路入力側配線は、前記第1のトランス2次側配線または前記第2のトランス2次側配線と、前記整流回路の入力側端子で接続されており、前記多層配線基板の配線層には、前記スイッチング回路入力側配線と前記スイッチング回路出力側配線、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線、および、前記整流回路入力側配線と前記整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくともスイッチング回路入力側配線とスイッチング回路出力側配線からなるペア配線、または、整流回路入力側配線と整流回路出力側配線からなるペア配線が、前記多層配線基板の同じ高さの層に、対をなして平行配置されて、形成されており、この多層配線基板の同じ高さの層に、対をなして平行配置されているペア配線が形成されている配線層は、前記絶縁層を介して、前記シールド導体配線層と積層されていることを特徴とするものである。
また、別形態の本願に開示される電力変換装置は、半導体スイッチング素子の一端に接続されているスイッチング回路入力側配線、および、前記半導体スイッチング素子の他端に接続されているスイッチング回路出力側配線、を有するスイッチング回路と、第1のトランス1次側配線、第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線、および、第2のトランス2次側配線、と接続されている絶縁トランスと、整流素子の一端に接続されている整流回路入力側配線、および、前記整流素子の他端に接続されている整流回路出力側配線、を有する整流回路と、第1のシールド導体配線が形成されている第1の配線層、第2のシールド導体配線が形成されている第2の配線層、および、絶縁層を有する多層配線基板と、を備え、前記スイッチング回路のスイッチング回路出力側配線は、前記第1のトランス1次側配線または前記第2のトランス1次側配線と接続されており、前記整流回路の整流回路入力側配線は、前記第1のトランス2次側配線または前記第2のトランス2次側配線と接続されており、前記スイッチング回路入力側配線と前記スイッチング回路出力側配線、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線、および、前記整流回路入力側配線と前記整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくとも1組のペア配線は、片方の配線が前記第1の配線層に形成されていて、他方の配線が前記第2の配線層に形成されており、前記第1の配線層は、前記絶縁層を介して前記第2の配線層と積層されていることを特徴とするものである。
本願に開示される電力変換装置は、入力側端子と半導体スイッチング素子の一端接続しているスイッチング回路入力側配線、および、出力側端子と前記半導体スイッチング素子の他端接続しているスイッチング回路出力側配線、を有するスイッチング回路と、第1のトランス1次側配線、第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線、および、第2のトランス2次側配線、と接続されている絶縁トランスと、入力側端子と整流素子の一端接続している整流回路入力側配線、および、出力側端子と前記整流素子の他端接続している整流回路出力側配線、を有する整流回路と、シールド導体配線が形成されているシールド導体配線層、配線層、および絶縁層、を有する多層配線基板と、を備え、前記スイッチング回路のスイッチング回路出力側配線は、前記第1のトランス1次側配線または前記第2のトランス1次側配線と、前記スイッチング回路の出力側端子で接続されており、前記整流回路の整流回路入力側配線は、前記第1のトランス2次側配線または前記第2のトランス2次側配線と、前記整流回路の入力側端子で接続されており、前記多層配線基板の配線層には、前記スイッチング回路入力側配線と前記スイッチング回路出力側配線、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線、および、前記整流回路入力側配線と前記整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくともスイッチング回路入力側配線とスイッチング回路出力側配線からなるペア配線、または、整流回路入力側配線と整流回路出力側配線からなるペア配線が、前記多層配線基板の同じ高さの層に、対をなして平行配置されて、形成されており、この多層配線基板の同じ高さの層に、対をなして平行配置されているペア配線が形成されている配線層は、前記絶縁層を介して、前記シールド導体配線層と積層されていることを特徴とすることにより、配線間に生じる浮遊コンデンサの充放電電流による、配線、スイッチング回路などでの発熱を抑えつつ、高周波での基板配線の抵抗増加を効果的に抑制することできる。
また、別形態の本願に開示される電力変換装置は、半導体スイッチング素子の一端に接続されているスイッチング回路入力側配線、および、前記半導体スイッチング素子の他端に接続されているスイッチング回路出力側配線、を有するスイッチング回路と、第1のトランス1次側配線、第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線、および、第2のトランス2次側配線、と接続されている絶縁トランスと、整流素子の一端に接続されている整流回路入力側配線、および、前記整流素子の他端に接続されている整流回路出力側配線、を有する整流回路と、第1のシールド導体配線が形成されている第1の配線層、第2のシールド導体配線が形成されている第2の配線層、および、絶縁層を有する多層配線基板と、を備え、前記スイッチング回路のスイッチング回路出力側配線は、前記第1のトランス1次側配線または前記第2のトランス1次側配線と接続されており、前記整流回路の整流回路入力側配線は、前記第1のトランス2次側配線または前記第2のトランス2次側配線と接続されており、前記スイッチング回路入力側配線と前記スイッチング回路出力側配線、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線、および、前記整流回路入力側配線と前記整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくとも1組のペア配線は、片方の配線が前記第1の配線層に形成されていて、他方の配線が前記第2の配線層に形成されており、前記第1の配線層は、前記絶縁層を介して前記第2の配線層と積層されていることを特徴とすることにより、配線間に生じる浮遊コンデンサの充放電電流による、配線、スイッチング回路などでの発熱を抑えつつ、高周波での基板配線の抵抗増加を効果的に抑制することできる。
実施の形態に関わる電力変換装置の構造を示している平面図である。 実施の形態に関わる電力変換装置の構造を示している断面図である。 実施の形態に関わる電力変換装置(フルブリッジ型DC/DCコンバータ)の構成を示している電気回路図である。 半導体スイッチング素子における、スイッチングによるゲート電圧の推移の概略を示している図である。図4Aは、半導体スイッチング素子102aのゲート電圧の推移を示している図である。図4Bは、半導体スイッチング素子102bのゲート電圧の推移を示している図である。図4Cは、半導体スイッチング素子102dのゲート電圧の推移を示している図である。図4Dは、半導体スイッチング素子102dのゲート電圧の推移を示している図である。 半導体スイッチング素子における、スイッチングによる両端電圧の推移の概略を示している図である。図5Aは、半導体スイッチング素子102aの両端電圧V102aの推移を示している図である。図5Bは、半導体スイッチング素子102bの両端電圧V102bの推移を示している図である。図5Cは、半導体スイッチング素子102cの両端電圧V102cの推移を示している図である。図5Dは、半導体スイッチング素子102dの両端電圧V102dの推移を示している図である。 整流素子における、スイッチングによる両端電圧の推移の概略を示している図である。図6Aは、整流素子104aの両端電圧V104aの推移を示している図である。図6Bは、整流素子104bの両端電圧V104bの推移を示している図である。図6Cは、整流素子104cの両端電圧V104cの推移を示している図である。図6Dは、整流素子104dの両端電圧V104dの推移を示している図である。 スイッチングによるノード電位の推移の概略を示している図である。図7Aは、絶縁トランス103の1次側両端電圧V103aの推移を示している図である。図7Bは、絶縁トランス103の2次側両端電圧V103bの推移を示している図である。図7Cは、整流回路(整流素子104a〜整流素子104d)の出力電圧V104の推移を示している図である。 スイッチングによるドレイン-ソース電流の推移の概略を示している図である。図8Aは、半導体スイッチング素子102aのドレイン-ソース電流I102aの推移を示している図である。図8Bは、半導体スイッチング素子102bのドレイン-ソース電流I102bの推移を示している図である。図8Cは、半導体スイッチング素子102cのドレイン-ソース電流I102cの推移を示している図である。図8Dは、半導体スイッチング素子102dのドレイン-ソース電流I102dの推移を示している図である。 スイッチングによるアノード-カソード電流の推移の概略を示している図である。図9Aは、整流素子104aのアノード-カソード電流I104aの推移を示している図である。図9Bは、整流素子104bのアノード-カソード電流I104bの推移を示している図である。図9Cは、整流素子104cのアノード-カソード電流I104cの推移を示している図である。図9Dは、整流素子104dのアノード-カソード電流I104dの推移を示している図である。 スイッチングによるノード電流の推移の概略を示している図である。図10Aは、絶縁トランス103の1次側電流I103aの推移を示している図である。図10Bは、絶縁トランス103の2次側電流I103bの推移を示している図である。図10Cは、リアクトル105の電流I105の推移を示している図である。 実施の形態1に関わる多層配線基板の構成を示している断面図である。 実施の形態1に関わるトランス1次側配線およびトランス2次側配線の構成を示している図である。 浮遊コンデンサの大きさを説明するための第1の図である。図13Aは、電極の構造を表す平面図である。図13Bは、電極の構造を表す断面図である。 実施の形態および比較の形態に関わる、式(1)から式(6)を示している図である。 浮遊コンデンサの大きさを説明するための第2の図である。図15Aは、電極の構造を表す平面図である。図15Bは、電極の構造を表す断面図である。 実施の形態1に関わるトランス1次側配線およびシールド導体配線の構成を示している図である。図16Aは、電極の構造を表す平面図である。図16Bは、電極の構造を表す断面図である。 実施の形態1に関わるトランス1次側配線に生じる浮遊コンデンサを概略的に示している図である。 実施の形態2に関わるトランス1次側配線およびトランス2次側配線の構成を示している図である。 実施の形態2に関わる多層配線基板の構成を示している断面図である。 実施の形態2に関わるトランス1次側配線およびシールド導体配線の構成を示している図である。図20Aは、電極の構造を表す平面図である。図20Bは、電極の構造を表す断面図である。 実施の形態2に関わるトランス1次側配線に生じる浮遊コンデンサを概略的に示している図である。 実施の形態3に関わるトランス1次側配線およびトランス2次側配線の構成を示している図である。 実施の形態3に関わる多層配線基板の構成を示している断面図である。 実施の形態3に関わるトランス1次側配線およびシールド導体配線の構成を示している図である。図24Aは、電極の構造を表す平面図である。図24Bは、電極の構造を表す断面図である。 実施の形態4に関わるトランス1次側配線およびトランス2次側配線の構成を示している図である。 実施の形態4に関わる多層配線基板の構成を示している断面図である。 実施の形態4に関わるトランス1次側配線およびシールド導体配線の構成を示している図である。図27Aは、電極の構造を表す平面図である。図27Bは、電極の構造を表す断面図である。 実施の形態4に関わるトランス1次側配線に生じる浮遊コンデンサを概略的に示している図である。 実施の形態5に関わる半導体スイッチング素子における配線構成を示している図である。 実施の形態5に関わる多層配線基板の構成を示している断面図である。 実施の形態6に関わる整流素子における配線構成を示している図である。 実施の形態6に関わる多層配線基板の構成を示している断面図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態に関わる電力変換装置の構造を示している平面図である。電力変換装置100は、多層配線基板10、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102d、絶縁トランス103、整流素子104a〜整流素子104dなどから構成されている。半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dは、フルブリッジ型に接続されており、スイッチング回路として、機能する。スイッチング回路の出力は、トランス1次側配線201a(第1のトランス1次側配線)およびトランス1次側配線201b(第2のトランス1次側配線)を使って、絶縁トランス103の1次側に接続されている。
トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bは、第1のペア回路配線をなしている。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bは、シールド導体配線301で遮蔽されている。整流素子104a〜整流素子104dは、フルブリッジ型に接続されており、整流回路として、機能する。整流回路には、絶縁トランス103の2次側出力が、トランス2次側配線202a(第1のトランス2次側配線)およびトランス2次側配線202b(第2のトランス2次側配線)を使って、入力される。
トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bは、第2のペア回路配線をなしている。トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bは、シールド導体配線302で遮蔽されている。多層配線基板10は、複数の配線層からなる。絶縁シート602の上には、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102d、および整流素子104a〜整流素子104dが搭載されている。放熱板603は、冷却機能を有する冷却器として作用する。放熱絶縁樹脂604は、絶縁トランス103の周囲に充てんされている。
なお、図において、「S」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのソース端子を、「G」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのゲート端子を、「D」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのドレイン端子を、それぞれ示している。また、図において、「A」は、整流素子104a〜整流素子104dのアノードを、「K」は、整流素子104a〜整流素子104dのカソードを、それぞれ示している。
図2は、実施の形態に関わる電力変換装置100の構造を示す断面図である。半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102d、絶縁トランス103、整流素子104a〜整流素子104dは、同一の多層配線基板10の下(または上)に実装されている。半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102d、整流素子104a〜整流素子104dなどの発熱素子は、絶縁シート602(絶縁体)を介して、冷却機能を持つ放熱板603(冷却器および筐体)に取り付けられている。
絶縁トランス103は、放熱絶縁樹脂604を介して、同じく放熱板603(冷却器および筐体)に取り付けられている。トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、トランス2次側配線202a、トランス2次側配線202b、シールド導体配線301、およびシールド導体配線302は、複数の配線層からなる多層配線基板10に、形成されている。電力変換装置100は、フルブリッジ型DC/DCコンバータとして機能する。
図3は、実施の形態に関わるフルブリッジ型DC/DCコンバータの概略構成を示している回路図である。同図に示しているように、電力変換装置100(フルブリッジ型DC/DCコンバータ)は、スイッチング回路20、絶縁トランス103、整流回路30、リアクトル105、平滑コンデンサ106などの要素で構成されている。直流電源101は、スイッチング回路20の入力側に接続される。負荷107は、整流回路30の出力側に接続される。半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102d、絶縁トランス103、整流素子104a〜整流素子104d、リアクトル105、平滑コンデンサ106などの回路素子は、複数の配線層からなる多層配線基板10に実装されている。多層配線基板10には、回路配線(トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、トランス2次側配線202a、トランス2次側配線202bなど)が形成されている。
これらの回路配線は、コンバータを構成する回路素子を接続する。直流電源101は、電圧VDCを出力し、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dからなるフルブリッジ回路(スイッチング回路20)に接続されている。スイッチング回路20は、第1の入力側端子20aと、第2の入力側端子20bと、第1の出力側端子20cと、第2の出力側端子20dとを有している。
直流電源101の正極側は、スイッチング回路20の入力側の一端(第1の入力側端子20a)と、電源正極側配線204aで接続されている。直流電源101の負極側は、スイッチング回路20の入力側の他端(第2の入力側端子20b)と、電源負極側配線204bで接続されている。半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dからなるフルブリッジ回路の出力には、トランス1次側配線201aとトランス1次側配線201bを経由して、絶縁トランス103の1次側が接続されている。絶縁トランス103は、第1のトランス1次側端子103a、第2のトランス1次側端子103b、第1のトランス2次側端子103c、および第2のトランス2次側端子103dと、を有している。
絶縁トランス103の2次側には、トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bを経由して、整流素子104a〜整流素子104dからなるフルブリッジ回路(整流回路30)の入力側が接続されている。整流回路30は、第1の入力側端子30aと、第2の入力側端子30bと、第1の出力側端子30cと、第2の出力側端子30dとを有している。整流素子104a〜整流素子104dからなる整流回路30の出力側には、リアクトル105と平滑コンデンサ106が接続されている。整流回路30の正極側(第1の出力側端子30c)とリアクトル105は、負荷正極側配線203aで接続されている。整流回路30の負極側(第2の出力側端子30d)と負荷107の負極側は、負荷負極側配線203bで接続されている。リアクトル105の後段には、平滑コンデンサ106が接続されている。
回路素子の一つである半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dは、例えば、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)で構成される。なお、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dは、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの自己消弧型半導体スイッチング素子、SiC(Silicon Carbide)、GaN(Gallium Nitride)などのワイドバンドギャップ半導体でもよい。
回路素子の一つである整流素子104a〜整流素子104dは、例えば、ダイオードで構成される。なお、整流素子104a〜整流素子104dは、ダイオードに限るものではなく、IGBT、MOSFETなどの半導体スイッチング素子、あるいは、SiC、GaNなどのワイドバンドギャップ半導体を用いて構成されるものであっても良い。整流素子104a〜整流素子104dに半導体スイッチング素子(ワイドバンドギャップ半導体含む)を用いると、導通損失を低減できて、効率上昇の効果を奏する。本実施の形態では、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dは、MOSFETを用い、整流素子104a〜整流素子104dは、ダイオードを用いるものとして説明する。
半導体スイッチング素子102aには、ドレイン-ソース電流I102aが流れており、両端電圧V102aが発生している。半導体スイッチング素子102bには、ドレイン-ソース電流I102bが流れており、両端電圧V102bが発生している。半導体スイッチング素子102cには、ドレイン-ソース電流I102cが流れており、両端電圧V102cが発生している。半導体スイッチング素子102dには、ドレイン-ソース電流I102dが流れており、両端電圧V102dが発生している。回路素子の一つである絶縁トランス103の巻き数比は、1:Nとする。絶縁トランス103には、1次側電流I103aが流れており、1次側両端電圧V103aが発生している。また、絶縁トランス103には、2次側電流I103bが流れており、2次側両端電圧V103bが発生している。
整流回路30(整流素子104a〜整流素子104d)には、出力電圧V104が発生している。負荷107には、出力電流IDCが流れている。整流素子104aには、アノード-カソード電流I104aが流れており、両端電圧V104aが発生している。整流素子104bには、アノード-カソード電流I104bが流れており、両端電圧V104bが発生している。整流素子104cには、アノード-カソード電流I104cが流れており、両端電圧V104cが発生している。整流素子104dは、アノード-カソード電流I104dが流れており、両端電圧V104dが発生している。回路素子の一つであるリアクトル105には、電流I105が流れている。
続いて、図を参照して、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのスイッチングによる、各ノードにおける電位の推移および電流の推移を説明する。半導体スイッチング素子102aには制御装置からゲート電圧Vg(102a)が印加される。半導体スイッチング素子102bには制御装置からゲート電圧Vg(102b)が印加される。半導体スイッチング素子102cには制御装置からゲート電圧Vg(102c)が印加される。半導体スイッチング素子102dには制御装置からゲート電圧Vg(102d)が印加される。
図4Aは、半導体スイッチング素子102aのゲート電圧(Vg)の推移を示している。図4Bは、半導体スイッチング素子102bのゲート電圧(Vg)の推移を示している。図4Cは、半導体スイッチング素子102cのゲート電圧(Vg)の推移を示している。図4Dは、半導体スイッチング素子102dのゲート電圧(Vg)の推移を示している。半導体スイッチング素子102aと半導体スイッチング素子102dは、同じ位相でオンオフする。半導体スイッチング素子102bと半導体スイッチング素子102cは、同じ位相でオンオフする。
図5Aは、半導体スイッチング素子102aの両端電圧V102aの推移を示している。図5Bは、半導体スイッチング素子102bの両端電圧V102bの推移を示している。図5Cは、半導体スイッチング素子102cの両端電圧V102cの推移を示している。図5Dは、半導体スイッチング素子102dの両端電圧V102dの推移を示している。両端電圧V102aおよび両端電圧V102dは、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、電圧VDCを示す。両端電圧V102bおよび両端電圧V102cは、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、電圧VDCを示す。
図6Aは、整流素子104aの両端電圧V104aの推移を示している。図6Bは、整流素子104bの両端電圧V104bの推移を示している。図6Cは、整流素子104cの両端電圧V104cの推移を示している。図6Dは、整流素子104dの両端電圧V104dの推移を示している。整流素子104aの両端電圧V104aおよび整流素子104dの両端電圧V104dは、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、N×電圧VDCを示す。整流素子104bの両端電圧V104bおよび整流素子104cの両端電圧V104cは、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、N×電圧VDCを示す。
図7Aは、絶縁トランス103の1次側両端電圧V103aの推移を示している。図7Bは、絶縁トランス103の2次側両端電圧V103bの推移を示している。図7Cは、整流回路30(整流素子104a〜整流素子104d)の出力電圧V104の推移を示している。1次側両端電圧V103aは、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、電圧VDCを示し、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、電圧−VDCを示す。
2次側両端電圧V103bは、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、N×電圧VDCを示し、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、N×電圧−VDCを示す。出力電圧V104は、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、および、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、N×電圧VDCを示す。
図8Aは、半導体スイッチング素子102aのドレイン-ソース電流I102aの推移を示している。図8Bは、半導体スイッチング素子102bのドレイン-ソース電流I102bの推移を示している。図8Cは、半導体スイッチング素子102cのドレイン-ソース電流I102cの推移を示している。図8Dは、半導体スイッチング素子102dのドレイン-ソース電流I102dの推移を示している。ドレイン-ソース電流I102aおよびドレイン-ソース電流I102dは、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、N×出力電流IDCが流れる。ドレイン-ソース電流I102bおよびドレイン-ソース電流I102cは、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、N×出力電流IDCが流れる。
図9Aは、整流素子104aのアノード-カソード電流I104aの推移を示している。図9Bは、整流素子104bのアノード-カソード電流I104bの推移を示している。図9Cは、整流素子104cのアノード-カソード電流I104cの推移を示している。図9Dは、整流素子104dのアノード-カソード電流I104dの推移を示している。アノード-カソード電流I104aおよびアノード-カソード電流I104dは、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、出力電流IDCが流れる。アノード-カソード電流I104bおよびアノード-カソード電流I104cは、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、出力電流IDCが流れる。
図10Aは、絶縁トランス103の1次側電流I103aの推移を示している。図10Bは、絶縁トランス103の2次側電流I103bの推移を示している。図10Cは、リアクトル105の電流I105の推移を示している。1次側電流I103aは、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、N×出力電流IDCが流れ、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、N×出力電流−IDCが流れる。
2次側電流I103bは、半導体スイッチング素子102aおよび半導体スイッチング素子102dがオンのとき、出力電流IDCが流れ、半導体スイッチング素子102bおよび半導体スイッチング素子102cがオンのとき、出力電流−IDCが流れる。電流I105は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのオンオフに伴い、出力電流IDCが流れる。
半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dの両端電圧(V102a〜V102d)、絶縁トランス103の1次側両端電圧(V103a)、絶縁トランス103の2次側両端電圧(V103b)、整流素子104a〜整流素子104dの両端電圧(V104a〜V104d)、および、出力電圧(V104)は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのスイッチングに伴い、高周波で電位が変動する。詳しくは、絶縁トランス103の1次側を一例とすると、スイッチングに伴い、ΔVDCの電位が変動する。
また、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのドレイン-ソース電流(I102a〜I102d)、絶縁トランス103の1次側電流(I103a)、絶縁トランス103の2次側電流(I103b)、整流素子104a〜整流素子104dのアノード-カソード電流(I104a〜I104d)、および、リアクトル105の電流(I105)は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのスイッチングに伴い、高周波で電流が変動する。
このように接続される電力変換装置は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dを交互にオンオフさせて、入力の直流電力を高周波の交流電力に変換する。絶縁トランス103の2次側端子の間には電圧が生じ、整流素子104a〜整流素子104dで整流する。絶縁トランス103の2次側へ電圧が生じた時、リアクトル105にエネルギーが蓄積される。それ以外の期間では、リアクトル105に発生する逆起電力によって蓄積されたエネルギーは、負荷107に伝達される。このとき、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのオンオフのパルス幅を制御して、出力電流を制御することができる。
フルブリッジ型DC/DCコンバータ(電力変換装置100)の電子回路は、複数の配線層からなる多層配線基板10に実装されている。図11は、本実施の形態に関わる多層配線基板10の断面を概略的に示している。複数の配線層からなる多層配線基板10には、スイッチング回路20、絶縁トランス103、整流回路30を接続する、回路配線(トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、トランス2次側配線202a、トランス2次側配線202bなど)が形成されている。多層配線基板10は、絶縁層10a、配線層10b(シールド導体配線層)、絶縁層10c、配線層10d(トランス1次側配線層およびトランス2次側配線層)、絶縁層10eなどから構成されている。
トランス1次側配線201a(第1のトランス1次側配線)とトランス1次側配線201b(第2のトランス1次側配線)は、1組のペア配線を構成し、多層配線基板10の配線層10d(トランス1次側配線層)に、すなわち、多層配線基板の同じ高さの層に形成されている。トランス2次側配線202a(第1のトランス2次側配線)とトランス2次側配線202b(第2のトランス2次側配線)は、1組のペア配線を構成し、多層配線基板10の配線層10d(トランス2次側配線層)に、すなわち、多層配線基板の同じ高さの層に形成されている。同図では、トランス1次側配線層とトランス2次側配線層が、同層(配線層10d)に設置されているが、トランス1次側配線層とトランス2次側配線層は、別層に設置されていてもよい。
トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bは、同層に形成されているため、重ねずに配置されている。トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bは、同層に形成されているため、重ねずに配置されている。シールド導体配線301とシールド導体配線302は、多層配線基板10の配線層10b(シールド導体配線層)に形成されている。配線層10b(シールド導体配線層)は、配線層10d(トランス1次側配線層またはトランス2次側配線層)に絶縁層10cを介して積層されている。同図では、シールド導体配線301とシールド導体配線302が、同層(配線層10b)に設置されているが、シールド導体配線301とシールド導体配線302は、別層に設置されていてもよい。シールド導体配線301は、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線302は、トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線301およびシールド導体配線302には、スイッチング回路の電流が流れない。
図12は、トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、トランス2次側配線202a、および、トランス2次側配線202bの配置を模式的に示している。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの下層には、絶縁層を介して、シールド導体配線301が形成されている。トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bの下層には、絶縁層を介して、シールド導体配線302が形成されている。図中の「S」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのソース端子を、図中の「D」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのドレイン端子を、それぞれ示している。また、図中の「A」は、整流素子104a〜整流素子104dのアノードを、図中の「K」は、整流素子104a〜整流素子104dのカソードを、それぞれ示している。
2本の配線を重ねて配置すると、浮遊コンデンサが形成される。浮遊コンデンサには、配線間の電圧が変動することに起因して、充放電電流が流れる。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bを重ねず配置することで、配線間の浮遊コンデンサ容量を低減し、浮遊コンデンサの充放電電流を抑制できる。同様に、トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bを重ねず配置することで、配線間の浮遊コンデンサ容量を低減し、浮遊コンデンサの充放電電流を抑制できる。
また、シールド導体配線301をトランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bに対し重ねて配置することで、高周波での配線抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。また、シールド導体配線302をトランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bに対し重ねて配置することで、高周波での配線抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。
つぎに、本実施の形態の効果を、比較の形態1および比較の形態2と参照しながらより詳しく説明する。図13Aは、比較の形態1における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を示している平面図である。図13Bは、比較の形態1における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を示している断面図である。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの間には、浮遊コンデンサC201が形成される。
浮遊コンデンサC201の容量C201_は、真空の誘電率ε0、多層配線基板の比誘電率ε、トランス1次側配線201aとトランス1次側配線201bの間の距離d、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの対向面積S、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの対向する配線幅w、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの対向する配線長l、を使って、図14に示されている式(1)で表される。なお、図14に示されている、式(1)から式(6)は、実施の形態および比較の形態に関わるものである。
トランス1次側配線の電位変動をdV103/dtとすると、浮遊コンデンサC201の充放電電流I201は、図14に示されている式(2)で表される。式(1)および式(2)より、浮遊コンデンサ容量C201_および充放電電流I201は、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの対向面積Sが大きいほど、大きくなることが分かる。充放電電流I201は、電流経路にある、配線、半導体スイッチング素子などにて、消費、および発熱されるので、極力抑える必要がある。
図15Aは、比較の形態2における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を示している平面図である。図15Bは、比較の形態2における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を示している断面図である。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bを多層配線基板の平面視で重ねず、平行に配置した場合の平面図と断面図を示している。なお、平面図(図15A)の矢印は,絶縁トランスの1次側電流I103aの向きを表している。トランス1次側配線201aでは、断面図(図15B)の裏側から表側へ電流が流れている。トランス1次側配線201bでは、断面図(図15B)の表側から裏側へ電流が流れている。
トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの間には、浮遊コンデンサC201が形成される。この浮遊コンデンサC201の容量C201_は、真空の誘電率ε0、多層配線基板の比誘電率ε、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの距離d、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの対向面積S、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの対向する配線厚みt、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの対向する配線長l、を使って、図14に示されている式(3)で表される。
一般的に、kWオーダーの電力変換装置における基板配線では、配線幅はmmオーダー、配線厚みはμmオーダーで表される。式(1)および式(3)における配線幅wと配線厚みtは、配線幅w>>配線厚みtとなり、容量C201_>>容量C201_となる。つまり、配線同士を重ねずに配置することで、配線間の対向面積および浮遊コンデンサを小さくすることができる。配線間の電位変動による充放電電流を大幅に抑制し、配線、半導体スイッチング素子などの発熱を抑えることもできる。
ここで、斜線部401aおよび斜線部401bは、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの内、電流密度が高い箇所を示している。それぞれ相反する方向に電流が流れる2本の配線を平行して配置すると、表皮効果および近接効果により、斜線部401aおよび斜線部401bのように互いに近い面に、電流が集中する。配線の抵抗は、高周波になるほど、増大する。詳しくは、スイッチングに伴う絶縁トランスの1次側電流I103aの変化により磁束φ103aが発生し、それを打ち消す方向に渦電流Ieと磁束φが発生する。
それぞれ相反する方向に電流が流れる2本の配線を平行配置した場合では、配線内部の電流は、渦電流Ieが打ち消す方向に流れて電流密度は低くなり、互いに近い面の電流は渦電流Ieが強め合う方向に流れて電流密度は高くなる。この場合、電流が流れる断面積は、配線厚みtに支配的である。上述した通り、配線幅wと配線厚みtは、配線幅w>>配線厚みtとなり、電流が流れる断面積が非常に小さくなる。
つまり、互いに近い面に電流が集中し、電流が流れる断面積が非常に小さくなるため、高周波での配線抵抗が増大し、基板配線の発熱が増大する。上記の課題に対処すべく、本実施の形態における、高周波での基板配線の抵抗増加を有効的に抑制できる効果について、図を参照しながら以下に説明する。
図16Aは、本実施の形態における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を模式的に示している平面図である。図16Bは、本実施の形態における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を模式的に示している断面図である。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bは、多層配線基板の平面視で重ねずに配置し、シールド導体配線301をトランス1次側配線201aおよび201bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。
平面図(図16A)の矢印は、絶縁トランスの1次側電流I103aの向きを表している。トランス1次側配線201aでは、断面図(図16B)の裏側から表側へ電流が流れている。トランス1次側配線201bでは、断面図(図16B)の表側から裏側へ電流が流れている。また、断面図の斜線部401aおよび斜線部401bは、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの内、電流密度が高い箇所を示している。
シールド導体配線301をトランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bに対し、重ねて配置することで、シールド導体配線301方向への絶縁トランスの1次側電流I103aの変化により発生する磁束φ103aおよび渦電流Ieを抑制することができる。斜線部401aおよび斜線部401bのように、シールド導体配線と重なっている面にも電流が流れるようになる。つまり、導体配線幅方向に電流が流れるようになり、シールド導体配線301を設けない場合に比べて、電流が流れる断面積が増える。高周波での配線の抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。
なお、シールド導体配線301は、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bに対し、少なくとも一部が重なっていれば良い。重なる部分があれば、重なってない場合に比べ、高周波での配線の抵抗が減少することができる。また、多層配線基板の配線層の内、シールド導体配線301を少なくとも一層に配置していれば、配置されてない場合に比べて高周波での配線の抵抗を減少することができる。
シールド導体配線301は、グランド(筐体)に接続して、接地させても良い。シールド導体配線301をグランドに接続することで、基板の放熱性が上がり、基板配線の発熱を抑制することができる。また、シールド導体配線301の電位は、独立(フローティング)としても良い。
重ねて配置することで、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bとシールド導体配線301との間には、浮遊コンデンサが形成され得る。浮遊コンデンサにはスイッチングによる電位の変動により、充放電電流が流れる。例えば、シールド導体配線301とグランド(筐体)を接続すると、コモンモード電流となり得る。シールド導体配線301の電位は独立(フローティング)しておくことで、コモンモード電流の経路を遮断でき、ノイズ性能を改善することができる。
図17は、本実施の形態における、配線間に生じる浮遊コンデンサの概略回路図を示している。配線間の浮遊コンデンサの合成容量は、図14に示されている式(4)で表される。ここで、容量C501は、トランス1次側配線201aとシールド導体配線301の間の浮遊コンデンサ501の容量を表している。容量C502は、トランス1次側配線201bとシールド導体配線301の間の浮遊コンデンサ502の容量を表している。容量C503は、トランス1次側配線201aとトランス1次側配線201bの間の浮遊コンデンサ503の容量を表している。容量C501および容量C502を構成する配線対向面積(s)は、配線幅w×配線長lとなる。容量C503を構成する配線対向面積(s)は、配線厚みt×配線長lとなる。上述した通り、配線幅wと配線厚みtは、配線幅w>>配線厚みtとなるので、式(1)および式(3)より、容量C501、容量C502>>容量C503となる。
本実施の形態に関わる電力変換装置は、第1の出力側端子と第2の出力側端子を有しているスイッチング回路と、第1のトランス1次側端子、第2のトランス1次側端子、第1のトランス2次側端子、および第2のトランス2次側端子を有している絶縁トランスと、第1の入力側端子と第2の入力側端子を有している整流回路と、前記スイッチング回路の第1の出力側端子と前記絶縁トランスの第1のトランス1次側端子とを接続する第1のトランス1次側配線と、前記スイッチング回路の第2の出力側端子と前記絶縁トランスの第2のトランス1次側端子とを接続する第2のトランス1次側配線と、前記絶縁トランスの第1のトランス2次側端子と前記整流回路の第1の入力側端子とを接続する第1のトランス2次側配線と、前記絶縁トランスの第2のトランス2次側端子と前記整流回路の第2の入力側端子とを接続する第2のトランス2次側配線と、トランス1次側配線層、トランス2次側配線層、およびシールド導体配線層を有する多層配線基板と、を備え、前記トランス1次側配線層には、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線が形成されていて、前記トランス2次側配線層には、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線が形成されていて、前記シールド導体配線層には、シールド導体配線が形成されており、前記シールド導体配線層は、前記トランス1次側配線層または前記トランス2次側配線層に、絶縁層を介して積層されていることを特徴とするものである。
以上のように構成されている本実施の形態に関わる電力変換装置は、浮遊コンデンサの充放電電流による、配線、半導体スイッチング素子などの発熱を抑えつつ、高周波での基板配線の抵抗増加を効果的に抑制することができる。さらに、変換効率の低下を抑制し、冷却器の小型化、低コスト化が可能となり、電力変換装置の小型化、高効率化が実現可能となる。
実施の形態2.
図18は、本実施の形態に関わる、トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、トランス2次側配線202a、および、トランス2次側配線202bの配置を示している。トランス1次側配線201aの下層には、絶縁層を介して、シールド導体配線301aが形成されている。トランス1次側配線201bの下層には、絶縁層を介して、シールド導体配線301bが形成されている。トランス2次側配線202aの下層には、絶縁層を介して、シールド導体配線302aが形成されている。トランス2次側配線202bの下層には、絶縁層を介して、シールド導体配線302bが形成されている。
本実施の形態の構成にすると、実施の形態1の構成よりも配線間の浮遊コンデンサをさらに小さくすることができる。なお、図中の「S」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのソース端子を、図中の「D」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのドレイン端子を、それぞれ示している。また、図中の「A」は、整流素子104a〜整流素子104dのアノードを、図中の「K」は、整流素子104a〜整流素子104dのカソードを、それぞれ示している。
フルブリッジ型DC/DCコンバータ(電力変換装置100)の電子回路は、複数の配線層からなる多層配線基板10に実装されている。図19は、本実施の形態に関わる多層配線基板10の断面を概略的に示している。複数の配線層からなる多層配線基板10には、半導体スイッチング素子を有するスイッチング回路などを実装している。多層配線基板10は、絶縁層10a、配線層10b、絶縁層10c、配線層10d、絶縁層10eなどから構成されている。
トランス1次側配線201aとトランス1次側配線201bが、多層配線基板10の同層(配線層10d)に形成されている。シールド導体配線301a(第1のシールド導体配線)とシールド導体配線301b(第2のシールド導体配線)は、多層配線基板10の配線層10b(シールド導体配線層)に形成されている。シールド導体配線301aは、トランス1次側配線201aに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線301bは、トランス1次側配線201bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。
トランス2次側配線202aとトランス2次側配線202bが、多層配線基板10の同層(配線層10d)に形成されている。シールド導体配線302a(第1のシールド導体配線)とシールド導体配線302b(第2のシールド導体配線)は、多層配線基板10の配線層10b(シールド導体配線層)に形成されている。シールド導体配線302aは、トランス2次側配線202aに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線302bは、トランス2次側配線202bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。
シールド導体配線301a、シールド導体配線301b、シールド導体配線302a、およびシールド導体配線302bには、スイッチング回路の電流が流れない。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bを重ねずに配置することで、配線間の浮遊コンデンサ容量を低減し、浮遊コンデンサの充放電電流を抑制することができる。同様に、トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bを重ねずに配置することで、配線間の浮遊コンデンサ容量を低減し、浮遊コンデンサの充放電電流を抑制することができる。
また、シールド導体配線301aをトランス1次側配線201aに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置し、しかもシールド導体配線301bをトランス1次側配線201bに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置することで、高周波での配線抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。また、シールド導体配線302aをトランス2次側配線202aに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置し、しかもシールド導体配線302bをトランス2次側配線202bに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置することで、高周波での配線抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。
図20Aは、本実施の形態における、トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、シールド導体配線301a(第1のシールド導体配線)、および、シールド導体配線301b(第2のシールド導体配線)の配置を模式的に示している平面図である。図20Bは、本実施の形態における、トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、シールド導体配線301a、および、シールド導体配線301bの配置を模式的に示している断面図である。
トランス1次側配線201aおよび201bを多層配線基板の平面視で重ねずに配置し、シールド導体配線301aをトランス1次側配線201aに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。同じく、シールド導体配線301bをトランス1次側配線201bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置し、シールド導体配線301aおよび301bは多層配線基板の平面視で重ならないように配置している。
平面図(図20A)の矢印は、絶縁トランスの1次側電流I103aの向きを表している。トランス1次側配線201aでは、断面図(図20B)の裏側から表側へ電流が流れている。トランス1次側配線201bでは、断面図(図20B)の表側から裏側へ電流が流れている。また、断面図の斜線部401aおよび斜線部401bは、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの内、電流密度が高い箇所を示している。
図21は、本実施の形態における、配線間に生じる浮遊コンデンサの概略回路図を示している。配線間の浮遊コンデンサの合成容量は、図14に示されている式(5)で表される。ここで、容量C503は、トランス1次側配線201aとトランス1次側配線201bの間の浮遊コンデンサ503の容量を表している。容量C504は、トランス1次側配線201aとシールド導体配線301aの間の浮遊コンデンサ504の容量を表している。容量C505は、シールド導体配線301aとシールド導体配線301bの間の浮遊コンデンサ505の容量を表している。容量C506は、トランス1次側配線201bとシールド導体配線301bの間の浮遊コンデンサ506の容量を表している。
容量C504および容量C506を構成する配線対向面積(s)は、配線幅w×配線長lとなる。容量C503および容量C505を構成する配線対向面積(s)は、配線厚みt×配線長lとなる。上述した通り、配線幅wと配線厚みtは、配線幅w>>配線厚みtとなるので、式(1)および式(3)より、容量C504、容量C506>>容量C503、容量C505となる。よって、式(4)に比べ、式(5)は小さくなり、浮遊コンデンサの合成容量を小さくすることができる。これにより、浮遊コンデンサの充放電電流による、配線、半導体スイッチング素子などの発熱を抑えつつ、高周波での基板配線の抵抗増加を効果的に抑制することができる。さらに、変換効率の低下を抑制し、冷却器の小型化、低コスト化が可能となり、電力変換装置の小型化、高効率化が実現可能となる。
実施の形態3.
図22は、本実施の形態に関わる、トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、トランス2次側配線202a、および、トランス2次側配線202bの配置を示している。トランス1次側配線201aは、下層には絶縁層を介してシールド導体配線301aが、上層には絶縁層を介してシールド導体配線301cが形成されている。トランス1次側配線201bは、下層には絶縁層を介してシールド導体配線301bが、上層には絶縁層を介してシールド導体配線301dが形成されている。
トランス2次側配線202aは、下層には絶縁層を介してシールド導体配線302aが、上層には絶縁層を介してシールド導体配線302cが形成されている。トランス2次側配線202bは、下層には絶縁層を介してシールド導体配線302bが、上層には絶縁層を介してシールド導体配線302dが形成されている。本実施の形態の構成にすると、実施の形態1の構成よりも、高周波での配線の抵抗を減少することができる。
なお、図中の「S」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのソース端子を、図中の「D」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのドレイン端子を、それぞれ示している。また、図中の「A」は、整流素子104a〜整流素子104dのアノードを、図中の「K」は、整流素子104a〜整流素子104dのカソードを、それぞれ示している。
以上説明したように、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの下層に、シールド導体配線301aおよびシールド導体配線301bを配線し、上層に、シールド導体配線301cおよびシールド導体配線301dを配線している。本実施の形態では、以下に示すように、トランス1次側配線201とシールド導体配線301を、交互に配線することもできる。交互配線を行うことで、さらに、高周波での配線の抵抗を減少することができる。また、トランス2次側配線202とシールド導体配線302を、交互に配線することで、さらに、高周波での配線の抵抗を減少することができる。
フルブリッジ型DC/DCコンバータ(電力変換装置100)の電子回路は、複数の配線層からなる多層配線基板10に実装されている。図23は、交互配線された多層配線基板10の断面をより具体的に示している。複数の配線層からなる多層配線基板10には、半導体スイッチング素子を有するスイッチング回路などを実装している。多層配線基板10は、絶縁層10a、配線層10b(シールド導体配線層)、絶縁層10c、配線層10d(トランス1次側配線層ならびにトランス2次側配線層)、絶縁層10e、配線層10f(第2のシールド導体配線層)、絶縁層10g、配線層10h(トランス1次側配線層ならびにトランス2次側配線層)、絶縁層10i、配線層10j(第3のシールド導体配線層)、絶縁層10kなどから構成されている。配線層10d(トランス1次側配線層ならびにトランス2次側配線層)は、配線層10b(シールド導体配線層)と配線層10f(第2のシールド導体配線層)の間に挟まれている。
シールド導体配線301a(第1のシールド導体配線)とシールド導体配線301b(第2のシールド導体配線)は、多層配線基板10の配線層10b(シールド導体配線層)に形成されている。トランス1次側配線201a(第1のトランス1次側配線)とトランス1次側配線201b(第2のトランス1次側配線)が、多層配線基板10の配線層10d(トランス1次側配線層)に形成されている。シールド導体配線301c(第3のシールド導体配線)とシールド導体配線301d(第4のシールド導体配線)は、多層配線基板10の配線層10f(第2のシールド導体配線層)に形成されている。トランス1次側配線201c(第3のトランス1次側配線)およびトランス1次側配線201d(第4のトランス1次側配線)が、多層配線基板10の配線層10hに形成されている。シールド導体配線301e(第5のシールド導体配線)およびシールド導体配線301f(第6のシールド導体配線)は、多層配線基板10の配線層10jに形成されている。
同様に、シールド導体配線302a(第1のシールド導体配線)とシールド導体配線302b(第2のシールド導体配線)は、多層配線基板10の配線層10b(シールド導体配線層)に形成されている。トランス2次側配線202a(第1のトランス2次側配線)とトランス2次側配線202b(第2のトランス2次側配線)が、多層配線基板10の配線層10d(トランス2次側配線層)に形成されている。シールド導体配線302c(第3のシールド導体配線)とシールド導体配線302d(第4のシールド導体配線)は、多層配線基板10の配線層10f(第2のシールド導体配線層)に形成されている。トランス2次側配線202c(第3のトランス2次側配線)およびトランス2次側配線202d(第4のトランス2次側配線)が、多層配線基板10の配線層10hに形成されている。シールド導体配線302e(第5のシールド導体配線)およびシールド導体配線302f(第6のシールド導体配線)は、多層配線基板10の配線層10jに形成されている。
トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bを重ねずに配置することで、配線間の浮遊コンデンサ容量を低減し、浮遊コンデンサの充放電電流を抑制することができる。同様に、トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bを重ねずに配置することで、配線間の浮遊コンデンサ容量を低減し、浮遊コンデンサの充放電電流を抑制することができる。
また、シールド導体配線301aとシールド導体配線301cをトランス1次側配線201aに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置し、しかもシールド導体配線301bとシールド導体配線301dをトランス1次側配線201bに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置することで、高周波での配線抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。また、シールド導体配線302aとシールド導体配線302cをトランス2次側配線202aに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置し、しかもシールド導体配線302bとシールド導体配線302dをトランス2次側配線202bに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置することで、高周波での配線抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。
図24Aは、本実施の形態における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を模式的に示している平面図である。図24Bは、本実施の形態における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を模式的に示している断面図である。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bを多層配線基板の平面視で重ねずに配置し、さらに、シールド導体配線301aおよびシールド導体配線301bを、多層配線基板の平面視で重ならないように配置している。シールド導体配線301aをトランス1次側配線201aに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線301bをトランス1次側配線201bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。
同じく、トランス1次側配線201cおよびトランス1次側配線201dを多層配線基板の平面視で重ねずに配置し、さらに、シールド導体配線301cおよびシールド導体配線301dを、多層配線基板の平面視で重ならないように配置している。シールド導体配線301cをトランス1次側配線201cに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線301dをトランス1次側配線201dに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。
また、シールド導体配線301eおよびシールド導体配線301fを、多層配線基板の平面視で重ならないように配置している。シールド導体配線301eをトランス1次側配線201cに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線301fをトランス1次側配線201dに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。したがって、本実施の形態では、トランス1次側配線201とシールド導体配線301を交互に配線している。
平面図(図24A)の矢印は、絶縁トランスの1次側電流I103aの向きを表している。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201cでは、断面図(図24B)の裏側から表側へ電流が流れている。トランス1次側配線201bおよびトランス1次側配線201dでは、断面図(図24B)の表側から裏側へ電流が流れている。また、断面図の斜線部401aは、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201cの内、電流密度が高い箇所を示している。また、断面図の斜線部401bは、トランス1次側配線201bおよびトランス1次側配線201dの内、電流密度が高い箇所を示している。
シールド導体配線301をトランス1次側配線201に対し、交互に、または上下に配置することで、シールド導体配線301方向への絶縁トランスの1次側電流I103aの変化により発生する磁束φ103aおよび渦電流Ieを抑制することができる。また、シールド導体配線302をトランス2次側配線202に対し、交互に、または上下に配置することで、シールド導体配線302方向への絶縁トランスの1次側電流I103aの変化により発生する磁束φ103aおよび渦電流Ieを抑制することができる。
さらに、図の斜線部401aおよび斜線部401bのように、シールド導体配線301と重なっている面にも電流が流れるようになる。つまり、シールド導体配線301およびトランス1次側配線201を交互に、または上下に配置することで、片側に配置している場合より、電流が流れる断面積が増え、より高周波での配線抵抗が減少できる。同じく、シールド導体配線302およびトランス2次側配線202を交互に、または上下に配置することで、片側に配置している場合より、電流が流れる断面積が増え、より高周波での配線抵抗が減少できる。
実施の形態4.
図25は、本実施の形態に関わる、トランス1次側配線201a、トランス1次側配線201b、トランス2次側配線202a、および、トランス2次側配線202bの配置を示している。トランス1次側配線201aの下層には、絶縁層を介して、シールド導体配線301aが形成されている。トランス1次側配線201bの上層には、絶縁層を介して、シールド導体配線301bが形成されている。トランス2次側配線202aの下層には、絶縁層を介して、シールド導体配線302aが形成されている。トランス2次側配線202bの上層には、絶縁層を介して、シールド導体配線302bが形成されている。
本実施の形態の構成にすると、実施の形態1の構成よりも配線間の浮遊コンデンサをさらに小さくすることができる。なお、図中の「S」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのソース端子を、図中の「D」は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dのドレイン端子を、それぞれ示している。また、図中の「A」は、整流素子104a〜整流素子104dのアノードを、図中の「K」は、整流素子104a〜整流素子104dのカソードを、それぞれ示している。
フルブリッジ型DC/DCコンバータ(電力変換装置100)の電子回路は、複数の配線層からなる多層配線基板10に実装されている。図26は、本実施の形態に関わる多層配線基板10の断面をより具体的に示している。複数の配線層からなる多層配線基板10には、半導体スイッチング素子を有するスイッチング回路などを実装している。多層配線基板10は、絶縁層10a、配線層10b、絶縁層10c、配線層10d、絶縁層10eなどから構成されている。
シールド導体配線301a(第1のシールド導体配線)とトランス1次側配線201b(第1のトランス1次側配線)が、多層配線基板10の配線層10b(第1の配線層)に形成されている。トランス1次側配線201a(第2のトランス1次側配線)とシールド導体配線301b(第2のシールド導体配線)が、多層配線基板10の配線層10d(第2の配線層)に形成されている。配線層10b(第1の配線層)は、配線層10d(第2の配線層)に、絶縁層10cを介して積層されている。
シールド導体配線302a(第3のシールド導体配線)とトランス2次側配線202b(第1のトランス2次側配線)が、多層配線基板10の配線層10b(第1の配線層および第3の配線層)に形成されている。トランス2次側配線202a(第2のトランス2次側配線)とシールド導体配線302b(第4のシールド導体配線)が、多層配線基板10の配線層10d(第2の配線層および第4の配線層)に形成されている。配線層10bは、配線層10dに、絶縁層10cを介して積層されている。なお、同図では、シールド導体配線301aとトランス1次側配線201bとシールド導体配線302aとトランス2次側配線202bが、同層に配置されているが、シールド導体配線301aとトランス1次側配線201bとトランス2次側配線202aとシールド導体配線302bとが、同層に配置されていてもよい。
シールド導体配線301aは、トランス1次側配線201aに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線301bは、トランス1次側配線201bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線302aは、トランス2次側配線202aに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。シールド導体配線302bは、トランス2次側配線202bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。
トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bを、多層配線基板の平面視で重ねずに配置することで、配線間の浮遊コンデンサ容量を低減し、浮遊コンデンサによる充放電電流を抑制することができる。同様に、トランス2次側配線202aおよびトランス2次側配線202bを、多層配線基板の平面視で重ねずに配置することで、配線間の浮遊コンデンサ容量を低減し、浮遊コンデンサによる充放電電流を抑制することができる。
また、シールド導体配線301aをトランス1次側配線201aに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置し、しかもシールド導体配線301bをトランス1次側配線201bに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置することで、高周波での配線抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。また、シールド導体配線302aをトランス2次側配線202aに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置し、しかもシールド導体配線302bをトランス2次側配線202bに対し多層配線基板の平面視で重ねて配置することで、高周波での配線抵抗が減少でき、基板配線の発熱を抑制することができる。
図27Aは、本実施の形態における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を模式的に示している平面図である。図27Bは、本実施の形態における、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの配置を模式的に示している断面図である。トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bを多層配線基板の平面視で重ねずに、且つ、それぞれを別の配線層に配置し、シールド導体配線301aをトランス1次側配線201aに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置している。同じく、シールド導体配線301bをトランス1次側配線201bに対し、多層配線基板の平面視で重ねるように配置し、シールド導体配線301aおよびシールド導体配線301bは、多層配線基板の平面視で重ならないように配置している。
平面図(図27A)の矢印は、絶縁トランスの1次側電流I103aの向きを表している。トランス1次側配線201aでは、断面図(図27B)の裏側から表側へ電流が流れている。トランス1次側配線201bでは、断面図(図27B)の表側から裏側へ電流が流れている。また、断面図の斜線部401aおよび斜線部401bは、トランス1次側配線201aおよびトランス1次側配線201bの内、電流密度が高い箇所を示している。
図28は、本実施の形態における、配線間に生じる浮遊コンデンサの概略回路図を示している。配線間の浮遊コンデンサの合成容量は、図14に示されている式(6)で表される。ここで、容量C504は、トランス1次側配線201aとシールド導体配線301aの間の浮遊コンデンサ504の容量を表している。容量C506は、トランス1次側配線201bとシールド導体配線301bの間の浮遊コンデンサ506の容量を表している。容量C507は、トランス1次側配線201bとシールド導体配線301aの間の浮遊コンデンサ507の容量を表している。容量C508は、トランス1次側配線201aとシールド導体配線301bの間の浮遊コンデンサ508の容量を表している。
容量C504および容量C506を構成する配線対向面積(s)は、配線幅w×配線長lとなる。容量C507および容量C508を構成する配線対向面積(s)は、配線厚みt×配線長lとなる。上述した通り、配線幅wと配線厚みtは、配線幅w>>配線厚みtとなるので、式(1)および式(3)より、容量C504、容量C506>>容量C507、容量C508となる。よって、式(4)に比べ、式(6)は小さくなり、浮遊コンデンサの合成容量を小さくすることができる。これにより、浮遊コンデンサの充放電電流による、配線、半導体スイッチング素子などの発熱を抑えつつ、高周波での基板配線の抵抗増加を効果的に抑制することができる。さらに、変換効率の低下を抑制し、冷却器の小型化、低コスト化が可能となり、電力変換装置の小型化、高効率化が実現可能となる。
本実施の形態に関わる電力変換装置は、第1の出力側端子と第2の出力側端子を有しているスイッチング回路と、第1のトランス1次側端子、第2のトランス1次側端子、第1のトランス2次側端子、および第2のトランス2次側端子を有している絶縁トランスと、第1の入力側端子と第2の入力側端子を有している整流回路と、前記スイッチング回路の第1の出力側端子と前記絶縁トランスの第1のトランス1次側端子とを接続する第1のトランス1次側配線と、前記スイッチング回路の第2の出力側端子と前記絶縁トランスの第2のトランス1次側端子とを接続する第2のトランス1次側配線と、前記絶縁トランスの第1のトランス2次側端子と前記整流回路の第1の入力側端子とを接続する第1のトランス2次側配線と、前記絶縁トランスの第2のトランス2次側端子と前記整流回路の第2の入力側端子とを接続する第2のトランス2次側配線と、第1の配線層、第2の配線層、第3の配線層、および第4の配線層を有する多層配線基板と、を備え、前記第1の配線層には、第1のシールド導体配線と前記第1のトランス1次側配線が形成されていて、前記第2の配線層には、第2のシールド導体配線と前記第2のトランス1次側配線が形成されていて、前記第3の配線層には、第3のシールド導体配線と前記第1のトランス2次側配線が形成されていて、前記第4の配線層には、第4のシールド導体配線と前記第2のトランス2次側配線が形成されており、前記第1の配線層は、前記第2の配線層に、絶縁層を介して積層されていて、前記第3の配線層は、前記第4の配線層に、絶縁層を介して積層されていることを特徴とするものである。
実施の形態5.
実施の形態1〜実施の形態4では、トランス1次側配線201a(第1のトランス1次側配線)およびトランス1次側配線201b(第2のトランス1次側配線)と、トランス2次側配線202a(第1のトランス2次側配線)およびトランス2次側配線202b(第2のトランス2次側配線)を、回路配線におけるペア配線の例として、説明してきた。図29は、半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dからなるスイッチング回路20を示している。スイッチング回路20でも、スイッチングに伴い電位が変動し、高周波の電流が流れる。スイッチング回路入力側配線(第1のスイッチング回路入力側配線220a〜第4のスイッチング回路入力側配線220d)およびスイッチング回路出力側配線(第1のスイッチング回路出力側配線221a〜第4のスイッチング回路出力側配線221d)に、シールド導体配線を配置した場合であっても同様の効果が得られる。
フルブリッジ型DC/DCコンバータ(電力変換装置100)の電子回路は、複数の配線層からなる多層配線基板10に実装されている。スイッチング回路入力側配線およびスイッチング回路出力側配線には、相反する方向に電流が流れるので、対をなして平行配置される。フルブリッジ型DC/DCコンバータでは、スイッチング回路入力側配線およびスイッチング回路出力側配線からなるペア配線は、4組存在するが、ハーフブリッジ型DC/DCコンバータでは、スイッチング回路入力側配線およびスイッチング回路出力側配線からなるペア配線は、2組存在する。図30は、本実施の形態に関わる多層配線基板10の断面をより具体的に示している。複数の配線層からなる多層配線基板10には、半導体スイッチング素子を有するスイッチング回路などが実装されている。多層配線基板10は、絶縁層10a、配線層10b(シールド導体配線層)、絶縁層10c、配線層10d(第1の半導体スイッチング素子両端配線層、第2の半導体スイッチング素子両端配線層、第3の半導体スイッチング素子両端配線層、および、第4の半導体スイッチング素子両端配線層)、絶縁層10e、などから構成されている。
第1のスイッチング回路入力側配線220aは、スイッチング回路20の第1の入力側端子20aと半導体スイッチング素子102a(第1の半導体スイッチング素子)の一端を接続している。第2のスイッチング回路入力側配線220bは、スイッチング回路20の第2の入力側端子20bと半導体スイッチング素子102b(第2の半導体スイッチング素子)の一端を接続している。第3のスイッチング回路入力側配線220cは、スイッチング回路20の第1の入力側端子20aと半導体スイッチング素子102c(第3の半導体スイッチング素子)の一端を接続している。第4のスイッチング回路入力側配線220dは、スイッチング回路20の第2の入力側端子20bと半導体スイッチング素子102d(第4の半導体スイッチング素子)の一端を接続している。
第1のスイッチング回路出力側配線221aは、スイッチング回路20の第1の出力側端子20cと半導体スイッチング素子102a(第1の半導体スイッチング素子)の他端を接続している。第2のスイッチング回路出力側配線221bは、スイッチング回路20の第1の出力側端子20cと半導体スイッチング素子102b(第2の半導体スイッチング素子)の他端を接続している。第3のスイッチング回路出力側配線221cは、スイッチング回路20の第2の出力側端子20dと半導体スイッチング素子102c(第3の半導体スイッチング素子)の他端を接続している。第4のスイッチング回路出力側配線221dは、スイッチング回路20の第2の出力側端子20dと半導体スイッチング素子102d(第4の半導体スイッチング素子)の他端を接続している。
ペア配線をなす第1のスイッチング回路入力側配線220aと第1のスイッチング回路出力側配線221aは、配線層10d(第1の半導体スイッチング素子両端配線層)に形成されている。シールド導体配線321は、配線層10b(第1のシールド導体配線層)に形成されている。同様に、ペア配線をなす第2のスイッチング回路入力側配線220bと第2のスイッチング回路出力側配線221bは、配線層10d(第2の半導体スイッチング素子両端配線層)に形成されている。シールド導体配線322は、配線層10b(第2のシールド導体配線層)に形成されている。
同様に、ペア配線をなす第3のスイッチング回路入力側配線220cと第3のスイッチング回路出力側配線221cは、配線層10d(第3の半導体スイッチング素子両端配線層)に形成されている。シールド導体配線323は、配線層10b(第3のシールド導体配線層)に形成されている。同様に、ペア配線をなす第4のスイッチング回路入力側配線220dと第4のスイッチング回路出力側配線221dは、配線層10d(第4の半導体スイッチング素子両端配線層)に形成されている。シールド導体配線324は、配線層10b(第4のシールド導体配線層)に形成されている。
なお、同図では、第1の半導体スイッチング素子両端配線層、第2の半導体スイッチング素子両端配線層、第3の半導体スイッチング素子両端配線層、および、第4の半導体スイッチング素子両端配線層は、同層に形成されている。また、第1の半導体スイッチング素子両端配線層〜第4の半導体スイッチング素子両端配線層のすべての配線層が、同一の絶縁層10cを介して、配線層10b(第1のシールド導体配線層〜第4のシールド導体配線層)と積層されている。本実施の形態の効果を得るには、第1の半導体スイッチング素子両端配線層〜第4の半導体スイッチング素子両端配線層のうち、少なくとも一つの配線層が、絶縁層を介して、シールド導体配線層と積層されていればよい。
実施の形態6.
実施の形態1〜実施の形態4では、トランス1次側配線201a(第1のトランス1次側配線)およびトランス1次側配線201b(第2のトランス1次側配線)と、トランス2次側配線202a(第1のトランス2次側配線)およびトランス2次側配線202b(第2のトランス2次側配線)を、回路配線におけるペア配線の例として、説明してきた。図31は、整流素子104a〜整流素子104dからなる整流回路30を示している。整流回路30(整流素子104a〜整流素子104d)でも、スイッチングに伴い電位が変動し、高周波の電流が流れる。整流回路入力側配線(第1の整流回路入力側配線210a〜第4の整流回路入力側配線210d)および整流回路出力側配線(第1の整流回路出力側配線211a〜第4の整流回路出力側配線211d)に、シールド導体配線を配置した場合であっても同様の効果が得られる。
フルブリッジ型DC/DCコンバータ(電力変換装置100)の電子回路は、複数の配線層からなる多層配線基板10に実装されている。整流回路入力側配線および整流回路出力側配線には、相反する方向に電流が流れるので、対をなして平行配置される。フルブリッジ型DC/DCコンバータでは、整流回路入力側配線および整流回路出力側配線からなるペア配線は、4組存在するが、ハーフブリッジ型DC/DCコンバータでは、整流回路入力側配線および整流回路出力側配線からなるペア配線は、2組存在する。図32は、本実施の形態に関わる多層配線基板10の断面をより具体的に示している。複数の配線層からなる多層配線基板10には、整流素子104a〜整流素子104dを有する整流回路30が実装されている。多層配線基板10は、絶縁層10a、配線層10b(シールド導体配線層)、絶縁層10c、配線層10d(第1の整流素子両端配線層、第2の整流素子両端配線層、第3の整流素子両端配線層、および、第4の整流素子両端配線層)、絶縁層10e、などから構成されている。
第1の整流回路入力側配線210aは、整流回路30の第1の入力側端子30aと整流素子104a(第1の整流素子)の一端を接続している。第2の整流回路入力側配線210bは、整流回路30の第1の入力側端子30aと整流素子104b(第2の整流素子)の一端を接続している。第3の整流回路入力側配線210cは、整流回路30の第2の入力側端子30bと整流素子104c(第3の整流素子)の一端を接続している。第4の整流回路入力側配線210dは、整流回路30の第2の入力側端子30bと整流素子104d(第4の整流素子)の一端を接続している。
第1の整流回路出力側配線211aは、整流回路30の第1の出力側端子30cと整流素子104a(第1の整流素子)の他端を接続している。第2の整流回路出力側配線211bは、整流回路30の第2の出力側端子30dと整流素子104b(第2の整流素子)の他端を接続している。第3の整流回路出力側配線211cは、整流回路30の第1の出力側端子30cと整流素子104c(第3の整流素子)の他端を接続している。第4の整流回路出力側配線211dは、整流回路30の第2の出力側端子30dと整流素子104d(第4の整流素子)の他端を接続している。
ペア配線をなす第1の整流回路入力側配線210aと第1の整流回路出力側配線211aは、配線層10d(第1の整流素子両端配線層)に形成されている。シールド導体配線311は、配線層10b(第1のシールド導体配線層)に形成されている。同様に、ペア配線をなす第2の整流回路入力側配線210bと第2の整流回路出力側配線211bは、配線層10d(第2の整流素子両端配線層)に形成されている。シールド導体配線312は、配線層10b(第2のシールド導体配線層)に形成されている。
同様に、ペア配線をなす第3の整流回路入力側配線210cと第3の整流回路出力側配線211cは、配線層10d(第3の整流素子両端配線層)に形成されている。シールド導体配線313は、配線層10b(第3のシールド導体配線層)に形成されている。同様に、ペア配線をなす第4の整流回路入力側配線210dと第4の整流回路出力側配線211dは、配線層10d(第4の整流素子両端配線層)に形成されている。シールド導体配線314は、配線層10b(第4のシールド導体配線層)に形成されている。
なお、同図では、第1の整流素子両端配線層、第2の整流素子両端配線層、第3の整流素子両端配線層、および、第4の整流素子両端配線層は、同層に形成されている。また、第1の整流素子両端配線層〜第4の整流素子両端配線層のすべての配線層が、同一の絶縁層10cを介して、配線層10b(第1のシールド導体配線層〜第4のシールド導体配線層)と積層されている。本実施の形態の効果を得るには、第1の整流素子両端配線層〜第4の整流素子両端配線層のうち、少なくとも一つの配線層が、絶縁層を介して、シールド導体配線層と積層されていればよい。
また、多層配線基板10には、スイッチング回路入力側配線(第1のスイッチング回路入力側配線220a〜第4のスイッチング回路入力側配線220d)とスイッチング回路出力側配線(第1のスイッチング回路出力側配線221a〜第4のスイッチング回路出力側配線221d)、第1のトランス1次側配線(トランス1次側配線201a)と第2のトランス1次側配線(トランス1次側配線201b)、第1のトランス2次側配線(トランス2次側配線202a)と第2のトランス2次側配線(トランス2次側配線202b)、および、整流回路入力側配線(第1の整流回路入力側配線210a〜第4の整流回路入力側配線210d)と整流回路出力側配線(第1の整流回路出力側配線211a〜第4の整流回路出力側配線211d)、の4組のペア配線が形成されている。
したがって、本願に開示される電力変換装置は、半導体スイッチング素子の一端に接続されているスイッチング回路入力側配線、および、前記半導体スイッチング素子の他端に接続されているスイッチング回路出力側配線、を有するスイッチング回路と、第1のトランス1次側配線、第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線、および、第2のトランス2次側配線、と接続されている絶縁トランスと、整流素子の一端に接続されている整流回路入力側配線、および、前記整流素子の他端に接続されている整流回路出力側配線、を有する整流回路と、シールド導体配線が形成されているシールド導体配線層、配線層、および絶縁層、を有する多層配線基板と、を備え、前記スイッチング回路のスイッチング回路出力側配線は、前記第1のトランス1次側配線または前記第2のトランス1次側配線と接続されており、前記整流回路の整流回路入力側配線は、前記第1のトランス2次側配線または前記第2のトランス2次側配線と接続されており、前記多層配線基板の配線層には、前記スイッチング回路入力側配線と前記スイッチング回路出力側配線、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線、および、前記整流回路入力側配線と前記整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくとも1組のペア配線が形成されており、このペア配線が形成されている配線層は、前記絶縁層を介して、前記シールド導体配線層と積層されていることを特徴とするものである。
また、別形態の本願に開示される電力変換装置は、半導体スイッチング素子の一端に接続されているスイッチング回路入力側配線、および、前記半導体スイッチング素子の他端に接続されているスイッチング回路出力側配線、を有するスイッチング回路と、第1のトランス1次側配線、第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線、および、第2のトランス2次側配線、と接続されている絶縁トランスと、整流素子の一端に接続されている整流回路入力側配線、および、前記整流素子の他端に接続されている整流回路出力側配線、を有する整流回路と、第1のシールド導体配線が形成されている第1の配線層、第2のシールド導体配線が形成されている第2の配線層、および、絶縁層を有する多層配線基板と、を備え、前記スイッチング回路のスイッチング回路出力側配線は、前記第1のトランス1次側配線または前記第2のトランス1次側配線と接続されており、前記整流回路の整流回路入力側配線は、前記第1のトランス2次側配線または前記第2のトランス2次側配線と接続されており、前記スイッチング回路入力側配線と前記スイッチング回路出力側配線、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線、および、前記整流回路入力側配線と前記整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくとも1組のペア配線は、片方の配線が前記第1の配線層に形成されていて、他方の配線が前記第2の配線層に形成されており、前記第1の配線層は、前記絶縁層を介して前記第2の配線層と積層されていることを特徴とするものである。
半導体スイッチング素子102a〜半導体スイッチング素子102dをMOSFET、整流素子104a〜整流素子104dをダイオードとして説明したが、スイッチング速度(dv/dt、di/dt)が速く、高周波駆動が可能であるSiC、GaNなどのワイドバンドギャップ半導体を用いて構成しても良い。ワイドバンドギャップ半導体で高周波化した場合、スイッチング回数が増えるので、浮遊コンデンサが充放電する回数も増えるため、充放電電流による損失が増大する。
また、高周波になるほど、表皮効果および近接効果により、電流はより互いに近い面に電流が集中し、電流が流れる断面積が小さくなるため、高周波での配線抵抗が増大し、基板配線が発熱する。すなわち、ワイドバンドギャップ半導体を用いて、本願に関わる電力変換装置を構成すれば、浮遊コンデンサの充放電電流と基板配線の高周波抵抗を抑制できるので、高周波において、半導体スイッチング素子の発熱、基板配線の発熱などを有効的に低減させ、より電力変換装置の小型化と高効率化を実現できる。
本願は、複数の配線層からなる多層配線基板上に、半導体スイッチング素子を有するスイッチング回路を配線した電力変換装置において、前記多層配線基板は、前記スイッチング回路を構成する第1の回路配線と、前記半導体スイッチング素子のスイッチングにより前記第1の回路配線との電位差が変化し、且つ、前記スイッチング回路を構成する第2の回路配線と、前記スイッチング回路の電流が流れないシールド導体配線を有し、前記第1の回路配線および前記第2の回路配線は、前記多層配線基板の平面視で、互いに離隔されて重ならないように、且つ、互いに逆方向に電流が流れるように配置され、前記第1の回路配線および前記第2の回路配線に対し、前記シールド導体配線は、前記多層配線基板の平面視で、少なくとも一部が重なるように配置されたことを、特徴とする電力変換装置に関わる。
また、前記シールド導体配線は、前記第1の回路配線と前記多層配線基板の平面視で、少なくとも一部が重なるように配置された第1のシールド導体配線と、前記第2の回路配線と前記多層配線基板の平面視で、少なくとも一部が重なるように配置された第2のシールド導体配線から構成され、前記第1のシールド導体配線および前記第2のシールド導体配線は前記多層配線基板の平面視で、互いに離隔されて重ならないように配置されたことを、特徴とする電力変換装置に関わる。
また、前記多層配線基板の配線層の内、少なくとも一層は前記第1のシールド導体配線および前記第2のシールド導体配線から構成されていることを、特徴とする電力変換装置に関わる。また、前記多層配線基板は、前記第1の回路配線および前記第2の回路配線と前記第1のシールド導体配線および前記第2のシールド導体配線が、交互の配線層にて構成されることを、特徴とする電力変換装置に関わる。
また、前記多層配線基板の配線層の内、前記第1の回路配線および前記第2の回路配線の上下の配線層に前記第1のシールド導体配線および前記第2のシールド導体配線が配置されることを、特徴とする電力変換装置に関わる。また、前記多層配線基板の配線層の内、前記第1の回路配線と前記第2の回路配線が別の配線層に配置されることを、特徴とする電力変換装置に関わる。
また、前記シールド導体配線はグランドに接続されることを、特徴とする電力変換装置に関わる。前記シールド導体配線の電位が独立されていることを、特徴とする電力変換装置に関わる。また、前記第1の回路配線は前記半導体スイッチング素子の第1の端子に接続され、前記第2の回路配線は前記半導体スイッチング素子の第2の端子に接続されることを、特徴とする電力変換装置に関わる。
また、前記スイッチング回路は、整流素子を有し、前記第1の回路配線は前記整流素子の第1の端子に接続され、前記第2の回路配線は前記整流素子の第2の端子に接続されることを、特徴とする電力変換装置に関わる。また、前記スイッチング回路は、1次巻き線および2次巻き線を備えた絶縁トランスを有し、前記第1の回路配線は前記トランスの1次巻き線の第1の端子に接続され、前記第2の回路配線は前記トランスの1次巻き線の第2の端子に接続されることを、特徴とする電力変換装置に関わる。
また、前記スイッチング回路は、1次巻き線および2次巻き線を備えた絶縁トランスを有し、前記第1の回路配線は前記トランスの2次巻き線の第1の端子に接続され、前記第2の回路配線は前記トランスの2次巻き線の第2の端子に接続されることを、特徴とする電力変換装置に関わる。また、前記半導体スイッチング素子、前記整流素子はワイドバンドギャップ半導体によって構成されることを特徴とする電力変換装置に関わる。
なお、本願の明細書に開示された技術は、上記の各実施の形態1〜4に限定されるものではなく、これらの実施の形態の可能な組み合わせを全て含むことは言うまでもない。また、本願の明細書に開示された技術は、開示された技術思想の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10:多層配線基板、101:直流電源、102a:半導体スイッチング素子、102b:半導体スイッチング素子、102c:半導体スイッチング素子、102d:半導体スイッチング素子、103:絶縁トランス、104a:整流素子、104b:整流素子、104c:整流素子、104d:整流素子、105:リアクトル、106:平滑コンデンサ、107:負荷、201a:トランス1次側配線、201b:トランス1次側配線、202a:トランス2次側配線、202b:トランス2次側配線、301:シールド導体配線、301a:シールド導体配線、301b:シールド導体配線、302a:シールド導体配線、302b:シールド導体配線、401a:斜線部、401b:斜線部、501:トランス1次側配線201aとシールド導体配線301の間の浮遊コンデンサ、502:トランス1次側配線201bとシールド導体配線301の間の浮遊コンデンサ、503:トランス1次側配線201aとトランス1次側配線201bの間の浮遊コンデンサ、504:トランス1次側配線201aとシールド導体配線301aの間の浮遊コンデンサ、505:シールド導体配線301aとシールド導体配線301bの間の浮遊コンデンサ、506:トランス1次側配線201bとシールド導体配線301bの間の浮遊コンデンサ、507:トランス1次側配線201bとシールド導体配線301aの間の浮遊コンデンサ、508:トランス1次側配線201aとシールド導体配線301bの間の浮遊コンデンサ、602:絶縁シート、603:放熱板、604:放熱絶縁樹脂

Claims (17)

  1. 入力側端子と半導体スイッチング素子の一端接続しているスイッチング回路入力側配線、および、出力側端子と前記半導体スイッチング素子の他端接続しているスイッチング回路出力側配線、を有するスイッチング回路と、
    第1のトランス1次側配線、第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線、および、第2のトランス2次側配線、と接続されている絶縁トランスと、
    入力側端子と整流素子の一端接続している整流回路入力側配線、および、出力側端子と前記整流素子の他端接続している整流回路出力側配線、を有する整流回路と、
    シールド導体配線が形成されているシールド導体配線層、配線層、および絶縁層、を有する多層配線基板と、を備え、
    前記スイッチング回路のスイッチング回路出力側配線は、前記第1のトランス1次側配線または前記第2のトランス1次側配線と、前記スイッチング回路の出力側端子で接続されており、
    前記整流回路の整流回路入力側配線は、前記第1のトランス2次側配線または前記第2のトランス2次側配線と、前記整流回路の入力側端子で接続されており、
    前記多層配線基板の配線層には、前記スイッチング回路入力側配線と前記スイッチング回路出力側配線、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線、および、前記整流回路入力側配線と前記整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくともスイッチング回路入力側配線とスイッチング回路出力側配線からなるペア配線、または、整流回路入力側配線と整流回路出力側配線からなるペア配線が、前記多層配線基板の同じ高さの層に、対をなして平行配置されて、形成されており、
    この多層配線基板の同じ高さの層に、対をなして平行配置されているペア配線が形成されている配線層は、前記絶縁層を介して、前記シールド導体配線層と積層されていることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記シールド導体配線層と積層されている配線層に形成されているペア配線は、前記シールド導体配線と、多層配線基板の平面視で、重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記シールド導体配線は、第1のシールド導体配線と第2のシールド導体配線からなることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記シールド導体配線層と積層されている配線層に形成されているペア配線は、
    片方の配線が前記第1のシールド導体配線と、多層配線基板の平面視で、重なる位置に配置されていて、
    他方の配線が前記第2のシールド導体配線と、多層配線基板の平面視で、重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記多層配線基板は、第2のシールド導体配線が形成されている第2のシールド導体配線層をさらに有しており、
    前記シールド導体配線層と積層されている配線層は、前記第2のシールド導体配線層と絶縁層を介して積層されていて、
    前記配線層は、前記シールド導体配線層と前記第2のシールド導体配線層の間に挟まれていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  6. 前記第2のシールド導体配線は、第3のシールド導体配線と第4のシールド導体配線からなることを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記シールド導体配線層と積層されている配線層に形成されているペア配線は、
    片方の配線が前記第3のシールド導体配線と、多層配線基板の平面視で、重なる位置に配置されていて、
    他方の配線が前記第4のシールド導体配線と、多層配線基板の平面視で、重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 半導体スイッチング素子の一端に接続されているスイッチング回路入力側配線、および、前記半導体スイッチング素子の他端に接続されているスイッチング回路出力側配線、を有するスイッチング回路と、
    第1のトランス1次側配線、第2のトランス1次側配線、第1のトランス2次側配線、および、第2のトランス2次側配線、と接続されている絶縁トランスと、
    整流素子の一端に接続されている整流回路入力側配線、および、前記整流素子の他端に接続されている整流回路出力側配線、を有する整流回路と、
    第1のシールド導体配線が形成されている第1の配線層、第2のシールド導体配線が形成されている第2の配線層、および、絶縁層を有する多層配線基板と、を備え、
    前記スイッチング回路のスイッチング回路出力側配線は、前記第1のトランス1次側配線または前記第2のトランス1次側配線と接続されており、
    前記整流回路の整流回路入力側配線は、前記第1のトランス2次側配線または前記第2のトランス2次側配線と接続されており、
    前記スイッチング回路入力側配線と前記スイッチング回路出力側配線、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線、および、前記整流回路入力側配線と前記整流回路出力側配線、の4組のペア配線のうち、少なくとも1組のペア配線は、片方の配線が前記第1の配線層に形成されていて、他方の配線が前記第2の配線層に形成されており、
    前記第1の配線層は、前記絶縁層を介して前記第2の配線層と積層されていることを特徴とする電力変換装置。
  9. 前記第1の配線層に形成されている片方の配線は、前記第2のシールド導体配線と、多層配線基板の平面視で、重なる位置に配置されていて、
    前記第2の配線層に形成されている他方の配線は、前記第1のシールド導体配線と、多層配線基板の平面視で、重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
  10. 前記スイッチング回路は、第1の半導体スイッチング素子、第2の半導体スイッチング素子、第3の半導体スイッチング素子、および第4の半導体スイッチング素子、を有しており、
    前記第1の半導体スイッチング素子、前記第2の半導体スイッチング素子、前記第3の半導体スイッチング素子、および前記第4の半導体スイッチング素子は、フルブリッジ型に接続されていることを特徴とする請求項1または8に記載の電力変換装置。
  11. 前記整流回路は、第1の整流素子、第2の整流素子、第3の整流素子、および第4の整流素子、を有しており、
    前記第1の整流素子、前記第2の整流素子、前記第3の整流素子、および前記第4の整流素子は、フルブリッジ型に接続されていることを特徴とする請求項1または8に記載の電力変換装置。
  12. 前記半導体スイッチング素子、または、前記整流素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって構成されていることを特徴とする請求項1または8に記載の電力変換装置。
  13. 前記シールド導体配線層は、接地されていることを特徴する請求項1に記載の電力変換装置。
  14. 前記シールド導体配線は、電位が独立していることを特徴する請求項1に記載の電力変換装置。
  15. 前記第1のシールド導体配線と前記第2のシールド導体配線は、接地されていることを特徴する請求項8に記載の電力変換装置。
  16. 前記第1のシールド導体配線と前記第2のシールド導体配線は、電位が独立していることを特徴する請求項8に記載の電力変換装置。
  17. 第1の半導体スイッチング素子と第2の半導体スイッチング素子とが接続されている第1の出力側端子と、第3の半導体スイッチング素子と第4の半導体スイッチング素子とが接続されている第2の出力側端子を有しているスイッチング回路と、
    第1のトランス1次側端子、第2のトランス1次側端子、第1のトランス2次側端子、および第2のトランス2次側端子を有している絶縁トランスと、
    第1の整流素子と第2の整流素子とが接続されている第1の入力側端子と、第3の整流素子と第4の整流素子とが接続されている第2の入力側端子を有している整流回路と、
    前記スイッチング回路の第1の出力側端子と前記絶縁トランスの第1のトランス1次側端子とを接続する第1のトランス1次側配線と、
    前記スイッチング回路の第2の出力側端子と前記絶縁トランスの第2のトランス1次側端子とを接続する第2のトランス1次側配線と、
    前記絶縁トランスの第1のトランス2次側端子と前記整流回路の第1の入力側端子とを接続する第1のトランス2次側配線と、
    前記絶縁トランスの第2のトランス2次側端子と前記整流回路の第2の入力側端子とを接続する第2のトランス2次側配線と、
    トランス1次側配線層、トランス2次側配線層、およびシールド導体配線層を有する多層配線基板と、を備え、
    前記トランス1次側配線層には、前記第1のトランス1次側配線と前記第2のトランス1次側配線が形成されていて、
    前記トランス2次側配線層には、前記第1のトランス2次側配線と前記第2のトランス2次側配線が形成されていて、
    前記シールド導体配線層には、シールド導体配線が形成されており、
    前記シールド導体配線層は、前記トランス1次側配線層または前記トランス2次側配線層に、絶縁層を介して積層されていることを特徴とする電力変換装置。
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