JP6289574B1 - 直流電力変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】リアクトルのインダクタンス値の公差等のばらつきが生じても、リアクトル電流が0A付近になったときの、出力電圧の変動を抑制できる直流電力変換器を提供する。【解決手段】コンバータ部7の対象箇所の電圧又は電流についての値、積分値、微分値、又は変化量である対象パラメータのセンシング値を算出すると共に、スイッチング素子3をオフに制御した時に整流素子4の電流の流れが制限されないと仮定した場合の、対象パラメータの推定値を算出し、対象パラメータのセンシング値が、対象パラメータの推定値に近づくように、スイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を変化させる推定制御を行う直流電力変換器。【選択図】図1

Description

本発明は、入力電線と出力電線の間で直流電力を変換する直流電力変換器に関する。
上記のような、直流電力変換器について、下記の特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に係る直流電力変換器は、直列に接続された第一スイッチング素子及び第二スイッチング素子と、第一スイッチング素子と第二スイッチング素子の接続点に接続されたリアクトルとを備えている。特許文献1の技術では、第一スイッチング素子及び第二スイッチング素子を、デッドタイムを挟んで交互にオンする。
特許文献1の図3に示されているように、リアクトルを流れる電流が、0Aを跨いで振動する場合に、デッドタイム期間中に、リアクトル電流が正であるか負であるかに応じて、第一スイッチング素子の逆並列接続ダイオードを電流が流れるか、第二スイッチング素子の逆並列接続ダイオードを電流が流れるかが、切り替わるため出力電圧が変動する。
特許文献1の技術では、出力電圧が目標電圧に追従するように、第1及び第2スイッチング素子のオンオフデューティ比を変化させるフィードバック制御を行っているが、上記の出力電圧の変動をフィードフォワードで抑制するために、デッドタイム補償を行っている。デットタイム補償では、デッドタイムのない場合に流れるべきリアクトル電流の一周期の平均電流値を算出し、平均電流値に基づいて、特許文献1の図3に示されているように、0Aに対するリアクトル電流の振動位置を5つに分類したうちの、どの分類に位置するかを判定し、判定した分類及び平均電流値に応じて、各スイッチング素子のオンオフデューティ比を補正するデッドタイム補償値を変化させるように構成されている。
特開2010−22136号
しかしながら、特許文献1の技術では、特許文献1の図3に示されているように、平均電流値に応じてデッドタイム補償値を変化させる必要がある分類は、分類2及び分類4だけであり、この領域の全体の動作領域に占める割合はごくわずかである。また、分類2及び分類4の範囲は、リアクトル電流の振幅によって変わるためインダクタンス値の変動の影響を受けやすい。そのため、算出した平均電流値に応じてデッドタイム補償値を設定する特許文献1の技術では、リアクトルのインダクタンス値の公差等を考慮すると、このごくわずかの領域を正確に判定することは難しい。よって、フィードフォワード制御により、デッドタイム補償値を適切なタイミングで適切な値に設定することができずに、出力電圧の変動を抑える効果が部品バラつきや動作条件によって左右されるという問題がある。
また、一方のスイッチング素子の代わりにダイオードを使用する場合、軽負荷時において、0A以下にはリアクトル電流が流れなくなる電流不連続モードとなるため、負荷変動の際に、出力電圧の変動が大きくなる。
そこで、リアクトルのインダクタンス値の公差等のばらつきが生じても、リアクトル電流が0A付近になったときの、出力電圧の変動を抑制できる直流電力変換器が望まれる。
本発明に係る直流電力変換器は、入力電線と出力電線の間で直流電力を変換する直流電力変換器であって、リアクトル、スイッチング素子、ダイオード又はダイオードの役割をする同期整流用スイッチング素子からなる整流素子、及び前記出力電線に接続された出力コンデンサを少なくとも1つずつ有するコンバータ部と、前記スイッチング素子をオンオフ制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記コンバータ部の対象箇所の電圧又は電流についての値、積分値、微分値、又は変化量である対象パラメータのセンシング値を算出すると共に、前記スイッチング素子をオフに制御した時に前記整流素子の電流の流れが制限されないと仮定した場合の、前記対象パラメータの推定値を算出し、前記対象パラメータのセンシング値が、前記対象パラメータの推定値に近づくように、前記スイッチング素子のオンオフデューティ比を変化させる推定制御を行うものである。
本発明に係る直流電力変換器によれば、対象パラメータのセンシング値が、スイッチング素子をオフに制御した時に整流素子の電流の流れが制限されないと仮定した場合の対象パラメータの推定値に近づくように、フィードバック制御により、スイッチング素子のオンオフデューティ比を変化させるので、リアクトルのインダクタンス値の公差等が生じても、特許文献1のように、フィードフォワード制御であるため、適切なタイミングで適切な値を補正できないといったことはなく、適切にオンオフデューティ比を変化させることができる。
本発明の実施の形態1に係る直流電力変換器の構成を示した図である。 本発明の実施の形態1に係るリアクトルの電流波形およびPWM信号発生部の処理を示した図である。 スイッチング素子のオン期間での電流経路である。 スイッチング素子のオフ期間での電流経路である。 リアクトルの電流波形とデッドタイムの影響を示した図である。 リアクトルの電流波形と電流不連続モードの影響を示した図である。 本発明の実施の形態3に係る負荷変動時の出力電圧とリアクトル電流の挙動を示した図である。 本発明の実施の形態4に係る直流電力変換器の構成を示した図である。 本発明の実施の形態4に係るリアクトルの電流波形およびPWM信号発生部の処理を示した図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。 本発明のその他の実施の形態に係るコンバータ部の1つの例の回路図である。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る直流電力変換器について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る直流電力変換器の構成図である。
直流電力変換器は、入力電線20と出力電線21との間で直流電力を変換するDC−DC変換器である。直流電力変換器は、入力電線20の直流電圧Vinを任意の直流電圧Voutに変換して出力電線21に出力する。入力電線20及び出力電線21は、それぞれ、正側の電線と負側の電線から構成される。
1−1.コンバータ部7
本実施の形態では、入力電線20には、直流電源1が接続され、出力電線21には負荷6が接続されている。入力電線20と出力電線21との間には、コンバータ部7が設けられている。コンバータ部7は、リアクトル2、スイッチング素子3、ダイオード又はダイオードの役割をする同期整流用スイッチング素子からなる整流素子4、及び出力電線21に接続された出力コンデンサ5を少なくとも1つずつ有する。本実施の形態では、コンバータ部7は、リアクトル2、スイッチング素子3、整流素子4としての同期整流用スイッチング素子4、及び出力コンデンサ5を1つずつ有している。
スイッチング素子3及び同期整流用スイッチング素子4には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられており、逆並列接続されたダイオードの機能を有する。なお、スイッチング素子3及び同期整流用スイッチング素子4には、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられてもよい。
出力電線21の正側と負側の間には、正側から、同期整流用スイッチング素子4、スイッチング素子3が直列接続されている。詳細には、同期整流用スイッチング素子4のドレイン端子は、出力電線21の正側に接続され、同期整流用スイッチング素子4のソース端子は、スイッチング素子3のドレイン端子に接続され、スイッチング素子3のソース端子は、出力電線21の負側に接続されている。出力電線21の負側と入力電線20の負側は、互いに接続されている。
リアクトル2の一端は、入力電線20の正側に接続され、リアクトル2の他端は、同期整流用スイッチング素子4とスイッチング素子3との接続点に接続されている。出力電線21の電圧は、入力電線20の電圧よりも高くなる。整流素子4が同期整流用スイッチング素子4とされているため、直流変換回路は、入力電線20側から出力電線21側に昇圧して電力を転送する昇圧動作に加えて、出力電線21側から入力電線20側に降圧して電
力を転送する降圧動作が可能となる。なお、整流素子4がダイオードとされている場合は、昇圧動作のみが可能となる。
出力コンデンサ5は、スイッチング素子3及び整流素子4よりも負荷6側の出力電線21の正側と負側の間に接続されており、出力電線21の電圧Voutを平滑化する。
直流電力変換器は、入力電線20の入力側と出力側の間の入力電線20の電圧Vinをセンシングする入力電圧センサと、リアクトル2を流れる電流ILをセンシングするリアクトル電流センサと、出力電線21の入力側と出力側の間の出力電線21の電圧Voutをセンシングする出力電圧センサと、出力電線21から負荷6側に流れる電流をセンシングする出力電流センサと、を備えている(不図示)。制御部13は、各センサの出力信号に基づいて、各パラメータのセンシング値を算出する。
リアクトル2のインダクタンス成分をLで表し、リアクトル2の直流抵抗成分をRLで表している。出力コンデンサ5の容量成分をCoutで表し、出力コンデンサ5の直流抵抗成分をRcで表している。負荷6の抵抗成分をRoutで表し、負荷6のその他の成分
を61で表している。
1−2.制御部13
直流電力変換器は、コンバータ部7を制御する制御部13を備えている。制御部13は、スイッチング素子3をオンオフ制御する。制御部13は、PWM周期Tswの矩形パルス波信号(PWM信号)のオンオフデューティ比D1を変化させるPWM制御によりスイッチング素子3をオンオフ制御する。PWM制御は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)制御である。オンオフデューティ比D1は、PWM周期Tswに対して、スイッチング素子3がオンされている期間の比とされており、0から1の間を変化する。本実施の形態では、整流素子4が、同期整流用スイッチング素子4とされており、制御部13は、スイッチング素子3をオフしている間、同期整流用スイッチング素子4をオンするオンオフ制御を行う。
制御部13は、オンオフ制御を行う処理回路を備えている。制御部13の処理回路は、演算処理装置、記憶装置等のデジタル電子回路により構成されてもよいし、コンパレータ、オペアンプ、差動増幅回路等のアナログ電子回路から構成されてもよいし、デジタル電子回路及びアナログ電子回路の双方により構成されてもよい。
スイッチング素子3がオンしている期間では、図3に示す経路で電流が流れる。リアクトル2の電流ILは、リアクトル2の直流抵抗成分RLが0であるとすると式(1)で表される。
Figure 0006289574
また、スイッチング素子3がオフしている期間(同期整流用スイッチング素子4がオンしている期間)では、図4に示す経路で電流が流れる。リアクトル2の電流ILは、リアクトル2の直流抵抗成分RLが0とすると式(2)で表される。
Figure 0006289574
また、スイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を用いて、PWM周期Tsw間の式(1)と式(2)を平均化した式は式(3)となる。
Figure 0006289574
特に定常状態では、式(3)の左辺は0となるので、式(4)が成り立つ。
Figure 0006289574
式(3)から、スイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を調節することにより、リアクトル2の電流ILを調節できることがわかる。また、式(4)から、オンオフデューティ比D1を調節することにより、定常状態での出力電線21の電圧Voutを調節できることがわかる。
<デッドタイム生成部11>
制御部13は、デッドタイムDdを算出するデッドタイム生成部11を備えている。デッドタイムDdは、スイッチング素子3のオン期間と、同期整流用スイッチング素子4のオン期間との間に設けられる、スイッチング素子3及び同期整流用スイッチング素子4の双方をオフする期間である。デッドタイムDdにより、2つのスイッチング素子3、4が同時にオンになることによるアーム短絡を防止することができる。デッドタイム生成部11は、デッドタイムDdをPWM周期Tswに対する比として算出する。
<PWM信号発生部12>
制御部13は、スイッチング素子3及び同期整流用スイッチング素子4のPWM信号を発生するPWM信号発生部12を備えている。PWM信号発生部12は、図2に示すように、オンオフデューティ比D1及びデッドタイムDdに基づいて設定したスイッチング素子3用の第1コンペアレベルTH1と、PWM周期Tswで振動する三角波とされたキャリア波CAとを比較し、スイッチング素子3をオンオフする第1ゲート信号G1を生成する。また、PWM信号発生部12は、オンオフデューティ比D1及びデッドタイムDdに基づいて設定した同期整流用スイッチング素子4用の第2コンペアレベルTH2と、キャリア波CAとを比較し、同期整流用スイッチング素子4をオンオフする第2ゲート信号G2を生成する。
PWM信号発生部12は、PWM周期Tswで0と1の間を振動する三角波のキャリア波CAを算出する。PWM信号発生部12は、オンオフデューティ比D1からデッドタイムDdを減算して、第1コンペアレベルTH1を算出する。PWM信号発生部12は、オンオフデューティ比D1にデッドタイムDdを加算して、第2コンペアレベルTH2を算出する。PWM信号発生部12は、キャリア波CAが第1コンペアレベルTH1よりも小さい場合は、第1ゲート信号G1をオンに設定し、それ以外の場合は、第1ゲート信号G1をオフに設定する。PWM信号発生部12は、キャリア波CAが第2コンペアレベルTH2よりも大きい場合は、第2ゲート信号G2をオンに設定し、それ以外の場合は、第2ゲート信号G2をオフに設定する。
オンオフデューティ比D1からデッドタイムDdを減算した値に、PWM周期Tswを乗算した値が、第1ゲート信号G1(スイッチング素子3)のオン期間になる。1からオンオフデューティ比D1及びデッドタイムDdを減算した値に、PWM周期Tswを乗算した値が、第2ゲート信号G2(同期整流用スイッチング素子4)のオン期間になる。第1ゲート信号G1のオン期間と第2ゲート信号G2のオン期間との間には、デッドタイムDdにPWM周期Tswを乗算した期間が設定される。
<オンオフデューティ比D1の算出>
制御部13は、オンオフデューティ比D1を算出するための、フィードバック制御部8、推定制御部9、及びデューティ減算部10を備えている。フィードバック制御部8は、出力電線21の電圧のセンシング値Voutが目標出力電圧Vout*に近づくように、スイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を変化させるフィードバック制御を行う。推定制御部9は、対象パラメータのセンシング値が、対象パラメータの推定値に近づくように、スイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を変化させる推定制御を行う。デューティ減算部10は、リアクトル2の電流のセンシング値ILに比例係数Krを乗算した値だけ、スイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を減少させるデューティ減算を行う。フィードバック制御のみでも、出力電線21の電圧のセンシング値Voutを目標出力電圧Vout*に追従させることができるが、応答性、安定性を改善するために推定制御及びデューティ減算が行われる。
本実施の形態では、制御部13は、式(5)に示すように、フィードバック制御により算出されたフィードバック制御デューティ比D1cに、推定制御により算出された推定制御デューティ比D1eを加算し、デューティ減算により算出されたデューティ減算値D1rを減算して、最終的なスイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を算出する。
Figure 0006289574
<フィードバック制御部8>
上記のように、フィードバック制御部8は、出力電線21の電圧のセンシング値Voutが目標出力電圧Vout*に近づくように、スイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を変化させるフィードバック制御を行う。本実施の形態では、フィードバック制御部8は、式(6)に示すように、目標出力電圧Vout*と出力電線21の電圧のセンシング値Voutとの電圧偏差Vout_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、フィードバック制御デューティ比D1cを算出する。ここで、KPe
は比例ゲインであり、KIeは積分ゲインであり、KDeは微分ゲインである。なお、このPID制御の代わりに、微分ゲインKDeを0としたPI制御、積分ゲインKIeを0としたPD制御等の他のフィードバック制御が用いられもよい。
Figure 0006289574
また、式(7)に示すように、式(6)の連続式の代わりに離散式が用いられてもよい。ここで、nはn番目の制御周期を示し、n−1はn番目の1つ前の制御周期を示す。
Figure 0006289574
<デューティ減算部10>
デューティ減算部10は、式(8)に示すように、リアクトル2の電流のセンシング値ILに比例係数Krを乗算して、デューティ減算値D1rを算出する。
Figure 0006289574
デューティ減算値D1rを減算することで、リアクトル2の電流ILが大きくなった場合はオンオフデューティ比D1を減らし、小さくなった場合はオンオフデューティ比D1を増やすので、リアクトル2の電流ILの変化を減少させることができ、コンバータ部7の共振抑制効果が得られる。これは、リアクトル2の直流等価抵抗、及びリアクトル2に直列接続されたスイッチング素子3又は同期整流用スイッチング素子4等の抵抗成分の総和であるリアクトル直列抵抗値RLは、効率や発熱の観点からできる限り小さくなるように設計されるが、制御の観点では大きい方が共振し難くためよい。デューティ減算値D1rによって、リアクトル直列抵抗値RLを大きくすることなく、リアクトル直列抵抗値RLを大きくすることと同等の共振抑制効果を得られる。
また、リアクトル直列抵抗値RLと同じく、効率や発熱の観点からできる限り小さくなるように設計される出力コンデンサ5の抵抗値Rcを大きくすることと、負荷6の抵抗値Routを小さくすることでも、リアクトル直列抵抗値RLを大きくすることと同等の共振抑制効果が得られる。リアクトル直列抵抗値RLが大きい場合、出力コンデンサ5の抵抗値Rcが大きい場合、負荷6の抵抗値Routが小さい場合は、共振抑制効果が不要となるので比例係数Krを0としてもよい。また、フィードバック制御部8の応答性を、リアクトル2のインダクタンス成分Lと出力コンデンサ5の容量成分Coutで決まる共振周波数より十分に低く(5分の1〜10分の1程度)すれば共振抑制効果がなくても安定するため、比例係数Krを0としてもよい。
<推定制御部9>
まず、推定制御の必要性について説明する。図2に示されているように、デッドタイム期間中に、リアクトル2の電流ILが正の値である場合は、同期整流用スイッチング素子4のダイオード部分を電流が流れる。一方、デッドタイム期間中に、リアクトル2の電流ILが負の値である場合は、スイッチング素子3のダイオード部分を電流が流れる。リアクトル2の電流ILが0Aを跨いで振動する場合は、デッドタイム期間中に、リアクトル2の電流ILが正の値であるか負の値であるかに応じて、同期整流用スイッチング素子4のダイオード部分を電流が流れるか、スイッチング素子3のダイオード部分を電流が流れるかが切り替わる。よって、リアクトル2の電流ILが正の値であるか負の値であるかに応じて、第1ゲート信号G1のオン期間に対する、スイッチング素子3を電流が流れる期間(スイッチング素子3のオン期間)が延び縮みする。
リアクトル2の電流ILが0A付近であると共に、負荷が変動する場合を図5に示す。リアクトル2の電流が0Aよりも大きい場合は、第1ゲート信号G1をオフにし、スイッチング素子3をオフに制御した時、オフ指令通りにスイッチング素子3を流れる電流が遮断され、同期整流用スイッチング素子4のダイオード部分を電流が流れ、リアクトル2の電流が次第に減少する。
一方、リアクトル2の電流が0Aを跨いで0Aよりも小さくなっている場合は、第1ゲート信号G1をオフにし、スイッチング素子3をオフに制御した時、デッドタイム期間以外では、オフ指令通りにスイッチング素子3を流れる電流が遮断され、同期整流用スイッチング素子4を電流が流れ、リアクトル2の電流が次第に減少するが、デッドタイム期間では、オフ指令に反して、スイッチング素子3(ダイオード部分)を電流が流れ、同期整流用スイッチング素子4の電流の流れが阻止され、リアクトル2の電流が次第に増加する。よって、スイッチング素子3のオフ期間が、オフ指令よりもデットタイム期間分短くなり、スイッチング素子3のオン期間が、オン指令よりもデットタイム期間分長くなっている。
その結果、リアクトル2の電流が0Aを跨いで振動する場合は、デッドタイムの影響により、リアクトル2の電流が、スイッチング素子3のオンオフ指令に従った期待される電流値から大きく外れ、出力電線21の電圧Voutも目標出力電圧Vout*から大きく外れる。
本実施の形態とは異なるが、整流素子4がダイオードである場合について図6に示す。リアクトル2の電流が0Aよりも大きい場合は、図5の場合と同様に、第1ゲート信号G1をオフにした時、オフ指令通りにスイッチング素子3を流れる電流が遮断され、ダイオードを電流が流れ、リアクトル2の電流が次第に減少する。
一方、リアクトル2の電流が0Aよりも小さくなる場合は、スイッチング素子3をオフに制御した時、オフ指令に反して、ダイオードの電流の流れが阻止され、リアクトル2の電流が0Aになる。よって、スイッチング素子3のオフ期間が、オフ指令よりもリアクトル2の電流が0Aよりも小さくなる期間分短くなっている。その結果、リアクトル2の電流が0Aを跨いで振動する場合は、電流不連続モードになり、リアクトル2の電流が、スイッチング素子3のオンオフ指令に従った、期待される電流値から大きく外れ、出力電線21の電圧Voutも目標出力電圧Vout*から大きく外れる。
このように、リアクトル2の電流が0Aを跨いで振動し、スイッチング素子3をオフに制御した時に整流素子4の電流の流れが制限されると、整流素子4の電流の流れが制限されないと仮定した場合のリアクトル2の電流の期待値から大きく外れ、出力電線21の電圧Voutが目標出力電圧Vout*から大きく外れる。出力電圧のフィードバック制御によっても、出力電線21の電圧のセンシング値Voutを目標出力電圧Vout*に追従させることは可能であるが、追従遅れが生じる。そこで、本実施の形態では、出力電圧のフィードバック制御に加えて、推定制御を行うことにより、より高速に追従させるように構成されている。
すなわち、推定制御部9は、コンバータ部7の対象箇所の電圧又は電流についての値、積分値、微分値、又は変化量である対象パラメータのセンシング値を算出する。推定制御部9は、スイッチング素子3がオフの時に整流素子4の電流の流れが制限されないと仮定した場合の、対象パラメータの推定値を算出する。そして、推定制御部9は、対象パラメータのセンシング値が、対象パラメータの推定値に近づくように、スイッチング素子3のオンオフデューティ比D1を変化させる推定制御を行う。
本実施の形態では、推定制御部9が、リアクトル2の電流の値、積分値、微分値、又は変化量を、対象パラメータとしている場合について説明する。まず、推定制御部9が、リアクトル2の電流の値を、対象パラメータとしている場合について説明する。
推定制御部9は、式(9)の第1式に示すように、入力電線20の電圧のセンシング値Vin、出力電線21の電圧のセンシング値Vout、スイッチング素子3のオンオフ制御情報(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)、及びリアクトル2のインダクタンス値Leに基づいて、対象パラメータとしてのリアクトル2の電流の微分値又は変化量(本例では微分値)の推定値を算出し、当該微分値又は変化量の推定値を積分又は積算(本例では積分)して、対象パラメータとしてのリアクトル2の電流の推定値ILeを算出する。
Figure 0006289574
ここで、推定制御部9は、式(9)の第1式に示すように、入力電線20の電圧Vinと、出力電線21の電圧Voutと、スイッチング素子3のオンオフ制御情報との関係式を用いて、リアクトル2の電流の推定値ILeの算出を行っている。この関係式は、上記の式(3)のように、リアクトル2に生じている起電力を、リアクトル2のインダクタンス値で除算すると、リアクトル2の電流の時間変化(微分値)になることを表す物理式を用いている。Vin−(1−D1c)×Voutにより、リアクトル2に生じる起電力の推定値を算出し、この起電力の推定値を、リアクトル2のインダクタンス値Leで除算することにより、リアクトル2の電流の時間変化の推定値を算出し、この電流の時間変化の推定値を積分することにより、リアクトル2の電流の推定値を算出している。なお、−RLe×ILの項は、リアクトル直列抵抗RLを流れるリアクトル電流ILによる電圧降下により、算出されるリアクトル2の起電力が低下することを表しており、以下で説明する共振抑制効果も兼ねているが、共振抑制効果が必要ない場合、又は、演算を簡略化したい場合は、無くてもよい。この関係式は、以下の式(10)から式(14)についても同様である。
本実施の形態では、式(9)の第1式の算出に用いられるリアクトル直列抵抗値RLeは、実際の値よりも大きい値に設定されている。この設定により、デューティ減算値D1rと同様の共振抑制効果が得られる。また、共振抑制効果が必要ない場合は、デューティ減算値D1rの比例係数Krと同様に、リアクトル直列抵抗値RLeを0とすることで演算を簡略化することができる。このリアクトル直列抵抗値RLeの設定は、以下の式(10)から式(14)についても同様である。
本実施の形態では、推定制御部9は、スイッチング素子3のオンオフ制御情報として、推定制御デューティ比D1eにより変化される前のオンオフデューティ比D1(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)を用いている。デューティ比が用いられるので、リアクトル2の電流の推定値ILeは、図5に示すような、PWM周期Tswで振動する値とならず、PWM周期Tswの平均値となる。このように、平均値としても、オンオフデューティ比D1は、PWM周期Tsw毎に変更されるため、制御応答性上は許容で
きる。
なお、推定制御部9は、スイッチング素子3のオンオフ制御情報として、フィードバック制御デューティ比D1cからデッドタイムDdを減算したデューティ比を用いてもよい。或いは、推定制御部9は、スイッチング素子3のオンオフ制御情報として、第1ゲート信号G1がオンのときに1になり、第1ゲート信号G1がオフのときに0になる値を用いてもよい。
推定制御部9は、式(9)の第2式、第3式に示すように、リアクトル2の電流の推定値ILeとリアクトル2の電流のセンシング値ILとの電流偏差ILe_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、推定制御デューティ比D1eを算出する。ここで、KPeは比例ゲインであり、KIeは積分ゲインであり、KDeは微分ゲイ
ンである。なお、このPID制御の代わりに、微分ゲインKDeを0としたPI制御、積
分ゲインKIeを0としたPD制御等の他のフィードバック制御が用いられもよい。
なお、式(9)を離散化した式(10)でも、式(9)と同等の効果が得られる。Tcは制御周期を表す。推定制御部9は、式(9)とは異なり、制御周期Tc間のリアクトル2の電流の変化量の推定値を算出し、当該変化量の推定値を積算して、リアクトル2の電流の推定値ILeを算出している。なお、式(10)を変形した同等のものも使用できる。
Figure 0006289574
次に、推定制御部9が、リアクトル2の電流の微分値を、対象パラメータとしている場合について説明する。推定制御部9は、式(11)の第1式に示すように、式(9)の第1式の微分値の演算部分と同様に、入力電線20の電圧のセンシング値Vin、出力電線21の電圧のセンシング値Vout、スイッチング素子3のオンオフ制御情報(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)、及びリアクトル2のインダクタンス値Leに基づいて、対象パラメータとしてのリアクトル2の電流の微分値の推定値dILe/dtを算出する。
Figure 0006289574
推定制御部9は、式(11)の第2式、第3式に示すように、リアクトル2の電流の微分値の推定値dILe/dtとリアクトル2の電流の微分値のセンシング値dIL/dtとの偏差dILe_error/dtに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、推定制御デューティ比D1eを算出する。
なお、式(11)を離散化した式(12)でも、式(11)と同等の効果が得られる。なお、式(12)を変形した同等のものも使用できる。
Figure 0006289574
なお、式(12)を変形した式のひとつである式(13)も、式(12)と同等の効果が得られる。式(13)において、リアクトル2の電流の推定値ILeが、リアクトル2の電流の推定値の前回値と、制御周期Tc間のリアクトル2の電流の変化量の推定値の和で求められる。
Figure 0006289574
次に、推定制御部9が、リアクトル2の電流の変化量を、対象パラメータとしている場合について説明する。推定制御部9は、式(14)の第1式に示すように、式(10)の第1式の変化量の演算部分と同様に、入力電線20の電圧のセンシング値Vin、出力電線21の電圧のセンシング値Vout、スイッチング素子3のオンオフ制御情報(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)、リアクトル2のインダクタンス値Le、及び制御周期Tcに基づいて、対象パラメータとしてのリアクトル2の電流の変化量の推定値ΔILeを算出する。
Figure 0006289574
推定制御部9は、式(14)の第2式に示すように、前回の制御周期のリアクトル2の電流のセンシング値IL(n−1)と今回の制御周期のリアクトル2の電流のセンシング値IL(n)との差分により、対象パラメータとしてのリアクトル2の電流の変化量のセンシング値ΔILを算出する。そして、推定制御部9は、式(14)の第3式、第4式に示すように、リアクトル2の電流の変化量の推定値ΔILeとリアクトル2の電流の変化量のセンシング値ΔILとの偏差ΔILe_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、推定制御デューティ比D1eを算出する。
推定制御部9の演算に用いられるリアクトル直列抵抗値RLeが実際の値よりも大きい値に設定されている場合は、デューティ減算部10の比例係数Krが0でも共振抑制効果が得られる。デューティ減算部10の比例係数Krが実際のリアクトル直列抵抗値RLより大きい場合は、推定制御部9のリアクトル直列抵抗値RLeが実際のリアクトル直列抵抗値RLと同等以下もしくは0でも共振抑制効果が得られる。しかしながら、推定制御部9とデューティ減算部10の両方が設けられる場合であって、比例係数Krが実際のリアクトル直列抵抗値RLより大きい場合は、推定制御部9のリアクトル直列抵抗値RLeには、比例係数Krと同じ値が用いられる。それにより、リアクトル2の電流の推定値ILeを算出する際に、実際のリアクトル直列抵抗値RLより大きい値に設定された回路で算
出することになるので、リアクトル2の電流の推定値ILeの変化を減少させることができ、推定制御デューティ比D1eの変化を減少させることができる。よって、より大きな共振抑制効果を得ることができる。
以上のように、実施の形態1の直流電力変換器によれば、フィードバック制御部8により、出力電線21の電圧Voutを目標出力電圧Vout*に追従させるフィードバック制御を行いながら、デューティ減算部10による共振抑制効果が得られ、推定制御部9のリアクトル2の電流の推定制御によるデッドタイム補償、もしくは電流不連続モードの応答性改善を行うことができる。さらに、デューティ減算部10に加えて、推定制御部9でもリアクトル直列抵抗値RLeの設定により共振抑制を行うと、デューティ減算部10のみの場合よりもさらに大きな共振抑制効果が得られる。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る直流電力変換器について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る直流電力変換器の基本的な構成及び処理は実施の形態1と同様であるが、対象パラメータ、及び対象パラメータの推定値の算出方法が実施の形態1と異なる。
本実施の形態では、実施の形態1とは異なり、推定制御部9は、出力電線21の電圧の値、積分値、微分値、又は変化量を、対象パラメータとしている。まず、推定制御部9が、出力電線21の電圧の値を、対象パラメータとしている場合について説明する。
推定制御部9は、式(15)の第1式に示すように、リアクトル2の電流のセンシング値IL、出力電線21の電流のセンシング値Iout、スイッチング素子3のオンオフ制御情報(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)、及び出力コンデンサ5の容量値Couteに基づいて、対象パラメータとしての出力電線21の電圧の微分値又は変化量(本例では微分値)の推定値を算出し、当該微分値又は変化量の推定値を積分又は積算(本例では積分)して、対象パラメータとしての出力電線21の電圧の推定値Vouteを算出する。
Figure 0006289574
ここで、推定制御部9は、式(15)の第1式に示すように、リアクトル2の電流ILと、出力電線21の電流Ioutと、スイッチング素子3のオンオフ制御情報と、出力コンデンサ5の容量値Coutとの関係式を用いて、出力電線21の電圧の推定値Vouteの算出を行っている。この関係式は、出力コンデンサ5に蓄えられた電荷を、出力コンデンサ5の容量値で除算した値が、出力コンデンサ5の端子間電圧(出力電線21の電圧)になることを表す物理式である。(1−D1c)×IL−Ioutにより、出力コンデンサ5に流入する電流の推定値を算出し、この流入電流の推定値を積分することにより、出力コンデンサ5に蓄えられる電荷の推定値を算出し、この電荷の推定値を、出力コンデンサ5の容量値Couteで除算することにより、出力コンデンサ5の端子間電圧の推定値を算出している。なお、−Vout/Routeの項は、以下で説明する共振抑制効果のために設けられているが、共振抑制効果が必要ない場合は無くてもよい。また、出力コンデンサ5に流入する電流により生じる電圧降下の推定値を、Rce×{(1−D1c)×IL−Iout}により算出し、この電圧降下の推定値を、出力コンデンサ5の端子間電圧の推定値に加算して、出力電線21の電圧の推定値Vouteを算出している。なお、この電圧降下の項は、以下で説明する共振抑制効果も兼ねているが、共振抑制効果が必要ない場合、又は、演算を簡略化したい場合は、無くてもよい。この関係式は、以下の式(16)から式(20)についても同様である。
式(15)の第1式の算出に用いられる、負荷6の抵抗値Routeは、実際より小さな値に設定されている。この設定により、小さな抵抗値Routが接続されているように制御的に見せかけることにより、共振抑制効果が得られる。また、共振抑制効果が必要ない場合は、負荷6の抵抗値Routeを無限大とすることで演算を簡略化することができる。
本実施の形態では、式(15)の第1式の算出に用いられる出力コンデンサ5の直列等価抵抗の抵抗値Rceは、実際の値より大きい値に設定されている。この設定により、大きな抵抗値Rcが接続されているように制御的に見せかけることにより、共振抑制効果が得られる。また、共振抑制効果が必要ない場合は、出力コンデンサ5の抵抗値Rceを0とすることで演算を簡略化することができる。これらの負荷6の抵抗値Route、出力コンデンサ5の抵抗値Rceの設定は、以下の式(16)から式(20)についても同様である。
推定制御部9は、式(15)の第2式、第3式に示すように、出力電線21の電圧の推定値Vouteと出力電線21の電圧のセンシング値Voutとの電圧偏差Voute_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、推定制御デューティ比D1eを算出する。ここで、KPeは比例ゲインであり、KIeは積分ゲインであり、KDeは微分ゲインである。なお、このPID制御の代わりに、微分ゲインKDeを0としたPI制御、積分ゲインKIeを0としたPD制御等の他のフィードバック制御が用いられ
もよい。
なお、式(15)を離散化した式(16)でも、式(15)と同等の効果が得られる。Tcは制御周期を表す。推定制御部9は、式(15)とは異なり、制御周期Tc間の出力電線21の電圧の変化量の推定値を算出し、当該変化量の推定値を積算して、出力電線21の電圧の推定値Vouteを算出している。なお、式(16)を変形した同等のものも使用できる。
Figure 0006289574
次に、推定制御部9が、出力電線21の電圧の微分値を、対象パラメータとしている場合について説明する。推定制御部9は、式(17)の第1式に示すように、式(15)の第1式の微分値の演算部分と同様に、リアクトル2の電流のセンシング値IL、出力電線21の電流のセンシング値Iout、スイッチング素子3のオンオフ制御情報(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)、及び出力コンデンサ5の容量値Couteに基づいて、対象パラメータとしての出力電線21の電圧の微分値の推定値dVoute/dtを算出する。
Figure 0006289574
推定制御部9は、式(17)の第2式、第3式に示すように、出力電線21の電圧の微分値の推定値dVoute/dtと出力電線21の電圧の微分値のセンシング値dVout/dtとの偏差dVoute_error/dtに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、推定制御デューティ比D1eを算出する。
なお、式(17)を離散化した式(18)でも、式(17)と同等の効果が得られる。式(18)では式の複雑化を防ぐために負荷6の抵抗値Routeを0にしている。式(18)を変形した同等のものも使用できる。
Figure 0006289574
なお、式(18)を変形した式のひとつである式(19)も、式(18)と同等の効果が得られる。式(19)において、出力電線21の電圧の推定値Vouteが、出力電線21の電圧の推定値の前回値と、制御周期Tc間の出力電線21の電圧の変化量の推定値の和で求められる。
Figure 0006289574
次に、推定制御部9が、出力電線21の電圧の変化量を、対象パラメータとしている場合について説明する。推定制御部9は、式(20)の第1式に示すように、式(16)の第1式の変化量の演算部分と同様に、リアクトル2の電流のセンシング値IL、出力電線21の電流のセンシング値Iout、スイッチング素子3のオンオフ制御情報(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)、出力コンデンサ5の容量値Coute、及び制御周期Tcに基づいて、対象パラメータとしての出力電線21の電圧の変化量の推定値ΔVouteを算出する。
Figure 0006289574
推定制御部9は、式(20)の第2式に示すように、前回の制御周期の出力電線21の電圧のセンシング値Vout(n−1)と今回の制御周期の出力電線21の電圧のセンシング値Vout(n)との差分により、対象パラメータとしての出力電線21の電圧の変化量のセンシング値ΔVoutを算出する。そして、推定制御部9は、式(20)の第3式、第4式に示すように、出力電線21の電圧の変化量の推定値ΔVouteと出力電線21の電圧の変化量のセンシング値ΔVoutとの偏差ΔVoute_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、推定制御デューティ比D1eを算出する。
推定制御部9の演算に用いられる出力コンデンサ5の直列等価抵抗の抵抗値Rceが、実際の値よりも大きい値に設定されている場合は、デューティ減算部10の比例係数Kr
が0でも共振抑制効果が得られる。また、推定制御部9の演算に用いられる負荷6の抵抗値Routeが、実際の値よりも小さい値に設定されている場合は、デューティ減算部10の比例係数Krが0でも共振抑制効果が得られる。
以上のように、実施の形態2の直流電力変換器によれば、フィードバック制御部8により、出力電線21の電圧Voutを目標出力電圧Vout*に追従させるフィードバック制御を行いながら、デューティ減算部10による共振抑制効果が得られ、推定制御部9の出力電線21の電圧の推定制御によるデッドタイム補償、もしくは電流不連続モードの応答性改善を行うことができる。
3.実施の形態3
次に、実施の形態3に係る直流電力変換器について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る直流電力変換器の基本的な構成及び処理は実施の形態1と同様であるが、対象パラメータの推定値の算出方法が実施の形態1及び2と異なる。
上記の実施の形態1では、リアクトル2のインダクタンスにより生じるリアクトル2の電流の時間変化を考慮して、リアクトル2の電流の推定値を算出していた。本実施の形態では、上記の式(4)で説明したように、リアクトル2の電流の時間変化を考慮せずに、定常状態であるものとして、対象パラメータの推定値を算出する。ここでは、出力電線21の電圧の値が対象パラメータとされている場合について説明する。
本実施の形態では、実施の形態2とは異なり、式(21)の第1式に示すように、入力電線20の電圧のセンシング値Vin、スイッチング素子3のオンオフ制御情報(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)に基づいて、対象パラメータとしての出力電線21の電圧の推定値Vouteを算出する。
Figure 0006289574
ここで、推定制御部9は、式(21)の第1式に示すように、入力電線20の電圧Vinと、スイッチング素子3のオンオフ制御情報との関係式を用いて、出力電線21の電圧の推定値Vouteの算出を行っている。この関係式は、リアクトル2の電流の時間変化がない、定常状態であると仮定した場合は、Vin/(1−D1c)が、出力電線21の電圧になることを表す物理式である。なお、−RLe×ILの項は、リアクトル直列抵抗RLを流れるリアクトル電流ILによる電圧降下により、出力電線21の電圧が低下することを表しており、以下で説明する共振抑制効果も兼ねているが、共振抑制効果が必要ない場合、又は、演算を簡略化したい場合は、無くてもよい。なお、実施の形態1、2と同様に、式(21)を変形、離散化した同等のものも使用できる。
本実施の形態では、式(21)の第1式の算出に用いられるリアクトル直列抵抗値RLeは、実際の値よりも大きい値に設定されている。この設定により、デューティ減算値D1rと同様の共振抑制効果が得られる。また、共振抑制効果が必要ない場合は、デューテ
ィ減算値D1rの比例係数Krと同様に、リアクトル直列抵抗値RLeを0とすることで演算を簡略化することができる。
推定制御部9は、式(21)の第2式、第3式に示すように、出力電線21の電圧の推定値Vouteと出力電線21の電圧のセンシング値Voutとの電圧偏差Voute_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、推定制御デューティ比D1eを算出する。ここで、KPeは比例ゲインであり、KIeは積分ゲインであり、KDeは微分ゲインである。なお、このPID制御の代わりに、微分ゲインKDeを0としたPI制御、積分ゲインKIeを0としたPD制御等の他のフィードバック制御が用いられ
もよい。
デューティ減算値D1rは省略することもできるが省略しない場合、リアクトル2の電流ILが増えるとオンオフデューティ比D1が減り、リアクトル2の電流ILが減るとオンオフデューティ比D1が増える。そのため、推定制御を行わない場合、又は実施の形態1、実施の形態2の演算方法では、図7に示すように負荷変動時に動作領域A、動作領域C、動作領域Eでも出力電線21の電圧Voutが変動する。本実施の形態における式(21)の第1式のリアクトル直列抵抗値RLeを0とおけば、フィードバック制御デューティ比D1cに対応する出力電線21の電圧が推定値Vouteに設定され、推定値Vouteに追従するように、オンオフデューティ比D1が変化される。その結果、オンオフデューティ比D1が、フィードバック制御デューティ比D1cになるように制御されるため、動作領域A、動作領域C、動作領域Eでの出力電線21の電圧Voutの変動を抑えることが可能である。
以上のように、実施の形態3の直流電力変換器によれば、フィードバック制御部8により、出力電線21の電圧Voutを目標出力電圧Vout*に追従させるフィードバック制御を行いながら、デューティ減算部10による共振抑制効果が得られ、推定制御部9の出力電線21の電圧の推定制御によるデッドタイム補償、もしくは電流不連続モードの応答性改善を行うことができる。
4.実施の形態4
次に、実施の形態4に係る直流電力変換器について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。図8は、実施の形態4に係る直流電力変換器の構成図である。実施の形態1とは異なり、コンバータ部7は、リアクトル、スイッチング素子、及び整流素子を有する変換回路を複数組備えている。複数組の変換回路が並列的に設けられ、インターリーブ構成とされている。本実施形態では、変換回路を2組備えている。すなわち、第1組の変換回路は、第1リアクトル2a、第1スイッチング素子3a、及び第1整流素子4aとしての第1同期整流用スイッチング素子4aを備えている。第2組の変換回路は、第2リアクトル2b、第2スイッチング素子3b、及び第2整流素子4bとしての第2同期整流用スイッチング素子4bを備えている。
出力電線21の正側と負側の間には、正側から第1同期整流用スイッチング素子4a、第1スイッチング素子3aが直列接続された第1直列回路と、正側から第2同期整流用スイッチング素子4b、第2スイッチング素子3bが直列接続された第2直列回路と、が設けられている。
第1リアクトル2aの一端は、入力電線20の正側に接続され、第1リアクトル2aの他端は、第1同期整流用スイッチング素子4aと第1スイッチング素子3aとの接続点に接続されている。第2リアクトル2bの一端は、入力電線20の正側に接続され、第2リアクトル2bの他端は、第2同期整流用スイッチング素子4bと第2スイッチング素子3bとの接続点に接続されている。出力コンデンサ5は、スイッチング素子及び整流素子よ
りも負荷6側の出力電線21の正側と負側の間に接続されており、出力電線21の電圧Voutを平滑化する。
直流電力変換器は、入力電線20の電圧Vinをセンシングする入力電線電圧センサと、第1リアクトル2aを流れる電流IL1をセンシングする第1リアクトル電流センサと、第2リアクトル2bを流れる電流IL2をセンシングする第2リアクトル電流センサと、出力電線21の電圧Voutをセンシングする出力電線電圧センサと、出力電線21から負荷6側に流れる電流をセンシングする出力電流センサと、を備えている(不図示)。制御部13は、各センサの出力信号に基づいて、各パラメータのセンシング値を算出する。
制御部13は、第1及び第2スイッチング素子3a、3b共用のフィードバック制御部8、第1スイッチング素子3a用の第1推定制御部9a、第2スイッチング素子3b用の第2推定制御部9b、及び第1及び第2スイッチング素子3a、3b共用のデューティ減算部10を備えている。また、制御部13は、実施の形態1と同様に、デッドタイムDdを算出するデッドタイム生成部11を備えている。
本実施の形態では、制御部13は、式(22)の第1式に示すように、フィードバック制御により算出されたフィードバック制御デューティ比D1cに、第1推定制御部9aの推定制御により算出された第1推定制御デューティ比D1eを加算し、デューティ減算により算出されたデューティ減算値D1rを減算して、最終的な第1スイッチング素子3a用の第1オンオフデューティ比D1を算出する。また、制御部13は、式(22)の第2式に示すように、フィードバック制御により算出されたフィードバック制御デューティ比D1cに第2推定制御部9bの推定制御により算出された第2推定制御デューティ比D2eを加算し、デューティ減算により算出されたデューティ減算値D1rを減算して、最終的な第2スイッチング素子3b用の第2オンオフデューティ比D2を算出する。
Figure 0006289574
フィードバック制御部8は、実施の形態1と同様に、式(6)を用いて、目標出力電圧Vout*と出力電線21の電圧のセンシング値Voutとの電圧偏差Vout_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、フィードバック制御デューティ比D1cを算出する。
デューティ減算部10は、式(23)に示すように、第1リアクトル2aの電流のセンシング値IL1と第2リアクトル2bの電流のセンシング値IL2との合計電流値に比例係数Krを乗算して、デューティ減算値D1rを算出する。
Figure 0006289574
PWM信号発生部12は、各組のスイッチング素子3a、3bを代わる代わるオンするインターリーブ制御を行う。PWM信号発生部12は、PWM周期Tswを組数で除算した周期(本例では、Tsw/2)だけ互いに位相をずらして、各組のスイッチング素子3
a、3bをオンする。
本実施の形態では、図9に示すように、PWM信号発生部12は、第1組と第2組で共通のキャリア波CAを生成する。キャリア波CAは、PWM周期Tswで0と1の間を振動する三角波とされる。PWM信号発生部12は、第1オンオフデューティ比D1からデッドタイムDdを減算して算出した第1スイッチング素子3a用の第1コンペアレベルTH1(=D1−Dd)と、キャリア波CAとを比較し、第1スイッチング素子3aをオンオフする第1ゲート信号G1を生成する。また、PWM信号発生部12は、第1オンオフデューティ比D1にデッドタイムDdを加算して算出した第1同期整流用スイッチング素子4a用の第2コンペアレベルTH2(=D1+Dd)と、キャリア波CAとを比較し、第1同期整流用スイッチング素子4aをオンオフする第2ゲート信号G2を生成する。
PWM信号発生部12は、1から第2オンオフデューティ比D2を減算すると共にデッドタイムDdを加算して算出した第2スイッチング素子3b用の第3コンペアレベルTH3(=1−D2+Dd)と、キャリア波CAとを比較し、第2スイッチング素子3bをオンオフする第3ゲート信号G3を生成する。また、PWM信号発生部12は、1から第2オンオフデューティ比D2及びデッドタイムDdを減算して算出した第2同期整流用スイッチング素子4b用の第4コンペアレベルTH4(=1−D2−Dd)と、キャリア波CAとを比較し、第2同期整流用スイッチング素子4bをオンオフする第4ゲート信号G4を生成する。
第1組では、PWM信号発生部12は、キャリア波CAが第1コンペアレベルTH1よりも小さい場合は、第1ゲート信号G1をオンに設定し、それ以外の場合は、第1ゲート信号G1をオフに設定する。PWM信号発生部12は、キャリア波CAが第2コンペアレベルTH2よりも大きい場合は、第2ゲート信号G2をオンに設定し、それ以外の場合は、第2ゲート信号G2をオフに設定する。第2組では、第1組と逆位相になるように、PWM信号発生部12は、キャリア波CAが第3コンペアレベルTH3よりも大きい場合は、第3ゲート信号G3をオンに設定し、それ以外の場合は、第1ゲート信号G1をオフに設定する。PWM信号発生部12は、キャリア波CAが第4コンペアレベルTH4よりも小さい場合は、第4ゲート信号G4をオンに設定し、それ以外の場合は、第4ゲート信号G4をオフに設定する。
本実施の形態では、第1及び第2推定制御部9a、9bは、リアクトルの電流を対象パラメータとしている。第1及び第2推定制御部9a、9bは、式(24)の第1式に示すように、各組で共通する1つのリアクトルの電流の推定値ILeを算出している。推定制御部9は、式(9)の第1式と同様に、入力電線20の電圧のセンシング値Vin、出力電線21の電圧のセンシング値Vout、スイッチング素子3のオンオフ制御情報(本例では、フィードバック制御デューティ比D1c)、及びリアクトルのインダクタンス値Leに基づいて、対象パラメータとしてのリアクトルの電流の微分値の推定値を算出し、当該微分値の推定値を積分して、対象パラメータとしての共通のリアクトルの電流の推定値ILeを算出する。リアクトルのインダクタンス値Leは、第1リアクトル2aのインダクタンス値L1と第2リアクトル2bのインダクタンス値L2の平均値とされている。
Figure 0006289574
−RLe×ILの項は、式(9)の第1式と同様に、リアクトル直列抵抗RLを流れるリアクトル電流ILによる電圧降下により、算出されるリアクトルの起電力が低下することを表しており、以下で説明する共振抑制効果も兼ねているが、共振抑制効果が必要ない場合、又は、演算を簡略化したい場合は、無くてもよい。リアクトル直列抵抗値RLeは、第1リアクトル2aのリアクトル直列抵抗値RL1と第2リアクトル2bのリアクトル直列抵抗値RL2との平均値が用いられてもよいが、本実施の形態では、実際の平均値よりも大きい値に設定されている。リアクトルの電流のセンシング値ILは、第1リアクトル2aの電流IL1と第2リアクトル2bの電流IL2の平均値が用いられる。
推定制御部9は、式(24)の第2式、第3式に示すように、共通のリアクトルの電流の推定値ILeと第1リアクトル2aの電流のセンシング値IL1との電流偏差ILe1_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、第1推定制御デューティ比D1eを算出する。また、式(24)の第4式、第5式に示すように、共通のリアクトルの電流の推定値ILeと第2リアクトル2bの電流のセンシング値IL2との電流偏差ILe2_errorに対して、比例演算、積分演算、及び微分演算を行って、第2推定制御デューティ比D2eを算出する。ここで、KPeは比例ゲインであり、KIeは積分ゲインであり、KDeは微分ゲインである。なお、このPID制御の代わりに、微分ゲインKDeを0としたPI制御、積分ゲインKIeを0としたPD制御等の他のフィードバック制御が用いられてもよい。
なお実施の形態1と同様に、式(24)を離散化したものや、対象パラメータとして、リアクトルの電流の代わりに、リアクトルの電流の微分値、変化量を用いた形のものを用いてもよい。
ここで、第1及び第2推定制御デューティ比D1e、D2eの算出において、共通のリアクトルの電流の推定値ILeを用いることで、第1リアクトル2aの電流IL1と第2リアクトル2bの電流IL2とを一致させることができ、効率、スイッチング素子及びダイオードのサージ電圧及び発熱において、第1組の変換回路と第2組の変換回路との状態を揃えて、双方とも、最もよい電流状態で動作させることができる。
以上のように、実施の形態4の直流電力変換器によれば、フィードバック制御部8により、出力電線21の電圧Voutを目標出力電圧Vout*に追従させるフィードバック制御を行いながら、デューティ減算部10による共振抑制効果が得られ、推定制御部9の出力電線21の電圧の推定制御によるデッドタイム補償、もしくは電流不連続モードの応答性改善を行うことができ、第1リアクトル2aの電流IL1と第2リアクトル2bの電流IL2とを一致させて、効率、スイッチング素子及びダイオードのサージ電圧及び発熱
において、最もよい電流状態で動作させることができる。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態においては、整流素子4が同期整流用スイッチング素子4とされており、スイッチング素子3に加えて、同期整流用スイッチング素子4もオンオフ制御されるように構成されている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、図10のように、整流素子4がダイオード4とされ、スイッチング素子3のみがオンオフ制御されるように構成されてもよい。
(2)上記の各実施の形態においては、コンバータ部7は、リアクトル2、スイッチング素子3、整流素子4としての同期整流用スイッチング素子4、及び出力コンデンサ5を1つずつ有し、昇圧動作及び降圧動作が可能な双方向の直流変換回路とされている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、入力電線と出力電線の間で直流電力を変換する直流電力変換器であって、コンバータ部が、リアクトル、スイッチング素子、ダイオード又はダイオードの役割をする同期整流用スイッチング素子からなる整流素子、及び出力電線に接続された出力コンデンサを少なくとも1つずつ有するものであれば、どのような種類の直流電力変換器(DC−DCコンバータ)が用いられてもよい。例えば、図11から図23の回路図に示すような、昇圧、降圧、トランス絶縁型、インターリーブ構成型などの直流電力変換器が用いられてもよい。図11から図23において、20は入力電線を表し、21は出力電線を表し、2、2a、2b、2cはリアクトル、リアクトルとして機能するトランス、又は磁気結合リアクトルを表し、3、3a、3b、3c、3dはスイッチング素子を表し、4、4a、4b、4c、4dは整流素子としてのダイオードを表し、5は出力コンデンサを表し、22、22a、22bは充放電コンデンサを表し、1は直流電源を表し、6は負荷を表し、7はコンバータ部を表している。なお、4、4a、4b、4c、4dは、ダイオードに代えて、同期整流用スイッチング素子とされてもよい。図11から図23では、図1、図8、図10で図示していた抵抗成分については省略している。
(3)上記の各実施の形態においては、直流電力変換器に用いられるスイッチング素子3、及び同期整流用スイッチング素子4は、シリコン(Si)半導体を用いている場合を例に説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、直流電力変換器に用いられるスイッチング素子、ダイオードの一部又は全部は、シリコン(Si)よりもバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体を用いてもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、例えば、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドを用いてもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、シリコン(Si)半導体と比べ、低損失であることからスイッチング周波数(PWM周期)の高速化が可能である。スイッチング周波数と制御周波数(制御周期)は、相関関係にあり、スイッチング周波数を上げると制御周波数も同時に上げることが可能である。制御周波数が上がることにより、推定制御の追従速度が上がるため、デッドタイム補償時又は不連続モード動作時の出力電線21の電圧変動を抑える効果が大きくなる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
2 リアクトル、3 スイッチング素子、4 同期整流用スイッチング素子(整流素子)
、5 出力コンデンサ、7 コンバータ部、13 制御部、20 入力電線、21 出力電線、Coute 出力コンデンサの容量値、D1 スイッチング素子のオンオフデューティ比、D1c フィードバック制御デューティ比、D1e 推定制御デューティ比、D1r デューティ減算値、Dd デッドタイム、IL リアクトルの電流のセンシング値、ILe リアクトルの電流の推定値、Iout 出力電線の電流のセンシング値、Le リアクトルのインダクタンス値、RLe リアクトル直列抵抗値、Rce 出力コンデンサの直列等価抵抗の抵抗値、Route 負荷の抵抗値、Tc 制御周期、Vin 入力電線の電圧のセンシング値、Vout* 目標出力電圧、Vout 出力電線の電圧のセンシング値、Voute 出力電線の電圧の推定値、dIL/dt リアクトルの電流の微分値のセンシング値、dILe/dt リアクトルの電流の微分値の推定値、dVout/dt 出力電線の電圧の微分値のセンシング値、dVoute/dt 出力電線の電圧の微分値の推定値、ΔIL リアクトルの電流の変化量のセンシング値、ΔILe リアクトルの電流の変化量の推定値、ΔVout 出力電線の電圧の変化量のセンシング値、ΔVoute 出力電線の電圧の変化量の推定値

Claims (18)

  1. 入力電線と出力電線の間で直流電力を変換する直流電力変換器であって、
    リアクトル、スイッチング素子、ダイオード又はダイオードの役割をする同期整流用スイッチング素子からなる整流素子、及び前記出力電線に接続された出力コンデンサを少なくとも1つずつ有するコンバータ部と、
    前記スイッチング素子をオンオフ制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記コンバータ部の対象箇所の電圧又は電流についての値、積分値、微分値、又は変化量である対象パラメータのセンシング値を算出すると共に、
    前記スイッチング素子をオフに制御した時に前記整流素子の電流の流れが制限されないと仮定した場合の、前記対象パラメータの推定値を算出し、
    前記対象パラメータのセンシング値が、前記対象パラメータの推定値に近づくように、前記スイッチング素子のオンオフデューティ比を変化させる推定制御を行う直流電力変換器。
  2. 前記制御部は、前記リアクトルの電流の値、積分値、微分値、又は変化量を、前記対象パラメータとしている請求項1に記載の直流電力変換器。
  3. 前記制御部は、前記リアクトルの電流の変化量を、前記対象パラメータとし、
    前回の制御周期の前記リアクトルの電流のセンシング値と今回の前記制御周期の前記リアクトルの電流のセンシング値との差分により、前記対象パラメータとしての前記リアクトルの電流の変化量のセンシング値を算出し、
    前記入力電線の電圧のセンシング値、前記出力電線の電圧のセンシング値、前記スイッチング素子のオンオフ制御情報、前記リアクトルのインダクタンス値、及び前記制御周期に基づいて、前記対象パラメータとしての前記リアクトルの電流の変化量の推定値を算出する請求項1又は2に記載の直流電力変換器。
  4. 前記制御部は、前記リアクトルの電流の値を、前記対象パラメータとし、
    前記リアクトルの電流のセンシング値を算出し、
    前記入力電線の電圧のセンシング値、前記出力電線の電圧のセンシング値、前記スイッチング素子のオンオフ制御情報、及び前記リアクトルのインダクタンス値に基づいて、前記対象パラメータとしての前記リアクトルの電流の微分値又は変化量の推定値を算出し、当該微分値又は変化量の推定値を積分又は積算して、前記対象パラメータとしての前記リアクトルの電流の推定値を算出する請求項1又は2に記載の直流電力変換器。
  5. 前記制御部は、前記リアクトルの電流の微分値を、前記対象パラメータとし、
    前記リアクトルの電流の微分値のセンシング値を算出し、
    前記入力電線の電圧のセンシング値、前記出力電線の電圧のセンシング値、前記スイッチング素子のオンオフ制御情報、及び前記リアクトルのインダクタンス値に基づいて、前記対象パラメータとしての前記リアクトルの電流の微分値の推定値を算出する請求項1又は2に記載の直流電力変換器。
  6. 前記制御部は、前記リアクトルの直流等価抵抗、及び前記リアクトルに直列接続された抵抗成分の総和であるリアクトル直列抵抗値を用いて、前記対象パラメータの推定値の算出を行い、
    前記リアクトル直列抵抗値は、実際の値よりも大きい値に設定されている請求項2から5のいずれか一項に記載の直流電力変換器。
  7. 前記コンバータ部は、前記リアクトル、前記スイッチング素子、及び前記整流素子を有する変換回路を複数組備え、
    前記制御部は、各組の前記スイッチング素子を代わる代わるオンするインターリーブ制御し、
    前記リアクトルの電流を前記対象パラメータとし、
    各組の前記リアクトルの電流のセンシング値を算出し、
    各組で共通する1つの前記リアクトルの電流の推定値を算出し、
    各組について、前記リアクトルの電流のセンシング値が、共通の前記リアクトルの電流の推定値に近づくように、前記スイッチング素子のオンオフデューティ比を変化させる請求項2から6のいずれか一項に記載の直流電力変換器。
  8. 前記制御部は、前記出力電線の電圧の値、積分値、微分値、又は変化量を、前記対象パラメータとしている請求項1に記載の直流電力変換器。
  9. 前記制御部は、前記出力電線の電圧の変化量を、前記対象パラメータとし、
    前回の制御周期の前記出力電線の電圧のセンシング値と今回の前記制御周期の前記出力電線の電圧のセンシング値との差分により、前記対象パラメータとしての前記出力電線の電圧の変化量のセンシング値を算出し、
    前記リアクトルの電流のセンシング値、前記出力電線の電流のセンシング値、前記スイッチング素子のオンオフ制御情報、前記出力コンデンサの容量値、及び前記制御周期に基づいて、前記対象パラメータとしての前記出力電線の電圧の変化量の推定値を算出する請求項1又は8に記載の直流電力変換器。
  10. 前記制御部は、前記出力電線の電圧の値を、前記対象パラメータとし、
    前記出力電線の電圧のセンシング値を算出し、
    前記リアクトルの電流のセンシング値、前記出力電線の電流のセンシング値、前記スイッチング素子のオンオフ制御情報、及び前記出力コンデンサの容量値に基づいて、前記対象パラメータとしての前記出力電線の電圧の微分値又は変化量の推定値を算出し、当該微分値又は変化量の推定値を積分又は積算して、前記対象パラメータとしての前記出力電線の電圧の推定値を算出する請求項1又は8に記載の直流電力変換器。
  11. 前記制御部は、前記出力電線の電圧の微分値を、前記対象パラメータとし、
    前記出力電線の電圧の微分値のセンシング値を算出し、
    前記リアクトルの電流のセンシング値、前記出力電線の電流のセンシング値、前記スイッチング素子のオンオフ制御情報、前記出力コンデンサの容量値、及び制御周期に基づいて、前記対象パラメータとしての前記出力電線の電圧の微分値の推定値を算出する請求項1又は8に記載の直流電力変換器。
  12. 前記制御部は、前記出力電線に接続された負荷の抵抗値を用いて、前記対象パラメータの推定値の算出を行い、
    前記負荷の抵抗値は、実際の値よりも小さい値に設定されている請求項8から11のいずれか一項に記載の直流電力変換器。
  13. 前記制御部は、前記出力コンデンサの直列等価抵抗の抵抗値を用いて、前記対象パラメータの推定値の算出を行い、
    前記直列等価抵抗の抵抗値は、実際の値より大きい値に設定されている請求項8から12のいずれか一項に記載の直流電力変換器。
  14. 前記制御部は、前記入力電線の電圧と、前記出力電線の電圧と、前記スイッチング素子のオンオフ制御情報との関係式を用いて、前記対象パラメータの推定値の算出を行う請求項2から7のいずれか一項に記載の直流電力変換器。
  15. 前記制御部は、前記リアクトルの電流と、前記出力電線の電流と、前記スイッチング素子のオンオフ制御情報と、前記出力コンデンサの容量値との関係式を用いて、前記対象パラメータの推定値の算出を行う請求項8から13のいずれか一項に記載の直流電力変換器。
  16. 前記制御部は、前記推定制御に加えて、前記出力電線の電圧のセンシング値が目標出力電圧に近づくように前記オンオフデューティ比を変化させるフィードバック制御と、前記リアクトルの電流のセンシング値に比例係数を乗算した値だけ、前記オンオフデューティ比を減少させるデューティ減算とを行う請求項1から15のいずれか一項に記載の直流電力変換器。
  17. 前記スイッチング素子及び前記同期整流用スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体を用いている請求項1から16のいずれか一項に記載の直流電力変換器。
  18. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドを用いている請求項17に記載の直流電力変換器。
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