JP6440311B2 - 板部材の連結構造、椅子の荷重支持構造、及び椅子 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された椅子のクッション座板取付構造は、椅子本体の水平板部の上面の前縁寄りに先端が後方を向いたフックを複数個横並状に突設すると共に、該水平板部の中央から後方寄りにわたり数個の取付孔を開設し、上面にクッション材を張設してなる座板の前縁寄りにはフックが係合する係合孔を開設し、さらに該座板の下面に取付孔に着脱自在に嵌着し得る拡張自在な先端部を有した硬弾性プラスチック製のダボを設けてなる。
特許文献1に記載された椅子のクッション座板取付構造において、座板の後方は、座板が水平板部に対し第2方向に相対移動することにより係合するが、座板の前方は水平板部に係合した係合状態にあるため、第2方向は厳密には水平板部の板面に垂直な方向ではなく、所定角度傾斜した方向となる。そうすると、座板の後方の位置がばらつき易く、ダボと取付孔とを係合させる係合作業が行い難くなる。また、ダボの位置が、座板の前方に近接している場合には、座板を第2方向に相対移動させるための距離を十分に確保できず、係合作業が行い難くなる。
この発明に係る板部材の連結構造は、板面を合わせて第1板部材と第2板部材とを連結する板部材の連結構造であって、前記板面に沿う第1方向の相対移動によって前記第1板部材と前記第2板部材とを係合させて、前記第1板部材と前記第2板部材とを回動自在に連結する第1連結部と、前記第1方向において前記第1連結部から離間して設けられ、係合によって前記第1板部材と前記第2板部材との回動を規制する第2連結部と、を有し、前記第2連結部は、前記第1板部材及び前記第2板部材の一方に設けられた係合部と、前記第1板部材及び前記第2板部材の他方に設けられ、前記第1方向の相対移動によって前記係合部が係合する第1開口部、及び、前記板面と交差する第2方向の相対移動によって前記係合部が係合する第2開口部を有する被係合部と、を有する、ことを特徴とするものである。
この構成によれば、第1板部材と第2板部材とを回動自在に連結する第1連結部から離間して設けられた第2連結部において、板面に沿う第1方向の相対移動、及び、板面に交差する第2方向の相対移動の二方向での係合が可能となる。このため、例えば、第1連結部から離間した位置において、第1板部材と第2板部材との相対位置がばらついた場合に、第2方向の代わりに第1方向の相対移動によって、第1板部材と第2板部材とを連結させることができる。このため、第1板部材と第2板部材の係合作業を行い易くすることができる。
この構成によれば、第3連結部を設け、第1板部材と前記第2板部材との回動、及び、第1板部材と第2板部材との前記第1方向の相対移動を規制することで、第1連結部及び第2連結部の係合状態の解除を防止することができる。第3連結部は、第2方向の相対移動によって第1板部材と第2板部材とを係合させるものであるが、第1方向において第1連結部に対し第2連結部よりも離間して設けられており、第2方向に相対移動させるための距離を十分に確保できるため、係合作業が行い易い。
この構成によれば、被係合部に移動規制部を設け、第1方向において第1開口部が設けられる側と反対側への係合部の相対移動を規制することで、係合部が被係合部を通り過ぎることによる係合状態の解除を防止することができる。また、第1方向において第1連結部と同じ方向に相対移動させる場合、第2連結部と共に第1連結部の係合状態の解除を防止することができ、係合作業が行い易い。
この構成によれば、第2方向に起立する壁部が第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延在しているため、広い面積で係合部を受けることができ、第2連結部における係合状態の解除を防止し易くすることができる。
この構成によれば、第1方向に延在する一対の爪部が、第2方向に起立し、第3方向に延在する壁部に接続されるため、被係合部が略箱状となり、被係合部の剛性を高めることができる。このため、係合部が弾性変形するものである場合、係合部と被係合部とを接触させたときに、係合部側を弾性変形させ易くすることができる。
この構成によれば、外殻部材と内殻部材との係合作業が行い易いため、低コストで椅子の荷重支持構造を製造できる。
この構成によれば、低コストで椅子の荷重支持構造を製造できるため、低コストで椅子を製造できる。また、椅子の荷重支持構造の外殻部材と内殻部材の相対位置のバラツキも生じ難いため、長期に亘って使用できる椅子が得られる。
図1に示すように、本実施形態の椅子1は、脚部2と、支基3と、座4と、背凭れ5と、肘掛6と、を有する。
図2に示すように、本実施形態の座4は、外殻部材20(第1板部材)と、内殻部材30(第2板部材)と、外装部材40と、を有する椅子の荷重支持構造10(以下、単に荷重支持構造10と称する)を備える。
連結構造100は、前方で外殻部材20と内殻部材30とを連結する第1連結部101と、第1連結部101よりも後方で外殻部材20と内殻部材30とを連結する第2連結部102と、第2連結部102よりも後方で外殻部材20と内殻部材30とを連結する第3連結部103と、を有する。なお、外殻部材20には、支基3の2本のアーム3a1と連結するための2本の連結溝20c(図2参照)が形成されている。
また、内殻部材30には、図6に示すように、第3連結部103を構成する第3被係合部33が設けられている。第3被係合部33は、上下方向に貫通する孔部である。
図12に示すように、壁部29は、上下方向に起立し、左右方向に延在している。一対の第2被係合爪部28は、上下方向に起立し、前後方向に延在すると共に、壁部29に接続されている。これにより、第2被係合部27は、前方及び上方が開口する略箱状に形成される。第2被係合部27の前方に形成された第1開口部27aからは、前後方向の相対移動によって第2係合部35が係合可能な構成となっている。また、第2被係合部27の上方に形成された第2開口部27bからは、上下方向の相対移動によって第2係合部35が係合可能な構成となっている。
外殻部材20と内殻部材30とを係合させる場合、先ず、第1連結部101における係合作業を行う。具体的には、板面20aに沿う前後方向の相対移動によって外殻部材20の第1被係合部22と内殻部材30の第1係合部32とを係合させる。これにより、内殻部材30を、前方を回動支点として外殻部材20に回動自在に連結する。
さらに、第2被係合部27は、前後方向に延在し、左右方向で対向する一対の第2被係合爪部28を有し、一対の第2被係合爪部28は、壁部29に接続されている。この構成によれば、第2被係合部27が略箱状となり、第2被係合部27の剛性を高めることができる。このため、本実施形態のように、第2係合部35が弾性変形するものである場合、第2係合部35と第2被係合部27とを接触させたときに、第2係合部35側を弾性変形させ易くすることができ、係合作業が行い易い。
また、上記実施形態では、第3係合部26を外殻部材20に設け、第3被係合部33を内殻部材30に設けた構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、第3係合部26を内殻部材30に設け、第3被係合部33を外殻部材20に設ける構成であってもよい。
4 座
5 背凭れ
10 荷重支持構造(椅子の荷重支持構造)
20 外殻部材(第1板部材)
20a 板面
27 第2被係合部(被係合部)
27a 第1開口部
27b 第2開口部
28 一対の第2被係合爪部(一対の爪部)
29 壁部
30 内殻部材(第2板部材)
30a 板面
35 第2係合部(係合部)
40 外装部材
100 連結構造(板部材の連結構造)
101 第1連結部
102 第2連結部
103 第3連結部
Claims (7)
- 板面を合わせて第1板部材と第2板部材とを連結する板部材の連結構造であって、
前記板面に沿う第1方向の相対移動によって前記第1板部材と前記第2板部材とを係合させて、前記第1板部材と前記第2板部材とを回動自在に連結する第1連結部と、
前記第1方向において前記第1連結部から離間して設けられ、係合によって前記第1板部材と前記第2板部材との回動を規制する第2連結部と、を有し、
前記第2連結部は、
前記第1板部材及び前記第2板部材の一方に設けられた係合部と、
前記第1板部材及び前記第2板部材の他方に設けられ、前記第1方向の相対移動によって前記係合部が係合する第1開口部、及び、前記板面と交差する第2方向の相対移動によって前記係合部が係合する第2開口部を有する被係合部と、を有する、ことを特徴とする板部材の連結構造。 - 前記第1方向において前記第1連結部に対し前記第2連結部よりも離間して設けられ、前記第2方向の相対移動によって前記第1板部材と前記第2板部材とを係合させて、前記第1板部材と前記第2板部材との回動、及び、前記第1板部材と前記第2板部材との前記第1方向の相対移動を規制する第3連結部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の板部材の連結構造。
- 前記被係合部は、前記第1方向において前記第1開口部が設けられる側と反対側への前記係合部の相対移動を規制する移動規制部を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の板部材の連結構造。
- 前記移動規制部は、前記第2方向に起立し、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延在する壁部を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の板部材の連結構造。
- 前記被係合部は、前記第1方向に延在し、前記第3方向で対向する一対の爪部を有し、
前記一対の爪部は、前記壁部に接続されている、ことを特徴とする請求項4に記載の板部材の連結構造。 - 板状の外殻部材と、前記外殻部材に支持される板状の内殻部材と、前記内殻部材に支持される外装部材と、を備える椅子の荷重支持構造であって、
前記外殻部材と前記内殻部材とを連結する板部材の連結構造として、請求項1〜5のいずれか一項に記載の板部材の連結構造を有する、ことを特徴とする椅子の荷重支持構造。 - 請求項6に記載の椅子の荷重支持構造を備える座及び背凭れの少なくともいずれか一方を有する、ことを特徴とする椅子。
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