JP6438618B1 - 磁性ワイヤ整列装置および磁性ワイヤ整列方法 - Google Patents

磁性ワイヤ整列装置および磁性ワイヤ整列方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性ワイヤに一様な内部応力を付与する磁性ワイヤ整列装置および磁性ワイヤの整列方法を提供する。【解決手段】磁性ワイヤを50kg/mm2〜100kg/mm2の大きさの張力で引き出し、溝が形成されている基板を把持・固定する基板ホルダーのテーパ部に塗布した接着剤で磁性ワイヤの両端を固定するとともに溝内に磁性ワイヤを仮固定した後、磁性ワイヤを切断して溝内の磁性ワイヤに一様な内部応力を付与し保持し、その後の接着性レジストによる本固定を行うことによってGSRセンサのヒステリシス特性、ノイズ、および直線性(正弦波関数出力特性)などの磁気特性が改善され得る。同時にピーンと張った磁性ワイヤを基準線にし、±1μmの精度で磁性ワイヤを整列させて小さな溝へのワイヤ整列とワイヤ同士の間隔を100μm以下にすることによって、GSR素子の小型化を実現する。【選択図】図2

Description

本発明は、GSRセンサ素子の磁気特性の向上を図るために磁界を検知する磁性ワイヤに一様の応力を付与することができる磁性ワイヤ整列装置およびワイヤ整列方法に関するものである。
超高感度マイクロ磁気センサであるMIセンサやGSRセンサは、直径数十μm以下の微小な磁性ワイヤを感磁体としたもので、電子コンパス、医療用センサ、セキュリティセンサなど幅広く使用されている。磁界検知素子であるMI素子やGSR素子は、アモルファスの磁性ワイヤを素子の長手方向に配置し、それを周回する検知コイルとコイル両端とワイヤ両端の4つの電極とを基板上に一体的に組みつけたものである。素子製造のために、磁性ワイヤを基板に整列させる装置の開発が取り組まれてきた。
はじめに、MI素子に作製において磁性ワイヤの内部応力が大きくなるとその磁気特性は低下することから張力を極力負荷せずに磁性ワイヤを整列していた(特許文献1及び特許文献2)。生産性の問題(特許文献1)や微細なコイル間隔でワイヤ整列することは困難であった(特許文献2)。
また、溝のない基板や浅い溝の基板に磁性ワイヤを整列する際には、溝から磁性ワイヤが外れやすいという欠点やコイルピッチの微細化が困難であった(特許文献3)。
これらの特許文献で開示されたMI素子は、磁性ワイヤに最初に張力熱処理(温度500度〜600度)を施して磁気特性を大幅に改善し、その磁気特性を損なわないように張力をかけずに、あるいは巻き癖を取り除いてまっすぐに伸ばす程度(10kg/mm程度)の張力をかけて、基板に磁石の力で仮止めし、磁性ワイヤ切断後、接着剤で本固定する工程で製造される。張力熱処理後の磁性ワイヤの磁気特性は、高い透磁率を有しておりMIセンサの感度を改善するが、ヒステリシスや非直線性を有する欠点がある。そのため、MIセンサは、1)立ち上がりパルス検波を利用するとヒステリシスが大きくて問題であった。仕方なくセンサの消費電力が増加する立下りパルス検波を利用しているのが現状である。2)非直線性のために直線領域が狭く、測定レンジが小さくなるという欠点がある。3)さらに2%程度の非対称性についても大幅な改善が求められる。
その後、MIセンサよりもはるかに高い感度を有し、しかもMIセンサのヒステリシス、非直線性、測定レンジなどの欠点を解消したGSRセンサが開発された(特許文献4)。そのGSR素子の構造として、コイルと磁性ワイヤとの間隔を2μm程度にし、コイルピッチを5μm程度と小さくしたマイクロコイル付きの素子が開示され(特許文献5)、この素子の作製のために微小な溝に磁性ワイヤを整列する装置が開示されている(特許文献6)。
さらに、GSRセンサの開発過程において、1)磁性ワイヤに強い一様な応力を残存させた方が、GSR特性が改善すること、またノイズが低減することが分かった。2)短冊状にワイヤを配置するとさらに感度の改善が実現できるが、そのためにはワイヤ間隔を100μm以下にする必要があること。3)浅い溝にワイヤを整列することができれば、ASIC表面にGSR素子を直接形成するためには、ASIC表面上の被膜上に浅くて小さな溝を形成し、そこにワイヤを設置するためにはワイヤと溝との遊びを±2μmで制御することが必要であることが分かった。以上の知見に基づいて、GSRセンサの一層の性能改善を図るために、新しいワイヤ整列装置の開発が求められるようになった。
従来の磁性ワイヤの仮固定方式は、張力負荷して切断後、基板の溝内に磁性ワイヤを磁石の力で仮止めしているだけのため、磁性ワイヤに大きな一様な応力を残存させることはできない。また、残存応力を安定的に維持することができなかった。そのために、磁性ワイヤに一様で大きな内部応力を付与するための、張力負荷、切断、仮固定および本固定の仕方に関する新しい製造技術思想の確立が必要である。また、特許文献4に開示された方法で製造されたGSR素子は、ヒステリス特性が良好で立上パルス検波による測定も可能である。しかし特性を安定させる方法と条件が明示されておらず、現状では安定して立上パルス検波を利用することができない。
また、ワイヤ間隔については、確かに特許文献6には磁石方式によるマイクロ溝への磁性ワイヤ整列方法が開示され、その中で磁性ワイヤの間隔は30〜100μmが可能であると記載している。
しかし、深いガイド溝を使う場合には、磁化した磁性ワイヤ同士の反発力に耐えることはできるが、浅い溝面に沿ったMI素子やGSR素子の下コイルの形成が困難となり、安定的に生産するという意味では、磁石方式では磁性ワイヤの間隔は100μmが限界であった。
また、磁性ワイヤ同士の反発力は磁性ワイヤの間隔を狭くすると磁性ワイヤ間の距離の2乗に比例して大きくなる。そのために磁性ワイヤを100μm以下の狭い間隔で整列することは困難であった。
そこで、磁石方式に代わって磁性ワイヤを狭い間隔で整列できる装置の開発が求められている。
上述の特許文献を下記にまとめて示す。
特開2000−81471号公報 再公表特許WO2003/017299 国際公開公報WO2012−043160A1 特許第5839527号 特許第5747294号 特許第5839530号
本発明は、第1にGSRセンサ素子の磁気特性を改善するために磁性ワイヤに一様な内部応力を付与できる整列装置と整列方法を実現するものである。
第2に磁性ワイヤと溝との遊び幅を±2μm以下とする幅の狭い溝に磁性ワイヤを整列させると共に磁性ワイヤ同士の間隔を100μm以下に整列させることができる整列装置を実現するものである。
本発明者は、磁性ワイヤを50kg/mmから100kg/mmの張力処理を行う研究を2013年以後行ってきたが、磁石の仮固定だけではワイヤを溝に沿って安定的に保持できないことに気が付いた。接着剤を併用して仮固定したところ、一様な内部応力が残存しGSRセンサの磁気特性が大幅に改善することを発見した。この発見を基礎に、磁石方式から接着剤方式に変更することにより、強く張った磁性ワイヤの張力を維持して磁性ワイヤ内部に一様な内部応力を付与することに想到した。
接着剤方式とは、まず基板ホルダーの両側にテーパ部を取り付け、そのテーパ部に接着剤を塗布する。そして、磁性ワイヤの整列時には基板をワイヤ引き出し高さ位置の上方に上昇させて、接着剤を塗布してある基板ホルダーのテーパ部に磁性ワイヤを強く押し付けて、接着剤の接着力で磁性ワイヤを強く固定することである。さらに基板の溝内に接着性レジストを塗布し、その接着力で磁性ワイヤを溝内に仮固定することにより一層強く固定することを見出した。
一様な内部応力の効果は、その力によって円周方向向きの電子スピンからなる表面磁区の厚みが増して、90度磁壁がワイヤ内部に押し込められ、それによってGHzパルス電流による電子スピンの高速回転現象のみを、つまり90度磁壁の移動を抑制して、コイルで検出することを可能にしたためと考えられる。
上記アイデアに基づく具体的方法を詳述する。
第1に、磁性ワイヤに強くて一様な内部応力を付与するために、50kg/mm〜100kg/mmの大きな張力で磁性ワイヤをボビンから引き出し、引き出し後に引き出しチャック、2個の切断用チャックおよび固定チャックで磁性ワイヤを把持・固定する。この一様で大きな内部応力の力により磁性ワイヤ母材の内部にもともと残存していた残留応力や曲げくせ応力を除去する。
次に、基板を上昇させて基板両側の磁性ワイヤ両端を基板ホルダーのテーパ部に押し付けて、テーパ部の接着剤で磁性ワイヤの両端を基板ホルダーに接着・固定をするとともに磁性ワイヤを基板の溝に配置・整列する。この基板ホルダーのテーパ部の構造と接着剤の接着力とによって磁性ワイヤの両端が基板ホルダーに大きな張力を保持した状態で固定され、その結果として磁性ワイヤに30kg/mm〜100kg/mmの一様な大きな内部応力を保持できる。接着剤の接着力を調整することで残存する内部応力の大きさを調整することが可能である。
さらに、接着性レジストを塗布した基板の溝内に磁性ワイヤを溝に整列する場合には一層強く接着・固定することができ、磁性ワイヤの内部応力の保持力の向上が図られる。
次に、ワイヤ供給側の固定チャックと基板との間には2個の切断用チャックで磁性ワイヤを把持・固定し、切断用チャックの間で磁性ワイヤを切断する。大きな内部応力を有する磁性ワイヤの切断時の衝撃力を2個の切断用チャックの把持力で吸収できる。磁性ワイヤの切断後、磁性ワイヤを把持・固定している基板側の切断用チャックおよび引き出しチャックを開放する。この時磁性ワイヤの一様な内部応力は接着剤の接着力で保持される。
その後、次工程において接着性レジストを全面塗布して磁性ワイヤを基板に本固定した後、所定の冶具を使って基板ホルダーから取り外す。
磁性ワイヤを50kg/mm〜100kg/mmの大きな張力で引き出す時、ワイヤボビンや送りリールと磁性ワイヤとの摩擦およびチャックの滑りによって断線の問題が発生しやすくなる。これらの問題は、磁性ワイヤを引き出し時の張力測定装置と張力一定に維持するフィードバックシステムを取り付けること、磁性ワイヤを複数個のチャックで強く把持固定して磁性ワイヤ整列装置の一連の動作を行うことおよびチャック把持面を凹凸面にして摩擦力アップすることによって解決できることを見出した。
また、磁性ワイヤを50kg/mm〜100kg/mmの大きな張力をかけた状態でワイヤを切断すると切断時の衝撃力で磁性ワイヤの仮固定が外れて磁性ワイヤが基板の溝から飛び出すトラブルが発生する。その対策として、切断時には磁性ワイヤの切断個所の両端を切断用チャックで把持して、磁性ワイヤを切断する。切断後に磁性ワイヤの両側を把持している2個の切断用チャックを開放することで、切断時の衝撃力を吸収できてトラブルは生じないことを見出した。磁性ワイヤの切断機は、機械的切断機を使用する。
第2に、基板の溝との遊び幅±2μm以下で磁性ワイヤを小さな溝に整列し、かつ磁性ワイヤ同士の間隔を100μm以下に整列させるためには、ピーンと強く張った磁性ワイヤに着目し、磁性ワイヤの中央線を基準線にしてマイクロスコープを使って溝の中央線(基軸線という。)との位置ずれ、平行度ずれを調整して、磁性ワイヤと基板の溝の中央線(基軸線という。)とのずれ量を±1μm以下にするという高い精度で整列させる性能を有する整列装置を実現するものである。磁性ワイヤ同士の反発力を生じる磁石による仮止めの方式に代えて接着剤方式を採用することで実現できることを見出した。
本発明は、磁性ワイヤを50kg/mm〜100kg/mmの大きさの張力で引き出し、基板の溝に配置するとともに基板を把持固定する基板ホルダーのテーパ部の接着剤で磁性ワイヤを接着・固定することによって、磁性ワイヤ母材に残存していた残留応力を除去すると同時30kg/mm〜100kg/mmの一様な内部応力を付与して、GSRセンサのヒステリシス特性、ノイズ、および直線性(正弦波関数出力特性)などの磁気特性が改善される。
また本発明は、ピーンと張った磁性ワイヤを基準線として活用し、基準線と基板上の磁性ワイヤの径とほぼ同等幅の微小な溝の基軸線との位置関係をマイクロスコープで観察して位置合わせを行ない、その位置ずれを精密制御が可能な基板固定台で調整することによって精度の高い磁性ワイヤ整列を得ることが可能となり、マイクロサイズのGSRセンサ素子の実現を可能とする効果を有する。
さらに1個のGSRセンサ素子内に40μm以下の微小間隔で磁性ワイヤを多数本配置することができ、GSRセンサの高感度化と測定レンジの拡大を可能とする効果を有する。
磁性ワイヤ整列装置の構成を示す概念図で、磁性ワイヤを引き出すための準備段階の図である。 磁性ワイヤ整列装置の構成を示す概念図で、磁性ワイヤが一定の張力を付加され、4個のチャックで固定されている図である。 磁性ワイヤが、接着剤が塗布されている基板ホルダーのテーパ部に押し付けられて接着して固定されているとともに溝内に配置されている図である。 1枚の基板に作製したGSR素子の集合体とその単位素子の概念図である。
本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図3を用いて説明する。
本発明の磁性ワイヤ整列装置1は、ワイヤ供給装置部10、ワイヤ整列装置部20、位置決め装置部30、切断装置部40および制御装置部50からなる。
ワイヤ供給装置部10は、ワイヤボビン11aとワイヤボビン11aに巻き付けた磁性ワイヤ60を一定の張力かつ一定の速度で引き出す引き出しチャック15、磁性ワイヤ60の引き出し後に磁性ワイヤ60を固定する固定チャック14、ワイヤ送り出し速度制御装置12およびワイヤ張力制御装置13(13aと13bを含む。)からなる。図1には、さらに4個のワイヤリール16を用いて磁性ワイヤを搬送する形態を示している。
また、ワイヤ供給装置部10は、磁性ワイヤを引き出しチャックでつかみ一定速度で引き出した時、ボビン、リールなどの摩擦力によって予期できない負荷がかかる。そこで、送り速度を調整できるワイヤ送り出しモータからなるワイヤ送り出し速度制御装置12、複数個のワイヤリール16、ワイヤ張力負荷装置13a、ワイヤ張力計測装置13bおよび負荷張力と所定の張力とのずれを計算し、送り出しモータの送り速度を引き出し速度と一致するように調整してワイヤを所定の張力に維持する機能を有するワイヤ張力制御装置13とからなることで、50kg/mm〜100kg/mmの大きさの張力で引き出す際の断線を防止している。
ワイヤ供給装置部10において、ワイヤ送り出し速度制御装置12を構成するワイヤ送り出し速度制御型モータ12aにより磁性ワイヤ60の母材を巻いているワイヤボビン11から磁性ワイヤ母材を送り出す。磁性ワイヤ母材には製造時の内部応力やワイヤボビン11による巻き応力などの残留応力が残っている。
磁性ワイヤ60には、ワイヤ張力測定装置13bで測定しながらワイヤ張力制御装置13で制御された一定の張力がワイヤ張力負荷装置13aにより負荷される。
ワイヤ張力負荷装置13aは、荷重を1〜20gの範囲に調整することによりワイヤ張力を一定に付加することができる。磁性ワイヤの径を10μmとする場合、50kg/mm2〜100kg/mm2の範囲で張力を調整することが適切である。50kg/mm2以上にすることにより内部応力や巻き応力などの残存応力を除去することができ、100kg/mm2以下にすることにより磁性ワイヤの破断が防止できる。また、この張力負荷により、磁性ワイヤの基準線としての機能が達成される。
ワイヤリール16は、磁性ワイヤ60がワイヤリール16から脱落しないようにするため、大きさは20mm径でV字溝付のものである。
一定の張力の維持のために各チャックの把持面は凹凸面にして摩擦力アップし、把持力を大きくしている。
ワイヤ整列装置部20は、磁性ワイヤを整列させるための溝を有する基板21と基板を固定する基板ホルダー22とからなる基板固定台23を有する。
また、基板ホルダー22は磁性ワイヤ60の引き出し方向に対して基板ホルダー22の両側にテーパ部を有し、そのテーパ部には磁性ワイヤ60を接着・固定するための接着剤を塗布されている。テーパ部を設けることにより磁性ワイヤと接着剤との両者間を全面にわたって接着することができる。
さらに、基板21の溝に前もって接着性レジストを塗布し、磁性ワイヤ60を接着性レジストで吸着させることでより強く固定される。
このように強く固定されることによって、50kg/mm2〜100kg/mm2の初期に付与した張力が固定チャックの開放後にも30kg/mm2〜100kg/mm2の内部応力として維持することができる。
位置決め装置部30は、磁性ワイヤ60の中央線を基準線として、また前記基板の溝の中央線を基軸線として、磁性ワイヤ60を基板21の溝の中に整列させるために基準線と基軸線との位置ずれ状態を検出するマイクロスコープ、その位置ずれを基板固定台23の昇降321、横送り322および回転323により基準線と基軸線を一致させるように調整する基板固定台送り装置32と位置決め補正演算装置(図示せず)からなる。
マイクロスコープ31は、磁性ワイヤ60と基板21の溝の両者を観察する必要があるので、1μm以下の解像度を有するものを使用する。両者は立体的位置関係にあるので、マイクロスコープ31の焦点調整が微妙であり、手元のつまみで容易に調整できるもの用いる。これにより初期調整など調整作業が容易になる。マイクロスコープ31は2台設置してもよいし、移動させて使用してもよい。振動対策が重要なことから、マイクロスコープ台は振動対策として磁性ワイヤ整列装置1の本体に強く取り付ける。
なお、上記の機能を有する検出装置であれば、マイクロスコープに限定されるものではない。
基板固定台送り装置32は、磁性ワイヤ60を整列する基板21を固定する基板固定台22を載置しており、磁性ワイヤ60に対して±1μmの精度で左右方向に横送りすること(322)ができ、1μmの送りピッチで上下方向に昇降すること(321)ができる。左右方向の横送り322により、磁性ワイヤ60を基準線として、基板側の溝を基軸線として、両者の平行ずれと横方向ずれの両方を合わせて、±1μmの精度で検出して、直径5μmから15μmの磁性ワイヤ60を幅9μmから19μmの溝に配置することができる。
上下方向の昇降321は、磁性ワイヤ60と基板23との上下間隔を接触ないし非接触では1μm程度以下と可能な限り近接させて保ち、1μmの解像度を持つマイクロスコープ31による観察を可能にして、左右方向の調整後にテーパ部221に磁性ワイヤ60を押し付けることができるように基板固定台23を上昇させて、磁性ワイヤ60を基板ホルダー22のテーパ部221に押し付けるとともに溝に埋設するものである。
次に、回転323は、ワイヤ基準線と基軸線である溝とが平行になるように0.01°の回転ピッチで調整するものである。
左右方向の横送り322は、素子内に多数本の磁性ワイヤ60を整列配置する場合のために、素子間の間隔ピッチと素子内のワイヤ間隔ピッチおよびコイル内のワイヤ間隔ピッチの三つの異なるピッチ送りで制御することを可能にする。
また、素子間隔ピッチは200μmから400ミクロンm程度と大きく移動し、ワイヤ間隔ピッチは50μmから100μmの小さな移動、およびコイル内ワイヤの間隔は、ワイヤ径を最小に40μm未満の微細な移動を可能にする。しかも基板全体にワイヤを整列させる必要があるので基板の大きさとして60mmから200mm程度の移動距離を±1μmの送りピッチで移動する基板固定台送り装置23を採用する必要がある。磁性ワイヤ60と溝との位置の位置精度±1μmについては、磁性ワイヤを基準線とした制御システムによって実現される。ただし、多数本ワイヤを使う場合の基板固定台の左右方向の送り移動距離は、ワイヤ本数で除した距離でよい。
基板固定台送り装置32の制御能力は、使用する磁性ワイヤ径を基礎単位にして、磁性ワイヤ径に対して溝の幅は1.2倍から3倍程度とし、溝の深さは0.5倍から1.2倍程度を最小限の移動量として、基板固定台送り装置の送りピッチは0.1μmである。本発明はこの数値関係を限定するものではないが、GSR素子のマイクロサイズ化を実現するためには上記数値範囲とすることが望ましい。
磁性ワイヤ60の基板21の溝への整列は、磁性ワイヤ60を引き出しチャック15で所定の位置(図2)まで引き出した後、固定チャック15で固定して、ピーンとまっすぐに大きな張力で張った状態とし、磁性ワイヤ60の中央線を基準線にして、基板21の両側にて磁性ワイヤ60の基準線と基板21の溝の中央線との位置関係をマイクロスコープ31で±1μm以下の精度で観察し、磁性ワイヤ60が溝の中央線に対して±1μm以下の精度で平行な位置関係になるように、横ずれの補正量、回転角の補正量を計算し、基板固定台22を補正量だけ移動させて、±1μmの精度で行なう。
また、回転323により回転ずれ角だけ基板固定台23を0.01°の回転ピッチで回転させる。
その後に、磁性ワイヤ60が基板ホルダー22のテーパ部221に押し付けられて接着仮固定されるまで、基板固定台23を昇降321で上昇移動させる。基板固定台23の基板ホルダー22のテーパ部221には接着剤が塗布されている。強固な固定のためには基板面をワイヤ引き出し高さの位置より高く上昇させて、磁性ワイヤ60を基板ホルダー22のテーパ部221に塗布された接着剤に強く押し付けて吸着させる。それをマイクロスコープ31で観察し、初期設定値として制御装置部40に記録する。
切断装置部40は、磁性ワイヤ60を切断するときに切断位置の両側を固定する2個の切断用チャック41(4aと41b)と切断用チャック41で固定した後に磁性ワイヤ60を切断する切断機42とからなる。
2個の切断用チャック41により大きな内部応力を有する磁性ワイヤ60の切断時の衝撃力が吸収され、磁性ワイヤ60が仮固定されている溝から飛び出すことが避けられる。
磁性ワイヤ60の切断後、磁性ワイヤ60を把持・固定している基板側の切断チャック41bおよび引き出しチャック15を開放し、磁性ワイヤ60には一様な内部応力が付与されているフリーな状態となる。磁性ワイヤ60は、接着剤が塗布されている基板ホルダー221のテーパ部28に接着・固定され、基板21に仮固定されて基板の溝からはみ出さないように保持される。
さらに、基板21の溝に接着性レジストが塗布されている場合には、磁性ワイヤ60はテーパ部221における接着力に加えて接着性レジストによる吸着力によりより強い力で固定される。これにより、より安定した一様の内部応力が磁性ワイヤ60付与されるとともに切断時における溝からの磁性ワイヤ60の飛び出しが確実に防止できる。
制御装置部50は、ワイヤ径、ガラス厚みなどのワイヤ特性を入力して自動で磁性ワイヤ60の張力を調整する機能、各チャック圧力(14、15、41)を調整する機能、ワイヤ切断力を調整する機能、基板固定台23の原点調整と原点復帰、作業基準位置への自動復帰機能、マイクロスコープ31によるずれ量の観察結果に基づいて左右に基板固定台23を調整する機能、また基板21の厚み、溝深さ、ワイヤ径などの作業データを基礎に基板固定台23の高さの自動調整昇降機能および生産状況を管理する機能を有している。さらに非常時のためにマニュアル操作への切り替えも可能である。
また制御装置部50は、磁性ワイヤ60を素子間の間隔ピッチと素子内の間隔ピッチの組み合わせおよびコイル内のワイヤ間隔ピッチからなるピッチ送りの組み合わせを制御するプログラムから構成されていることが好ましい。
以上の操作により、1つの素子内に複数本の磁性ワイヤが1〜40μmの間隔の隙間で並べることができ、また1つの素子コイル内に2本の磁性ワイヤが1〜10μmの間隔の隙間で並べることもできる。
連続運転は、これらの制御数値を制御数値部40に記憶させておいて、その数値に従って予備移動して、その位置でマイクロスコープ31により磁性ワイヤ60を基準線して磁性ワイヤ60と溝との位置ずれを確認、補正するフィードバックシステム方法で補正を行ない、それを連続的に繰り返す。
大量生産の場合には、ワイヤ供給装置部10を多数個並列的に配置して多数本の磁性ワイヤ60を一度に供給できるようにする。この場合の磁性ワイヤ60の切断機42としては、多数のはさみからなる機械式切断機に加えてプレス切断機を使用してもよい。重要な点は、ピーンと張った磁性ワイヤを切断する際、大きな衝撃力が発生する。その衝撃力を吸収するために、切断位置の両側を切断用チャックで把持することである。
上記の磁性ワイヤ整列装置1を使用して磁性ワイヤ60を基板21上に整列する方法を以下に説明する。
(1)磁性ワイヤ60を巻き付けたワイヤボビン11をワイヤ供給装置部10に取り付け、ワイヤ引き出し開始位置(図1にて、引き出しチャック15の位置をいう。)まで引きワイヤ送り出し出しモータ12aにより磁性ワイヤ60を送り出して固定チャック14で固定する(図1)。
(2)引き出し開始位置に送り出されている磁性ワイヤ60の端部を引き出しチャック15により強く把持・固定する一方で固定チャックを開放する。そして、ワイヤ送り出しモータ12aをワイヤ送り出し速度制御装置により一定の速度かつワイヤ張力制御装置により50kg/mm〜100kg/mmの一定の張力にて、引き出しチャック14を用いて引き出し開始位置から引き出し固定位置(図2にて、引き出しチャック15の位置を言う。)まで磁性ワイヤ60を引き出して、磁性ワイヤ60に一定の張力を負荷した状態で固定チャック14、2個の切断用チャック(41aおよび41b)および引き出しチャック15により把持して引き出し固定する(図2)。
これにより、固定チャック14から引き出し固定チャック15の間の磁性ワイヤ60には50kg/mm〜100kg/mmの張力が付加された状態にあり、強く真っ直ぐにピーンと強く張られた磁性ワイヤ60となっている。
(3)磁性ワイヤ60を整列するための溝を有する基板21は、接着剤が塗布されているテーパ部221を有する基板ホルダー22に把持・固定されて基板固定台23として基板固定台送り装置32に前もって載置されている。この載置したときにおける基板上面の高さを基板固定台送り装置32の動作原点高さとする。
この基板固定台23を基板固定台送り装置32により、動作原点高さから磁性ワイヤ60の下部の高さまで上昇させる。これは、磁性ワイヤ60を基板21の溝に整列する際に、両者の位置関係を観察して一致させるための基板21を移動させるために磁性ワイヤ60と基板21は非接触にて最も近接する高さまで上昇させることをいう。
(4)引き出し固定され、強い張力でピーンと張っている磁性ワイヤ60の中央線を基準線にして基板21の溝の中央線である基軸線との位置関係をマイクロスコープ31で測定し、両者の位置関係誤差を計算し、誤差量を横送り322と回転323でもって補正することにより基準線である磁性ワイヤ60の中央線に基軸線である溝の中央線を一致させる
(5)再び基板固定台23を上昇させて磁性ワイヤ60を基板21上の溝に沿って整列させ、さらに磁性ワイヤ60の両端部が基板ホルダー22の接着剤が塗布されているテーパ部221の全面にわたって押し付けて接着するまで上昇して磁性ワイヤ60の両端部が基板ホルダー22に固定する(図3)。
基板ホルダー22の平坦部からテーパ部221のテーパ部との境界部位(テーパ構造)における磁性ワイヤ60との摩擦抵抗力およびテーパ部の接着剤による接着力の両者によって磁性ワイヤ60は基板ホルダー22に固定される。また、磁性ワイヤ60は基板21の溝底面などに押し付けられて配置される。さらに、基板21の溝内に予め接着性レジストを塗布しておくことにより、接着性レジストに吸着されてより強い力で固定することができる。
(6)次に、切断用チャック41bと引き出しチャック15による両端固定および基板21の溝に仮固定された磁性ワイヤ60は、50kg/mm〜100kg/mmの大きさの張力負荷によってワイヤボビン11に巻き付けられている磁性ワイヤ母材の残留応力は取り除かれ、磁性ワイヤ60の内部応力は長手方向に一様に付与した状態になっている。
(7)磁性ワイヤ60を2個の切断用チャック(41aおよび41b)の間で切断することで、切断時の衝撃力を吸収し、引き出しチャック側の切断チャック41bと引き出しチャック15の両者を開放して、磁性ワイヤ60に付与した内部応力を接着剤の接着力で磁性ワイヤ60の30kg/mm〜100kg/mmの大きさで一様な内部応力として保持する。
また、テーパ構造や溝への接着剤による仮固定も一様な内部応力の保持に寄与する。
(8)基板固定台送り装置32により基板固定台23を動作原点高さまで下降させ、次の磁性ワイヤ整列位置まで横送りする。
(9)上記の(2)〜(8)の磁性ワイヤ60を整列させる動作を基板21の全面に磁性ワイヤ60の整列が完了するまで連続的に繰り返す。
そして、基板21の全面に磁性ワイヤ60を整列させた後、次工程に移動する。
次工程は、磁性ワイヤ60が整列されている基板21に接着性レジストを全面塗布し、テーパ部への接着・固定により磁性ワイヤ60に一様な内部応力が付与されている状態から磁性ワイヤ60を基板21に本固定する。そして、基板21と基板ホルダー22の間で磁性ワイヤ60を切断し、基板21のみを取り出す。
次に、実施例について図4を用いて説明する。
図4は、磁性ワイヤ60、検出コイル61、電極(ワイヤ電極、コイル電極)62からなるGSR素子(単位素子)63および複数の単位素子からなる基板全面に形成されているGSR素子の集合体64を示す。
このGSR素子の集合体64の大きさは、すなわち基板21に相当して磁性ワイヤ60の長手方向の長さ40mm、幅40mmである。磁性ワイヤ60の直径は10μm(ガラス被覆を含めると12μmである。)磁性ワイヤ60を整列させる基板21の溝の幅は14μmである。本発明の装置と方法により、長さ40mm(40,000μm)で幅14μmからなる基板21の溝に直径12μmの磁性ワイヤ(ガラス被覆付き)60を整列させ、一様な内部応力が付与されている素子の集合体60が作製される。
ところで、現在市販品のMI素子は、長さ0.6mm×幅0.4mmである。本発明で1/3のサイズ(長さ0.2mmで幅0.4mm)のGSR素子62を作製する場合、長さが0.2mmの磁性ワイヤ60を、幅方向に幅ピッチ間隔を50μmで4本整列配置することができる。これにより磁性ワイヤ60の長さの合計は、0.6mmから0.8mmへと増大して、GSRセンサの出力の増加に寄与する。
また、一様な内部応力が付与されることで、GSRセンサのヒステリシス特性、正弦関数出力特性、およびノイズ低減と性能を大幅に改善することができる。また磁性ワイヤ60を緻密に多数本張ることで、出力感度はワイヤ本数に応じて増加させることができる。
さらに、本発明によればワイヤ径の1/2程度の浅い溝、言い換えれば従来のMI素子技術における溝深さを1/2から1/10程度にして磁性ワイヤを整列することができる。フォトリソグラフィーの線幅は、ほぼ基板面の凹凸の二乗に反比例するので、本発明によりと従来技術の4倍から100倍程度の微細なコイルピッチの形成を容易に行なうことができる。したがって、コイル巻き数は4倍以上の増加となって感度が5倍以上と大幅に向上することも可能となる。
本発明により、浅い溝を使ってGSR素子を形成できるので、ASIC表面上の膜面上でGSR素子を直接形成できる。つまりASICと素子とを一体成型出来て、センサの大幅な小型化を実現することができる。
以上のように、本発明の磁性ワイヤ整列装置と磁性ワイヤ整列方法は、GSRセンサの高性能化と小型化を実現することができる。
1:磁性ワイヤ整列装置
10:ワイヤ供給装置部
11:ワイヤボビン、12a:ワイヤ送り出しモータ、13a:ワイヤ張力負荷装置、13b:張力測定装置、14:固定チャック、15:引き出しチャック
20:ワイヤ整列装置部
21:基板、22:基板ホルダー、221:テーパ部、23:基板固定台
30:ワイヤ位置決め装置部
31:マイクロスコープ、32:基板固定台送り装置、321:昇降、322:横送り、323:回転
40:切断装置部
41a:切断用チャック、41b:切断用チャック、42:切断機
50;制御装置部
60:磁性ワイヤ
61:検出コイル、62:電極(ワイヤ電極、コイル電極)、63:GSR素子(単位素子)、64:GSR素子の集合体

Claims (7)

  1. ワイヤボビンと前記ワイヤボビンに巻き付けた磁性ワイヤを一定の張力かつ一定の速度で引き出す引き出しチャック、前記磁性ワイヤの引き出し後に前記磁性ワイヤを固定する固定チャック、ワイヤ送り出し速度制御装置およびワイヤ張力制御装置を有するワイヤ供給装置部と、
    前記磁性ワイヤを整列させるための溝を有する基板と前記基板を固定する基板ホルダーとからなる基板固定台を有するワイヤ整列装置部と、
    前記磁性ワイヤの中央線を基準線として、また前記基板の溝の中央線を基軸線として、前記基板の溝の中に前記磁性ワイヤを整列させるために前記基板の両側で前記基準線と前記基軸線との位置ずれ状態を検出するマイクロスコープ、前記位置ずれを基板固定台の昇降、横送りおよび回転により前記基準線と前記基軸線を一致させるように調整する基板固定台送り装置と位置決め補正演算装置からなる位置決め装置部と、
    前記磁性ワイヤを切断するときに切断位置の両側を固定する切断用チャックと前記切断用チャックで固定した後に前記磁性ワイヤを切断する切断機とからなる切断装置部と、
    前記ワイヤ張力制御装置、前記基板固定台送り装置前記マイクロスコープ前記位置決め補正演算装置および前記切断装置部を制御するための制御装置部を備え、
    前記基板ホルダーは、前記磁性ワイヤの引き出し方向に対して前記基板ホルダーの両側にテーパ部を有し、
    前記磁性ワイヤは、50kg/mm〜100kg/mmの大きさの張力で引き出された後に前記テーパ部にて接着剤による固定した後に、前記切断機による切断して、前記磁性ワイヤに一様な応力を付与することを特徴とする磁性ワイヤ整列装置。
  2. 請求項1において、
    前記磁性ワイヤを引き出しチャックで所定の位置まで引き出した後、前記固定チャックで固定して、ピーンとまっすぐに前記張力で張った状態とし、前記磁性ワイヤの中央線を基準線にして、前記マイクロスコープで前記基板の両側で前記磁性ワイヤ基準線と前記溝の中央線との位置関係を±1μm以下の精度で観察し、前記磁性ワイヤが前記溝中央線に対して±1μm以下の精度で平行な位置関係になるように、回転角の補正、横ずれの補正量を計算し、前記基板固定台を補正量だけ移動させて、±1μmの精度で前記磁性ワイヤを整列させることを特徴とする磁性ワイヤ整列装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記ワイヤ供給装置部は、送り速度を自動調整できるワイヤ送り出しモータからなるワイヤ送り出し速度制御装置、複数個のワイヤリール、ワイヤ張力負荷装置、ワイヤ張力計測装置、および負荷張力と所定の張力とのずれを計算し、送り速度を自動調整してワイヤを所定の張力に維持する機能を有するワイヤ張力制御装置とからなることで、50kg/mm〜100kg/mmの大きさの張力で引き出す際の断線を防止することを特徴とする磁性ワイヤ整列装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
    前記基板ホルダーの前記テーパ部における接着による固定に加えて、前記磁性ワイヤを前記溝に接着性レジストで吸着・仮固定させることでより強い力で固定することを特徴とする磁性ワイヤ整列装置。
  5. 請求項1の磁性ワイヤ整列装置を用いて前記磁性ワイヤを前記基板の溝に整列する磁性ワイヤ整列方法において、
    (1)前記磁性ワイヤを巻き付けた前記ワイヤボビンを前記ワイヤ供給装置部に取り付け、引き出し開始位置まで前記磁性ワイヤを引き出して前記固定チャックで固定し、
    (2)前記磁性ワイヤを一定の速度かつ50kg/mm〜100kg/mmの一定の張力で前記引き出しチャックを用いて引き出し開始位置から引き出し固定位置まで引き出して、前記磁性ワイヤに前記張力を負荷した状態で前記固定チャック、2個の前記切断用チャックおよび前記引き出しチャックにより把持して引き出し固定し、
    (3)前記基板固定台を前記基板固定台送り装置により動作原点高さから前記磁性ワイヤの下部の高さまで上昇させ、
    (4)引き出し固定されている前記磁性ワイヤの中央線を基準線にして前記基板の溝の中央線である基軸線との位置関係をマイクロスコープで測定し、両者の位置関係誤差を計算し、誤差量を横送り装置と回転送り装置でもって補正することにより基準線である前記磁性ワイヤの中央線に基軸線である前記溝の中央線を一致させ、
    (5)再び前記基板固定台を上昇させて前記磁性ワイヤを前記基板上の前記溝に沿って整列させ、さらに前記磁性ワイヤの両端部が前記基板ホルダーの接着剤が塗布されている前記テーパ部の全面にわたって押し付けて接着するまで上昇して前記磁性ワイヤの両端部が前記基板ホルダーに仮固定し、30kg/mm〜100kg/mmの大きさの内部応力が残るように接着力を接着剤で制御し、
    (6)次に、前記切断用チャックと前記引き出しチャックによる両端固定および前記溝に配置された前記磁性ワイヤは、50kg/mm〜100kg/mmの大きさの張力負荷によって前記ワイヤボビンに巻き付けられている磁性ワイヤ母材の残留応力は取り除かれ、長手方向に30kg/mm〜100kg/mmの大きさの内部応力を一様に付与した状態にして、
    (7)前記磁性ワイヤを2個の前記切断用チャックの間で切断することで、切断時の衝撃力を吸収し、前記引き出しチャック側の前記切断用チャックと前記引き出しチャックの両者を開放して、前記磁性ワイヤに付与した内部応力を前記接着剤の接着力で前記磁性ワイヤの一様な内部応力として保持し、
    (8)前記基板固定台送り装置により前記基板固定台を動作原点高さまで下降させ、次の磁性ワイヤ整列位置まで横送りし、
    (9)前記(2)〜(8)の前記磁性ワイヤを整列させる動作を前記基板の全面に前記磁性ワイヤの整列が完了するまで連続的に繰り返し、次工程に移動することを特徴とする磁性ワイヤ整列方法。
  6. 請求項5において、
    前記基板の前記溝内に接着性レジストを塗布して、前記溝内の前記磁性ワイヤを前記接着性レジストの接着力で仮固定することを特徴とする磁性ワイヤ整列方法。
  7. 請求項6において、
    次工程は、前記磁性ワイヤが整列されている前記基板に前記接着性レジストを全面塗布し、仮固定して前記磁性ワイヤに一様な内部応力が付与されている状態で前記磁性ワイヤを前記基板に本固定した後、前記基板と前記基板ホルダーの間で前記磁性ワイヤを切断し、前記基板のみを取り出すことを特徴とする磁性ワイヤ整列方法。
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