JP6435943B2 - 画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラム - Google Patents

画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6435943B2
JP6435943B2 JP2015058686A JP2015058686A JP6435943B2 JP 6435943 B2 JP6435943 B2 JP 6435943B2 JP 2015058686 A JP2015058686 A JP 2015058686A JP 2015058686 A JP2015058686 A JP 2015058686A JP 6435943 B2 JP6435943 B2 JP 6435943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
density
unit
information
sampling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015058686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016176869A (ja
Inventor
鶯鶯 韋
鶯鶯 韋
小島 啓嗣
啓嗣 小島
寛美 石崎
寛美 石崎
仁志 伊藤
仁志 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2015058686A priority Critical patent/JP6435943B2/ja
Publication of JP2016176869A publication Critical patent/JP2016176869A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6435943B2 publication Critical patent/JP6435943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)

Description

本発明は、画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラムに関し、特に、周期的な欠陥の高精度な検知に関する。
従来、印刷物の検品は人手によって行われてきたが、近年オフセット印刷の後処理として、検品を行う装置が用いられている。このような検品装置では、欠陥の存在しないことが確認されているマスター画像を生成し、このマスター画像と検査対象の印刷物の読取画像の対応する部分を比較し、これらの差分の程度により印刷物の欠陥を判別している。
また、画像に現れる周期的な欠陥であるバンディングを検知するための方法として、評価対象パッチを含む評価対象画像を読み取ることによって得られた濃度データから副走査方向に沿って所定の長さにわたって連続する画素列のデータを処理対象の濃度データとして解析する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、抽出した濃度データに対して、人間の視覚系の空間周波数特性を有するフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の濃度データに対して空間の移動平均値を演算する。
特許文献1に開示された技術を用いることにより、1ページ内に濃度の変化が周期的に表れるような周期のバンディングについては検知することが可能である。しかしながら、1ページの副走査方向の長さに近い周期のバンディングや、それ以上の周期のバンディングを特許文献1に開示された方法で認識するのは困難である。
これに対して、連続して搬送される複数ページの記録媒体の読み取り画像について、記録媒体の搬送方向における濃度変動を解析すると共に、連続して搬送される記録媒体のページ間のデータを補完する方法を用いることが考えられる。これにより、本来間欠的である記録媒体の搬送方向における読取画像のデータを連続なものとし、周波数解析によって周期的濃度変動を検知することが出来る。
しかしながら、ページ間のデータを誤差なく補完することは難しいため、周波数解析によりバンディングの検知を行った場合、検知結果にノイズが重畳されることとなる。ページ間のデータ補完は、ページ間の濃度値を直線若しくは曲線により補完することとなる。
そのような補完によって生成されるデータを記録媒体の搬送方向に並べて描画される線の傾きは、複数ページに跨る濃度変動を解析することによって検知するべき濃度変動の周期に対応した傾きに近いものとなる。その結果、ページ間のデータを補完することによって得られた解析結果のうち、一定の周波数の検知結果の信頼性は低いモノとなる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、画像形成出力により記録媒体上に出力された画像の検査を行うシステムにおいて、周期的な欠陥のうち比較的長周期の欠陥の検知処理を高精度に行うことを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、記録媒体上に画像形成出力された画像を読み取った読取画像において前記記録媒体の搬送方向に周期的に発生する画像の濃度の変動を検知する画像検査装置であって、画像形成出力された画像が読み取られて生成された読取画像を取得する読取画像取得部と、取得された前記読取画像に基づき、前記記録媒体の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の値を示す読取画像濃度変動情報を生成する読取画像濃度変動情報生成部と、連続して搬送される複数の記録媒体のうち先行して搬送される記録媒体における画像形成領域と、続いて搬送される記録媒体における画像形成領域との搬送状態における間隔を示す画像領域間情報を取得する画像領域間情報取得部と、連続して搬送される複数の前記記録媒体について取得された前記読取画像濃度変動情報が前記画像領域間情報に基づいて前記記憶媒体の搬送状態に応じた位置関係で統合された搬送方向濃度変動情報を生成する搬送方向濃度変動情報生成部と、生成された前記搬送方向濃度変動情報から所定間隔で前記画像の濃度の値をサンプリングする際のサンプリング点が、連続して搬送される複数の前記記録媒体夫々における画像形成領域に含まれるように、取得された前記画像領域間情報に基づいて前記サンプリング点の間隔であるサンプリング間隔を設定するサンプリング間隔設定部と、設定された前記サンプリング間隔によって前記搬送方向濃度変動情報から前記画像の濃度の値をサンプリングするサンプリング部と、サンプリングされた前記画像の濃度の値について周波数解析を行う周波数解析部とを含むことを特徴とする画像検査装置。
本発明によれば、画像形成出力により記録媒体上に出力された画像の検査を行うシステムにおいて、周期的な欠陥のうち比較的長周期の欠陥の検知処理を高精度に行うことができる。
本発明の実施形態に係る検査装置を含む画像形成システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る検査装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るDFE、エンジンコントローラ、プリントエンジン、検査装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る比較検査の態様を示す図である。 本発明の実施形態に係るプリントエンジンの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るマスター画像処理部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る検査制御部の機能構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る検査動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るバンディング判定部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る複数ページの読取装置における搬送状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る読み取り間隔情報の例を示す図である。 本発明の実施形態に係るライン平均輝度値の算出結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る補完距離の算出結果を示す図である。 本発明の実施形態に係るページ平均輝度値の算出結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る安定化判定の態様を示す図である。 本発明の実施形態に係るページ間の補完態様を示す図である。 本発明の実施形態に係るページ間の補完態様を示す図である。 本発明の実施形態に係る周波数解析結果の例を示す図である。 本発明の実施形態に係るバンディング周波数と欠陥可能性部位との関連付け情報を示す図である。 本発明の実施形態に係るページ間を避けたサンプリングの例を示す図である。 本発明の実施形態に係るローパスフィルタの処理結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る高周波除去部の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るサンプリング間隔設定部の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るバンディング判定動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る検査制御部の機能構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る平坦領域判定動作を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る平坦領域判定に係るパラメータを示す図である。 本発明の他の実施形態に係る平坦領域の例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る平坦領域の判定結果を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る複数ページの読取装置における搬送状態を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る参照不可領域の補完距離の情報を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像形成出力による出力結果を読み取った読取画像とマスター画像とを比較することにより出力結果を検査する検査装置を含む画像検査システムにおいて、画像に発生する周期的な欠陥を検知する方法について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システムは、DFE(Digital Front End)1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3、検査装置4及びインタフェース端末5を含む。DFE1は、受信した印刷ジョブに基づいて印刷出力するべき画像データ、即ち出力対象画像であるビットマップデータを生成し、生成したビットマップデータをエンジンコントローラ2に出力する画像処理装置である。
エンジンコントローラ2は、DFE1から受信したビットマップデータに基づいてプリントエンジン3を制御して画像形成出力を実行させる。また、エンジンコントローラ2は、DFE1から受信したビットマップデータを、プリントエンジン3による画像形成出力の結果を検査装置4が検査する際に参照するための検査用画像の元となる情報として検査装置4に送信する。
プリントエンジン3は、エンジンコントローラ2の制御に従い、ビットマップデータに基づいて記録媒体である用紙に対して画像形成出力を実行する画像形成装置である。尚、記録媒体としては、上述した用紙の他、フィルム、プラスチック等のシート状の材料で、画像形成出力の対象物となるものであれば採用可能である。
検査装置4は、エンジンコントローラ2から入力されたビットマップデータに基づいてマスター画像を生成する。そして、検査装置4は、プリントエンジン3が出力した用紙を読取装置で読み取って生成した読取画像を上記生成したマスター画像と比較することにより、出力結果の検査を行う画像検査装置である。
検査装置4は、出力結果に欠陥があると判断した場合、欠陥として判定されたページを示す情報をエンジンコントローラ2に通知する。これにより、エンジンコントローラ2によって欠陥ページの再印刷制御が実行される。
また、本実施形態に係る検査装置4は、読取画像を解析することにより、読取画像の濃度が画像の記録媒体である用紙の搬送方向に周期的に変化するバンディングと呼ばれる欠陥を検知するための処理を行う。このバンディングの検知における処理においては、長周期のバンディングを検知するため、複数ページに跨って用紙の搬送方向における濃度変動の解析を行う。その際、用紙は隙間なく連続して搬送されるわけではないため、連続して搬送される用紙と用紙の間のデータを補完する補完処理が実行される。この補完処理によって生じるノイズの影響を低減することが本実施形態の要旨の1つである。
インタフェース端末5は、検査装置4による欠陥判定結果を確認するためのGUI(Graphical User Interface)や、検査におけるパラメータを設定するためのGUIを表示するための情報処理端末であり、PC(Personal Computer)等の一般的な情報処理端末によって実現される。
ここで、本実施形態に係るDFE1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3、検査装置4及びインタフェース端末5を構成するハードウェアについて、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る検査装置4のハードウェア構成を示すブロック図である。図2においては、検査装置4のハードウェア構成を示すが、他の装置についても同様である。
図2に示すように、本実施形態に係る検査装置4は、一般的なPC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置と同様の構成を有する。即ち、本実施形態に係る検査装置4は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
CPU10は演算手段であり、検査装置4全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。
I/F50は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが検査装置4の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが検査装置4に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
専用デバイス80は、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4において、専用の機能を実現するためのハードウェアであり、プリントエンジン3の場合は、画像形成出力対象の用紙を搬送する搬送機構や、紙面上に画像形成出力を実行するプロッタ装置である。また、エンジンコントローラ2、検査装置4の場合は、高速に画像処理を行うための専用の演算装置である。このような演算装置は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成される。また、紙面上に出力された画像を読み取る読取装置も、専用デバイス80によって実現される。
このようなハードウェア構成において、ROM30に格納されているプログラムや、HDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体からRAM20に読み出されたプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るDFE1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3、検査装置4及びインタフェース端末5の機能を実現する機能ブロックが構成される。
図3は、本実施形態に係るDFE1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4の機能構成を示すブロック図である。図3においては、データの送受信を実線で、用紙の流れを破線で示している。図3に示すように、本実施形態に係るDFE1は、ジョブ情報処理部101及びRIP処理部102を含む。また、エンジンコントローラ2は、データ取得部201、エンジン制御部202、ビットマップ送信部203を含む。また、プリントエンジン3は、印刷処理部301を含む。また、検査装置4は、読取装置400、読取画像取得部401、マスター画像処理部402、検査制御部403及び比較検査部404を含む。
ジョブ情報処理部101は、DFE1外部からネットワークを介して入力される印刷ジョブや、オペレータの操作によりDFE1内部に格納された画像データに基づいて生成される印刷ジョブに基づき、画像形成出力の実行を制御する。画像形成出力の実行に際して、ジョブ情報処理部101は、印刷ジョブに含まれる画像データに基づき、RIP処理部102にビットマップデータを生成させる。
RIP処理部102は、ジョブ情報処理部101の制御に従い、印刷ジョブに含まれる画像データに基づいてプリントエンジン3が画像形成出力を実行するためのビットマップデータを生成する。ビットマップデータは、画像形成出力するべき画像を構成する各画素の情報である。
本実施形態に係るプリントエンジン3は、CMYK(Cyan,Magenta,Yellow,blacK)各色二値の画像に基づいて画像形成出力を実行する。これに対して、一般的に、印刷ジョブに含まれる画像のデータは、一画素が256階調等の多階調で表現された多値画像である。そのため、RIP処理部102は、印刷ジョブに含まれる画像データを多値画像から少値画像に変換して、CMYK各色二値のビットマップデータを生成し、エンジンコントローラ2に送信する。
データ取得部201は、DFE1から入力されるビットマップデータを取得し、エンジン制御部202及びビットマップ送信部203夫々を動作させる。エンジン制御部202は、データ取得部201から転送されたビットマップデータに基づき、プリントエンジン3に画像形成出力を実行させる。ビットマップ送信部203は、データ取得部201が取得したビットマップデータを、マスター画像生成の為に検査装置4に送信する。
印刷処理部301は、エンジンコントローラ2から入力されるビットマップデータを取得し、印刷用紙に対して画像形成出力を実行し、印刷済みの用紙を出力する画像形成部である。本実施形態に係る印刷処理部301は、電子写真方式の一般的な画像形成機構によって実現されるが、インクジェット方式等の他の画像形成機構を用いることも可能である。
読取装置400は、印刷処理部301によって印刷が実行されて出力された印刷用紙の紙面上に形成された画像を読み取り、読取画像を出力する画像読取部である。読取装置400は、例えば印刷処理部301によって出力された印刷用紙の、検査装置4内部における搬送経路に設置されたラインスキャナであり、搬送される印刷用紙の紙面上を走査することによって紙面上に形成された画像を読み取る。
読取装置400によって生成された読取画像が検査装置4による検査の対象となる。読取画像は、画像形成出力によって出力された用紙の紙面を読み取って生成された画像であるため、出力結果を示す画像となる。読取画像取得部401は、印刷用紙の紙面が読取装置400によって読み取られて生成された読取画像の情報を取得する。読取画像取得部401が取得した読取画像の情報は、比較検査のために比較検査部404に入力される。尚、比較検査部404への読取画像の入力は検査制御部403の制御によって実行される。その際、検査制御部403が読取画像を取得してから比較検査部404に入力する。
マスター画像処理部402は、上述したようにエンジンコントローラ2から入力されたビットマップデータを取得し、上記検査対象の画像と比較するための検査用画像であるマスター画像を生成する。即ち、マスター画像処理部402が、読取画像の検査を行うための検査用画像であるマスター画像を出力対象画像に基づいて生成する検査用画像生成部として機能する。マスター画像処理部402によるマスター画像の生成処理については後に詳述する。
検査制御部403は、検査装置4全体の動作を制御する制御部であり、検査装置4に含まれる各構成は検査制御部403の制御に従って動作する。比較検査部404は、読取画像取得部401から入力される読取画像とマスター画像処理部402が生成したマスター画像とを比較し、意図した通りの画像形成出力が実行されているか否かを判断する。比較検査部404は、膨大な計算量を迅速に処理するために上述したASICによって構成される。本実施形態においては、検査制御部403が、比較検査部404を制御することによって画像検査部として機能すると共に、比較検査部404による検査結果を取得する検査結果取得部として機能する。
比較検査部404においては、上述したようにRGB各色8bitで表現された200dpiの読取画像及びマスター画像を対応する画素毎に比較し、夫々の画素毎に上述したRGB各色8bitの画素値の差分値を算出する。そのようにして算出した差分値と閾値との大小関係に基づき、検査制御部403は、読取画像における欠陥の有無を判断する。即ち、検査制御部403が検査装置4に含まれる各部を制御することにより画像検査部として機能する。
尚、読取画像とマスター画像との比較に際して、比較検査部404は、図4に示すように、所定範囲毎に分割されたマスター画像を、分割された範囲に対応する読取画像に重ね合わせて各画素の画素値、即ち濃度の差分算出を行う。このような処理は、検査制御部403が、重ね合わせる範囲の画像をマスター画像及び読取画像夫々から取得し、比較検査部404に入力することによって実現される。
更に、検査制御部403は、分割された範囲を読取画像に重ね合わせる位置を縦横にずらしながら、即ち、読取画像から取得する画像の範囲を縦横にずらしながら、算出される差分値の合計値が最も小さくなる位置を正確な重ね合わせの位置として決定すると共に、その際に算出された各画素の差分値を比較結果として採用する。そのため、比較検査部404は、各画素の差分値と共に、位置合わせの位置として決定した際の縦横のずれ量を出力することが可能である。
図4に示すように方眼状に区切られている夫々のマスが、上述した各画素の差分値を合計する所定範囲である。また、図4に示す夫々の分割範囲のサイズは、例えば、上述したようにASICによって構成される比較検査部404が一度に画素値の比較を行うことが可能な範囲に基づいて決定される。
このような処理により、読取画像とマスター画像とが位置合わせされた上で差分値が算出される。このように算出された差分値が所定の閾値と比較されることにより、画像の欠陥が判定される。また、例えば、読取画像全体とマスター画像全体とで縮尺に差異があったとしても、図4に示すように範囲毎に分割して位置合わせを行うことにより、縮尺の際による影響を低減することが可能となる。
また、図4に示すように分割された夫々の範囲において、隣接する範囲の位置ずれ量は比較的近いことが予測される。従って、分割された夫々の範囲についての比較検査を行う際、隣接する領域の比較検査によって決定された位置ずれ量を中心として上述した縦横にずらしながらの計算を行うことにより、縦横にずらしながら計算を行う回数を少なくしても、正確な重ね合わせ位置による計算が実行される可能性が高く、全体として計算量を減らすことが出来る。
また、本実施形態に係る検査制御部403は、上述したように、読取画像を解析することによってバンディングを検知する。この機能については後に詳述する。
次に、プリントエンジン3及び検査装置4の機械的な構成及び用紙の搬送経路について、図5を参照して説明する。図5に示すように、本実施形態に係るプリントエンジン3に含まれる印刷処理部301は、無端状移動手段である搬送ベルト11に沿って各色の感光体ドラム12Y、12M、12C、12K(以降、総じて感光体ドラム12とする)が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ13から給紙される用紙(記録媒体の一例)に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト11に沿って、この搬送ベルト11の搬送方向の上流側から順に、感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kが配列されている。
各色の感光体ドラム12の表面においてトナーにより現像された各色の画像が、搬送ベルト11に重ね合わせられて転写されることによりフルカラーの画像が形成される。そのようにして搬送ベルト11上に形成されたフルカラー画像は、図中に破線で示す用紙の搬送経路と最も接近する位置において、転写ローラ14の機能により、経路上を搬送されてきた用紙の紙面上に転写される。
紙面上に画像が形成された用紙は更に搬送され、定着ローラ15にて画像を定着された後、検査装置4に搬送される。また、両面印刷の場合、片面上に画像が形成されて定着された用紙は反転パス16に搬送され、反転された上で再度転写ローラ14の転写位置に搬送される。
読取装置400は、検査装置4内部における用紙の搬送経路において、印刷処理部301から搬送された用紙の夫々の面を読み取り、読取画像を生成して検査装置4内部の情報処理装置によって構成される読取画像取得部401に出力する。また、読取装置400によって紙面が読み取られた用紙は検査装置4内部を更に搬送され、排紙トレイ410に排出される。尚、図5においては、検査装置4における用紙の搬送経路において、用紙の片面側にのみ読取装置400が設けられている場合を例としているが、用紙の両面の検査を可能とするため、用紙の両面側に夫々読取装置400を配置しても良い。
このように、プリントエンジン3には複数のローラをはじめとした駆動部品を数多く含むため、夫々の部品において振動が発生する。そして、画像の濃度に影響を与える部品の振動が組み付けの不具合等により大きくなると、振動の周期に応じて画像の濃度が周期的に変化し、上述したバンディングが発生する。
例えば、1ページ分の画像の副走査方向における濃度変化を解析することにより、1ページ分の画像において周期的に発生している濃度変化を検知することは可能である。しかしながら、濃度変化の周期が1ページ分の副走査方向の長さに近い場合や、1ページ分の副走査方向の長さを超えている場合、1ページ分の解析ではバンディングを検知することが困難である。本実施形態は、そのような長周期のバンディングを検知するための処理がその要旨である。詳細は後述する。
次に、本実施形態に係るマスター画像処理部402の機能構成について説明する。図6は、マスター画像処理部402内部の構成を示すブロック図である。図6に示すように、マスター画像処理部402は、少値多値変換処理部421、解像度変換処理部422、色変換処理部423及び画像出力処理部424を含む。尚、本実施形態に係るマスター画像処理部402は、図2において説明した専用デバイス80、即ち、ASICとして構成されたハードウェアが、ソフトウェアの制御に従って動作することにより実現される。
少値多値変換処理部421は、有色/無色で表現された二値画像に対して少値/多値変換処理を実行して多値画像を生成する。本実施形態に係るビットマップデータは、プリントエンジン3に入力するための情報であり、プリントエンジンはCMYK(Cyan,Magenta,Yellow,blacK)各色二値の画像に基づいて画像形成出力を実行する。これに対して検査対象の画像である読取画像は、基本三原色であるRGB(Red,Green,Blue)各色多階調の多値画像であるため、少値多値変換処理部421により先ず二値画像が多値画像に変換される。多値画像としては、例えばCMYK各8bitで表現された画像を用いることができる。
少値多値変換処理部421は、少値/多値変換処理として、8bit拡張処理、平滑化処理を行う。8bit拡張処理は、0/1の1bitであるデータを8bit化し、「0」は「0」のまま、「1」は「255」に変換する処理である。平滑処理は、8bit化されたデータに対して平滑化フィルタを適用し、画像を平滑化する処理である。
尚、本実施形態においては、プリントエンジン3がCMYK各色二値の画像に基づいて画像形成出力を実行する場合を例とし、マスター画像処理部402に少値多値変換処理部421が含まれる場合を例とするが、これは一例である。即ち、プリントエンジン3が多値画像に基づいて画像形成出力を実行する場合は、少値多値変換処理部421は省略可能である。
また、プリントエンジン3が1bitではなく2bit等の少値の画像に基づいて画像形成出力を行う機能を有する場合もあり得る。その場合、8bit拡張処理の機能を変更することにより対応することができる。即ち、2bitの場合、階調値は0、1、2、3の4値である。従って、8bit拡張に際しては、「0」は「0」、「1」は「85」、「2」は「170」、「3」は「255」に変換する。
解像度変換処理部422は、少値多値変換処理部421によって生成された多値画像の解像度を、検査対象の画像である読取画像の解像度に合わせるように解像度変換を行う。本実施形態においては、読取装置400は200dpiの読取画像を生成するため、解像度変換処理部422は、少値多値変換処理部421によって生成された多値画像の解像度を200dpiに変換する。また、本実施形態に係る解像度変換処理部422は、解像度変換に際して、印刷処理部301によって出力される用紙の収縮等を考慮して予め定められた倍率に基づいて解像度変換後の画像のサイズを調整する。
色変換処理部423は、解像度変換処理部422によって解像度が変換された画像を取得して階調変換及び色表現形式の変換を行う。階調変換処理は、印刷処理部301によって紙面上に形成される画像の色調及び読取装置400によって読み取られて生成される画像の色調に、マスター画像の色調を合わせるための色調の変換処理である。
このような処理は、例えば、様々な階調色のカラーパッチを含む画像が印刷処理部301によって紙面上に形成され、その用紙を読み取って生成された読取画像における各カラーパッチの階調値と、夫々のカラーパッチを形成するための元の画像における階調値とが関連付けられた階調変換テーブルを用いて行われる。即ち、色変換処理部423は、このような階調変換テーブルに基づき、解像度変換処理部422が出力した画像の各色の階調値を変換する。
色表現形式の変換処理は、CMYK形式の画像をRGB形式の画像に変換する処理である。上述したように、本実施形態に係る読取画像はRGB形式の画像であるため、色変換処理部423は、階調変換処理のされたCMYK形式の画像をRGB形式に変換する。この色表現形式の変換処理は、RGB形式の各色の値をCMYK形式の各色の値に基づいて算出するための計算式を用いて実行される場合の他、上述した階調変換処理と同様に、CMYK形式の値とRGB形式の値とが関連付けられた変換テーブルに基づいて実行される。
尚、CMYK形式の値とRGB形式の値とが関連付けられた変換テーブルであって、上述した階調変換が考慮された変換テーブルを用いることにより、上述した階調変換及び色表現形式の変換を同時に実行することも可能である。そのような処理により、処理負荷を低減することが可能である。
色変換処理部423までの処理により、画素毎にRGB各色8bit(合計24bit)で表現された200dpiの多値画像が生成される。即ち、本実施形態においては、少値多値変換処理部421、解像度変換処理部422及び色変換処理部423が、検査用画像生成部として機能する。
画像出力処理部424は、色変換処理部423までの処理によって生成されたマスター画像を出力する。これにより、検査制御部403が、マスター画像処理部402からマスター画像を取得する。
次に、本実施形態に係る検査制御部403の機能構成について説明する。図7は、本実施形態に係る検査制御部403の機能構成を示すブロック図である。また、図8は、本実施形態に係る検査制御部403による1ページ分の画像検査の動作を示すフローチャートである。図7に示すように、本実施形態に係る検査制御部403は、情報入力部431、差分画像取得部432、欠陥判定部433、コントローラ通信部434及びバンディング判定部500を含む。
本実施形態に係る検査制御部403においては、図8に示すように、まず情報入力部431が、マスター画像処理部402からマスター画像を取得し(S801)、読取画像取得部401から読取画像を取得する(S802)。S801の処理とS802の処理とは前後関係に制約はないため、逆の順序で実行されても良いし並列して実行されても良い。
マスター画像及び読取画像を取得した情報入力部431は、図4において説明したように、マスター画像及び読取画像から夫々所定範囲の画像を抽出して比較検査部404に入力することにより、比較検査部404に画像の比較検査を実行させる(S803)。
S803の処理により、読取画像を構成する各画素とマスター画像を構成する各画素との差分値を示す差分画像が生成され、生成された差分画像を差分画像取得部432が取得する。差分画像取得部432が取得した差分画像に基づき、欠陥判定部433によって欠陥判定が実行される(S804)。
S804においては。欠陥判定部433が、差分画像を構成する各画素の値と予め設定された閾値とを比較することにより、夫々のページに欠陥が含まれるか否かを判定する。また、欠陥として判定された画素のラベリング処理等を行うことにより、欠陥位置の特定や、欠陥種類の特定等を行って欠陥判定の結果を示す情報を生成する。
また、バンディング判定部500が、情報入力部431から読取画像を取得し、バンディング判定を行う(S805)。S805におけるバンディング判定処理については後に詳述する。尚、S803,S804の処理とS805の処理とは、逆の順番で実行されても良いし、平行して実行されても良い。欠陥判定処理及びバンディング判定処理が完了すると、コントローラ通信部434が、欠陥判定結果及びバンディング判定結果に基づいて再印刷要求やバンディング検知通知等のエンジン制御を実行する(S806)。このような処理により、本実施形態に係る画像検査動作が完了する。
次に、S805のバンディング判定動作について説明する。図9は、本実施形態に係るバンディング判定部500の詳細な機能構成を示すブロック図である。図9に示すような機能ブロックを構成するためのプログラムが画像検査プログラムとして用いられる。図9に示すように、本実施形態に係るバンディング判定部500においては、まず読み取り間隔算出部501に対して、各ページの読み取り開始タイミングTの情報が入力されると共に、色変換部502に情報入力部431から読取画像が入力される。
読み取り間隔算出部501は、入力されたT及び各ページの読み取り期間Lの情報に基づき、読み取り間隔Dis(k)を算出する。ここで、図10を参照して、本実施形態に係るページ間の読み取り間隔や、各ページの読み取り態様及びページ間の補完間隔について説明する。
図10は、連続して読取装置400において読み取られる3ページ分の搬送状態を示す図であり、図中の水平方向が用紙の搬送方向であって、右から左に向かって用紙が搬送される。ここで、実際の用紙は図中Sの領域であるが、位置ずれ等により読み取り範囲から用紙の端部が外れてしまうことを防ぐために、読み取りは図中の斜線の領域である原稿外領域Rを含めて実行される。
即ち、図10に示すように、読取装置400は、用紙の搬送に合わせて、読取開始タイミングTから読み取り期間Lの間、読み取りを実行する。これにより、読取画像の搬送方向両端には、原稿外領域Rに応じた幅Dの余分な領域が生成される。また、用紙には余白があり、図10においては紙面上の余白の境界線を破線で示している。そのため、読取画像には、余白に応じた幅Dの余分な領域が生成される。
夫々のページに応じた読取画像同士の間は、読み取り間隔Disによって示される。図10に示すように、夫々の読み取り間隔Dis(k)は、用紙の搬送速度vを用いて、以下の式(1)によって示される。従って、読み取り間隔算出部501は、以下の式(1)の計算により、各ページ間の読み取り間隔Dis(k)を算出する。

読み取り間隔算出部501による処理により、図11に示すように、各ページ間について読み取り間隔Dis(k)の算出結果が生成される。読み取り間隔算出部501は、補完距離算出部506に図11に示す算出結果を入力する。
色変換部502は、情報入力部431からRGB形式で入力される読取画像を、YC形式に変換する。本実施形態に係るバンディング検知処理においては、人間の視覚においてバンディングとして認識される画像濃度の変化を検知することが目的であるため、YC形式のY信号を用いることにより、より人間の視覚に対応した判断を可能とする。尚、YCbCr形式の他、L形式のL信号や、HSV形式の明度信号V、RGB信号のG成分等を用いても良い。
原稿外領域算出部503は、色変換部502によって形式変換された読取画像に基づき、図10に示す原稿外領域Rに応じた幅Dを算出する。原稿外領域Rは、即ち用紙を搬送するベルトが撮像された領域である。用紙を搬送するベルトは、用紙との識別を容易化するため、黒色やそれに近い暗い色で構成されている。
そのため、原稿外領域算出部503は、読取画像を構成する各画素の値に対して、上述した黒色やそれに近い暗い色を識別するための閾値を適用することにより、読取画像の端部における原稿外領域を識別し、その識別結果に基づいて図10に示す幅Dを算出する。
余白領域算出部504は、色変換部502によって形式変換された読取画像に基づき、図10に破線で示す用紙の余白に応じた幅Dを算出する。余白領域算出部504は、原稿外領域算出部503によって識別された原稿外領域Rを読取画像から除外した上で、判別分析法を用いて読取画像を画像領域と余白領域とに仕分けして、図10に示す幅Dを算出する。
ライン平均値算出部505は、色変換部502によって形式変換された読取画像に基づき、主走査ライン毎の輝度値の代表値を算出する。主走査ラインとは、図10において搬送方向に垂直な方向である。バンディングによる濃度変化は、図10の搬送方向の位置による輝度値の周期的な変化として現れる。従って、バンディング判定部500は、主走査ライン毎の輝度値の代表値を求め、その代表値の搬送方向における変化を解析することで、バンディングを判定する。
そのため、ライン平均値算出部505は、夫々の主走査ラインに含まれる画素の輝度値の平均を算出することにより、図12に示すように、主走査ライン毎の輝度値の代表値を求める。図12に示すように、ライン平均値算出部505による計算により、ピクセル数によって特定された夫々の主走査ラインの位置毎に、“平均輝度値”が算出される。図12に示す情報が、前記記録媒体の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の変動を示す値である読取画像濃度変動情報である。即ち、ライン平均値算出部505が、読取画像濃度変動情報生成部として機能する。
補完距離算出部506は、上述した輝度値の変化を解析する上で輝度値を補完する必要のある距離を算出する。上述したように、バンディングの判定に際しては、搬送方向における輝度値の変化を解析するが、図10において説明したように、連続して搬送される用紙の間には図10においてDis(k)やDによって示される搬送の間隔があり、その部分には画像は形成されない。また、余白Dの部分にも画像は形成されない。
バンディングによる画像濃度の変化は、上述したようにプリントエンジン3に含まれる部品の振動によって発生するが、それは用紙の有無に関わらず発生している。従って、用紙と用紙の間や画像が形成されない余白の部分についても、バンディングの原因となる振動は発生しており、それらの部分にも潜在的に濃度の変動要因が発生していることとなる。
読取画像の輝度を解析することによりバンディングを検知する場合、このような画像の形成されない領域のデータを解析対象とすることが出来ず、バンディングを正確に抽出することが出来ない。そのような課題は、濃度変動の周期が、図10に示す搬送方向の用紙の長さに近い場合や、用紙の長さよりも長い場合に特に顕著である。
これに対して、本実施形態においては、上述したような画像が形成されない領域のデータを補完することにより、上述したような長周期のバンディングを正確に検知することを可能とする。そのため、補完距離算出部506は、上述したように算出された読み取り間隔Dis(k)、幅D、Dに基づき、以下の式(2)を用いて図10に示す補完距離Dを算出する。

補完距離算出部506による計算により、図13に示すように、各ページ間について補完距離Dの算出結果が生成される。図13に示す情報が、あるページにおける画像形成領域と、その直後に搬送される次のページにおける画像形成領域との搬送状態における間隔を示す画像領域間情報として用いられる。即ち、補完距離算出部506が、画像領域間情報取得部として機能する。補完距離算出部506は、補完値生成部509に図11に示す算出結果を入力する。
ページ平均値算出部507は、図12に示すように生成された主走査ライン毎の輝度値の平均値に基づき、各ページの輝度値の代表値を算出する。図14は、ページ平均値算出部によって生成される各ページの平均輝度値を示す情報の例である。ページ平均値算出部507は、図14に示すように算出した情報を安定化判断部508及び補完値生成部509に入力する。
安定化判断部508は、図14に示すように算出された各ページの平均輝度値に基づき、画像形成出力の開始後、プリントエンジン3の状態が安定することにより、出力される画像の濃度が安定したことを判断する。図15は、本実施形態に係る安定化判断の態様を示す図である。図15においては、各ページの平均輝度値を縦軸、ページ数を横軸としたグラフが示されている。
図15に示すように、一般的なプリントエンジン3の特性として、出力を開始した直後は輝度値が高め、即ち、濃度の薄い画像が出力され、徐々に濃度が上がって安定していく。図15においては、ページ数Pstab1からPstab2を安定領域と判断し、このページ数をバンディング検知の解析対象とする。
安定化判断部508は、図15に示すページ数Pstab1からPstab2を判断するため、まず所定のページ数k1〜k2を指定し、図14に示すようにページk毎に算出された平均輝度値Bに基づいて以下の式(3)によりk1〜k2までのページ分の平均輝度値BAVEk1−k2を算出する。尚、以下の式(3)においては、k1〜からk2までのページ数をKとする。

そして、安定化判断部508は、上記式(3)により算出したBAVEk1−k2に基づき、ページk1〜k2の輝度の分散Vを以下の式(4)により算出する。

安定化判断部508は、図14に示すように算出されたページ毎の平均輝度値に基づき、k1〜k2の指定を変更して上記式(3)、(4)の計算を繰り返し、分散Vが最少になるk1〜k2を選択して解析対象のページ範囲を決定する。安定化判断部508は、決定したk1〜k2を補完値生成部509に入力する。
補完値生成部509は、安定化判断部508から入力された解析対象ページ数k1〜k2のページ間の輝度値を、補完距離算出部506から入力された図13に示すページ間補完距離に基づいて補完する。ページ間の輝度値の補完に際して、補完値生成部509は、図14に示すページ毎の平均輝度値に基づく線形補完を行う。
本実施形態に係るバンディング判定においては、図10に示す用紙の搬送方向における濃度の周期的な変動を検知することが目的である。そのため、用紙の搬送方向においてピクセル単位で連続的な輝度データを用意し、そのデータについてFFT(Fast Fourier Transform)による周波数解析を行う。
ここで、図10に破線で示す用紙の余白の内部については、図12に示すようにピクセル単位で主走査ライン毎の平均輝度値が得られているが、夫々のページ間のデータは得られておらず、読取画像から抽出可能な輝度値のデータは用紙の搬送方向において連続的なデータではない。従って、ページ間の輝度値のデータをピクセル単位で補完することが補完値生成部509による処理の意義である。
図16は、図12に示すように読取画像から得られたピクセル単位の輝度データと、線形補完によって得られた輝度データとを示すグラフであり、横軸が用紙搬送方向のピクセル数、縦軸が各ピクセル数に応じた主走査ラインの平均輝度値を示す。また、図16において、実線は読取画像から得られた平均輝度値を示し、破線は線形補完によって得られた輝度値を示す。
図16に示すグラフの元となる情報は、複数の記録媒体の読み取り画像について図12に示すように生成された読取画像濃度変動情報が、図13に示す画像領域間情報や上述した補完データに基づいて記録媒体の搬送状態に応じた位置関係で統合された情報である。即ち、図16に示すグラフの元となる情報が、搬送方向濃度変動情報として用いられる。また、補完値生成部509が、搬送方向濃度変動情報生成部として機能する。
長周期のバンディングが生じている場合、図10に示すように、複数のページにわたって周期的な濃度の変動が現れる。そして、各ページの平均輝度値に基づく線形補完により、図16に破線で示すようにページ間の輝度値が補完される。このように補完された搬送方向におけるピクセル単位の輝度データに基づいて周波数解析を行うことにより、バンディングを検知することが可能となる。即ち、補完値生成部509が、用紙の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の変動について、連続して搬送される複数のページ夫々における画像形成領域の間を補完する搬送方向濃度変動補完部として機能する。
各ページの平均輝度値に基づく線形補完の場合、図16に示すように、実測値と補完値との間で値がシフトした状態となる可能性がある。これに対して、図10に示すような搬送方向において、ページの余白領域内部(以降、「画像領域」とする)の後端のピクセルの輝度値と、次のページの画像領域の先端のピクセルの輝度値とを用いて線形補完をすると、図17に示すような補完結果が得られる。これにより、上述したような値がシフトするような状態を避けることが可能である。
図17に示すような補完を行う場合、補完値生成部509は、ライン平均値算出部505によって生成された図12に示す読取画像濃度変動情報に基づき、図10に示すように連続して搬送される2つのページのうち下流側を搬送されているページの画像形成領域の搬送方向後端の輝度値と、上流側を搬送されているページの画像形成領域の搬送方向先端の輝度値との間を線形補完により補完する。ここで、搬送方向下流側とは図10の左側であり、上流側とは図10の右側である。
また、線形補完ではなく、図12に示すピクセル毎の平均輝度値に基づいて非線形補完を行うことも可能である。以下の非線形補完を行う場合の例について説明する。補完値生成部509は、夫々のページ間毎に3次スプライン曲線補完を実行する。iページ目の搬送方向後端のピクセルをx、i+1ページ目の搬送方向先端のピクセルをxi+1とすると、iページ目とi+1ページ目とのページ間の図16、17に示すような空間上の曲線は、ピクセル数xにおける輝度値yi(x)として、以下の式(5)によって示される。式(5)においては、x≦x≦xi+1である。

そして、x、xi+1において、関数が滑らかに接続することが条件となるため、yi(x)の二次導関数をSとし、h=xi+1−xとすると、以下の式(6)が成り立つ。

上記式(6)のSを解くことで、式(5)のパラメータa、b、c、dを以下の式(7)〜(10)で求めることが可能となる。







補完値生成部509は、このようなパラメータに基づいて上記式(5)の計算を行うことにより、ページ間の輝度値の非線形補完を行う。尚、図17において説明した線形補完や、上記式(5)〜(10)を用いた非線形補完を行う場合、補完値生成部509は、ライン平均値算出部505から、図12において説明した主走査ライン毎の輝度値の代表値の情報を取得する。
サンプリング部513は、低周波数領域について補完データの影響を受けない周波数解析を行うため、上述した搬送方向濃度変動情報のうち、補完値生成部509によって補完された部分を避けて低周波数でデータをサンプリングする。そのため、サンプリング部513は、サンプリング間隔計算部511及び高周波除去部512から情報を取得する。これについては後に詳述する。以降、補完によって生成されたデータを含む周波数解析を「高周波解析」、低周波でサンプリングされたデータについての周波数解析を「低周波解析」とする。
周波数解析部510は、図16、図17に示す態様若しくは非線形補完によって補完された、用紙の搬送方向におけるピクセル数毎の輝度値の情報に基づき、上述した様にFFTによる周波数解析を行う。本実施形態に係る周波数解析部510は、サンプリング部513から上述した搬送方向濃度変動情報及び低周波数でのサンプリングデータを取得し、上述した「高周波解析」及び「低周波解析」を行う。
周波数解析部510は、周波数解析の結果抽出された周波数成分をスペクトル強度の順に抽出し、図18に示すような情報(以降、「周波数解析結果情報」とする)を生成する。図18に示すように、本実施形態に係る周波数解析結果情報においては、スペクトル強度の“順位”に応じて、抽出された周波数の“周期”、“スペクトル”が関連付けられた情報である。
尚、図18に示す周波数解析結果情報においては、高周波解析によって得られたスペクトル強度及び低周波解析によって得られたスペクトル強度をまとめて順位付けがされている。これについても後に詳述する。周波数解析部510は、図18に示す周波数解析結果情報を、コントローラ通信部434に入力する。このようなバンディング判定部500の機能により、図8のS805におけるバンディング判定処理が完了する。
コントローラ通信部434は、上述したような処理の結果取得した周波数解析結果情報を、S806においてインタフェース端末5に送信する。これにより、システムのオペレータに対してバンディングの発生状況を通知することが可能となる。また、バンディングが発生している場合に、発生しているバンディングの周期に応じて故障部位を特定することも可能である。
プリントエンジン3を構成する部品に不具合が生じた場合に、不具合によって発生するバンディングの周波数は部品によってある程度定まっている場合がある。従って、図19に示すように、バンディングの“周期”と、その周期のバンディング発生した場合に欠陥が疑われる“警告対象部品”とが関連付けられたテーブルを用意することにより、コントローラ通信部434は、バンディング判定部500から取得した周波数解析結果情報に基づいて警告対象部品を特定してインタフェース端末5に送信することが可能である。
次に、上述した低周波解析について説明する。図20は、主走査ライン毎のピクセルに対応した輝度データの代表値の時系列変化について、サンプリング間隔tsampleによるサンプリングを行った場合のサンプリングポイントを示す図である。尚、上述したように、主走査ライン毎のピクセルに対応した輝度データの代表値の時系列変化は、ライン平均値算出部505によって得られる。
図20に示すようにデータの開始点である0ピクセルからのシフト量tshift、サンプリング間隔tsampleによるサンプリングを行った場合、ページ間に相当する位置にサンプリングポイントが重ならない。換言すると、全てのサンプリングポイントが、画像領域に含まれる。そのため、サンプリングされた値には補完データが含まれないこととなり、補完データの影響を受けない周波数解析を行うことが出来る。
このサンプリング間隔tsampleによるサンプリングによって得られた時系列変化の周波数解析が、低周波解析である。サンプリング間隔計算部511は、図10において説明したD、D、Dis(k)及びLに基づき、図20に示すシフト量tshift及びサンプリング間隔tsampleを求める。即ち、サンプリング間隔計算部511が、サンプリング間隔設定部として機能する。詳細は後述する。
ナイキスト周波数の理論によれば、サンプリング間隔tsampleによってサンプリングされた時系列の変化値を周波数解析することにより、その2倍以上の周期を有する信号を検知することが可能である。従って、本実施形態に係る周波数解析部510は、サンプリング間隔計算部511によって求められたサンプリング間隔tsampleの2倍の周期を境界とし、それ以上の周期を有するバンディングを低周波解析により検知する。また、サンプリング間隔tsampleの2倍の周期未満の周期を有するバンディングを高周波解析により検知する。
換言すると、本実施形態に係る周波数解析部510は、サンプリング間隔tsampleの2倍の周期に相当する周波数(以降、「境界周波数」とする)を境界とし、それ以下の低周波数帯のバンディングを低周波解析により検知する。他方、境界周波数を超える周波数帯のバンディングを高周波解析により検知する。
このような処理により、データの補完によって得られるページ間のデータの時系列変化が影響しやすい低周波数帯のバンディングの検知において、データの補完による影響を除外し、高精度なバンディング検知を行うことが可能となる。
ここで、図20に示すように、ライン平均値算出部505によって得られた主走査ライン毎のピクセルに対応した輝度データの代表値の時系列変化は、あらゆる周波数帯のバンディングの影響を含んでいる。図20においては、サンプリング間隔tsampleでのサンプリング点を丸印で示している。
図20に示すようなあらゆる周波数帯のバンディングのうち、境界周波数を超える周波数帯のバンディングは、低周波数であるサンプリング間隔tsampleによってサンプリングされた時系列変化値の周波数解析においてノイズとなる。
そのため、高周波除去部512は、サンプリング間隔計算部511からサンプリング間隔tsampleを取得し、境界周波数を超える周波数帯の信号、即ち、周期がサンプリング間隔tsampleの2倍未満である信号を除去する。これにより、図21に示すように、高周波の信号成分が除去され、検知対象である低周波数帯のバンディングを高精度に検知することが可能となる。
図22は、高周波除去部512による処理を示すフローチャートである。図22に示すように、高周波除去部512は、まずサンプリング間隔tsampleを取得する(S2201)。また、高周波除去部512は、ライン平均値算出部505によって得られる主走査ライン毎のピクセルに対応した輝度データの代表値の時系列変化を取得し、その中から1つの画像領域を抽出する(S2202)。
S2202において、高周波除去部512は、図10において説明したD、D、Dis(k)及びLに基づいて画像領域のデータを抽出する。1つの画像領域を抽出すると、高周波除去部512は、抽出した画像領域のデータについてFFTによる周波数解析を行う(S2203)。
FFT処理により周波数に応じたスペクトルを得ると、高周波除去部512はローパスフィルタにより上述した境界周波数以上の成分を除去する(S2204)。尚、境界周波数fthは、サンプリング間隔tsampleを用いて、以下の式(11)により求められる。

ローパスフィルタによって高周波成分を除去すると、高周波除去部512は、高周波成分の除去されたデータを逆FFT処理によって実空間のデータに戻す(S2205)。高周波除去部512は、ライン平均値算出部505によって得られる主走査ライン毎のピクセルに対応した輝度データの代表値の時系列変化に含まれる全画像領域についてS2202からの処理を繰り返す(S2206/NO)。
そして、全ての画像領域についてS2202以降の処理が完了すると(S2206/YES)、高周波除去部512は、生成したデータを周波数解析部510に入力して処理を終了する。このような処理により、周波数解析部510は、図21に示すように高周波成分が除去されたピクセル単位の輝度データの代表値の時系列変化(以降、「低周波データ」とする)を取得する。
尚、本実施形態においては、上述したようにナイキスト周波数の理論に基づき、低周波解析と高周波解析との境界である境界周波数を、サンプリング間隔tsampleの2倍の周期に対応する周波数としている。即ち、検知対象の周波数の1周期において少なくとも2か所のデータをサンプリングする場合を例としている。
しかしながら、検知対象の周波数の1周期において得られるデータ数が多い程、検知対象の周波数の検知精度が向上する。即ち、サンプリング間隔tsampleに乗ずる係数を大きくするほど、低周波解析によって検知されるバンディングの周波数のうち、境界周波数に近い周波数、即ち、検知対象の周波数帯のうち高い周波数帯のバンディングの検知精度が向上する。従って、境界周波数に対応する周期は、サンプリング間隔tsampleの2倍に限らず、3倍以上の周期であっても良い。
次に、本実施形態に係るサンプリング間隔計算部511によるシフト量tshift及びサンプリング間隔tsampleを求める動作について説明する。図23は、本実施形態に係るサンプリング間隔計算部511の動作を示すフローチャートである。図23に示すように、サンプリング間隔計算部511は、まず上記式(2)によって得られたDのうちもっとも大きい値Dk−maxを取得する(S2301)。そして、Dk−maxの値をtsampleの初期として設定すると共に、D及びDの和をtshiftの初期として設定する(S2302)。
そして、サンプリング間隔計算部511は、サンプリング点の順番を示す変数numに1を設定し(S2303)、変数numによって示されるサンプリング点が、図10に示す画像領域内に含まれるか否か判断する(S2304)。S2304において、サンプリング点に対応するピクセル領域上の位置は、以下の式(12)によって得ることが出来る。

上記式(12)によりサンプリング点に対応するピクセル領域上の位置を算出したサンプリング間隔計算部511は、算出した位置が画像領域内であるか否か判断する。この際サンプリング間隔計算部511は、図10において説明したD、D、Dis(k)及びL等の各パラメータを用いてピクセル領域上の画像領域を計算し、サンプリング点が画像領域内か否か判断する。
例えば、図10において、1ページ目の画像領域PはD+DからL−(D+D)の間である。また、2ページ目の画像領域Pは、L−(D+D)+Dから2×L+Dis(1)−(D+D)の間である。また、3ページ目の画像領域P3は、2×L+Dis(1)−(D+D)+Dから3×L+Dis(1)+Dis(2)−(D+D)の間である。
サンプリング間隔計算部511は、このように画像領域の範囲を計算し、サンプリング点に対応するピクセル領域上の位置が画像領域に含まれるか否か判断する。尚、S2304の処理は、サンプリング点に対応するピクセル領域上の位置が画像領域に含まれるか否かではなく、ページ間、即ち画像形成領域以外に含まれていないか否かを確認しても良い。その場合も同様に、図10において説明したD、D、Dis(k)及びL等の各パラメータを用いて計算可能である。
S2304の判断の結果、変数numによって示されるサンプリング点が画像領域内に含まれる場合(S2304/YES)、サンプリング間隔計算部511は、サンプリング点を1つ進める(S2305)。そして、サンプリング間隔計算部511は、1つ進めたサンプリング点の位置が全データ長を超えたか否か判断する(S2306)。
全データ長とは、ライン平均値算出部505によって得られる主走査ライン毎のピクセルに対応した輝度データの代表値の時系列変化における全ピクセル領域である。S2306の判断の結果、サンプリング点がデータ長を超えていた場合(S2306/YES)、全てのサンプリング点がページ間を避けているということになる。
従って、サンプリング間隔計算部511は、その時のtsample、tshiftを確定し(S2307)、処理を終了する。他方、S2306の判断の結果、サンプリング点がデータ長に到達していなければ(S2306/NO)、サンプリング間隔計算部511は、S2304からの処理を繰り返す。
S2304の判断の結果、サンプリング点が画像領域外、即ち、ページ間に位置する場合(S2304/NO)、現在設定中のtsample、tshiftではページ間を避けることはできないということになる。従ってサンプリング間隔計算部511は、シフト量tshiftを1ピクセル進める(S2308)。即ち、サンプリング間隔計算部511は、S2308において、サンプリング間隔tsampleはそのままに、全体の位置を副走査方向に1ピクセルずらす。
シフト量tshiftを1ピクセル進めたサンプリング間隔計算部511は、その結果シフト量tshiftが1ページ目の画像領域を超えたか否かを判断する(S2309)。シフト量tshiftが1ページ目の画像領域を超えていなければ(S2309/NO)、サンプリング間隔計算部511は、S2304からの処理を繰り返す。
シフト量tshiftが1ページ目の画像領域を超えていた場合(S2309/YES)、現在設定中のtsampleではページ間を避けることはできないということになる。従ってサンプリング間隔計算部511は、サンプリング間隔tsampleを1ピクセル広げると共に、シフト量tshiftを初期値に戻す(S2310)。
サンプリング間隔tsampleを1ピクセル広げたサンプリング間隔計算部511は、その結果サンプリング間隔tsampleが定められた閾値に到達したか否かを判断する(S2311)。ここで、定められた閾値とは、それ以上の長周期でサンプリングしたとしても、ライン平均値算出部505によって得られる主走査ライン毎のピクセルに対応した輝度データの代表値の時系列変化に対して有効な周波数解析が不可能であることを判断する閾値である。
上記式位置は、例えば上述したデータ長、即ち、ライン平均値算出部505によって得られる主走査ライン毎のピクセルに対応した輝度データの代表値の時系列変化における全ピクセル領域とすることが出来る。また、上述したナイキスト周波数の理論によれば、データ長の半分としても良い。
また、副走査方向の全ピクセル領域において取るべきサンプリング点の最小数を10個とするならば、データ長の10分の1とすることが出来る。その他、上記式位置は、副走査方向の全ピクセル領域において取るべきサンプリング点の数に応じて設定することが可能である。
S2311の判断の結果、サンプリング間隔tsampleが閾値に到達していなければ(S2311/NO)、サンプリング間隔計算部511は、S2304からの処理を繰り返す。他方、サンプリング間隔tsampleが閾値に到達していた場合(S2311/YES)、サンプリング間隔計算部511は、対象のデータにおいては、ページ間を避けてサンプリング点を設定することが不可能であるため、低周波解析を無効に設定して(S2313)、処理を終了する。
このような処理により、本実施形態に係るサンプリング間隔計算部511によるサンプリング間隔tsample及びシフト量tshiftの判断動作が完了する。このような処理によれば、設定可能なサンプリング間隔tsampleのうち最小のサンプリング間隔tsampleが設定されることとなる。
図24は、S805のバンディング判定処理における周波数解析部510の動作を示すフローチャートである。図24に示すように高周波解析処理(S2401)を行うと共に、低周波解析処理(S2402)を行う。
S2402において周波数解析部510は、図23の動作によって設定されたサンプリング間隔tsample及びシフト量tshiftをサンプリング間隔計算部511から取得する。また、周波数解析部510は、図22において説明した処理によって図21に示すような低周波データを高周波除去部512から取得する。
そして、周波数解析部510は、サンプリング間隔tsample及びシフト量tshiftを用いて低周波データからサンプリングしたサンプリング点に基づき、高周波解析と同様にFFT処理を行う。これにより、周波数解析部510は、上述した境界周波数以下の低周波のバンディングによって生ずる信号のパワースペクトルを得る。高周波解析及び低周波解析を完了すると、周波数解析部510は、高周波解析処理の結果及び低周波解析処理の結果について正規化を行う(S2403)。
高周波解析と低周波解析とでは、解析対象のデータの数が異なるため、周波数解析によって得られるパワースペクトルのレベルも異なり、高周波解析によって得られたパワースペクトルと低周波解析によって得られたパワースペクトルとをそのまま比較することはできない。周波数解析部510は、正規化によって高周波解析によって得られたパワースペクトルと低周波解析によって得られたパワースペクトルとの比較を可能とする。
S2403において、周波数解析部510は、高周波解析、低周波解析夫々のパワースペクトルを、夫々の周波数分解能の数で割ることにより正規化を行う。周波数分解能の数はサンプリング点の数に応じた値であり、サンプリング点の数に応じてパワースペクトルのレベルも変化する。従って、このような正規化により、高周波解析、低周波解析夫々のパワースペクトルのレベルを正規化し、比較することが可能となる。
正規化が完了すると、周波数解析部510は、高周波解析によって得られたパワースペクトルのうち、低周波の範囲を低周波解析によって得られたパワースペクトルと置換する(S2404)。
S2404において周波数解析部510は、正規化された高周波解析のパワースペクトルの一次微分を計算して変曲点を抽出することにより、信号が検知された周波数を特定する。そして、特定された周波数のうち、上述した境界周波数以下の周波数を除外する。このようにして低周波成分が除外された高周波解析の結果と低周波解析の結果とを統合することにより、低周波の範囲が低周波解析の結果によって置換されることとなる。
低周波の範囲を低周波解析のパワースペクトルによって置換すると、周波数解析部510は、検知された周波数成分をスペクトル強度の順に抽出し、図18に示すような周波数解析結果情報を生成する(S2405)。このような処理により、境界周波数を境に低周波領域のバンディングが低周波解析により検知され、高周波領域のバンディングが高周波解析により検知されたバンディング判定結果が得られる。
以上説明したように、本実施形態に係る検査装置4においては、図12に示すようにライン平均値算出部505が夫々の読取画像において用紙の搬送方向におけるピクセル位置に応じた平均輝度値を求める。これにより、用紙の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の変動を求め、ページ平均値算出部507が夫々のページ毎の平均輝度値を求める。また、図13に示すように、補完距離算出部506が、連続して搬送される夫々のページにおける画像形成領域の搬送状態における間隔を示す補完距離を求める。
そして、補完値生成部509が、用紙の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の変動について、連続して搬送される夫々のページ間を図16、図17に示すような態様、若しくは非線形補完より補完する。そして、そのように補完された用紙の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の変動に基づき、周波数解析部510が、周波数解析を行うことにより、用紙の搬送方向において周期的に発生している濃度の変動のうち高周波のものを検知する。
従って、図16や図17に示すように、複数ページにわたる情報に基づいて周波数解析を行うことが可能となり、画像に発生する周期的な欠陥のうち、1ページ分の搬送方向の用紙長を超えるような比較的長周期の欠陥の検知処理を高精度に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係るバンディング判定部500は、図9において説明したように、サンプリング間隔計算部511及び高周波除去部512を含む。そして、サンプリング部513は、高周波除去部512によって高周波成分の除去されたデータから、サンプリング間隔計算部511によって設定されたサンプリング間隔tsample及びシフト量tshiftに基づいてサンプリング点を抽出する。そのように抽出されたサンプリング点に値に基づいて、周波数解析部510が周波数解析を行う。これにより、上述した補完データを含まないデータによる周波数解析が実現される。
そして、周波数解析部510は、サンプリング間隔tsampleによって定まる境界周波数を境目として、それ以下の周波数のパワースペクトルを低周波解析から、それよりも大きな周波数のパワースペクトルを高周波解析から抽出して順位付けを行う。このような処理により、ページ間のデータの補完による影響を除外し、高精度なバンディング判定を行うことが出来る。
尚、上記実施形態においては、図10において説明したように、各ページの読取開始タイミングに基づいて上記式(1)の計算により各ページ間の読み取り間隔Dis(k)を算出する場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、例えば、読取装置400の機能により、読み取り間隔Dis(k)を直接取得可能な場合もある。
更に、上記実施形態においては、読み取り間隔Dis(k)を取得した上で、原稿外領域算出部503の機能により幅Dを算出して補完距離Dを取得する場合を例として説明した。しかしながら、プリントエンジン3の機能により、用紙の搬送間隔を取得可能な場合もあり得る。そのような場合、余白領域算出部504の機能のみで、補完距離Dを取得することが可能である。
尚、上記実施形態においては、境界周波数以下の周波数のバンディングを低周波解析で検知し、境界周波数を超える周波数のバンディングを高周波解析で検知する場合を例としている。しかしながらこれは一例であり、本実施形態に係る要旨は、データが補完されたピクセル領域であるページ間を避けたサンプリングにより周波数解析を行い、データ補完の影響を除外したバンディング検知を行うことである。
従って、境界周波数を超える周波数のバンディングの検知を行う必要がない場合、低周波解析のみを行っても良い。また、境界周波数を超える周波数のバンディングは、図12に示すように得られたデータのうち、1ページ分の画像領域から得られるサンプリング点のみでも可能な場合がある。従って、データ補完は高周波除去部512によるS2203の処理のためにのみ行い、高周波解析に際しては、図12に示すように得られたデータから1ページ分の画像領域に対応するデータのみを抽出して高周波解析を実行しても良い。
また、上記実施形態においては、高周波除去部512によって算出されたピクセル領域における主走査ライン毎の輝度値の代表値の時系列変化から高周波成分を除去した上で低周波解析を行う場合を例として説明した。これは、低周波解析において高周波成分の信号がノイズとなることを避けるためである。
しかしながら、高周波成分の信号の振幅が亭主は成分の振動の振幅に対して十分に小さい場合、そのノイズは微々たるものとなるため、高周波除去部512によるローパスフィルタ処理は不要な場合もある。その場合、高周波除去部512を省略しても良い。
実施の形態2.
実施の形態1においては、図7において説明したように、バンディング判定部500が、情報入力部431から入力された読取画像に基づいてバンディング判定を行う場合を例として説明した。このような態様は、テキスト情報が中心となる文書の情報においては好適な結果を得ることが可能である。他方、例えば写真等の自然画像の場合、画像自体の濃度の変動が大きく、バンディングによって生じる濃度変動を適切に検知することが困難な場合がある。
これに対して、バンディングによる濃度の変動はマスター画像と読取画像との差分値にも現れるため、差分画像に基づいてバンディング判定を行うことにより、上述した画像自体の濃度変動の影響を排除してバンディング判定を行うことが可能となる。本実施形態においては、そのような態様について説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
図25は、本実施形態に係る検査制御部403の機能構成を示すブロック図である。図25に示すように、本実施形態に係る検査制御部403は、図7において説明した実施の形態1における構成に加えて、平坦領域判定部435を含む。また、差分画像取得部432からバンディング判定部500に対して差分画像が入力されるように構成されている。
平坦領域判定部435は、マスター画像処理部402から入力されるマスター画像に基づき、検査対象の画像における平坦領域を判定する。この平坦領域とは、画像の濃淡の変化が少ない領域であり、例えばべた塗りの領域である。
図26は、本実施形態に係る平坦領域判定部435による平坦領域の判定動作を示すフローチャートである。図26に示す動作を実行する前提として、本実施形態に係る平坦領域判定部435は、図27に示すようなパラメータを保持している。単位検知サイズWは、1回の平坦領域判定において参照する領域(以降、「平坦判定領域」とする)の画素サイズであり、本実施形態においては、80ピクセル四方である。
標準偏差閾値THは、1つの平坦判定領域の画素値について算出された標準偏差に適用される閾値であり、算出された標準偏差、即ち画素値のバラつきが標準偏差閾値THよりも小さい場合に、その領域が平坦領域であると判定される。本実施形態における標準偏差閾値THは、RGB各色8bitの256階調を前提として、2である。
平坦領域判定部435は、図27に示すようなパラメータに基づき、図26に示すように、判定対象のマスター画像の端部から順に平坦判定領域分の画素を参照し(S2601)、参照した領域内の全画素について、RGB夫々の色毎に画素値の標準偏差を算出する(S2602)。この標準偏差の値が、夫々の平坦判定領域内における画素毎の濃淡の変化を示す平坦度として用いられる。即ち、平坦領域判定部435が、平坦度算出部として機能する。
そして、平坦領域判定部435は、算出したRGB各色の標準偏差のうち最も大きい値を、図27において説明した標準偏差閾値THと比較し(S2603)、算出結果が標準偏差閾値TH以上であれば(S2603/YES)、参照中の平坦判定領域が平坦領域であるとして、参照中の領域を示す座標を記憶媒体に登録する(S2604)。この座標は、例えば参照中の領域の左上の座標である。
算出結果が標準偏差閾値TH未満であった場合(S2603/NO)や、S2604の処理が完了した場合、平坦領域判定部435は、判定対象のマスター画像の全領域について判定が終了したかを確認し(S2605)、終了していなければ、平坦判定領域として参照する対象の領域を移動し(S2608)、S2601からの処理を繰り返す。尚、S2608においては、副走査方向に、単位検知サイズWの1辺の半分の画素分移動する。また、副走査方向の端部まで到達した場合には、単位検知サイズWの1辺のサイズ分主走査方向に移動し、副走査方向の先頭を参照領域とする。
図28は、平坦領域判定の対象となるマスター画像の一部を示す図である。図28の例においては、破線の斜線で示すべた塗り領域を背景として、文字や図形が表示された画像を対象としている。これに対して、図29は、全領域に対してS2604までの処理を終了した状態を示した図である。図29においては、平坦領域であると判定された領域を点線で囲って示している。
図29に示すように、判定対象のマスター画像の全領域について判定が終了すると(S2605/YES)、平坦領域判定部435は、平坦領域として判定された各単位検知サイズの領域を連結する(S2606)。S2606の処理に際しては、例えば、S2604において登録した座標に基づき、平坦領域として判定された各単位検知サイズの領域のうち隣接する領域同士を夫々結合する。
図30は、図10において説明した連続して搬送される複数ページの搬送状態において、平坦領域として判定された領域を一点鎖線で囲って示す図である。本実施形態に係るバンディング判定においては、図30に示すように、平坦領域として判定された領域に対応する読取画像の領域の輝度値のみを解析対象として採用し、用紙の搬送方向において平坦領域が存在しない範囲について、図30にD、Di+1で示すように補完値生成部509による補完対象とする。
このような処理により、平坦領域において発生している搬送方向に沿った濃度の変動に基づいてバンディングの判定を行うこととなり、画像形成出力対象の画像そのものの濃度変動による影響を排除して、高精度なバンディング検知を実現することが可能となる。
バンディング判定部500の機能構成は、図9において説明した構成と同様である。但し、本実施形態に係る色変換部502は、読取画像ではなく、差分画像取得部432から入力される差分画像に基づいて色表現形式の変換を行う。このようにして生成された差分画像に基づく色変換後の情報は、ライン平均値算出部505に入力される。
ライン平均値算出部505、ページ平均値算出部507及び安定化判断部508は、その差分画像に基づく情報を用いて実施の形態1と同様の処理を実行する。この際、ライン平均値算出部505は、上述したように平坦領域判定部435によって判定された平坦領域のみを対象として、図12に示すような用紙の搬送方向の位置に応じた平均輝度値を算出する。
他方、色変換部502は、実施の形態1と同様に、読取画像の色表現形式の変換も実行する。読取画像に基づいて色変換が行われた情報は、原稿外領域算出部503及び余白領域算出部504に入力される。これにより、補完距離算出部506は、実施の形態1と同様に、図30に示す補完距離Dを算出する。
更に、本実施形態に係る補完距離算出部506は、図30に示すように判定された平坦領域の判定結果を取得し、用紙の搬送方向において主走査ライン上に平坦領域が存在しない領域、即ち、図30に示すD、Di+1に相当する領域を識別して補完距離D、Di+1を算出する。これにより、本実施形態に係る補完距離算出部506は、図13に示すような各ページ間の補完距離Dに加えて、図31に示すように、各ページの用紙の搬送方向において平坦領域がない領域、即ち、参照するべき画像の情報が存在しない領域(以降、「参照不可領域」とする)の補完距離D、Di+1を示す情報を生成する。
そして、補完値生成部509は、実施の形態1と同様に、安定化判断部508から入力された解析対象ページ数k1〜k2のページ間の輝度値を、補完距離算出部506から入力された図13に示すページ間補完距離に基づいて補完する。また、本実施形態に係る補完値生成部509は、図31に示すように生成された参照不可領域の情報に基づき、夫々の参照不可領域の輝度値を、ページ間と同様の処理により補完する。
このような処理により、図16、図17において説明した態様と同様に、用紙の搬送方向における位置に応じた差分画像の輝度の変動を示す値として、ページ間及び参照不可領域の値が補完された値が生成される。周波数解析部510は、そのような情報に基づき、実施の形態1と同様に周波数解析を行い、図18において説明したような周波数解析結果情報を生成する。
また、本実施形態に係るバンディング判定部500において、サンプリング間隔計算部511は、原則として図23と同様の処理によりシフト量tshift及びサンプリング間隔tsampleを決定する。但し、サンプリング間隔計算部511は、S2301においてDの最大値に加えて、図31に示すように求めたDの最大値Di−maxを取得する。そして、S2302においてDk−max及びDi−maxのうち大きい方をtsampleの初期として設定する。
そしてサンプリング間隔計算部511は、S2304において、サンプリング点に対応するピクセル領域上の位置がページ間を避けるだけでなく、平坦領域の存在しない範囲を避けているか否かを判断する。ページ間及び平坦領域の存在しない範囲は、図10において説明したD、D、Dis(k)及びL等の各パラメータに加えて、図26に示すDを用いて計算することが可能である。
本実施形態に係るサンプリング間隔計算部511は、このような処理により、実施の形態1と同様に、ページ間や平坦領域の存在しない範囲のデータを補完して周波数解析を行う高周波解析に加えて、補間データを用いることなく低いサンプリング周期で周波数解析を行う低周波解析を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本実施形態に係るバンディング判定処理においては、平坦領域判定部435による平坦領域の判定結果を参照し、差分画像における差分値の変動に基づいてバンディングの判定を行うため、画像形成出力対象の画像の元々の濃度変動の影響を排除して高精度なバンディング判定を行うことが可能である。
尚、上記の実施形態においては、差分画像の利用及び平坦領域の判定の両方を行う場合を例として説明した。この他、例えば平坦領域の判定結果を参照し、平坦領域の読取画像に基づいて同様の処理を実行しても良い。平坦領域であれば、元々の画像における濃度変動の影響を受けずに高精度なバンディング判定を行うことが可能である。
同様に、平坦領域判定部435による平坦領域判定を行うことなく、実施の形態1と同様の構成において、差分画像における差分値の変動に基づいてバンディングの判定を行っても良い。差分画像であれば、原則としてはマスター画像と読取画像との差分値のみで構成された画像であるため、元々の画像における濃度変動の影響を受けずに高精度なバンディング判定を行うことが可能である。
1 DFE
2 エンジンコントローラ
3 プリントエンジン
4 検査装置
5 インタフェース端末
10 CPU
20 RAM
30 ROM
40 HDD
50 I/F
60 LCD
70 操作部
80 専用デバイス
90 バス
11 搬送ベルト
12、12Y、10M、12C、12K 感光体ドラム
13 給紙トレイ
14 転写ローラ
15 定着ローラ
16 反転パス
101 ジョブ情報処理部
102 RIP処理部
201 データ取得部
202 エンジン制御部
203 ビットマップ送信部
301 印刷処理部
400 読取装置
401 読取画像取得部
402 マスター画像処理部
403 検査制御部
404 比較検査部
410 排紙トレイ
421 少値多値変換処理部
422 解像度変換処理部
423 色変換処理部
424 画像出力処理部
431 情報入力部
432 差分画像取得部
433 欠陥判定部
434 コントローラ通信部
435 平坦領域判定部
500 バンディング判定部
501 読み取り間隔算出部
502 色変換部
503 原稿外領域算出部
504 余白領域算出部
505 ライン平均値算出部
506 補完距離算出部
507 ページ平均値算出部
508 安定化判断部
509 補完値生成部
510 周波数解析部
511 サンプリング間隔計算部
512 高周波除去部
513 サンプリング部
特開2006−318181号広報

Claims (11)

  1. 記録媒体上に画像形成出力された画像を読み取った読取画像において前記記録媒体の搬送方向に周期的に発生する画像の濃度の変動を検知する画像検査装置であって、
    画像形成出力された画像が読み取られて生成された読取画像を取得する読取画像取得部と、
    取得された前記読取画像に基づき、前記記録媒体の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の値を示す読取画像濃度変動情報を生成する読取画像濃度変動情報生成部と、
    連続して搬送される複数の記録媒体のうち先行して搬送される記録媒体における画像形成領域と、続いて搬送される記録媒体における画像形成領域との搬送状態における間隔を示す画像領域間情報を取得する画像領域間情報取得部と、
    連続して搬送される複数の前記記録媒体について取得された前記読取画像濃度変動情報が前記画像領域間情報に基づいて前記記憶媒体の搬送状態に応じた位置関係で統合された搬送方向濃度変動情報を生成する搬送方向濃度変動情報生成部と、
    生成された前記搬送方向濃度変動情報から所定間隔で前記画像の濃度の値をサンプリングする際のサンプリング点が、連続して搬送される複数の前記記録媒体夫々における画像形成領域に含まれるように、取得された前記画像領域間情報に基づいて前記サンプリング点の間隔であるサンプリング間隔を設定するサンプリング間隔設定部と、
    設定された前記サンプリング間隔によって前記搬送方向濃度変動情報から前記画像の濃度の値をサンプリングするサンプリング部と、
    サンプリングされた前記画像の濃度の値について周波数解析を行う周波数解析部とを含むことを特徴とする画像検査装置。
  2. 前記サンプリング間隔設定部は、前記搬送方向濃度変動情報において、前記複数のサンプリング点が連続して搬送される複数の前記記録媒体夫々における画像形成領域に含まれるように、前記複数のサンプリング点を前記搬送方向にシフトさせるためのシフト量を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
  3. 前記サンプリング間隔設定部は、
    前記画像形成領域以外の領域の前記搬送方向の幅の最大値を前記サンプリング間隔の初期値として設定し、
    設定した前記サンプリング間隔によって配置された複数のサンプリング点が、前記画像領域に含まれるか否か確認し、
    前記複数のサンプリング点のうち前記画像領域に含まれないものがある場合、前記サンプリング間隔を広げて配置された複数のサンプリング点が、前記画像領域に含まれるか否か確認することを特徴とする請求項1または2に記載の画像検査装置。
  4. 前記サンプリング間隔設定部は、
    前記搬送方向濃度変動情報における前記搬送方向の始点を前記シフト量の初期値として設定し、
    設定した前記シフト量によって配置された複数のサンプリング点が、前記画像領域に含まれるか否か確認し、
    前記複数のサンプリング点のうち前記画像領域に含まれないものがある場合、前記シフト量を変更して配置された複数のサンプリング点が、前記画像領域に含まれるか否か確認することを特徴とする請求項2に記載の画像検査装置。
  5. 前記搬送方向濃度変動情報に含まれる周期的な濃度変動であって、所定の周波数以上の濃度変動を除去する高周波除去部を含み、
    前記周波数解析部は、前記所定の周波数以上の濃度変動が除去された前記搬送方向濃度変動情報からサンプリングされた前記画像の濃度の値について周波数解析を行うことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像検査装置。
  6. 前記高周波除去部は、前記サンプリング点の配置のために設定された前記サンプリング間隔に基づいて前記濃度変動を除去する所定の周波数を決定することを特徴とする請求項5に記載の画像検査装置。
  7. 複数の前記記録媒体について取得された前記読取画像濃度変動情報及び前記画像領域間情報に基づき、前記搬送方向における位置に応じた画像の濃度の変動について、連続して搬送される複数の前記記録媒体夫々における画像形成領域の間を補完する搬送方向濃度変動補完部を含み、
    前記周波数解析部は、連続して搬送される複数の前記記録媒体同士の間が補完された前記搬送方向濃度変動情報について周波数解析を行い、前記周期的に発生する画像の濃度の変動のうち、所定の周波数よりも高い周波数のものを前記記録媒体同士の間が補完された前記搬送方向濃度変動情報についての周波数解析により検知し、前記所定の周波数よりも低い周波数のものを前記サンプリングされた前記画像の濃度の値についての周波数解析により検知することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像検査装置。
  8. 前記搬送方向濃度変動情報に含まれる周期的な濃度変動であって、前記所定の周波数以上の濃度変動を除去する高周波除去部を含み、
    前記周波数解析部は、前記所定の周波数以上の濃度変動が除去された前記搬送方向濃度変動情報からサンプリングされた前記画像の濃度の値について周波数解析を行うことを特徴とする請求項7に記載の画像検査装置。
  9. 記録媒体上に画像形成出力された画像を読み取った読取画像において前記記録媒体の搬送方向に周期的に発生する画像の濃度の変動を検知する画像検査方法であって、
    画像形成出力された画像が読み取られて生成された読取画像を取得し、
    取得された前記読取画像に基づき、前記記録媒体の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の値を示す読取画像濃度変動情報を生成し、
    連続して搬送される複数の記録媒体のうち先行して搬送される記録媒体における画像形成領域と、続いて搬送される記録媒体における画像形成領域との搬送状態における間隔を示す画像領域間情報を取得し、
    連続して搬送される複数の前記記録媒体について取得された前記読取画像濃度変動情報が前記画像領域間情報に基づいて前記記憶媒体の搬送状態に応じた位置関係で統合された搬送方向濃度変動情報を生成し、
    生成された前記搬送方向濃度変動情報から所定間隔で前記画像の濃度の値をサンプリングする際のサンプリング点が、連続して搬送される複数の前記記録媒体夫々における画像形成領域に含まれるように、取得された前記画像領域間情報に基づいて前記サンプリング点の間隔であるサンプリング間隔を設定し、
    設定された前記サンプリング間隔によって前記搬送方向濃度変動情報から前記画像の濃度の値をサンプリングし、
    サンプリングされた前記画像の濃度の値について周波数解析を行うことを特徴とする画像検査方法。
  10. 記録媒体上に画像形成出力された画像を読み取った読取画像において前記記録媒体の搬送方向に周期的に発生する画像の濃度の変動を検知する画像検査システムであって、
    前記記録媒体に対して画像形成出力を行う画像形成部と、
    前記記録媒体上に形成された画像を読み取って読取画像を生成する画像読取部と、
    前記読取画像を取得する読取画像取得部と、
    取得された前記読取画像に基づき、前記記録媒体の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の値を示す読取画像濃度変動情報を生成する読取画像濃度変動情報生成部と、
    連続して搬送される複数の記録媒体のうち先行して搬送される記録媒体における画像形成領域と、続いて搬送される記録媒体における画像形成領域との搬送状態における間隔を示す画像領域間情報を取得する画像領域間情報取得部と、
    連続して搬送される複数の前記記録媒体について取得された前記読取画像濃度変動情報が前記画像領域間情報に基づいて前記記憶媒体の搬送状態に応じた位置関係で統合された搬送方向濃度変動情報を生成する搬送方向濃度変動情報生成部と、
    生成された前記搬送方向濃度変動情報から所定間隔で前記画像の濃度の値をサンプリングする際のサンプリング点が、連続して搬送される複数の前記記録媒体夫々における画像形成領域に含まれるように、取得された前記画像領域間情報に基づいて前記サンプリング点の間隔であるサンプリング間隔を設定するサンプリング間隔設定部と、
    設定された前記サンプリング間隔によって前記搬送方向濃度変動情報から前記画像の濃度の値をサンプリングするサンプリング部と、
    サンプリングされた前記画像の濃度の値について周波数解析を行う周波数解析部とを含むことを特徴とする画像検査システム。
  11. 記録媒体上に画像形成出力された画像を読み取った読取画像において前記記録媒体の搬送方向に周期的に発生する画像の濃度の変動を検知する画像検査プログラムであって、
    画像形成出力された画像が読み取られて生成された読取画像を取得するステップと、
    取得された前記読取画像に基づき、前記記録媒体の搬送方向における位置に応じた画像の濃度の値を示す読取画像濃度変動情報を生成するステップと、
    連続して搬送される複数の記録媒体のうち先行して搬送される記録媒体における画像形成領域と、続いて搬送される記録媒体における画像形成領域との搬送状態における間隔を示す画像領域間情報を取得するステップと、
    連続して搬送される複数の前記記録媒体について取得された前記読取画像濃度変動情報が前記画像領域間情報に基づいて前記記憶媒体の搬送状態に応じた位置関係で統合された搬送方向濃度変動情報を生成するステップと、
    生成された前記搬送方向濃度変動情報から所定間隔で前記画像の濃度の値をサンプリングする際のサンプリング点が、連続して搬送される複数の前記記録媒体夫々における画像形成領域に含まれるように、取得された前記画像領域間情報に基づいて前記サンプリング点の間隔であるサンプリング間隔を設定するステップと、
    設定された前記サンプリング間隔によって前記搬送方向濃度変動情報から前記画像の濃度の値をサンプリングするステップと、
    サンプリングされた前記画像の濃度の値について周波数解析を行うステップとを含むことを特徴とする画像検査プログラム。
JP2015058686A 2015-03-20 2015-03-20 画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラム Active JP6435943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015058686A JP6435943B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015058686A JP6435943B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016176869A JP2016176869A (ja) 2016-10-06
JP6435943B2 true JP6435943B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=57071005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015058686A Active JP6435943B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6435943B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018085618A (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 富士ゼロックス株式会社 画像処理装置、画像処理システム及びプログラム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04335363A (ja) * 1991-05-10 1992-11-24 Mita Ind Co Ltd 複写機の振動評価方法
JPH0950212A (ja) * 1995-08-08 1997-02-18 Fujitsu Ltd 記録装置及びその異常検査方法
JP4449362B2 (ja) * 2003-07-24 2010-04-14 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置および画像検査装置
US7755799B2 (en) * 2007-08-13 2010-07-13 Xerox Corporation Method and system to compensate for banding defects
US8351080B2 (en) * 2009-09-08 2013-01-08 Xerox Corporation Least squares based coherent multipage analysis of printer banding for diagnostics and compensation
JP5712971B2 (ja) * 2012-06-22 2015-05-07 コニカミノルタ株式会社 画像処理装置、画像処理方法および印刷システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016176869A (ja) 2016-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10402961B2 (en) Inspection apparatus, inspection system, inspection method, and recording medium
US9342898B2 (en) Image inspection system, image inspection method, and recording medium storing image inspection program
JP2015194484A (ja) 画像検査装置、画像形成システム及び画像検査プログラム
JP6357786B2 (ja) 画像検査装置、画像検査システム及び画像検査方法
JP6455252B2 (ja) 画像検査装置、画像検査システム及び画像検査方法
US9900474B2 (en) Color processing apparatus, inspection apparatus, and color processing method
US20150243010A1 (en) Image inspection device, image inspection system, and recording medium storing image inspection program
JP6244944B2 (ja) 画像検査装置、画像形成システム及び画像検査プログラム
JP2012141415A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP6007690B2 (ja) 画像検査装置、画像処理システム及び画像検査方法
JP6229480B2 (ja) 画像検査装置、画像形成システム及び画像検査プログラム
JP2015046703A (ja) 画像検査装置、画像検査方法及び画像検査プログラム
JP6337541B2 (ja) 画像検査装置、画像形成システム及び画像検査方法
US11373294B2 (en) Print defect detection mechanism
JP6435943B2 (ja) 画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラム
JP6326768B2 (ja) 画像検査装置、画像検査システム及び画像検査方法
JP6387639B2 (ja) 画像検査装置、画像検査方法、画像検査システム及び画像検査プログラム
JP6565575B2 (ja) 画像処理装置、画像検査装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
JP6287379B2 (ja) 画像検査装置、画像検査システム及び画像検査方法
JP6070310B2 (ja) 画像検査装置、画像検査システム及び画像検査方法
JP6277803B2 (ja) 画像検査装置、画像形成システム及び画像検査プログラム
US8749843B2 (en) Robust recognition of clusters of streaks at multiple scales
JP2007274204A (ja) 画像評価装置及び画像評価方法
US20240013372A1 (en) Inspection apparatus, inspection method, and storage medium
JP2009042814A (ja) 画像評価装置及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181017

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181029

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6435943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151