JP6435878B2 - 導体層の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミドフィルムの表面に金属などの導体層を形成する導体層の形成方法に関する。
芳香族ポリイミドフィルムは耐熱性、寸法安定性、電気的性質、難燃性などの各種特性に優れ、しかも柔軟性を有しているため、フレキシブルプリント基板(FPC)、TAB用基板、COF用基板等に広く用いられている。
ポリイミドフィルムを用いた多層FPCは、例えば、絶縁基材となるポリイミドフィルム上に銅配線層を設けた配線板上に、ボンディングシートを介して、絶縁層となるポリイミドフィルムを積層し、その表面に銅配線層を設けることによって製造される。ポリイミドフィルムは、高剛性で低線膨張係数であるものほど加工時のハンドリング性が高く、金属層を積層した積層体の寸法精度が高くなり好ましいが、反面、金属層との接着性に劣る傾向があり、十分な剥離強度が得られないことがある。特に、ポリイミドのなかでも化学的安定性が高く強固なポリイミドは外的操作に対して作用を受けにくく、化学的に敏感なポリイミドに比べて十分な剥離強度を得にくいという問題があった。
配線層を形成する絶縁層の表面は、その上に設けられる配線層(通常、金属の層)との密着性を確保するために、機械結合であるアンカー効果が得られる粗化処理や、物理的、化学的相互作用を改善するその他の処理を行うことが必要となることがある。ポリイミドフィルムの金属との接着性を改善する方法として、フィルム製造時にアミノシラン系、エポキシシラン系またはチタネート系の耐熱性表面処理剤を用いる方法が提案されている(特許文献1)。また、ポリイミドフィルム表面を、過マンガン酸カリウムおよび/または過マンガン酸ナトリウムと水酸化カリウムおよび/または水酸化ナトリウムとを含む水溶液で処理する方法も提案されている(特許文献2)。
さらに、高剛性および低線膨張係数のポリイミドからなるコア層の少なくとも片面に耐熱性表面処理剤を含む非晶性のポリイミド層を形成したポリイミドフィルム(特許文献3)や、ポリイミド層の片面又は両面に、耐熱性表面処理剤を含む特定のポリイミドからなる薄層を有するメタライジング用ポリイミドフィルム(特許文献4)も提案されている。また、高分子フィルム/結晶性の熱可塑性樹脂を含有するめっき形成層からなる樹脂材料にめっきを施した、高分子フィルム/結晶性の熱可塑性樹脂を含有するめっき形成層/めっき層からなる積層体(特許文献5)も提案されている。
多層FPCにおける配線層間の接続は、絶縁層であるポリイミドフィルムにビアを形成し、ビア内部を金属めっきすることによって行われる。前記のビア形成は、レーザーなどにより行なわれるが、その際、ビア底部に樹脂残渣(スミア)が残留することが避けられず、これを除去するデスミア処理が必須となる。デスミア処理は、アルカリ性過マンガン酸塩水溶液などを用いて化学的にエッチングを行なう方法で実施されることが多い。このデスミア処理により、上記のような接着性を改善したポリイミドフィルムの表面が影響を受けて十分な接着性が発揮されない場合や、ポリイミドフィルム表面の均一性が損なわれることにより微細回路を形成した際の電気的信頼性が低下する場合などがあった。
特開平3−159737号公報 特開2002−293965号公報 特開2005−272520号公報 国際公開第2007/123161号公報 国際公開第2009/075212号
本発明は、ポリイミドフィルム上に導体層を形成する方法であって、導体層の初期の剥離強度に優れ、また、高温や高湿条件下に置かれた後の剥離強度の低下が抑制された導体層の形成方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の項に関するものである。
1. ポリイミド層(b)の片面又は両面にポリイミド層(a)を設けたポリイミドフィルムのポリイミド層(a)を設けた面をポリイミドエッチング処理してポリイミド層(a)の少なくとも一部を除去した後、この面に導体層を形成する導体層の形成方法であって、
下記式で定義されるt(min)を用いて表したポリイミドエッチング処理時間T(min)が、0.2t≦T≦5tの範囲内であることを特徴とする導体層の形成方法。
2. ポリイミド層(b)が、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を90モル%以上、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび/またはp−フェニレンジアミンを90モル%以上用いて得られるポリイミドから主としてなり、
ポリイミド層(a)が、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、ピロメリット酸化合物又はこれらから選ばれた複数の化合物、ジアミン成分としてp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン又はこれらから選ばれた複数の化合物を用いて得られるポリイミド(ただし、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を90モル%以上、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび/またはp−フェニレンジアミンを90モル%以上用いて得られるポリイミドは除く)から主としてなることを特徴とする、前記項1に記載の導体層の形成方法。
3. ポリイミド層(a)が、アミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、アルミニウム化合物又はチタネート化合物のいずれか1種以上を含有するポリイミド前駆体組成物から得られるポリイミドからなることを特徴とする、前記項1又は2に記載の導体層の形成方法。
4. ポリイミド層(b)を構成するポリイミドのポリイミドエッチング液による化学エッチング速度が、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドのポリイミドエッチング液による化学エッチング速度より小さいことを特徴とする、前記項1〜3のいずれかに記載の導体層の形成方法。
5. ポリイミド層(b)の厚さが1〜100μmであり、ポリイミド層(a)の厚さが0.05〜5μmであることを特徴とする、前記項1〜4のいずれかに記載の導体層の形成方法。
6. ポリイミドフィルムが、ポリイミド層(b)を形成できるポリイミド前駆体溶液から得られる自己支持性フィルムの少なくとも片面にポリイミド層(a)を形成できるポリイミド前駆体溶液を塗布し、350℃〜600℃で熱処理して得られるポリイミドフィルムであることを特徴とする、前記項1〜5のいずれかに記載の導体層の形成方法。
7. ポリイミドエッチング処理が、ポリイミドエッチング液によるウエットエッチング処理、またはプラズマ処理によるドライエッチング処理であることを特徴とする、前記項1〜6のいずれかに記載の導体層の形成方法。
8. 導体層として、無電解めっきによりポリイミドフィルムの表面に金属膜層を形成することを特徴とする、前記項1〜7のいずれかに記載の導体層の形成方法。
本発明の導体層の形成方法によれば、ポリイミドフィルム表面を粗化することなく、金属等の導体との密着性を改善することができる。また、ポリイミドエッチング処理により、ポリイミドフィルムの製造時や運搬時に生じるフィルム表面のキズが除去される。すなわち、導体とポリイミドフィルムの界面を平滑な状態に保ったままで、初期の剥離強度に優れ、さらに、高温や高湿条件下に置かれた後の剥離強度の低下も抑制された積層体を得ることができる。
本発明の導体層の形成方法においては、ポリイミド層(b)の片面又は両面にポリイミド層(a)を設けたポリイミドフィルムを特定の条件下でエッチング処理してポリイミド層(a)の少なくとも一部を除去した後、例えば、乾式めっき、湿式めっき、あるいはインクの塗布や印刷、又はこれらの併用によりポリイミドフィルムの表面(ポリイミド層(a)の少なくとも一部を除去した面)に導体層を形成する。なお、ここでいう導体層は、純粋な金属のほか、金属合金や添加物を含む金属、半導体や金属酸化物、さらには有機導電体や有機半導体など、広く電気を導通するものからなる層を指す。
本発明で用いるポリイミドフィルムは、ポリイミド層(b)の片面又は両面にポリイミド層(a)を設けた多層のフィルムであり、ポリイミド層(b)を構成するポリイミドの化学エッチング速度が、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドの化学エッチング速度より小さいことが好ましい。化学エッチング速度は化学的作用に対する敏感さの指標であるため、本発明で用いるポリイミドフィルムにおいては、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドが、ポリイミド層(b)を構成するポリイミドと比較して化学的作用に敏感であることが好ましいことになる。ここで、化学エッチング速度とは、ポリイミドエッチング液によるウエットエッチング処理である化学エッチングにおいて、単位時間あたりにポリイミドフィルムが膜厚方向にエッチングされる深さ(長さ)であり、例えば、μm/minで表すことができる。本発明では、エッチング開始から1分間でエッチングされた深さ(μm)を測定し、これを化学エッチング速度(μm/min)とした。
化学エッチングとは、ポリイミドエッチング液によるウエットエッチング処理を意味し、化学的作用によりポリイミドを分解や膨潤させて除去するものである。ポリイミドエッチング液としては、例えば、ヒドラジン系エッチング液、過マンガン酸塩水溶液などの酸化性エッチング液、水酸化ナトリウム水溶液などの強アルカリ性水溶液、さらにはアルカリ性過マンガン酸塩水溶液などが挙げられる。ポリイミド層(a)を構成するポリイミドの化学エッチング速度がポリイミド層(b)を構成するポリイミドのそれより大きいということは、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドがより化学的作用に敏感であることを意味している。
なお、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドと、ポリイミド層(b)を構成するポリイミドのエッチング速度の大小関係は、化学エッチングとドライエッチングで異なる場合がある。化学エッチングでは化学的に弱い部位を起点としてポリイミドの分解が進む傾向が強いのに対し、ドライエッチングによるポリイミドの分解は、化学的に弱い部位が起点になるとは限らないため、化学的敏感さを顕著に反映しない場合がある。通常、ポリイミドエッチング液の種類にかかわらず化学エッチング速度の大小関係は同じであるため、本願発明で用いるポリイミドフィルムは、ドライエッチングにおけるエッチング速度の大小関係に関わらず、化学エッチング速度がポリイミド層(a)を構成するポリイミドの方がポリイミド層(b)を構成するポリイミドより大きければよい。
本発明においては、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドの化学エッチング速度と、ポリイミド層(b)を構成するポリイミドの化学エッチング速度の関係、すなわち、同一の条件下における速度の大小関係が重要となる。代表的な化学エッチング条件による、化学エッチング速度の求め方は次のとおりである。
過マンガン酸ナトリウム又は過マンガン酸カリウムあるいはこれらの混合物を、過マンガン酸塩由来のマンガン濃度が2〜2.5wt%、特に好ましくは2.2〜2.4wt%の水溶液とする。これに、水酸化ナトリウムを添加してpH12〜14に調整しポリイミドエッチング液とする。70℃のポリイミドエッチング液にポリイミドフィルムを1分間浸漬した後、濃硫酸を10g/Lに水で希釈した液中で中和処理する。その後、ポリイミドフィルムを十分乾燥して厚みを測定することにより、減少分として化学エッチング速度(μm/min)が算出できる。
前記方法で求めた化学エッチング速度の場合、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドの化学エッチング速度に対するポリイミド層(b)を構成するポリイミドの化学エッチング速度が、0〜1/2の範囲、特に、0〜1/5の範囲であることが好ましい。この場合、化学的安定性が高いポリイミド層上に化学的作用に敏感なポリイミド層が形成されていることになり、上記比が小さい、すなわち、化学エッチング速度の差が大きい場合にこの特徴は顕著になる。このような層構成としたポリイミドフィルムの表層を所定量除去することで、化学的安定性が高いポリイミドから主としてなり、化学的に敏感なポリイミドを一部含む表面が出現するため、特に、密着性に優れ、かつ高温や高湿条件下でも安定な導体層の形成が可能となる。
本発明のポリイミドエッチング処理工程におけるポリイミドのエッチング速度はエッチングの条件により異なる。本発明のポリイミドエッチング処理工程においては、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドのエッチング速度Vaが、0.01〜1.0μm/min、特に、0.05〜0.5μm/minとなるようにエッチングの条件を設定することが好ましい。Vaが大き過ぎるとポリイミドフィルムの表面を均一にエッチング処理することが難しい場合があり、また、Vaが小さ過ぎるとエッチング処理に時間がかかり、生産効率の面で好ましくない場合がある。
本発明のポリイミドエッチング処理工程において、ポリイミド層(b)を構成するポリイミドのエッチング速度Vbについては特に制限はないが、Va<Vbである場合はポリイミド層(b)が過剰に除去される場合があり、導体層との密着性や、配線基板に用いた場合の電気的信頼性等に影響を与える可能性があり、好ましくない。
前記ポリイミド層(a)は、特に限定されないが、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、ピロメリット酸化合物又はこれらから選ばれた複数の化合物、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン又はこれらから選ばれた複数の化合物を用いて得られるポリイミドからなることが好ましい。ただし、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を90モル%以上、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび/またはp−フェニレンジアミンを90モル%以上用いて得られるポリイミドは除く。
本発明においては、特に、ポリイミド層(a)が、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとから得られるポリイミド、又は、ピロメリット酸化合物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとから得られるポリイミドからなることが好ましい。また、ポリイミド層(a)が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物とピロメリット酸化合物とp−フェニレンジアミン、又はp−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとから得られるポリイミドからなることも好ましい。この場合、テトラカルボン酸成分中のピロメリット酸化合物の割合が50〜95モル%、ジアミン成分中の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの割合が15〜100モル%の範囲であることが好ましい。
前記ポリイミド層(b)は、特に限定されないが、化学的安定性が高い事が好ましく、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を90モル%以上、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび/またはp−フェニレンジアミンを90モル%以上用いて得られるポリイミドからなることが好ましい。本発明においては、特に、ポリイミド層(b)が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび/またはp−フェニレンジアミン、より好ましくはp−フェニレンジアミンとから得られるポリイミドからなることが好ましい。
なお、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の他、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その塩及びエステル化物が含まれる。また、他のテトラカルボン酸化合物についても、テトラカルボン酸化合物とは、当該テトラカルボン酸、その二無水物、その塩及びエステル化物を含むものである。
ポリイミド層(b)の構成成分として用いることができる他のテトラカルボン酸成分としては、例えば、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、ピロメリット酸化合物、4,4’−オキシジフタル酸化合物が挙げられる。また、他のジアミン成分としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
なお、ポリイミド層(a)およびポリイミド層(b)は、本発明の特性を損なわない範囲で、ポリイミド以外に、シリカ等の添加成分を含有するものであってもよい。
本発明で用いるポリイミドフィルムは、ポリイミド層(b)を与えるポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液(B)という)を支持体上に流延し乾燥して得られる自己支持性フィルムの片面又は両面に、ポリイミド層(a)を与えるポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液(A)という)を塗布して得られる多層の自己支持性フィルムを、好ましくは350℃〜600℃で熱処理してイミド化することにより製造することができる。また、前記のポリアミック酸溶液(A)とポリアミック酸溶液(B)を用いて多層押出成形を行い、これをイミド化する方法でも製造することができる。なお、ポリアミック酸溶液(A)およびポリアミック酸溶液(B)は、シリカ等の添加成分を含有するものであってもよい。
ポリイミド前駆体溶液(通常、ポリアミック酸溶液)は、有機極性溶媒中で前記のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることで製造できる。例えば、これらの成分を実質的に等モルにて混合し、反応温度100℃以下、好ましくは80℃以下にて約0.2〜60時間重合反応を行わせることによりポリアミック酸溶液が得られる。
有機極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ヘキサメチルスルホルアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルスルホン、ジエチルスルホンなどのスルホン類を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
ポリアミック酸溶液(A)の全モノマーの濃度は、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは2〜12質量%、特に好ましくは3〜10質量%である。また、ポリアミック酸溶液(B)の全モノマーの濃度は、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは6〜35質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。これらのポリアミック酸溶液は、30℃で測定した回転粘度が、約0.1〜50000ポイズ、特に好ましくは0.5〜30000ポイズ、さらに好ましくは1〜20000ポイズ程度のものであることが、このポリアミック酸溶液を取り扱う作業性の面から好ましい。
ポリイミド層(b)を与えるポリアミック酸溶液(B)には、イミド化促進の目的で、1,2−ジメチルイミダゾールを、ポリアミック酸のアミック酸単位に対して0.005〜2倍当量、特に0.02〜0.8倍当量添加することが好ましい。また、1,2−ジメチルイミダゾールの一部を、イミダゾール、ベンズイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾール、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジンなどで置き換えてもよい。
前記ポリアミック酸溶液(A)は、耐熱性表面処理剤を含んでいてもよい。すなわち、ポリイミド層(a)は、1種以上の耐熱性表面処理剤を含有するポリアミック酸溶液(ポリイミド前駆体組成物)から得られるポリイミドからなるものであってもよい。耐熱性表面処理剤としては、アミノシラン系、エポキシシラン系、アルミニウム系あるいはチタネート系の表面処理剤を挙げることができる。アミノシラン系表面処理剤としてはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(アミノカルボニル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−〔β−(フェニルアミノ)エチル〕−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン化合物、エポキシシラン系表面処理剤としてはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシリドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン化合物、アルミニウム系表面処理剤としては水酸化アルミニウム、アルミニウムモノエチルアセテートジイソプロピレート、アルミニウムジエチルアセテートモノイソプロピレート、アルミニウムトリアセチルアセトネート、アルミニウムトリエチルアセトアセテート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレートなどのアルミニウム化合物、チタネート系表面処理剤としてはイソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネートなどのチタネート化合物が挙げられる。本発明においては、アミノシラン系の表面処理剤を用いることが好ましい。
ポリイミドフィルムの製造は、例えば、以下のような方法で行うことができる。
前記ポリアミック酸溶液(B)を、押出形成用ダイスが設置された製膜装置などを使用して支持体上に流延し、加熱により溶剤を徐々に除去して自己支持性フィルムになるまで乾燥する。乾燥温度は100〜180℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。支持体としては、例えばステンレス基板、ステンレスベルト、耐熱性の樹脂ベルトなどが使用される。
前記自己支持性フィルムは、溶媒含有率が20〜40質量%の範囲にあることが好ましく、イミド化率が5〜40%の範囲にあることが好ましい。イミド化率が高過ぎると、得られるポリイミドフィルムのポリイミド層(a)と(b)との間の接着強度が低く、剥離が生じることがある。一方、イミド化率が低過ぎると、ポリアミック酸溶液(A)を塗布した後の溶媒除去工程やイミド化工程において、フィルムの発泡やクラックの発生などの問題が生じることがある。また、得られるポリイミドフィルムの力学的性質が悪化することもある。
次に、前記自己支持性フィルムを支持体から剥離し、このフィルムの少なくとも片面又は両面に、前記ポリアミック酸溶液(A)を、グラビアコート法、スピンコート法、シルクスクリーン法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法などの公知の方法で均一に塗布する。その後、必要に応じて加熱乾燥処理し、塗布したポリアミック酸溶液に含まれる溶媒の一部又は全部を除去する。この加熱乾燥処理は、120℃以下で行うことが好ましく、100℃以下の条件で行うことがより好ましい。
このようにして得られた多層の自己支持性フィルムを、ピンテンター、クリップ、金属などで固定し、加熱することによりイミド化する。この加熱処理は段階的に行うことが好ましい。例えば、まず、100℃〜200℃の比較的低温で1分〜60分間の加熱処理を行う。次に、200℃から連続的にまたは段階的に昇温しながら加熱処理を行い、最終的に350℃〜600℃で1分〜60分間の加熱処理を行うことによりイミド化を完了させる。
また、多層の自己支持性フィルムは、多層の押出形成用ダイスが設置された製膜装置などを使用して、ポリアミック酸溶液(A)とポリアミック酸溶液(B)を同時に支持体上に流延し、加熱により溶剤を徐々に除去して自己支持性フィルムになるまで乾燥することによっても得られる。
前記ポリイミド層(b)の厚さは1〜100μm、特に、5〜50μmであることが好ましい。ポリイミド層(b)の厚さが5μm未満では作成した多層ポリイミドフィルムの機械的強度や寸法安定性に問題が生じる場合がある。また、前記ポリイミド層(a)の厚さは0.05〜5μm、特に0.1〜1μmが好ましい。
本発明の導体層の形成方法においては、このようにして得られるポリイミドフィルムのポリイミド層(a)を設けた面をポリイミドエッチング処理する。そして、ポリイミドエッチング処理によりポリイミド層(a)の少なくとも一部を除去した面に導体層を形成する。これにより導体積層ポリイミドフィルムが得られる。
ポリイミドフィルムのエッチング条件は、少なくともポリイミド層(a)が部分的にエッチングされ、且つ、ポリイミド層(b)がエッチングされることによりポリイミドフィルム全体の特性が大きく損なわれない条件であればよい。具体的には、下記式で定義されるt(min)を用いて表したポリイミドエッチング処理時間T(min)を、0.2tで表される下限の時間と、5tで表される上限の時間で規定される、0.2t≦T≦5tの範囲内とする。さらに、ポリイミドエッチング処理時間T(min)は、0.3t、1.0t、または1.2tから選ばれる下限の時間と、4t、3.4t、3t、または2.7tから選ばれる上限の時間で規定される範囲であることが好ましい。なお、t(min)は理論上、ポリイミド層(a)がすべて除去されるエッチング時間である。
また、エッチングの条件は、ポリイミドフィルムの製造時や運搬時等に生じたキズの深さを考慮することが好ましい。導体層とポリイミドの界面が平滑な導体積層ポリイミドフィルムを得るためには、少なくとも、キズの深さまでエッチングされる条件でポリイミドフィルムのエッチングを行う必要がある。通常、工程上で入り得るキズを除去するためには0.1μm以上エッチングされればよく、上記条件との両立は可能である。
本発明の導体層の形成方法において、ポリイミドフィルムのエッチングはドライエッチング法、ウエットエッチング法のいずれの方法で行っても構わない。ドライエッチング法としては、プラズマエッチング法(プラズマ処理によるドライエッチング)などが挙げられる。また、ウエットエッチング法としては、ポリイミドエッチング液を用いる方法(ポリイミドエッチング液によるウエットエッチング)が挙げられる。ポリイミドエッチング液としては、ヒドラジン系エッチング液、過マンガン酸塩水溶液などの酸化性エッチング液、水酸化ナトリウム水溶液などの強アルカリ性水溶液、さらにはアルカリ性過マンガン酸塩水溶液などが挙げられる。
本発明の導体層の形成方法においては、上記のようにしてポリイミドエッチング処理したポリイミドフィルム上に導体層を形成する。導体層の形成方法に特に限定はなく、乾式めっき、湿式めっき、あるいは金属インクの塗布や印刷などのいずれの方法を用いても構わない。乾式めっきとしては、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビームなどが挙げられ、湿式めっきとしては、無電解めっき、電解めっきなどが挙げられる。また、例えば金属ナノ粒子を含むインクを塗布あるいは印刷し、熱処理や光照射することによって導体層を形成する方法などが挙げられる。
本発明の導体層の形成方法においては、無電解めっきにより、ポリイミドフィルムの表面に、導体層として金属膜層を形成することが好ましい。また、無電解めっきを行った後、更に電解めっきを行うこともできる。例えば、無電解ニッケルめっきを行った後、更に電解銅めっきを行う方法により金属膜層を形成することが好ましい。無電解めっきは、従来公知の方法を用いて行うことができる。例えば、株式会社JCUのエルフシードプロセス、奥野製薬工業株式会社のSLPプロセス、トップピエナプロセスなどが挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の例における測定方法を次に示す。
<密着性評価>
導体(金属)積層ポリイミドフィルムの導体層(金属層)上に5mm幅のICテープをマスクとして張り付け、塩化第二鉄で導体層をエッチング除去した。その後ICテープを剥離して、150℃で1時間加熱処理したサンプル、24時間加熱処理したサンプル、168時間加熱処理したサンプルをそれぞれ作成した。
これらのサンプルの90°ピール強度測定を、EZ Test(島津製作所製)を用い、JIS K 6854−1に準じて行った。
なお、表3〜6中のピール強度の「150℃1h」が150℃で1時間加熱処理したサンプルの90°ピール強度、「150℃24h」が150℃で24時間加熱処理したサンプルの90°ピール強度、「150℃168h」が150℃で168時間加熱処理したサンプルの90°ピール強度である。
<化学エッチング速度>
過マンガン酸塩系の湿式デスミアシステムであるライザトロンデスミアプロセス(JCU株式会社)を用いてポリイミドフィルムにポリイミドエッチング処理を行い、エッチング開始から1分間でエッチングされた深さ(μm)を測定して、これを化学エッチング速度(μm/min)とした。エッチング処理は以下の表1に示した条件で行った。各薬品の濃度調整はJCU社から購入した薬液(原液)と純水とを混ぜ合わせて行った。なお、このエッチング液中の過マンガン酸塩由来のマンガン濃度2.3wt%、pHは13.5である。
以下の例における化合物の略号を次に示す。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
PPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
(参考例1−1)
s−BPDAと当モル量のPPDとをDMAc中で重合して、18質量%濃度のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液に、ポリアミック酸100質量部に対して0.1質量部のモノステアリルリン酸エステルトリエタノールアミン塩および平均粒子径0.08μmのコロイダルシリカ、次いでアミック酸単位1モルに対して0.05モルの1,2−ジメチルイミダゾールを添加して均一に混合してポリアミック酸溶液(B1)を得た。
(参考例1−2)
s−BPDAと当モル量のODAとをDMAc中で重合して、18質量%濃度のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液に、ポリアミック酸100質量部に対して0.1質量部のモノステアリルリン酸エステルトリエタノールアミン塩および平均粒子径0.08μmのコロイダルシリカ、次いでアミック酸単位1モルに対して0.05モルの1,2−ジメチルイミダゾールを添加して均一に混合してポリアミック酸溶液(B2)を得た。
(参考例2−1)
a−BPDAと当モル量のODAとをDMAc中で重合して、5質量%濃度のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液に、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランを3質量%となるように添加して均一に混合してポリアミック酸溶液(A1)を得た。
(参考例2−2)
テトラカルボン酸成分としてPMDAとs−BPDAを用い、ジアミン成分としてODAとPPDを用い、モル比をPMDA/s−BPDA/ODA/PPD=65/35/80/20としてDMAc中で重合して、5質量%濃度のポリアミック酸溶液(A2)を得た。
(参考例2−3)
PMDAと当モル量のODAとをDMAc中で重合して、5質量%濃度のポリアミック酸溶液(A3)を得た。
(参考例2−4)
テトラカルボン酸成分としてPMDAとs−BPDAを用い、ジアミン成分としてODAを用い、モル比をPMDA/s−BPDA/ODA=50/50/100としてDMAc中で重合して、5質量%濃度のポリアミック酸溶液(A4)を得た。
(参考例3−1)
ポリアミック酸溶液(B1)をステンレス基板上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥を行い、基板から剥離して自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムの両面に、加熱乾燥後の厚みが0.6μmとなるようにダイコーターを用いてポリアミック酸溶液(A1)を塗布し、加熱炉で200℃から575℃に徐々に昇温して溶媒を除去するとともにイミド化を行って、厚さが12.5μmのポリイミドフィルムF1を得た。このフィルムのポリアミック酸溶液(A1)から得られたポリイミド層の化学エッチング速度は0.2μm/minであった。なお、エッチング処理またはデスミア処理を化学エッチング速度の評価と同じプロセスで行う場合、ポリアミック酸溶液(A1)から得られたポリイミド層が理論上すべて除去されるエッチング時間t(min)は3(min)である。なお、ポリイミドフィルムF1において、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドに対するポリイミド層(b)を構成するポリイミドの化学エッチング速度は1/20である。
(参考例3−2)
ポリアミック酸溶液(B1)をステンレス基板上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥を行い、基板から剥離して自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムの両面に、加熱乾燥後の厚みが0.4μmとなるようにダイコーターを用いてポリアミック酸溶液(A2)を塗布し、加熱炉で200℃から575℃に徐々に昇温して溶媒を除去するとともにイミド化を行って、厚さが12.5μmのポリイミドフィルムF2を得た。このフィルムのポリアミック酸溶液(A2)から得られたポリイミド層の化学エッチング速度は0.1μm/minであった。なお、エッチング処理またはデスミア処理を化学エッチング速度の評価と同じプロセスで行う場合、ポリアミック酸溶液(A2)から得られたポリイミド層が理論上すべて除去されるエッチング時間t(min)は4(min)である。なお、ポリイミドフィルムF2において、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドに対するポリイミド層(b)を構成するポリイミドの化学エッチング速度は1/10である。
(参考例3−3)
ポリアミック酸溶液(B1)をステンレス基板上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥を行い、基板から剥離して自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムの両面に、加熱乾燥後の厚みが0.6μmとなるようにダイコーターを用いてポリアミック酸溶液(A3)を塗布し、加熱炉で200℃から575℃に徐々に昇温して溶媒を除去するとともにイミド化を行って、厚さが12.5μmのポリイミドフィルムF3を得た。このフィルムのポリアミック酸溶液(A3)から得られたポリイミド層の化学エッチング速度は0.3μm/minであった。なお、エッチング処理またはデスミア処理を化学エッチング速度の評価と同じプロセスで行う場合、ポリアミック酸溶液(A3)から得られたポリイミド層が理論上すべて除去されるエッチング時間t(min)は2(min)である。なお、ポリイミドフィルムF3において、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドに対するポリイミド層(b)を構成するポリイミドの化学エッチング速度は1/30である。
(参考例3−4)
ポリアミック酸溶液(B1)をステンレス基板上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥を行い、基板から剥離して自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムの両面に、加熱乾燥後の厚みが0.6μmとなるようにダイコーターを用いてポリアミック酸溶液(A4)を塗布し、加熱炉で200℃から575℃に徐々に昇温して溶媒を除去するとともにイミド化を行って、厚さが12.5μmのポリイミドフィルムF4を得た。このフィルムのポリアミック酸溶液(A4)から得られたポリイミド層の化学エッチング速度は0.1μm/minであった。なお、エッチング処理またはデスミア処理を化学エッチング速度の評価と同じプロセスで行う場合、ポリアミック酸溶液(A4)から得られたポリイミド層が理論上すべて除去されるエッチング時間t(min)は6(min)である。なお、ポリイミドフィルムF4において、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドに対するポリイミド層(b)を構成するポリイミドの化学エッチング速度は1/10である。
(参考例4−1)
参考例1−1で得られたポリアミック酸溶液(B1)をステンレス基板上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥を行い、基板から剥離して自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムを加熱炉で200℃から575℃に徐々に昇温して溶媒を除去するとともにイミド化を行って、厚さが12.5μmのポリイミドフィルムB1を得た。このフィルム(ポリアミック酸溶液(B1)から得られたポリイミド層に相当)の化学エッチング速度は0.01μm/minであった。
(参考例4−2)
参考例1−2で得られたポリアミック酸溶液(B2)をステンレス基板上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥を行い、基板から剥離して自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムを加熱炉で200℃から575℃に徐々に昇温して溶媒を除去するとともにイミド化を行って、厚さが12.5μmのポリイミドフィルムB2を得た。このフィルムの化学エッチング速度は0.01μm/minであった。
(参考例4−3)
参考例2−2で得られたポリアミック酸溶液(A2)をステンレス基板上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥を行い、基板から剥離して自己支持性フィルムを得た。この自己支持性フィルムを加熱炉で200℃から575℃に徐々に昇温して溶媒を除去するとともにイミド化を行って、厚さが12.5μmのポリイミドフィルムA2を得た。このフィルムの化学エッチング速度は0.1μm/minであった。
(実施例1〜6)
参考例3−1で得られたポリイミドフィルムF1に、化学エッチング速度の評価と同じプロセス(ライザトロンデスミアプロセス(JCU株式会社))により1〜10分間のポリイミドエッチング処理を行った。その後、エルフシードプロセス(JCU株式会社製)を用いて、無電解ニッケルめっきを行い、厚さ0.13μmのニッケルめっき層をポリイミドフィルムのエッチング面に形成した。さらに、150℃で1時間のアニール処理、置換銅めっき処理を行った後、75g/Lの硫酸銅水溶液中で2A/dmの電流密度で22分間、電解銅めっきを行い、ニッケルめっき層上に厚さ10μmの銅層を形成し、導体積層ポリイミドフィルムを得た。めっきの条件を表2に示した。また、エッチング処理時間および評価結果を表3に示した。
実施例1〜6で得られた導体積層ポリイミドフィルムの導体層(金属層)をエッチング除去した面を500倍の金属顕微鏡で観察した結果、表面は平滑であり、傷は確認出来なかった。また、レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK−8510)で測定した算術表面粗さRaは、すべて50nm以下(検出限界)であった。
(実施例7)
参考例3−2で得られたポリイミドフィルムF2を用いて、5分間のポリイミドエッチング処理を行った以外は実施例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。エッチング処理時間および評価結果を表3に示した。
また、実施例1〜6と同様に金属顕微鏡で観察した結果、表面は平滑であり、傷は確認出来なかった。また、算術表面粗さRaは50nm以下(検出限界)であった。
(比較例1)
ポリイミドエッチング処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。評価結果を表3に示した。
(比較例2)
ポリイミドエッチング処理を行わなかった以外は実施例7と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。評価結果を表3に示した。
比較例1〜2で得られた導体積層ポリイミドフィルムの導体層(金属層)をエッチング除去した面を500倍の金属顕微鏡で観察した結果、表面は平滑であり、レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK−8510)で測定した算術表面粗さRaは、すべて50nm以下(検出限界)であった。しかし、多数の傷が確認され金属残渣が確認された。
(実施例8)
ポリイミドフィルムF1と銅配線が形成された積層板とを、エポキシ系ボンディングシートを介して張り合わせた。次いで、ポリイミドフィルムF1側からUV−YAGレーザー(出力1.0W、周波数40kHz)で表面の直径が50μm、底部の直径が29μmのブラインドビアを形成して接続評価用基板を作成した。
この接続評価用基板を用いて、5分間デスミア処理を行った以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムF1側の表面に導体層(金属層)を形成した接続評価用基板を得た。ビア部分の断面SEM観察を行ったところ、導体層間の接続は良好であった。
(実施例9)
デスミア処理時間を10分間とした以外は、実施例8と同様の方法でポリイミドフィルムF1側の表面に導体層(金属層)を形成した接続評価用基板を得た。ビア部分の断面SEM観察を行ったところ、導体層間の接続は良好であった。
(実施例10)
デスミア処理時間を3分間とした以外は、実施例8と同様の方法でポリイミドフィルムF1側の表面に導体層(金属層)を形成した接続評価用基板を得た。ビア部分の断面SEM観察を行ったところ、導体層間の接続は良好であった。
(比較例3)
デスミア処理を行わなかった以外は実施例8と同様の方法でポリイミドフィルムF1側の表面に導体層(金属層)を形成した接続評価用基板を得た。ビア部分の断面SEM観察を行ったところ、ビア底部にスミアが残存しており導体層間の接続は不良であった。
(実施例11〜13)
参考例3−3で得られたポリイミドフィルムF3を用いて1〜5分間のポリイミドエッチング処理を行った以外は、実施例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。エッチング処理時間および評価結果を表4に示した。
また、実施例1〜6と同様に金属顕微鏡で観察した結果、表面は平滑であり、傷は確認出来なかった。また、算術表面粗さRaは50nm以下(検出限界)であった。
(実施例14)
参考例3−4で得られたポリイミドフィルムF4を用いて5分間のポリイミドエッチング処理を行った以外は、実施例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。エッチング処理時間および評価結果を表4に示した。
また、実施例1〜6と同様に金属顕微鏡で観察した結果、表面は平滑であり、傷は確認出来なかった。また、算術表面粗さRaは50nm以下(検出限界)であった。
(比較例4)
参考例4−3で得られたポリイミドフィルムA2を用いた以外は比較例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。評価結果を表5に示した。
(比較例5)
参考例4−3で得られたポリイミドフィルムA2を用いて、5分間のポリイミドエッチング処理を行った以外は、実施例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。評価結果を表5に示した。
(比較例6)
参考例4−1で得られたポリイミドフィルムB1を用いた以外は比較例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。このフィルムには無電解ニッケルめっきを行うことができなかった。
(比較例7)
参考例4−1で得られたポリイミドフィルムB1を用いて、5分間のポリイミドエッチング処理を行った以外は、実施例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。評価結果を表5に示した。
(実施例15〜17)
参考例3−1で得られたポリイミドフィルムF1を用い、プラズマエッチング装置により25〜45分間のポリイミドエッチング処理を行った以外は実施例1と同様にして導体積層ポリイミドフィルムを得た。プラズマエッチング装置によるポリイミドエッチング処理は、周波数:13.55MHz、圧力:0.35Torr、空気導入:60ml/minで出力50Wまたは100Wで行った。エッチング処理時間および評価結果を表6に示した。
また、実施例1〜6と同様に金属顕微鏡で観察した結果、表面は平滑であり、傷は確認出来なかった。また、算術表面粗さRaは50nm以下(検出限界)であった。
(参考例5)
参考例3−1で得られたポリイミドフィルムF1を用い、プラズマエッチング装置によるポリイミドのエッチング速度を求めた。実施例15〜17と同じ条件でポリイミドエッチング処理を行い、化学エッチング速度の場合と同様に、エッチング開始から1分間でエッチングされた深さ(μm)を測定して、これをエッチング速度(μm/min)とした。このフィルムのポリアミック酸溶液(A1)から得られたポリイミド層のエッチング速度は、出力が50Wの場合では0.014μm/minであり、出力が100Wの場合では0.029μm/minであった。なお、ポリアミック酸溶液(A1)から得られたポリイミド層が、このポリイミドエッチング処理で理論上すべて除去されるエッチング時間t(min)は、出力が50Wの場合で42.9(min)、出力が100Wの場合で20.7(min)である。
ポリイミド層(b)を構成するポリイミドのエッチング速度は、参考例4−1で得られたポリイミドフィルムB1を用いて上記と同様にして求めた。出力が50Wの場合は0.013μm/minであり、出力が100Wの場合は0.027μm/minであった。

Claims (8)

  1. ポリイミド層(b)の片面又は両面にポリイミド層(a)を設けたポリイミドフィルムのポリイミド層(a)を設けた面をポリイミドエッチング処理してポリイミド層(a)の少なくとも一部を除去した後、この面に導体層を形成する導体層の形成方法であって、
    下記式で定義されるt(min)を用いて表したポリイミドエッチング処理時間T(min)が、0.2t≦T≦5tの範囲内であり、
    かつ前記ポリイミドエッチング処理してポリイミド層(a)の少なくとも一部を除去した後の面が、レーザー顕微鏡で測定した算術表面粗さRaが50nm以下であることを特徴とする導体層の形成方法。
  2. ポリイミド層(b)が、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を90モル%以上、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび/またはp−フェニレンジアミンを90モル%以上用いて得られるポリイミドから主としてなり、
    ポリイミド層(a)が、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物、ピロメリット酸化合物又はこれらから選ばれた複数の化合物、ジアミン成分としてp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン又はこれらから選ばれた複数の化合物を用いて得られるポリイミド(ただし、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を90モル%以上、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび/またはp−フェニレンジアミンを90モル%以上用いて得られるポリイミドは除く)から主としてなることを特徴とする、請求項1に記載の導体層の形成方法。
  3. ポリイミド層(a)が、アミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、アルミニウム化合物又はチタネート化合物のいずれか1種以上を含有するポリイミド前駆体組成物から得られるポリイミドからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導体層の形成方法。
  4. ポリイミド層(b)を構成するポリイミドのポリイミドエッチング液による化学エッチング速度が、ポリイミド層(a)を構成するポリイミドのポリイミドエッチング液による化学エッチング速度より小さいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  5. ポリイミド層(b)の厚さが1〜100μmであり、ポリイミド層(a)の厚さが0.05〜5μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  6. ポリイミドフィルムが、ポリイミド層(b)を形成できるポリイミド前駆体溶液から得られる自己支持性フィルムの少なくとも片面にポリイミド層(a)を形成できるポリイミド前駆体溶液を塗布し、350℃〜600℃で熱処理して得られるポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  7. ポリイミドエッチング処理が、ポリイミドエッチング液によるウエットエッチング処理、またはプラズマ処理によるドライエッチング処理であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  8. 導体層として、無電解めっきによりポリイミドフィルムの表面に金属膜層を形成することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の導体層の形成方法。
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