JP6435846B2 - 導電性ロール、転写装置、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

導電性ロール、転写装置、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は導電性ロール、転写装置、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに係る。
特許文献1には、軸の外周に、発泡体層または発泡体層およびスキン層からなる弾性層と、1層以上の樹脂層からなるソリッド層とを形成する発泡体ローラの製造方法であって、前記弾性層の原料成分を、筒状型の中心線上に前記軸が貫設された状態にて該筒状型内に注入して、前記軸の外周に前記弾性層を一体的に形成する成形工程を含み、前記成形工程において、前記弾性層を、前記原料成分を構成する2種のモノマー成分を前記筒状型内に混合射出し、重合反応させると同時に発泡させて形成し、かつ、該成形工程後に、前記樹脂層のうち少なくとも1層を、紫外線硬化樹脂を前記弾性層上に塗布し、硬化させて形成することを特徴とする発泡体ローラの製造方法が開示されている。
特許文献2には、中間転写ベルト方式又はタンデム方式によりカラー印刷を行う際に、中間転写ベルト又は記録メディア搬送ベルトの裏側に接触し、前記中間転写ベルトに電圧を印加して、又は前記記録メディア搬送ベルトを介して記録メディアに電圧を印加して、感光体に形成されたトナー像を前記中間転写ベルト又は前記記録メディアに転写する転写ローラにおいて、ニトリルゴム(NBR)と、加硫剤と、イオン導電剤と、チアゾール系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤から選ばれる1種又は2種以上の加硫促進剤と、アゾジカルボンアミド(ADCA)系発泡剤とを含有してなる導電性ゴム組成物で形成された導電性弾性層を有することを特徴とする転写ローラが開示されている。
特許文献3には、機械発泡による多数の独立気泡を有し、光硬化型樹脂を主成分とすることを特徴とする弾性発泡体が開示されている。
特開2004−090430号公報 特開2009−074006号公報 特開2010−256742号公報
本発明の課題は、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物と導電剤として低分子(分子量1000未満)の導電剤のみとを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールに比べて、荷重(1kg)をかけて通電した場合の抵抗上昇が抑制される導電性ロールを提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1>
機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物とイオン導電性高分子化合物とを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールである。
<2>
前記組成物は、光反応性の整泡剤をさらに含む、<1>に記載の導電性ロールである。
<3>
前記光反応性の整泡剤は、アクリル変性シリコーン及びメタクリル変性シリコーンの少なくとも一種である、<2>に記載の導電性ロールである。
<4>
前記光反応性の整泡剤の親水性基/疎水性基バランス(HLB値)は14以下である、<2>又は<3>に記載の導電性ロールである。
<5>
前記イオン導電性高分子化合物は、第四級アンモニウム塩含有アクリレート重合体及び第四級アンモニウム塩含有メタクリレート重合体の少なくとも一種である、<2><4>のいずれか1項に記載の導電性ロールである。
<6>
前記組成物は、前記イオン導電性高分子化合物以外の第四級アンモニウム塩、フッ素原子を有する金属塩、及びイオン性液体の少なくとも1種をさらに含む、<2><5>のいずれか1項に記載の導電性ロールである。
<7>
<1><6>のいずれか1項に記載の導電性ロールを備える転写装置である。
<8>
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
<1><6>のいずれか1項に記載の導電性ロールを含み、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
<9>
<1><6>のいずれか1項に記載の導電性ロールを有し、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
<1>に係る発明によれば、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物と導電剤として低分子(分子量1000未満)の導電剤のみとを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールに比べて、荷重(1kg)をかけて通電した場合の抵抗上昇が抑制される導電性ロールが提供される。
<2>又は<3>に係る発明によれば、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物とイオン導電性高分子化合物と整泡剤として反応性を有さない整泡剤のみとを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールに比べて、荷重(1kg)をかけて通電した場合の抵抗上昇が抑制された導電性ロールが提供される。
<4>に係る発明によれば、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物とイオン導電性高分子化合物と光反応性の整泡剤として親水性基/疎水性基バランス(HLB値)が14を超える整泡剤のみとを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールに比べて、吸湿に伴う経時的な抵抗変化が抑制された導電性ロールが提供される。
<5>に係る発明によれば、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物と導電剤として低分子(分子量1000未満)の導電剤のみとを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールに比べて、荷重(1kg)をかけて通電した場合の抵抗上昇が抑制される導電性ロールが提供される。
<6>に係る発明によれば、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物と導電剤として低分子(分子量1000未満)の導電剤のみとを含みイオン導電性高分子化合物以外の第四級アンモニウム塩、フッ素原子を有する金属塩、及びイオン性液体のいずれも含まない組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールに比べて、体積抵抗率が低い導電性ロールが提供される。
<7>に係る発明によれば、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物と導電剤として低分子(分子量1000未満)の導電剤のみとを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールを転写ロールとして適用した場合に比べて、荷重(1kg)がかかった状態での通電による抵抗上昇に伴う転写効率の低下が抑制される転写装置が提供される。
<8>に係る発明によれば、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物と導電剤として低分子(分子量1000未満)の導電剤のみとを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールを転写ロールとして適用した場合に比べて、荷重(1kg)がかかった状態での通電による抵抗上昇に伴う転写効率の低下に起因する画像濃度の低下が抑制される画像形成装置が提供される。
<9>に係る発明によれば、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物と導電剤として低分子(分子量1000未満)の導電剤のみとを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールを転写ロールとして適用した場合に比べて、荷重(1kg)がかかった状態での通電による抵抗上昇に伴う転写効率の低下に起因する画像濃度の低下が抑制されるプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る導電性ロールの一例を示す模式断面図である。 弾性層の体積抵抗率の測定方法を説明するための概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
<導電性ロール>
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
本実施形態に係る導電性ロールは、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物とイオン導電性高分子化合物とを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロールである。
本実施形態は、上記の構成であることで、イオン導電性高分子化合物に代えて低分子(分子量1000未満)の導電剤のみを用いた場合に比べて、荷重をかけて通電処理を施した場合の抵抗上昇が抑制される。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
機械発泡された弾性層であって光重合性化合物と導電剤とを含む組成物の硬化層である弾性層において、導電剤として低分子の導電剤のみを用いて弾性層の体積抵抗率を調整した場合、通電に伴って電荷を有する導電剤の分子そのものが弾性層内を移動して表面に析出(偏析)し、経時的に体積抵抗率が上昇することが考えられる。
そして弾性層の体積抵抗率が経時的に上昇すると、例えば導電性ロールを画像形成装置の転写ロールとして用いた場合、転写効率が低下し、画像濃度が低下するとともに、その使用寿命が短くなる。
一方、本実施形態では、導電剤としてイオン導電性高分子化合物を用いている。すなわち、本実施形態における弾性層は、イオン導電性高分子化合物の存在下で光重合性化合物が重合して組成物が硬化したものであり、光重合性化合物の重合で形成された光硬化樹脂によってイオン導電性高分子化合物が拘束されていると考えられる。そのため、本実施形態における弾性層では、通電処理を行ってもイオン導電性高分子化合物が弾性層内を移動しにくく、イオン導電性高分子化合物の移動が遅くなり、経時的な体積抵抗率の上昇が起こりにくいと推測される。
また本実施形態の弾性層は、機械発泡により多数の気泡を含ませた組成物を光硬化した層である。
ここで、発泡により気泡を形成する方法としては、機械発泡の他に例えば化学発泡が考えられる。化学発泡された弾性層としては、例えば、未加硫ゴムと発泡剤とアミン系触媒等とを含む組成物を、160℃以上に加熱することで、化学的に発泡させるとともに硬化させた弾性層が挙げられる。上記化学発泡された弾性層においては、発泡開始温度よりもゴムの加硫温度(例えば120℃)の方が低く、組成物を加熱する過程で発泡開始前にゴムの加硫(硬化)が始まるため、気泡の分布等を制御しにくく、安定して均一に近い発泡体を形成することが難しい。その上、上記化学発泡された弾性層を有する導電性ロールでは、経時的にアミン系触媒が層内を移動して表面に析出することで、導電性ロールに接触する部材や画像が汚染されることも考えられる。
これに対して本実施形態では、組成物を機械的に発砲処理した後に光硬化させるため、気泡を発生させる工程と組成物を硬化させる工程とが独立しており、気泡の発生及び気泡の維持を制御しやすい。また、本実施形態では、発泡させるための触媒が不要であるため、触媒の析出に起因する画像汚染や濃度ムラが発生しない。
また本実施形態では、組成物が光反応性の整泡剤をさらに含むことが望ましい。光反応性の整泡剤は、組成物の硬化時に光重合性化合物と反応する整泡剤である。すなわち光反応性の整泡剤を含む組成物の硬化層では、光重合性化合物と光反応性の整泡剤とが化学的に結合している。
光反応性の整泡剤を含む組成物の硬化層である弾性層は、組成物に含まれる整泡剤が反応性を有さない整泡剤のみである場合に比べて、荷重をかけて通電処理を施した場合の抵抗上昇がさらに抑制される。その理由は定かではないが、光反応性の整泡剤と光重合性化合物とが化学的に結合した光硬化樹脂の架橋結合網(ネットワーク)が形成され、その架橋結合網にイオン導電性高分子化合物が拘束される。そのため、イオン導電性高分子化合物及び整泡剤のいずれも、弾性層内を移動しにくく、表面に析出することが起こりにくく、通電処理を行っても光反応性の整泡剤及び電荷担体(イオン導電性高分子化合物)の移動が軽減され、経時的な抵抗上昇が起こりにくいと推測される。加えて、光反応性の整泡剤を用いることで、整泡剤が析出(ブリード)して導電性ロールに接触する他の部材(例えば感光体)の表面を汚染することが抑制される。
また、光反応性の整泡剤を含む組成物は、整泡剤として反応性を有さない整泡剤のみを用いた組成物に比べて、組成物の光硬化に要する時間が短くなる。そして、短時間で組成物が光硬化することで、発泡状態が維持された硬化層が形成されやすい。また、例えば芯体の表面に組成物の塗膜を形成し塗膜を硬化させて弾性層を形成する場合のように、硬化の過程で組成物に重力がかかる場合でも、組成物の光硬化に要する時間が短いと、内部におけるひずみが小さい弾性層を有する導電性ロールが得られる。さらに、例えば厚い弾性層を形成する場合のように内部への光透過性が低い条件で組成物を光硬化する場合においても、光反応性の整泡剤を用い組成物の光硬化に要する時間が短いと、より均一に近い状態で光硬化された弾性層が得られ、弾性層の内部ひずみやセル(気泡)形状の安定性が得られやすくなる。
また、組成物が光反応性の整泡剤を含む場合、光反応性の整泡剤の親水性基/疎水性基バランス(Hydrophile-Lipophile Balance、以下「HLB値」と称する場合がある)は14以下であることが望ましい。HLB値が14以下である光反応性の整泡剤を含むことで、組成物に含まれるすべての整泡剤のHLB値が14を超える場合に比べて、弾性層の抵抗が継時的に安定しやすくなる。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
HLB値の低い整泡剤、すなわち疎水性の高い整泡剤を用いることで、機械発泡で形成された気泡が安定化し、イオン導電性高分子化合物や気泡の分散性が保たれた状態で組成物が硬化しやすいと考えられる。その上、組成物が硬化して得られた弾性層がHLB値14以下の整泡剤を含むと、弾性層自体が吸湿しにくい。そのため、弾性層の水分吸湿性が低減し、弾性層内におけるイオン導電性高分子化合物の移動や弾性層の吸湿等に伴う抵抗変動がおこりにくく、弾性層の抵抗が経時的に安定しやすくかつ環境に依存しにくくなると推測される。
以下、図を参照して、本実施形態に係る導電性ロールについて説明する。
図1は、本実施形態に係る導電性ロールの一例を示す模式図であり、軸方向に垂直な断面図である。
本実施形態に係る導電性ロール111は、図1に示すように、例えば、円筒状又は円柱状の導電性の支持体(シャフト)112と、支持体112の外周面に設けられた導電性の弾性層113と、弾性層113の外周面に設けられた表面層114と、を有するロール部材である。
導電性ロールは、前述の弾性層さえ有するものであれば上記構成に限定されず、例えば表面層を有さない構成であってもよく、他の層をさらに有する構成であってもよい。
以下、本実施形態に係る導電性ロール111の各構成要素につき詳細に説明する。
(支持体)
支持体112は、ロール部材の電極及び支持部材として機能する部材である。
支持体112としては、例えば、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属の部材が挙げられる。
支持体112としては、例えば、外側の面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂やセラミック部材)、導電剤の分散された部材(例えば樹脂やセラミック部材)等も挙げられる。
支持体112は、中空状の部材(筒状部材)であってもよいし、非中空状の部材であってもよい。
(弾性層)
弾性層113は、支持体112の外周面に配置される層である。
弾性層113は、機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物とイオン導電性高分子化合物とを含む組成物の硬化層である。弾性層113は、前記組成物を機械発泡させた後、機械発泡された組成物を光照射することにより硬化させることで得られる。すなわち弾性層113は、光重合性化合物が重合によって硬化して得られた光硬化樹脂を含む。
前記組成物は、光重合性化合物とイオン導電性高分子化合物とを少なくとも含み、その他の添加物をさらに含んでもよい。
以下、組成物に含まれる各成分について説明する。
―光重合性化合物―
光重合性化合物は、光照射により重合する化合物であり、光ラジカル重合性化合物であってもよく、光カチオン重合性化合物であってもよい。光カチオン重合性化合物に比べて光ラジカル重合性化合物の方が、水分の吸湿の影響が少なく、硬化反応が速く、柔軟な架橋が形成され、発泡倍率に対して微細なセルが形成される等の観点で好ましい。
光重合性化合物としては、光重合性官能基を有する化合物が挙げられる。光重合性官能基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられ、機械発泡により分散された気泡を組成物内で維持しやすく、かつ、組成物の硬化層において長時間の変形後に形状が戻りやすい(耐ニップ部変形)という観点から、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、メタクリロイル基がより好ましい。
光重合性化合物1分子に含まれる光重合性官能基は、1つのみでもよく、2つ以上でもよく、例えば1以上6以下の範囲が挙げられる。光重合性化合物1分子に含まれる光重合性官能基は、機械発泡により分散された気泡を組成物内で維持しやすく、かつ、組成物の硬化層において長時間変形させても破泡や気泡(セル)の合一が起こりにくく、形状が戻りやすいという観点から、2つ以上が好ましく、3つ以上がより好ましい。
光重合性化合物は、光重合性モノマーでもよく、光重合性オリゴマーであってもよいが、光重合反応速度、電荷担体の静電的保持、およびセル安定性(気泡形状安定性)の観点から、組成物が少なくとも光重合性オリゴマーを含むことが望ましい。また、組成物の粘度を調整するために、光重合性モノマーと光重合性オリゴマーとを併用して(すなわち、光重合性モノマーを反応性希釈剤として用いて)もよい。
光重合性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、メタクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、メタクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類、メタクリル芳香族アミド類等が挙げられる。
光重合性オリゴマーの具体例としては、例えば、ウレタンアクリレート(ウレタン結合及びアクリロイル基を有する化合物)、ウレタンメタクリレート(ウレタン結合及びメタクリロイル基を有する化合物)、ポリエーテル系アクリレート(ポリエーテル構造及びアクリロイル基を有する化合物)、ポリエーテル系メタクリレート(ポリエーテル構造及びメタクリロイル基を有する化合物)、ポリエステル系アクリレート(ポリエステル構造及びアクリロイル基を有する化合物)、ポリエステル系メタクリレート(ポリエステル構造及びメタクリロイル基を有する化合物)、ポリカーボネート系アクリレート(ポリカーボネート構造及びアクリロイル基を有する化合物)、及びポリカーボネート系メタクリレート(ポリカーボネート構造及びメタクリロイル基を有する化合物)が挙げられる。
光重合性オリゴマーは、さらに具体的には、例えば、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、及びポリカーボネートの少なくとも一種の主鎖における末端に、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一種を有する末端アクリレート誘導体及び末端メタクリレート誘導体の少なくとも一種が挙げられる。
光重合性オリゴマーは、組成物内における整泡性を高める観点、及び組成物の硬化膜が電解質としての性質を有してイオン導電性を向上させる観点から、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレートが好ましい。
光重合性オリゴマーの重量平均分子量としては、例えば500以上20000以下が挙げられ、光反応性と整泡性の観点から1000以上10000以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
また、組成物全体における光重合性化合物の含有量としては、例えば3質量%以上5
0質量%以下が挙げられ、5質量%以上30質量%以下が好ましい。
―イオン導電性高分子化合物―
イオン導電性高分子化合物は、重量平均分子量が1000以上のイオン導電剤である。
イオン導電性高分子化合物としては、アニオン導電性高分子化合物、カチオン導電性高分子化合物が挙げられる。
アニオン導電性高分子化合物としては、例えば、スルホ基を有する高分子化合物、アクリロイル基を有する高分子化合物、リンを有する高分子化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。
カチオン導電性高分子化合物としては、例えば、第四級アンモニウム塩基を有する高分子化合物が挙げられ、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体(側鎖型、主鎖型)、第四級アンモニウム塩基含有メタクリレート重合体(側鎖型、主鎖型)、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
イオン導電性高分子化合物は、電荷担体の移動性の観点から、カチオン導電性高分子化合物が好ましく、その中でも電荷担体の移動保持安定性の観点から、第四級アンモニウム塩基を有する高分子化合物が好ましく、第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体、第四級アンモニウム塩基含有メタクリレート重合体がより好ましく、側鎖型の第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体、側鎖型の第四級アンモニウム塩基含有メタクリレート重合体がより好ましい。
特に、光重合性化合物としてアクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも1種を有する化合物を用いた場合、イオン導電性高分子化合物として第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体及び第四級アンモニウム塩基含有メタクリレート重合体の少なくとも1種を用いることが好ましい。それにより、光重合性化合物とイオン導電性高分子化合物との相溶性が良好となり、導電性ロールに荷重をかけて通電処理を施した場合の抵抗上昇がさらに抑制される。
第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体及び第四級アンモニウム塩基含有メタクリレート重合体としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
なお、第四級アンモニウム塩含有アクリレート重合体は、下記一般式(1)中の繰り返し単位及び下記一般式(2)中の繰り返し単位の少なくとも一方を含む共重合体であってもよい。
ここで、一般式(1)及び一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R、R、及びRは各々独立に水素原子、アルキル基、又はアルキレングリコール構造を有する基、を示し、Lはアルキレン基又はポリアルキレングリコール基を示し、Xはハロゲン化物イオン、過塩素酸イオンを示し、A又はAは各々独立に水素原子又はアルキル基を示し、nは自然数を示す。
一般式(1)及び一般式(2)中のR、R、及びRで示されるアルキル基の炭素数としては、例えば1以上20以下が挙げられ、1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましい。アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基等が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)中のR、R、及びRで示されるアルキレングリコール構造を有する基としては、例えば下記一般式(3)で表される基、一般式(4)で表される基が挙げられる。
−(C2aO)−R 一般式(3)
ここで一般式(3)中、aは1以上4以下の自然数を表し、bは1以上5以下の自然数を示し、Rは水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示す。
−(C2aO)−(C2cO)−R 一般式(4)
ここで一般式(4)中、a及びcは各々独立に1以上4以下の自然数を表し、b及びdは各々独立に1以上4以下の自然数を示し、b+dは2以上5以下であり、Rは水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示す。
一般式(1)及び一般式(2)中のR、R、及びRは、イオン導電性高分子化合物と光重合性化合物との相溶性の観点で水素原子又はアルキル基、一般式(3)で表される基、一般式(4)で表される基が好ましく、水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基、一般式(3)で表される基(ただしaは2以上3以下、bは1以上5以下、Rは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基)がより好ましく、炭素数1以上5以下のアルキル基、一般式(3)で表される基(ただしaは2以上3以下、bは2以上3以下、Rは水素原子又はメチル基)がさらに好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)中のR、R、及びRは、互いに異なる基であってもよく、同じ基であってもよいが、R、R、及びRのすべてが同じ基であることが好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)中のLで示されるアルキレン基の炭素数としては、例えば1以上20以下が挙げられ、1以上10以下が好ましく、2以上5以下がより好ましい。アルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピリデン基、プロピレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)中のLで示されるポリアルキレングリコール基としては、例えば、上記一般式(3)で表される基からRを除いた基、上記一般式(4)で表される基からRを除いた基等が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)中のLは、アンモニウム塩の運動性の観点でアルキレン基が好ましく、炭素数1以上5以下のアルキレン基がより好ましく、炭素数2以上3以下のアルキレン基がさらに好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)中のXで示されるハロゲン化物イオンとしては、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)中のXは、光重合性化合物との相溶性の観点で、塩化物イオン、過塩素酸イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)中のA及びAで示されるアルキル基の炭素数としては、例えば1以上20以下が挙げられ、1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましい。アルキル基の具体例は、一般式(1)及び一般式(2)中のR、R、及びRで示されるアルキル基の具体例と同様である。
一般式(1)及び一般式(2)中のA及びAは、イオン導電性高分子化合物の電荷移動性の観点で、水素原子又はアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
一般式(1)で表される化合物のうち好ましい化合物としては、一般式(1)において、Rが水素原子又はメチル基を示し、R、R、及びRは各々独立に水素原子又はメチル基を示し、Lがエチレン基又はトリメチレン基を示し、Xは塩化物イオンを示し、A又はAは各々独立に水素原子又はメチル基を示す化合物が挙げられる。
また、一般式(2)で表される化合物のうち好ましい化合物としては、一般式(2)において、Rが水素原子又はメチル基を示し、R、R、及びRは各々独立に水素原子又はメチル基を示し、Lがエチレン基又はトリメチレン基を示し、Xは塩化物イオンを示し、A又はAは各々独立に水素原子又はメチル基を示す化合物が挙げられる。
イオン導電性高分子化合物の重量平均分子量としては、例えば1000以上10万以下が挙げられ、分子運動性とホ゜リマー溶解相溶性の観点から5000以上5万以下が好ましい。
また、組成物中におけるイオン導電性高分子化合物の含有量としては、例えば0.1
質量%以上10質量%以下が挙げられ、0.3質量%以上3質量%以下が好ましい。
―光反応性の整泡剤―
組成物は、光反応性の整泡剤を含むことが望ましい。
光反応性の整泡剤は、組成物が光照射によって硬化する際に光重合性化合物と反応する整泡剤である。また、整泡剤は、組成物中における各成分の相溶性を高めたり組成物の表面張力を下げたりすることで、機械発泡の際に均一で細かい泡が形成されるようにする成分である。
光反応性の整泡剤としては、例えば、組成物に含まれる光重合性化合物の光重合性官能基と光反応する官能基を有する整泡剤が挙げられる。例えば、組成物がアクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも1種を有する光重合性化合物を含む場合、光反応性の整泡剤としては、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも1種を有する整泡剤が挙げられる。
なお、光反応性の整泡剤の1分子が有する光重合性官能基の数は、1つでもよく、2つ以上でもよいが、イオン導電性高分子化合物の移動抑制と反応性の観点から好ましくは2以上3以下である。
アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも1種を有する整泡剤としては、例えば、シロキサン構造を有するノニオン性界面活性剤の主鎖の末端及び側鎖の少なくとも1つにアクリロイル基を付与した化合物(アクリル変性シリコーン)、シロキサン構造を有するノニオン性界面活性剤の主鎖の末端及び側鎖の少なくとも1つにメタクリロイル基を付与した化合物(メタクリル変性シリコーン)等が挙げられる。
また、シロキサン構造を有するノニオン性界面活性剤としては、例えば、ジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体等が挙げられる。
また光反応性の整泡剤のHLB値は、14以下が好ましく、8以上14以下がより好ましく、9以上10以下がさらに好ましい。
なお、HLB値は、親水性基と疎水性基とのバランスを示すものであり、以下の式(グリフィン法)により定義される。
式:HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
光反応性の整泡剤の重量平均分子量としては、例えば1000以上10000以下が挙げられ、整泡性と反応性の観点から1000以上5000以下がより好ましい。
組成物中における光反応性の整泡剤の含有量としては、例えば1質量%以上30質量%以下が挙げられ、5質量%以上20質量%以下が好ましい。
―その他の添加剤―
組成物は、必要に応じてその他の添加剤を含んでもよい。その他の添加剤としては、例えば、光重合開始剤、イオン導電性高分子化合物以外の導電剤、溶剤、光反応性の整泡剤以外の界面活性剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、酸化防止剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)等が挙げられる。
光重合開始剤は、光を照射されることで活性化し、光重合性化合物の重合反応を開始させる化合物である。
光重合開始剤は、光重合性化合物の重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されず、具体的には、例えば、分子内開裂型の光重合開始剤、水素引抜型の光重合開始剤等が挙げられる。
分子内開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ベンジルケタール系、アルキルフェノン系、アミノアルキルフェノン系、ホスフィンオキサイド系、チタノセン系、オキシム系等の光重合開始剤が挙げられる。
水素引抜型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンジル系、ミヒラーケトン系等の光重合開始剤が挙げられる。
組成物中における光重合開始剤の含有量としては、例えば1質量%以上10質量%以下が挙げられ、2質量%以上5質量%以下が好ましい。
イオン導電性高分子化合物以外の導電剤としては、例えば、重量平均分子量1000未満の第四級アンモニウム塩、フッ素原子を有する金属塩、イオン性液体、イオン導電性高分子化合物以外の高分子型帯電防止剤、イオン導電性高分子化合物以外の高分子電解質等が挙げられる。
重量平均分子量1000未満の第四級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、または主鎖型アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
フッ素原子を有する金属塩としては、例えば、フッ素原子を有するアニオンのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、等が挙げられる。フッ素原子を有するアニオンとしては、例えばフッ素原子及びスルホニル基の両方を有するアニオンが挙げられ、具体的には、例えば、フッ素原子を有するスルホン酸アニオン、フッ素原子を有するイミドアニオン等が挙げられる。
フッ素原子を有する金属塩の具体例としては、例えば、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のパーフルオロアルキルスルホン酸塩;ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム等のビス(フルオロスルホニル)イミド塩;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム等のビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミド塩;等が挙げられる。
イオン性液体は、アニオン及びカチオンの対イオンから構成される塩で常温常圧下(25℃、1.0×10Pa)において液体の化合物であり、具体的には、例えば、カチオン種にエチルメチルイミダゾリウム、ブチルメチルイミダゾリウムといったイミダゾリウム型やメチルピリジニウム、エチルピリジニウムといったピリジニウム型を用い、アニオン種にテトラフルオロボレートイオン、トリフルオロメチルスルホニルイミドイオンを用いたイオン性液体が挙げられる。
組成物中におけるイオン導電性高分子化合物以外の導電剤の含有量は、目的とする弾性層の抵抗値に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.01質量%以上10質量%以下が挙げられる。
−弾性層の製造方法−
弾性層は、組成物を調製する工程と、組成物を機械発泡する工程と、機械発泡された組成物を光硬化する工程と、を経て得られる。なお、組成物の機械発泡を組成物の調製後に行ってもよく、機械発泡させながら組成物を調製してもよい。
組成物を調製する工程では、組成物の各成分である光重合性化合物、イオン導電性高分子化合物、及び必要に応じてその他の成分を、例えば攪拌装置等により混合して、組成物を調製する。
攪拌機は、特に限定されるものではないが、例えば、ホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)、メカニカルフロス発泡機等に窒素等の不活性ガスを充填させて透明金型内に注入しUV露光させながら硬化する装置が挙げられる。
組成物を機械発泡する工程では、機械発泡により組成物中に気泡を分散させる。
機械発泡は、外部から強制的に組成物中へ気体を混入させ、機械的に撹拌、発泡させる方法である。具体的には、例えば、組成物を混合室内に入れるとともに気体を組成物中に混入させ、撹拌装置等で混合しながら撹拌することにより、気体が小径化した状態で分散した組成物が得られる。
気体は、組成物に対して反応性が低く、かつ、組成物の光硬化を阻害しにくい気体が好ましい。気体の具体例としては、例えば、窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガス、及び空気、並びにこれらの混合気体が挙げられ、これらの中でも窒素が好ましい。
組成物を機械発泡させる装置は、特に限定されないが、組成物を調製する工程で用いられる撹拌装置と同様のものが挙げられる。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、例えばホイッパー型が挙げられる。
機械発泡された組成物を光硬化する工程では、機械発泡された組成物に光を照射することで、気泡が分散された状態で組成物を硬化させる。
具体的には、例えば、光を透過する円筒管の中空部に支持体を同軸に設置した容器を準備し、その容器に機械発泡された組成物を充填して封止し、容器の外周面側から組成物に光を照射する。円筒管内に組成物を充填して光照射することで、組成物の硬化に加熱が不要であり、また組成物の光硬化時に外部から酸素が入り込みにくいため、酸素による光重合性化合物の重合阻害(重合阻害による硬化性低下)が起こりにくい。
円筒管は、照射する光が透過するものであれば特に限定されないが、例えばガラス管、樹脂管(例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル等)が挙げられる。
円筒管の内周面は、円筒管に組成物を充填する前にあらかじめ離型剤が塗布されていてもよく、それによって硬化した組成物を円筒管から抜き取ることが容易になるとともに、抜き取った後の研磨が不要になる。離型剤は特に限定されないが、例えば、光硬化型又は乾燥型離型性潤滑塗料が挙げられ、具体的には、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物が挙げられる。離型剤として光硬化型の離型剤を用いた場合は、例えば、円筒管の内周面に塗布された離型剤を液膜として保持した状態で円筒管に組成物を充填し、離型剤の液膜と組成物との両方を硬化させる光を照射して、一体として硬化した離型剤の液膜と組成物とを取り出す。
組成物に照射する光の波長は、組成物に含まれる成分の種類に応じて適宜設定される。具体的には、例えば、紫外線を照射することでラジカルを発生する光重合開始剤と、前記光重合開始剤によって重合を開始する光重合性化合物と、が組成物に含まれる場合、光重合開始剤がラジカルを発生する紫外線を照射することで組成物が光硬化する。
また、照射する光の強度及び照射時間については、組成物が硬化される程度の光強度及び照射時間であればよく、組成物に含まれる成分の種類や含有量等に応じて適宜設定される。
光照射装置は、組成物に照射する光の波長や強度に応じて適宜選択すればよいが、具体的には、例えば、水銀ショートアークランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンランプ、レーザ等が挙げられる。
−弾性層の特性−
組成物の硬化層である弾性層の厚みは、例えば、5mm以上20mm以下が挙げられ、望ましくは5mm以上15mm以下である。
弾性層における発泡倍率は、例えば1.1倍以上5倍以下が挙げられる。
弾性層のアスカーC硬度は、トナー転写性および用紙搬送性の観点から10度以上90度以下であることが好ましく、30度以上60度以下であることがより好ましい。
尚、アスカーC硬度は荷重200gのときの反発硬度をさし、以下の方法により測定される。高分子計器株式会社製、軟質ゴム、スポンジなどの硬さ測定におけるデ・ファクトスタンダード アスカーC型硬度計で、JIS−K7312、JIS−S6050に準拠して計測される。
通電処理を行う前における弾性層の体積抵抗率は、10Ω/cm以上1010Ω/cm以下が好ましく、10Ω/cm以上1010Ω/cm以下がより好ましく、10Ω/cm以上10Ω/cm以下がさらに好ましく、環境が変化してもこの範囲内に収まるものが最も好ましい。
弾性層の体積抵抗率の測定方法を、図2を参照しつつ説明する。
図2に示す通り、導電性ロール60を金属板70の上に置き、芯金50の両端の矢印A1及びA2の箇所に500gの荷重を掛けた状態で、温度22℃、湿度55%RHの環境下、芯金50と金属板70との間に印加電圧1000Vを印加して、10秒後の電流値I(A)を読み取り、式「R=V/I」によって体積抵抗R(Ω)を計算する。この測定と計算を、導電性ロール60を90°ずつ周方向に回転させて4点について行い、その平均値を導電性ロール60の体積抵抗Rとする。
そして、導電性ロール60の体積抵抗Rから、下記式により、弾性層の体積抵抗率ρv(Ω・cm)を算出する。
式ρv=L×W×R/t
上記式中、L(cm)はロールの軸方向の長さ、W(cm)はロールと電極の接触(ニップ)幅、t(cm)は弾性層の厚さを示す。上記式より体積抵抗率が算出される。
(表面層)
表面層114は、弾性層113の外周面に配置される層である。
例えば、前記のように円筒管の内周面にあらかじめ光硬化型の離型剤を塗布して弾性層113を形成した場合、前記離型剤が光硬化した層が、表面層114となる。
表面層114は、上記のように弾性層113の形成時に得られる層であってもよく、弾性層113が形成された後に弾性層113の表面に形成された層であってもよい。
表面層114の厚さは、例えば、0.02mm以上0.3mm以下の範囲であり、望ましくは0.02mm以上0.2mm以下の範囲であり、より望ましくは0.03mm以上0.05mm以下の範囲である。
(用途)
本実施形態に係る導電性ロールは、例えば電子写真複写機、静電プリンター等における像保持体上の表面を帯電するための帯電ロール、像保持体上に形成されたトナー像を転写媒体に転写するための転写ロール、像保持体上にトナーを搬送するためのトナー搬送ロール、像保持体上のトナーを除去するためのクリーニングロール等に使用される。また、インクジェット方式の画像形成装置において、インクがインクジェットヘッドから吐出される前の中間転写体を帯電するための給電ロール等に使用される。
<転写ユニット、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ>
本実施形態に係る転写ユニットは、前述した本実施形態に係る導電性ロールと、前記導電性ロールに対して対向して配置された対向部材と、を備え、記録媒体が導電性ロールと対向部材との間を通過するとき、該記録媒体にトナー像を転写するものである。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、転写ロールを備える画像形成装置であり、当該転写ロールとして、前述した本実施形態に係る導電性写ロールを適用する。
具体的には、例えば、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を備え、転写手段に、本実施形態に係る導電性ロールを備える。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、例えば、上記構成の画像形成装置に着脱され、少なくとも本実施形態に係る導電性ロールを備える。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体、像保持体を帯電する帯電手段、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段、及び像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段から選ばれる少なくとも1種と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、前記転写手段が、本実施形態に係る導電性ロールを備える。
上述した転写手段においては、例えば、転写ロールを単独で備える記録媒体への直接転写方式の構成、又は、像保持体の表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体と像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に転写する一次転写ロールと中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体に転写する二次転写ロールとを備える中間転写方式の構成が挙げられる。
直接転写方式の構成では、像保持体に対向して配置された転写ロールとして本実施形態に係る導電性ロールを備える。
また、中間転写方式の構成では、二次転写ロールとして本実施形態に係る導電性ロールを備え、一次転写ロールに本実施形態に係る導電性ロールを適用してもよい。
上記の中間転写方式を採用した本実施形態に係る画像形成装置は、具体的には、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を備え、二次転写手段に、本実施形態に係る導電性ロールを備える。
本実施形態に係る画像形成装置としては、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置、像保持体上に保持されたトナー像を直接、記録媒体に転写する画像形成装置、像保持体上に保持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像装置を備えた複数の像保持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置のいずれのものであってもよい。
以下、図3を参照して、本実施形態に係る転写ユニット、画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて説明する。ここで、図3は本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図3に示される画像形成装置は、二次転写部に、本実施形態に係る導電性ロールを含む転写ユニット(本実施形態に係る転写ユニット)を備えた、中間転写方式の装置である。
図3に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに特定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着されるプロセスカートリッジ(本実施形態に係るプロセスカートリッジ)であってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が配置されている。中間転写ベルト20は、図3における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に張力が付与されて巻回され、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるように、画像形成装置用の転写ユニットを構成している。
なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に特定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配置されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yを代表させて説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を特定の電位に帯電させる帯電ロール2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを、クリーニングブレードにて除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V以上−800V以下程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10Ωcm以下)の基材上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像は、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って特定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、イエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き特定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が特定の一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が一次転写部へ搬送されると、一次転写ロール5Yに特定の一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段)26とから構成された二次転写部へと至る。なお、二次転写ロール26の外周面には、弾性材料で構成されたクリーニングブレード27が接触しており、中間転写ベルト20から記録媒体Pに転写されずに二次転写ロール26の外周面に付着したトナーが除去される。
一方、記録媒体Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接している隙間に特定のタイミングで給紙され、特定の二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録媒体Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録媒体P上に転写される。尚、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録媒体Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録媒体P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録媒体Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限られず、本実施形態に係る導電性ロール転写部材を含む転写ユニット(本実施形態に係る転写ユニット)を備えていれば、周知の中間転写方式の画像形成装置が適用される。
また、上記構成では、二次転写ロールとして本実施形態に係る転写導電性ロールが採用された画像形成装置を示しているが、かかる画像形成装置における一次転写ロールに本実施形態に係る転写導電性ロールを採用してもよい。
ここで、全実施形態において、トナー像を転写する記録媒体Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。また、記録媒体Pとしては、普通紙以外にも、OHPシート等も挙げられる。
次いで、下記の実施例および比較例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」は特に明示しない限り「質量部」を表す。
〔実施例1〕
ポリエーテル系アクリレート(光重合性オリゴマー、新中村化学工業株式会社製、品名:NKオリゴUA−7100、重量平均分子量:2000、官能基数:3)80部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(光重合性モノマー、東亞合成株式会社製、品番:M−110、重量平均分子量:310、官能基数:1)20部、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ製、品名:イルガキュア819)5部、アクリル変性シリコーン(光反応性の整泡剤、デグサ製、品番:TEGO2200N、HLB:11)8部、及びイオン導電性高分子化合物(第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体、大成ファインケミカル製、品番:ISX3000、重量平均分子量:40000)3部を攪拌機(ノードソン社製、ウルトラフォームミックスキューブ:FM200)により混合し、組成物を得た。
次いで、攪拌機で組成物を攪拌させながら窒素ガスを組成物に封入し、機械発泡された組成物を得た。
一方、ガラス製内径18.7mmφ長さ400mmの円筒管に、ステンレス製外径8mmφの円柱状の支持体を同軸的に設置し、円筒管の内周面に離型剤(ナノグラスコートジャパン株式会社製、品番:SV9000)を0.5μmの厚さに塗布及び乾燥させることで離型剤の硬化膜を形成し、離型処理を行った。
機械発泡された組成物を、離型処理された円筒管に負圧下充填させ、円筒管を回転させながら円筒管の外周面側からキセノンランプにより光照射し、組成物を硬化させて組成物の硬化膜である弾性層を得た。なお、光照射は、組成物が硬化するまで行った。組成物の硬化に要した時間を表1(硬化時間)に示す。
支持体と弾性層とを一体で円筒管から脱型させることで、導電性ロール1を得た。
得られた導電性ロール1は、支持体と、支持体の外周面に配置された弾性層と、弾性層の外周面に配置された離型剤の硬化膜である表面層と、で構成されていた。
〔実施例2〕
パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(M−110)20部の代わりに、ウレタンアクリレート(光重合性オリゴマー、東亞合成株式会社製、品番:M−1100、重量平均分子量:4000)20部及びトリメチロールプロパントリアクリレート(光重合性モノマー、新中村化学工業株式会社製、重量平均分子量:296、官能基数:3)80部を用いた以外は、実施例1と同様にして、支持体と、支持体の外周面に配置された弾性層と、弾性層の外周面に配置された離型剤の硬化膜である第1の表面層と、で構成された導電性ロールを得た。
得られた導電性ロールの外周面を、さらにスプレー塗布法により表面処理剤(ヘンケル製、品名:ボンデライトS−FN345クリアー)を2μmの膜厚で塗布し、120℃で20分乾燥させることで、導電性ロール2を得た。
得られた導電性ロール2は、支持体と、支持体の外周面に配置された弾性層と、弾性層の外周面に配置された離型剤の硬化膜である第1の表面層と、第1の表面層の外周面に配置された表面処理剤の硬化膜である第2の表面層と、で構成されていた。
〔実施例3〕
アクリル変性シリコーン(TEGO2200N)5部の代わりに、反応性を有さない整泡剤(Si系整泡剤、GE東芝シリコーン(株)製、品番:L5450)5部を用いた以外は、実施例1と同様にして、支持体と、支持体の外周面に配置された弾性層と、弾性層の外周面に配置された離型剤の硬化膜である表面層と、で構成された導電性ロール3を得た。
〔実施例4〕
ポリエーテル系アクリレート(NKオリゴUA−7100)80部及びパラクミルフェ
ノールエチレンオキサイド変性アクリレート(M−110)20部の代わりに、ウレタンメタクリレート(光重合性オリゴマー、東亜合成社製:M1200、重量平均分子量:3000、官能基数:2)30部を用いた以外は、実施例1と同様にして、支持体と、支持体の外周面に配置された弾性層と、弾性層の外周面に配置された離型剤の硬化膜である表面層と、で構成された導電性ロール4を得た。
[実施例5]
ポリエーテル系アクリレート(光重合性オリゴマー、新中村化学工業株式会社製、品名:NKオリゴUA−7100、重量平均分子量:2000、官能基数:3)80部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(光重合性モノマー、東亞合成株式会社製、品番:M−110、重量平均分子量:310、官能基数:1)20部、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ製、品名:イルガキュア819)5部、アクリル変性シリコーン(光反応性の整泡剤、デグサ製、品番:TEGO2200N、HLB:11)8部、及びイオン導電性高分子化合物(第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体、大成ファインケミカル製、品番:ISX3000、重量平均分子量:40000)3部、フッ素原子を有する金属塩(三菱マテリアル製、品番:KFBS8、化合物名:ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム)1部を攪拌機(ノードソン社製、ウルトラフォームミックスキューブ:FM200)により混合し、組成物を得た。
得られた組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、支持体と、支持体の外周面に配置された弾性層と、弾性層の外周面に配置された離型剤の硬化膜である表面層と、で構成された導電性ロール5を得た。
〔比較例1〕
ポリエーテル系アクリレート(NKオリゴUA−7100)80部及びパラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(M−110)20部の代わりにポリエーテル系アクリレート(NKオリゴUA−7100)100部を用い、アクリル変性シリコーン(TEGO2200N)5部の代わりに反応性を有さない整泡剤(シリコーン系整泡剤、GE東芝シリコーン(株)製、品番:L5450)5部を用い、イオン導電性高分子化合物(ISX3000)3部の代わりにイオン導電剤(トリブチルアンモニウムパークロレート)3部を用いた以外は、実施例1と同様にして、支持体と、支持体の外周面に配置された弾性層と、弾性層の外周面に配置された離型剤の硬化膜である表面層と、で構成された導電性ロールC1を得た。
〔比較例2〕
ポリオール(三井化学製、品番:EP828)90部、ポリマーポリオール(三井武田ケミカル社製、品番:POP31/28)10部、イオン導電剤(トリメチルベンジルアンモニウムクロライド(和光純薬製)1部、反応性を有さない整泡剤(シリコーン系整泡剤、GE東芝シリコーン(株)製、品番:L5309)10部、アミン系触媒(東ソー製、品名:トヨキャットHX35)0.5部、イソシアネート(住化バイエルウレタン製、品名:スミジュールYV80)30部、アゾ系発泡剤(三協化成製、品名:セルマイクRUB)6部、を攪拌機(ノードソン製、型番:FM200)により混合混錬し、ウレタン組成物を得た。
一方、SUS製内径22mmφ円筒状のロール成形金型の中空部に、ステンレス製外径8mmφの円柱状の支持体を同軸的に設置した。
得られたウレタン組成物を、上記離型処理された金型内で、注型成形でチューブ状に発泡成形し(160℃で1時間)、さらに18.8mmφまで円筒研削してウレタン発泡弾性層を有する導電性ロールC2得た。
得られた導電性ロールC2は、支持体と、支持体の外周面に配置された弾性層と、そのスキン層と、で構成されていた。
〔評価〕
(アスカーC硬度の測定)
得られた導電性ロールについて、前記方法によりアスカーC硬度を測定した。結果を表1に示す。
(通電処理を行う前における弾性層の体積抵抗率の測定)
得られた導電性ロールについて、通電処理を行う前に、前記方法により弾性層の体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
(通電処理を行った後における弾性層の体積抵抗率の測定)
得られた導電性ロールの上に外径Φ10のSUSシャフトを該ロールと平行に2本45°ずらし片側1kgの荷重で当て、300mm/sec(80rpm)の周速で回転させ、SUSシャフト端部にDC3kVを印加し100時間連続で通電処理を行った。
通電処理を行った後における導電性ロールについて、前記方法により弾性層の体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
(歪みの測定)
得られた導電性ロールの歪みを測定した。具体的には、10mmの円筒形状の弾性層サンプルを、70℃で荷重をかけて50%圧縮させ、72時間放置させた後に荷重を除去することで圧縮(変形)が回復したか確認した。圧縮前における弾性層サンプルの厚みをAとし、圧縮及び荷重の除去後における弾性層サンプルの厚みをBとし、下記式により歪み
(%)の値を算出した。結果を表1に示す。
式 : 歪み(%)={(A−B)/A}×100
表1に示す結果から、本実施例は、比較例に比べ、荷重をかけて通電処理を施しても抵抗上昇が抑制されていることがわかる。
1Y、1M、1C、1K 像保持体(電子写真感光体)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール
6Y、6M、6C、6K クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール
27 二次転写ロール用クリーニングブレード
28 定着装置
30 中間転写体クリーニング装置
111 導電性ロール
112 支持体
113 弾性層
114 表面層
P 記録媒体

Claims (8)

  1. 機械発泡された弾性層であって、光重合性化合物とイオン導電性高分子化合物と光硬化する光反応性の整泡剤とを含む組成物の硬化層である弾性層を有する導電性ロール。
  2. 前記光反応性の整泡剤は、アクリル変性シリコーン及びメタクリル変性シリコーンの少なくとも一種である、請求項1に記載の導電性ロール。
  3. 前記光反応性の整泡剤の親水性基/疎水性基バランス(HLB値)は14以下である、請求項1又は請求項2に記載の導電性ロール。
  4. 前記イオン導電性高分子化合物は、第四級アンモニウム塩含有アクリレート重合体及び第四級アンモニウム塩含有メタクリレート重合体の少なくとも一種である、請求項1請求項3のいずれか1項に記載の導電性ロール。
  5. 前記組成物は、前記イオン導電性高分子化合物以外の第四級アンモニウム塩、フッ素原子を有する金属塩、及びイオン性液体の少なくとも1種をさらに含む、請求項1請求項4のいずれか1項に記載の導電性ロール。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性ロールを備える転写装置。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    トナーを含む静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性ロールを含む転写手段であって、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  8. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性ロールを有する転写手段であって、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
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