JP2009074006A - 弾性発泡体、電子写真機器用部材および電子写真機器用導電性ロール - Google Patents

弾性発泡体、電子写真機器用部材および電子写真機器用導電性ロール

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JP2009074006A JP2007246636A JP2007246636A JP2009074006A JP 2009074006 A JP2009074006 A JP 2009074006A JP 2007246636 A JP2007246636 A JP 2007246636A JP 2007246636 A JP2007246636 A JP 2007246636A JP 2009074006 A JP2009074006 A JP 2009074006A
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Abstract

【課題】従来に比較して、相手部材を汚染し難い弾性発泡体を提供することにある。また、この弾性発泡体を用いた電子写真機器用導電性ロールなどの電子写真機器用部材を提供すること。
【解決手段】機械発泡による多数の独立気泡を有し、光硬化型樹脂を主成分とする弾性発泡体とする。発泡体密度は、0.2g/cm〜1g/cm以下の範囲内にあると良い。独立気泡の平均径は、10μm〜1mmの範囲内にあると良い。弾性発泡体を形成する光硬化型樹脂は、(メタ)アクリレートの硬化物であると良い。電子写真機器用導電性ロールの弾性体層を、上記弾性発泡体より形成する。上記弾性体層は、ベース層であると良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、弾性発泡体に関し、さらに詳しくは、電子写真機器用部材などに用いる弾性材料として好適な弾性発泡体に関するものである。
弾性発泡体は、弾力性に優れる、低硬度であるなどの特長を活かして、様々な産業分野で使用されている。
例えば、電子写真技術分野では、電子写真機器内に組み込まれる導電性ロールなどの弾性材料として、ゴム発泡体などの弾性発泡体が用いられている。
具体的には、特許文献1には、電子写真機器内に組み込まれる帯電ロールの芯金上に形成する中抵抗層として、独立気泡の弾性発泡体を用いる点が開示されている。この弾性発泡体は、EPDMやウレタン、導電性粒子、発泡剤等により処方される点が開示されている。
また、特許文献2には、電子写真機器に組み込まれるトナー供給ロールや転写ロールなどを形成する弾性材料として、ウレタンプレポリマー、水、アミン系触媒などの混合物を発泡成形して得たポリウレタンフォームを用いる点が開示されている。
特開2004−101899号公報 特開2001−341139号公報
しかしながら、従来知られるゴム発泡体、ウレタン発泡体などの弾性発泡体は、以下の点で問題があった。
すなわち、従来知られるゴム発泡体は、アゾ化合物などの化学発泡剤、アミン系触媒などの加硫促進剤を含んでいることが多い。一方、ウレタン発泡体は、ポリオールとポリイソシアネートと硬化触媒であるアミン系触媒などとを撹拌混合し、架橋と同時に反応で生成したガスによって発泡させることが多い。
そのため、このような弾性発泡体を適用した部材は、発泡体中に含まれるアゾ系発泡剤やアミン系触媒などが、当該部材と同時に使用される相手部材を汚染するといった問題があった。
例えば、電子写真機器において、上記弾性発泡体を適用した導電性ロールを使用すると、アゾ系発泡剤やアミン系触媒などが感光体を汚染し、これにより画質が悪化するといった問題が発生することになる。このような問題は、弾性発泡体を長期にわたって使用する際に起こりやすい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、従来に比較して、相手部材を汚染し難い弾性発泡体を提供することにある。また、この弾性発泡体を用いた電子写真機器用導電性ロールなどの電子写真機器用部材を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る弾性発泡体は、機械発泡による多数の独立気泡を有し、光硬化型樹脂を主成分とすることを要旨とする。
ここで、上記弾性発泡体は、その密度が、0.2g/cm〜1g/cmの範囲内にあることが好ましい。
また、上記弾性発泡体を形成する光硬化型樹脂は、(メタ)アクリレートの硬化物であることが好ましい。
また、上記弾性発泡体を形成する光硬化型樹脂は、分子構造中にウレタン骨格を有することが好ましい。
また、上記弾性発泡体を形成する光硬化型樹脂は、分子構造中にエチレンオキシド単位を有することが好ましい。
また、上記弾性発泡体は、Si系整泡剤を含有していることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用部材は、上記弾性発泡体を用いたことを要旨とする。
本発明に係る電子写真機器用導電性ロールは、上記弾性発泡体を用いたことを要旨とする。好ましくは、軸体と、軸体の外周に形成した弾性体層とを少なくとも有し、上記弾性体層が、上記弾性発泡体より形成されていると良い。
本発明に係る弾性発泡体は、機械発泡による多数の独立気泡を有している。つまり、本発明に係る弾性発泡体は、その製造時に、気泡を発生させるために化学発泡剤が不要である。
また、本発明に係る弾性発泡体は、光硬化型樹脂を主成分としている。つまり、本発明に係る弾性発泡体は、その製造時に、光硬化を利用することから、加硫促進剤やアミン系硬化触媒などが不要である。
そのため、本発明に係る弾性発泡体は、従来のゴム発泡体やウレタン発泡体に比較して、化学発泡剤、加硫促進剤やアミン系硬化触媒などの汚染物質を含んでいないため、相手部材を汚染し難い。
ここで、上記弾性発泡体の密度が、0.2g/cm〜1g/cmの範囲内にある場合には、非汚染性、柔軟性に優れる。
また、(メタ)アクリレートは、比較的種類が多く、材料選択の幅が広い。そのため、上記光硬化型樹脂が、(メタ)アクリレートの硬化物である場合には、弾性発泡体の硬度、電気抵抗などの調整の幅が広がる。
また、光硬化型樹脂が、分子構造中にウレタン骨格を有する場合には、製造時に、分子構造中にウレタン骨格を有するモノマー・オリゴマーを利用することになるが、これらモノマー・オリゴマーは、高粘度で気泡を抱かせやすいため、独立気泡が形成しやすく、気泡の安定性に優れる。また、ウレタン結合は強靱であるため、発泡体の強度、伸びなどの機械的特性も向上させることができる。
また、光硬化型樹脂が、分子構造中にエチレンオキシド単位を有する場合には、均一な導電性で、低抵抗化を図りやすくなる。
また、Si系整泡剤を含有する場合には、比較的均一で、平均径の小さい独立気泡を有する弾性発泡体とすることができる。
本発明に係る電子写真機器用部材、電子写真機器用導電性ロールは、上記弾性発泡体を用いている。そのため、これを電子写真機器に用いれば、感光体を汚染し難く、良好な画像を形成することができる。
以下、本実施形態に係る弾性発泡体(以下、「本発泡体」ということがある。)、本実施形態に係る電子写真機器用部材について説明する。
1.本発泡体
本発泡体は、多数の独立気泡を有し、光硬化型樹脂を主成分としている。
本発泡体において、「独立気泡を有する」とは、発泡体の断面を見たときに、個々の気泡が、実質的に互いに独立した状態で存在していることを意味する。もっとも、製造上、不可避的に、気泡が連続した連続気泡が生じる場合もあることから、このような連続気泡が部分的に存在していても構わない。
独立気泡は、機械発泡法により形成されている。機械発泡法は、外部から強制的に材料中へガスを混入させ、機械的に撹拌、発泡させる方法である。本発明の場合、具体的には、紫外線や電子線などの光により硬化して光硬化型樹脂となりうる光重合性モノマーおよび/またはオリゴマーを主に含む未硬化組成物中に、窒素や空気などのガスを外部から強制的に混入させ、機械的に撹拌、発泡させることになる。詳しくは後述する。
本発泡体は、その密度の上限値が、低硬度化、柔軟性などの観点から、好ましくは、1g/cm以下、より好ましくは、0.95g/cm以下、さらに好ましくは、0.9g/cm以下であると良い。
一方、本発泡体は、その密度の下限値が、製造性、形状の安定性などの観点から、好ましくは、0.2g/cm以上、より好ましくは、0.25g/cm以上、さらに好ましくは、0.3g/cm以上であると良い。
また、本発泡体は、独立気泡のセル径の上限値が、硬度のバラツキ低減などの観点から、好ましくは、1mm以下、より好ましくは、800μm以下、さらに好ましくは、600μm以下であると良い。
一方、本発泡体は、独立気泡のセル径の下限値が、製造時に光重合性成分の硬化を阻害し難い、柔軟性・厚みの確保などの観点から、好ましくは、1μm以上、より好ましくは、2μm以上、さらに好ましくは、10μm以上であると良い。
なお、上記セル径は、本発泡体の代表的な断面構造について電子顕微鏡写真を50倍にて撮影し、その写真から、最も大きな気泡と最も小さな気泡とを確認し、それらの直径が上記範囲内にあれば良い。
上述したように、本発泡体は、光硬化型樹脂を主成分としている。その他の成分としては、必要に応じて最適な割合で配合される各種添加剤などが挙げられる。もっとも、これら他の成分は、本発泡体と同時に使用される相手部材を汚染する原因物質とはならないものである。
上記添加剤としては、例えば、導電性を調整するために添加される導電剤、光重合性成分の光重合触媒として添加される光重合開始剤(その分解物なども含む)、独立気泡の径を調整するために添加される整泡剤、独立気泡の形成性を調製するために添加される粘度調整剤、その他にも可塑剤、酸化防止剤などが挙げられる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等のアンモニウム塩;リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などのイオン導電剤、ITOなどの電子導電剤などが挙げられる。
上記光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、2−メチルベンゾイン、ベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ジフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオシン、チオニン、ミヒラ−ケトン、アントラセン、アントラキノン、アセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピルαヒドロキシイソブチルフェノン、α・α´ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]・2・モルフォリノ−プロペン、チオキサントン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−イル)チタニウム)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(η5 −2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)などが挙げられる。
上記整泡剤としては、Si系整泡剤などが挙げられる。
なお、製造時に未硬化組成物の粘度調製を図る、発泡体の低硬度化を図るなどの観点から、光硬化に影響を与えない範囲内で、液状ゴム類などが含まれていても良い。
本発泡体を形成する光硬化型樹脂は、特に限定されるものではないが、好ましくは、(メタ)アクリレートの硬化物であると良い。(メタ)アクリレートは、比較的種類が多く、材料選択の幅が広いため、本発泡体の硬度、電気抵抗などの調整の幅が広がるからである。
(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、下記の液状モノマー/液状オリゴマーを挙げることができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。なお、(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を1個(単官能)または2個以上(多官能)有していても良い。好ましくは、粘性が高まり、製造時に、機械発泡による独立気泡を抱かせやすいなどの観点から、(メタ)アクリロイル基を1〜10個の範囲内で有していると良い。
上記(メタ)アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、メトキシエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、エトキシエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、2エチルヘキシルエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、ブトキシエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性クレゾール(メタ)アクリレートなど;ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニルモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルモノアクリレートなど;ポリエステル系ウレタンアクリレート、ポリエーテル系ウレタンアクリレート、芳香族系ウレタンアクリレート、脂肪族系ウレタンアクリレートなどのウレタン(メタ)アクリレート;PEAアクリレート、PBAアクリレート、PHAアクリレート、カーボネートアクリレートなどのポリエステル(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリテトラメチレングリコールアクリレート、PEGアクリレート、カプロラクトンアクリレートなどのポリエーテル(メタ)アクリレート;ビスフェノールAアクリレート、ビスフェノールFアクリレート、ビスフェノールSアクリレート、フェノールノボラックアクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発泡体を形成する光硬化型樹脂は、分子構造中にウレタン骨格を有していると良い。この場合、製造時に、分子構造中にウレタン骨格を有するモノマー・オリゴマーを利用することになるが、これらモノマー・オリゴマーは、粘度が高いので、独立気泡を安定して形成しやすく、また、ウレタン結合が強靱であるため、発泡体の強度、伸びなどの機械的特性に優れるからである。
光硬化型樹脂の分子構造中にウレタン骨格を導入するためには、本発泡体の原料として、ウレタンアクリレートなど、分子構造中にウレタン骨格を有する(メタ)アクリレートなどを含む光重合性成分を用いれば良い。
また、本発泡体を形成する光硬化型樹脂は、分子構造中にエチレンオキシド単位を有していると良い。均一な導電性で、低抵抗化を図りやすくなるため、例えば、電子写真機器用として有利だからである。
光硬化型樹脂の分子構造中にエチレンオキシド単位を導入するためには、本発泡体の原料として、分子構造中にエチレンオキシド単位を有する(メタ)アクリレートなどを含む光重合性成分を用いれば良い。
本発泡体の形状は、特に限定されるものではなく、層状、ロール状など、各種の形状を採用することができる。
本発泡体の厚みは、独立気泡の大きさ、光重合性成分の種類、光硬化条件などを考慮して可変させることができる。
本発泡体の厚みは、未硬化物を少なくするなどの観点から、好ましくは、5mm以下、より好ましくは、4mm以下、さらに好ましくは、3mm以下であると良い。なお、上記厚みは、本発泡体が層状である場合は層厚、ロール状である場合は、ロール表面とロール中心部(例えば、芯金表面など)までの距離のことである。
以上説明した本発泡体は、例えば、次のようにして製造することができる。
上述した(メタ)アクリレートなどの、光重合性モノマーおよび/またはオリゴマーに、必要に応じて、導電剤、整泡剤、光重合開始剤(通常、紫外線硬化の場合は必要、電子線硬化の場合は不要)などを添加し、撹拌・混合して未硬化組成物を調製する。
次いで、調製した未硬化組成物を撹拌しながら、当該組成物中に、窒素や空気などのガスを強制的に混入し、十分に独立気泡を抱かせる。好ましくは、光硬化を阻害し難くなるなどの観点から、窒素を用いるのが良い。なお、未硬化組成物の調製とガスの混入は、同時に行うこともできる。
次いで、十分に独立気泡を抱かせた未硬化組成物を、所望形状に合わせて形作る。例えば、層状の発泡体としたい場合には、ディッピング法、ロールコーティング法、スプレーコート法などの各種のコーティング法により、当該組成物を層状に塗工すれば良い。また、ロール状の発泡体としたい場合には、光透過可能なロール型内に当該組成物を投入すれば良い。
次いで、上記未硬化組成物に対して、紫外線や電子線などの活性エネルギー線を、組成に合わせた最適な光量、時間で照射し、光硬化させる。
基本的には、以上の工程を得ることにより、本発泡体を製造することができる。
2.電子写真機器用部材
本実施形態に係る電子写真機器用部材は、当該部材を構成する弾性材料として、本発泡体を用いている。
電子写真機器用部材としては、具体的には、例えば、帯電ロール、現像ロール、トナー供給ロール、転写ロールなどの各種導電性ロール、転写ベルトなどの導電性ベルトなどを例示することができる。
例えば、導電性ロールとしては、例えば、軸体と、軸体の外周に1層または2層以上の導電性を有する弾性体層が積層された構成を例示することができる。
具体的な層構成としては、軸体の外周に、ベース層、抵抗調整層などの中間層、表層が順に積層された層構成、ベース層、表層が順に積層された層構成などを例示することができる。なお、各層は、それぞれ単層、複数層から構成されていても良い。
軸体は、導電性を有するものであれば、何れのものでも使用し得る。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。また必要に応じ、軸体の表面には、接着剤、プライマーなどを塗布してもよい。上記接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行っても良い。
ここで、上記導電性ロールは、本発泡体より形成された弾性体層を有している。本発泡体より形成された弾性体層は、ロール層構成中、何れの位置に配置されていても良い。
好ましくは、比較的厚みが厚くなり、発泡による低硬度化の利点を活かしやすいなどの観点から、ベース層、中間層などが本発泡体により形成されていると良い。
本発泡体より形成された弾性体層の厚みは、特に限定されるものではないが、ベース層として用いる場合、好ましくは、0.1〜3mm程度であると良い。中間層として用いる場合、好ましくは、0.1〜1mm程度であると良い。表層として用いる場合、好ましくは、1μm〜20μm程度であると良い。
他の弾性体層を形成する材料は、特に限定されるものではなく、導電性ロールの種類、他の弾性体層が配置される層位置などに応じて、従来公知の弾性材料(各種ゴム、樹脂などに導電剤、粗さ形成粒子などの添加物を必要に応じて添加した材料など)を適宜選択して用いることができる。
一方、導電性ベルトとしては、例えば、基材と、基材の表面に1層または2層以上の導電性の弾性体層が積層された構成を例示することができる。
導電性ベルトは、本発泡体より形成された弾性体層を有している。本発泡体より形成された弾性体層は、ベルト層構成中、何れの位置に配置されていても良い。
他の弾性体層を形成する材料は、特に限定されるものではなく、導電性ベルトの種類、他の弾性体層が配置される層位置などに応じて、従来公知の弾性材料(各種ゴム、樹脂などに導電剤などの添加物を必要に応じて添加した材料など)を適宜選択して用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
1.実施例に係る弾性発泡体、比較例に係る弾性非発泡体・弾性発泡体の作製
(実施例1〜4)
後述する表1に示す配合割合(単位は質量部)となるように、各種材料を秤量し、これらを攪拌機により撹拌・混合(撹拌羽根の回転数100rpm、混合時間1分間)した。
次いで、図1に示すように、得られた各組成物10を高速撹拌(撹拌羽根12の回転数1000rpm)しながら、各組成物10中に窒素ガス(N)を入れ、十分に混入させた。
次いで、機械発泡法により十分に独立気泡を抱かせた各組成物を、バーコート法によりガラス板上に塗工し、紫外線照射機(アイグラフィック社製「UB031−2A/BM」、水銀ランプ形式)を用いて、各塗工体に紫外線を照射し、シート状の各弾性発泡体(厚み約1mm、縦100mm、横100mm)を作製した。この際、紫外線照射強度は100mW/cm、照射時間は60秒とした。
また、上記とは別に、円筒状のガラス型内にフッ素離型剤(ダイキン工業(株)製、「ダイフリー」)を塗布し、この型内に、十分に独立気泡を抱かせた各組成物を投入した。その後、上記と同じ条件で、紫外線を照射し、円柱状の各弾性発泡体(直径29mm、厚み4mm)を作製した。
以上により、実施例1〜4について、シート状の弾性発泡体、円柱状の弾性発泡体をそれぞれ作製した。
なお、上記組成物の調製時に使用した各種材料は、以下の通りである。
・エーテル系アクリレート[新中村化学工業(株)製「NKオリゴ UN7100」、アクリル官能基数f=3、粘度=30000mPa・s、基本骨格:R{−(CHCHO)−CO−CH=CH、但し、Rはアルキル基]
・ウレタンアクリレート[東亞合成株式会社製「M1100」、アクリル官能基数f=2、粘度=130000mPa・s、基本骨格:R’{−COHN−R−CONH−R−O−CO−CH=CH
・光重合開始剤[チバスペシャルティケミカルズ(株)製、「イルガキュアー819」]
・イオン導電剤(トリブチルアンモニウムパークロレート)
・Si系整泡剤(GE東芝シリコーン(株)製「L5450」)
(比較例1)
後述する表1に示す配合割合(単位は質量部)となるように、各種材料を秤量し、これらを攪拌機により撹拌・混合(撹拌羽根の回転数100rpm、混合時間1分間)した。
以降は、実施例に係る弾性発泡体の作製において、組成物中に窒素ガスを混入させなかった(非発泡とした)点以外は同様にして、比較例1について、シート状の弾性非発泡体、円柱状の弾性非発泡体をそれぞれ作製した。
(比較例2)
EPDMゴム(三井化学(株)製、「EPT4045」)100質量部と、カーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、「ケッチェンEC300J」)25質量部と、酸化亜鉛2種(三井金属工業(株)製)6質量部と、ステアリン酸(花王(株)製、「ルナックS−30」)1質量部と、プロセスオイル(出光石油化学(株)製、「PW380」)30質量部と、アゾ系発泡剤(三協化成(株)製、「セルマイクRUB」)6質量部と、チアゾール系加硫促進剤(川口化学(株)製、「アクセルDM」)2質量部と、チウラム系加硫促進剤(川口化学(株)製、「アクセルTS」)1質量部と、粉末イオウ(鶴見化学(株)製)1質量部とを、ニーダーで混練することにより、EPDMゴム系組成物を調製した。
次いで、得られた組成物を、ロールで1mm厚に分出しし、発泡後の厚みが2mmで規制がかかる型内で発泡・架橋(180℃で45分)することにより、比較例2に係るシート状の弾性発泡体(厚さ約2mm、縦100mm、横100mm)を作製した。また、分出し厚みを2mm、発泡後の厚みを4mmとする以外は同様にして、円柱状の弾性発泡体(直径29mm、厚み4mm)を作製した。
(比較例3)
ポリオール(三井化学ポリウレタン(株)製、「EP828」)90質量部と、破泡剤(三井化学ポリウレタン(株)製、「POP31−28」)10質量部と、カーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、「ケッチェンEC300J」)2質量部と、アミン系触媒(花王(株)製、「カオライザーNo.31」)1質量部と、アミン系触媒(東ソー(株)製、「トヨキャットHX35」)0.3質量部と、錫系触媒(ジブチル錫ジラウレート)0.1質量部と、シリコーン系整泡剤(GE東芝シリコーン(株)製「L5309」)3質量部と、水2質量部と、イソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製、「スミジュールVT80」)26.9質量部とを、プラネタリーミキサーで混練することにより、ウレタン系組成物を調製した。
次いで、得られた組成物につき、比較例2と同様にして、比較例3に係るシート状の弾性発泡体(厚み約2mm、縦100mm、横100mm)、円柱状の弾性発泡体(直径29mm、厚み4mm)をそれぞれ作製した。
2.実施例に係る弾性発泡体、比較例に係る弾性非発泡体・弾性発泡体の評価
次に、得られた実施例に係る弾性発泡体、比較例に係る弾性非発泡体、弾性発泡体について、以下の材料特性評価を行った。
(発泡密度)
各シート状弾性発泡体につき、体積、質量を測定し、発泡密度(g/cm)を算出した。
(気泡のセル径maxとセル径min)
各シート状弾性発泡体の代表的な断面構造についてSEM写真を撮影し、撮影したSEM写真から、最も大きな気泡の直径をセル径max、最も小さな気泡の直径をセル径minとして求めた。
(硬度)
各円柱状弾性発泡体・非発泡体につき、JIS K6253に準拠して、デュロメータタイプC硬度を測定した。
(電気抵抗)
JIS K6271に準拠して、各シート状弾性発泡体・非発泡体表面に、それぞれ10mm角の電極を形成し、100V印加したときの電気抵抗値を測定した。
(電気抵抗バラツキ)
JIS K6271に準拠して、各シート状弾性発泡体・非発泡体表面に、直径1mmの電極を形成し、100V印加したときの任意の10点の電気抵抗値を測定(Ω・cm)した。そして、最大値(Rmax)と最小値(Rmin)の電気抵抗値の差を(logRmax−logRmin)として求め、これを電気抵抗バラツキとした。
(圧縮永久歪み)
耐ヘタリ性を調べるため、各円柱状弾性発泡体・非発泡体を用い、JIS K6262に準拠して、70℃に22時間保持した後の圧縮永久歪み(圧縮率25%)を測定した。
表1に、実施例に係る弾性発泡体、比較例に係る弾性非発泡体・弾性発泡体を作製したときの配合割合および特性評価結果をまとめて示す。
表1を相対比較すると、以下のことが分かる。すなわち、比較例1に係る弾性非発泡体は、光硬化型樹脂を主成分としている。しかし、非発泡体であるため、比較的硬度が高い。
比較例2に係るEPDMゴム発泡体は、アゾ系発泡剤、アミンチアゾール系、チウラム系のアミン系加硫促進剤を含んでおり、また、比較例3に係るウレタン発泡体は、アミン系触媒を含んでいる。そのため、これらの物質が、同時に使用される部材を汚染しやすいと言える。
また、比較例2に係るEPDMゴム発泡体は、比較的低硬度であるが、圧縮永久歪みの値が高く、ヘタリやすいと言える。また、比較的電気抵抗が高く、電子導電性であるため電気抵抗バラツキも大きい。
また、比較例3に係るウレタン発泡体は、比較的低硬度であり、圧縮永久歪みの値も低い。比較的電気抵抗が低く、電子導電性であるため電気抵抗バラツキも大きい。
これらに対し、実施例に係る弾性発泡体は、次の通りである。図2に、実施例2に係る弾性発泡体のSEM写真(断面)を示す。図3に、実施例3に係る弾性発泡体のSEM写真(断面)を示す。なお、比較として、図4に、比較例1に係る弾性非発泡体のSEM写真(断面)を示す。
これらのSEM写真から分かるように、実施例1〜4に係る弾性発泡体は、光硬化型樹脂よりなるマトリクッス中に、機械発泡による多数の独立気泡を有している。
このように、実施例1〜4に係る弾性発泡体は、その製造時に、気泡を発生させるために化学発泡剤を用いる必要がなく、また、光硬化を利用しているので、加硫促進剤やアミン系触媒を用いる必要がない。そのため、同時に使用する相手部材を汚染し難いと言える。
また、実施例1〜4に係る弾性発泡体は、発泡により低硬度化されている。また、圧縮永久歪みの値も良好である。これらのことから、実施例に係る弾性発泡体は、非汚染性でありながら、柔軟性、弾力性にも優れていることが分かる。
また、実施例1〜4に係る弾性発泡体は、(メタ)アクリレートの硬化物であるため、弾性発泡体の硬度、電気抵抗などの調整の幅が広げやすいと言える。
また、実施例1〜3に係る弾性発泡体は、光硬化型樹脂が分子構造中にエチレンオキシド単位を有しているため、均一な導電性を有していることが分かる。とりわけ、イオン導電剤を含む場合には、均一な導電性で、低抵抗化を図りやすくなることが分かる。
また、実施例4に係る弾性発泡体は、ウレタンアクリレートを原料に用いている。そのため、組成物が高粘度になって独立気泡を抱かせやすく、また、より小さな独立気泡を形成することができることが分かる。
また、実施例3に係る弾性発泡体は、Si系整泡剤を含有している。そのため、比較的均一で、平均径の小さい独立気泡を有する弾性発泡体とすることができることが分かる。
3.電子写真機器用の帯電ロール、現像ロールの作製
3.1 帯電ロールの作製
(実施例1T〜4T)
フッ素変性アクリルバインダー(大日本インキ化学工業(株)製、「ディフェンサTR230K」)50質量部と、フッ素樹脂(アトフィナジャパン(株)製、「カイナー7201」)50質量部と、導電性酸化チタン(石原テクノ(株)製、「タイペークET300W」)100質量部と、MEK200質量部とを配合し、サンドミルを用いて分散処理することにより、アクリル系表層形成組成物を調製した。
次いで、図5に示すように、内周面に上記フッ素離型剤を塗布した円筒状のガラス型14の中空部に、芯金16を同軸的に設置した。そして、上記実施例で調製した、機械発泡法により十分に独立気泡を抱かせた各組成物10を、上記ガラス型14内に投入した。なお、ガラス型14の両端は、樹脂キャップ18による封止した。
次いで、上記各組成物10を入れた各ガラス型14を回転治具20上で回転させながら、上記紫外線照射機22を用いて、上記紫外線照射条件で紫外線を照射し、各組成物10を硬化させた。これにより、芯金(直径6mm)の外周にベース層(厚み1.8mm)を形成した。
次いで、ロールコーティング法により、上記ベース層の外周に、上記アクリル系表層形成組成物を塗工し、100℃で30分間加熱処理することにより、ベース層の表面に、表層(厚み10μm)を形成した。
以上により、実施例1T〜4Tに係る2層構造の帯電ロールを作製した。なお、実施例1〜4と実施例1T〜4Tとはそれぞれ対応している。
(比較例1T)
実施例1T〜4Tに係る帯電ロールの作製において、比較例1で調製した機械発泡法を行っていない組成物を用いた以外は同様にして、比較例1Tに係る帯電ロールを作製した。
(比較例2T)
上記芯金をロール成形用金型の中空部に同軸的に設置し、比較例2で調製した、EPDMゴム系組成物を注入して、180℃で45分加熱処理した。これにより、芯金(直径6mm)の外周にベース層(厚み1.8mm)を形成した。
次いで、ロールコーティング法により、上記ベース層の外周に、上記アクリル系表層形成組成物を塗工し、100℃で30分間加熱処理することにより、ベース層の表面に、表層(厚み10μm)を形成した。
以上により、比較例2Tに係る2層構造の帯電ロールを作製した。
(比較例3T)
上記芯金をロール成形用金型の中空部に同軸的に設置し、比較例3で調製した、ウレタン系組成物を注入して、80℃で30分加熱処理した。これにより、芯金(直径6mm)の外周にベース層(厚み1.8mm)を形成した。
次いで、ロールコーティング法により、上記ベース層の外周に、上記アクリル系表層形成組成物を塗工し、100℃で30分間加熱処理することにより、ベース層の表面に、表層(厚み10μm)を形成した。
以上により、比較例3Tに係る2層構造の帯電ロールを作製した。
3.2 現像ロールの作製
(実施例1G〜4G)
ポリウレタンエラストマー(日本ポリウレタン(株)製、「ニッポラン2304」)100質量部と、イソシアネート(大日本インキ化学工業(株)製、「バーノックD750」)25質量部と、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS100」)20質量部と、MEK800質量部とを配合し、サンドミルを用いて分散処理することにより、ウレタン系表層形成組成物を調製した。
次いで、図5に示すように、内周面に上記フッ素離型剤を塗布した円筒状のガラス型14の中空部に、芯金16を同軸的に設置した。そして、上記実施例で調製した、機械発泡法により十分に独立気泡を抱かせた各組成物10を、上記ガラス型14内に投入した。なお、ガラス型14の両端は、樹脂キャップ18による封止した。
次いで、上記各組成物10を入れた各ガラス型14を回転治具20上で回転させながら、上紫外線照射機22を用いて、上記紫外線照射条件で紫外線を照射し、各組成物10を硬化させた。これにより、芯金(直径10mm)の外周にベース層(厚み3mm)を形成した。
次いで、ロールコーティング法により、上記ベース層の外周に、上記ウレタン系表層形成組成物を塗工し、150℃で30分間加熱処理することにより、ベース層の表面に、表層(厚み10μm)を形成した。
以上により、実施例1G〜4Gに係る2層構造の現像ロールを作製した。なお、実施例1〜4と実施例1G〜4Gとはそれぞれ対応している。
(比較例1G)
実施例1G〜4Gに係る現像ロールの作製において、比較例1で調製した機械発泡法を行っていない組成物を用いた以外は同様にして、比較例1Gに係る現像ロールを作製した。
(比較例2G)
上記芯金をロール成形用金型の中空部に同軸的に設置し、比較例2で調製した、EPDMゴム系組成物を注入して、180℃で45分加熱処理した。これにより、芯金(直径6mm)の外周にベース層(厚み3mm)を形成した。
次いで、ロールコーティング法により、上記ベース層の外周に、上記ウレタン系表層形成組成物を塗工し、150℃で30分間加熱処理することにより、ベース層の表面に、表層(厚み10μm)を形成した。
以上により、比較例2Gに係る2層構造の現像ロールを作製した。
(比較例3G)
上記芯金をロール成形用金型の中空部に同軸的に設置し、比較例3で調製した、ウレタン系組成物を注入して、80℃で30分加熱処理した。これにより、芯金(直径6mm)の外周にベース層(厚み3mm)を形成した。
次いで、ロールコーティング法により、上記ベース層の外周に、上記ウレタン系表層形成組成物を塗工し、150℃で30分間加熱処理することにより、ベース層の表面に、表層(厚み10μm)を形成した。
以上により、比較例3Gに係る2層構造の現像ロールを作製した。
4.ロール性能評価
(感光ドラム汚染評価)
カラーレーザープリンタ(帯電ロールについては、リコー(株)製、「IPSIO CX−3000」を使用、現像ロールについては、キヤノン(株)製、「LBP−2510」を使用)の感光ドラムを抜き取り、実施例に係る弾性発泡体サンプル、比較例に係る弾性発泡体・非発泡体サンプル(厚み約3mm、縦10mm、横10mm)をそれぞれ貼り付け、この感光ドラムを50℃で168時間保持した(耐久をかけた)。
その後、この貼り付け保持後の感光ドラムをプリンタ内に組み込み、ベタ画像出しを行い、サンプル跡の有無を確認した。
得られた画像にサンプル跡がなかった場合を、感光ドラムを汚染しないとして○、サンプル跡があった場合を、感光ドラムを汚染しているとして×と評価した。
(ヘタリ量)
各帯電ロール・現像ロールの表面に、金属板を押しつけ、定変位50μm変形させたまま、50℃で168時間保持し、変形を解放した後のヘタリ量を測定した。
ヘタリ量が5μm以下であった場合を、耐ヘタリ性が良好であるとして○、ヘタリ量が5μm超であった場合を、耐ヘタリ性が不良であるとして×と評価した。
(画像出し評価)
ヘタリ量を測定した各帯電ロール、現像ロールを、カラーレーザープリンタ(帯電ロールについては、リコー(株)製、「IPSIO CX−3000」を使用、現像ロールについては、キヤノン(株)製、「LBP−2510」を使用)のカートリッジ内にそれぞれ組み込み、初期状態におけるベタ画像の出力を行った。
得られた画像について、ヘタリスジの有無を目視にて確認した。ヘタリスジがなかったものを画像良好として○、ヘタリスジがあったものを画像不良として×とした。
(放電量)
各帯電ロールを、感光ドラムに圧着・回転させ、1000Vを印加し、感光ドラム表面の静電電圧を測定した。
静電電圧の値が−800V以下であった場合を、放電量が良好であるとして○、−800Vより大きかった場合を、放電量が不良であるとして×とした。
(耐久画像評価)
各現像ロールを、カラーレーザープリンタのカートリッジ内に組み込み、15℃×10%RHの低温低湿環境下で、10000枚のハーフトーン画像出しを行った後、ベタ画像を出力した。得られた画像について、画像濃むらの有無を目視にて確認した。画像濃度ムラがなかったものを良好として○、画像濃度ムラが発生したものを不良として×とした。
表2に、実施例および比較例に係る帯電ロールの評価結果を、表3に、実施例および比較例に係る現像ロールの評価結果を示す。
表2〜表3によれば、実施例に係る弾性発泡体を用いてベース層を形成した帯電ロール、現像ロールは、何れも、同時に使用される感光ドラムを汚染し難く、良好な画像を形成できることが確認できた。また、ベース層が光硬化型樹脂より形成されているにもかかわらず、比較的ロール硬度水準が低いため、トナーや外添剤へのストレスが抑制されたことや、ベース層が均一な導電性を有し、低抵抗であることなども、良好な画質を形成するのに役立ったものと推察される。
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能なものである。
実施例において、機械発泡法により液状の未硬化組成物中に窒素ガスを入れ、独立気泡を抱かせる様子を模式的に示した図である。 実施例2に係る弾性発泡体のSEM写真(断面)である。 実施例3に係る弾性発泡体のSEM写真(断面)である。 比較例1に係る弾性非発泡体のSEM写真(断面)である。 芯金の外周に、実施例に係る弾性発泡体よりなるベース層を形成する様子を模式的に示した図である。

Claims (10)

  1. 機械発泡による多数の独立気泡を有し、光硬化型樹脂を主成分とすることを特徴とする弾性発泡体。
  2. その密度が、0.2g/cm〜1g/cmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の弾性発泡体。
  3. 前記光硬化型樹脂は、(メタ)アクリレートの硬化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性発泡体。
  4. 前記光硬化型樹脂は、分子構造中にウレタン骨格を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の弾性発泡体。
  5. 前記光硬化型樹脂は、分子構造中にエチレンオキシド単位を有することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の弾性発泡体。
  6. Si系整泡剤を含有することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の弾性発泡体。
  7. 電子写真機器用であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の弾性発泡体。
  8. 請求項1から7の何れかに記載の弾性発泡体を用いたことを特徴とする電子写真機器用部材。
  9. 請求項1から7の何れかに記載の弾性発泡体を用いたことを特徴とする電子写真機器用導電性ロール。
  10. 軸体と、軸体の外周に形成した弾性体層とを少なくとも有し、前記弾性体層は、請求項1から7の何れかに記載の弾性発泡体より形成されていることを特徴とする電子写真機器用導電性ロール。
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