JP5219411B2 - 電子写真機器用現像ロール - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真機器用現像ロールに関するものである。
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されている。この種の電子写真機器における現像方式としては、接触現像方式が知られている。
接触現像方式では、トナー層形成用ブレードを現像ロール表面に押しつけることにより、現像ロール表面にトナー層が形成される。そして、このロール表面を、感光ドラム表面に接触させることにより、感光ドラム表面にトナー像が形成される。
従来の現像ロールとしては、例えば、特許文献1には、芯金の外周に形成した導電性シリコーンゴム層の外周に、ウレタン系塗料を塗布、乾燥、熱硬化させて表層を形成した現像ロールが開示されている。
上記ウレタン系塗料としては、具体的には、ウレタンポリオールプレポリマーにイソシアネートを混合した後、溶剤で希釈し、カーボンブラック(電子導電剤)、ウレタン粒子(表面粗さ形成用粒子)を添加した塗料が用いられている。
また、近年では、低VOC化、省エネ化などの要求から、溶剤を極力抑え、熱処理による溶剤除去を行うことなく、紫外線硬化樹脂などにより表層を形成することも行われるようになってきている。
例えば、特許文献2には、芯金の外周に形成した導電性シリコーンゴム層の外周に、紫外線硬化型導電性組成物を紫外線硬化させて表層を形成した現像ロールが記載されている。
上記組成物としては、具体的には、ポリエチレングリコールジアクリレート50重量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート50重量部、イオン導電剤3重量部、および、光開始剤1重量部を含有する組成物が用いられている。
特開2006−133257号公報 特開2006−274242号公報
近年、電子写真機器分野では、電子写真機器の高速化、高画質化、長寿命化などに対する需要が急速に高まってきている。高速化、高画質化に対応するため、トナーは、低融点化、小径化の方向へ進んでいる。そのため、現像ロール側でも、上記傾向に対応できる機能が要求されている。しかしながら、従来知られる現像ロールは、以下の点で改良の余地があった。
すなわち、トナーが低融点化されると、現像ロール表面にトナー層を形成する際に、トナー層形成用ブレードと現像ロール表面との摩擦による熱により、トナーが溶解しやすくなる。そのため、現像ロール表面にトナーが付着してしまい(フィルミング)、これによって荷電性が低下し、長寿命化が困難な状況にあった。
また、トナーが小径化されると、摩擦によるトナー帯電効率が低下する。そのため、これを防止する目的で、トナー層形成用ブレードの線圧を上げると、摩擦熱が増加し、上記トナー付着が一層発生しやすくなる。それ故、上記問題がより顕著になる。
これらに加え、カーボンブラック等の電子導電剤を表層に含有する現像ロールは、電子導電性であるため、ロール抵抗バラツキが大きいうえ、電荷減衰率が低く(電荷減衰速度が遅く)、電気的な応答性も低い。
また、カーボンブラックや充填剤などを表層に含有していると、表層表面に存在するカーボンブラック等に起因する微細な凹凸がトナー付着の起点になりやすい。
また、粗さ形成用粒子が表層に含まれていると、粗さ形成用粒子が摩擦により摩耗し、耐久性が低下する。これを回避するため、表層の下層に粗さ形成粒子を配合し、表層に凹凸形状を付与することも考えられる。
しかしながら、従来のウレタン系塗料等のように、溶剤を比較的多く含む表層材料では、表層形成時における塗料の塗布、乾燥工程において、下層の凸部(粗さ形成粒子の頂部位置に対応する)上に形成される表層の厚みが薄くなる。そのため、粗さ形成用粒子の上部にある表層が短期間で摩耗し、やはり、耐久性を向上させることは難しい。
一方、上述した紫外線硬化型導電性組成物を紫外線硬化させて表層を形成した現像ロールは、表層のタック性が比較的高めである。そのため、そもそも現像ロール表面にトナーが付着しやすく、トナーの低融点化・小径化による問題と相まって耐トナー付着性に劣るといった問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、表層の耐トナー付着性、耐摩耗性に優れた電子写真機器用現像ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、軸体と、軸体の外周に形成されたベース層と、前記ベース層の外周に形成された中間層と、前記中間層の外周に形成された表層とを有し、前記表層が、(A)分子構造中にエチレンオキシド単位が導入されている(メタ)アクリレートモノマーと、(B)ウレタン(メタ)アクリレートと、(C)イオン導電剤と、を含有する紫外線硬化型導電性組成物の硬化物よりなり、前記(A)成分/前記(B)成分(質量比)は、5/95〜95/5の範囲内にあり、前記(B)ウレタン(メタ)アクリレート1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、3〜6個の範囲内であることを要旨とする。
ここで、上記(A)成分/(B)成分(質量比)は、30/70〜70/30の範囲内にあると良い。
この際、上記中間層は、粗さ形成用粒子を含んでいると良い。
本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、その表層が、特定の成分(A)および成分(B)を含有する紫外線硬化型導電性組成物の硬化物よりなっている。
すなわち、(A)成分に加えて、(B)成分を用いることにより、硬化物の硬度が相対的に高くなり、摩擦係数が小さくなって、(A)成分に起因するタック性(粘着性)が低下する。そのため、耐トナー付着性が向上し、フィルミングが生じ難くなり、耐久性に優れる。
また、表層の耐摩耗性も向上する。また、表層表面から内部にわたって均質化されやすいため、摩耗による経時の性能劣化が生じ難い。
また、上記硬化物よりなる表層は、イオン導電性であるため、ロール抵抗バラツキが小さいうえ、電荷減衰率が高く、電気的な応答性も高い。
また、上記紫外線硬化型導電性組成物は、塗布後、紫外線照射により速やかに硬化する。そのため、下層の凹凸形状に起因して表層厚みが変化し難く、その分耐久性の向上に寄与できる利点がある。
ここで、上記(A)成分/(B)成分(質量比)が特定の範囲内にある場合には、表層の耐トナー付着性、耐摩耗性のバランスに優れる。
また、(B)成分のウレタン(メタ)アクリレート1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が3〜6個の範囲内である場合には、当該組成物の硬化後に表層が硬くなり過ぎず、トナーに対するストレスを低減することができる。
また、紫外線硬化型導電性組成物が(C)イオン導電剤を含有する場合には、硬化物の電気抵抗の調整を図りやすくなる。
また、当該ロールがベース層と表層との間に中間層を有しており、この中間層中に粗さ形成用粒子を含んでいる場合、当該組成物は、塗布後、紫外線照射により速やかに硬化する。そのため、中間層に形成された凹凸形状に沿って、表層表面に凹凸形状を付与することができる。それ故、耐久性の向上に寄与できる。
以下、本実施形態に係る電子写真機器用現像ロール(以下、「本現像ロール」ということがある。)について説明する。
図1は、本現像ロールの一例を示す周方向断面図である。例えば、図1に示すように、本現像ロール10は、軸体12の外周に、ベース層14と、中間層16と、表層18とがこの順に積層された積層構造を有している。
図2は、本現像ロールの他の例を示す周方向断面図である。本現像ロール10は、図1に示す態様に限定されるものではなく、図2に示すように、ベース層14の外周に、直接、表層18が積層されていても良い。
ベース層、中間層、表層は、それぞれ、単層から構成されていても良いし、複数層から構成されていても良い。好ましくは、積層構造の簡略化、ロール生産性の向上などの観点から、ベース層、中間層、表層は、単層から構成されていることが好ましい。
軸体は、導電性を有するものであれば、何れのものでも使用し得る。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。また必要に応じ、軸体の表面には、接着剤、プライマーなどを塗布してもよい。上記接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行っても良い。
ベース層は、非発泡体(ソリッド状)または発泡体(スポンジ状)の何れの形態であっても良い。ベース層を形成する主材料としては、ゴム弾性材料を好適に用いることができる。ゴム弾性材料としては、具体的には、例えば、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ヒドリンゴム(ECO、CO)、ウレタン系エラストマー、天然ゴム(NR)などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記ゴム弾性材料としては、低硬度で、へたりが少ないなどの観点から、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ヒドリンゴム、ウレタン系エラストマーなどが好ましい。
ベース層には、導電性付与のため、カーボンブラック、グラファイト、c−TiO 、c−ZnO、c−SnO (c−は導電性を意味する。)、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)などの従来公知の導電剤を、上記材料中に適宜添加することができる。さらに、必要に応じて、発泡剤、架橋剤、架橋促進剤、軟化剤(オイル)等を適宜添加しても良い。
なお、軸体の外周にベース層を形成するには、軸体をロール成形用金型の中空部に同軸的に設置し、ベース層形成用組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する(注型法)、軸体の表面にベース層形成用組成物を押出成形する(押出法)などすれば良い。また、ベース層を複数層形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰り返し行えば良い。
ベース層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.1〜10mm、より好ましくは、1〜5mmの範囲内から選択することができる。
また、ベース層の体積抵抗率は、好ましくは、10〜1010Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらにより好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内から選択することができる。
本現像ロールは、ベース層と表層との間に中間層を有していても良い。
中間層を形成する主材料としては、具体的には、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ系樹脂などの樹脂、ウレタン系エラストマー、ニトリルゴム(NBR)、水添ニトリルゴム(水添NBR)、エピクロルヒドリンゴムなどのゴム、これら樹脂やゴムなどをシリコーン、フッ素などで変性した変性物などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記中間層を形成する主材料としては、へたりが少ない、粒子を分散させやすいなどの観点から、ウレタン系樹脂、ウレタン系エラストマー、(メタ)アクリル系樹脂などが好ましい。
中間層には、導電性付与のため、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、c−TiO 、c−ZnO、c−SnO (c−は導電性を意味する。)、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)などの従来公知の導電剤を、上記材料中に適宜添加することができる。さらに、必要に応じて、架橋剤、架橋促進剤、硬化剤等を適宜添加しても良い。
現像ロールは、良好なトナー搬送性を確保するなどのため、ロール表面に適度な凹凸形状を有していることが好ましい。ロール表面に凹凸形状を付与する方法としては、表層に粗さ形成用粒子を含有させる方法もあるが、耐摩耗性、長寿命化などの観点から、中間層に粗さ形成粒子を含有させるのが好ましい。
この場合、図3に示すように、中間層16中に含まれる粗さ形成用粒子20によって形成された凹凸形状により、ロール表面、すなわち、表層18の表面に凹凸形状が形成されることになる。表面粗さの均一化などの観点から、粗さ形成用粒子20は、中間層16の厚み方向に実質的に積み重なっていない、つまり、粗さ形成用粒子がほぼ同一面上に存在していることが好ましい。
粗さ形成用粒子としては、具体的には、例えば、ウレタン粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、アクリル粒子、尿素樹脂粒子、アミド粒子などの樹脂粒子、ゴム粒子、シリカ粒子などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
なお、ベース層の外周に中間層を形成するには、中間層を主に構成するポリマーになりうるモノマー/オリゴマー、あるいは、中間層を主に構成するポリマー自体と、導電剤、粗さ形成粒子などを、メチルエチルケトンなどの適当な溶剤とともに混合し、コーティングに適した粘度を有する中間層形成用組成物を調製する。
そして、ロールコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を用いて、ベース層の外周に中間層形成用組成物を塗工し、乾燥、必要に応じて熱処理を施すなどすれば、中間層を形成することができる。なお、中間層を複数層形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰り返し行えば良い。
中間層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、1〜100μm、より好ましくは、3〜50μmの範囲内から選択することができる。
粗さ形成用粒子の平均粒径は、中間層の厚みなどに応じて適宜選択することができるものであり、特に限定されるものではない。好ましくは、1〜50μm、より好ましくは、5〜30μmの範囲内から選択することができる。
また、中間層の体積抵抗率は、好ましくは、10〜1010Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内から選択することができる。
本現像ロールにおいて、表層は、特定の成分を含む未硬化の紫外線硬化型導電性組成物(以下、単に「導電性組成物」ということがある。)の硬化物より形成されている。
ここで、上記導電性組成物は、特定の成分として、(A)(メタ)アクリレートモノマーと、(B)ウレタン(メタ)アクリレートとを含有している。
(A)(メタ)アクリレートモノマーは、分子構造中にエチレンオキシド単位が導入されている。このエチレンオキシド単位は、導電性組成物中に含まれることがあるイオン導電剤との相溶性の向上に寄与する。
分子構造中に導入されているエチレンオキシド単位の含有量としては、硬化物の電気抵抗を低くしやすくなるなどの観点から、好ましくは、1〜98質量%の範囲内、より好ましくは、20〜98質量%の範囲内、さらに好ましくは、40〜98質量%の範囲内にあると良い。
なお、エチレンオキシド単位の含有量は、例えば、NMR(核磁気共鳴装置)などを用いて測定することができる。
(A)単官能の(メタ)アクリレートモノマーは、エチレンオキシド単位以外にも、他の単位が1種または2種以上、分子構造中に導入されていても良い。
上記他の単位としては、例えば、炭素数3〜20のアルキレンオキシド単位、トリメチロールプロパン単位、ペンタエリスリトール単位、エチルヘキシルカルビトール単位、グリセリン単位などや、ノニルフェノール単位、パラクミルフェノール単位、ビスフェノールA単位、スチレンオキシド単位、イソシアヌル酸単位、ビスフェノールF単位、フタル酸単位、フェノキシ単位などの環状不飽和構造を含む単位などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
また、(A)(メタ)アクリレートモノマーは、単官能であっても良いし、多官能であっても良い。あるいは、単官能の(メタ)アクリレートモノマーと、多官能の(メタ)アクリレートモノマーとが混合されていても良い。好ましくは、ロール抵抗を低くしやすいなどの観点から、(A)(メタ)アクリレートモノマーは、単官能であると良い。
なお、「(メタ)アクリレートモノマーが単官能である」とは、(メタ)アクリレートモノマー1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有していることをいう。また、「(メタ)アクリレートモノマーが多官能である」とは、(メタ)アクリレートモノマー1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有していることをいう。
(A)(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的には、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシエチレンオキシド変性アクリレート(表1の化1等)、ノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート(表1の化2等)、メトキシエチレンオキシド変性アクリレート(表1の化3等)、エトキシエチレンオキシド変性アクリレート(表1の化4等)、2エチルヘキシルエチレンオキシド変性アクリレート(表1の化5等)、ブトキシエチレンオキシド変性アクリレート(表1の化6等)、エチレンオキシド変性クレゾールアクリレート(表1の化7等)などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
Figure 0005219411
一方、(B)ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを合わせ持つ化合物である。(B)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、イソシアネート化合物に水酸基含有アクリレートが直接付加したタイプ、イソシアヌレートのようなポリイソシアネート化合物に水酸基含有アクリレートが直接付加したタイプ、ポリオールとイソシアネート化合物の反応物に水酸基含有アクリレートが付加したタイプなどのウレタン(メタ)アクリレートを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記イソシアネート化合物としては、ピュアMDI、クルードMDI、IPDIなどが挙げられる。また、上記ポリオールとしては、エステル系、エーテル系ポリオールなどが挙げられる。また、上記水酸基含有アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。
このうち、屈曲性、強度などの観点から、ポリオールとイソシアネート化合物の反応物に水酸基含有アクリレートが付加したタイプのウレタン(メタ)アクリレートを好適に用いることができる。
また、(B)ウレタン(メタ)アクリレート1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、当該組成物の硬化後に表層が硬くなり過ぎず、トナーに対するストレスを低減することができる、耐トナー付着性と耐摩耗性とのバランスを確保しやすくなるなどの観点から、好ましくは、1個〜6個の範囲内、より好ましくは、2個〜6個の範囲内、さらにより好ましくは、3個〜6個の範囲内にあると良い。
上記導電性組成物は、硬化後における表層の耐トナー付着性、耐摩耗性のバランスを良好にするなどの観点から、(A)成分/前記(B)成分(質量比)が、好ましくは、5/95〜95/5、より好ましくは、10/90〜90/10、さらにより好ましくは、30/70〜70/30の範囲内にあると良い。
上記導電性組成物は、上記(A)成分、(B)成分以外にも、必要に応じて、他の光重合成分を含有していても良い。
なお、他の光重合成分としては、例えば、分子構造中にエチレンオキシド単位が導入されていない、単官能もしくは多官能の(メタ)アクリレートモノマーなどを例示することができる。
他の光重合成分としては、具体的には、例えば、ヘキサジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシフェニルモノアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ヒドロキシエチルモノアクリレートなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合して用いても良い。
また、上記導電性組成物は、紫外線などの光により光重合して硬化するものであり、光重合開始剤を含んでいる。
上記光重合開始剤は、特に限定されることなく、通常使用され得るものであれば、何れのものでも使用することができる。
上記光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、2−メチルベンゾイン、ベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ジフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオシン、チオニン、ミヒラ−ケトン、アントラセン、アントラキノン、アセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピルαヒドロキシイソブチルフェノン、α・α´ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]・2・モルフォリノ−プロペン、チオキサントン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−イル)チタニウム)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(η5 −2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
上記光重合開始剤の含有量の下限値は、導電性組成物中に含まれる重合成分100質量部に対し、好ましくは、0.01質量部以上、より好ましくは、0.1質量部以上、さらにより好ましくは、1質量部以上であると良い。
一方、上記光重合開始剤の含有量の上限値は、導電性組成物中に含まれる重合成分100質量部に対し、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、10質量部以下であると良い。
また、上記導電性組成物は、好ましい添加成分として、(C)イオン導電剤をさらに含んでいると良い。(C)イオン導電剤を含む場合には、上記導電性組成物の硬化物である表層の電気抵抗の調整を図りやすくなる。
上記イオン導電剤は、特に限定されることなく、電子写真機器分野で使用され得るものであれば、何れのものでも使用することができる。
上記イオン導電剤としては、具体的には、例えば、化8で表される4級アンモニウム過塩素酸塩(但し、化8中、R、R、R、Rは、炭素数1〜18のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、キシリル基などを示す)、化9で表されるホウ酸塩(但し、化9中、R、R、R、Rは、炭素数1〜18のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、キシリル基などを示し、Mn+は、アルカリ金属イオンもしくはアルカリ土類金属イオンであり、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどを示す)などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
(化8)
Figure 0005219411
(化9)
Figure 0005219411
上記イオン導電剤の含有量の下限値は、導電性組成物中に含まれる重合成分100質量部に対し、好ましくは、0.01質量部以上、より好ましくは、0.1質量部以上、さらにより好ましくは、1質量部以上であると良い。
一方、上記イオン導電剤の含有量の上限値は、導電性組成物中に含まれる重合成分100質量部に対し、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、10質量部以下であると良い。
上記導電性組成物は、他にも、必要に応じて光安定剤、粘度調整剤、老化防止剤、加工助剤、滑剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、架橋剤、架橋助剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤、粗さ形成用粒子などの各種の添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
以上説明した導電性組成物は、取扱い性が良好であるなどの観点から、その粘度(25℃)が、好ましくは、100000mPa・s以下、より好ましくは、10000mPa・s以下であると良い。塗工性などにも優れるなどの観点から、さらにより好ましくは、5000mPa・s以下であると良い。
上記導電性組成物は、上記範囲に粘度を調製するなどの観点から、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン(MIDK)、THF、DMFなどの有機溶剤、メタノール、エタノールなどの水溶性溶剤などといった溶剤を適宜含んでいても良い。また、無溶剤であっても良い。
上述した導電性組成物は、各種材料を所望の配合となるように秤量し、これらを攪拌機、サンドミルなどの混合手段により混合するなどして調製することができる。なお、混合中、混合後に脱泡処理などを行っても良い。
このような導電性組成物を用いて、ベース層や中間層の外周に表層を形成する方法としては、例えば、ロールコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を適用することができる。
より具体的には、例えば、軸体にベース層、さらに中間層が任意に形成されたロール体の表面にロールコーティング法などにより、上記導電性組成物を塗工し、紫外線を照射して硬化させる方法、上記ロール体を、上記導電性組成物が貯留された貯留槽内に浸漬し、引き上げた後に紫外線を照射して硬化させる方法などを例示することができる。溶剤を含有する場合、モノマー成分を含有する場合には、紫外線硬化後、熱処理を行っても良い。
なお、これらコーティング法は1種または2種以上組み合わせても良い。また、上記コーティング法は、1回または2回以上繰り返し行っても良い。
表層の厚みは、特に限定されるものではないが、電気抵抗を上昇させ難い、摩耗し難いなどの観点から、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは、1〜50μm、さらにより好ましくは、3〜30μmの範囲内から選択すると良い。
また、表層の体積抵抗率は、耐電圧確保およびロール抵抗の調整などの観点から、好ましくは1×10〜1×1013Ω・cm、より好ましくは、1×10〜1×1011Ω・cmの範囲内から選択することができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
1.実施例および比較例に係る現像ロールの表層に用いる導電性組成物の調製
後述する表2に示す配合割合(単位は質量部)となるように、各種材料を秤量し、これらを攪拌機により撹拌、混合した後、室温にて24時間放置(脱泡のため)することにより、参考例1,実施例〜6に係る現像ロールの表層に用いる各導電性組成物を調製した。
この際、上記各導電性組成物の調製時に使用した各種材料は、以下の通りである。
・ポリエチレングリコールジアクリレート(CH=CHCOO(CO)−COCH=CH、n≒23)[新中村化学工業(株)製、「NKエステル A−1000」]
・ウレタンアクリレート(1)(官能基数f=2)[東亞合成(株)製、「アロニックス M1600」]
・ウレタンアクリレート(2)(官能基数f=4)[ダイセルUCB(株)製、「Ebecryl 8210」]
・ウレタンアクリレート(3)(官能基数f=6)[ダイセルUCB(株)製、「Ebecryl 1290」]
・光重合開始剤[チバスペシャルティケミカルズ(株)製、「イルガキュアー127」]
・イオン導電剤(トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート)
また、比較例1に係る現像ロールの表層に用いる導電性組成物には、以下のようにして調製したアクリルシリコーン樹脂系塗料を用いた。
アクリルシリコーン樹脂(東亞合成(株)製、「サイマックUS270」)333質量部を溶剤(メチルエチルケトン)167質量部に溶かし、その溶液中にカーボンブラック([電気化学工業(株)製、「デンカブラック」])30質量部を入れて混合し、ビーズミルで1時間循環させならが分散することによりアクリルシリコーン樹脂系塗料を調製した。
また、比較例2に係る現像ロールの表層に用いる導電性組成物には、以下のようにして調製したヒドリンゴム系塗料を用いた。
ヒドリン系ゴム(ダイソー(株)製、「エピクロマーCG102」)100質量部と、ステアリン酸(花王(株)製、「ルナックS−30」)1質量部と、酸化亜鉛2種(三井金属工業(株)製)5質量部と、受酸剤(協和化学工業(株)製、「DHT−4A」)3質量部と、粉末イオウ(鶴見化学工業(株)製)1.5質量部と、チアゾール系加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーDM」)1.5質量部と、チウラム系加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTS」)0.5質量部と、活性化炭酸カルシウム(白石工業(株)製、「白艶華CC」)30質量部と、アンモニウムパークロレート0.5質量部と、MEK/トルエン=1/1混合溶液1287質量部とを攪拌機などの混合手段により混合することによりヒドリンゴム系塗料を調製した。
2.導電性組成物の硬化物の特性評価
次に、得られた各導電性組成物の硬化物の特性評価を以下のようにして行った。
(摩擦係数)
参考例1,実施例〜6に係る各導電性組成物を、バーコート法によりガラス板上にコーティングした後、紫外線を照射し、厚さ約100μm、縦100mm、横100mmの各シート状硬化物を作製した。この際、紫外線照射機(アイグラフィック社製「UB031−2A/BM」)の紫外線ランプ(水銀ランプ形式)とコーティングした各組成物との距離は200mmとし、紫外線は50秒間照射(紫外線強度100mW/cm)した。
一方、比較例1および2に係る各塗料を、バーコート法によりガラス板上にコーティングした後、熱処理(比較例1は100℃で30分、比較例2は160℃で30分)し、厚さ約100μm、縦100mm、横100mmの各シート状硬化物を作製した。
次いで、摩擦係数測定機(協和界面科学(株)製、「DFPM−S」)を用い、先端子:剛球、測定荷重:50gの測定条件で、作製した各シート状硬化物の摩擦係数μsを測定した。
(電気抵抗)
上記各シート状硬化物表面に1cm角の銀ペースト電極を形成し、JIS K6271(2重リング電極法)に準拠して、100V印加したときの体積抵抗率を測定した。
3.電子写真機器用現像ロールの作製
(ベース層形成用組成物の調製)
導電性ミラブルシリコーンゴム(東芝シリコーン(株)製、「XE23−A4902」)100質量部と、パーオキサイド系架橋剤(東芝シリコーン(株)製、「TC−8」)1.5質量部とを、ニーダーで混練することにより、ベース層形成用組成物を調製した。
(中間層形成用組成物の調製)
ポリウレタン系エラストマー(坂井化学(株)製、「UN278」)100質量部と、カーボンブラック([電気化学工業(株)製、「デンカブラック」])30質量部と、イソシアネート10質量部と、ウレタン粒子(大日本インキ化学工業(株)製、「バーノックCFB100」、平均粒径20μm)20質量部と、メチルエチルケトン400質量部とを、分散、混合、撹拌することにより、中間層形成用組成物を調製した。
(ベース層の形成)
その内部に芯金(直径6mm)を同軸にセットした円筒状金型内に、ベース層形成用組成物を注入し、150℃で45分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、芯金の外周に、シリコーンゴム系組成物よりなるベース層(厚み3mm)を備えた各ロール体を作製した。
(中間層の形成)
ロールコート法を用いて、上記各ロール体の表面に中間層形成用組成物をコーティングし、180℃で30分加熱架橋することにより、ベース層の外周に中間層(厚み10μm)を形成した。
(表層の形成)
同様に、ロールコート法を用いて、上記中間層が形成された各ロール体の中間層表面に、参考例1,実施例〜6に係る導電性組成物、比較例1〜2に係る導電性組成物をそれぞれコーティングした。
その後、参考例1,実施例〜6については、紫外線を照射(紫外線強度100mW/cm、50秒間照射)することにより、各導電性組成物を紫外線硬化させ、各中間層の外周に各表層(厚み5μm)を形成した。これにより、参考例1,実施例〜6に係る現像ロール(3層構成)を作製した。
一方、比較例1〜2については、熱処理(比較例1は100℃で30分、比較例2は160℃で30分)を行うことにより、各塗料を熱硬化させ、各中間層の外周に各表層(厚み8μm)を形成した。これにより、比較例1〜2に係る現像ロール(3層構成)を作製した。
4.現像ロールの特性評価
(ロール抵抗)
金属ドラム上に各現像ロールを線接触させ、ロールの芯金の両端に各々500gの荷重をかけた状態で金属ドラムを回転駆動し、30rpmで各現像ロールをつれ回り回転させ、100V印加した状態での芯金と金属ドラム間の電気抵抗を測定し、ロール抵抗とした。
(耐トナー付着性)
耐トナー付着性を、フィルミングを調査することにより、評価した。評価は下記の手順により行った。
各現像ロールを、市販のカラーレーザープリンタ(キヤノン(株)製、「LBP−2510」)のカートリッジ内に組み込み、温度32.5℃、相対湿度80%RHの環境下にて、画像出しを通紙3000枚(A4サイズ)にて行い、その後、ロール表面を顕微鏡((株)キーエンス製、「VK−9510」)で拡大し、その外観を観察した。
上記観察により、ロール表面にトナーの付着がなかった、もしくは、軽微であった場合を耐トナー付着性に優れるとして「○」、ロール表面にトナーが付着し、画像にガサツキが発生した場合を耐トナー付着性に劣るとして「×」とした。
(耐摩耗性)
各現像ロールを、市販のカラーレーザープリンタ(キヤノン(株)製、「LBP−2510」)のカートリッジ内に組み込み、温度32.5℃、相対湿度80%RHの環境下にて、画像出しを通紙1000枚(A4サイズ)にて行い、その後、ロール表面を顕微鏡((株)キーエンス製、「VK−9510」)で拡大し、その外観を観察した。
上記観察により、中間層に配合された粗さ形成用粒子であるウレタン粒子の頂部位置に対応する表層がほとんど削れておらず、画像の乱れがなかった場合を耐摩耗性が良好であるとして「○」、同位置に対応する表層が削れ、画像にガサツキが発生した場合を耐摩耗性に劣るとして「×」とした。
(電荷減衰率)
温度15℃、湿度10%RHの環境下において、ロール回転数70rpmで各現像ロールを回転させながら、その現像ロール表面に、コロナ放電線(コロトロン)を用いて100μAのコロナ電流を印加し、ロール表面を帯電した。そして、上記コロナ放電線から1/4周期分後方の位置に配した表面電位計により、上記現像ロール表面の残留電荷qsを測定した。さらに、上記印加停止1秒後の残留電荷qrを測定した。なお、測定はロールを回転させたままで行った。そして、これらの値から、電荷減衰率=(qs−qr)/qs×100(%)を算出した。この電荷減衰率は、電気応答性の指標となるもので、当該値が大きいほど、電気応答性が高い。
ここでは、上記電荷減衰率が80%以上であった場合を、電気応答性が良好であるとして「○」、上記電荷減衰率が80%未満であった場合を、電気応答性に劣るとして「×」とした。
(画像出し評価)
各現像ロールを、市販のカラーレーザープリンタ(キヤノン(株)製、「LBP−2510」)のカートリッジ内に組み込み、温度23℃、湿度53%RHの環境下にて、ベタ、ハーフトーンの画像出しを行った。得られた画像に残像、ムラがなかった場合を画像出し良好として「○」、残像、ムラが生じた場合を画像出し不良として「×」とした。
表2に、実施例および比較例に係る現像ロールの評価結果を、表層形成用の導電性組成物の配合割合および材料特性とともにまとめて示す。
Figure 0005219411
表2を相対比較すると、以下のことが分かる。すなわち、比較例1に係る現像ロールは、表層のタック性が低い(摩擦係数μsが低い)ため、フィルミングが生じ難く、耐摩耗性も良好であった。しかしながら、電子導電性であるため、ロール抵抗バラツキが大きいうえ、電荷減衰率が小さく、電気的応答性に劣る。その結果、画像不具合が発生した。それ故、この現像ロールでは電子写真機器の高画質化への対応は困難であると言える。
また、比較例2に係る現像ロールは、ロール抵抗バラツキが小さいものの、表層の摩擦係数μsが大きく、フィルミングが発生し、耐トナー付着性に劣る。また、画像不具合も発生した。それ故、この現像ロールでは電子写真機器の高画質化、長寿命化への対応は困難であると言える。
これらに対し、実施例に係る現像ロールは、何れも、各表層が、本願で規定される重合成分である(A)成分および(B)成分の両方を含有する導電性組成物の硬化物よりなっている。
このように、(A)成分に加えて、(B)成分を用いると、硬化物の硬度が相対的に高くなり、表層の摩擦係数が小さくなって、(A)成分に起因するタック性が低下する。そのため、耐トナー付着性が向上し、フィルミングが生じ難く、耐久性を向上させることができる。
また、(B)成分を用いることで、硬化物の硬度が相対的に高くなるので、表層の耐摩耗性も向上させることができる。
また、実施例に用いた各導電性組成物は、塗布後、紫外線照射により速やかに硬化する。そのため、表層の下層に配置される中間層が有する凸部(粗さ形成粒子であるウレタン粒子の頂部位置に対応する)上に形成される表層の厚みが薄くなり難い。このため、ウレタン粒子の凹凸形状に起因して表層厚みが変化し難い。これにより、ウレタン粒子の上部にある表層が短期間のうちに摩耗し難く、これによっても耐摩耗性を向上させることができる。
また、上記硬化物よりなる表層は、イオン導電性であるため、ロール抵抗バラツキが小さいうえ、電荷減衰率が高く、電気的な応答性も高い。そのため、良好な画像が得られる。
したがって、かかる現像ロールは、これが組み込まれるプリンタや複写機などの電子写真機器の高画質化、高速化、長寿命化に対応しやすいことが確認できた。
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能なものである。
本実施形態に係る現像ロールの一例を示す周方向断面図である。 本実施形態に係る現像ロールの他の例を示す周方向断面図である。 粗さ形成用粒子を含む中間層、この上に形成される表層の一例を拡大して模式的に示した断面図である。
符号の説明
10 現像ロール
12 軸体
14 ベース層
16 中間層
18 表層
20 粗さ形成用粒子

Claims (3)

  1. 軸体と、軸体の外周に形成されたベース層と、前記ベース層の外周に形成された中間層と、前記中間層の外周に形成された表層とを有し、
    前記表層が、
    (A)分子構造中にエチレンオキシド単位が導入されている(メタ)アクリレートモノマーと、
    (B)ウレタン(メタ)アクリレートと、
    (C)イオン導電剤と、
    を含有する紫外線硬化型導電性組成物の硬化物よりなり、
    前記(A)成分/前記(B)成分(質量比)は、5/95〜95/5の範囲内にあり、
    前記(B)ウレタン(メタ)アクリレート1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、3〜6個の範囲内であることを特徴とする電子写真機器用現像ロール。
  2. 前記(A)成分/前記(B)成分(質量比)は、30/70〜70/30の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用現像ロール。
  3. 前記中間層は、粗さ形成用粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用現像ロール。
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